JP2020069265A - 什器 - Google Patents
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Abstract
Description
また、特許文献1に記載の什器の場合、制動状態を維持する間は長尺な天分部材に大きなモーメントが作用するため、什器本体を制動状態に安定して維持するためには、構成部品の大幅な補強を強いられる。
即ち、本発明に係る什器は、床面上に移動可能に載置される什器本体と、前記什器本体に設けられ、前記什器本体の下方の第1領域を、前記床面に対して可動状態と制動状態とに切り換え可能な第1制動切換機構と、前記什器本体に設けられ、前記什器本体の下方の前記第1領域と離間した第2領域を、前記床面に対して可動状態と制動状態とに切り換え可能な第2制動切換機構と、前記第1制動切換機構に対して制動切換操作を行う制動操作部と、前記第1制動切換機構の制動切換動作を前記第2制動切換機構に伝達して、前記第2制動切換機構を制動状態に切り換える動作伝達機構と、を備えた什器であって、前記第1制動切換機構は、前記床面に接地して前記第1領域の前記床面に対する移動を許容する移動用第1接地部と、前記第1領域に上下方向に進退可能に設けられ、突出した下端が前記床面に接地して、前記第1領域を前記床面に対して制動する第1制動ブロックと、を有し、前記第2制動切換機構は、前記床面に接地して前記第2領域の前記床面に対する移動を許容する移動用第2接地部と、前記第2領域に上下方向に進退可能に設けられ、突出した下端が前記床面に接地して、前記第2領域を前記床面に対して制動する第2制動ブロックと、を有し、前記動作伝達機構は、略水平方向に変位可能な中間可動体と、前記制動操作部による前記第1制動ブロックの押し下げ方向の動作を前記中間可動体の略水平方向の動作に変換する第1動作変換機構と、前記中間可動体の略水平方向の動作を前記第2制動ブロックの押し下げ方向の動作に変換する第2動作変換機構と、を有し、前記什器本体には、前記制動操作部の押し下げ操作によって下方に突出した前記第1制動ブロックを設定突出位置で変位規制するロック部が設けられていることを特徴とする。
この場合、第1制動ブロックの押し下げ方向の動作が、第1動作変換機構によって中間可動体の略水平方向の動作に変換されると、その動作がワイヤを介して動作変換部に伝達され、動作変換部において第2制動ブロックが下方に押し下げられる。このため、第1領域と第2領域が什器本体内の狭いスペースを挟んで離間している場合であっても、狭いスペースにワイヤを通すことにより、第1制動ブロックの押し下げ方向の動作を第2領域の第2制動切換機構に確実に伝達することができる。
この場合、制動操作時に下方に押し込み操作される制動操作部と、制動操作部の操作荷重を受けて略水平方向に変位する中間可動体とが同じ支持ブラケットによって作動を案内されるため、制動操作部と中間可動体とを精度良く連動させることができる。操作力を受けて略水平方向に変位する中間可動体は、ワイヤを通して多様な方向の反力を受けることがあるが、中間可動体は、制動操作部と同じ支持ブラケットによって作動を案内されるため、制動操作部との位置関係が変化することがない。したがって、制動操作部と中間可動体の連動作動を常に安定させることができる。
この場合、制動操作部が操作されることで中間可動体が略水平方向に変位すると、それに伴って動滑車が中間可動体とともに略水平方向に変位する。動滑車が略水平方向に変位すると、ワイヤの中間領域が動滑車によって引かれ、ワイヤの一端部側に連結されている第2制動切換機構が動滑車の変位の2倍の変位量で操作されることになる。この結果、第2領域の第2制動切換機構は迅速に制動状態に切換操作される。
この場合、制動操作部の繰り返しの押し下げ操作により、第1制動ブロックの突出位置でのロックとロック解除とを容易に実行することができる。
この場合、制動操作部を、足裏による踏み込みによって容易に操作することができ、しかも、大きな操作力を第1制動切換機構と第2制動切換機構とに作用させることができる。したがって、制動切換時に、第1制動ブロックと第2制動ブロックとを、大きな荷重で下方に押し下げ、什器本体の確実な制動を得ることができる。
また、本発明によれば、床面に接地する第1制動ブロックと第2制動ブロックが上下に進退動作する構成のため、制動切換操作時や制動状態のときに構成部材に大きなモーメントが作用し難い。したがって、本発明によれば、構成部材の負荷の増大を招くことなく制動状態を安定して維持することができる。
脚部材2は、鉛直方向に起立する支柱4と、支柱4の下部から放射方向に延びる上部脚杆5A,5B、及び、下部脚杆6A,6Bを備え、上部脚杆5A,5Bと下部脚杆6A,6Bの延出方向の各端部が床面Fに対して接地されている。支柱4の上端部には、回動機構7を介して天板3が取り付けられている。回動機構7は、支柱4に対する天板3の姿勢(水平姿勢と垂立姿勢)を適宜切り換え可能に構成されている。
なお、本実施形態においては、天板3と回動機構7と脚部材2の主要な部分が什器本体を構成している。
同図に示すように、脚部材2の支柱4は、鉛直方向に延びる支柱本体4Aと、支柱本体4Aの下端に連結されたハブ部材4Bと、を有している。図1に示す回動機構7は、支柱本体4Aの上端部に組み付けられている。ハブ部材4Bには、上部脚杆5A,5Bと下部脚杆6A,6Bの各基部が組付けられている。一対の下部脚杆6A,6Bは、ハブ部材4Bの下端からハブ部材4Bの軸心を中心とした相反方向に延びている。各下部脚杆6A,6Bの延び方向の端部近傍には、床面F上を転動可能なキャスタ8a,8bが取り付けられている。また、一対の上部脚杆5A,5Bは、ハブ部材4Bの下部脚杆6A,6Bの延出位置よりも上方位置からハブ部材4Bの軸心を中心とした相反方向に延びている。上部脚杆5A,5Bと下部脚杆6A,6Bは、ハブ部材4Bの軸心回りに90°離間するように配置されている。各上部脚杆5A,5Bの延び方向の端部近傍には、下方に突出する台座部9を介してキャスタ8Aが取り付けられている。キャスタ8Aは、床面Fに対して転動可能とされている。
同図に示すように、ハブ部材4Bは、有底円筒状のハブ本体部10と、ハブ本体部10から放射方向に延びる断面略矩形状の上部脚杆取付ブロック11、及び、下部脚杆取付ブロック12と、を有している。上部脚杆取付ブロック11と下部脚杆取付ブロック12は、各一対設けられている。ハブ本体部10と上部脚杆取付ブロック11、及び、下部脚杆取付ブロック12は、硬質樹脂、若しくは、アルミニウム合金や鉄等の高剛性の金属によって一体に形成されている。一対の上部脚杆取付ブロック11は、ハブ本体部10の外周上の相反位置に突設されている。一対の下部脚杆取付ブロック12は、上部脚杆取付ブロック11の突設部よりも下方側で、上部脚杆取付ブロック11と円周方向で90°離間するように、ハブ本体部10の外周上の相反位置に突設されている。上部脚杆取付ブロック11には、上部脚杆5A,5Bの基部が嵌合され、その状態で上部脚杆5A,5Bの基部がボルト13によって締結固定されている。同様に、下部脚杆取付ブロック12には、下部脚杆6A,6Bの基部が嵌合され、その状態で下部脚杆6A,6Bの基部がボルト13によって締結固定されている。
図4に示すように、一方の下部脚杆6Aの延び方向の端部の近傍には、当該領域(以下、「第1領域a1」と呼ぶ。)を、床面Fに対して可動状態と制動状態とに切り換え可能な第1制動切換機構14と、第1制動切換機構14に対して制動切換操作を行う操作突起15(制動操作部)が設けられている。また、図5に示すように、他方の下部脚杆6Bの延び方向の端部の近傍には、当該領域(以下、「第2領域a2」と呼ぶ。)を、床面Fに対して可動状態と制動状態とに切り換え可能な第2制動切換機構16が設けられている。
図4,図7に示すように、支持ブラケット21は、略水平なベース壁21aの幅方向(下部脚杆6Aの延び方向と交差する方向)の両側にガイド壁21bが立設された水平ガイド機能部22と、ベース壁21aから上方に向かって突設された筒状壁21cから成る鉛直ガイド機能部23と、を有している。支持ブラケット21に関し、下部脚杆6Aの長手方向のハブ部材4Bの位置される側を「基部側」と呼び、その逆側を「延出端側」と呼ぶものとすると、鉛直ガイド機能部23は、支持ブラケット21のうちの水平ガイド機能部22よりも延出端側に配置されている。鉛直ガイド機能部23を構成する筒状壁21cは、図6に示すように上下方向に貫通している。
本実施形態においては、操作突起15のカム壁28と中間可動体24のカム壁32とが、操作突起15の押し下げ動作を中間可動体24の略水平方向の動作に変換する第1動作変換機構(動作変換機構)を構成している。
なお、リターンスプリング43は、ワイヤ33を通して中間可動体24から引き込み力が入力されているときに、中間可動体24に対して初期位置方向に戻す反力を作用させる。
同図に示すように、ロックリング52は、荷重伝達軸29の軸部に嵌装されるリング本体部55と、リング本体部55の外周面から径方向外側に突出する4つの板状片56と、を有している。4つの板状片56は、リング本体部55の外周面から90°間隔で突設されている。各板状片56は、上端部を除き、リング本体部55の径方向に沿って延びる矩形断面がリング本体部55の軸方向に沿って連続している。各板状片56の上端部には、カム面56aが形成されている。カム面56aは、板状片56をリング本体部55の径方向外側から見た側面視で、例えば、右方向に斜め下方に傾斜している。すべての板状片56のカム面56aは、同方向に同角度傾斜している。
同図に示すように、操作突起15のボス部27の下端に設けられた回転誘起カム51は、ボス部27の外周の一方向に向かって上方傾斜したカム面51aと下方傾斜したカム面51bとがボス部27の周域に亘って連続して形成されたカムである。本実施形態の場合、上方傾斜したカム面51aと下方傾斜したカム面51bの間の谷部が8つ設けられている。回転誘起カム51のいずれかのカム面51aは、ロックリング52の板状片56に設けられたカム面56aと摺動自在に面接触する。このとき、ロックリング52が圧縮ばね53の付勢力によってボス部27の方向に押し付けられると、ロックリング52には、カム面51a,56aの摺動に起因した一方向の回転が誘起される。
筒状壁21cの内周部の下方領域には、上方領域よりも内径の大きい円形状の窪み部57が形成されている。筒状壁21cの内周部の窪み部57よりも上方側の内径の小さい領域には、筒状壁21cの軸方向に沿って上下に貫通する略矩形状の8つのガイド溝31が形成されている。ガイド溝31は、筒状壁21cの内周面に周方向に等間隔に離間して形成されている。筒状壁21cの内周面に形成されるガイド溝31は、周方向に沿って一つおきに溝深さが深くなっている。以下では、両者を区別する場合には、溝深さが深いものを大ガイド溝31aと呼び、溝深さの浅いものを小ガイド溝31bと呼ぶ。大ガイド溝31aは、筒状壁21cの内周面に90°間隔に離間して配置され、小ガイド溝31bは、筒状壁21cの内周面に大ガイド溝31aと45°離間して配置されている。
大ガイド溝31aの溝深さは、ロックリング52の板状片56が通過可能な深さに形成されている。これに対し、小ガイド溝31bの溝深さは、ロックリング52の板状片56が通過不能な深さに形成されている。
また、第2傾斜カム面59の第1傾斜カム面58と隣接する側の端部には、下方に向かって垂下する規制壁60が形成されている。第1傾斜カム面58と第2傾斜カム面59の間は、規制壁60を挟んで段差状に形成されている。
なお、ロックリング52の変位を制御する筒状壁21c内の変位制御部54は、大ガイド溝31a、第1傾斜カム面58、規制壁60、第2傾斜カム面59等によって構成されている。
図6,図11に示すように、操作突起15が初期状態のときには、ロックリング52の4つの板状片56が、筒状壁21cの内周の大ガイド溝31aに係合され、かつ、操作突起15のボス部27の8つのガイド突条30が、筒状壁21cの内周の対応するガイド溝31(大ガイド溝31aまたは小ガイド溝31b)に係合されている。
作業者による足踏み操作等によって操作突起15が下方に押し下げられると、操作突起15のボス部27の下降に伴って荷重伝達軸29とロックリング52とが下方に押し下げられる。このとき、第1制動ブロック17のブロック本体35は、圧縮ばね36を介して荷重伝達軸29とともに下降する。ただし、ブロック本体35の下端が、図13に示すように床面F上に接地すると、ブロック本体35の下降が停止して、圧縮ばね36が次第に押し縮められる。
なお、このとき第1制動ブロック17のブロック本体35は床面F上に接地し、圧縮ばね36は所定量押し縮められている。
上記の状態から操作突起15に加えられていた押し下げ力が解除されると、荷重伝達軸29が、圧縮ばね53の反力を受け、操作突起15とともに所定量に上昇する。このとき、操作突起15のボス部27の下端(回転誘起カム51)は、図12(c)に示すように筒状壁21c内の窪み部57よりも上方側領域に没する(上昇する)。この結果、ロックリング52の板状片56とボス部27の下端との接触が無くなり、板状片56のカム面56aが窪み部57の上壁の第1傾斜カム面58に当接するようになる。これにより、板状片56のカム面56aが第1傾斜カム面58に対して摺動し、板状片56が規制壁60に当接した時点でロックリング52の回転が規制される。このときロックリング52は、図16に示すように初期位置から約45°回転する。
特に、本実施形態では、一方の下部脚杆6Aの側から他方の下部脚杆6Bの側に動作を伝達する手段としてワイヤ33を採用しているため、中間可動体24にワイヤ33を通して多様な方向の反力を受けることがある。しかし、本実施形態の什器1では、中間可動体24が操作突起15と同じ支持ブラケット21によって作動を案内されることから、中間可動体24と操作突起15との位置関係が変化することがなく、操作突起15と中間可動体24の連動作動を常に安定させることができる。
上記の実施形態においては、弾性復元機構の一例として引っ張りばねが用いられているが、弾性復元機構は、引っ張りばねに限るものでなく、圧縮ばねや、捩りばね、ゴム弾性体、ガス圧を用いた機構等であっても良い。また、上記の実施形態では、弾性復元機構の一例である引っ張りばねがワイヤの端部に結合されているが、引っ張りばね等の弾性復元機構は、第1制動切換機構と第2制動切換機構の間の操作力伝達経路中であれば、ワイヤの端部以外の部位に介装するようにしても良い。
2 脚部材(什器本体)
8a キャスタ(移動用第1接地部)
8b キャスタ(移動用第2接地部)
14 第1制動切換機構
15 操作突起(制動操作部)
16 第2制動切換機構
17 第1制動ブロック
19 第2制動ブロック
21 支持ブラケット
22 水平ガイド機能部
23 鉛直ガイド機能部
24 中間可動体
25 動滑車
28 カム壁(第1動作変換機構)
32 カム壁(第1動作変換機構)
33 ワイヤ(第2動作変換機構)
37 昇降リンク機構(動作変換部,第2動作変換機構)
50 オルタネイトロック装置(ロック部)
a1 第1領域
a2 第2領域
Claims (6)
- 床面上に移動可能に載置される什器本体と、
前記什器本体に設けられ、前記什器本体の下方の第1領域を、前記床面に対して可動状態と制動状態とに切り換え可能な第1制動切換機構と、
前記什器本体に設けられ、前記什器本体の下方の前記第1領域と離間した第2領域を、前記床面に対して可動状態と制動状態とに切り換え可能な第2制動切換機構と、
前記第1制動切換機構に対して制動切換操作を行う制動操作部と、
前記第1制動切換機構の制動切換動作を前記第2制動切換機構に伝達して、前記第2制動切換機構を制動状態に切り換える動作伝達機構と、を備えた什器であって、
前記第1制動切換機構は、前記床面に接地して前記第1領域の前記床面に対する移動を許容する移動用第1接地部と、前記第1領域に上下方向に進退可能に設けられ、突出した下端が前記床面に接地して、前記第1領域を前記床面に対して制動する第1制動ブロックと、を有し、
前記第2制動切換機構は、前記床面に接地して前記第2領域の前記床面に対する移動を許容する移動用第2接地部と、前記第2領域に上下方向に進退可能に設けられ、突出した下端が前記床面に接地して、前記第2領域を前記床面に対して制動する第2制動ブロックと、を有し、
前記動作伝達機構は、略水平方向に変位可能な中間可動体と、前記制動操作部による前記第1制動ブロックの押し下げ方向の動作を前記中間可動体の略水平方向の動作に変換する第1動作変換機構と、前記中間可動体の略水平方向の動作を前記第2制動ブロックの押し下げ方向の動作に変換する第2動作変換機構と、を有し、
前記什器本体には、前記制動操作部の押し下げ操作によって下方に突出した前記第1制動ブロックを設定突出位置で変位規制するロック部が設けられていることを特徴とする什器。 - 前記第2動作変換機構は、前記中間可動体の略水平方向の動作を前記第2制動切換機構の側に伝達するワイヤと、前記ワイヤによる引き操作を、前記第2制動ブロックを押し下げる方向の動作に変換する動作変換部と、を有していることを特徴とする請求項1に記載の什器。
- 前記什器本体には、前記中間可動体の略水平方向の動作を案内する水平ガイド機能部と、前記制動操作部の上下方向の動作を案内する鉛直ガイド機能部を有する支持ブラケットが取り付けられていることを特徴とする請求項2に記載の什器。
- 前記ワイヤの中間領域に動滑車が係合され、
前記動滑車で折り返した前記ワイヤの一端部側が前記動作変換部に連結されるとともに、前記ワイヤの他端部側が前記什器本体に連結され、
前記動滑車が前記中間可動体に結合されていることを特徴とする請求項2または3に記載の什器。 - 前記ロック部は、オルタネイトロック装置によって構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の什器。
- 前記制動操作部は、作業者の足裏で押し下げ可能な足踏み式の操作部であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の什器。
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