JP2020069342A - 光源ユニット、眼科撮影装置、眼科手術用照明器具、および光源ユニットの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】色温度を調整し易い光源ユニット、眼科撮影装置、眼科手術用照明器具、および光源ユニットの製造方法を提供することを技術課題とする。【解決手段】被検眼を照明するための光源ユニットであって、励起光を発する光源と、前記励起光の一部を蛍光に変換する蛍光体と、前記励起光を前記蛍光体に集光させる集光光学系と、前記蛍光体を透過した励起光である透過光と、前記蛍光と、を照明領域に照射する照射光学系と、を備え、前記照射光学系において、前記透過光に対する開口数よりも前記蛍光に対する開口数が大きいことを特徴とする。【選択図】図3
Description
本開示は、被検眼の照明に用いられる光源ユニット、眼科撮影装置、眼科手術用照明器具、および光源ユニットの製造方法に関する。
被検眼の眼底の正面画像を撮影する眼科撮影装置、または水晶体、硝子体の手術を行う眼科手術装置等が眼科分野において広く利用されている。眼科撮影装置の1種として、例えば、光源から出射した照明光を眼底上でライン状に走査すると共に、ライン状に照明された領域を光検出器によって、走査に応じて逐次撮像することによって、眼底の正面画像を得る眼底撮影装置が知られている。
ところで、眼科撮影装置または眼科手術用照明器具において、波長域が狭い励起光を蛍光体に集光照射することで波長域が広い白色光を得る蛍光体励起光源などが用いられる。従来の蛍光体励起光源では、所望の色温度の光源を作成するために蛍光体の厚さを調整していた。しかしながら、蛍光体の厚さは後から調整することが難しく、個体によって色温度にばらつきが発生していた。
本開示は、従来技術の問題点に鑑み、色温度を調整し易い光源ユニット、眼科撮影装置、眼科手術用照明器具、および光源ユニットの製造方法を提供することを技術課題とする。
上記課題を解決するために、本開示は以下のような構成を備えることを特徴とする。
(1) 被検眼を照明するための光源ユニットであって、励起光を発する光源と、前記励起光の一部を蛍光に変換する蛍光体と、前記励起光を前記蛍光体に集光させる集光光学系と、前記蛍光体を透過した励起光である透過光と、前記蛍光と、を照明領域に照射する照射光学系と、を備え、前記照射光学系において、前記透過光に対する開口数よりも前記蛍光に対する開口数が大きいことを特徴とする。
本開示によれば、色温度の調整が容易となる。
<実施形態>
以下、図面に基づいて、本開示の実施形態を説明する。本実施形態の光源ユニットは、例えば、被検眼を照明するために用いられる。例えば、図1に示すように、光源ユニット(例えば、光源ユニット120)は、眼科撮影装置(例えば、眼科撮影装置1)、または眼科手術用照明器具等に用いられる。光源ユニットは、例えば、図2に示すように、光源(例えば、励起光源121)と、蛍光体(例えば、蛍光体124)と、集光光学系(例えば、集光光学系123)と、照射光学系(例えば、照射光学系126)を備える。
以下、図面に基づいて、本開示の実施形態を説明する。本実施形態の光源ユニットは、例えば、被検眼を照明するために用いられる。例えば、図1に示すように、光源ユニット(例えば、光源ユニット120)は、眼科撮影装置(例えば、眼科撮影装置1)、または眼科手術用照明器具等に用いられる。光源ユニットは、例えば、図2に示すように、光源(例えば、励起光源121)と、蛍光体(例えば、蛍光体124)と、集光光学系(例えば、集光光学系123)と、照射光学系(例えば、照射光学系126)を備える。
光源は、例えば、蛍光体が蛍光を発生させるための励起光を発する。光源は、例えば、LD、LEDなどである。光源は、蛍光体の種類に応じた波長の光を発する。蛍光体は、励起光の一部を蛍光に変換する。集光光学系は、励起光を蛍光体に集光させる。照射光学系は、蛍光体を透過した励起光である透過光と、蛍光と、を照明領域に照射する。本実施形態の光源ユニットは、照射光学系において、透過光に対する開口数よりも蛍光に対する開口数が大きい。これによって、光源ユニットは、透過光と蛍光が混ざり合う割合(例えば、混色比率)を調整し易くなり、照明光の色温度を調整し易くなる。例えば、光源ユニットは、照明光の色温度を所定の色温度に調整し易くなる。例えば、光源ユニットは、好適な色温度で被検眼を照明できる。
なお、光源ユニットは、可変部(例えば、可変絞り125、可変絞り141、または駆動部80など)をさらに備えてもよい。可変部は、照明領域における透過光と蛍光との割合を変化させる。これによって、光源ユニットは、透過光と蛍光が混ざり合う割合を容易に調整することができ、照明光の色温度を容易に調整できる。
なお、可変部は、照射光学系において透過光に対する開口数よりも蛍光に対する開口数が大きくなる範囲で、蛍光に対する照射光学系の開口数を変化させることで、照明領域における透過光と蛍光との割合を変化させてもよい。これによって、光源ユニットは、透過光と蛍光が混ざり合う割合を容易に調整することができる。
なお、可変部は、照射光学系において透過光に対する開口数よりも蛍光に対する開口数が大きくなる範囲で、励起光に対する集光光学系の開口数を変化させることで、照明領域における透過光と蛍光との割合を変化させてもよい。これによって、光源ユニットは、透過光と蛍光が混ざり合う割合を容易に調整することができる。
なお、可変部は、開口径の大きさを変更可能な可変絞りであってもよいし、光を反射または屈折させる光学素子であってもよい。可変部は、光学素子を挿抜する駆動部を含んでもよい。また、可変部は、蛍光体と、光源または集光光学系との相対距離を変更可能な駆動部であってもよい。
なお、光源は、例えば、透過光(または励起光)の開口数の変化に基づいて、励起光の光量を増減させてもよい。これによって、光源ユニットは、色温度を調整しても安定した光量の照明光を発生させることができる。この場合、例えば光源は、装置の制御部(例えば、制御部70)等に制御されてもよいし、光源ユニット自体に設けられた制御部によって制御されてもよい。
なお、光源ユニットは、測定部(例えば、測定部90)を備えてもよい(図9参照)。測定部は、例えば、透過光と蛍光との割合を測定する。測定部は、照明光の色温度を測定してもよい。測定部は、例えば、波長分布測定器であってもよいし、特定波長の光を受光する受光素子であってもよい。この場合、可変部は、例えば、測定部の測定結果に基づいて照射領域における透過光と蛍光の割合を変化させてもよい。この場合、例えば可変部は、装置の制御部(例えば、制御部70)等に制御されてもよいし、光源ユニット自体に設けられた制御部によって制御されてもよい。
なお、光源ユニットは、被検眼を撮影する眼科撮影装置(例えば、眼科撮影装置1)に用いられてもよい。眼科撮影装置は、例えば、光源ユニットと、投光光学系(例えば、投光光学系10)と、受光光学系(例えば、受光光学系20)と、を備えてもよい。投光光学系は、例えば、光源ユニットによって発生した照明光を被検眼に投光する。受光光学系は、被検眼から反射した照明光を受光する。
なお、光源ユニットは、患者眼を照明するための眼科手術用照明器具に用いられてもよい。眼科手術用照明器具は、例えば、光源ユニットと、投光光学系を備える。例えば、投光光学系は、患者眼の内部に挿入されるプローブを介して光源ユニットによって発生した照明光を患者眼に投光する。
なお、光源ユニットは、調整工程を含む光源ユニットの製造方法によって製造されてもよい。調整工程は、例えば、透過光と蛍光との割合を調整する工程である。これによって、好適な色温度の光源ユニットを安定して製造できる。光源ユニットの製造方法は、例えば、測定工程を含んでもよい。測定工程は、例えば、透過光と蛍光との割合を測定する工程である。この場合、調整工程では、測定工程における測定結果に基づいて透過光と蛍光との割合が調整される。
<実施例>
以下、図面に基づいて、本開示の実施例を説明する。実施例に係る眼科撮影装置1(以下、「装置1」と省略する)は、被検眼Eの観察又は撮影に利用される。眼科撮影装置1は、例えば、ライン走査方式の眼底撮影装置である。
以下、図面に基づいて、本開示の実施例を説明する。実施例に係る眼科撮影装置1(以下、「装置1」と省略する)は、被検眼Eの観察又は撮影に利用される。眼科撮影装置1は、例えば、ライン走査方式の眼底撮影装置である。
<全体構成>
図1に、装置1の全体構成を示す。装置1は、撮影光学系100と、光源ユニット120を有する。装置1は、第2光学系60、および制御部70を有してもよい。制御部70は、装置1の動作を司るプロセッサである。また、本実施例において、制御部70は、画像処理器を兼用する。但し、必ずしもこれに限られるものではなく、制御部70と別体の画像処理器が設けられていてもよい。装置1には、撮影光学系100によって撮影された眼底画像を表示するモニタ75が設けられていてもよい。
図1に、装置1の全体構成を示す。装置1は、撮影光学系100と、光源ユニット120を有する。装置1は、第2光学系60、および制御部70を有してもよい。制御部70は、装置1の動作を司るプロセッサである。また、本実施例において、制御部70は、画像処理器を兼用する。但し、必ずしもこれに限られるものではなく、制御部70と別体の画像処理器が設けられていてもよい。装置1には、撮影光学系100によって撮影された眼底画像を表示するモニタ75が設けられていてもよい。
第2光学系60は、治療レーザ光を眼底へ照射する光学系であってもよい。この場合、撮影光学系100は、被検眼(患者眼ともいう)における治療位置の観察に利用されてもよい。また、第2光学系60は、固視標を投影する固視投影光学系であってもよい。また、眼底のOCTデータを取得するOCT光学系であってもよい。
<撮影光学系>
次に、図2を参照して、撮影光学系100の詳細構成を説明する。撮影光学系100は、眼底を撮影するための主要な光学系である。図2は撮影光学系100の一具体例を示す。図2において撮影光学系100には、共焦点光学系の1つである、ラインスキャンSLO(「LSLO」という)の光学系が採用されている。
次に、図2を参照して、撮影光学系100の詳細構成を説明する。撮影光学系100は、眼底を撮影するための主要な光学系である。図2は撮影光学系100の一具体例を示す。図2において撮影光学系100には、共焦点光学系の1つである、ラインスキャンSLO(「LSLO」という)の光学系が採用されている。
撮影光学系100は、投光光学系10と、受光光学系20と、を有する。投光光学系10は、光源ユニット120からの照明光を被検眼Eの眼底Er上においてライン状に成形し、ライン方向(ライン状光束の長手方向)と交差する方向へ照明光を走査する。光源ユニット120については後述する。受光光学系20は、ライン状に照明された領域を光検出器22の撮像面へ結像させる。撮像面へ眼底上の領域が照明光の走査に応じて変位するので、撮影範囲全体の眼底画像を、撮影範囲全体が走査されるたびに、光検出器22からの出力信号に基づいて取得できる。なお、図2においては、X方向(紙面奥行き方向)をライン方向とし、Y方向(紙面上下方向)を走査方向として、光線および各部を示している。
投光光学系10は、光スキャナ40を少なくとも有する。また、投光光学系10は、図2に示すように、照明光成形部14、光路分岐部30、レンズ群35、ミラー42、および、対物光学系45、の全部または一部を、更に有していてもよい。
照明光成形部14は、眼底Er上において照明光をライン状に成形するための光学素子である。照明光成形部14は、投光光学系10における独立光路上に配置されていてもよい。図2は、照明光成形部14として、シリンドリカルレンズ(ここでは、凸シリンドリカルレンズ)が利用されている。図2において、凸シリンドリカルレンズは、光源ユニット120と眼底共役位置との間に配置され、眼底共役位置において照明光をライン状に集光させる。その結果、眼底Er上において照明光がライン状に成形される。また、シリンドリカルレンズに変えて、照明光成形部14としてスリットを用いてもよい。この場合、眼底共役位置上にスリットが配置されることが望ましい。勿論、照明光成形部14として、他の光学素子が用いられてもよい。
図2に示した光学系では、照明光成形部14からの光は、光路分岐部30およびレンズ群35を通過して、光スキャナ40へ入射される。
光スキャナ40は、眼底上で照明光を走査する。ライン方向と交差する方向が、光スキャナ40の走査方向として定められる。光スキャナ40は、制御部70からの信号に基づいて駆動される。光スキャナ40には、例えば、ガルバノミラーを用いることができる。光スキャナ40は、必ずしもガルバノミラーに限定されるものではなく、ポリゴンミラーおよびMEMS等の他の反射型のデバイスであってもよいし、透過型のデバイスであってもよい。
図2において、照明光は、光スキャナ40によって偏向された後、ミラー42によって反射され、対物光学系45を介して被検眼Eへ照射される。対物光学系45は、前眼部に形成される射出瞳を介して、照明光を眼底へ導く。図2に示した対物光学系45は、レンズ系であるが、ミラー系であってもよい。光スキャナ40の駆動に応じて、照明光は射出瞳の位置で旋回される。照明光は、眼底で反射又は散乱される。その結果として、眼底からの戻り光(散乱・反射光)が、瞳孔から平行光として出射される。
受光光学系20は、受光レンズ24と、光検出器22と、を少なくとも備える。また、図2に示すように、受光光学系20は、対物光学系45から光路分岐部30までの各部材を、投光光学系10と共用していてもよい。この場合、眼底からの戻り光は、投光時の光路をさかのぼって、光路分岐部30まで導かれる。光路分岐部30は、投光光学系10と受光光学系20との光路を結合および分離する。穴あきミラー、ハーフミラー等の種々のビームスプリッターのうち、いずれかが、光路分岐部30として適宜採用されてもよい。図2において、戻り光は、光路分岐部30によって反射される。これにより、受光光学系20の独立光路へ戻り光が導かれる。その後、ミラー26によって反射された戻り光は、受光レンズ24を通過し、光検出器22へ照射される。
<光検出器>
光検出器22には、複数の画素が一方向に並べられた画素列が形成されており、画素列が1列または複数列並べられている。本実施例では、画素列の長手方向をライン方向と一致させて眼底共役面に配置される。光検出器22が有する各画素は、正方形で形成されたものであってもよい。但し、必ずしもこれに限られるものでなく、各画素は、走査方向に沿った辺がライン方向に沿った辺に対して長い、長方形画素であってもよい。
光検出器22には、複数の画素が一方向に並べられた画素列が形成されており、画素列が1列または複数列並べられている。本実施例では、画素列の長手方向をライン方向と一致させて眼底共役面に配置される。光検出器22が有する各画素は、正方形で形成されたものであってもよい。但し、必ずしもこれに限られるものでなく、各画素は、走査方向に沿った辺がライン方向に沿った辺に対して長い、長方形画素であってもよい。
本実施例では、例えば、光検出器22として、正方形画素によるカラー方式のラインセンサーが採用されているものとする。一具体例として、光検出器22は、カラー方式の2ラインセンサーであってもよい。光検出器22は、複数の画素(受光素子)を有し、複数の画素は2列で配列されている。各画素にはカラーフィルターが配置されている。詳細には、光検出器22の各画素にはRフィルターとGフィルターとBフィルターの少なくともいずれかが組み込まれている。光検出器22の各画素はカラーフィルターを介して受光する。本実施例のRフィルターは赤色帯域の光(可視光)と赤外帯域の光(赤外光)を透光し、Gフィルターは緑色帯域の光(可視光)と赤外帯域の光(赤外光)を透光し、Bフィルターは青色帯域の光(可視光)と赤外帯域の光(赤外光)を透光する分光透過特性を有している。なお光検出器22の各画素は同じサイズの正方形であり、赤外光と可視光の感度を有する。
<光源ユニット>
光源ユニット120は、照明光を出射する。図3に示すように、光源ユニット120は、例えば、励起光源121と、集光光学系123と、蛍光体124と、可変絞り125と、駆動部125bと、照射光学系126等を備える。また、光源ユニット120は、ファイバー122と、ファイバー127等を備えてもよい。
光源ユニット120は、照明光を出射する。図3に示すように、光源ユニット120は、例えば、励起光源121と、集光光学系123と、蛍光体124と、可変絞り125と、駆動部125bと、照射光学系126等を備える。また、光源ユニット120は、ファイバー122と、ファイバー127等を備えてもよい。
励起光源121は、例えば、レーザ光源(レーザダイオード:LD)である。励起光源121は、例えば、青色レーザ光を照射する。ファイバー122は、励起光源121から照射された励起光131を集光光学系123へと導く。集光光学系123は、励起光源121からの励起光131を蛍光体124に集光させる。蛍光体124は、例えば、励起光131の一部を蛍光133に変換する。蛍光体124は、例えば、Ce:YAG等である。Ce:YAGは、青色光を吸収して黄色発光し、吸収されなかった青色光と黄色光の混色によって擬似白色を形成するため、照明に利用される。もちろん、励起光源121と蛍光体124は他の組み合わせであってもよい。例えば、黄色の蛍光体だけでなく赤色の蛍光体などが用いられてもよい。
可変絞り125は、照射光学系126の口径を変更する。可変絞り125は、蛍光体124と照射光学系126の間に配置される。可変絞り125の開口部125aは、透過光132の光束径よりも大きく設定される。開口部125aの口径は、駆動部125bの駆動によって変更される。照射光学系126は、蛍光体124を透過した励起光131(透過光132)と、蛍光133とを照明光134として照射領域に照射する。本実施例の場合、照射光学系126は、ファイバー127の端部127aに向けて照明光134を照射する。ファイバー127は、光源ユニット120による照明光134を眼科撮影装置1へと導く。例えば、ファイバー127は、照射光学系126から入射した照明光134を撮影光学系100に向けて照射する。
励起光源121から出射された励起光131は、ファイバー122を通って集光光学系123に出射される。集光光学系123は、ファイバー122から出射された励起光131を蛍光体124に集光させる。励起光131の一部は、蛍光体124によって蛍光133に変換される。蛍光133に変換されなかった励起光131は、そのまま蛍光体124を透過し、透過光132となる。光がほぼ散乱しない(透明な)蛍光体124を用いる場合、透過光132のNAは励起光131のNAと同じになる。開口部125aは、透過光132の光束径よりも大きく設定されているため、透過光132は可変絞り125に遮られることなく開口部125aを通過する。一方、蛍光133は励起光131のNA(開口数)に依らず等方的に拡がる。したがって、蛍光133の一部は開口部125aを通過し、一部は可変絞り125によって遮られる。開口部125aを通過した透過光132と蛍光133は、照射光学系126によって集光され、端部127aからファイバー127の内部に入射する。
<色温度調整>
本実施例の光源ユニット120は、照明光134の色温度を調整することができる。色温度は、例えば、光源が発する光の色を表す尺度であり、単位にはK(ケルビン)が用いられる。色温度が低いほど暖色系の色を示し、高いほど寒色系の色を示す。照明光134の色温度は、例えば、照明領域(本実施例では端部127a)での波長分布によって決まり、波長分布は透過光132と蛍光133が混ざり合う割合によって決まる。
本実施例の光源ユニット120は、照明光134の色温度を調整することができる。色温度は、例えば、光源が発する光の色を表す尺度であり、単位にはK(ケルビン)が用いられる。色温度が低いほど暖色系の色を示し、高いほど寒色系の色を示す。照明光134の色温度は、例えば、照明領域(本実施例では端部127a)での波長分布によって決まり、波長分布は透過光132と蛍光133が混ざり合う割合によって決まる。
制御部70は、可変絞り125を制御することによって、照明光134の色温度を調整する。例えば、制御部70は、駆動部125bを制御し、開口部125aの口径が透過光132の光束径よりも大きくなる範囲で開口部125aの大きさを変化させる。つまり、制御部70は、蛍光133のNAが透過光132のNAよりも大きくなる範囲で開口部125aの大きさを変化させる。これによって、制御部70は、透過光132と蛍光133の混ざり合う割合を変化させる。例えば、図4は、図3の状態から開口部125aの口径を小さくしたときの様子を示す。開口部125aの口径が小さくなることによって、開口部125aを通過する蛍光133の光量は小さくなる。一方、透過光132の光束径は開口部125aよりも小さいため、開口部125aをすべて通過する。したがって、開口部125aを小さくした場合、透過光132に対する蛍光133の割合が小さくなる。逆に、開口部125aを小さくした場合、透過光132に対する蛍光133の割合が大きくなる。
上記のように、開口部125aの大きさを透過光132の光束径よりも大きくなる範囲で変化させた場合、照射領域に到達する蛍光133の光量は開口部125aの口径に依存する。一方、照射領域に到達する透過光132の光量は開口部125aの口径に依存せず、一定である。したがって、制御部70は、開口部125aの大きさを制御することによって蛍光133の光量を変化させ、照射領域での透過光132に対する蛍光133の割合を変化させる。これによって、制御部70は、照明光134の色温度を調整することができる。例えば、制御部70は、5000〜6000K程度に照明光134の色温度を調整する。この場合、照明光134は白色光となる。
以上のように、本実施例の光源ユニット120において、可変絞り125の開口部125aは、透過光132の光束径よりも大きく設定される。つまり、蛍光133のNAは、透過光132のNAよりも大きい。これによって、光源ユニット120は、透過光132と蛍光133が混ざり合う割合を調整し易くなり、照明光134の色温度を調整し易くなる。
また、光源ユニット120は、可変絞り125を備え、開口部125bの大きさを透過光132の光束径よりも大きくなる範囲で変化させることによって、蛍光133のNAを調整できる。これによって、光源ユニット120は、透過光132と蛍光133が混ざり合う割合を容易に調整することができ、照明光134の色温度を容易に調整できる。
また、光源ユニット120は、従来の白色LEDとは異なり、レーザ光源によって小さいスポットを照明できるため、SLO用の白色光源として用いることに適している。
なお、第1実施例において、光源ユニット120は必ずしも可変絞り125を備えなくてもよい。例えば、光源ユニット120は、可変絞り125に代えて開口径が固定された絞りを備えてもよい。この場合、照明光134の色温度が所望の値になるような開口径を有する絞りが配置される。色温度を調整する場合は、開口径の異なる絞りを配置してもよい。
<第2実施例>
次に第2実施例について図6を用いて説明する。第2実施例の光源ユニット140は、第1実施例に対して可変絞りの位置が異なる。なお、第1実施例と同じ構成については同一番号を付し、説明は省略する。第2実施例の光源ユニット140は、透過光132のNAを変更することによって照明光の色温度を調整する。第2実施例において、可変絞り141は、ファイバー122と集光光学系123の間に配置される。これによって、ファイバー122から出射された励起光131は、可変絞り141の開口部141aを通り、集光光学系123に向かう。制御部70は、駆動部141bの駆動を制御することによって、可変絞り141の開口部141aの大きさを変なさせる。図7に示すように、制御部によって可変絞り141の開口径が変更されると、励起光131のNAが変化するため、透過光132のNAも変化する。このように、制御部70は、可変絞り141を制御することによって、励起光131および透過光132のNAを変化させることで、照射領域における透過光132と蛍光133との割合を変化させる。これによって、制御部70は、照明光134の色温度を調整する。
次に第2実施例について図6を用いて説明する。第2実施例の光源ユニット140は、第1実施例に対して可変絞りの位置が異なる。なお、第1実施例と同じ構成については同一番号を付し、説明は省略する。第2実施例の光源ユニット140は、透過光132のNAを変更することによって照明光の色温度を調整する。第2実施例において、可変絞り141は、ファイバー122と集光光学系123の間に配置される。これによって、ファイバー122から出射された励起光131は、可変絞り141の開口部141aを通り、集光光学系123に向かう。制御部70は、駆動部141bの駆動を制御することによって、可変絞り141の開口部141aの大きさを変なさせる。図7に示すように、制御部によって可変絞り141の開口径が変更されると、励起光131のNAが変化するため、透過光132のNAも変化する。このように、制御部70は、可変絞り141を制御することによって、励起光131および透過光132のNAを変化させることで、照射領域における透過光132と蛍光133との割合を変化させる。これによって、制御部70は、照明光134の色温度を調整する。
<変容例>
第2実施例の変容例について図7を用いて説明する。本変容例の光源ユニット140aは、駆動部80を備える。駆動部80は、ファイバー122(または励起光源121)と、集光光学系123とを光軸O1方向に移動させる。図7の例では、駆動部80は、ファイバー122を光軸O1方向に移動させる駆動部81と、集光光学系123を光軸O1方向に移動させる駆動部82を有する。図8は、図7の状態から集光光学系123を蛍光体124に近づけたときの様子を示す。このとき、励起光131が蛍光体124に集光するようにファイバー122も移動される。このように、ファイバー122と、集光光学系123が光軸O1方向に移動されることによって、励起光源121と集光光学系123と蛍光体124との距離関係が変化し、蛍光体124に集光される励起光131のNAが変化する。これによって、照射領域における透過光132と蛍光133との割合が変化し、照明光134の色温度が調整される。
第2実施例の変容例について図7を用いて説明する。本変容例の光源ユニット140aは、駆動部80を備える。駆動部80は、ファイバー122(または励起光源121)と、集光光学系123とを光軸O1方向に移動させる。図7の例では、駆動部80は、ファイバー122を光軸O1方向に移動させる駆動部81と、集光光学系123を光軸O1方向に移動させる駆動部82を有する。図8は、図7の状態から集光光学系123を蛍光体124に近づけたときの様子を示す。このとき、励起光131が蛍光体124に集光するようにファイバー122も移動される。このように、ファイバー122と、集光光学系123が光軸O1方向に移動されることによって、励起光源121と集光光学系123と蛍光体124との距離関係が変化し、蛍光体124に集光される励起光131のNAが変化する。これによって、照射領域における透過光132と蛍光133との割合が変化し、照明光134の色温度が調整される。
なお、第1または第2実施例において、制御部70は、開口部125a,141aの大きさ、または励起光源121と集光光学系123と蛍光体124との距離関係によって、照射領域における照明光134の光量が変化しないように、励起光源121の出力を制御してもよい。例えば、制御部70は、開口部125a,141aの大きさ、または励起光源121と集光光学系123と蛍光体124との距離に応じて、励起光源121の光量を増減させてもよい。これによって、制御部70は、照明光134の光量を安定させることができる。例えば、制御部70は、開口部125a,141aを大きくする場合に励起光源121の光量を小さくし、開口部125a,141aを小さくする場合に励起光源121の光量を大きくしてもよい。また、例えば、制御部70は、蛍光体124と励起光源121との距離を大きくする場合に励起光源121の光量を大きくし、蛍光体124と励起光源121との距離を小さくする場合に励起光源121の光量を小さくしてもよい。なお、開口部125a,141aの大きさ、または励起光源121と集光光学系123と蛍光体124との距離関係に応じた励起光源121の出力の大きさは、実験的に求められたテーブルによって設定されてもよいし、理論的な計算式によって設定されてもよい。
なお、第1または第2実施例において、光源ユニット120,140は、測定部90をさらに備えてもよい。測定部90は、照明光134を測定し、透過光132と蛍光133が混合された割合を取得する。測定部90は、例えば、波長分布を測定する波長分布測定器(例えば、スペクトロメータ)であってもよいし、フィルター等によって特定波長の光を受光する受光素子であってもよい。測定部90は、例えば、図9に示すように、ファイバー127の上流側(または下流側)などに配置されたハーフミラー91によって分岐された照明光134を受光する。測定部90の測定結果は、制御部70に出力される。制御部70は、測定部90からの入力に基づいて、可変絞り125,141の開口径125a,141aを制御してもよいし、励起光源121と集光光学系123と蛍光体124との距離関係を制御してもよい。
なお、第1および第2実施例の光源ユニット120,140は、眼科手術用照明器具に用いられてもよい。例えば、ファイバー127の先端に照明光を照射するためのプローブが接続され、プローブを眼球に挿入することによって眼球内部に照明光を照射してもよい。光源ユニット120,140は、照射領域が小さいため、眼球に挿入するためのファイバー127またはプローブ等の径を小さくすることができ、患者の負担を軽減することができる。
なお、上記の実施例において、光源ユニット120は、励起光源121または光源ユニット120のレイアウトの自由度を高めるためにファイバー122、127を備えていたが、必ずしも備えなくてもよい。
なお、上記の実施例において、照明光成形部14を照射光学系126として用いてもよい。例えば、第1実施例の場合、可変絞り125が照明光成形部14の口径を変化させることによって、照明光の色温度が調整される。
なお、上記の実施例において、透過光132(励起光131)の開口数は0.2以下に設定されてもよい。透過光132の開口数が小さく設定されることによって、照明光134がファイバー127に入りやすくなる。
なお、上記の実施例において、ラインSLOを採用したが、これに限らない。例えば、光源12からの照明光134を被検眼Eの眼底Er上においてスポット上に形成する通常のSLOであってもよい。
1 眼科撮影装置
10 投光光学系
20 受光光学系
22 光検出器
24 受光レンズ
120 光源ユニット
121 励起光源
10 投光光学系
20 受光光学系
22 光検出器
24 受光レンズ
120 光源ユニット
121 励起光源
Claims (12)
- 被検眼を照明するための光源ユニットであって、
励起光を発する光源と、
前記励起光の一部を蛍光に変換する蛍光体と、
前記励起光を前記蛍光体に集光させる集光光学系と、
前記蛍光体を透過した励起光である透過光と、前記蛍光と、を照明領域に照射する照射光学系と、を備え、
前記照射光学系において、前記透過光に対する開口数よりも前記蛍光に対する開口数が大きいことを特徴とする光源ユニット。 - 前記照明領域における前記透過光と前記蛍光との割合を変化させる可変手段をさらに備えることを特徴とする請求項1の光源ユニット。
- 前記可変手段は、前記照射光学系において前記透過光に対する開口数よりも前記蛍光に対する開口数が大きくなる範囲で、前記蛍光に対する前記照射光学系の開口数を変化させることで、前記照明領域における前記透過光と前記蛍光との割合を変化させることを特徴とする請求項2の光源ユニット。
- 前記可変手段は、前記照射光学系において前記透過光に対する開口数よりも前記蛍光に対する開口数が大きくなる範囲で、前記励起光に対する前記集光光学系の開口数を変化させることで、前記照明領域における前記透過光と前記蛍光との割合を変化させることを特徴とする請求項2の光源ユニット。
- 前記可変手段は、開口径の大きさを変更可能な可変絞りであることを特徴とする請求項2〜4のいずれかの光源ユニット。
- 前記可変手段は、前記蛍光体と、前記光源または前記集光光学系との相対距離を変更可能な駆動部であることを特徴とする請求項4の光源ユニット。
- 前記光源は、前記透過光の開口数の変化に基づいて、前記励起光の光量を増減させることを特徴とする請求項2〜6のいずれかの光源ユニット。
- 前記透過光と前記蛍光との割合を測定する測定手段をさらに備えることを特徴とする請求項1〜7のいずれかの光源ユニット。
- 前記可変手段は、前記測定手段の測定結果に基づいて前記透過光と前記蛍光との割合を変化させることを特徴とする請求項8の光源ユニット。
- 被検眼を撮影する眼科撮影装置であって、
請求項1の光源ユニットと、
前記光源ユニットによって発生した照明光を前記被検眼に投光する投光光学系と、
前記被検眼から反射した前記照明光を受光する受光光学系と、
を備えることを特徴とする眼科撮影装置。 - 患者眼を照明するための眼科手術用照明器具であって、
請求項1の光源ユニットと、
前記患者眼の内部に挿入されるプローブを介して前記光源ユニットによって発生した照明光を前記患者眼に投光する投光光学系と、
を備えることを特徴とする眼科手術用照明器具。 - 請求項1の光源ユニットの製造方法であって、
前記透過光と前記蛍光との割合を調整する調整工程を含むことを特徴とする光源ユニットの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018207640A JP2020069342A (ja) | 2018-11-02 | 2018-11-02 | 光源ユニット、眼科撮影装置、眼科手術用照明器具、および光源ユニットの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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JP2020069342A true JP2020069342A (ja) | 2020-05-07 |
Family
ID=70548761
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2018207640A Pending JP2020069342A (ja) | 2018-11-02 | 2018-11-02 | 光源ユニット、眼科撮影装置、眼科手術用照明器具、および光源ユニットの製造方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2020069342A (ja) |
-
2018
- 2018-11-02 JP JP2018207640A patent/JP2020069342A/ja active Pending
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