JP2020070406A - 波長変換蛍光体及び光源モジュール - Google Patents

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将人 森
慶 豊田
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Shinnosuke Akiyama
真之介 秋山
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Abstract

【課題】得られる白色光が色むら無く、励起光源に高エネルギーなLDを用いた場合にも対応できる、耐熱に優れた波長変換蛍光体を提供する。【解決手段】蛍光体は、発光性を有する第1のマトリックス相101と、熱伝導性を有する第2のマトリックス相102とが3次元的に複合化された構造物からなる蛍光体100であって、第1のマトリックス相が蛍光材料であり、構造物の平均組織サイズa(μm)と蛍光体の発光波長b(μm)とが以下の式、1≦a/b≦1.2及び0.2μm≦b≦1.3μmを満たす。【選択図】図1

Description

本発明は、白色LED(Light Emitting Diode)や白色レーザー光源に使用される波長変換蛍光体と光源モジュールに関する。
近年、青色ダイオードが実用化され青色LEDの量産が始まり、赤色、緑色とともに光の三原色が揃ったことによってLEDの白色化が可能となっている。
白色LEDは、照明機器の高輝度化、高出力化そして高効率化の実現によって一般照明用光源に使われるものとなっている。
また、光源モジュールとしてプロジェクターの高輝度対応や自動車のヘッドライト遠方照明の要求に対してより出力の高い光源が求められており、LED光源に変わり、青色レーザーダイオード(LD)を励起光として用いられる検討が進んでいる。
特にレーザーディスプレイ実用化の波及効果としてLD光源モジュールの単価が下がっており、自動車のレーザーヘッドライト、インテリジェント照明、内視鏡照明などのレーザー照明への展開が始まっている。
加えてLDは点発光光源としての光学特性を有し、指向性の求められる自動車のヘッドライトや、光源として集光し、志向性の高い光を要する用途において光学システムを小型化することが可能となる。
しかしながら、励起光のパワー密度を上げていくと微小な面積に光エネルギーが集中し、発熱量が増加する。そのため耐熱性に優れ、指向性の高い蛍光を発する蛍光体が要求される。
従来、白色LEDではInGaN系半導体から発せられる青色のピーク450nmの波長の励起光をCe3+が賦活金属として用いられたYAG:Ce蛍光体が吸収し、550nm付近にピークを有する黄色の光を蛍光し、青色と黄色を混色することにより白色化が可能となっている。なお、蛍光体は、波長変換機能を有する。すなわち、蛍光体は、ある波長の光を吸収しそれとは異なる波長の光である蛍光を発生する。
従来のYAG:Ce蛍光体は、主としてAlとYとCeOなどの酸化物を焼結することによって形成されていた。しかしながら、焼結体の蛍光体特性として蛍光体温度が100℃〜150℃程度まで温度が上昇すると、急激に蛍光出力が低下する問題があった。
その問題を解決するため、特許文献1に記載の蛍光体は、励起光の波長が460nmであり、温度を25℃から100℃まで上げたときの蛍光強度(蛍光出力)の低下が3%未満であり、YAG結晶を母結晶とする単結晶の蛍光体が開示されている。
また特許文献2には、二種以上の金属酸化物マトリックス相から生成された波長変換材料が開示されている。この波長変換材料は、各マトリックス相が連続的にかつ三次元的に配列されて相互に絡み合って存在し、マトリックス相の少なくとも一つが付活された酸化物からなる蛍光体相であるセラミック複合材料からなる。
特許第5649202号公報 特許第4609319号公報
しかしながら、特許文献1に記載の蛍光体は、単結晶であるため耐熱性に優れるが、黄色透明であるため、青色のLD励起光により発光した黄色の蛍光は広がり角を有する。一方、青色のLD光は指向性が高い状態で光が透過するため、周囲が黄色く中心部が青みかかった色むらのある白色光となる問題がある。
加えて、上記のように光が広がるため、効率のよい光源モジュールを得るためには、大きな光学系を用いて集光する必要があり、光源モジュールが大型化する。
また、特許文献2に記載の光変換部材では2種以上の酸化物よりなり、蛍光を発する化合物を含むマトリックス相から構成される凝固体である。この蛍光体は2種以上の酸化物層を有するため、青色のLD励起光により発光した黄色の蛍光は酸化物相界面において屈折する。このため、蛍光体相などの酸化物層をLD励起光、及び、LD励起光による蛍光が反射を繰り返し伝播する。この酸化物は、ルツボ内で溶融させ、凝固させて作成するが、光が伝播する酸化物のサイズは凝固速度に依存する。融液の凝固速度は、融液組成及び溶融条件によって、適宜の値に設定することになるが、通常50mm/h以下、好ましくは1〜20mm/hとされている。このような凝固速度では酸化物相のサイズは100μm程度となる。このようにして作成した酸化物は、3次元的に酸化物層が入り組んで形成されているため、酸化物層を蛍光が3次元的に入り組んだ層内を伝播するため、黄色の蛍光は、発光面において約2倍程度に広がり、かつ、青色の光は指向性が高い状態で透過するため、特許文献1と同様に色むらのある白色光となる。
以上の問題を解決するためには、LEDやLDの青色の励起光と、蛍光体により発光した黄色の蛍光と、を混色し色むらの無い白色光を得ることと耐熱性に優れた材料が必要となる。
本発明は、得られる白色光が色むら無く、励起光源に高エネルギーなLDを用いた場合にも対応できる、耐熱に優れた波長変換蛍光体を提供することを目的とする。
本発明に係る蛍光体は、発光性を有する第1のマトリックス相と、熱伝導性を有する第2のマトリックス相とが3次元的に複合化された構造物からなる蛍光体であって、
前記第1のマトリックス相が蛍光材料であり、
前記構造物の平均組織サイズa(μm)と前記蛍光体の発光波長b(μm)とが以下の関係式、
1≦a/b≦1.2 及び
0.2μm≦b≦1.3μm
を満たす。
また、本発明に係る光源モジュールは、上記蛍光体と、
前記蛍光体の発光波長b(μm)より短い励起光を発光する発光デバイスと、
を備える。
以上のように、本発明に係る蛍光体によれば、構造物の平均組織サイズが蛍光体の発光波長より大きい。そこで、レーザー光を照射した際、レーザー光の照射面とは反対側へ導波したレーザー光の抜けが低減され、色むらを抑制することが可能となる。これにより、励起光源に高エネルギーなLDを用いた場合にも耐熱性に優れた蛍光体および光源モジュールを実現できる。
実施の形態1に係る波長変換蛍光体の断面構成を示す断面模式図である。 実施の形態1に係る蛍光体を得るための引下げプロセスの初期状態を表す概略図である。 実施の形態1に係る蛍光体を得るための引下げプロセスにおける引き下げの途中状態を示す概略図である。 実施の形態1に係る蛍光体の断面のSEM写真である。 図3AのSEM写真から1つのラインに沿って2値化したマトリックス相の境界を示す概略図である。 実施の形態1において説明した蛍光体の色むらを測定するために使用した装置の構成を表す概略図である。 実施の形態1において説明した蛍光体の蛍光強度を測定するために使用した装置の構成を表す概略図である。 比較例1〜7及び実施例1〜5の評価結果を示す表である。
第1の態様に係る蛍光体は、発光性を有する第1のマトリックス相と、熱伝導性を有する第2のマトリックス相とが3次元的に複合化された構造物からなる蛍光体であって、
前記第1のマトリックス相が蛍光材料であり、
前記構造物の平均組織サイズa(μm)と前記蛍光体の発光波長b(μm)とが以下の関係式、
1≦a/b≦1.2 及び
0.2μm≦b≦1.3μm
を満たす。
第2の態様に係る蛍光体は、上記第1の態様において、前記第1のマトリックス相、および前記第2のマトリックス相は、金属酸化物から構成され、
前記第1のマトリックス相は、前記金属酸化物中の一部の金属元素がランタノイド系元素に置換された構造であってもよい。
第3の態様に係る蛍光体は、上記第2の態様において、前記第1のマトリックス相が、母体としてYAl12あるいはLuAl12の構造を有し、その一部であるY元素あるいはLu元素がCe元素に置換された構造であって、
前記第2のマトリックス相がAlからなるものであってもよい。
第4の態様に係る光源モジュールは、上記第1から第3のいずれかの蛍光体と、
前記蛍光体の発光波長b(μm)より短い波長の励起光を発光する発光デバイスと、
を備える。
上記構成によって、発光性を有する第1のマトリックス相より発生する熱を、熱伝導性を有する第2のマトリックス相に効率的に伝導し、放熱させることができる。
上記構成によって発光量を低下させることなく、かつ色むらを低減した蛍光体を実現することができる。
以下、実施の形態に係る蛍光体について添付図面を参照しながら詳述する。なお、図面において実質的に同一の部材については同一の符号を付している。
(実施の形態1)
<波長変換蛍光体>
図1は、実施の形態1に係る蛍光体100の断面構成を示す断面模式図である。
実施の形態1に係る蛍光体100は、発光性を有する第1のマトリックス相101と、熱伝導性を有する第2のマトリックス相102とが3次元的に複合化した構造物からなる。第1のマトリックス相101は、蛍光材料である。また、上記構造物の平均組織サイズa(μm)と蛍光体の発光波長b(μm)とは、以下の式、
1≦a/b≦1.2 及び
0.2μm≦b≦1.3μm
を満たす。
この蛍光体100によれば、発光性の有する第1のマトリックス相101より発生する熱を、熱伝導性を有する第2のマトリックス相102に効率的に伝導し、放熱させることができる。また、発光量を低下させることなく、かつ色むらを低減した蛍光体を実現することができる。
以下に、この蛍光体100を構成する構成要素について説明する。
(発光性を有するマトリックス相:第1のマトリックス相)
発光性を有するマトリックス相(第1のマトリックス相)101は、母体結晶を構成する一部の元素が、発光源となる元素に置換された構造を有する。母体結晶の構造としては数多く存在する結晶の中でも、例えば、ガーネット構造を有するYAl12あるいはLuAl12であることが望ましい。この構造はYあるいはLuと、この後に述べる熱伝導性を有するマトリックス相102であるAlとからなり、複合体を作製する観点では非常に好適である。
また、発光源となる元素としては、ランタノイド系元素が挙げられるが、その中でもCe元素を選択することが望ましい。上述したように発光源となる元素は母体結晶を構成する一部の元素と置換されるが、特にYAl12あるいはLuAl12の一部であるY元素あるいはLu元素と置換した際に、それぞれ黄色および緑色の優れた発光を示すことから好適である。
(熱伝導性を有するマトリックス相:第2のマトリックス相)
熱伝導性を有するマトリックス相102は、物性として熱伝導率の高いものを選択することができ、金属酸化物や金属窒化物などが知られているが、不活性ガス雰囲気下でも安定である金属酸化物を使用することが望ましい。中でも、発光性を有するマトリックス相101を構成する酸化物の1つであり複合体を形成しやすいという観点からAlを使用することがさらに好ましい。
(構造物の平均組織サイズ)
蛍光体100において、第1のマトリックス相101と第2のマトリックス相102とは、図1に示すように、3次元的に複合化された構造物を構成している。構造物の平均組織サイズは、つまり、第1のマトリックス相101と第2のマトリックス相102との平均組織サイズa(μm)である。この構造物の平均組織サイズa(μm)と蛍光体の発光波長b(μm)とは、1≦a/b≦1.2 及び 0.2μm≦b≦1.3μmの関係式を満たす。つまり、平均組織サイズa(μm)は、蛍光体の発光波長b(μm)以上である。
構造物の平均組織サイズa(μm)が上記関係式を満たす範囲にあれば、色むらの指標であるIb/Iyの値が小さくなる。
上記の理由としては、例えば、以下のように考えられる。構造物の平均組織サイズが励起波長および、蛍光波長より小さくなることにより、蛍光体内のマトリックス界面において光の屈折が起こりにくくなる。加えて、発光した光は360度に発光するため、蛍光体から光が出る面において励起光の入射径に比較して大きな面積から光が放射されることとなり、色むらが発生すると考えられる。
一方、構造物の平均組織サイズが蛍光体の発光波長b(μm)の1.2倍を超える場合には、蛍光の黄色の光がマトリックス相内を伝播するため、蛍光体からの発光面においては励起光の入射径に比較して大きな面積から光が放射される。この現象により、白色光を形成する蛍光黄色成分が広がり、青色の励起成分が直進的に蛍光体から出るため、色むらの原因となると考えられる。
<蛍光体の製造方法>
次に、実施の形態1に係る波長変換蛍光体100を作成する方法を説明する。
最も好ましいのは一方向急冷凝固法である。図2A及び図2Bは、それぞれ一方向急冷凝固プロセスの初期状態と引き下げの途中状態とを示している。図2A及び図2Bを参照しながら、本実施の形態1に係る波長変換蛍光体100の製造方法について説明する。
本実施の形態1に係る波長変換蛍光体100は、所定の金属酸化物を融解後、凝固して作られる。例えば、所定量の発光性を有するマトリックス相101を形成する金属酸化物、第2のマトリックス相102を形成する第2の金属酸化物を所定温度に保持したルツボ202に入れ、冷却温度を制御しながら冷却凝結させる。
(1)まずはじめに、所定量の発光性を有するマトリックス相101を形成する第1の金属酸化物、熱伝導性を有するマトリックス相102を形成する第2の金属酸化物、賦活金属イオンを含む金属酸化物を混合して、混合粉末を調整する。
(2)次に、この混合粉末をルツボ202の中に入れ、所定の温度に加熱して、例えば、高周波炉201を用いて溶融させる。ここで加熱する環境は窒素雰囲気であることが望ましい。
(3)ルツボ内に溶融した金属酸化物205は、種結晶204に接触させることで凝固する。その種結晶204を所定の速度により引き下げることにより、ルツボ内に溶融した金属酸化物205がルツボ202の穴を介して流れ落ち、凝固することで金属酸化物である結晶206が成長する。
ここで凝固する冷却速度はアウターヒータ203により制御され発光性を有するマトリックス相101および熱伝導性を有するマトリックス相102の組織形状やサイズを決定される。
本実施の形態1に係る波長変換蛍光体100は、発光性を有するマトリックス相101および熱伝導性を有するマトリックス相102の間隔は冷却速度により制御可能である。
(実施例及び比較例)
次に、実施例及び比較例に係る蛍光体について説明する。
本実施例1に係る波長変換蛍光体100は、具体的には、例えば、発光性を有するマトリックス相101を形成する金属酸化物としてYの粉末を用い、蛍光を発する賦活金属イオンを含む金属酸化物としてCeOの粉末を用いた。また、熱伝導性を有するマトリックス相102を形成する金属酸化物Alの粉末を原料として用いた。
(a)まず始めに、発光性を有する第1のマトリックス相101を形成する金属酸化物を調合するために、イットリウム(Y)とセリウム(Ce)との原子分率としてCe3+含有量xが0.067となるようにYとCeOを秤量、混合した。
(b)次に、上記第1のマトリックス相101である(Y1−xCe−Al−O12と、第2のマトリックス相102であるAlと、が凝固した際に微細構造が得られる共晶組成となる組成範囲で原料となる金属酸化物を混合する。具体的には、(Y1−xCe−Al−O12:Al=51:49(mol)の比率にて、YとCeOとの混合金属酸化物と、Alと、の2種類の金属酸化物粉末を秤量し、混合して、混合粉末を得た。なお、上記Ce含有量xの値は、0.015≦x≦0.3の範囲であればよい。また、実施例においては、(Y1−xCe−Al−O12全体におけるCe濃度を1.0at%(Ce含有量xの値で0.067)となるよう調整した。
(c)上記混合粉末をイリジウム製ルツボの中にいれ、高周波炉にて約2000℃に加熱し溶融した。このとき溶融雰囲気は、窒素雰囲気にて行う。ルツボ202では金属酸化物粉末が溶融し融液状態となっている。また、ルツボ202下面部に形成された穴部から融液が流れ出さないように融液の温度調整による粘度調整とルツボ202下面部の穴径が調整されている。
このように条件設定されたことにより、融液とルツボ202下面部に形成された穴部との表面張力によりルツボ202下面部に形成された穴部からドーム状に一部融液がはみ出した状態となっている。
(d)そして、例えば、サファイヤAlを組成とし、融液を凝固させ結晶を成長させるための起点となる種結晶204を上昇させ、このルツボ202の下面部に形成されたドーム状の融液に接触させることにより、種結晶204の先端部に融液が濡れ広がる。なお、上記では、種結晶204としてAlを用いたが、これに限られず、例えば、YAl12あるいはLuAl12を用いることができる。
(e)融液は、種結晶204に濡れ広がると同時に凝固する。その状態から種結晶204を引き下げることにより、ルツボ202内の溶融した金属酸化物がルツボ202の穴を介して流れ落ち、凝固することで金属酸化物である結晶が成長する。この結晶を公知の方法で切断、研磨などの加工により所望の厚みの蛍光体100とする。
本実施例においては厚みを100μmとした。つまり本実施例における蛍光体100のサイズは5mm角、厚み100μmである。また、(Y1−xCe−Al−O12全体におけるCe濃度は1.0at%とし、蛍光体の発光波長は532nmにピークをもつスペクトルが得られた。
実施の形態1に係る蛍光体100の効果を明らかにするために、異なる条件によって作製した蛍光体を用意した。
平均組織サイズの大きさは、結晶引き下げ速度で制御し、所定のサイズとなる条件にて結晶作成を行った、結晶成長としては比較的急冷凝固の状態にて結晶成長させる。
(平均組織サイズ)
図3A及び図3Bを用いて蛍光体のマトリックス相の平均組織サイズの測定方法を説明する。図3Aは、蛍光体の断面のSEM写真である。図3Bは、図3AのSEM写真から1つのラインに沿って2値化したマトリックス相の境界を示す概略図である。例えば、蛍光体組織の断面観察写真は、走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM、日立ハイテクノロジーズ社製SU−70)を用いて撮像をする。次いで、得られた蛍光体組織の断面のSEM像を2値化し、任意のラインにおけるマトリックス相の組織サイズGSを抽出し、その平均値を平均組織サイズとした。なお、任意のラインにマトリックス相が50個以上含まれるような倍率でSEM像を撮像することが望ましい。
(色むら)
図4は、作製した蛍光体100の色むらを測定するために使用した装置の構成を表す概略図である。この測定装置は、青色レーザー401、f200レンズ402、測定試料403、f75平凸レンズ404、光検出器405を備える。
蛍光体に照射する青色レーザー401は、出力5W、波長450nmであり、その径を0.5mmとなるようにした。蛍光体から放射された光をf75平凸レンズ404にてコリメート光にし、もう1つのf75平凸レンズ404にて光検出器405に集光することで、蛍光体100から放射された直後の光の状態を検出できるように設定した。
実施例および比較例における蛍光体100に対し、青色レーザー401を入射した面とは反対面から放射される発光成分を光検出器405に集光させ、中心部におけるスペクトルを測定する。
中心部のスペクトルの450nmにおける強度Ibと530nmの強度Iyとの比Ib/Iyを求める。
色むらの判定基準については下記の通りとした。
・青色レーザーの抜けが改善し車載ヘッドライト用途に用いることが可能な範囲として Ib/Iyが0.3以下を○とした。
・青色レーザーの抜けが不十分な範囲ではあるが、一般照明用途に用いることが可能な範囲として Ib/Iyが0.3より大きく、0.6以下を△とした。
・青色レーザーの抜けが不十分な範囲として Ib/Iyが0.6より大きい場合を×とした。
(蛍光強度)
図5は、作製した蛍光体100の蛍光強度を測定するために使用した装置の構成を表す概略図である。この測定装置は、青色レーザー401、f200レンズ402、測定試料403、f75平凸レンズ404、青色光カットフィルター501、光強度検出器502を備える。
実施例および比較例における蛍光体に対し、青色レーザー401を入射した面とは反対面から放射される蛍光成分を光強度検出器502に集光させ、蛍光強度を測定する。
なお、光強度検出器502の検出上限を超えない範囲で測定するために、照射する青色レーザー401のエネルギー密度を1.5W/mmに調整した。また、青色光が黄色光に変換された蛍光強度のみを測定するために、光強度検出器の前に青色光カットフィルター501を設置した。蛍光強度の判定基準については下記の通りとした。
・光学製品の中でも車載ヘッドライト用途に用いることが可能な範囲として 蛍光出力が40mW以上を○とした。
・光学製品の中でも一般照明用途に用いることが可能な範囲として 蛍光出力が30mW以上を△とした。
・光学製品への適用に適合してない範囲として 蛍光出力が30mW未満を×とした。
以上の蛍光体100について、青色レーザーを照射した際、照射した反対側から放射する光の色むらおよび蛍光強度について評価した。
(評価)
比較例1〜7及び実施例1〜5においては、結晶の引き下げ速度つまり結晶の凝固速度を制御することにより平均組織サイズを調整し、波長変換蛍光体100を作成した。それら蛍光体の色むら及び蛍光強度評価結果を図6の表に示す。
総合評価の基準を以下に示す。
・色むら評価及び蛍光強度評価の両方が○の蛍光体を◎と評価した。
・色むら評価及び蛍光強度評価のどちらかが○の蛍光体を○と評価した。
・色むら評価及び蛍光強度評価の両方が△の蛍光体を△と評価した。
・色むら評価及び蛍光強度評価のどちらかが×の蛍光体を×評価とした。
・総合評価として、◎もしくは○の蛍光体は、車載ヘッドライトに対応可能なものであった。
実施例1〜5において蛍光体の構造物の平均組織サイズは各々0.63μm、0.60μm、0.56μm、0.54μm、0.53μmであった。
比較例1〜7において蛍光体の構造物の平均組織サイズは28μm、1.85μm、0.80μm、0.75μm、0.50μm、0.45μm、0.40μmであった。なお、0.40μm未満の組織の蛍光体の作成は困難であった。
比較例1〜4及び実施例1〜5の評価結果を対比することにより、蛍光体を構成する構造物の平均組織サイズが小さくなるほど、色むらの指標であるIb/Iyの値が小さくなることがわかる。励起光源の波長を450nmとした場合、蛍光体による発光波長は励起光の波長より長い530nmにピークを有する蛍光を発する。蛍光波長の長さに近いマトリックス相の平均組織サイズa(μm)と蛍光体の発光波長b(μm)とが1≦a/b≦1.2の関係式で表される範囲の蛍光体において色むらの評価が高くなっていることがわかる。加えて、蛍光強度も全てこの範囲では40mW以上と光学製品の中でもヘッドライトなど指向性が求められる特性を有する蛍光体となっている。
比較例1〜4においては、蛍光体の構造物の平均組織サイズが大きく、蛍光の黄色の光がマトリックス相内を伝播するため、蛍光体からの発光面においては励起光の入射径に比較して大きな面積から光が放射される。この現象により、白色光を形成する蛍光黄色成分が広がり、青色の励起成分が直進的に蛍光体から出るため、色むらの原因となると考えられる。
比較例5〜7においては、蛍光体の構造物の平均組織サイズが蛍光体の発光波長530nmより小さくなっている。また、比較例5〜7の蛍光体においては、色むら、および、蛍光強度も実施例5〜7に比較して悪化していることがわかる。まず、平均組織サイズが励起波長および、蛍光波長より小さくなることにより、蛍光体内のマトリックス界面において光の屈折が起こりにくくなる。加えて、発光した光は360度に発光するため、蛍光体から光が出る面において励起光の入射径に比較して大きな面積から光が放射されることとなり、色むらが発生すると考えられる。蛍光出力に関しても、光が分散してしまうため、低下していると考えられる。
なお、母体結晶の構造として、ガーネット構造を有するLuAl12でLuと、熱伝導性を有するマトリックス相102であるAlとからなる結晶においては、(Lu1−xCe−Al−O12全体におけるCe濃度は1.0at%とし、励起光源として発光波長450nmを用いた場合、蛍光体の発光波長は510nmにピークをもつスペクトルが得られる。
このような蛍光体においても、各マトリックス相の平均組織サイズa(μm)と蛍光体の発光波長b(μm)とが1≦a/b≦1.2で表される関係式を満たす蛍光体を用いることにより、色むら、及び蛍光強度に優れた光源モジュールを得ることができる。
なお、本開示においては、前述した様々な実施の形態及び/又は実施例のうちの任意の実施の形態及び/又は実施例を適宜組み合わせることを含むものであり、それぞれの実施の形態及び/又は実施例が有する効果を奏することができる。
本開示に係る波長変換蛍光体は、耐熱性に優れ、蛍光出力が高い。特に、高い励起エネルギーを発する青色レーザーダイオード(LD)を励起光源として用いて、ムラの無い白色を光を得る性能に優れている。これにより、本開示に係る蛍光体は、光源としてプロジェクターの高輝度対応や自動車のヘッドランプ遠方照明の要求に対しての蛍光体用途として実用的価値が高い。
100 波長変換蛍光体
101 発光性を有するマトリックス相(第1のマトリックス相)
102 熱伝導性を有するマトリックス相(第2のマトリックス相)
201 高周波炉
202 ルツボ
203 アウターヒータ
204 種結晶
205 溶融した金属酸化物
206 金属酸化物である結晶
401 青色レーザー
402 f200レンズ
403 測定試料
404 f75平凸レンズ
405 光検出器
501 青色光カットフィルター
502 光強度検出器

Claims (4)

  1. 発光性を有する第1のマトリックス相と、熱伝導性を有する第2のマトリックス相とが3次元的に複合化された構造物からなる蛍光体であって、
    前記第1のマトリックス相が蛍光材料であり、
    前記構造物の平均組織サイズa(μm)と前記蛍光体の発光波長b(μm)とが以下の式、
    1≦a/b≦1.2 及び
    0.2μm≦b≦1.3μm
    を満たす、蛍光体。
  2. 前記第1のマトリックス相、および前記第2のマトリックス相は、金属酸化物から構成され、
    前記第1のマトリックス相は、前記金属酸化物中の一部の金属元素がランタノイド系元素に置換された構造である、請求項1に記載の蛍光体。
  3. 前記第1のマトリックス相が、母体としてYAl12あるいはLuAl12の構造を有し、その一部であるY元素あるいはLu元素がCe元素に置換された構造であって、
    前記第2のマトリックス相がAlからなることを特徴とする請求項2に記載の蛍光体。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の蛍光体と、
    前記発光波長b(μm)より短い波長の励起光を発光する発光デバイスと、
    を備えた、光源モジュール。
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