以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、実施形態にかかる便座装置を備えたトイレ装置を模式的に表す斜視図である。 図1に表したように、トイレ装置2は、洋式腰掛便器(以下説明の便宜上、単に「便器」と称する)4と、その上に設けられた便座装置10と、を備える。便座装置10は、本体部12と、便座14と、便蓋16と、を有する。
以下の実施形態の説明では、「上方」、「下方」、「前方」、「後方」、「右側方」、及び「左側方」を用いるが、これらの方向は、図1に表すように、便座14に座った使用者から見た方向である。
便器4は、下方に向けて窪んだボウル部4aを有する。便器4は、ボウル部4aにおいて使用者の尿や便などの排泄物を受ける。便座装置10の本体部12は、便器4のボウル部4aよりも後方の上部に設けられる。本体部12は、便座14及び便蓋16を開閉可能に軸支している。
便座14は、開口部14aを有する。便座14は、ボウル部4aの外縁を囲むように便器4の上に設けられ、開口部14aを介してボウル部4aを露呈させる。これにより、使用者は、便座14に座った状態でボウル部4aに排泄を行うことができる。この例では、貫通孔状の開口部14aが形成された、いわゆるO型の便座14を示している。便座14は、O型に限ることなく、U字型などでもよい。
便座装置10は、便座14の着座面を暖める便座14の暖房機能を有する。また、便座装置10は、便座14に座った使用者の「おしり」などの局部を洗浄する衛生洗浄機能を有する。便座装置10は、換言すれば、衛生洗浄装置である。但し、便座装置10は、必ずしも衛生洗浄機能を有しなくてもよい。便座装置10は、少なくとも便座14の暖房機能を有していればよい。換言すれば、便座装置10は、暖房便座装置でもよい。
便座装置10は、人体局部の洗浄を行うためのノズル20を有する。ノズル20は、本体部12に設けられ、本体部12内に収納された位置と、本体部12からボウル部4a内に進出した位置と、に進退移動する。なお、図1では、ノズル20がボウル部4a内に進出した状態を表している。
本体部12は、リモコンなどの操作部6と通信可能に構成されている。本体部12と操作部6との間の通信は、有線通信でもよいし、無線通信でもよい。本体部12は、例えば、操作部6からの操作指示の入力に応じてノズル20をボウル部4a内に進出させる。
ノズル20は、人体局部に向けて水を吐出し、人体局部の洗浄を行う。ノズル20の先端部には、ビデ洗浄吐水口20a及びおしり洗浄吐水口20bが設けられている。ノズル20は、その先端に設けられたビデ洗浄吐水口20aから水を噴射して、便座14に座った女性の女性局部を洗浄することができる。あるいは、ノズル20は、その先端に設けられたおしり洗浄吐水口20bから水を噴射して、便座14に座った使用者の「おしり」を洗浄することができる。なお、本願明細書において「水」という場合には、冷水のみならず、加熱されたお湯も含むものとする。
「おしり」を洗浄するモードのなかには、例えば、「おしり洗浄」と、「おしり洗浄」よりもソフトな水流で優しく洗浄する「やわらか洗浄」と、が含まれる。ノズル20は、例えば、「ビデ洗浄」と、「おしり洗浄」と、「やわらか洗浄」と、を実行することができる。
なお、図1に表したノズル20では、ビデ洗浄吐水口20aがおしり洗浄吐水口20bよりもノズル20の先端側に設けられているが、ビデ洗浄吐水口20aおよびおしり洗浄吐水口20bの設置位置は、これだけに限定されるわけではない。ビデ洗浄吐水口20aは、おしり洗浄吐水口20bよりもノズル20の後端側に設けられていてもよい。また、図1に表したノズル20では、2つの吐水口が設けられているが、3つ以上の吐水口が設けられていてもよい。
図2は、実施形態に係る便座の一部を模式的に表す断面図である。
図2は、図1のA1−A2線断面を模式的に表す。
図2に表したように、便座14は、内部空間SPを有する。換言すれば、便座14は、中空状である。便座14は、例えば、上板30と下板32とを有し、上板30と下板32とを接合することにより、上板30と下板32との間に内部空間SPを形成する。上板30は、使用者が着座する着座面30aと、下板32と対向する内表面30bと、を有する。内表面30bは、換言すれば、内部空間SP内において着座面30aと反対側を向く面である。上板30と下板32との接合は、接着剤を用いた接着でもよいし、振動溶着などを用いた溶着などでもよい。但し、便座14の構成は、上記に限ることなく、少なくとも内部空間SPと着座面30aと内表面30bとを有する任意の構成でよい。
便座14は、加熱部34を有する。加熱部34は、上板30の着座面30aを暖める。加熱部34は、例えば、内部空間SP内において内表面30bに設けられる。加熱部34は、例えば、内表面30bに貼り付けられている。これにより、加熱部34は、内側から着座面30aを暖める。
図3は、実施形態にかかる加熱部を模式的に表す平面図である。
図4は、実施形態にかかる加熱部の一部を模式的に表す部分断面図である。
図3及び図4に表したように、加熱部34は、熱拡散部41と、ヒータ43と、を有する。ヒータ43は、電流を流すことによって発熱する。ヒータ43は、例えば、電熱線である。ヒータ43は、内部空間SPに設けられ、外部からの交流電圧の印加により、内表面30bを介して着座面30aを内側から暖める。
熱拡散部41は、内表面30bに設けられる。熱拡散部41は、例えば、シート状である。熱拡散部41は、換言すれば、熱拡散シートである。ヒータ43は、例えば、コード状である。熱拡散部41の面積は、ヒータ43の面積よりも大きい。これにより、熱拡散部41は、ヒータ43の熱を内表面30bに拡散させる。
熱拡散部41とヒータ43との間には、第1接着剤44が設けられている。第1接着剤44は、熱拡散部41とヒータ43とを接合する。
熱拡散部41と、上板30の内表面30bと、の間には、第2接着剤45が設けられている。第2接着剤45は、熱拡散部41と、上板30の内表面30bと、を接合する。これにより、熱拡散部41は、上板30の内表面30bに設けられる。
熱拡散部41は、導体である。熱拡散部41は、例えば、金属箔である。金属箔の熱伝導率は、上板30の熱伝導率よりも高い。熱拡散部41としては、例えばアルミニウム箔や銅箔などが挙げられる。
図3に表したように、ヒータ43は、熱拡散部41において蛇行し、熱拡散部41の略全体にわたって配置される。また、図2に表したように、加熱部34は、上板30の内表面30bの略全体にわたって設けられている。換言すれば、熱拡散部41は、上板30の内表面30bの略全体に設けられる。ヒータ43は、上板30の内表面30bの下において蛇行し、内表面30bの略全体にわたって配置される。このように、コード状のヒータ43は、曲げながら内表面30bに設けられる。なお、ヒータ43は、コード状に限ることなく、シート状などでもよい。ヒータ43の構成は、着座面30aを内側から暖めることができる任意の構成でよい。
図5は、実施形態にかかる便座装置の電気的構成を模式的に表すブロック図である。
図5に表したように、便座装置10は、電源回路50と、制御部52と、検出回路54と、制御負荷56と、を備える。
電源回路50は、交流電源PSと電気的に接続される。電源回路50は、交流電源PSから供給される交流電圧を直流電圧に変換し、変換後の直流電圧を制御部52、検出回路54、及び制御負荷56に供給する。電源回路50は、いわゆるAC−DCコンバータである。制御部52、検出回路54、及び制御負荷56は、電源回路50からの直流電圧の供給に応じて動作する。
制御部52は、便座装置10の各部の動作を統括的に制御する。制御部52は、検出回路54及び制御負荷56と電気的に接続され、検出回路54及び制御負荷56の動作を制御する。
便座装置10は、例えば、複数の制御負荷56を有する。制御負荷56は、例えば、ノズル20を進退移動させるためのモーターや、ノズル20への水の供給(ノズル20からの吐水)及びノズル20への水の供給の停止を切り替えるための電磁弁などである。制御負荷56は、例えば、ノズル20に供給する水を加熱する熱交換器、ビデ洗浄吐水口20a及びおしり洗浄吐水口20bの経路の切り替えを行う切替弁、及びボウル部4a内の空気を吸引して脱臭する脱臭装置などをさらに含んでもよい。制御負荷56は、電源回路50から供給される直流電圧によって動作するとともに、制御部52によって動作を制御される任意の機器でよい。
制御部52は、例えば、図示を省略した通信回路などを介して操作部6と通信可能に接続される。制御部52には、例えば、ノズル20による局部洗浄の実行及び局部洗浄の停止など、操作部6の操作に応じた種々の操作指示が入力される。制御部52は、操作部6から入力された操作指示に応じて制御負荷56の動作を制御する。これにより、制御部52は、操作部6の操作に応じて、ノズル20による局部洗浄の実行及び局部洗浄の停止などを制御する。
検出回路54は、使用者などの便座14への着座を検出する。検出回路54は、制御部52の制御に基づいて便座14への着座を検出し、検出結果を制御部52に入力する。制御部52は、検出回路54による着座の検出を制御するとともに、検出回路54の検出結果に基づいて、便座14に人が着座しているか否かを判定する。制御部52は、操作部6から入力される操作指示及び検出回路54の検出結果に基づいて複数の制御負荷56の動作を制御する。
制御部52は、検出回路54によって便座14への着座が検出されている場合に、操作部6からの操作指示に応じて所定の制御負荷56を動作させる。一方、制御部52は、検出回路54によって便座14への着座が検出されていない場合には、操作部6から操作指示が入力されたとしても、所定の制御負荷56を動作させない。制御部52は、例えば、着座が検出されていない場合には、ノズル20による局部洗浄を行わないようにする。これにより、使用者などが便座14に着座していない状態においてノズル20から水が吐出されてしまうことを抑制することができる。
また、例えば、脱臭装置を制御負荷56とする場合には、制御部52は、検出回路54による便座14への着座の検出に応答して、制御負荷56を動作させる。このように、制御部52は、検出回路54の検出結果に基づく制御負荷56の動作の状態を、制御負荷56の種類に応じて変化させる。制御部52は、検出回路54の検出結果に応じて制御負荷56を動作させたり、制御負荷56の動作を禁止したりする。
検出回路54は、便座14の内部空間SPに設けられた加熱部34の熱拡散部41と電気的に接続されている。検出回路54は、加熱部34の熱拡散部41を検出電極として用い、便座14に着座している状態と、便座14に着座していない状態と、における熱拡散部41の静電容量の変化によって、便座14への着座を検出する。
電源回路50は、例えば、電源端子58と電気的に接続されている。電源回路50は、電源端子58を介して交流電源PSと電気的に接続される。交流電源PSは、例えば、AC100V(実効値)の商用電源である。電源端子58は、例えば、コンセントプラグである。
電源回路50は、例えば、整流回路60と、平滑コンデンサ62と、変換回路64と、を有する。整流回路60は、交流電源PSから供給された交流電圧を整流し、脈流の整流電圧に変換する。整流回路60は、例えば、ダイオードブリッジを用いた全波整流器であり、交流電圧を全波整流した整流電圧に変換する。整流回路60は、例えば、半波整流器などでもよい。
平滑コンデンサ62は、整流回路60によって整流された整流電圧を平滑化し、整流電圧を直流電圧に変換する。
変換回路64は、平滑コンデンサ62によって変換された直流電圧を制御部52、検出回路54、及び制御負荷56に対応した直流電圧に変換する。変換回路64は、いわゆるDC−DCコンバータである。変換回路64は、例えば、100Vの直流電圧を5V〜24V程度の直流電圧に変換する。変換回路64は、換言すれば、降圧コンバータである。変換回路64は、変換後の直流電圧を制御部52、検出回路54、及び制御負荷56などの便座装置10の各部に供給する。これにより、制御部52、検出回路54、及び制御負荷56のそれぞれが、変換回路64(電源回路50)からの直流電圧の供給に応じて動作可能となる。
変換回路64は、一次側(交流電源PS側)と二次側(負荷側)とを電気的に絶縁するトランス66を有する。変換回路64は、例えば、絶縁型の変換器である。変換回路64は、例えば、フライバックコンバータである。これにより、例えば、制御負荷56に対して作業を行う作業者などが、比較的高い一次側の電力で感電してしまうことを抑制することができる。但し、変換回路64は、必ずしも絶縁型の変換器でなくてもよい。
電源回路50は、例えば、コモンモードノイズを抑制するためのコンデンサ68、70をさらに有する。コンデンサ68、70は、電源端子58と整流回路60との間に設けられる。コンデンサ68の一端は、整流回路60の一方の入力端子と電気的に接続される。コンデンサ68の他端は、共通電位GNDに設定される。コンデンサ70の一端は、整流回路60の他方の入力端子と電気的に接続される。コンデンサ70の他端は、共通電位GNDに設定される。共通電位GNDは、例えば、大地の電位(いわゆるアース)である。共通電位GNDは、例えば、便座装置10の導電性のフレーム又はシャーシなどの電位(いわゆるフレームグラウンドやシャーシグラウンド)などでもよい。
加熱部34のヒータ43は、電源端子58(整流回路60)と接続されている。これにより、ヒータ43には、交流電源PSから供給された交流電圧が印加される。また、ヒータ43と電源端子58との間には、ヒータ43への交流電圧の印加及び印加の停止を切り替えるためのスイッチング素子72が設けられている。スイッチング素子72は、制御部52と接続されている。制御部52は、スイッチング素子72のオン・オフの切り替えを制御する。換言すれば、制御部52は、ヒータ43への通電(交流電圧の印加及び印加の停止)を制御する。スイッチング素子72は、例えば、双方向の光サイリスタである。これにより、電源回路50の二次側に接続される制御部52を一次側の交流電力と適切に電気的に絶縁することができる。
制御部52は、例えば、便座14の着座面30aの温度が、操作部6の操作などによって設定された所定の設定温度となるように、ヒータ43への通電を制御する。また、制御部52は、例えば、検出回路54によって着座が検出されていない場合には、便座14の着座面30aの温度を設定温度よりも低くする。そして、制御部52は、検出回路54によって着座が検出された場合に、便座14の着座面30aの温度を設定温度まで昇温する。これにより、不使用時における不要な電力の消費を抑え、便座装置10の消費電力を抑えることができる。
また、電源回路50は、例えば、交流電源PSから供給される交流電圧のゼロクロス点を検出するためのゼロクロス検出回路74をさらに有する。ゼロクロス検出回路74は、制御部52と接続され、ゼロクロス点の検出結果を制御部52に入力する。制御部52は、ゼロクロス検出回路74の検出結果を基に、交流電圧のゼロクロス点を検出する。
ゼロクロス検出回路74は、例えば、発光素子とフォトトランジスタとを有する。例えば、交流電圧の半波が正側又は負側の一方においてゼロクロス点を超えると、発光素子が点灯し、フォトトランジスタがオフ状態からオン状態に切り替わる。そして、交流電圧の半波が再びゼロクロス点に近付くと、発光素子が消灯し、フォトトランジスタがオン状態からオフ状態に切り替わる。制御部52は、このフォトトランジスタのオン状態及びオフ状態の切り替わりのタイミングにより、交流電圧のゼロクロス点を検出する。
なお、ゼロクロス検出回路74の構成は、上記に限ることなく、制御部52において交流電圧のゼロクロス点を適切に検出可能な任意の構成でよい。但し、上記のように、フォトトランジスタなどを用いることにより、制御部52は、一次側の交流電力と電気的に絶縁されていることが好ましい。
制御部52は、例えば、交流電圧の複数の半波を1単位とするパターン制御方式によってヒータ43への通電を制御する。制御部52は、例えば、ゼロクロス点の検出結果に応じてヒータ43への通電及び通電の停止を切り替える。制御部52は、例えば、着座面30aの温度を上昇させる場合などに、通電する半波の数を増やし、着座面30aの温度を保温する場合や下げる場合などに、通電する半波の数を減らす。これにより、着座面30aの温度を所望の温度に制御することができる。
図6は、実施形態にかかる検出回路を模式的に表すブロック図である。
図6に表したように、検出回路54は、切替スイッチ80と、積分回路82と、を有する。切替スイッチ80は、第1端子80aと第2端子80bと第3端子80cとを有する。第1端子80aは、基準電圧源83と接続される。第1端子80aには、基準電圧源83から供給された直流電圧が入力される。第2端子80bは、積分回路82と接続される。第3端子80cは、保護抵抗84を介して加熱部34の熱拡散部41と接続される。なお、基準電圧源83の役割は後述するが、動作の目的からすれば固定電圧であれば良いので、検出回路54の電源電圧を用いてもよい。しかし、その電圧精度が検出回路54の容量測定精度に直結するため、電圧安定性が高い、すなわち、出力電圧のバラツキ、変動共に少ない基準電圧源が好ましい。
保護抵抗84は、熱拡散部41と切替スイッチ80との間に設けられる。保護抵抗84の抵抗値は、例えば、1kΩ以上10kΩ以下である。保護抵抗84は、電子部品から構成される検出回路54を、外部から入ってくる電気的なストレスから保護する部品である。電気的なストレスは、面積の大きい熱拡散部41から最も入りやすく、検出回路54の入り口であり、電子部品でもある切替スイッチ80の手前に設けることが望ましい。よって、この例において、保護抵抗84は、切替スイッチ80の第3端子80cと熱拡散部41との間に設けられている。
切替スイッチ80は、図示を省略した制御端子をさらに有し、制御端子を介して制御部52と接続される。切替スイッチ80は、制御部52の制御に基づいて、第1端子80aと第3端子80cとを導通させた第1状態と、第2端子80bと第3端子80cとを導通させた第2状態と、を交互に切り替える。
図6において、C1は、熱拡散部41から便座14に着座した人体を介して共通電位GNDに繋がる静電容量を模式的に表している。従って、静電容量C1は、便座14に人が着座している状態と、着座していない状態と、によって変化する。なお、静電容量C1は、熱拡散部41と、便座14の着座面30aに接する人体との間に介在する、便座14の上板30の静電容量も含んでいる。
C2は、熱拡散部41とヒータ43との間に生じる静電容量を模式的に表している。ヒータ43は、交流電源PSと接続されるため、ヒータ43と共通電位GNDとの間には、交流電源PSの交流電圧が印加される。
切替スイッチ80を第1端子80aと第3端子80cとを導通させた第1状態にすると、基準電圧源83と熱拡散部41とが導通し、静電容量C1及び静電容量C2に電荷が蓄積される。このように、第1状態は、換言すれば、熱拡散部41の静電容量C1及び静電容量C2に電荷を蓄積させる状態である。なお、ここで蓄積される電荷は、第1端子80aに入力される電圧に比例し、最終的に検出回路54の出力に比例するため、電圧安定性の高い基準電圧源83を用いている。
切替スイッチ80を第2端子80bと第3端子80cとを導通させた第2状態にすると、熱拡散部41と積分回路82とが導通し、静電容量C1及び静電容量C2に蓄積された電荷が、積分回路82に入力される。このように、第2状態は、換言すれば、熱拡散部41の静電容量C1及び静電容量C2に蓄積された電荷を積分回路82に出力させる状態である。
制御部52は、切替スイッチ80の第1状態及び第2状態を所定の周期で切り替え、これを繰り返す。これにより、切替スイッチ80の切り替え毎に、静電容量C1及び静電容量C2に蓄積された電荷が、積分回路82に入力される。よって、切替スイッチ80の切り替え回数、すなわち「積分回数」に比例して積分回路82の出力は増大する。また、電気回路にはホワイトノイズと呼ばれるランダムノイズが必ず発生するが、積分回数が増えるほど、ランダムノイズが平均化され、積分回路82の出力は安定する。つまり、積分回数が増えるほど、信号量が増えノイズが減少するので、検出回路としては、高S/Nの動作となる。但し、積分回数に比例して検出時間が長くなるという(一般的に)デメリットが生じる。
積分回路82は、切替スイッチ80の切り替えに応じて所定の周期で入力される静電容量C1及び静電容量C2の電荷を積分し、積分値を検出結果として制御部52に出力する。便座14に人が着座している場合の静電容量C1は、便座14に人が着座していない場合の静電容量C1よりも大きくなる。従って、切替スイッチ80の切り替えを所定の周期で所定の回数行い、上記のように静電容量C1及び静電容量C2の電荷を積分した場合、便座14に人が着座している場合の積分値(変化量)は、便座14に人が着座していない場合の積分値よりも大きくなる。
このため、制御部52は、積分回路82から入力される積分値に対して所定の閾値を設定する。制御部52は、積分値が閾値を超えない場合に、便座14に着座していないと判定し、積分値が閾値を超えた場合に、便座14に着座していると判定する。これにより、検出回路54によって便座14への着座を検出することができ、制御部52において着座しているか否かを判定することができる。
積分回路82は、例えば、オペアンプ86と、コンデンサ88と、リセットスイッチ89と、を有する。オペアンプ86の非反転入力端子は、基準電位GNDに設定されている。オペアンプ86の反転入力端子は、切替スイッチ80の第2端子80bと接続されている。これにより、切替スイッチ80を第2状態にすると、静電容量C1及び静電容量C2に蓄積された電荷が、オペアンプ86の反転入力端子に入力される。コンデンサ88の一端は、オペアンプ86の出力端子と接続されている。コンデンサ88の他端は、オペアンプ86の反転入力端子と接続されている。また、オペアンプ86の出力端子は、制御部52と接続されている。これにより、静電容量C1及び静電容量C2に蓄積された電荷が、オペアンプ86の反転入力端子に入力される毎に、対応する電荷がコンデンサ88に蓄積され、コンデンサ88の電荷が積分値として制御部52に入力される。また、リセットスイッチ89は、コンデンサ88に並列に接続され、図示を省略した制御端子をさらに有し、制御端子を介して制御部52と接続される。リセットスイッチ89は、制御部52の制御に基づいて、コンデンサ88を開放状態と短絡状態とに切り替える。
積分回路82は、換言すれば、反転増幅回路の帰還抵抗をコンデンサに置き換えた回路である。この場合、静電容量C1及び静電容量C2に蓄積された電荷を、オペアンプ86の反転入力端子に入力する毎に、オペアンプ86の出力電圧は、低下する。このため、この積分回路82の場合、制御部52は、積分値が所定の閾値以下となった場合に、閾値を超えたと判定する。すなわち、制御部52は、積分値が所定の閾値よりも大きい場合に、便座14に着座していないと判定し、積分値が所定の閾値以下の場合に、便座14に着座していると判定する。
但し、図6の回路構成では、静電容量の検出結果の積分値であるオペアンプ86の出力は、GNDより下の電圧を出力する。そのため、検出回路54および制御部52の電源として、負電源も準備する必要がある。負電源の使用を避けたければ、オペアンプ86の非反転入力端子にプラスの電位を入力し、切替スイッチ80とオペアンプ86の反転入力端子の間に電圧レベルシフト回路を入れる方法がある。或いは、積分開始前に、コンデンサ88を放電するのではなく充電して、積分出力をプラス側にオフセットさせておく方法もある。どういうやり方でも、本発明の本質とは無関係のため、実施例の説明は図6の構成(負電圧を出力)のまま行う。
また、制御部52は、コンデンサ88と並列に接続されたリセットスイッチ89の解放状態と短絡状態の切り替えを制御する。制御部52は、静電容量の検出動作の準備として、まず、リセットスイッチ89を短絡状態としてコンデンサ88に蓄積された電荷を放電して、積分回路82の積分値をリセットし、その後、リセットスイッチ89を開放状態とし、切替スイッチ80の切り替えを所定の周期で所定の回数行い、その積分値に基づいて便座14への着座の検出を行った後、リセットスイッチ89を短絡状態として積分回路82の積分値を再びリセットし、次の検出動作に備える。制御部52は、これを繰り返すことにより、検出回路54による便座14への着座の検出を連続的に行う。
図7は、実施形態にかかる便座装置の動作を模式的に表すグラフである。
図7に表したように、制御部52は、積分回路82による積分の開始のタイミングを交流電源PSの交流電圧の周期と同期させる。すなわち、制御部52は、交流電源PSの交流電圧の周期に対して実質的に同じタイミング(位相)で、積分回路82に積分を開始させる。制御部52は、例えば、ゼロクロス検出回路74による交流電圧のゼロクロス点の検出に応答して積分回路82に積分を開始させる。
積分回路82による積分の開始は、換言すれば、検出回路54による便座14への着座、または非着座の検出動作の開始である。すなわち、制御部52は、検出回路54による便座14への着座、または非着座の検出動作の開始のタイミングを交流電源PSの交流電圧の周期と同期させる。
なお、積分回路82に積分を開始させるタイミングは、ゼロクロス点の検出のタイミングと異なってもよい。例えば、ゼロクロス点の検出から固定時間だけ遅らせて積分を開始してもよい。つまり、積分回路82に積分を開始させるタイミングは、ゼロクロス点の検出タイミングと完全に一致する必要はなく、交流電圧の周期に対して同期していれば、任意のタイミングでよい。
制御部52は、例えば、交流電圧の1周期を検出回路54のセンシング周期とする。制御部52は、ゼロクロス検出回路74による交流電圧のゼロクロス点の検出に応答して積分回路82の積分値のリセットを解除し、切替スイッチ80の第1状態及び第2状態の切り替えを行うことにより、積分回路82による積分を開始する。制御部52は、センシング周期において切替スイッチ80の切り替えを所定の回数行う。
制御部52は、切替スイッチ80の切り替えを所定の回数行った後、アナログデジタル変換(A/D変換)などによって積分回路82(オペアンプ86)から出力された積分値を取得し、取得した積分値を基に、便座14に着座しているか否かを判定する。積分値のA/D変換を行った後、積分値をリセットし、次のセンシング周期への準備を行う。以下同様の処理を繰り返す。これにより、制御部52及び検出回路54によって便座14への着座を適切に検出することができる。なお、検出回路54のセンシング周期は、交流電圧の1周期に限ることなく、2周期以上でもよい。
前述のように、この検出回路54では、便座14に人が着座している場合に、着座していない場合よりも静電容量C1の値が大きくなる。そして、静電容量C1の値が大きくなるほど、オペアンプ86の出力電圧が低下する。制御部52は、積分値が閾値Vth以下の場合に、便座14に着座していると判定する。
図7では、センシング周期S4〜S5において人が便座14に着座し、センシング周期S4〜S5における積分値に基づいて、センシング周期S4において着座が判定された場合を例示している。また、図7では、センシング周期S4〜S5以外において人が便座14から離座し、センシング周期S4〜S5以外における積分値に基づいて、離座が判定された場合を例示している。なお、実際の人体の着座、離座の動作は少なくとも数秒以上かかるので、図7のように短時間で変化することはない。
図8は、本発明を適用しない便座装置の参考の動作を模式的に表すグラフである。
図8に表したように、この例では、積分回路82による積分の開始のタイミングが、交流電源PSの交流電圧の周期と同期していない。この場合、図8に表したように、積分回路82の積分値が変動し、誤検出を起こしてしまう可能性がある。なお、図8において、センシング周期S11〜S17は、いずれも便座14に人が着座していない状態を表している。
前述のように、ヒータ43は、交流電源PSと接続されるため、ヒータ43と共通電位GNDとの間には、交流電源PSの交流電圧が印加される。このため、熱拡散部41とヒータ43との間に生じる静電容量C2は、交流電圧の変動(瞬時値の変化)を検出回路54に伝達するため、積分結果は、その影響を受ける。
静電容量C2の電圧は、交流電圧が上昇すると大きくなり、交流電圧が下降すると小さくなる。図8のセンシング周期S13では、積分回路82の積分の期間において、交流電圧の上昇の期間と下降の期間との合計が、ほぼ同程度である。一方、図8のセンシング周期S15では、積分回路82の積分の期間が、ほぼ交流電圧の上昇の期間である。このため、センシング周期S15における静電容量C2の電圧は、センシング周期S13における静電容量C2の電圧よりも大きくなる。そして、これにより、センシング周期S15における積分値が、センシング周期S13における積分値よりも小さくなる。図8では、この交流電圧の変動にともなう積分値の変化により、積分値が閾値Vthを下回り、誤検出を起こした状態を例示している。
これに対して、本実施形態に係る便座装置10では、制御部52が、検出回路54による便座14への着座の検出の開始のタイミングを交流電源PSの交流電圧の周期と同期させる。これにより、交流電圧の変動による影響があっても、それは常に一定となるため、その影響分も含めて閾値Vthを適切に設定すれば、誤検出を抑制することができる。
交流電圧の影響について、詳細に説明する。
検出回路54には、例えば、図6に表したように、スイッチドキャパシタ回路を利用した積分器が使用される。切替スイッチ80を第1状態にした時に、静電容量C1及び静電容量C2が基準電圧源83の電圧Vinで充電される。そして、切替スイッチ80を第2状態にした時に、静電容量C1及び静電容量C2の電荷が、コンデンサ88に移動する。この繰り返し回数をNとし、コンデンサ88の静電容量をC3とすると、オペアンプ86(積分回路82)の出力Voutは、
Vout=(C1+C2)×Vin×N÷C3
となる。但し、電圧は負電位であるが、計算は電圧の大きさのみとし、符号の説明は省略する。
「Vin×N÷C3」を固定とすれば、Voutは、C1+C2に比例する。すなわち、CV変換が行われる。Vinは、回路の基準電位なので安定させる必要があり、基準電圧源83を用いる。Nを変えることでCV変換のゲインを調整できる。すなわち、Nに比例して、Voutは大きくなる。ここで、C1に対してC3を大きくすると、高精度のCV変換が可能となる。例えば、C1が100pF、C3が0.1μF(100000pF)とすると、N=1000でVoutにVinと同じ電圧が生じる。つまり、1000回もの積分を行うことで、ノイズが平均化して除去され、出力を安定させることができる。
図6の検出回路54のGNDは、便座装置10の二次側のGNDである。電源回路50の一次−二次間は、ノイズ抑制用のコンデンサ71で繋がっているため、二次側GNDの電位は、一次側の電源電圧変動の影響を受ける。しかし、二次側の回路には操作スイッチやモーター、電磁弁などの多くの制御負荷56が繋がっており、これらは、人体、水路、便座装置10を固定する便器4等へ、静電的な結合や、水などの抵抗成分の結合により、大地との結合が強くなっている。その結果、一次−二次間の結合容量と、二次側と大地の結合(静電的、抵抗的)のバランスによるが、おおむね大地の電位に近い状態で安定する傾向を持つ。よって、これをほぼ大地電位と等しいと考えて、大地電位に一致しているとする。C2は固定値であり、人体の着座により、C1が増加する。よって、Voutの変化分はC1の変化分であるので、これによって着座または非着座を判定することができる。
保護抵抗84は、切替スイッチ80やオペアンプ86の回路の保護抵抗であり、大面積の熱拡散部41が受けるノイズを吸収する必要があり、数kΩ以上の抵抗が望ましい。その結果、C1およびC2の充放電の時定数が大きくなるが、切替スイッチ80のスイッチ時間を配慮すれば(長くする)、積分出力に影響は無い。
例えば、C1=50pF、C2=200pFとすると、合成容量は250pFである。保護抵抗84を10kΩとすると、充放電の時定数は250pF×10kΩ=2.5μsとなる。そこで、切替スイッチ80が第1状態の時間と、第2状態の時間と、をそれぞれ10μs(時定数の4倍)とする。その結果、切替スイッチ80の切り替え周期は20μs、切り替え周波数は50kHzとなる。よって、前述の1000回の積分は、20msとなる。交流電源PSの周波数を50Hzとすれば、20msは、ちょうど1周期に相当する時間となる。すなわち、回路保護を目的として、保護抵抗84の値を適切な値に選定すると、積分動作が長くなり、その間に、交流電源PSの出力は大きく変化する。
前述の検出回路54の動作説明は、静電容量C2の電位が変動しない場合であったが、実際は交流電源PSの交流電圧で変動している。日本国内の商用電源を例に計算すると、実効値100V、60Hzの交流電圧の電圧変化dV/dtを概算すると、変動振幅141Vが1秒間に60回あるで、切替スイッチ80の10μsのスイッチ時間中に、141×60×10μs=0.08Vの変動がある。これは回路の基準電圧であるVinが変動した場合と同じ影響を与え、Voutを変化させる。
具体的には、静電容量C2がVinに充電された後、切替スイッチ80が切り替わり、静電容量C2の電荷がコンデンサ88に積分される10μsの間に、C2の電位に交流電源PSによって0.08Vの電圧上昇があれば、C2×0.08Vの電荷が余計にコンデンサ88に充電される。ここで、Vinを仮に3Vとすると、0.08÷3V=2.7%のVinの変動に相当する。
更に、静電容量C2が200pF、静電容量C1が50pFとすれば、着座を判定するために観察している静電容量C1に対し、電源の影響を受ける静電容量C2が4倍の容量があるため、着座判定という目的からすると、電位変動は4倍になって影響する。
その結果、着座判定を阻害するノイズ成分としてみると、2.7%×4倍=11%の変動に相当し、これに極性(積分動作と、交流電圧の上昇と下降のタイミング)の変化も加わる。すなわち、ヒータ43から熱拡散部41への容量結合を通じて、着座検出の結果(CV返還後のVout)に対し、±11%の変動を及ぼす恐れがある。
計算例では、熱拡散部41から人体を経由して大地に対する静電容量C1を50pFとしたが、座り方や大人、子供の違い、便座14にカバー(布製で、肌触りを改善するものなど)が付けてあるかどうか、といった条件で静電容量C1の値は変動する。よって、電源電圧の影響で±11%程度の測定バラツキが発生するのは、着座/非着座の検出にとって、誤検知を引き起こす可能性がある。
ただし、これは電源変動の影響が最大となる瞬間の値であり、電源電圧の1周期についてみれば、Voutが増加する部分、減少する部分、平坦な部分があり、平均すると影響を受けない。すなわち電源電圧の1周期(またはその整数倍)に完全に合わせて積分動作を行えば影響が無いと考えられるが、センシング動作は、コンデンサ88のリセット時間やA/D変換時間、閾値に対する判定時間も含むため、センシング動作を繰り返しつつ、積分時間を常に電源電圧の1周期に一致させることは不可能である。しかし、本発明のごとく、電源電圧に同期して積分を開始、終了すれば、常におなじ影響を受けるので電源電圧の変動の影響を抑制することができる。
なお、検出回路54のセンシング周期は、交流電圧の1周期に限ることなく、2周期以上でもよい。また、制御部52は、例えば、切替スイッチ80の切り替えを10Hzで行う。これにより、例えば、交流電源PSの交流電圧の周波数が、50Hzである場合でも60Hzである場合でも、同じ切り替え周波数で切替スイッチ80の切り替えを行うことができる。図9および図10に、その動作例を示す。
図9は交流電源PSが60Hzの場合、図10は50Hzの場合である。図9では、交流電圧の6周期ごとに、図10では5周期ごとに、積分動作を開始している。よって、検出回路54のセンシング周波数は、共に10Hzであり、交流電源PSの周波数の違いによって、着座検出の反応時間に差が生じない。また、積分動作と交流電圧の位相関係は常に一定であるため、電源電圧の変動の影響を抑制することができる。
また、積分時間は交流電圧の5乃至6周期に収まる時間であれば自由に選べるため、切替スイッチ80の切り替え周期、切り替え回数の設定の自由度が高まる。これは、保護抵抗84、コンデンサ88の値、判定閾値Vthの値に対する設計自由度を高めるため、検出回路54として、より適切な設計が可能となる。
図9および図10の例では、センシング周波数を10Hzとしたが、世界的に見ても電源電圧の周波数は50Hzか60Hzのいずれかであるため、この50と60の公約数の周波数である、10Hz、5Hz、2Hz、1Hz(周期では、1/10秒、1/5秒、1/2秒、1秒)でセンシングを行えば、設置された地域によらず、一定の応答速度の着座検出が可能となる。
以上、説明したように、本実施形態に係る便座装置10では、熱拡散部41を検出電極とし、熱拡散部41の静電容量の変化によって便座14への着座を検出することにより、人の座り方や体格などのばらつきによる着座の検出不良を抑制することができる。また、検出回路54による着座の検出の開始のタイミングを交流電圧の周期と同期させることにより、交流電圧の電圧変動にともなって熱拡散部41(検出電極)の電位が変化し、着座の検出に影響を与えてしまうことを抑制することができる。例えば、着座の検出の開始のタイミングを交流電圧の周期と同期させることにより、交流電圧の電圧変動の影響を所定の周期の検出毎に実質的に一定とすることができ、人体と熱拡散部41との間の静電容量の変化分のみを高精度に検出することができる。これにより、人が着座していないにも関わらず、着座を誤検出してしまうことを抑制することができる。従って、人の座り方や体格などのばらつきによる着座の検出不良を抑制し、かつ誤検出を抑制できる便座装置10を提供することができる。
また、便座装置10では、積分回路82による積分の開始のタイミングを交流電圧の周期と同期させることにより、交流電圧の電圧変動にともなって熱拡散部の電位が変化し、着座の検出に影響を与えてしまうことを、より確実に抑制することができる。
また、便座装置10では、センシングの周期を50Hz及び60Hzの周波数の公約数の1周期以内で実施する。従って、交流電圧の周波数が50Hzの場合でも60Hzの場合でも、交流電圧の電圧変動にともなって熱拡散部41の電位が変化し、着座の検出に影響を与えてしまうことを、より確実に抑制することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、トイレ装置2や便座装置10などが備える各要素の形状、寸法、材質、配置などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。