JP2020067378A - 検出信号処理回路およびこれを備える回転検出装置 - Google Patents

検出信号処理回路およびこれを備える回転検出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】回転検出装置に用いられる検出信号処理回路において、当該検出信号処理回路を構成する磁気センサが、設計上の予定位置と異なる位置に配置された場合における検出角度精度の低下を抑制する。【解決手段】第1磁気センサ51中の複数のセンサ部511から出力される複数の出力信号が伝送される第1の2値化回路61を、当該出力信号の増幅率を所定の範囲で変更可能な2つのゲイン調整部611、612と、2つのゲイン調整部611、612から出力される2つの増幅信号を合成し、合成信号を出力する信号合成部613と、当該合成信号を2値化する2値化処理部614とを有した構成とする。ゲイン調整部611、612の増幅率は、センサ部511と回転検出装置を構成する磁石との相対位置に応じて、所定の範囲内で変更可能とされる。【選択図】図5

Description

本発明は、回転体に対向して配置され、回転体の回転に応じた信号を出力するセンサ素子を備えるものであって、当該センサ素子からの出力信号を調整する機能を備えた検出信号処理回路およびこれを備える回転検出装置に関する。
従来、この種の検出信号処理回路としては、例えば特許文献1に記載のものが挙げられる。この検出信号処理回路は、回転体と対向して配置され、回転体の回転に応じた信号を出力する2つの磁気センサと、磁気センサからの出力信号を2値化する2値化回路と、2値化されたパルス信号に基づいて回転体の回転方向を判定する正逆判定回路とを備える。また、この検出信号処理回路は、正逆判定回路により判定された回転体の回転方向に応じて動作するスイッチング素子を有しており、回転体の回転方向に応じて異なる信号をECU(Electronic Control Unitの略)に出力する。このECUは、この検出信号処理回路から出力された出力信号に基づいて、回転体の回転数を検出するための回路と回転方向を検出するための回路とを備える。
特開2005−249488号公報
ここで、この種の検出信号処理回路を備える回転検出装置は、例えば、検出信号処理回路を備えるICと、磁石と、ICが収容されるケース状の部材のハウジングと、を有してなる。この種の回転検出装置は、回転体に対向して配置された2つの磁気センサから出力された出力信号を検出信号処理回路で処理した後、ハウジングに備えられた配線を通じて外部のECUに検出信号を出力し、回転体の回転方向と回転数を検出する。
ところが、この種の回転検出装置は、その製造工程上での実装精度の問題などにより、実装されたIC中の磁気センサと磁石との相対位置(以下「実装位置」という)が、設計における予定の相対位置(以下「設計位置」という)からずれることがある。このような磁気センサの実装位置と設計位置とのズレ(以下、単に「位置ズレ」という)が生じた場合、2つの磁気センサからの出力信号の位相が、設計における予定の出力信号の位相に対してずれてしまう。このような出力信号の位相ズレが生じると、出力信号に基づいて生成されるパルス信号の位相もずれてしまい、検出角度精度の低下を招く。
特許文献1に記載の検出信号処理回路は、上記の位置ズレに起因する出力信号の位相ズレを補正する回路等を備えていないため、磁気センサの位置ズレが生じた場合における検出角度精度の低下を抑制することができない。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、磁気センサが設計位置と異なる位置に実装された場合であっても、その位置ズレに起因した検出角度精度の低下を抑制できる検出信号処理回路およびこれを備える回転検出装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の検出信号処理回路は、対向配置された回転体(4)の回転を検出する回転検出装置に用いられる検出信号処理回路(1)であって、回転体と対向配置される、第1磁気センサ(51)および第2磁気センサ(52)と、第1磁気センサから出力される第1出力信号の2値化処理を行う第1の2値化回路(61)と、第2磁気センサから出力される第2出力信号の2値化処理を行う第2の2値化回路(62)と、を備える。このような構成において、当該回転検出装置は、磁石を有してなり、第1磁気センサは、磁界の強さの変化に応じた信号を出力する複数のセンサ部(511)を有してなり、第1の2値化回路は、複数のセンサ部から出力される出力信号を所定の増幅率で増幅し、増幅した増幅信号を出力する2つのゲイン調整部(611、612)と、2つのゲイン調整部から出力された2つの増幅信号を合成し、1つの合成信号を出力する信号合成部(613)と、合成信号の2値化処理を行う2値化処理部(614)とを有してなり、ゲイン調整部は、回転検出装置を構成する第1磁気センサと磁石との相対位置に対応して、増幅率を変更可能な構成とされている。
これにより、磁気センサから出力される出力信号を2値化する2値化回路を備える検出信号処理回路が回転検出装置に組み込まれた後に、2値化回路における出力信号の増幅率が所定の範囲内で変更可能な構成となる。すなわち、2値化回路は、回転検出装置の一部として組み込まれた後であっても、ゲイン調整部における増幅率を適宜調整することが可能な構成となっている。
ここで、本発明者らは、磁気センサを備える検出信号処理回路を用いて回転検出装置を製造した場合において、センサ部と磁石との相対位置が設計上の位置と異なる位置になったとき、検出角度精度の低下抑制の対策について鋭意検討を行った。その結果、本発明者らは、合成信号の基礎となる2つの増幅信号の増幅率の調整(以下、「ゲイン調整」という)を行うことで、合成信号を2値化して得られるパルス信号の位相を所定の範囲内で調整できることを見出した。
つまり、この2値化回路を備える検出信号処理回路は、磁気センサが設計上の位置と異なる位置に実装された場合であっても、ゲイン調整を行うことで2値化処理部から出力されるパルス信号の位相を事後的に調整できる構成とされている。そのため、磁気センサが設計上の位置と異なる位置に実装されたとしても、ゲイン調整部でのゲイン調整により、2値化処理部は、磁気センサが設計上の位置に実装された場合における出力信号に基づいて出力されるパルス信号と同様のパルス信号を出力する。
よって、この検出信号処理回路は、磁気センサが設計位置と異なる位置に実装されたとしても、位置ズレをしていない場合のパルス信号と同等のパルス信号を出力するように調整可能とされており、位置ズレに起因した検出角度精度の低下を抑制できる構成となる。
また、請求項4に記載の発明のように、上記の検出信号処理回路を備えることで、位置ズレによる検出角度の精度低下が抑制される回転検出装置となる。
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
第1実施形態の検出信号処理回路を備える回転検出装置の一例を示すブロック図である。 図1の検出信号処理回路を示すブロック図である。 回転体が正転または逆転している状態での2つの磁気センサの出力信号およびパルス信号の一例であって、(a)は正転状態、(b)は逆転状態を示す図である。 従来の検出信号処理回路において、磁気センサの実装位置とこれに対応して出力されるパルス信号の一例を示す図であって、(a)は位置ズレが生じていない場合、(b)は位置ズレが生じた場合を示す図である。 図2の第1磁気センサおよび第1の2値化回路の概要を示す図である。 図2の第1磁気センサが設計位置に実装された場合における出力信号、合成信号およびパルス信号の一例を示す図である。 図2の第1磁気センサが狙いからずれた位置に実装された場合であって、ゲイン調整を行わないときの出力信号、合成信号およびパルス信号の一例を示す図である。 図2の第1磁気センサが狙いからずれた位置に実装された場合であって、ゲイン調整を行ったときの出力信号、合成信号およびパルス信号の一例を示す図である。 出力信号のゲイン調整およびこれによるパルス信号の変化を示すものであって、(a)は第1ゲイン調整部でのゲイン調整、(b)は第2ゲイン調整部でのゲイン調整、(c)は(a)と(b)とを合成して2値化したパルス信号の変化を示す図である。 ゲイン調整部の構成例を示す図である。 検出信号処理回路とECUとの他の接続例を示すブロック図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。
(第1実施形態)
第1実施形態の検出信号処理回路1について説明する。本実施形態の検出信号処理回路1は、例えばカム角センサやクランク角センサなどの各種の回転検出装置に適用されると好適であるが、エンジン回転センサや車輪速センサなどの他の回転検出装置にも適用され得る。
〔回転検出装置の構成〕
まず、本実施形態の検出信号処理回路1を備える回転検出装置について、図1、図2を参照して述べるが、検出信号処理回路1を除き、公知の回転検出装置の各種構成が採用されるため、本明細書では検出信号処理回路1以外の構成要素については簡単に説明する。
図1、図2では、後述する回転体4の回転方向を示すと共に、一例として、図1、図2中での時計回りの回転方向を「正転」とし、反時計回りの回転方向を「逆転」としているが、これに限られず、正転および逆転の向きについては、適宜変更されてもよい。
本実施形態の検出信号処理回路1を備える回転検出装置は、例えば、図1に示すように、検出信号処理回路1が回転体4と対向配置されると共に、検出信号処理回路1が配線31〜33を介して外部のECU2に接続されている。この回転検出装置は、例えば、山部41と谷部42とを備える回転体4の回転に対応して、検出信号処理回路1が回転体の回転方向および回転数に応じたパルス信号を外部のECU2へ出力する構成とされる。
検出信号処理回路1は、例えば、図2に示すように、2つの磁気センサ51、52と、2つの2値化回路61、62と、正逆判定回路71と、定電圧回路72と、定電流回路73と、定電流源74と、スイッチ75と、トランジスタ76とを有してなる。
検出信号処理回路1は、回転体4と対向配置された2つの磁気センサ51、52が、回転体の回転に応じた出力信号を出力し、当該出力信号を2値化回路61、62が2値化処理を行う構成とされている。検出信号処理回路1は、2値化回路61、62により2値化されたパルス信号を正逆判定回路71で処理すると共に、回転体4の回転数に対応する回転数信号を信号線32に出力する。検出信号処理回路1は、正逆判定回路71により回転体4の回転方向を判定すると共に、当該回転方向に応じてスイッチ75を開閉し、検出信号処理回路1内での消費電流を変化させることで、電源線31を介して接続されたECU2側の電位V1を変化させる。この電位V1の電位変化が回転体4の回転方向に応じた回転方向信号に相当し、検出信号処理回路1が回転体4の回転方向に応じて、ECU2に回転方向信号を出力することと同様の結果となる。検出信号処理回路1は、例えば上記のような構成とされることで、回転体4の回転に応じた各種出力信号をECU2に向けて出力する。検出信号処理回路1の概要は上記したとおりであり、詳細について後ほど説明する。
ECU2は、例えば、図1に示すように、電源Vccと、回転方向信号処理回路21と、回転数信号処理回路22と、電位検出抵抗R1と、プルアップ抵抗R2とを備えた構成とされる。ECU2は、電源Vccおよび回転方向信号処理回路21が電源線31を介して検出信号処理回路1に接続され、検出信号処理回路1に電源Vccから電流を供給する。ECU2は、回転数信号処理回路22が信号線32を介して、内部のグラウンド部位がグラウンド線33を介して、それぞれ検出信号処理回路1に接続されている。ECU2は、図1に示すように、電源Vccと電源線31との間に電位検出抵抗R1が直列に接続されると共に、電源Vccと信号線32とが接続され、これらの間にプルアップ抵抗R2が直列に接続された構成とされている。
ECU2は、検出信号処理回路1からの回転数信号を、回転数信号処理回路22で処理することにより、回転体4の回転数を算出する。ECU2は、検出信号処理回路1が回転体4の回転方向に応じて電流値を調整することにより電位V1が変化した際に、この電位V1の電位変化が回転方向信号処理回路21に伝送される構成とされている。ECU2は、この電位V1の電位変化を回転方向信号処理回路21で処理することで、回転体4の回転方向を検出する。
例えば、上記の構成とされることで、検出信号処理回路1とECU2とが3本の配線31〜33で接続されつつも、回転体4の回転数および回転方向を検出することができる回転検出装置とされる。以上が、回転検出装置の基本的な構成である。
なお、回転体4は、例えば、自動車などの車両を構成するギアなどの部品であり、磁性体材料により構成され、山部41と谷部42とが所定のピッチで形成された形状とされるが、これに限定されるものではない。
〔検出信号処理回路の構成〕
次に、検出信号処理回路1およびその構成要素について、図2を参照して説明する。
磁気センサ51、52は、例えば、任意の磁気抵抗素子を有してなり、図2に示すように回転体4と対向配置され、回転体4の回転に伴う磁界の強さの変化に応じた信号を出力するよう構成されている。
具体的には、磁気センサ51、52は、例えば、回転体4の山部41のピッチを整数倍した距離に所定の距離(例えば当該ピッチの1/4の距離など)を加算または減算した距離を隔てて配置される。磁気センサ51、52は、例えば図3(a)、図3(b)に示すように、それぞれ所定の位相差(前述の配置例の場合、1/4の位相差)をもった正弦波状の出力信号を出力する。
以下、説明の簡略化のため、図3(a)、図3(b)に示すように、便宜的に、第1磁気センサ51の出力信号を「第1出力信号」と称し、第2磁気センサ52の出力信号を「第2出力信号」と称する。また、図3(a)、図3(b)に示すように、第1出力信号を2値化することで得られるパルス信号を「第1パルス信号」と称し、第2出力信号を2値化することで得られるパルス信号を「第2パルス信号」と称する。さらに、図3(a)、図3(b)では、見易くするために、第1出力信号および第1パルス信号を実線で示し、第2出力信号および第2パルス信号を破線で示すと共に、便宜的に、2つのパルス信号のハイレベルとローレベルとをずらした状態で示している。
なお、本実施形態では、第1磁気センサ51が回転体4の回転数および回転角の検出に、第2磁気センサ52が第1磁気センサ51と共に回転体4の回転方向の検出に、それぞれ用いられる例について説明する。第1磁気センサ51からの第1出力信号は、第1の2値化回路61に伝送され、第2磁気センサ52からの第2出力信号は、第2の2値化回路62に伝送される。
ここで、磁気センサ51、52は、検出信号処理回路1が回転検出装置の一部として組み込まれた際に、当該回転検出装置の磁石との相対位置が、実装精度の問題などにより、設計位置と異なる位置に配置されることがある。この場合、磁気センサ51、52の出力信号の位相がシフトしてしまい、ひいては当該出力信号に基づいて生成されるパルス信号の位相もシフトし、検出角度精度の低下を招く。2値化回路61、62の少なくとも一方は、このような磁気センサ51、52の位置ズレが生じた場合において、生成されるパルス信号の位相が設計上で予定されるパルス信号の位相とズレが生じることを抑制する構成とされている。
この磁気センサ51、52の実装時における位置ズレとこれに伴う出力信号の位相ズレおよびその影響、並びに2値化回路61もしくは62による出力信号の位相ズレ影響の緩和については、後ほど詳しく説明する。
2値化回路61、62は、磁気センサ51、52から出力された正弦波状の出力信号が、設定された所定の閾値を超えるか否かにより矩形状の2値出力のパルス信号に変換する2値化処理を行う構成とされている。2値化回路61、62のうち少なくとも一方は、磁気センサ51、52と磁石との相対位置に対応して、第1磁気センサ51または第2磁気センサ52からの出力信号の増幅率を所定の範囲内で調整可能な構成とされている。
本実施形態では、第1の2値化回路61が第1磁気センサ51の出力信号の増幅率を所定の範囲内で調整可能な構成とされ、第2の2値化回路62が第2磁気センサ52の出力信号の増幅率が所定の値に固定された例について説明する。また、第1の2値化回路61の構成や動作の詳細については、後述する。
第1の2値化回路61は、第1磁気センサ51からの出力信号に基づいてパルス信号を生成し、正逆判定回路71およびトランジスタ76に当該パルス信号を出力する。第2の2値化回路62は、第2磁気センサ52からの出力信号に基づいてパルス信号を生成し、当該パルス信号を正逆判定回路71に出力する。
正逆判定回路71は、2値化回路61、62それぞれからのパルス信号に基づいて、回転体4の回転方向が正転か逆転かを判定し、その回転方向に応じた電気信号を出力する構成とされている。正逆判定回路71による回転体4の回転方向の判定は、限定するものではないが、例えば、以下のような方法で行われる。
例えば図3(a)に示すように、回転体4が正転している場合には、磁気センサ51、52は、所定の位相差をもった第1出力信号および第2出力信号を出力する。第1出力信号、第2出力信号の電圧が任意の閾値を超えるか否かにより、2値化回路61、62にて2値化処理(閾値を超える場合にはハイレベル、閾値以下の場合にはローレベルとするなど)を行うことにより、所定の位相差をもった2つのパルス信号が得られる。
一方、回転体4が逆転している場合、回転体4と第1磁気センサ51との間、および回転体4と第2磁気センサ52との間における磁界の強さの変化の順序が変わる。そのため、例えば図3(b)に示すように、正転の場合とは異なる順序で第1出力信号および第2出力信号が磁気センサ51、52から出力される。そのため、これらの出力信号を2値化回路61、62で2値化処理して得られる2つのパルス信号についても、正転の状態と異なる状態となる。
正逆判定回路71は、このように2値化回路61、62から出力される第1パルス信号と第2パルス信号との関係が正転と逆転とで異なることを利用し、回転体4が正転しているか、逆転しているかを判定する。例えば、第1パルス信号のハイレベルが第2パルス信号に対して先行しているか遅れているかにより、回転体4の回転方向を判定することができる。正逆判定回路71による判定結果は、後述するスイッチ75の開閉に利用される。
定電圧回路72は、電源線31を介して供給される電位を内部で処理し、磁気センサ51、52、2値化回路61、62、正逆判定回路71および定電流回路73に所定の定電圧を印加する。定電圧回路72は、検出信号処理回路1の外部の電源から供給される電位を所定の定電圧に処理できる回路構成とされていればよく、任意の構成とされる。
定電流回路73は、定電圧回路72から印加される所定の定電圧に基づいて、所定の定電流を生じさせる任意の回路構成とされる。
定電流源74は、図2に示すように、電源線31に接続され、スイッチ75が閉の状態とされた際にグラウンド線33へ定電流を供給する。定電流源74は、例えば、定電流回路73による定電流と同じ定電流が生じるように、定電流回路73と共にカーレントミラー回路となるように構成される。
スイッチ75は、例えばトランジスタなどのスイッチング素子であり、正逆判定回路71の出力に基づき、定電流源74からグラウンド線33への電流の開閉を行う。スイッチ75が閉の状態とされた場合、定電流源74による定電流がグラウンド線33に供給され、図1に示すように、ECU2内部のグラウンド電位とされた部位に接地される。スイッチ75は、開閉によって検出信号処理回路1内での消費電流に変化が生じさせ、ひいては、電源線31を介して接続されたECU2の電位V1の電位を変化させるために用いられる。
トランジスタ76は、図2に示すように、例えばバイポーラトランジスタであり、ベースが第1の2値化回路61に接続され、コレクタが信号線32に接続され、エミッタがグラウンド線33に接続されている。トランジスタ76のベースに供給された第1の2値化回路61からの回転数信号は、信号線32を介してECU2の回転数信号処理回路22に伝送される。
以上が、本実施形態の検出信号処理回路1の基本的な構成である。なお、検出信号処理回路1は、第1磁気センサ51と回転検出装置の磁石との相対位置に応じて、第1磁気センサ51からの出力信号の増幅率を変更可能な第1の2値化回路61を備えていればよい。つまり、検出信号処理回路1は、第1の2値化回路61を備え、回転数信号と回転方向信号がECU2に出力される構成とされていればよく、上記の例に限られず、適宜構成が変更されてもよい。
〔磁気センサの実装における位置ズレ〕
次に、第1の2値化回路61を備えていない従来の検出信号処理回路(以下、単に「従来の検出信号処理回路」という)における、第1磁気センサ51の実装での位置ズレおよびこれに伴う検出角度精度の低下について、図4(a)、(b)を参照して説明する。
図4(a)、(b)では、回転検出装置における磁石と第1磁気センサ51との配置の概要、および第1磁気センサ51からの出力信号を従来の2値化回路で2値化して出力されるパルス信号を示している。また、図4(b)では、理解を助けるため、第1磁気センサ51の配置が設計位置である場合(位置ズレなし)および設計位置と異なる位置である場合(位置ズレあり)を併記すると共に、前者の場合での第1磁気センサ51およびパルス信号を破線で示している。
従来の検出信号処理回路を用いて回転検出装置を構成した場合において、複数のセンサ部511を備える第1磁気センサ51が設計位置に配置されたときには、例えば図4(a)に示すように、所定のパルス信号が従来の2値化回路から出力される。以下、第1磁気センサ51が設計位置に配置された際に出力されるパルス信号を便宜的に「設計パルス信号」と称する。なお、センサ部511は、例えば磁気抵抗素子とされ、図4の例では第1磁気センサ51内に3つ配置された例を示しているが、少なくとも2つ配置されていればよい。
しかしながら、回転検出装置に従来の検出信号処理回路を組み込む際に、回転検出装置の製造工程における実装精度上の問題により、例えば、図4(b)に示すように、第1磁気センサ51が当該回転検出装置中の設計位置と異なる位置にずれて配置され得る。この場合、磁石と第1磁気センサ51との相対位置が、第1磁気センサ51が設計位置に配置されたときの相対位置とは異なる状態となる。つまり、第1磁気センサ51中のセンサ部511と磁石との相対位置が設計されたものと異なるものとなるため、回転体4が回転した際での磁界の強さの変化も設計とは異なる状態となる。
その結果、図4(b)に示すように、第1磁気センサ51の位置ズレが生じた場合には、従来の2値化回路は、設計パルス信号と位相差(位相ズレ)をもったパルス信号を出力する。このような設計パルス信号と位相差をもったパルス信号を出力する状態になると、回転体4の回転角や回転数が正確に反映されなくなり、検出角度精度が低下してしまう。
そこで、本発明者らは、上記の検出角度精度の低下抑制について鋭意検討した結果、パルス信号を生成する際の基礎となる出力信号の増幅率の所定の範囲内で調整を行うことで、パルス信号の位相を所定の範囲内で調整できることを見出した。第1の2値化回路61を備える検出信号処理回路1は、このような経緯で発明されるに至った。
〔第1の2値化回路の構成〕
次に、位置ズレが生じた場合であっても第1磁気センサ51からの出力信号を事後的に調整可能な構成とされた、第1の2値化回路61について、図5を参照して説明する。
第1の2値化回路61は、例えば、図5に示すように、第1磁気センサ51内に配置された3つのセンサ部511から正弦波状の出力信号が伝送される。第1の2値化回路61は、2つのゲイン調整部611、612と、信号合成部613と、2値化処理部614とを備え、第1磁気センサ51と回転検出装置の磁石との相対位置に応じて、ゲイン調整部611、612での増幅率を変更可能な構成とされている。
以下、説明の簡略化のため、図5に示すように、3つのセンサ部511をそれぞれ便宜的に「Aのセンサ部511」、「Bのセンサ部511」、「Cのセンサ部511」と称する。また、図5では、後述する第1ゲイン調整部611から出力される増幅信号の電圧を「VCB」と表記し、第2ゲイン調整部612から出力される増幅信号の電圧を「VAB」と表記している。さらに、図5では、信号合成部613から出力される合成信号の電圧を「V」と表記し、2値化処理部614から出力されるパルス信号の電圧を「V」と表記している。
ゲイン調整部611、612は、センサ部511からの出力信号の差分を所定の範囲内で増幅し、増幅信号を信号合成部613に出力する差動増幅回路である。
第1ゲイン調整部611は、例えば図5に示すように、抵抗R3、オペアンプOP2および可変抵抗VR1を有してなる。第1ゲイン調整部611は、例えば、Bのセンサ部511からの出力信号を基準とし、Cのセンサ部511からの出力信号とBのセンサ部511からの出力信号との差分を所定の範囲内の増幅率で増幅した増幅信号を出力する構成とされている。
具体的には、Bのセンサ部511は、図5に示すように、ボルテージフォロアを構成するオペアンプOP1の非反転入力端子に接続されている。オペアンプOP1から出力される電圧は、抵抗R3を介して第1ゲイン調整部611の反転入力端子に供給されると共に、抵抗R4を介して第2ゲイン調整部612の反転入力端子に供給される。Cのセンサ部511は、図5に示すように、第1ゲイン調整部611のオペアンプOP2の非反転入力端子に接続されている。
第1ゲイン調整部611は、図5に示すように、反転入力端子と出力端子とが可変抵抗VR1を介して接続されたオペアンプOP2を有してなる。そのため、第1ゲイン調整部611は、可変抵抗VR1の抵抗値を所定の範囲内で調整することで、Cのセンサ部511からの出力信号の増幅率を適宜変更できる構成とされている。第1ゲイン調整部611から出力される増幅信号は、抵抗R5を介して、信号合成部613に伝送される。
第2ゲイン調整部612は、抵抗R4、オペアンプOP3および可変抵抗VR2を有してなり、Bのセンサ部511からの出力信号を基準とし、Aのセンサ部511からの出力信号を所定の範囲内の増幅率で増幅した増幅信号を出力する構成とされている。
具体的には、オペアンプOP3は、図5に示すように、反転入力端子にはオペアンプOP1を介してBのセンサ部511からの出力信号が入力され、非反転入力端子にはAのセンサ部511からの出力信号が入力される。また、オペアンプOP3は、その反転入力端子と出力端子とが可変抵抗VR2を介して接続されている。そのため、第2ゲイン調整部612は、可変抵抗VR2の抵抗値を所定の範囲内で調整することで、Aのセンサ部511からの出力信号の増幅率を適宜変更できる構成とされている。第2ゲイン調整部612から出力される増幅信号は、抵抗R6を介して、信号合成部613に伝送される。
可変抵抗VR1、VR2の抵抗値は、第1磁気センサ51と回転検出装置の磁石との相対位置に応じて、適宜決定される。この詳細については、後ほど説明する。
信号合成部613は、ゲイン調整部611、612から出力される2つの増幅信号を合成し、合成信号を2値化処理部614に出力する構成とされている。信号合成部613は、例えば、図5に示すように、オペアンプOP4と抵抗R7とを有してなる。
オペアンプOP4は、図5に示すように、反転入力端子に第1ゲイン調整部611からの増幅信号と、第2ゲイン調整部612からの増幅信号とが重畳されて入力される。オペアンプOP4は、非反転入力端子に図示しない任意の回路から所定の定電圧VREFが入力されると共に、反転入力端子と出力端子とが抵抗R7を介して接続されている。これにより、信号合成部613は、ゲイン調整部611、612からの2つの増幅信号を合成すると共に、所定の増幅率で増幅した合成信号を出力する構成とされる。
なお、信号合成部613は、ゲイン調整部611、612とは異なり、抵抗R7の抵抗値が固定されており、その増幅率が固定された構成とされる。
2値化処理部614は、例えばオペアンプコンパレータCMPであり、信号合成部613から出力された合成信号を2値化し、パルス信号を出力する。オペアンプコンパレータCMPは、+入力端子に図示しない任意の回路から所定の基準電圧VTHが入力され、−入力端子には信号合成部613からの合成信号が入力される。
2値化処理部614から出力されるパルス信号は、例えば図2に示すように、正逆判定回路71やトランジスタ76に伝送される。
以上が、第1の2値化回路61の基本的な構成である。なお、第2の2値化回路62は、本実施形態では、ゲイン調整部611、612での可変抵抗VR1、VR2を抵抗値が固定された抵抗に置き換えた点以外の点については、第1の2値化回路61と同じ構成とされる。
〔第1の2値化回路61による効果〕
次に、第1の2値化回路61による効果について、図6〜図10を参照して説明する。
図6〜図8では、位相ズレを表すための補助線を二点鎖線で示している。図7、図8では、位置ズレが生じた場合と位置ズレが生じない場合との違いを分かり易くするため、位置ズレが生じない場合における合成信号γおよびパルス信号δを破線で示している。また、図7では、見易くするため、パルス信号δおよび位置ズレが生じた場合においてゲイン調整をしないときのパルス信号δを、そのハイレベルとローレベルの信号が重ならない位置にずらして示している。図8では、図7と同じ状況において、第1ゲイン調整部611での増幅率を調整した場合を示しており、後述する増幅率の調整(ゲイン調整)を分かり易くするため、ゲイン調整前の増幅信号αを破線で示している。また、図8では、ゲイン調整による効果についての理解を助けるため、合成信号γを破線で示すと共に、合成信号γを一点鎖線で示している。
まず、第1磁気センサ51が回転検出装置の設計位置に配置された場合における、第1の2値化回路61によるパルス信号の生成について、図6を参照して説明する。
このとき、例えば図6に示すように、第1磁気センサ51の3つのセンサ部511からの出力信号に基づき、第1ゲイン調整部611は出力(増幅)信号αを出力し、第2ゲイン調整部612は出力(増幅)信号βを出力する。その後、信号合成部613は、これらの出力信号α、βを合成し、合成信号γを生成する。そして、2値化処理部614は、合成信号γについて電圧が所定の閾値を超えているか否かにより2値化処理を行い、パルス信号δを生成する。この位置ズレが生じていない場合におけるパルス信号δは、設計上のパルス信号と一致するため、「設計パルス信号」と称し得る。
続いて、第1磁気センサ51が回転検出装置の設計位置と異なる位置に配置された場合(位置ズレが生じた場合)であって、第1の2値化回路61にてゲイン調整部611、612での増幅率を調整しないときのパルス信号生成について、図7を参照して説明する。
位置ズレが生じた場合において、ゲイン調整部611、612での増幅率を位置ズレが生じない場合における増幅率のままにしたときには、図7に示すように、ゲイン調整部611、612から出力(増幅)信号α、βが出力される。具体的には、第1ゲイン調整部611からは、増幅信号αが出力され、第2ゲイン調整部612からは、増幅信号βが出力される。このとき、第1磁気センサ51と磁石との相対位置が設計からずれているため、ゲイン調整部611、612は、図7に示すように、増幅信号α、βと位相差をもった増幅信号α、βを出力する。つまり、増幅信号α、βは、増幅信号α、βとの位相ズレが生じている。なお、増幅信号α、βと増幅信号α、βとの位相ズレは、第1磁気センサ51の位置ズレの度合いに応じて変化する。
これらの増幅信号α、βは、信号合成部613で合成される。その結果、信号合成部613から出力される合成信号γは、位置ズレを生じない場合の合成信号γとの位相ズレが生じる。この合成信号γを2値化処理部614で2値化して得られるパルス信号δは、図7に示すように、位置ズレを生じない場合のパルス信号δ(設計パルス信号)と位相がずれてしまう。
このようなパルス信号の位相ズレは、検出角度精度の低下の原因となる。そのため、回転検出装置を製造する際における磁気センサの位置ズレを抑制することが望ましいが、製造コストの増加に繋がる上、位置ズレを完全に防止することは困難である。
そこで、本発明者らは、位置ズレが生じたままの状態における、パルス信号の位相ズレの抑制について鋭意検討をした結果、合成信号の基礎となる増幅信号の増幅率を調整することで、パルス信号の位相ズレを抑制できることを見出した。
次いで、第1磁気センサ51の位置ズレが生じた場合であって、第1の2値化回路61にてゲイン調整部611、612での増幅率を所定の範囲内で調整したときのパルス信号生成について、図8を参照して説明する。
第1ゲイン調整部611でのゲイン調整を行った場合、例えば図8に示すように、増幅信号αは、位相の変化はないが、信号の電圧が変化し、増幅信号αのような波形となる。このゲイン調整後の増幅信号αと第2ゲイン調整部612からの増幅信号βとを合成した場合、例えば図8に示すように、合成信号がγからγのように変化する。ゲイン調整後の合成信号γは、第1磁気センサ51の位置ズレが生じた場合におけるゲイン調整前の合成信号γとは異なる波形となり、所定の閾値以下の電圧となる領域の位相が合成信号γとずれることになる。
このゲイン調整後の合成信号γにおける所定の閾値以下の電圧となる領域(以下「閾値以下領域」という)の位相は、増幅信号α、βの増幅率により変化する。その結果、合成信号γを2値化して得られるパルス信号δは、ゲイン調整前のパルス信号δと位相がずれる。言い換えると、合成信号γの閾値以下領域の位相を増幅信号α、βの増幅率調整により制御し、合成信号γの閾値以下領域の位相に近づけることで、図8に示すように、実際のパルス信号δを設計上のパルス信号δに近づけることができる。
具体的には、ゲイン調整部611、612は、例えば、図9(a)、(b)に白抜き矢印で示すように、増幅信号α、βを段階的にそれぞれ所定の範囲内で増幅する。この所定の範囲内での増幅率は、図5に示す可変抵抗VR1、VR2の抵抗値を変更し、可変抵抗VR1と抵抗R3との比、または可変抵抗VR2と抵抗R4との抵抗比を変更することで調整されることができる。
なお、図9(a)〜(c)では、見易くするため、ゲイン調整部611、612のそれぞれで4段階で増幅率を調整した例について示しているが、増幅率の調整段階の数については、図9に示す例に限られず、適宜変更される。
つまり、ゲイン調整部611、612での増幅率調整により信号合成部613での合成信号の波形を調整することができ、ひいては、例えば図9(c)に白抜き矢印で示すように、2値化処理部614で生成されるパルス信号の位相を調整することができる。
よって、第1磁気センサ51の位置ズレが生じたとしても、ゲイン調整部611、612での増幅率調整により、パルス信号δとパルス信号δとの位相差が所定以下の状態とされることで、検出角度精度の低下を抑制することができる。
なお、ここでいう「位相差が所定以下の状態」とは、第1磁気センサ51の位置ズレが生じた場合においてゲイン調整しないときにおけるパルス信号と設計パルス信号との位相差が、ゲイン調整により小さくなった状態であることを意味する。
ここで、ゲイン調整部611の可変抵抗VR1は、例えば図10に示すような構成とされる。可変抵抗VR1は、例えば、図10に示すように、直列に接続された抵抗R8、R9、R10、R11、R12、R13と、抵抗R8〜R12それぞれと並列接続され、アクチュエータ素子などで構成される5つのスイッチとを有してなる。可変抵抗VR1は、この5つのスイッチそれぞれのON/OFFの切り替えにより、抵抗R13の抵抗値か、抵抗R13の抵抗値に5つの抵抗R8〜R12のうち少なくとも1つ以上の抵抗値を加えた抵抗値となる。これにより、ゲイン調整部611は、抵抗R3と可変抵抗VR1との抵抗比、すなわち増幅率が所定の範囲内で変更可能な構成とされる。また、ゲイン調整部612の可変抵抗VR2についても、可変抵抗VR1と同様の構成とされる。
可変抵抗VR1、VR2は、例えば図示しない不揮発性メモリに予めスイッチのON/OFFについての設定データを格納しておき、図示しないCPUにこの設定データを読み込んで実行させることで、その抵抗値を所定の範囲内で変更されることができる。可変抵抗VR1、VR2は、回転検出装置に実装された検出信号処理回路1ごとに、第1磁気センサ51と磁石との相対位置に応じて、その抵抗値が決定される。可変抵抗VR1、VR2の抵抗値は、上記のように決定された後に固定され、動的な制御が行われる必要はない。
なお、可変抵抗VR1は、図10の例では、5つのスイッチそれぞれのON/OFFの状態によりその抵抗値が32段階で変更可能な構成とされているが、この例に限られず、抵抗やスイッチの数並びに各抵抗の抵抗値などについては適宜変更される。これは、可変抵抗VR2についても同様である。
なお、本実施形態では、第2の2値化回路62については、第1の2値化回路61と異なり、第2磁気センサ52からの出力信号の増幅率を変更できない構成とされるが、これは、回転体4の回転方向の検出精度については位置ズレの影響が小さいことによる。
具体的には、第1磁気センサ51の位置ズレが生じた場合、第2磁気センサ52の位置ズレも第1磁気センサ51と同程度に生じることになり、磁気センサ51、52からの出力信号に基づいて生成される2つのパルス信号それぞれの位相ズレも同程度に生じる。しかしながら、上記2つのパルス信号それぞれの位相ズレが同程度に生じても、これらのパルス信号のどちらが先行しているかについては変化がなく、回転体4の回転方向の検出については特に支障がない。そのため、第2の2値化回路62については、第2磁気センサ52からの出力信号の増幅率を変更できない構成であってもよい。勿論、第2の2値化回路62は、第1の2値化回路61と同様の構成にされてもかまわない。
本実施形態によれば、第1磁気センサ51の位置ズレが生じた場合であっても、第1磁気センサ51からの出力信号の増幅率を所定の範囲内で調整できる第1の2値化回路61を備えるため、位置ズレに伴うパルス信号の位相ズレを抑制することができる。そのため、第1磁気センサ51の位置ズレが生じたままの状態であっても、検出角度精度の低下を抑制できる検出信号処理回路1となる。
さらに、この検出信号処理回路1を備える回転検出装置は、第1磁気センサ51の位置ズレが生じたままの状態であっても、事後的に検出角度精度の低下を抑制できる構成となる。
(他の実施形態)
なお、上記した各実施形態に示した検出信号処理回路およびこれを備える回転検出装置は、本発明の一例を示したものであり、上記の第1実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。
(1)例えば、上記第1実施形態では、検出信号処理回路1が3本の配線31〜33を介してECU2と接続された例について説明したが、これに限られず、例えば図11に示すように、4本の配線31〜34を介してECU2と接続されてもよい。この場合、回転検出装置は、例えば、正逆判定回路71からの出力信号が、第1信号線32を介して回転方向信号処理回路21に伝送され、第1の2値化回路61からのパルス信号が第2信号線34を介して回転数信号処理回路22に伝送されるように構成される。このような構成であっても、検出信号処理回路1による磁気センサ51、52の位置ズレに伴うパルス信号の位相ズレを抑制できる効果が損なわれることはない。
(2)上記第1実施形態では、検出信号処理回路1が、3つのセンサ部511を備える第1磁気センサ51を用いて構成された例について説明したが、これに限られず、第1磁気センサ51は、少なくとも2つのセンサ部511を有していればよい。
例えば、第1磁気センサ51は、センサ部511の数が2つのみの場合、図5に示すBのセンサ部511がグラウンド電位とされたグラウンド部に置き換えられた構成とされる。このような場合であっても、検出信号処理回路1は、Aのセンサ部511、Cのセンサ部511からの出力信号に基づき、回転体4の回転に応じた信号を出力できる構成となる。
1 検出信号処理回路
51、52 磁気センサ
511 センサ部
61、62 2値化回路
611、612 ゲイン調整部
613 信号合成部
614 2値化処理部

Claims (4)

  1. 対向配置された回転体(4)の回転を検出する回転検出装置に用いられる検出信号処理回路(1)であって、
    前記回転体と対向配置される、第1磁気センサ(51)および第2磁気センサ(52)と、
    前記第1磁気センサから出力される第1出力信号の2値化処理を行う第1の2値化回路(61)と、
    前記第2磁気センサから出力される第2出力信号の2値化処理を行う第2の2値化回路(62)と、を備え、
    前記回転検出装置は、磁石を有してなり、
    前記第1磁気センサは、磁界の強さの変化に応じた信号を出力する複数のセンサ部(511)を有してなり、
    前記第1の2値化回路は、前記複数のセンサ部から出力される出力信号を所定の増幅率で増幅し、増幅した増幅信号を出力する2つのゲイン調整部(611、612)と、2つの前記ゲイン調整部から出力された2つの前記増幅信号を合成し、1つの合成信号を出力する信号合成部(613)と、前記合成信号の2値化処理を行う2値化処理部(614)とを有してなり、
    前記ゲイン調整部は、前記回転検出装置を構成する前記第1磁気センサと前記磁石との相対位置に対応して、前記増幅率を変更可能な構成とされている、検出信号処理回路。
  2. 前記ゲイン調整部は、可変抵抗(VR1、VR2)を有してなる差動増幅回路であって、前記可変抵抗の抵抗値を変更することで前記増幅率を変更可能な構成とされている、請求項1に記載の検出信号処理回路。
  3. 前記第1磁気センサおよび前記第2磁気センサを用いて前記回転検出装置を構成した場合において、
    前記可変抵抗は、
    前記複数のセンサ部が設計上の配置とされたときにおける前記2値化処理部が出力する設計上のパルス信号と、前記複数のセンサ部が前記設計上の配置と異なる配置とされた場合における前記2値化処理部が出力する実際のパルス信号と、の位相差が所定の値以下となるように抵抗値が決定される、請求項2に記載の検出信号処理回路。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1つに記載の検出信号処理回路を備える、回転検出装置。
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