JP2020070472A - フェロコークスの混合率の算出方法および高炉操業方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】炉内に堆積した鉱石層におけるフェロコークスの混合率を算出できる算出方法を提供する。【解決手段】高炉に、コークスとフェロコークスとが混合された鉱石とを交互に装入し、高炉内に交互に形成されたコークス層と鉱石層のうち、鉱石層におけるフェロコークスの混合率の算出方法であって、高炉の炉内ガスおよび炉頂ガスの少なくとも一方のCOガス利用率とH2ガス利用率を測定し、COガス利用率およびH2ガス利用率を用いて鉱石層のフェロコークスの混合率を算出する。【選択図】図1

Description

本発明は、高炉内に堆積した鉱石層におけるフェロコークスの混合率を算出する算出方法および当該鉱石層におけるフェロコークスの混合率が目標値になるように鉱石およびフェロコークスの装入方法を調整する高炉操業方法に関する。
高炉の還元材比を低下させるには、高炉原料としてフェロコークスを使用し、フェロコークスを用いることによる高炉の熱保存帯温度低下効果を利用する方法が有効である。石炭と鉄鉱石とを混合して成型した成型物を乾留して製造されるフェロコークスは、高い反応性を有するので焼結鉱の還元が促進されるとともに、一部還元された鉄鉱石が含まれているので高炉の熱保存帯温度を下げることができ、還元材比を低減できる。
フェロコークスを用いた高炉操業方法としては、鉱石とフェロコークスとを混合して高炉の炉内に装入する方法が挙げられる。フェロコークスは、下記式(1)に示すCOガスとの反応性が石炭を乾留して製造される冶金用コークスよりも高い。下記式(1)の反応は、下記式(2)に示す鉱石の還元で生成したCOを、還元力を有するCOガスに再生する反応といえる。
CO+C→2CO ・・・(1)
FeO+CO→Fe+CO・・・(2)
従って、上記式(2)の反応によってCOガス濃度が高められた領域において上記式(1)の反応が速やかに起これば、COガスが還元力を有するCOガスに速やかに再生されるので鉱石の還元が促進される。
フェロコークスによる鉱石の還元促進効果を十分に発現させるには、高炉の径方向における鉱石とフェロコークスの混合状態が重要になる。一般的に高炉では通気性を確保するため、炉中心側にコークスを多く配置してガスの抜け道を確保することで操業の安定化を図っている。コークスが多く配置された場所では鉱石が少ないので、フェロコークスを配置しても、上記式(1)の反応によって再生されたCOガスが鉱石の還元に使用されることなくそのまま炉頂に到達し、炉外へと排出されてしまう。上記式(1)の反応は吸熱反応であるので、再生したCOガスが鉱石の還元に使われなければ炉内温度が低下し、その分の熱量を補填するため、還元材比を高めることが必要になる。従って、フェロコークスの効果を十分に発現させるには、鉱石に対するフェロコークスの混合率がなるべく均一になるようにフェロコークスを装入することが重要となる。
特許文献1には、鉱石中にフェロコークスを均一に混合させることが好ましいことが開示されている。特許文献1によれば、鉱石とフェロコークスとを均一に混合して装入することで、鉱石とフェロコークスとを別々に装入した場合より還元材比を低減できることが開示されている。
特許文献2には、所定量のフェロコークスを所定の層高方向および径方向の位置に混合することで、鉱石中にフェロコークスを均一に混合させた場合よりも還元材比を低減できることが開示されている。
特許文献3には、炉頂バンカーから排出されたフェロコークスと鉱石とからなる混合原料の質量変化速度と体積変化速度とを用いて、炉頂バンカーから排出された混合原料のフェロコークスの混合度を算出できることが開示されている。
特開2006−28594号公報 特開2011−162845号公報 特開2018−70898号公報
特許文献1によれば、フェロコークスを鉱石中に均一に混合させることが好ましいとされているものの、鉱石中にフェロコークスを均一に混合させる方法や、鉱石中にフェロコークスを均一に混合できたか否かを確認する方法は開示されていない。
特許文献2によれば、所定量のフェロコークスを所定の層高方向および径方向の位置に混合することで還元材比を低減できるとされている。しかしながら、通常、フェロコークスは鉱石よりも粒径が大きいので、炉内堆積時に粒度偏析が起こり所定量のフェロコークスが狙った位置に混合されていない可能性がある。また、鉱石の粒度は操業中に逐次変化するので、これに応じて粒度偏析の度合いも変化し、フェロコークスの混合率分布も変化する。このように、フェロコークスの混合率分布は操業中に変化し得るので、高炉の炉内に堆積した鉱石層におけるフェロコークスの混合率を確認できないと、継続して還元材比を低減する効果が得られない。
特許文献3によれば、炉頂バンカーから排出されたフェロコークスと鉱石とからなる混合原料の混合度を推定できるとされている。しかしながら、上述したように高炉の炉内堆積時に粒度偏析が起こるので、この方法では炉内に堆積した鉱石層の混合率を算出できない。本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、炉内に堆積した鉱石層におけるフェロコークスの混合率を算出できる算出方法を提供すること、および、当該混合率が予め定められた混合率になるように鉱石に対するフェロコークスの装入方法を調整する高炉操業方法を提供することにある。
このような課題を解決するための本発明の特徴は、以下の通りである。
[1]高炉に、コークスとフェロコークスとが混合された鉱石とを交互に装入し、高炉内に交互に形成されたコークス層と鉱石層のうち、前記鉱石層におけるフェロコークスの混合率の算出方法であって、前記高炉の炉内ガスおよび炉頂ガスのうち少なくとも一方のCOガス利用率とHガス利用率を測定し、前記COガス利用率およびHガス利用率を用いて前記鉱石層のフェロコークスの混合率を算出する、フェロコークスの混合率の算出方法。
[2]前記高炉の半径方向の複数位置における炉内ガスおよび炉頂ガスのうち少なくとも一方のCOガス利用率およびHガス利用率を用いて、前記複数位置における鉱石層のフェロコークスの混合率を算出する[1]に記載のフェロコークスの混合率の算出方法。
[3]コークスとフェロコークスとが混合された鉱石と、を交互に装入する高炉操業方法であって、[2]に記載のフェロコークスの混合率の算出方法で算出された前記複数位置における鉱石層のフェロコークスの混合率が予め定められた混合率になるように前記鉱石と前記フェロコークスの装入方法を調整する、高炉操業方法。
本発明によれば、高炉の炉内に堆積した鉱石層におけるフェロコークスの混合率を算出できる。また、半径方向の複数位置におけるフェロコークスの混合率を算出することで、鉱石に対するフェロコークスの装入方法をどのように調整すれば予め定められたフェロコークスの混合率にできるか把握できるので、当該装入方法に調整して半径方向の複数位置におけるフェロコークスの混合率を予め定められた目標とする混合率にすることができる。
本発明の概念を示す模式図である。 シフト平衡温度が700℃および750℃の各ガス組成における等温線と、実操業における炉頂ガスのηCO、ηH2の関係を示すグラフである。 フェロコークスの混合率と、シフト平衡温度との関係を示すグラフである。 高炉10の炉頂バンカー24周辺の構成を示す断面模式図である。 実施例における各期間のフェロコークス混合率の推移を示すグラフである。 実施例における各期間の還元材比の推移を示すグラフである。 実施例における各期間の平均ηCOを示すグラフである。 実施例における各期間の平均ηH2を示すグラフである。 実施例における各期間のシフト平衡温度を示すグラフである。 比較例2における半径方向の複数位置におけるフェロコークスの混合率を示すグラフである。 発明例における半径方向の複数位置におけるフェロコークスの混合率を示すグラフである。
まず、本発明をするに至った経緯について説明する。図1は本発明の概念を示す模式図である。高炉10の炉内では、以下の式(3)に示す水性ガスシフト反応が起こっており、本反応の平衡状態は高温になるほど反応物側に移動し、低温になるほど生成物側に移動する。
式(3)反応は、高炉の炉内ではほぼ平衡に達していると考えられるが、式(3)の反応が平衡に達する温度によって炉頂ガスの組成が変化する。式(3)反応の平衡定数K(‐)は式(4)で与えられることが知られている。ここで、式(4)を変換すると平衡温度T(℃)が式(5)により得られる。また、平衡定数Kは、COガス利用率ηCO(=PCO2/(PCO+PCO2))およびHガス利用率ηH2(=PH2O/(PH2+PH2O))を用いると、式(6)で表される。
ηCOおよびηH2は炉頂ガスを採取して組成分析することで測定できる。測定されたηCO、ηH2と、式(5)、(6)を用いてシフト平衡温度Tを算出できる。後述するように、シフト平衡温度Tとフェロコークスの混合率は相関関係があるので、シフト平衡温度Tを用いてフェロコークスの混合率が算出できる。このように、フェロコークスの混合率を算出することで、高炉の炉内に堆積した鉱石層におけるフェロコークスの混合率が予め定められた目標とするフェロコークスの混合率になっているか否かを確認できる。そして、目標とするフェロコークスの混合率となっていない場合には、目標とするフェロコークスの混合率になるように、鉱石とフェロコークスの装入方法を調整する。
図2は、シフト平衡温度が700℃および750℃の各ガス組成における等温線と、実操業における炉頂ガスのηCO、ηH2の関係を示すグラフである。図2において、横軸はηCO(%)であり、縦軸はηH2(%)である。図2に示した丸プロットは、フェロコークスを使用せずに行った操業のηCOとηH2との関係を示すプロットであり、三角プロットは、フェロコークスを50kg/t使用した操業のηCOとηH2との関係を示すプロットである。
フェロコークスを使用せずに行った操業では、原料性状の変動により炉内の還元効率が変化した。これにより、ηCOおよびηH2が変化したが、概ねシフト平衡温度が750℃の等温線に沿って変化した。フェロコークスを使用して行った操業においても、シフト平衡温度の等温線に沿ってηCOおよびηH2が変化したが、シフト平衡温度は700℃に低下した。このシフト平衡温度の低下は、フェロコークスを使用したことで熱保存帯温度が低下したことによると推定される。
このように、フェロコークスを使用することでシフト平衡温度が低下したことから、フェロコークスの混合率とシフト平衡温度との関係を確認するため、実機高炉にフェロコークスの混合率を変えた鉱石を装入し、その操業で発生した炉頂ガスのηCO、ηH2から求められるシフト平衡温度を確認した。
図3は、フェロコークスの混合率と、シフト平衡温度との関係を示すグラフである。図3において、横軸はフェロコークスの混合率(kg/t)であり、縦軸はシフト平衡温度(℃)である。なお、フェロコークスの混合率の単位kg/tは、溶銑1トンを製造するのに使用されたフェロコークスの質量(kg)である。
図3に示すように、フェロコークスの混合率およびシフト平衡温度には相関関係があり、フェロコークスの混合率が1kg/t上昇すると、シフト平衡温度は1℃低下した。この結果から、フェロコークス混合率とシフト平衡温度T(℃)の関係は、下記式(7)と表すことができる。
E=T−a×FCR・・・(7)
但し、式(7)において、T=750℃であり、a=1.0℃/(kg/t)であり、FCRはフェロコークス混合率(kg/t)である。また、採取するガスは炉頂ガスに限らず炉内ガスであってもよい。但し、T(℃)および傾きa(℃/(kg/t))は、高炉ごとに、また、採取するガスが炉内ガスか炉頂ガスかで値が異なる場合がある。このため、高炉ごと、ガスを採取する条件ごとに上述した検討を予め行い、検量線を引いてTおよび傾きaを算出しておくことが好ましい。
本発明の発明者らは、式(7)に示した関係を利用し、高炉10の炉内ガスを採取してηCO、ηH2を測定し、当該ηCO、ηH2および上記式(5)〜(7)を用いて高炉10の炉内に堆積した鉱石層におけるフェロコークスの混合率を算出できることを見出して本発明を完成させた。以下、本発明を発明の実施形態を通じて説明する。
本実施形態に係るフェロコークスの混合率の算出方法では、高炉に、コークスとフェロコークスが混合された鉱石とを交互に装入し、高炉内に交互に形成されたコークス層と鉱石層のうち、鉱石層におけるフェロコークスの混合率を算出する。具体的には、図1に示したように、高炉10の炉内の予め定められた高さ、または、炉口部にガスサンプラー12を設置し、当該ガスサンプラー12を用いて炉内ガスおよび炉頂ガスのうち少なくとも一方のηCO、ηH2を測定し、当該ηCO、ηH2および上記式(5)〜(7)を用いてフェロコークスの混合率を算出する。これにより、高炉10内に堆積した鉱石層におけるフェロコークスの混合率を算出できる。
さらに、高炉内の半径方向の複数位置にガスサンプラー12を設置し、当該複数位置における炉内ガスおよび炉頂ガスのうち少なくとも一方のηCO、ηH2を測定してもよい。これにより、当該ηCO、ηH2および上記式(5)〜(7)を用いて、半径方向の複数位置における鉱石層のフェロコークスの混合率を算出できる。すなわち、半径方向のある位置でサンプリングされるガスは、炉内の当該半径方向の位置に相当する流路を上昇してくるガスであり、その半径方向位置の鉱石とフェロコークスの混合率に相当するガス組成となるので、この複数位置において算出される鉱石層のフェロコークスの混合率は、半径方向におけるフェロコークスの混合率分布となる。
また、高炉操業における還元材比を低減できるフェロコークスの混合率分布を予め定めておき、半径方向の複数位置におけるフェロコークスの混合率が予め定められた混合率分布になるように、鉱石とフェロコークスの装入方法を調整することが好ましい。これにより、仮に、操業中に鉱石の粒度および粒度偏析の度合が逐次変化し、フェロコークスの混合率が操業中に変化したとしても、本実施形態に係るフェロコークスの混合率の算出方法でフェロコークスの混合率を算出することで当該混合率の変化を把握でき、目標とする予め定められた混合率分布になるように鉱石とフェロコークスの装入方法を調整できる。この結果、鉱石層におけるフェロコークスの混合率分布を目標とする混合率分布に近づけることができ、還元材比を低減できる効果が継続して得られる。
なお、ガスサンプラー12は、高炉10のシャフト部または炉口部に設置されており、炉壁部から炉中心部までの特定の位置または複数位置で高炉10の炉内ガスを採取し、当該ガスにおけるHO、H、CO、COの分圧を測定してηCO、ηH2を算出する。本実施形態におけるガスサンプラー12は、常時炉内ガスの採取が可能な固定式であってもよく、定期的に高炉10内に挿入されて炉内ガスの採取を行う可動式であってもよい。但し、可動式である場合には、少なくとも1日1回以上高炉10内に挿入し、高炉10の炉内ガスの採取を行ってフェロコークスの混合率を算出することが好ましい。また、複数位置でガス採取ができる装置の場合、炉壁部から炉中心までの間の5点以上の位置で炉内ガスを採取することが好ましい。また、高炉10内におけるシフト平衡温度は基本的に600℃以上となるので、高炉10の炉内温度が600℃より高くなる位置ではシフト反応が平衡に達していなく上記式(4)が成り立たない可能性がある。このため、ガスサンプラー12は、高炉10の炉内温度が600℃以下となる位置に設置することが好ましい。
図4は、高炉10の炉頂バンカー24周辺の構成を示す断面模式図である。図4を用いて、半径方向の複数位置における鉱石層のフェロコークスの混合率を調整する方法を説明する。本実施形態では、鉱石ホッパー14からベルトコンベア18上に所定量の鉱石20を排出させ、ベルトコンベア18上を搬送される鉱石20の上に、フェロコークスホッパー16から所定量のフェロコークス22を排出させ、これらを炉頂バンカー24に装入している。この場合において、鉱石20とフェロコークス22の装入方法の調整は、鉱石20上にフェロコークス22を重ねる範囲を変化させることで実施される。鉱石20上にフェロコークス22を重ねる範囲を変化させることで、炉頂バンカー24内に充填されたときの鉱石20とフェロコークス22との混合状態が変わる。これにより、炉頂バンカー24から高炉10内に装入され、高炉10内に堆積した鉱石層におけるフェロコークス22の混合率分布が調整できる。
例えば、ベルトコンベア18上で鉱石20の前方にフェロコークス22を重ねて排出させた場合、炉頂バンカー24からの排出初期にフェロコークス22が多く排出される。これに対して、ベルトコンベア18上で鉱石20の後方にフェロコークス22を重ねて排出させた場合、炉頂バンカー24からの排出後期にフェロコークス22が多く排出される。このような排出傾向と、ベルレスシュート26の旋回パターンとの組み合わせにより、高炉10内の堆積時におけるフェロコークス22の混合状態を調整できる。
次に、本実施形態に係る混合率の算出方法および高炉操業方法を5000m級の高炉の操業に適用させた実施例について説明する。本実施例においてフェロコークスを使用する場合には、図4に示したように、ベルトコンベア18上に搬送される鉱石の上にフェロコークスを重ねて排出し、これを炉頂バンカー24およびベルレスシュート26を用いて高炉に装入した。ガスサンプラーは、高炉のシャフト部に設置された可動式のガスサンプラーであり、1日3回、炉壁から炉中心部に向けて挿入し、径方向の7つの位置で炉内ガスを採取して当該位置のガス組成からシフト平衡温度を算出し、当該位置におけるフェロコースの混合率を算出した。
図5は、実施例における各期間のフェロコークス混合率の推移を示すグラフである。図5において、横軸は期間であり、縦軸はフェロコークス混合率(kg/t)である。また、図5に示したプロットは、全て1週間の平均値である。
図5に示すように、比較例1の期間ではフェロコークスを使用せずに高炉操業を実施した。比較例2および発明例では、フェロコークスを50kg/t使用して高炉操業を実施した。比較例2の期間では、フェロコークスを50kg/t使用し、期間内を通じてフェロコークスはベルトコンベア18上で、鉱石の後方1/2の範囲に重ねて装入した。
本実施例では、半径方向7点の各位置で炉内ガスを採取してCOガス利用率とHガス利用率を測定し、これらガスの利用率および上記式(5)、(6)を用いてシフト平衡温度を算出した。比較例2および発明では、(7)式を用いてフェロコークス混合率を算出した。発明例では、さらに初期に調整されたフェロコークスの混合率分布が変化しないように、鉱石およびフェロコークスの装入方法を調整した。装入方法の調整は、各位置における1日の平均混合率が予め定められた目標とするフェロコークスの混合率から一定の値以上外れた場合に、装入ベルトコンベア上で鉱石上にフェロコークスを重ねる範囲を変更することで径方向のフェロコークス混合率分布を調整した。なお、本実施例では、全期間を通じて、生産量を一定に維持し、溶銑温度が一定となるように還元材比を調整した。
図6は、実施例における各期間の還元材比の推移を示すグラフである。図6において、横軸は期間であり、縦軸は還元材比(kg/t)である。還元材比の単位kg/tは、溶銑1トンを製造するのに用いられた還元材の質量(kg)である。また、図6に示したプロットも、全て1週間の平均値である。
図6に示すように、比較例1の期間の平均還元材比が521kg/tであったのに対し、比較例2の期間の平均還元材比は509kg/tとなり、発明例の期間の平均還元材比は503kg/tとなった。このように、還元材比は、フェロコークスを使用していない比較例1と比べて、フェロコークスを使用した比較例2、発明例の方が低くなった。これは、フェロコークスによる還元改善効果によるものと考えられる。また、発明例では、比較例2よりさらに還元材比が6kg/t低くなった。
図7は、実施例における各期間の平均ηCOを示すグラフである。図7において、縦軸はηCO(%)であり、横軸は無次元半径(−)である。ここで無次元半径とは、半径方向における高炉の炉中心からの長さを高炉半径で除した値である。また、(−)は無次元を示す。
図8は、実施例における各期間の平均ηH2を示すグラフである。図8において、縦軸はηH2(%)であり、横軸は無次元半径(−)である。
図9は、実施例における各期間のシフト平衡温度を示すグラフである。図9において、縦軸はシフト平衡温度(℃)であり、横軸は無次元半径(−)である。図9に示すように、比較例1の期間のシフト平衡温度は径方向によらずほぼ750℃で一定であった。比較例2および発明例の期間のシフト平衡温度は、比較例1よりも低くなった。
図10は、比較例2における半径方向の複数位置におけるフェロコークスの混合率を示すグラフである。図10において、縦軸はフェロコークスの混合率(kg/t)であり、横軸は無次元半径である。図10の丸プロットは、期間中のフェロコークスの混合率の平均値を示し、エラーバーは期間中の標準偏差を示す。
図11は、発明例における半径方向の複数位置におけるフェロコークスの混合率を示すグラフである。図11において、縦軸はフェロコークスの混合率(kg/t)であり、横軸は無次元半径である。図11の△プロットは期間中の平均値を示し、エラーバーは期間中の標準偏差を示す。
図10および図11からわかるように発明例では比較例2よりもフェロコークスの混合率の変動を抑制できていることがわかる。比較例2のフェロコークスの混合率の変動が大いのは、供給される鉱石の粒度等が操業中に変動し、フェロコークスと鉱石の粒径差による粒度偏析の度合いが変化したことが要因の一つと考えられる。すなわち、鉱石粒度が大きくなった場合には、鉱石とフェロコークスとの粒径差が縮小し粒度偏析が抑制される一方で、鉱石粒度が小さくなった場合には、鉱石とフェロコークスとの粒径差が拡大し粒度偏析が起こりやすくなるので、中心部や周辺部のフェロコークスの混合率が高くなる。
一方、発明例では、高炉内に設置されたガスサンプラーを用いてCOガス利用率とHガス利用率を測定し、これらガスの利用率および上記式(5)〜(7)を用いて半径方向の7点の位置におけるフェロコークスの混合率を測定し、これら混合率が、初期に定められた目標とするフェロコークスの混合率分布になるように、鉱石およびフェロコークスの装入方法を調整した。これにより、比較例2よりも発明例の方がフェロコークスの混合率の変動が小さくなった。この結果、還元材比の変動が抑制され、比較例2よりも還元材比が低減した。
10 高炉
12 ガスサンプラー
14 鉱石ホッパー
16 フェロコークスホッパー
18 ベルトコンベア
20 鉱石
22 フェロコークス
24 炉頂バンカー
26 ベルレスシュート

Claims (3)

  1. 高炉に、コークスとフェロコークスとが混合された鉱石とを交互に装入し、高炉内に交互に形成されたコークス層と鉱石層のうち、前記鉱石層におけるフェロコークスの混合率の算出方法であって、
    前記高炉の炉内ガスおよび炉頂ガスのうち少なくとも一方のCOガス利用率とHガス利用率を測定し、前記COガス利用率およびHガス利用率を用いて前記鉱石層のフェロコークスの混合率を算出する、フェロコークスの混合率の算出方法。
  2. 前記高炉の半径方向の複数位置における炉内ガスおよび炉頂ガスのうち少なくとも一方のCOガス利用率およびHガス利用率を用いて、前記複数位置における鉱石層のフェロコークスの混合率を算出する、請求項1に記載のフェロコークスの混合率の算出方法。
  3. コークスとフェロコークスとが混合された鉱石と、を交互に装入する高炉操業方法であって、
    請求項2に記載のフェロコークスの混合率の算出方法で算出された前記複数位置における鉱石層のフェロコークスの混合率が予め定められた混合率になるように前記鉱石と前記フェロコークスの装入方法を調整する、高炉操業方法。
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