JP2018102677A - 撮影装置 - Google Patents

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悠二 片芝
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Abstract

【課題】簡単な構成の光学系で、光学倍率の変更を行う撮影装置を提供する。【解決手段】撮影装置を、被検査物と対向して配置される対物レンズ9と、光源から放射される光による撮影光を被検査物上で走査する光走査部7と、対物レンズを含む瞳リレー光学系の一部であって、対物レンズと光走査部との間の光路に配置されて撮影光を前記対物レンズに導くリレーレンズユニット26と、撮影光の被検査物からの戻り光を用いて被検査物の画像を撮影する撮影手段と、リレーレンズユニットの焦点距離を変更する焦点距離変更手段と、より構成する。【選択図】図6

Description

本発明は、被検眼の眼底等の画像の取得に用いられる撮影装置に関する。
例えば被検眼の眼底を被検査物とし、レーザ光等を測定光として該被検査物上を走査して、その反射光を用いて該被検査物の画像を得る撮影装置がある。このような撮影装置として、具体的には光干渉断層撮像装置や走査レーザ検眼鏡が実用化されている。光干渉断層撮像装置(以下OCT装置と称する。)は、低コヒーレント光による干渉を利用した光干渉断層撮像法(OCT:OpticalCoherence Tomography)を用いる撮像装置である。該OCT装置によれば、被検査物の断層画像を高解像度で撮影することができる。また、走査レーザ検眼鏡(SLO:Scanning Laser Ophthalmoscope、以下SLO装置と称する。)は、被検査物表面でレーザ光の走査を行い、該被検査物表面の撮影を行う。該SLO装置によれば、被検査物表面を高解像度で撮影できる。
OCT装置において、光源からの光は、ビームスプリッタ等により、測定光と参照光とに分けられる。測定光は測定光路を介して眼底等の被検査物に照射され、反射・散乱されて戻り光となる。そして、被検査物からの戻り光は参照光と合波され、干渉光として検出光路を介して検出器に導かれる。戻り光には、被検査物に対する光の照射方向における界面に関する情報等が含まれる。測定光を被検査物上で走査し、その戻り光と参照光との干渉光を検出器で検出し、解析することによって被検査物の断層画像を得ることができる。
SLO装置において、測定光となる光源からのレーザ光は、ガルバノミラー等により、被検査物上を走査するように照射される。該被検査物からの反射光は、穴開きミラー等により照明光路と分離された検出光路を辿り、検出器へ導かれる。検出器で反射光の強度を検出することによって、被検査物の2次元表面画像を得ることができる。
OCT装置やSLO装置等を用いた眼底検査では、疾患に応じて、眼底の周辺部まで含むよう広範囲を撮影することや、眼底の特定の部位を高解像で撮影することが求められている。このような測定光走査型の撮影装置では、光学系のレンズを異なる焦点距離のレンズに交換することによって、撮影範囲と横方向の解像力を変更することができる。特許文献1には、光学系のレンズの一部を交換することにより光学倍率が変更できる眼底撮影装置が開示されている。
より詳細に、特許文献1に開示される構成では、測定光であるレーザ光を走査するスキャン部と被検眼との間に、複数のレンズを含む瞳リレー光学系を備えている。そして、異なる光学倍率を各々有する複数の瞳リレー光学系を交換することによって光学倍率を変更して、撮影範囲と横方向の解像力を変更している。該瞳リレー光学系では、その光路中で眼底共役像を形成し、瞳リレー光学系の交換によるフォーカス変化が生じないように構成されている。
特開2016−42931号公報
上述した構成からなる装置において光学倍率を変更する際には、複数のレンズを用いて瞳をリレーする瞳リレー光学系を全体として交換する必要がある。そのため、光学系の変更規模が大きくなり装置が複雑化、大型化してしまう。
本発明は以上の状況に鑑みて為されたものであって、簡単な構成の光学系で光学倍率の変更を可能とする撮影装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の一態様に係る撮影装置は、
被検査物と対向して配置される対物レンズと、
光源から放射される光による撮影光を前記被検査物上で走査する光走査部と、
前記対物レンズを含む瞳リレー光学系の一部であり、前記対物レンズと前記光走査部との間の光路に配置されて前記撮影光を前記対物レンズに導くリレーレンズユニットと、
前記撮影光の前記被検査物からの戻り光を用いて前記被検査物の画像を撮影する撮影手段と、
前記リレーレンズユニットの焦点距離を変更する焦点距離変更手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、簡単な構成の光学系で、光学倍率の変更を行うことができる。
本発明の第1の実施形態における眼底撮影装置の概略構成を示す模式図である。 本発明の第1の実施形態において断層画像の取得に至る工程を説明するフローチャートである。 本発明の第1の実施形態における信号の形状を示す説明図である。 本発明の第1の実施形態における出力信号を示す説明図である。 本発明の第1の実施形態において取得される断層画像を示す図である。 本発明の第1の実施形態における光学倍率の変更に関連する光学系を抽出して示す図である。 本発明の第2の実施形態における光学倍率の変更に関連する光学系を抽出して示す図である。 本発明の第3の実施形態における光学倍率の変更に関連する光学系を抽出して示す図である。 本発明の第4の実施形態における主要となる光学系を抽出して示す図である。 本発明の第5の実施形態における光学倍率の変更に関連する光学系を抽出して示す図である。 本発明の第6の実施形態における光学倍率の変更に関連する光学系を抽出して示す図である。
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態について図面を参照しながら、以下に詳細に説明する。以下に述べる実施形態では、測定光を走査する撮影装置としてOCT装置を用いた場合について述べている。ただし、以下の実施形態で説明する形状、或いは構成要素の相対的な位置等は任意であり、本発明が適用される装置の構成又は様々な条件に応じて変更できる。また、図面において、同一であるか又は機能的に類似している要素を示すために図面間で同じ参照符号を用いる。
(装置構成)
本実施形態に係る撮影装置の一態様として、OCT装置に対して本発明を適用した眼底画像取得装置について、図1を用いて説明する。なお、当該眼底画像取得装置は、OCT光学系と、リレーレンズユニット、焦点距離変更手段、補正レンズユニット、および挿脱手段、を有する。焦点距離変更手段は、リレーレンズユニットの焦点距離を変更する。挿脱手段は、焦点距離の変更に応じて補正レンズユニットを光源と光走査部との間の光路に挿脱する。以下、各々の構成について詳述する。
装置構成では、まずOCT光学系について述べる。本実施形態における光源1は、光(低コヒーレンス光)を発生させるための光源である。光源1には、中心波長850nm、帯域50nmの光を発するSLD(Super Luminescent Diode)光源を用いる。なお、光源1には、ASE(Amplified Spontaneous Emission)光源も適用することができる。また、光源1には、チタンサファイアレーザ等の超短パルスレーザ光源も適用することができる。このように、光源1は、低コヒーレンス光を発生させることのできるものが使用される。さらに光源1から発生する光の波長は、特に制限されるものではないが、被検査物に応じて400nmから2μmの範囲で選択される。波長の帯域は広いほど縦分解能がよくなる。一般的に中心波長が850nmの光の場合、50nmの帯域では6μmの縦分解能が、100nmの帯域では3μmの縦分解能が得られる。
OCT光学系では、光源1と後述するサンプルアーム1001、参照アーム1002および分光器1003とは、光ファイバー等で構成される導光部2、4、10、14で接続される。光源1を発した光は、導光部2により光分割部3に導かれる。本実施形態における光分割手段である光分割部3は、ファイバーカプラ等を適用することができる。なお、光の分割の比率は被検査物に合わせて適切なものを選択する。また、以降の実施形態において、撮影対象が眼底であることから、被検査物については被検眼Eの眼底Efとして述べる。
光分割部3により導光部4側に分岐された光路上には、コリメータレンズ5、フォーカスレンズ6、光走査部7、リレーレンズ26、波長分岐ミラー35、波長分岐ミラー8、および対物レンズ9がこの記載順に配置される。これら構成は、OCT装置におけるサンプルアーム1001を構成する。光分割部3により導光部4側に分割された光である測定光は、該導光部4のファイバー端4aよりサンプルアーム1001に対して空間光として射出され、コリメータレンズ5に至る。これら構成の詳細については、測定方法について説明する際に併せて述べる。
後述するように、該リレーレンズ26は、不図示のリレーレンズ保持部により、異なる焦点距離のリレーレンズ26´と交換可能に支持されている。また、サンプルアーム1001におけるフォーカスレンズ6と光走査部7との間の光路上に対して挿脱可能となるように、不図示の補正レンズ保持部により後述する補正レンズ27が支持されている。
光走査部7は、光軸方向に隣接して配置(タンデム配置)された互いに直交するX、Y方向に光をそれぞれ走査する、一対のガルバノミラー又は共振ミラー等からなるXスキャナおよびYスキャナを有する。XスキャナおよびYスキャナは、各々が対応する方向に測定光を走査する。これにより、眼底Ef上に照射される測定光は、該眼底Ef上でX方向およびY方向に走査される。
波長分岐ミラー8は、光源1を発した光(波長:λ=825〜875nm)を透過し、後述する前眼部照明の照明光(λ=940nm)を反射する。波長分岐ミラー35は、光源1を発した光(λ=825〜875nm)を透過し、後述する眼底観察照明の観察光(λ=780nm)および内部固視灯の固視光(λ=590nm)を反射する。導光部4を介してコリメータレンズ5より導かれた測定光は、サンプルアーム1001内の上述した各構成を経て被検眼Eの眼底Efに達する。
光分割部3により導光部10側に分岐された光路上にはコリメータレンズ11および参照ミラー12が配置され、これら構成は参照アーム1002を構成する。光分割部3により分割された光源1からの光は、導光部10により、参照光として参照アーム1002に導かれる。参照光は、参照アーム1002において参照ミラー12により反射されて導光部10に戻る。参照ミラー12は直動ステージ13上に配置されており、該直動ステージ13を光軸方向に移動することにより参照アーム1002における参照光の光路長が調整される。
光分割部3からサンプルアーム1001に空間光として射出された測定光は上述した構成各々を経て眼底Ef上に照射され、光走査部7により眼底Ef上で走査される。眼底Efに照射された測定光は網膜の各層により反射・散乱され、被検眼Eから戻り光として射出される。該戻り光はサンプルアーム1001を逆に辿って導光部4に至り、さらに光分割部3に導かれる。光分割部3から導光部10のファイバー端10aより空間光として参照アーム1002に射出された参照光は、上述したように参照ミラー12により反射されて再びファイバー端10aに入射し、光分割部3に導かれる。光分割部3は戻り光と反射された参照光とを合波して干渉光を生成する。該干渉光は導光部14により分光器1003に導かれ、ファイバー端14aから分光器1003内に射出される。
分光器1003は、導光部14側より順に配置されるコリメータレンズ15、分光部16、レンズ17、および撮像部18により構成される。分光部16は、回折格子であるグレーティングやプリズム等で構成される。撮像部18は、本実施形態における検出手段でありCMOSやCCD等の光電変換素子を有する。ファイバー端14aから射出された干渉光はコリメータレンズ15により平行光とされ、分光部16により波長分離され、分離された各々の光は、レンズ17により撮像部18上の対応する光電変換素子上に集光される。
次に、眼底観察光学系について述べる。眼底観察光学系における観察用光源28は、光源1とは異なる波長の光を発生させ、射出するための光源である。観察用光源28には、中心波長780nmの観察光を発するLED(Light−Emitting Diode)光源を用いる。なお、観察用光源28にはLD(Laser Diode)光源も適用することができる。このように、観察用光源28は、光源1とは異なる波長の光を発生させることのできるものが用いられる。
観察用光源28から射出した観察光の光路上には、コリメータレンズ29、波長分岐ミラー30、穴開きミラー31、フォーカスレンズ32、観察光走査部33、レンズ34、波長分岐ミラー35、波長分岐ミラー8、および対物レンズ9がこの順で配置される。これら構成は、本実施形態において眼底観察光学系を構成する。該眼底観察光学系は、波長分岐ミラー35、波長分岐ミラー8および対物レンズ9を前述したOCT光学系と共用する。
観察用光源28から射出された観察光は、波長分岐ミラー30で反射され、穴開きミラー31の光軸上に構成された穴を通過する。観察光走査部33は、光軸方向に隣接して配置(タンデム配置)された互いに直交するX、Y方向に光をそれぞれ走査する、一対のガルバノミラー又は共振ミラー等からなるXスキャナおよびYスキャナを有する。XスキャナおよびYスキャナは、各々が対応する方向に観察光を走査する。これにより眼底Ef上に照射される観察光は、該眼底Ef上でX方向およびY方向に走査される。波長分岐ミラー35で反射された観察光は、OCT光学系のサンプルアーム1001の測定光の光路に導かれ、波長分岐ミラー8および対物レンズ9を通り、被検眼Eの眼底Efに達する。
眼底Efで反射された観察光は、眼底Efへの入射時と同一の光路を戻り、穴開きミラー31の穴の周辺部分で反射される。穴開きミラー31で反射された光の光路上には、レンズ36、およびAPD等の光電変換素子を有する検出部37が配置される。穴開きミラー31の周辺部分で反射された観察光はレンズ36を介して検出部37に導かれ、該レンズ36により該検出部37の光電変換素子上に集光される。
次に、内部固視灯光学系について述べる。内部固視灯光学系における固視灯用光源38は、光源1および観察用光源28とは異なる可視波長の光を発生させ、射出するための光源である。固視灯用光源38には、中心波長590nmの固視光を発するLED光源を用いる。なお、固視灯用光源38にはLD光源も適用することができる。このように、固視灯用光源38は、光源1および観察用光源28とは異なる可視波長の光を発生させることのできるものを使用できる。
固視灯用光源38から射出した固視光の光路上には、コリメータレンズ39、波長分岐ミラー30、穴開きミラー31、フォーカスレンズ32、観察光走査部33、レンズ34、波長分岐ミラー35、波長分岐ミラー8、および対物レンズ9がこの順で配置される。これら構成は、内部固視灯光学系を構成する。該内部固視灯光学系は、波長分岐ミラー30、穴開きミラー31、フォーカスレンズ32、観察光走査部33、レンズ34、波長分岐ミラー35、波長分岐ミラー8、および対物レンズ9を前述した観察用光学系と共用する。また、波長分岐ミラー35、波長分岐ミラー8および対物レンズ9を前述したOCT光学系とも共用する。
固視灯用光源38からの固視光は、波長分岐ミラー30を透過し、穴開きミラー31の光軸上に構成された穴を通過する。そして、観察用光源28からの観察光と同様の光路を経るよう、観察光走査部33、レンズ34、波長分岐ミラー35、波長分岐ミラー8、および対物レンズ9を介して、被検眼Eの眼底Efに達する。固視光は、観察光走査部33により眼底Ef上で走査される。固視灯用光源38を該観察光走査部33のXスキャナおよびYスキャナの動作と同期させて点滅させることにより、眼底Ef上の任意の点に固視光が照射される状態が生成できる。操作者は、被検者に任意の位置で点灯して見える固視光を注視させることによって、撮影中の被検眼の固視を促す。
次に、前眼観察系について述べる。対物レンズ9の周りには、前眼部照明光源21a、21bが、被検眼Eに向けて照明光を照射するように配置されている。これらの前眼部照明光源21a、21bからの照明光により照明された被検眼Eの前眼部の像は、対物レンズ9を通り、波長分岐ミラー8により反射される。波長分岐ミラー8の反射方向にはレンズ22と二次元の撮像部23が配置されている。該波長分岐ミラー8により反射された前眼部の像は、レンズ22により二次元の撮像部23の撮像面に結像する。
なお、2つの波長分岐ミラーの配置は図示されたものに限定されず、光路上他の配置が逆であってもよい。また、本実施形態では、観察光を眼底Ef上で走査することで眼底像観察像を得ているが、眼底観察像の取得方法は当該形態に限定されず、眼底カメラの使用等、眼底画像を取得する公知の種々の方法を用いることができる。
次に、本実施形態に係るOCT装置を制御する制御系について述べる。本実施形態では、該制御系は制御部19により構成される。制御部19は、前述した光走査部7、直動ステージ13、撮像部18、撮像部23、観察光走査部33、検出部37、および固視灯用光源38等と接続されてこれらの制御を行う。なお、制御部19は一般的なコンピュータを用いて構成することができるが、OCT装置として専用のコンピュータとして構成してもよい。
また、制御部19には、後述する表示部20、メモリー24、およびマウス等のポインティングデバイス25が接続されている。これら構成、特に表示部20は制御部19と別体としてもよく、一体としてもよい。なお、本実施形態において、表示部20には、前眼表示領域20a、断層画像表示領域20b、フォーカス表示調整領域20c、コヒーレンスゲート調整表示領域20d、眼底観察表示領域20e、×マーク20f、倍率表示切り替え領域20g、および撮影ボタン20hが配置される。これら領域等に関しては、測定方法の詳細を説明する際に併せて説明する。
(測定方法)
次に、以上に述べたOCT装置を用いて、被検眼Eの眼底Efの網膜の断層画像を撮影する方法について説明する。図2は、当該撮影方法の工程を示すフローチャートを示している。
被検眼Eを本装置の前に配置すると、被検眼Eの前眼部は、前眼部照明光源21a、21bの発した照明光により照明され、制御部19により断層画像の撮影フローが開始される。照明された前眼部の像は、対物レンズ9を通り、波長分岐ミラー8により反射されて、レンズ22により、撮像部23の撮像面に結像する。制御部19は、撮像部23から入力された映像信号をデジタルデータにリアルタイムに変換し、該デジタルデータに基づく前眼部画像を生成、取得する(ステップS1)。制御部19は、この被検眼Eの前眼部画像のうちの特に虹彩の模様より、被検眼Eの偏心およびフォーカスの状態を判定する。本OCT装置では、前眼部の像の撮像面の中心とサンプルアーム1001の光学系の光軸とが一致するように調整されている。このため、撮像部23で撮像された前眼部画像の瞳孔中心と撮像面の中心との偏心量が、被検眼Eとサンプルアーム1001の光学系の偏心量に相当する。
サンプルアーム1001の光学系は、被検眼Eに対し、上下左右方向および光軸方向に位置調整可能に、不図示のステージ上に配置されている。制御部19は、該ステージを動かして、瞳孔中心と光軸が一致するように該光学系の上下左右の位置を調整し、虹彩の模様のコントラストが最も高くなるように該光学系の光軸方向の位置調整を行う(ステップS2)。これにより虹彩と同一面である被検眼Eの瞳孔とサンプルアーム1001の光学系の対物レンズ9との距離(ワーキングディスタンス)は一定に保たれている。前眼部画像は、表示部20の前眼表示領域20aに表示されている。操作者は、前眼表示領域20aに表示された前眼部画像により、サンプルアーム1001の光軸の被検眼Eに対する偏心を確認することができる。
位置調整により瞳孔中心と撮像中心との偏心量が所定の値以下になると、制御部19は観察用光源28を点灯し、アライメント用の眼底観察画像の撮像を開始する(ステップS3)。観察用光源28から射出された観察光は、コリメータレンズ29により平行光に変換され、波長分岐ミラー30で反射される。波長分岐ミラー30で反射後の観察光は、穴開きミラー31の穴を通過し、フォーカスレンズ32を透過し、観察光走査部33を介して、レンズ34を透過する。レンズ34を透過した観察光は、波長分岐ミラー35で反射され、波長分岐ミラー8を透過し、対物レンズ9により被検眼Eの瞳孔より眼底Efに至る。その際、該観察光は、観察光走査部33のXスキャナおよびYスキャナの動作によって眼底Ef上で2次元走査される。
眼底Efに照射された観察光は、眼底Efの網膜を構成する層で反射・散乱され、戻り光として入射時と同一の光路を戻る。該戻り光は、穴開きミラー31の周辺部分で反射され、レンズ36を透過して、検出部37に導かれる。検出部37において該戻り光から得られた光強度信号は、不図示のA/D変換器でデジタル信号に変換された後、制御部19に入力されて眼底観察画像が生成される。眼底観察画像は、表示部20の眼底観察表示領域20eに表示されている。操作者は、この眼底観察画像を観察してフォーカスレンズ32によるフォーカス調整をする。具体的には、該眼底観察画像が最も明るくなるように、ポインティングデバイス25を用いてフォーカス表示調整領域20cのボタンを操作してフォーカスレンズ32を図1にて矢印にて示す光軸方向に移動させ、フォーカス調整を行う。
フォーカス調整が終了し、眼底観察画像が好適に表示されると、制御部19は固視灯用光源38を点灯し、内部固視灯の表示を開始する(ステップS4)。固視灯用光源38からの固視光は、コリメータレンズ39により平行光に変換され、波長分岐ミラー30を透過する。波長分岐ミラー30を透過後の固視光は、前述した観察光と同様の光路を経て被検眼Eの眼底Efに至る。
眼底Ef上での内部固視灯の表示位置は、眼底観察表示領域20e上に×マーク20fで表示されている。操作者は、ポインティングデバイス25により操作可能なカーソルを用いて表示画面上で×マーク20fの位置を動かすことにより、固視灯を点灯させたい所望の位置を指定する。制御部19は、操作者の指定した位置に応じて、固視灯用光源38を観察光走査部33の動作に同期させたタイミングで点滅させるように制御することで、内部固視灯を操作者の指定した位置に表示させる。
操作者が内部固視灯の位置指定を完了すると、被検眼の固視が促されているとして、制御部19は光源1を点灯し、アライメント用の断層画像の撮像を開始する(ステップS5)。光源1からの光は導光部2により光分割部3に導かれ、導光部4と導光部10に各々導かれる測定光と参照光との光量の比が、例えば1:9になるように分割される。導光部4側に導かれた測定光は、ファイバー端4aに達する。ファイバー端4aを点光源として射出された測定光は、コリメータレンズ5により平行光に変換され、フォーカスレンズ6を透過する。
フォーカスレンズ6を透過後の測定光は、光走査部7、リレーレンズ26、波長分岐ミラー35および波長分岐ミラー8を介して対物レンズ9に至る。対物レンズ9に至った測定光は、さらに該対物レンズ9を経て被検眼Eの瞳孔を通り、眼底Efに至る。その際、該測定光は、光走査部7のXスキャナおよびYスキャナの動作によって眼底Ef上で走査される。測定光は、眼底Efの網膜を構成する複数の層で反射・散乱され、戻り光として入射時と同一の光路を戻る。該戻り光は、コリメータレンズ5を経てファイバー端4aより導光部4に入り、該導光部4により光分割部3に導かれる。
光分割部3より導光部10に導かれた光は、参照光として参照アーム1002に至る。該参照アーム1002において、点光源となるファイバー端10aから出射された測定光は、コリメータレンズ11により平行光に変換されて参照ミラー12に向かう。該参照ミラー12は平行光と垂直に、また、光軸方向に移動可能に直動ステージ13上に配置されている。これにより異なる眼軸長の被検眼Eに対しても、測定光の光路長と参照光路の光路長とを合わせることができる。
操作者は、ポインティングデバイス25を用いて表示部20上のコヒーレンスゲート調整表示領域20dのボタンを操作することにより、参照ミラー12の位置を調整することができる。参照ミラー12の位置調整により参照光の光路長が変えられ、コヒーレンスゲートの位置が移動する。コヒーレンスゲートの位置は、参照光の光路長と測定光の光路長とが等しくなった状態でOCT装置により取得される断層画像の撮影範囲における上端又は下端となる撮影位置に対応する。また、該コヒーレンスゲートの位置および撮影位置の上端又は下端により規定される撮影範囲は、参照光の光路長と測定光の光路長との差を変更することで移動することができる。すなわち、コヒーレンスゲートの位置調整により、表示部20における断層画像表示領域20bの表示画面における断層画像の撮影範囲を、該断層画像の深さ方向に動かすことができる。参照ミラー12で反射された参照光は、コリメータレンズ11により導光部10のファイバー端10aに集光され、導光部10により光分割部3に導かれる。光分割部3では、導光部2と導光部14とに導かれる光の光量の比が1:9になるように分割される。
戻り光および参照光は、光分割部3にて合波されて合波光もしくは干渉光を生成する。導光部14を経て分光器1003に至った干渉光は、点光源となるファイバー端14aから出射する。該干渉光は、さらにコリメータレンズ15により平行光に変換され、分光部16に入射する。分光部16には、光の波長に近い寸法の回折格子が等間隔に数多く形成されており、入射した光を回折により分光する。ここで、回折時の回折角度は波長により異なるため、回折された光はレンズ17により線像として撮像部18のライン状の撮像領域に結像する。すなわち、ファイバー端14aを出射した光は、分光されたスリット像として結像する。従って、撮像部18からは、波長毎の強度に対応した信号が出力される。撮像部18からの信号は、画像形成手段として機能する制御部19に入力される。制御部19は、入力された信号(干渉信号)を用いて断層画像を生成し、生成された断層画像を断層画像表示領域20bに表示させる。
操作者は、この断層画像を観察し、該断層画像が最も明るくなるようにポインティングデバイス25を用いてフォーカス表示調整領域20cのボタンを操作して、フォーカス調整を行う。フォーカス調整は、フォーカスレンズ6を図1に矢印にて示す光軸方向に移動させることにより行われる。また、同様に、コヒーレンスゲート調整表示領域20dのボタンをポインティングデバイス25で操作する。これにより、断層画像表示領域20bの所望の領域内に眼底Efでの関心部位の断層画像が全て入るように、参照ミラー12の位置調整(コヒーレンスゲート調整)による断層画像のアライメントを行う(ステップS6)。
コヒーレンスゲート調整表示領域20dのボタンが操作されると、制御部19はこの操作に応じて直動ステージ13の図1に矢印にて示す光軸上の位置を指示された方向に移動させる。同時に、制御部19は、メモリー24に記憶している直動ステージ13の制御位置情報を移動量に応じて変更する。直動ステージ13は、不図示のステッピングモータにより駆動制御されており、直動ステージ13の位置は、該ステッピングモータに指示するステップ数と対応している。例えば、60mmのストロークを60000ステップで駆動する場合1ステップあたりの移動量は1μmになる。0−60000までのステップ数が、直動ステージの0から60mmの位置に対応する。またこの直動ステージ13の基準位置からコリメータレンズ11までの距離は設計的に精度よく配置されており、この基準位置と前記ステージ位置の関係も設計的に明らかであるため、このステップ数より参照光の光路長を計算することができる。
このように参照ミラー12の光軸上の位置の変化と共に、参照光路の光路長が変化する。これにより、上述した参照光と測定光との光路長差が生じる或いは変化し、断層画像表示領域20b内に表示される断層画像の表示範囲が変化する。参照ミラー12の位置は常にメモリー24に記憶されている。以上の撮像準備の後、撮影ボタン20hがポインティングデバイス25により指示されると、制御部19による断層画像の静止画の撮影の処理が行われる(ステップS7)。断層画像の取得(ステップS8)の操作(断層画像の生成)の詳細は後述する。これにより撮影された断層画像は、メモリー24に記憶される。
(断層画像生成)
次に断層画像の生成について説明する。
断層画像撮影時には、導光部14には、被検眼Eの眼底Efからの戻り光と、参照ミラー12から反射された参照光との合波光が導かれる。光分割部3から眼底Efまでの光路長と、光分割部3から参照ミラー12までの光路長の差により、光分割部3で合波されるとき戻り光と参照光とは、位相差を有する。従って、該合波光はこの位相差に応じた干渉を有する干渉光となっている。断層画像は、この位相差に基づく干渉光から干渉信号を取得し、その強度を検出し、この検出結果に基づいて形成される。
より詳細には、この位相差は波長により異なるため、眼底Ef上の任意の一点からの戻り光から得られる合波光では、撮像部18の受光領域上に現れる分光強度分布に干渉縞が生じる。また、網膜には複数の層があり、それぞれの層境界からの戻り光はそれぞれ異なる光路長を有するため、干渉縞には異なる周波数の干渉縞が含まれる。この強度分布に含まれる干渉縞の周波数とその強度より、測定光を反射した反射物体の位置とその位置からの反射・散乱に対応した明るさを求めることができる。
上述した眼底上の任意の一点を、該眼底上で特定の方向に連続的に移動させて1ラインから複数の干渉信号を得る測定光の走査は、一般的にBスキャンと称される。このように眼底上の1ラインをスキャンする走査モードであるBスキャンモードにおいては、制御部19は、光走査部7のXスキャナ或いはYスキャナの、例えばXスキャナだけを駆動しながら、撮像部18からの出力を干渉信号として読み出す。光走査部7からは、Xスキャンナのミラーの角度を示すデータが出力されており、読み出された干渉信号は測定光が被検眼Eに入射する入射角度θiと対応付けられ、さらにデジタルデータに変換された後、メモリー24に記憶される。該ミラーの角度と測定光の入射角度θiは対応しており、光学系の設計値より求めることができる。なお、ここでは例として1つのスキャナを動作させる態様について述べているが、2つのスキャナを動かして特定の方向に測定光を走査する態様もBスキャンモードに含まれる。
図3は、入射角度θiをスキャンミラーの角度とした場合に、各々の角度において撮像部18上で得られる干渉光の強度分布を示す。横軸は、撮像部18上のセンサー位置であり、波長に対応する。縦軸は、信号強度を示している。ここでは、中心波長λ0、半値幅δλの強度分布に対して、干渉縞による波形が重なっている。この波形の強度情報を読み出し、A/D変換器によりデジタルデータに変換し、メモリー24に記憶する。このデータを波数変換し、周波数変換すると図4に示すような強度分布が得られる。図4において、横軸は強度情報を得たコヒーレンスゲートからの位置を示し、縦軸はその位置で得られている信号強度を示している。図4によれば、h1、h2、h3の距離(コヒーレンスゲートからの距離)のところの干渉強度がI2、I1、I3であることを示す。従って、スキャナのミラーの角度であるθiを、Bスキャンにおけるデータの取得開始位置と取得終了位置に各々対応する角度であるθsからθeまで変化させながら、干渉強度を測定する。このように取得した干渉強度I(θi,hj)を、θを横軸、hを縦軸にして表示することにより図5に示すように眼底のBスキャン画像(光学的な距離に基づく断層画像)を表示することができる。
(光学倍率変更)
次に、本実施形態における、光学系の倍率変更方法について説明する。
図6は、本発明の第1の実施形態におけるサンプルアーム1001の光学系において、光学倍率の変更に関連する構成を抽出して示している。すなわち、図6では、OCT光学系において、ファイバー端4aから光源1側の光路、波長分岐ミラー8および波長分岐ミラー35は省略して示している。図6(a)と図6(b)とでは、リレーレンズ26の種類とその位置、および補正レンズ27Aの有無が異なっている。具体的には、図6(a)が低倍率(広画角)撮影時の光学系の構成およびその配置を、図6(b)が高倍率(狭画角)撮影時の光学系の構成およびその配置を示している。本実施形態では、低倍率(広画角)撮影時の画角を50°、高倍率(狭画角)撮影時の画角を35°としている。
ここで、図6(a)および図6(b)には、軸上および最軸外の光束が模式的に示されている。図6(a)において、ファイバー端4aから出射した光はコリメータレンズ5およびフォーカスレンズ6を透過し、光走査部7によって偏向される。光走査部7によって偏向された光束は、リレーレンズ26Aおよび対物レンズ9Aを透過して被検眼Eの眼底Ef上に集光される。
ここで、リレーレンズ26Aの焦点位置に光走査部7を配置し、かつ対物レンズ9Aの焦点位置に被検眼Eの瞳孔を配置することで、リレーレンズ26Aと対物レンズ9Aとの間の光束がテレセントリックになるよう構成している。これにより波長分岐ミラー35および波長分岐ミラー8への光線入射角度範囲を小さく抑えることができている。波長分岐ミラーの特性は、光線入射角度に依存する。よって、テレセントリックな光学構成として光線入射角度範囲を小さく抑えることで、波長分岐ミラーの設計難易度および製造難易度を低く抑えることができる。
ここでリレーレンズの焦点距離と、画角およびNAとの関係について説明する。図6(a)に示した光学系では、光走査部7と被検眼Eの瞳孔とが光学的に共役関係(瞳共役関係)になるように構成されている。ここで瞳結像の倍率は、対物レンズ9Aとリレーレンズ26Aとの焦点距離の比によって決まる。図6(b)に示した光学系では、図6(a)の光学系のリレーレンズ26Aをより焦点距離が短いリレーレンズ26Bに交換し、その焦点位置に光走査部7が位置するように該リレーレンズ26Bを配置している。これにより光走査部7で偏向された光は、より短い距離でリレーレンズ26Bによって光軸と平行な方向に偏向される。その結果、最軸外の光束はより光軸に近い位置で対物レンズ9Aに入射するため、最軸外の光束が被検眼Eへ入射する角度(画角)は小さくなる。これにより眼底Ef上の撮影範囲が狭くなる。一方、瞳結像の倍率は拡大方向に変わるため、瞳孔上の光束径が大きくなる。これにより眼底Ef上へ入射する光束のNAが大きくなり、眼底Ef上に結像するスポット径が小さくなるため、横方向の解像力は向上する。
これに対し、図6(a)に示した光学系のように、リレーレンズ26Aの焦点距離が長いと、リレーレンズ26と光走査部7との距離が長くなり、最軸外の光束はより光軸から遠い位置で対物レンズ9Aに入射するため、画角が大きくなる。これにより眼底Ef上の撮影範囲が広くなる。また、瞳結像の倍率が縮小方向に変わるため、瞳孔上の光束径が小さくなる。これにより眼底Ef上へ入射する光束のNAが小さくなり、眼底Ef上に結像するスポット径が大きくなるため、横方向の解像力は低下する。
なお、画角の変更は、スキャンミラーの振り角を変更することによっても行うことができる。しかし、このような画角変更は、光学倍率が変化しない点で、リレーレンズの焦点距離を変更することによる本実施形態における画角の変更とは異なる。スキャンミラーの振り角を小さくして狭画角撮影を行った場合には瞳孔上の光束径は変化しないため、前述の本実施形態において得られた横方向の解像力を向上させる効果は得られない。また、スキャンミラーの振り角を大きくして広画角撮影を行おうとすると、スキャンミラーの特性上、ミラーの大きさが制限されたり、スキャンスピートが制限されたりする。これにより瞳孔上の光束径が制限されて横方向の解像力が低下したり、画像の取得時間が長くなり被検眼の動きの影響により高画質の画像の取得が困難になったりする。
次に、リレーレンズの交換による倍率変更方法の具体例について述べる。リレーレンズ26Aおよびリレーレンズ26Bはリレーレンズ保持部(不図示)によって保持されている。リレーレンズ保持部は、複数のリレーレンズ鏡筒(不図示)とターレット式の回転機構(不図示)を備えている。該回転機構は、各リレーレンズ鏡筒におけるリレーレンズの光軸が測定光の光軸と平行となるよう、ターレットにより該各リレーレンズ鏡筒を保持する。そして、測定光の光軸と平行な軸周りに回転し、各リレーレンズ鏡筒のいずれか一つが光路上に配置されると対応するリレーレンズの光軸が測定光の光軸と一致するように構成されている。
ポインティングデバイス25を用いて倍率表示切り替え領域20gのボタンを操作することで光学倍率の変更が指示できる。該ポインティングデバイス25により高倍率(狭画角)の光学倍率が選択されると、制御部19は、該回転機構を動作させてリレーレンズの交換による倍率変更を開始する。具体的には、制御部19は、回転機構を回転させることにより、リレーレンズ26Aを光路外に退避させ、リレーレンズ26Aより短い焦点距離のリレーレンズ26Bを光路上に配置する。ここで、リレーレンズ26Bは、その焦点位置に光走査部7が配置されるようそのリレーレンズ鏡筒内での配置が予め決められている。
次に、補正レンズの挿入によるフォーカス補正方法について述べる。リレーレンズ26Bに対応する補正レンズ27Aは、補正レンズ保持部(不図示)によって保持されている。補正レンズ保持部は、上述したリレーレンズ保持部と同様の鏡筒および回転機構を備えている。該回転機構(不図示)はターレット式であって、補正レンズ鏡筒とレンズを保持しない中空鏡筒における光軸が、測定光の光軸と平行になるように各鏡筒を保持する。そして測定光の光軸と平行な軸周りに回転し、各鏡筒のいずれか一つが光路上に配置されると対応する補正レンズ或いは中空鏡筒の光軸が測定光の光軸と一致するように構成されている。
制御部19は、上述したリレーレンズの交換の前後又は同時に、補正レンズ27Aの回転機構を回転させることにより、中空鏡筒を光路外に退避させ、負パワーの補正レンズ27Aを光路中に挿入する。これによりリレーレンズ26Aとリレーレンズ26Bの焦点距離の違いによるフォーカス移動の補正が可能になる。なお、補正レンズの挿入位置は、できるだけ瞳共役位置に近い位置が好ましい。このような位置に配置することで、瞳共役関係への影響を抑制しつつ補正レンズ27Aを光軸上に挿入し、眼底Efにフォーカスを合わせることができる。
また、フォーカスレンズ6の光軸上の位置は、眼底Efで反射され逆光路を通ってファイバー端4aに入射する戻り光の光量が最大になり、表示部20に表示される断層像の明るさが最大になるように設定される。このとき、フォーカスレンズ6の光軸上の最適な位置は被検眼の視度、すなわち光学倍率によって異なる。しかし、本実施形態では、倍率の変化に対して光路長を変化させてフォーカスを合わせる構成とは異なり、補正レンズを光路中に挿入することにより倍率の変化に対応している。その結果、フォーカスレンズ6の光軸上の位置を大きく変化させる必要がなくなり、サンプルアーム1001の光路長は変化しなくなる。倍率を変化させる操作は、視度の変化への操作としても適用できる。本実施形態を視度の変化に対応させると、被検眼の視度に応じて参照アーム1002の光路長は変化させる必要がなく、被検眼の視度に応じて参照ミラー12を移動させる必要がない。このため、アライメント時の操作が簡単になる。また、視度の個人差に対応できるよう参照ミラー12の移動範囲を広く確保する必要がないため、装置の小型化に有利になる。
上述したように、本実施形態に係るOCT装置は、眼底撮影時の倍率変更に関連する構成として、対物レンズ9と、リレーレンズ26A(26B)と、補正レンズ27Aと、を有する。また、付随する構成として、光走査部7と撮像部18とを有する。対物レンズ9は、被検眼Eと対向して配置される。光走査部7は、光源1から放射される光による撮影光(測定光)を眼底Ef上で走査する。リレーレンズ26は、リレーレンズ26Bのように異なる焦点距離を有するレンズと交換して該レンズの焦点距離を変更するリレーレンズユニットを構成する。該リレーレンズユニットは、対物レンズ9を含む瞳リレー光学系の一部であり、対物レンズ9と光走査部7との間の光路に配置されて撮影光を対物レンズ9に導く。該リレーレンズユニットの交換により瞳リレー光学系の焦点距離が変更され、これにより光学倍率が変更される(変倍)こととなる。従来技術の如く瞳リレー光学系全体を交換せずにその一部であるリレーレンズユニットの交換等により焦点距離を変更すると、焦点位置はずれてしまう。このとき、フォーカスレンズ6を移動させて焦点位置を補正することができる。しかし、この場合、フォーカスレンズ6を移動させる距離が比較的大きくなり、測定光学系を大きく構成する必要が生じる。これに対し、本実施形態では、補正レンズ27Aとして示される補正レンズユニットを、焦点距離の変更に応じて、挿脱手段により光源1と光走査部7との間の光路に挿脱することとしている。この補正レンズ27Aの該光路への挿脱により測定光学系を小型に維持しつつ焦点位置を補正することが可能となる。撮像部18および制御部19は、撮影光の眼底Efからの戻り光を用いて眼底Efの断層画像を撮影する撮影手段を構成する。また、本実施形態において、リレーレンズを交換する構成は、リレーレンズユニットの焦点距離を変更する焦点距離変更手段を構成する。また、焦点距離の変更に応じた、光源1と光走査部7との間の光路への焦点位置調整のための補正レンズユニットの挿脱は、挿脱手段により実行される。
また、上述した実施形態では、光走査部7はリレーレンズユニットの焦点位置に配置される。さらに、フォーカスレンズ6は、補正レンズユニットと光源1との間の光路に配置され、撮影光の光軸方向に移動可能に構成される。当該OCT装置はさらに、眼底Efを観察する観察光学系をさらに備える。該観察光学系は、撮影光とは異なる波長の観察光を放出する観察用光源28と、観察光が照射された眼底Efからの戻り観察光を撮影する観察像撮影手段である検出部37とを備える。この観察光は、リレーレンズ26Aと対物レンズ9との間の光路に配置される波長分岐手段である波長分岐ミラー35により対物レンズ9に導かれる。また、眼底Efからの戻り観察光は、該波長分岐ミラー35により検出部37に導かれる。なお、本実施形態における撮影光は、光源1から放出された光を分割して得た測定光となる。撮像部18は、該測定光の眼底Efからの戻り光と、光を分割して得た測定光に対応する参照光とを合波して得た干渉光を受光する。制御部19は撮像部18より得られた干渉信号の強度を用いて、眼底Efの断層画像を生成する。
本実施形態によれば、リレーレンズを交換し、かつ、補正レンズを挿入することで、フォーカスレンズを移動させることなく、簡単な構成で光学倍率を変更することができる。また、本実施形態では、リレーレンズと対物レンズとの間の光束がテレセントリックになるよう構成している。そして、該リレーレンズと対物レンズとの間に配置した波長分岐ミラー35および波長分岐ミラー8を介して眼底観察光学系および内部固視灯光学系からの光を対物レンズに導いている。このような構成とすることにより、眼底観察光学系および内部固視灯光学系は、リレーレンズの交換による光学倍率の変更の影響を受けない。これにより光学倍率変更後に、内部固視灯の表示位置指定や断層画像の撮影位置指定をやり直す必要がなく、簡単に撮影倍率を変更した画像を取得することができる。
[第2の実施形態]
次に、本発明の光学系の第2の実施形態について説明する。図7は、本発明の第2の実施形態におけるサンプルアーム1001の光学系において、光学倍率の変更に関する構成を抽出し、図6等と同様の様式にて示している。図7(a)と図7(b)とでは、リレーレンズ26の種類とその位置、および補正レンズ27Bの有無が異なっている。具体的には、図7(a)が高倍率(狭画角)撮影時の光学系の構成およびその配置を、図7(b)が低倍率(広画角)撮影時の光学系の構成およびその配置を示している。本実施形態では、高倍率(狭画角)撮影時の画角を35°、低倍率(広画角)撮影時の画角を50°としている。また、第2の実施形態は第1の実施形態と異なり、リレーレンズ26Cが配置された高倍率(狭画角)撮影時に補正レンズなしで被検眼Eの眼底Efにフォーカスが合う位置に、対物レンズ9Aが配置されている。
なお、リレーレンズ26Cおよびリレーレンズ26Dは、第1の実施形態と同様の様式で、リレーレンズ保持部(不図示)によって保持されている。本実施形態でも、ポインティングデバイス25を用いて倍率表示切り替え領域20gのボタンを操作することで、光学倍率変更の指示ができる。該ポインティングデバイス25により低倍率(広画角)の光学倍率が選択されると、制御部19は、該回転機構を回転させることにより、リレーレンズの交換による倍率変更を開始する。具体的には、制御部19は、回転機構(不図示)を回転させることにより、リレーレンズ26Cを光路外に退避させ、リレーレンズ26Cより長い焦点距離のリレーレンズ26Dを光路上に配置する。ここで、リレーレンズ26Dは、その焦点位置に光走査部7が配置されるようにそのリレーレンズ鏡筒内での配置が予め決められている。
リレーレンズ26Dに対応する補正レンズ27Bは、第1の実施形態と同様の様式で、補正レンズ保持部(不図示)によって保持されている。制御部19は、上述したリレーレンズ交換の前後又は同時に、補正レンズ27Bの回転機構(不図示)を回転させ、中空鏡筒を光路外に退避させ、正パワーの補正レンズ27Bを光路中に挿入する。これによりリレーレンズ26Cとリレーレンズ26Dの焦点距離の違いによるフォーカス移動の補正が可能になる。
本実施形態によれば、第1の実施形態と同様に、リレーレンズを交換し、かつ、補正レンズを挿入することで、フォーカスレンズを移動させることなく、簡単な構成で光学倍率を変更することができる。その結果、同一被検眼より撮影倍率を変更した画像を容易に取得することができる。
[第3の実施形態]
次に、本発明の光学系の第3の実施形態について説明する。図8は、本発明の第3の実施形態におけるサンプルアーム1001の光学系において、光学倍率の変更に関する構成を抽出し、図6等と同様の様式にて示している。図8に示す実施形態では、図6(a)で示した光学系に対して、対物レンズ9Aをより焦点距離が短い対物レンズ9Bに交換している点が異なっている。また、図8(a)は、図6(a)の光学系で得られる光学倍率よりさらに倍率の低い超低倍率(超広画角)撮影時に対応する光学系の構成および配置を示している。本実施形態では、超低倍率(超広画角)撮影時の画角を80°としている。
ここで対物レンズの焦点距離と、画角およびNAとの関係について述べる。図8(a)に示した光学系のように、対物レンズ9Bの焦点距離が短いと、ワーキングディスタンスが短くなり、最軸外の光束が被検眼Eに入射する角度(画角)が大きくなる。これにより眼底Ef上の撮影範囲が広くなる。一方、瞳結像の倍率が縮小方向に変わるため、瞳孔上の光束径が小さくなる。これにより眼底Ef上へ入射する光束のNAが小さくなり、眼底Ef上に結像するスポット径が大きくなるため、横方向の解像力は低下する。
これに対し、図6(a)に示した光学系のように、対物レンズ9Aの焦点距離が長いと、ワーキングディスタンスが長くなり、画角が小さくなる。これにより眼底Ef上の撮影範囲が狭くなる。また、瞳結像の倍率が拡大方向に変わるため、瞳孔上の光束径が大きくなる。これにより眼底Ef上へ入射する光束のNAが大きくなり、眼底Ef上に結像するスポット径が小さくなるため、横方向の解像力は向上する。
さらに対物レンズの焦点距離と、画角および光学系の大きさとの関係を以下に述べる。対物レンズに求められる有効口径は、ワーキングディスタンスと画角によって決まる。すなわち、対物レンズの有効口径は、ワーキングディスタンスが長くなると大きくなり、また、画角が広くなると大きくなる必要がある。よって、対物レンズの焦点距離を長くしてワーキングディスタンスを長くすると、特に超低倍率(超広画角)撮影時に用いる対物レンズは口径の大きなものとなる。このときスキャンミラーの振り角を小さく抑えるために所定の光学倍率を保とうとすると、リレーレンズの焦点距離も長くする必要があり、光学系全系が大型化する。逆に、対物レンズの焦点距離を短くしてワーキングディスタンスを短くすると、光学系が大型化するのを抑えることができる。
次に、対物レンズの交換による倍率変更方法の具体例について述べる。対物レンズ9Aおよび対物レンズ9Bは対物レンズ保持部(不図示)によって保持されている。対物レンズ保持部は、複数の対物レンズ鏡筒(不図示)とターレット式の回転機構(不図示)を備えている。該回転機構は、各対物レンズ鏡筒における対物レンズの光軸が測定光の光軸と平行となるように、ターレットにより各対物レンズ鏡筒を保持する。そして測定光の光軸と平行な軸周りに回転し、各対物レンズ鏡筒のいずれか一つが光路上に配置されると対応する対物レンズの光軸が測定光の光軸と一致するように構成されている。
ポインティングデバイス25を用いて倍率表示切り替え領域20gのボタンを操作することで倍率変更の指示ができる。該ポインティングデバイス25により超低倍率(超広画角)の光学倍率が選択されると、制御部19は、該回転機構を動作させて対物レンズの交換による倍率変更を開始する。具体的には、制御部19は、回転機構を回転させることにより、対物レンズ9Aを光路外に退避させ、対物レンズ9Aより短い焦点距離の対物レンズ9Bを光軸上に配置する。
本実施形態では、対物レンズ9Bの光軸上の位置を対物レンズ9Aに比べてより光走査部7に近づけることで、補正レンズ27を配置することなく眼底Efにフォーカスを合わせる構成としている。しかし、対物レンズ9Bの光軸上の位置はこれに限らない。図8(b)に示したように、図6(a)に示した対物レンズ9Aの光軸上の位置と同じ位置に配置してもよい。この場合、第1の実施形態と同様の機構で、フォーカスレンズ6と光走査部7との間に、対物レンズ9Bに対応した負パワーの補正レンズ27Cを配置することで、眼底Efにフォーカスを合わせることができる。また、図8(b)に示す光学系は、図8(a)に示す光学系に比べ、光学倍率の変更によるサンプルアーム1001の光路長変化を小さくすることができる。よって、光学倍率の変更に応じて参照アーム1002の光路長を変化させる量が小さくなり、参照ミラー12の移動範囲を狭く抑えることができるため、装置の小型化に有利になる。
図6(a)、図6(b)、図8(a)(又は図8(b))に示す光学系を用いると、高倍率(狭画角)、低倍率(広画角)、超低倍率(超広画角)の3つの倍率に、簡単な光学構成の変更で、切り替えることができる。この場合、眼底観察光学系および内部固視灯光学系は、対物レンズの交換により、低倍率(広画角)と超低倍率(超広画角)の2つの倍率に切り替えられる。すなわち、リレーレンズの交換により撮影光学系を高倍率(狭画角)としても、眼底観察光学系による観察範囲は低倍率のまま広い範囲に保たれる。また、対物レンズの交換により撮影光学系を超低倍率(超広画角)とすると、それに応じて眼底観察光学系による観察範囲も撮影光学系と同様に広い範囲に変更される。よって、いずれの倍率で撮影する場合でも、眼底観察範囲や内部固視灯の表示位置指定範囲を広く確保することができ、断層画像の撮影位置の指定の自由度が大きくなる。また、超低倍率(超広画角)の光学系を、対物レンズの交換によって切り替えることで、光学系を小型化することができる。
本実施形態では、対物レンズ9Aは、該対物レンズ9Aとは異なる焦点距離を有する対物レンズ9Bと対物レンズ9Aとを交換可能な不図示の交換ユニットにより支持される。該交換ユニットは、本実施形態おいて対物レンズ鏡筒と回転機構とからなる対物レンズ保持部により構成される。該交換ユニットは、対物レンズ9Aを異なる焦点距離を有する対物レンズ9Bに交換することにより撮影倍率を変更する倍率変更手段を構成する。また、本実施形態において、挿脱手段は、該倍率変更手段による撮影倍率の変更に応じて、光源1と光走査部7との間の光路に補正レンズユニットを挿脱する。
以上に述べたように、本実施形態によれば、対物レンズをより短い焦点距離の対物レンズに交換することで、小型の光学系であっても、光学倍率を超低倍率(超広画角)の光学倍率に変更することができる。これにより内部固視灯の表示位置指定や断層画像の撮影位置指定の範囲を広く確保しつつ、簡単に超低倍率(超広画角)に撮影倍率を変更することができ、同一被検眼より撮影倍率を変更した画像を容易に取得することができる。
[第4の実施形態]
次に、本発明の光学系の第4の実施形態について説明する。図9は、本発明の第4の実施形態におけるサンプルアーム1001の光学系において、本実施形態の主要となる構成を抽出し、図6等と同様の様式にて示している。図9に示す実施形態では、図6(a)で示した光学系に対して、リレーレンズ26Aをリレーレンズ26Eに交換し、さらに正パワーの補正レンズ27Dを光路に挿入している点が異なっている。図9は、図6(a)に示した眼底撮影用の光学系と異なり、前眼部撮影用とした光学系の構成および配置を示している。すなわち、本実施形態では、通常眼底を撮影対象とするOCT装置において、他の実施形態において述べた倍率変更と同様の操作により被検眼前眼部の断層画像の撮影を可能とする所謂前眼部撮影モードの実行を可能としている。
本実施形態において、リレーレンズ26Eは、第1の実施形態と同様の様式で、リレーレンズ保持部(不図示)によって保持されている。本実施形態でも、ポインティングデバイス25を用いて倍率表示切り替え領域20gのボタンを操作することで、前眼部撮影モードの選択を指示できる。該ポインティングデバイス25により前眼部撮影モードが指示されると、制御部19は、レンズの交換による撮影モードの変更を開始する。制御部19は、該回転機構(不図示)を回転させることにより、リレーレンズ26Aを光路外に退避させ、リレーレンズ26Eを光路上に配置する。
リレーレンズ26Eに対応する補正レンズ27Dは、第1の実施形態と同様の様式で、補正レンズ保持部(不図示)によって保持されている。制御部19は、上述したリレーレンズ交換の前後又は同時に、補正レンズ27Dの回転機構を回転させ、中空鏡筒を光路外に退避させ、正パワーの補正レンズ27Dを光路中に挿入する。これにより、リレーレンズと補正レンズとにより測定光のフォーカス位置を変更し、該OCT装置による前眼部の撮影が可能となる。
なお、図9では、正パワーの補正レンズ27Dにより、光走査部7とリレーレンズ26Eとの間に眼底共役像を形成している。眼底共役像は、リレーレンズ26Eの焦点位置に配置されるように構成されており、これによりリレーレンズ26Eを透過して対物レンズ9Aに向かう測定光は平行光になる。リレーレンズ26Eを透過した測定光は、リレーレンズ26Eと対物レンズ9Aとの間の光路に瞳共役像を形成する。該瞳共役像は、対物レンズ9Aの焦点位置に配置されるように構成されており、これにより対物レンズ9Aを透過した光はテレセントリックな光束となり、前眼部に結像される。
本実施形態によるOCT装置では、上述した焦点距離変更手段はリレーレンズ26Eを光路上に配置させ、挿脱手段は補正レンズ27Dを光路上に配置させる。これにより、該焦点距離変更手段と挿脱手段とは、撮影光の光軸方向の所定の位置に配置された眼底Efの画像を撮影する眼底撮影モードと、被検眼Eの前眼部の画像を撮影する前眼部撮影モードとを切り替える。
本実施形態によれば、第1の実施形態と同様に、リレーレンズを交換し、かつ、補正レンズを挿入することで、簡単な構成でOCT光学系を眼底撮影光学系から前眼部撮影光学系に変更することができる。これにより、簡単に撮影モードを切り替えて眼底撮影画像および前眼部撮影画像を取得することができる。
[第5の実施形態]
次に、本発明の光学系の第5の実施形態について説明する。図10は、本発明の第5の実施形態におけるサンプルアーム1001の光学系において、光学倍率の変更に関する構成を抽出し、図6等と同様の様式にて示している。本実施形態では、これまでの実施形態と異なり、第1の実施形態において単一であったリレーレンズを複数のレンズからなるリレーレンズユニットとしている。そして、該レンズユニット中の個々のリレーレンズを光軸方向に移動させることで、リレーレンズユニットとしての光学倍率の変更を行なっている。図10(a)と図10(b)とでは、リレーレンズ26Gとリレーレンズ27Hの光軸方向の位置および補正レンズ27Eの有無が異なっている。具体的には、図10(b)が高倍率(狭画角)撮影時の光学系の構成およびその配置を、図10(a)が低倍率(広画角)撮影時の光学系の構成およびその配置を示している。本実施形態では、高倍率(狭画角)撮影時の画角を35°、低倍率(広画角)撮影時の画角を50°としている。
本実施形態において、上述したリレーレンズユニットを構成するリレーレンズ26F、リレーレンズ26Gおよびリレーレンズ26Hは、リレーレンズ保持部(不図示)によって、少なくとも2つのレンズが光軸方向に移動可能となるように保持されている。本実施形態でも、ポインティングデバイス25を用いて倍率表示切り替え領域20gのボタンを操作することで、光学倍率変更の指示ができる。該ポインティングデバイス25により高倍率(狭画角)の光学倍率が選択されると、制御部19は、該リレーレンズユニットにおける個々のリレーレンズ位置の変更による倍率変更を開始する。具体的には、制御部19は、リレーレンズ保持部に付加された駆動機構(不図示)を駆動させる。これにより、リレーレンズ26Gおよびリレーレンズ26Hの光軸方向の位置を、対物レンズ9A側に異動させる。なお、図10(a)に示す光学系において、リレーレンズ26F、リレーレンズ26G、およびリレーレンズ26Hの合成焦点位置に光走査部7が配置されるよう構成されている。
補正レンズ27Eは、第1の実施形態と同様の様式で、補正レンズ保持部(不図示)によって保持されている。制御部19は、上述したリレーレンズの光軸方向の位置の変更の前後又は同時に、回転機構(不図示)を回転させることにより、中空鏡筒を光路外に退避させ、負パワーの補正レンズ27Eを光路中に挿入する。これによりリレーレンズ26F、リレーレンズ26G、およびリレーレンズ26Hの光軸方向の位置の変更によって生じる合成焦点距離の違いによるフォーカス移動の補正が可能になる。
上述したように、本実施形態によるOCT装置では、焦点距離変更手段は、リレーレンズユニットに含まれる複数のリレーレンズ26F〜26Hのうちの少なくとも2つのリレーレンズ26Fと26Hの撮影光の光軸方向の距離(間隔)を変更する。即ち、該リレーレンズユニットにおいて、焦点距離変更手段はリレーレンズ26Fと26Hとの光軸方向の位置を変更することにより、リレーレンズユニットの焦点距離を変更している。なお、リレーレンズユニットに含まれるリレーレンズの数は例示する3枚に限定されず、所望する撮影倍率、リレーレンズユニットの大きさ等を勘案して、2枚とする或いはさらに増やすこととしてもよい。この場合、光軸方向に距離を変更するリレーレンズの枚数は2枚に限定されないが、軸上の光束と軸外の光束とを平行に保って所望する撮影倍率を得ようとした場合、少なくとも2枚のレンズの距離を変更すればよい。これにより、リレーレンズユニットと対物レンズ9Aとの間の光束がテレセントリックになる。また、上述した第1の実施形態と組み合わせ、複数のリレーレンズ鏡筒の1つ或いは複数を本実施形態のリレーレンズユニットの形態としてもよい。
本実施形態によれば、リレーレンズユニットにおける個々のリレーレンズの光軸方向の位置を変更し、かつ、補正レンズを挿入することで、フォーカスレンズを移動させることなく、簡単な構成で光学倍率を変更することができる。その結果、同一被検眼より撮影倍率を変更した画像を容易に取得することができる。
[第6の実施形態]
次に、本発明の光学系の第6の実施形態について説明する。図11は、本発明の第6の実施形態におけるサンプルアーム1001の光学系において、光学倍率の変更に関する構成を抽出し、図6等と同様の様式にて示している。図11(a)と図11(b)とでは、補助レンズ26Iおよび補正レンズ27Fの有無が異なっている。具体的には、図11(b)が高倍率(狭画角)撮影時の光学系の構成およびその配置を、図11(a)が低倍率(広画角)撮影時の光学系の構成およびその配置を示している。本実施形態では、高倍率(狭画角)撮影時の画角を35°、低倍率(広画角)撮影時の画角を50°としている。
本実施形態では、リレーレンズ26Aと光走査部7との間に補助レンズ26Iを挿入することにより、該リレーレンズ26Aと補助レンズ26Iとを組み合わせることによって、撮影倍率の変更を行なっている。なお、補助レンズ26Iは、第1の実施形態における補正レンズ保持部と同様の様式からなる、中空鏡筒と補助レンズ鏡筒とを含む補助レンズ保持部(不図示)によって保持されている。本実施形態でも、ポインティングデバイス25を用いて倍率表示切り替え領域20gのボタンを操作することで、光学倍率変更の指示ができる。該ポインティングデバイス25により高倍率(狭画角)の光学倍率が選択されると、制御部19は、該補助レンズ保持部の回転機構(不図示)を回転させて、補助レンズ26Iの光路への挿入による倍率変更を開始する。制御部19は、回転機構(不図示)を回転させることにより、中空鏡筒を光路外に退避させ、補助レンズ26Iを光軸上に挿入する。なお、リレーレンズ26Aおよび補助レンズ26Iの合成焦点位置に光走査部7が配置されるように、補助レンズ26Iの補助レンズ鏡筒内の位置が決められている。
リレーレンズ26Aと補助レンズ26Iとの組み合わせに対応する補正レンズ27Fは、第1の実施形態と同様の様式で、補正レンズ保持部(不図示)によって保持されている。制御部19は、上述した補助レンズの挿入の前後又は同時に、回転機構(不図示)を回転させることにより、中空鏡筒を光路外に退避させ、負パワーの補正レンズ27Fを光路中に挿入する。これにより補助レンズ26Iの挿入によって生じる合成焦点距離の違いによるフォーカス移動の補正が可能になる。
上述したように、本実施形態のOCT装置では、焦点距離変更手段は、撮影光の光軸に配置されるリレーレンズ26Aと、該リレーレンズ26Aとは独立して光軸に挿脱可能な補助レンズ26Iとより構成してもよい。本実施形態では、該リレーレンズユニットにおいて、補助レンズ26Iの光路への挿脱により焦点距離を変更する。なお、リレーレンズ26Aおよび補助レンズ26Iの態様はここで示した例に限定されず、少なくともいずれかを第5の実施形態の如く複数のレンズより構成することも可能である、また、第1の実施形態と組み合わせてもよい。
本実施形態によれば、補助レンズを挿入し、かつ、補正レンズを挿入することで、フォーカスレンズを移動させることなく、簡単な構成で光学倍率を変更することができる。その結果、同一被検眼より撮影倍率を変更した画像を容易に取得することができる。
[その他の実施形態]
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されないことはいうまでもなく、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。上述した第1および第2の実施形態では、焦点距離の異なる2種類のリレーレンズの交換について述べているが、リレーレンズは2種類に限るものではなく、3種類以上のリレーレンズを交換可能に構成してもよい。この場合、任意の1つのリレーレンズのときに補正レンズなしでフォーカスが合うように構成し、他の2種類以上の各リレーレンズに対応した各補正レンズを挿脱可能に構成してもよい。また、補正レンズなしでフォーカスが合う光学倍率の光学系を含まず、各倍率の光学系の全てで各補正レンズを配置するように構成してもよい。
また、上述した実施形態では、レンズを交換する機構としてターレット式の回転機構を用いているが、これに限らない。クロスローラ式等の公知の直動ステージ機構を用いて、レンズを交換および挿脱する構成としてもよい。また、対物レンズを交換する機構として、バヨネット式等の公知のマウント機構を用いて手動で交換する構成としてもよい。
また、上述した実施形態では、断層画像を取得するシステムとして広帯域光源と分光器を用いたSD−OCT(Spectral−domain OCT)システムを適用している。しかし、用いるOCT装置は、当該システムに限定されず、波長可変光源を用いたSS−OCT(Swept−Source OCT)システム等、公知の種々のOCTシステムを適用してもよい。また、該OCTシステムにおいて用いた干渉系についても、公知の種々の干渉系を用いることができる。また、本発明は、先行技術文献において述べられているSLO装置に用いてもよい。すなわち、本発明は、被検査物上で光を走査し、該光の被検査物からの戻り光を用いて画像を生成する撮影装置に対して適用できる。
また、本実施形態の装置による撮影対象として例えば人間の網膜等を被検査物に用い、その断層画像を当該撮影装置で取得することとしている。しかし、例えば、眼以外の皮膚や臓器等を被検査物として本発明を適用することも可能である。この場合、本発明は眼科にて用いられる撮影装置以外の、例えば内視鏡等の医療機器としての態様を有する。従って、本発明は眼科装置に例示される撮影装置として把握され、被検眼は被検査物の一態様として把握されることが好ましい。また、以上に述べた実施形態は特許請求の範囲に関わる本発明を限定するものではなく、また、本実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。
1 光源
5 コリメータレンズ
6 フォーカスレンズ
7 光走査部
8 波長分岐ミラー
9 対物レンズ
25 ポインティングデバイス
26 リレーレンズ
27 補正レンズ
1001 サンプリングアーム
E 被検眼
Ef 眼底

Claims (14)

  1. 被検査物と対向して配置される対物レンズと、
    光源から放射される光による撮影光を前記被検査物上で走査する光走査部と、
    前記対物レンズを含む瞳リレー光学系の一部であり、前記対物レンズと前記光走査部との間の光路に配置されて前記撮影光を前記対物レンズに導くリレーレンズユニットと、
    前記撮影光の前記被検査物からの戻り光を用いて前記被検査物の画像を撮影する撮影手段と、
    前記リレーレンズユニットの焦点距離を変更する焦点距離変更手段と、を備えることを特徴とする撮影装置。
  2. 前記焦点距離変更手段は、前記リレーレンズユニットにおいて異なる焦点距離を有するリレーレンズの交換を行なうことにより前記焦点距離を変更することを特徴とする請求項1に記載の撮影装置。
  3. 前記焦点距離変更手段は、前記リレーレンズユニットに含まれる複数のリレーレンズのうちの少なくとも2つのリレーレンズの間の前記撮影光の光軸方向の距離を変更することにより前記焦点距離を変更することを特徴とする請求項1に記載の撮影装置。
  4. 前記焦点距離変更手段は、前記撮影光の光路に配置されるリレーレンズと前記リレーレンズとは独立して前記光路に挿脱可能な補助レンズとを備えた前記リレーレンズユニットにおいて、前記補助レンズの前記光路への挿脱により前記焦点距離を変更することを特徴とする請求項1に記載の撮影装置。
  5. 前記光走査部は前記リレーレンズユニットの焦点位置に配置されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の撮影装置。
  6. 前記焦点距離の変更に応じて、焦点位置を補正する補正レンズユニットを前記光源と前記光走査部との間の光路に挿脱する挿脱手段を更に備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の撮影装置。
  7. 前記対物レンズは前記対物レンズとは異なる焦点距離を有するレンズと前記対物レンズとを交換可能な交換ユニットにより支持され、前記交換ユニットは前記対物レンズを前記異なる焦点距離を有するレンズに交換することにより撮影倍率を変更する倍率変更手段を構成することを特徴とする請求項6に記載の撮影装置。
  8. 前記挿脱手段は、前記倍率変更手段による前記撮影倍率の変更に応じて、前記光源と前記光走査部との間の光路に前記補正レンズユニットを挿脱することを特徴とする請求項7に記載の撮影装置。
  9. 前記補正レンズユニットと前記光源との間の光路に配置され、前記撮影光の光軸方向に移動可能なフォーカスレンズを備えることを特徴とする請求項6乃至8のいずれか一項に記載の撮影装置。
  10. 前記被検査物を観察する観察光学系をさらに備え、
    前記観察光学系は、前記撮影光とは異なる波長の観察光を放出する観察用光源と、前記観察光が照射された前記被検査物からの戻り観察光を撮影する観察像撮影手段と、を備え、
    前記観察光は前記リレーレンズユニットと前記対物レンズとの間の光路に配置される波長分岐手段により前記対物レンズに導かれ、前記被検査物からの前記戻り観察光は前記波長分岐手段により前記観察像撮影手段に導かれることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の撮影装置。
  11. 前記撮影光は前記光源から放出された前記光を分割して得た測定光であって、
    前記撮影手段は、前記戻り光と、前記光を分割して得た前記測定光に対応する参照光とを合波して得た干渉光より得られた干渉信号の強度を用いて前記被検査物の断層画像を生成することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の撮影装置。
  12. 前記被検査物は被検眼の眼底であることを特徴とする請求項6乃至9のいずれか一項に記載の撮影装置。
  13. 前記焦点距離変更手段と前記挿脱手段とは、前記眼底の画像を撮影する眼底撮影モードと、前記被検眼の前眼部の画像を撮影する前眼部撮影モードとを切り替えることを特徴とする請求項12に記載の撮影装置。
  14. 前記被検査物は被検眼の眼底であることを特徴とする請求項10又は11に記載の撮影装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109924943A (zh) * 2019-04-25 2019-06-25 南京博视医疗科技有限公司 一种基于改进的线扫描成像系统的稳像方法及系统

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