JP2020069774A - インクジェットヘッド及び液滴吐出方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】インク吐出を安定化することができるインクジェットヘッド等を提供する。【課題手段】インク201を吐出するための複数のノズル102をノズル列102aとして配置しているインクジェットヘッド10であって、複数のノズル102の内、一のノズル102内のインク粘度は、インク201が吐出される方向から見た平面視において、複数のノズル102の配列方向かつ一のノズル102の中心を通る線と、一のノズル102の外周とが交差する点のインク粘度をη1とし、複数のノズル102の配列方向と垂直な方向かつ一のノズル102の中心を通る線と、外周とが交差する点のインク粘度をη2とするとき、η1>η2の関係を満たす。【選択図】図1

Description

本開示はインクジェットヘッド及び液滴吐出方法に関する。
従来、ドロップオンデマンド型のインクジェットヘッドを、様々な用途に応用することが期待されている(例えば特許文献1参照)。特許文献1には、液体の吐出量を増やすため圧力室が多数個設けられ、各圧力室における逆流圧による液体の流入への影響を軽減することができる液滴噴霧装置が開示されている。
特開2001−121693号公報 特開2003−266705号公報
ところで、インクジェットヘッドからインクを吐出する際に、インク吐出のバラツキが生じる場合がある。インク吐出のバラツキは、インクジェットヘッドの用途や使用条件の制限につながり得るため、インクジェットヘッドの応用におけるボトルネックとなっている。そこで本開示は、インク吐出を安定化することができるインクジェットヘッド等を提供する。
本開示におけるインクジェットヘッドの一態様は、ノズル列として配置された、インクを吐出するための複数のノズルを備えるインクジェットヘッドであって、前記複数のノズルの内、一のノズル内のインク粘度は、前記インクが吐出される方向から前記一のノズルを見た平面視において、前記複数のノズルの配列方向かつ前記一のノズルの中心を通る線と、前記一のノズルの外周とが交差する点のインク粘度をη1とし、前記複数のノズルの配列方向と垂直な方向かつ前記一のノズルの中心を通る線と、前記外周とが交差する点のインク粘度をη2とするとき、η1>η2の関係を満たす。
また本開示における液滴吐出方法の一態様は、ノズルから液体を吐出し、被塗布物に液滴状の前記液体を塗布する液滴吐出方法であって、前記ノズルの内壁面において、一部に接触する、前記液体の内の第1部分の粘度を、前記一部の内壁面とは別の一部に接触する、前記液体の内の第2部分の粘度より小さくする粘度差発生工程と、前記粘度差発生工程で粘度差を発生させた状態で、前記液体を前記ノズルから吐出する吐出工程と、を含む。
本開示の一態様によれば、インクジェットヘッドにおけるインク吐出を安定化することができる。
図1は、第1の実施の形態に関わるインクジェットヘッドのノズルプレートの第1正面図である。 図2は、第1の実施の形態に関わるインクジェットヘッドのノズルからのインク吐出の形態を説明する図である。 図3は、第1の実施の形態に関わるインクジェットヘッドを用いた液滴吐出方法を説明するフローチャートである。 図4は、第1の実施の形態に関わるインクジェットヘッドのノズルプレートの第2正面図である。 図5は、第1の実施の形態に関わるインクジェットヘッドのノズルプレートの第3正面図である。 図6は、第1の実施の形態に関わるインクジェットヘッドのノズルプレート、及びヒータの正面図である。 図7は、第2の実施の形態に関わるインクジェットヘッドにおけるノズルの断面図である。 図8Aは、第2の実施の形態に関わるインクジェットヘッドにおけるノズル内のメニスカスと予備振動との関係を示した第1図である。 図8Bは、第2の実施の形態に関わるインクジェットヘッドにおけるノズル内のメニスカスと予備振動との関係を示した第2図である。 図9は、第3の実施の形態に関わるインクジェットヘッドのノズルプレートとヒータの配置を示す正面図である。 図10は、第4の実施の形態に関わるインクジェットヘッドのインク温度制御機構について説明する図である。
(開示の基礎となった知見)
ドロップオンデマンド型のインクジェットヘッドは、入力信号に応じて必要なときに必要な量のインクを塗布することができるインクジェットヘッドとして知られている。特に圧電(ピエゾ)方式のドロップオンデマンド型のインクジェットヘッドは一般的に、インク供給流路と、供給流路に接続し、ノズルを有する複数の圧力室と、圧力室内に充填されたインクに圧力を加えるピエゾ素子と、を有する。
ピエゾ方式のインクジェットヘッドでは、ピエゾ素子(圧電素子)に駆動電圧を印加することによって生じるピエゾ素子の機械的歪みにより、圧力室内のインクに圧力を加えて、ノズルからインクを吐出する。ピエゾ方式のインクジェットヘッドは、ピエゾ素子の歪み方によって、シェアモード型、プッシュモード型、ベンドモード型の三つのタイプに大別できる。特に積層構造のピエゾ素子を用いるベンドモード型では、低い電圧で強い力を生み出せることから、有機ELディスプレイや液晶パネルなどの電子デバイスの製造用に開発されることが期待されている(例えば特許文献1参照)。
また、従来、高粘度の流体を安定して噴射させるために、流体を加熱して粘度を低下させる加熱装置を備える流体噴射ヘッドが知られている。
このような流体噴射ヘッドを備える装置として、特許文献2には、流路板上に伝熱部材を介して加熱するヒータを有し、該伝熱部材がノズルプレート(ノズル基板)上にも延長して設けられた記録ヘッドを備えるインクジェット記録装置が開示されている。
しかしながら、以上の従来技術は、複数あるノズル自体やノズルの周辺温度または共通流路を均一に加熱する構成、もしくは、ノズル面から加熱部が遠いため、インク室内のインクの温度よりもノズル近傍のインクの温度が低下する形に加熱する構成である。すなわち少しの温度の変化で、ノズル近傍のインク温度が変化し、インク粘度が変化することで、リガメント切れの方向が変化するため、バラツキが生じ、吐出方向バラツキを引き起こす。また、インクジェットヘッドの周囲の環境がノズル表面の温度に与える影響によってもノズルの周辺温度は変化するため、吐出方向バラツキを抑えることが難しい。
そこで本発明は、インクジェットヘッドの複数並ぶノズル列の形状や周辺環境の影響を受けにくく、リガメント切れをよく保ち、インク吐出を安定化する(吐出方向バラツキを抑制する)ことができるインクジェットヘッド及び液滴吐出方法を提供する。
本開示によれば、ノズル周辺において不均一加熱を行うことで、あえて温度勾配、粘度勾配を持たせ、リガメント切れを向上させ、安定したインクの吐出を可能としたインクジェットヘッドを得ることができる。
(第1の実施の形態)
以下、本開示の実施の形態について、図面に基づいて説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素の内、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また説明に用いられる各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては、同一の符号を付し、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。
はじめに、図1〜図5を用いて本開示における第1の実施の形態について説明する。
図1は、第1の実施の形態に関わるインクジェットヘッド10のノズルプレート101の正面図である。図1はつまり、インクジェットヘッド10の、インク201が吐出される方向であるインク吐出側(言い換えるとインク201の被塗布対象物側)から見た平面図である。
インクジェットヘッド10のインク吐出側にはノズルプレート101が備えられる。図1において破線の角丸矩形に示すようにノズルプレート101は、ノズル列102aとして配置 された、インク201を吐出するための複数のノズル102を備える。複数のノズル102のそれぞれから、インク201が吐出されるようになっている。
ここで、複数のノズル102は、ノズルプレート101において、インク吐出側の面からインク吐出側に背向するインク供給側(上流側)の面へと貫通するように設けられた複数の細孔により構成される。つまり、ここでのノズル102は、ノズルプレート101に孔として設けられた空間のことである。なお、ノズル102の形態については特に限定はなく、例えば筒状の細管をノズルプレート101に貫通させて形成されてもよい。
複数のノズル102のそれぞれには、図示しないが、インク供給側において、インク供給室が用意されており、インク201がノズルプレート101、及びノズル102まで供給されるように充填されている。
ここで、複数のノズル102の内、一のノズル102について着目して説明する。
ノズルプレート101をインク吐出側から見た平面視において、ノズル列102a(複数のノズル102)の配列方向(第1方向)かつノズル102の中心を通る線L1と、ノズル102の外周とが交差する点P1のインク粘度をη1とする。より詳しくは、点P1においてノズル102の外周に接触するインク201の一部における粘度をη1とする。
また、ノズル列102aの配列方向と垂直な方向(第2方向)かつノズル102の中心を通る線L2と、ノズル102の外周とが交差する点P2のインク粘度をη2とする。より詳しくは、点P2においてノズル102の外周に接触するインク201の一部における粘度をη2とする。このとき、ノズル102内のインク粘度は、η1>η2となる関係を有している。
なお、ここでの外周とは、ノズルプレート101にノズル102として設けられた孔の空間を囲む外周部分であり、ノズルプレート101の内、ノズル102を形成する内壁面(内側面)と一致する。つまり、インク201がノズル102を通過する際に接触する面をノズル102の外周とする。
この構成により、ノズル102から吐出されるインク201には、点P1と、点P2との間において、安定してインク粘度の差が生じる。つまり、点P1と、点P2との間において、吐出されるインク201の流速の差が安定しておき、リガメント切れの位置にバラツキが生じることを抑制することができるため、リガメント切れの方向を安定化することができる。よって吐出方向のバラツキを抑え、インク吐出を安定化することができる。
次に、上記に説明した、インク粘度におけるη1>η2となる関係によって生じるインク吐出の形態について図2、及び図3を用いて説明する。図2は、第1の実施の形態に関わるインクジェットヘッドのノズル102からの、インク吐出の形態を説明する図である。また図3は、第1の実施の形態に関わるインクジェットヘッド10を用いた液滴吐出方法を説明するフローチャートである。
図2の(a)には、インク吐出動作に入っていないノズル102を示し、図2の(b)には、インク吐出動作中のノズル102を3次元方向から見た、それぞれの平面視の図を示している。図2の(b)にはインク吐出側、第1方向、及び第2方向から見た図を、それぞれ対応する位置を破線でつないで示している。
ここで、インクジェットヘッド10から、インク201はインク滴201aとして吐出される。より具体的には、インク201は吐出される際に、インク吐出側に向けて液滴状のインク滴201aを形成し、インク滴201aがインク201から断裂することで、被対象物へと塗布される。このとき、インク201とインク滴201aとの間には、インク滴201a、及びインク201よりも細い(径方向に短い)くびれ201bが形成される。
つまり、インク滴201aとインク201とは、くびれ201bを介して接続されており、このくびれ201bがリガメントを形成しながら経時的に細くなることで断裂し、インク滴201aが被対象物へと衝突し、塗布される。
図2の(a)、及び図2の(b)において、既述の構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
図2の(a)の時点では、インク201はノズル102内に収容されているが、この時点で点P1、及び点P2におけるインク粘度は異なっている。つまり、ノズルの内壁面において、インク201(液体)の内の、点P1におけるインク201の一部(一部の内壁面に接触する第1部分)の粘度を、インク201の内の点P2におけるインク201の一部(一部の内壁面とは別の一部に接触する第2部分)の粘度より小さくする粘度差発生工程(図3のS101)が既に完了している。
図2の(b)には、インク201の吐出動作の進行に伴い、前述したくびれ201bが形成された時点(つまり、吐出直前)のノズル102について図示している。また図2の(b)の内、インク吐出側から見た図においては、インク滴201a、及びくびれ201bを透過して示し、インク滴201a、及びくびれ201bを透過して見える、ノズル102、インク201を図示している。
第1方向から吐出直前のインク201を見た際のくびれ201bの幅、つまり、線L2上におけるくびれ幅をW1とし、第2方向から吐出直前のインク201を見た際のくびれ201bの幅、つまり、線L1上におけるくびれ幅をW2とする。ノズル102内に生じるインク粘度がη2となる点P2と、点P2以外(例えばインク粘度がη1となる点P1等)とのノズル102内のインク粘度の差により、第1方向と、第2方向とにおいてリガメントの表面張力に差が生じる。
ここで、η2のインク粘度を示す領域はノズル102の内、所定の範囲(図2に示すドットハッチングの範囲)における広がりをもつ。つまり、η1のインク粘度を示す領域よりも広い領域において、低い粘度のη2のインク粘度を示す領域が存在するため、ノズル102の内、前述の表面張力に差が生じる範囲が広がる。なお、図示しないが、η1のインク粘度を示す領域も所定の範囲を有するが、η1とη2とは、η1>η2の関係を常に満たす。
よって、前述したインク201の粘度差を発生させた状態でインク201をノズル102から吐出する吐出工程(図3のS102)においては、特にリガメントが伸びる方向に偏りが起きるためW1<W2の関係を満たす。これにより、リガメント切れの位置を安定化することができる。例えばこの場合、ノズル102の第2方向における中心部において、安定的にリガメント切れがおこる。このようにリガメント切れにおけるバラツキが生じることを抑制することができ、安定したリガメント切れを実現することができる。
このようにして所望の塗布範囲にわたって粘度差の発生したインク201の吐出(S101、及びS102)を繰り返し(図3のS103)、吐出方向のバラツキが抑えられた、安定化されたインク201の塗布が行える。
ここで、上記のようなη1>η2となる関係を有するインク粘度の差を生じさせ得る構成について図4を用いて説明する。
図4は、第1の実施の形態に関わるインクジェットヘッドのノズルプレートの正面図である。図4には、図1と同様のノズルプレート101を図示している。図4において既述の構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。ノズル102において、線L1とノズル102の外周とが交差する点P1の温度をT1とし、線L2とノズル102の外周とが交差する点P2の温度をT2とするとき、T1<T2となる関係を有している。この構成により、ノズル102から吐出されるインク201には、点P1における温度T1、及び点P2における温度T2の、少なくとも2以上の異なる温度によって外部から熱が与えられる。このため点P1における温度をT1とし、点P2における温度をT2とするとき、T1<T2の関係が成立する。
よって、線L1とノズル内周とが交差する点P1と、線L2とノズル内周とが交差する点P2において、安定してインク201の温度差が生じ、その結果、前述したノズル102内におけるインク粘度がη1>η2の関係となる。このようなインク粘度の差によって、前述したノズル102内の点P1、及び点P2の間における安定したインク流速の差がおき、リガメント切れの位置バラツキが生じることを抑制することができるため、リガメント切れを安定化することができる。
さらに、図5を用いて前述の温度差を生じさせるための構成について説明する。図5は、第1の実施の形態に関わるインクジェットヘッドのノズルプレートの正面図である。なお図5には、図1、及び図4と同様のノズルプレート101を図示しており、図5において既述の構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。前述のノズル102において第1方向へ所定の熱量(放熱Q1)を放出し、第2方向から所定の熱量(吸熱Q2)を吸収するとき、Q1>Q2となる関係を有する構成をとる。
ここで、第1方向におけるノズル102の端部である点P1は、放熱Q1に最も寄与する点であり、一方で、第2方向におけるノズル102の端部である点P2は、吸熱Q2に最も寄与する点である。
Q1>Q2となる関係が成立するための構成については後述するが、Q1>Q2の関係により、前述したノズル102内におけるT1<T2となる関係をもつ温度差が生じ、その結果、前述したノズル102内におけるη1>η2となる関係をもつインク201の粘度差を発生させることができる。この粘度差によってさらに、前述したノズル102内における安定したインク流速の差が起き、リガメント切れの位置バラツキが生じることを抑制することができるため、リガメント切れを安定化することができる。
上記で説明した放熱と吸熱の関係性について図6を用いて説明する。図6は、第1の実施の形態に関わるインクジェットヘッド10のノズルプレート101、及びノズルプレート101の、被塗布対象物に対向するノズル面に設置されたヒータ501の正面図である。図6において既述の構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。また図6中に示す白抜き矢印、及びドットハッチング矢印は、後述する放熱Q1、及び吸熱Q2の方向をそれぞれ示している。
図6に示すインクジェットヘッド10は、ノズルプレート101のノズル102に対して第2方向においてノズル102を挟んだ両側にヒータ501を持つ構成である。なお、図6に示したヒータ501は、第2方向においてノズル102を挟む両側のヒータ501が、第1方向の両端において一体化されているが、これに限られない。ヒータ501はノズル102を第2方向に挟む両側に存在していればよく、それぞれ独立して構成されてもよい。
ヒータ501はノズルプレート101に重ね合わせるようにして構成されており、ノズル列102aから吐出されるインク201に干渉しないよう開口部分が設けられている。なお、第2方向においてノズル102を挟む両側のヒータ501がそれぞれ独立している場合は、二つのヒータ501の間のギャップが開口部分にあたる。
次に、このようなヒータ501を備える構成において生じる温度差について説明する。
ヒータ501は、自身が発熱することでノズルプレート101を加熱するための加熱装置である。前述したようにヒータ501は第2方向にノズル102を挟む構成であるため、ノズル列102aを構成する各ノズル102において、第2方向におけるヒータ501との距離と、第1方向におけるヒータ501との距離とには差がある。この距離の差によりノズル102に対し、前述した放熱Q1と吸熱Q2における、Q1>Q2となる関係が成り立つ。
より詳しくは、第2方向においてはノズル102とヒータ501との距離が相対的に見て近く、一方で第1方向においては、ノズル102とヒータ501との距離が相対的に見て遠い。このため第2方向からはノズル102が、ヒータ501による加熱で与えられた熱を吸熱し、第1方向において吸熱した熱は放熱される。すわなち、点P1において、点P2に比べて放熱が支配的(Q1>Q2)となり、点P2に対して常にT1<T2となる関係をもつノズル内温度差を発生させる。つまり、ヒータ501は言い換えると、点P2を比較的大きく加熱する不均一加熱を可能とする。
この結果、前述したノズル102内におけるη1>η2となる関係をもつインク201の粘度差を発生させることができる。よって、前述したノズル102内における安定したインク流速の差がおき、リガメント切れの位置ばらつきが生じることを抑制することができ、リガメント切れを安定化することができる。
なお、上記のような温度差は、点P1付近を積極的に冷却する排熱システムなどを利用しても実現可能であるが、より好ましい一例として不均一加熱の具体例を挙げた。
以上説明したように、本開示における第1の実施の形態に関わるインクジェットヘッド10は、ノズル列102aとして配置された、インク201を吐出するための複数のノズル102を備えるインクジェットヘッド10であって、複数のノズル102の内、一のノズル102内のインク粘度は、インク201が吐出される方向から一のノズル102を見た平面視において、複数のノズル102の配列方向(つまり第1方向)かつ一のノズル102の中心を通る線L1と、一のノズル102の外周とが交差する点P1のインク粘度をη1とし、複数のノズル102の配列方向と垂直な方向(つまり第2方向)かつ一のノズル102の中心を通る線L2と、一のノズル102の外周とが交差する点P2のインク粘度をη2とするとき、η1>η2の関係を満たす。
このようなインクジェットヘッド10によれば、一のノズル102内において充填されたインク201を2以上の異なるインク粘度に設定でき、当該インク粘度の差によってリガメント切れの位置を安定化することができる。したがって、吐出方向のバラツキを抑制し、インク吐出を安定化することができる。
例えば、インク201は、インク滴201aとして吐出され、インク201の吐出の際、インク201とインク滴201aとの間にくびれ201bが形成され、第1方向から見た際のくびれ201bの幅をW1とし、第2方向から見た際のくびれ201bの幅をW2とするとき、W1<W2の関係を満たす。
これにより、一のノズル102から吐出されるインク201は、インク吐出方向に対する直交面において、方向ごとに異なるくびれ幅をもって吐出されるため、リガメント切れの位置を安定化することができる。したがって、吐出方向のバラツキを抑制し、インク吐出を安定化することができる。
また例えば、インク201が吐出される方向から見た平面視において、第1方向かつ一のノズル102の中心を通る線L1と、一のノズル102の外周とが交差する点P1の温度をT1とし、第2方向かつ一のノズル102の中心を通る線L2と、一のノズル102の外周とが交差する点P2の温度をT2とするとき、T1<T2の関係を満たす。
これにより、インク吐出方向に対する直交面においてインク201の温度差に基づくインク粘度の差が生じ、当該インク粘度の差によってリガメント切れの位置を安定化することができる。したがって、吐出方向のバラツキを抑制し、インク吐出を安定化することができる。
また例えば、一のノズル102において、インク201が吐出される方向から見た平面視における、第1方向での放熱をQ1とし、第2方向での吸熱をQ2としたとき、Q1>Q2の関係を満たす。
これにより、放熱と吸熱の熱収支設計のみで、一のノズル102内のインク201には温度差が発生し、当該温度差に基づくインク粘度の差によってリガメント切れの位置を安定化することができる。したがって、吐出方向のバラツキを抑制し、インク吐出を安定化することができる。
また例えば、インクジェットヘッド10は、一のノズル102内において不均一加熱を可能とするためのヒータ501であって、第2方向において、一のノズル102を挟んだ両側に設置されたヒータ501をさらに備えてもよい。
これにより、ヒータ501の不均一加熱により、放熱と吸熱の関係性を規定でき、この関係性によってインク201に発生する温度差に基づきインク粘度の差が形成され、リガメント切れの位置を安定化することができる。したがって、吐出方向のバラツキを抑制し、インク吐出を安定化することができる。
(第2の実施の形態)
次に図7、図8A、及び図8Bを用いて本開示における第2の実施の形態について説明する。
図7は、第2の実施の形態に関わるインクジェットヘッド10aにおけるノズル103を、第1方向に直交し、線L2に沿う面で切断した断面図である。図7において既述の構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
ここで、一般的なインクジェットヘッドにおいて、インクの染み出し(予期しないノズルからの漏出)が発生することがあるが、インクの染み出しが発生した際にはワイプが必要となる。ところが、ノズル面をワイプすることは、ノズル面の撥水膜のはがれにつながる。ノズル面を覆う撥水膜が部分的にでもはがれてしまうと、はがれた箇所に向かってインクとノズルプレートとの間に表面張力が働くため、リガメントが引き寄せられ、吐出が傾いてしまうため、吐出を安定させることができない。
このような染み出しは、インクの表面張力がインクジェットヘッドの内圧(つまりノズルに連通するインク供給室の内圧)と釣り合わないときに発生する。
第2の実施の形態におけるインクジェットヘッド10aは上記の問題に対応可能である。図7では、このインクジェットヘッド10aの構成について説明する。インクジェットヘッド10aの備えるノズルプレート101aのノズル103において、インク室からノズル103内にインク201が充填され、インク201の形成するメニスカス601の表面張力によりノズル102内においてインク201が保持されている。
またインクジェットヘッド10aのインク吐出面(つまりノズルプレート101aの表面)に、ヒータ501が設置されている。ノズル103の内壁面の内、ヒータ501に近接している、ノズルプレート101a表面の、インクを吐出するノズル吐出部側(インク吐出側)での温度をT3とする。また、ノズルプレート101aのノズル吐出部とは反対側(つまりインク供給側)での温度をT4とする。このとき、これらの内壁面の温度はT3>T4の関係を満たす。このような構成は、例えば、T3の領域を含むインク吐出側層と、T4の領域を含むインク供給側層との間に、熱伝導率の低い断熱層を設けることで構成してもよく、インク供給側層に冷却システムを備える構成により実現してもよい。
以上に説明した第2の実施の形態に関わるインクジェットヘッド10aの構成では、ノズル103内のインク201の温度はT3よりも低温なT4に近いため、T3=T4のときよりも、ノズル103内に充填されたインク201と、インク供給室内のインク201との温度差が少ない。このため、吐出をしないときのインク201は、低粘度化が生じる高温(例えばヒータ501によるT3などの温度)にさらされておらず、不用意なインクの低粘度化を防ぐことができる。これにより、低粘度化によるインク201の表面張力の低下を防ぎ、ノズル103からのインク201の染み出しを防ぐことができ、ワイプの頻度が減少するため、ワイプによるノズル面の撥水膜はがれによる吐出の不安定化を防ぐことができる。また、図7に示す第2の実施の形態におけるノズル103の構造では、インク吐出面に向けて先細りとなるテーパ状のノズル103を設計したが、このようなテーパ形状等の勾配がない、円筒形のノズルとして実現してもよい。
次に、第2の実施の形態に関わるインクジェットヘッド10aインク201の吐出動作について図8A、及び図8Bを用いて説明する。図8A、及び図8Bは、第2の実施の形態に関わるインクジェットヘッド10aにおけるノズル103内のメニスカス601と予備振動との関係を示した図である。図8A、及び図8Bにおいて既述の構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
例えば、インク吐出の際、インクが十分に温められていない状態で吐出を試みると、インクの低粘度化が不十分で吐出を行うことができないことがある。第2の実施の形態におけるインクジェットヘッド10aは、このような状況に対応でき、吐出が必要な時だけ、予備振動を行うことでノズル103のうち温度の高いインク吐出側を通過するインク201の量を増やすことができる。つまり昇温することのできるインク201の量を増やすことができるため、インク吐出の際の加熱不足を補うことができる。これにより、インク201の低粘度化を十分に行うことが可能で、安定した吐出を行うことができる。
第2の実施の形態におけるノズル103内では、インク201の吐出に際し、図8Aに示す吐出波形701を用いる。図8Aはインク201の吐出におけるピエゾ素子に印加される駆動電圧と時間との関係を示すタイミングチャートである。図8Aは横軸に時間を、縦軸にインク供給室の内圧を制御するためにピエゾ素子に印加される駆動電圧をそれぞれ示している。第2の実施の形態における吐出波形701は、第1のフェーズ701a、第2のフェーズ701b、第3のフェーズ701c、及び第4のフェーズ701dの、四つのフェーズから構成される。
また、図8Bは図8Aにおける各フェーズのインク201の形成するメニスカス601と、ノズルプレート101aとの関係を示す断面図である。図8Bは図7に示した断面図と同一平面において切断したインク201、及びノズルプレート101aを示している。また、図8Bの(a)〜(d)は、吐出波形701における第1のフェーズ701a〜第4のフェーズ701dのそれぞれに対応する各時点における断面図を示している。
吐出波形701により実現されるインク吐出は、予備振動制御部によってピエゾ素子が制御されることにより実現される。予備振動制御部は、ピエゾ素子に直接、または間接的に電気パルスを与えてもよく、ピエゾ素子を制御するプログラム等に組み込まれることによって実現されてもよい。このようにして予備振動制御部は吐出波形701に基づくインク供給室内圧の変動により予備振動を発生させることで、ノズル103内のインク201を攪拌し、ノズル103内においてインク201の加熱領域を拡大させる。
吐出波形701の第1のフェーズ701a(図8Bの(a))では、インク供給室に配置されたピエゾ素子に負の電圧を印加することで、インク供給室の内圧を低下させ、ノズル103内のインク201をインク供給室へと引き込む。続いて、第2のフェーズ701b(図8Bの(b))では、ピエゾ素子への電圧の印加を停止し、インク供給室の内圧を上昇させることで、インク201がノズル103に充填される状態とする。このとき、ノズル103のインク吐出側ではヒータ501によるインク201の加熱がなされ、インクの低粘度化が進行する。続いて、第3のフェーズ701c(図8Bの(c))では、ピエゾ素子に再度負の電圧を印加することで、インク供給室の内圧を低下させ、ノズル103に充填されたインク201を再度インク供給室内へと引き込む。このように、インク201の形成するメニスカス601をインク201の吐出方向に沿って振動させ、インク201の加熱領域を拡大した後、第4のフェーズ701d(図8Bの(d))において、ピエゾ素子に正の電圧を印加することで、インク供給室を加圧状態にし、加熱されたインク201を吐出へと導くことができる。なお、図8Aにおける吐出波形701では予備振動は第1のフェーズ701a〜第3のフェーズ701cに対応し、第4のフェーズ701dは吐出の瞬間の本波形に対応している。さらに本実施の形態において、吐出波形701による予備振動は三つのフェーズにより構成されたが、予備振動におけるフェーズの数は、図8Aに示した回数でなくてもよいし、インク供給室内圧の加減圧の大きさ(つまりピエゾ素子に印加される電圧の大きさ)も、図8Aの波形よりも大きくてもよく小さくてもよい。また、本波形についても回数、及び加圧の大きさは図8Aとは異なるものでもよい。
以上説明したように、本開示における第2の実施の形態に関わるインクジェットヘッド10aは、一のノズル103の内壁面の内、インク201を吐出するノズル吐出部側での温度をT3とし、ノズル吐出部とは反対側での温度をT4とするとき、T3>T4の関係を満たす。
これにより、インク201を吐出しないときに、意図しないインク201の加熱が抑制されるため、インク粘度の低下を抑制できる。よってインク201の染み出しを防止することができる。
また例えば、インク吐出前に一のノズル103内において、予備振動を行い、一のノズル103内のインク201を攪拌することで、一のノズル103内のインク201の加熱領域を拡大させる予備振動制御部をさらに備えてもよい。
これにより、ヒータ501等の加熱装置による加熱領域が狭い場合においても、加熱されるインク201を予備振動によって交換することができ、結果的に広範囲のインク201を加熱することができる。
(第3の実施の形態)
次に、本開示における第3の実施の形態に関わるインクジェットヘッド10bについて図9を用いて説明する。図9は、第3の実施の形態に関わるインクジェットヘッド10bのノズルプレート101bとヒータ501bの配置を示す正面図である。図9はつまり、図1等と同じ方向から見たインクジェットヘッド10bの平面図である。図9において既述の構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
一般的に、インク加熱機構を持つインクジェットヘッドにおいて、各ノズル間、及びノズル列間における温度の均一化は不可欠で、これが行えない場合、吐出されるインク粘度に偏りが生じ、インク吐出速度も偏る。さらにインク吐出速度と、インク吐出量とは比例するため、各ノズル間、及びノズル列間でのインク吐出量にバラツキが生じ、均一な吐出を行うことができないという問題がある。
ここでは、上記の問題に対応可能な、第3の実施の形態におけるインクジェットヘッド10bの構成について説明する。
インクジェットヘッド10bは、ノズル列102aを複数備える構成である。ヒータ501bは、第2方向において、ノズル102を挟んだ両側に加え、隣接する二つのノズル列102aの間にも設置される。より具体的には、ヒータ501bはノズル列102aが存在する箇所において、各ノズル列102aに沿って複数の開口を有する形状を持つ。つまり、ノズル列102aとノズル列102aとの間にもヒータ501bが存在する構成を持つ。
なおここでは、ヒータ501bは1枚の板状の材料に開口が形成される形態を説明した。したがってヒータ501bは一体化された形状であるが、これに限られない。例えば、各ノズル列102aを挟む(つまりノズル列102aどうしの間にも設置される)形状であれば、それぞれが独立していてもよく、一部が一体化されていてもよく、また全部が一体化された構成であってもよい。第3の実施の形態では、流路の方向や環境によるノズル面への影響を抑制し、ノズル面の温度勾配(つまり、各ノズル102間、及びノズル列102a間における温度差)を均一に保つことができるため、インク吐出を安定化させることができる。
また、第3の実施の形態におけるノズル列102aの構造は、図9に示すような4つのノズル列102aが、他のノズル列102aが第1方向、及び第2方向に2つずつ並ぶ2行2列の配置例を示したが、ヒータ501bの開口部が各ノズル列102aに沿って開口する形状であれば、どのようなノズル列やノズル数としてもよい。さらに、ヒータ501bのヒータパターン(加熱パターン)は、例えばインクジェットヘッド10bのうち端部であるか、中央部であるかなど、加熱位置による放熱等を考慮して、発熱する温度の勾配を持たせてもよいし、持たせなくてもよい。
以上説明したように、本開示における第3の実施の形態に関わるインクジェットヘッド10bは、ノズル列102aを複数備え、ヒータ501bは、隣接する二つのノズル列102aの間にも設置されている。
これにより、ノズル列102aを複数備えるようなインクジェットヘッド10bにおいても、ノズル列102aを構成する各ノズル102に対して、ヒータ501bから与えられる熱の与え方を均一にできるため、各ノズル列102a、及び各ノズル102間におけるインク吐出量のバラツキがなく、精度の高いインク201の吐出を実現できる。
(第4の実施の形態)
さらに以下では、本開示における第4の実施の形態について図10を用いて説明する。図10は、第4の実施の形態に関わるインクジェットヘッド10cのインク温度制御機構について説明する図である。
例えば、インクの過加熱は、インクの過剰な低粘度化を導き、染み出しを起こす原因となり、また、加熱不足はインクの低粘度化が不十分なことによる不吐出を引き起こす。つまりインクの吐出には最適なインク温度の範囲が存在し、この温度範囲に収まるようにインク温度を調整する必要がある。
第4の実施の形態におけるインクジェットヘッド10cは、検出手段801と、制御部802とを備える。検出手段801は、インク201の温度を検出する計測装置であり、ノズル104の内壁面など、インク201が接触する壁面に設置される。制御部802は、インク201の温度を所望の温度範囲に制御する制御装置であり、検出手段801から取得したインク201の温度に基づき、インク201を加熱、または冷却する。制御部802は例えば、検出した温度に基づき温度制御指示を出力するコントローラ803と、ペルチェ素子等の温度制御プレート804とによって構成されるが、その他の構成であってもよい。また、自然放熱が有効で昇温のみが必要な場合のインクジェットヘッド10cにおいては、制御部802はヒータのみを備えるが、当該ヒータはノズルプレート101cに設置されたヒータ501等と共用されてもよい。このような構成によりインクの温度を所望の温度範囲に制御することが可能で、インクの染み出しや不吐出を防ぐことができる。
以上説明したように、本開示における第4の実施の形態に関わるインクジェットヘッド10cは、さらに、インク201の温度を検出する検出手段801と、インク201の温度を所望の温度範囲に制御する制御部802と、を備える。
これにより、吐出されるインク201の温度を制御することができ、吐出に最適な温度範囲においてインク201の吐出を実現できる。
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態について説明したが、本開示は、上記実施の形態に限定されるものではない。
また、上記実施の形態においてインクジェットヘッドを構成する構成要素について例示したが、インクジェットヘッドが備える構成要素の各機能は、インクジェットヘッドを構成する複数の部分にどのように振り分けられてもよい。
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、または、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
例えば、インク粘度の差を形成するために、第1の実施の形態におけるインクジェットヘッド10においては温度差を用いる構成を説明したがこれに限られない。例えば、分散剤、または粘度低下剤、もしくは増粘剤等を添加したインクと、その他の組成が同等の、通常のインク201とを用い、層流によって、粘度の異なる状態でノズル102へと送液してもよい。
また例えば、以上では、不均一加熱を可能とするためのヒータ501を備える構成について説明したが、不均一加熱が可能な構成であればヒータ501でなくてもよい。例えば、ノズル102のうち温度勾配を形成したい箇所の外周部に放熱用のヒートシンクを備える構成により、均一な加熱設計のヒータを用いる構成であっても実現可能である。
また本開示における液滴吐出方法は、ノズル102から液体(例えばインク201等)を吐出し、被塗布物に液滴状の液体を塗布する液滴吐出方法であって、ノズル102の内壁面において、一部に接触する、液体の内の第1部分の粘度を、一部の内壁面とは別の一部に接触する、液体の内の第2部分の粘度より小さくする粘度差発生工程と、粘度差発生工程で粘度差を発生させた状態で、液体をノズル102から吐出する吐出工程と、を含む。
つまり、ノズル102内の一部の壁面に接触するインク201の温度とその他の壁面に接触するインク201の温度とを変化させることでノズル102内でのインク201に粘度差を持たせる加熱方法をとっている。この方法により、吐出前の染み出し、吐出直前のインクの十分な低粘度化、吐出時のリガメント切れ方向を安定化することを可能とすることができる。さらにこの液滴吐出方法に対し、第2の実施の形態に示した予備振動を実現する吐出波形701、及び第4の実施の形態に示したヒータ温度を操作することなどを組み合わせる方法により、多様な粘度のインク201の吐出に対応することができる。例えば、インクの経年変化などで増粘などの粘度変化が発生した際に、柔軟に対応し、安定した吐出を実現することができる。なお、本方法は液滴を形成できる液体であれば、インク201に限らずいかなる材料にも適用することができる。例えば、接着剤、またはコーティング剤など、機能性を有する塗装材料に適用可能である。
なお、実施の形態1〜4の中でノズル先端のインク温度はインク圧力室やインク共通流路のインクの温度よりも高くしている。これにより、リガメント切れのバラツキ、及びインクの染み出し等を抑制する効果がある。したがって、本開示において、このようなインクジェットヘッドの部位ごとにおける温度差を設計することは有効である。
また、上記の第1の実施の形態に、第2の実施の形態、第3の実施の形態、及び第4の実施の形態を全部あるいは、少なくとも一つを加えてインクジェットヘッドを実現してもよい。
本開示におけるインクジェットヘッドは、産業用インクジェットヘッドとして広く使用される。
10、10a、10b、10c インクジェットヘッド
101、101a、101b、101c ノズルプレート
102、103、104 ノズル
201 インク
201a インク滴
201b くびれ
501、501b ヒータ
601 メニスカス
701 吐出波形
801 検出手段
802 制御部
803 コントローラ
804 温度制御プレート

Claims (10)

  1. ノズル列として配置された、インクを吐出するための複数のノズルを備えるインクジェットヘッドであって、
    前記複数のノズルの内、一のノズル内のインク粘度は、前記インクが吐出される方向から前記一のノズルを見た平面視において、
    前記複数のノズルの配列方向かつ前記一のノズルの中心を通る線と、前記一のノズルの外周とが交差する点のインク粘度をη1とし、
    前記複数のノズルの配列方向と垂直な方向かつ前記一のノズルの中心を通る線と、前記外周とが交差する点のインク粘度をη2とするとき、
    η1>η2の関係を満たす
    インクジェットヘッド。
  2. 前記インクは、インク滴として吐出され、
    前記インクの吐出の際、前記インクと前記インク滴との間にくびれが形成され、
    前記複数のノズルの配列方向から見た際の前記くびれの幅をW1とし、
    前記垂直な方向から見た際の前記くびれの幅をW2とするとき、
    W1<W2の関係を満たす
    請求項1に記載のインクジェットヘッド。
  3. 前記平面視において、
    前記複数のノズルの配列方向かつ前記一のノズルの中心を通る線と、前記外周とが交差する点の温度をT1とし、
    前記垂直な方向かつ前記一のノズルの中心を通る線と、前記外周とが交差する点の温度をT2とするとき、
    T1<T2の関係を満たす
    請求項1または2に記載のインクジェットヘッド。
  4. 前記一のノズルにおいて、
    前記平面視における、
    前記複数のノズルの配列方向での放熱をQ1とし、
    前記垂直な方向での吸熱をQ2としたとき、
    Q1>Q2の関係を満たす
    請求項3に記載のインクジェットヘッド。
  5. 前記インクジェットヘッドは、
    前記一のノズル内において不均一加熱を可能とするためのヒータであって、
    前記垂直な方向において、前記一のノズルを挟んだ両側に設置されたヒータをさらに備える
    請求項1から4のいずれか一項に記載のインクジェットヘッド。
  6. 前記一のノズルの内壁面の内、
    前記インクを吐出するノズル吐出部側での温度をT3とし、
    前記ノズル吐出部とは反対側での温度をT4とするとき、
    T3>T4の関係を満たす
    請求項5に記載のインクジェットヘッド。
  7. インク吐出前に前記一のノズル内において、予備振動を行い、前記一のノズル内の前記インクを攪拌することで、前記一のノズル内の前記インクの加熱領域を拡大させる予備振動制御部をさらに備える
    請求項6に記載のインクジェットヘッド。
  8. 前記インクジェットヘッドは、前記ノズル列を複数備え、
    前記ヒータは、隣接する二つの前記ノズル列の間にも設置されている
    請求項5から7のいずれか一項に記載のインクジェットヘッド。
  9. 前記インクジェットヘッドは、さらに、前記インクの温度を検出する検出手段と、
    前記インクの温度を所望の温度範囲に制御する制御部と、を備える
    請求項1から8のいずれか一項に記載のインクジェットヘッド。
  10. ノズルから液体を吐出し、被塗布物に液滴状の前記液体を塗布する液滴吐出方法であって、
    前記ノズルの内壁面において、一部に接触する、前記液体の内の第1部分の粘度を、前記一部の内壁面とは別の一部に接触する、前記液体の内の第2部分の粘度より小さくする粘度差発生工程と、
    前記粘度差発生工程で粘度差を発生させた状態で、前記液体を前記ノズルから吐出する吐出工程と、を含む
    液滴吐出方法。
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