JP2020066637A - 病理診断用染色剤、細胞核染色方法、病理標本の製造方法、及び色素 - Google Patents
病理診断用染色剤、細胞核染色方法、病理標本の製造方法、及び色素 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】細胞核の染色性に優れ、またエオジンによる細胞質染色とのコントラストにも優れ、さらに溶液状態における安定性にも優れた病理診断用染色剤、この染色剤を用いた細胞核染色方法及び病理標本の製造方法、並びに、上記染色剤の染色成分として好適な色素を提供する。【解決手段】下記式(1)で表される色素を含有する病理診断用染色剤、この染色剤を用いた細胞核染色方法及び病理標本の製造方法、並びに上記染色剤の色素成分として好適な色素。R1〜R8、R11及びR12は水素原子又は置換基を示す。R13〜R15は水素原子又は置換基を示す。A1及びA2は−O−、−S−、−Se−、−NR16−又は−CR17R18−を示し、R16〜R18は水素原子又は置換基を示す。n1は0〜3の整数であり、mは1〜4の整数である。X−はアニオン性の対イオンを示す。【選択図】なし
Description
本発明は、病理診断用染色剤、細胞核染色方法、病理標本の製造方法、及び色素に関する。
疾患を適切に診断するために病理診断が行われる。この病理診断では、患者から採取した組織ないし細胞を染色して病理標本を作製し、この病理標本を顕微鏡観察して病理組織学的な診断がされる。
病理診断における細胞染色には、古くからヘマトキシリン−エオジン染色(HE染色)が用いられている。このHE染色では、まずヘマトキシリンを酸化してヘマテインへと変換し、このヘマテインを、媒染剤の金属部分と錯体を形成させて正に帯電した状態とする。この正に帯電した錯体が、負に帯電している核酸に結合することにより、細胞核が青色に染色される。次いでエオジンにより細胞質を赤く染色することにより、細胞核と細胞質とが異なる色で染色された病理標本が作製される。HE染色に関する技術に関し、例えば非特許文献1を参照することができる。
病理診断における細胞染色には、古くからヘマトキシリン−エオジン染色(HE染色)が用いられている。このHE染色では、まずヘマトキシリンを酸化してヘマテインへと変換し、このヘマテインを、媒染剤の金属部分と錯体を形成させて正に帯電した状態とする。この正に帯電した錯体が、負に帯電している核酸に結合することにより、細胞核が青色に染色される。次いでエオジンにより細胞質を赤く染色することにより、細胞核と細胞質とが異なる色で染色された病理標本が作製される。HE染色に関する技術に関し、例えば非特許文献1を参照することができる。
J.Jpn.Soc.Colour Mater.,2013年,第86巻,第6号,p.212−216
HE染色試薬を構成するヘマトキシリンは、その使用形態を考慮して金属塩、酸化剤等と混合された溶液として提供されるのが一般的である。しかし、この溶液は保存安定性が低く、経時的に色素が析出する。したがって、病理標本の作製においては、ヘマトキシリン溶液をろ過して使用するが、使用を繰り返すことにより色素濃度が低下してしまう問題があった。
そこで本発明は、細胞核の染色性に優れ、またエオジンによる細胞質染色との色のコントラストにも優れ、さらに溶液状態における保存安定性にも優れた病理診断用染色剤を提供することを課題とする。また本発明は、上記病理診断用染色剤を用いた、細胞核染色方法及び病理標本の製造方法を提供することを課題とする。さらに本発明は、上記病理診断用染色剤の染色成分として好適な色素を提供することを課題とする。
そこで本発明は、細胞核の染色性に優れ、またエオジンによる細胞質染色との色のコントラストにも優れ、さらに溶液状態における保存安定性にも優れた病理診断用染色剤を提供することを課題とする。また本発明は、上記病理診断用染色剤を用いた、細胞核染色方法及び病理標本の製造方法を提供することを課題とする。さらに本発明は、上記病理診断用染色剤の染色成分として好適な色素を提供することを課題とする。
本発明の上記の課題は以下の手段により解決された。
〔1〕
下記式(1)で表される色素を含有する病理診断用染色剤。
式中、R1〜R8、R11及びR12は水素原子又は置換基を示す。R13〜R15は水素原子又は置換基を示す。A1及びA2は−O−、−S−、−Se−、−NR16−又は−CR17R18−を示し、R16〜R18は水素原子又は置換基を示す。n1は0〜3の整数であり、mは1〜4の整数である。X−はアニオン性の対イオンを示す。
〔2〕
上記式(1)で表される色素が下記式(2)で表される、〔1〕に記載の病理診断用染色剤。
上記式中、R1〜R8、R11、R12、A1及びA2は、それぞれ、式(1)におけるR1〜R8、R11、R12、A1及びA2と同義である。R21−は−O−、−S−又は−C(CN)2 −を示し、R22は=O、=S又は=C(CN)2を示す。
〔3〕
上記色素が、R1〜R8、R11、R12及びR16〜R18から選ばれる少なくとも1つの基の中にカチオン性基を有する、〔1〕又は〔2〕に記載の病理診断用染色剤。
〔4〕
上記カチオン性基が下記式(K−1)〜(K−3)のいずれかで表される基である〔3〕に記載の病理診断用染色剤。
式中、*は結合部位を示す。R21〜R27はアルキル基又はアリール基を示す。環αは含窒素芳香族環を示す。
〔5〕
上記カチオン性基を上記R11及びR12が有する、〔3〕又は〔4〕に記載の病理診断用染色剤。
〔6〕
水を含有する、〔1〕〜〔5〕のいずれか1つに記載の病理診断用染色剤。
〔7〕
アルコールを含有する、〔1〕〜〔6〕のいずれか1つに記載の病理診断用染色剤。
〔8〕
〔1〕〜〔7〕のいずれか1つに記載の病理診断用染色剤を用いて細胞核を染色することを含む、細胞核染色方法。
〔9〕
〔1〕〜〔7〕のいずれか1つに記載の病理診断用染色剤を用いて細胞核を染色することを含む、病理標本の製造方法。
〔10〕
エオジン染色により細胞質を染色することを含む、〔9〕に記載の病理標本の製造方法。
〔11〕
下記式(3)で表される色素。
上記式中、R1〜R8は水素原子又は置換基を示し、R31〜R36はアルキル基又はアリール基を示す。L31及びL32は連結基を示す。A1及びA2は−O−、−S−、−Se−、−NR16−又は−CR17R18−を示し、R16〜R18は水素原子又は置換基を示す。m1は2〜4の整数である。X−はアニオン性の対イオンを示す。
〔1〕
下記式(1)で表される色素を含有する病理診断用染色剤。
〔2〕
上記式(1)で表される色素が下記式(2)で表される、〔1〕に記載の病理診断用染色剤。
〔3〕
上記色素が、R1〜R8、R11、R12及びR16〜R18から選ばれる少なくとも1つの基の中にカチオン性基を有する、〔1〕又は〔2〕に記載の病理診断用染色剤。
〔4〕
上記カチオン性基が下記式(K−1)〜(K−3)のいずれかで表される基である〔3〕に記載の病理診断用染色剤。
式中、*は結合部位を示す。R21〜R27はアルキル基又はアリール基を示す。環αは含窒素芳香族環を示す。
〔5〕
上記カチオン性基を上記R11及びR12が有する、〔3〕又は〔4〕に記載の病理診断用染色剤。
〔6〕
水を含有する、〔1〕〜〔5〕のいずれか1つに記載の病理診断用染色剤。
〔7〕
アルコールを含有する、〔1〕〜〔6〕のいずれか1つに記載の病理診断用染色剤。
〔8〕
〔1〕〜〔7〕のいずれか1つに記載の病理診断用染色剤を用いて細胞核を染色することを含む、細胞核染色方法。
〔9〕
〔1〕〜〔7〕のいずれか1つに記載の病理診断用染色剤を用いて細胞核を染色することを含む、病理標本の製造方法。
〔10〕
エオジン染色により細胞質を染色することを含む、〔9〕に記載の病理標本の製造方法。
〔11〕
下記式(3)で表される色素。
本明細書において、特定の符号で表示された置換基、連結基、繰り返し構造等(以下、置換基等という。)が複数あるとき、又は複数の置換基等を同時に規定するときには、特段の断りがない限り、それぞれの置換基等は互いに同一でも異なっていてもよい。このことは、置換基等の数の規定についても同様である。また、複数の置換基等が近接するとき(特に、隣接するとき)には、特段の断りがない限り、それらが互いに連結して環を形成してもよい。また、環、例えば脂肪族環、芳香族環、ヘテロ環はさらに縮環して縮合環を形成していてもよい。
本明細書において、ある基の炭素数を規定する場合、この炭素数は、基全体の炭素数を意味する。つまり、この基がさらに置換基を有する形態である場合、この置換基を含めた全体の炭素数を意味する。
本明細書の化学構造式において、化学構造式中に共鳴構造を有する場合、その共鳴構造も含む化学構造を意味している。
本明細書において、ある基の炭素数を規定する場合、この炭素数は、基全体の炭素数を意味する。つまり、この基がさらに置換基を有する形態である場合、この置換基を含めた全体の炭素数を意味する。
本明細書の化学構造式において、化学構造式中に共鳴構造を有する場合、その共鳴構造も含む化学構造を意味している。
本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
本発明の病理診断用染色剤は、細胞核を選択的に、十分に濃く染色することができ、またエオジンによる細胞質染色との色のコントラストにも優れ、さらに溶液状態における保存安定性にも優れる。また本発明の細胞核染色方法によれば、細胞核を選択的に、かつ十分に濃く染色することができ、また細胞核染色の再現性も高めることができる。また本発明の病理標本の製造方法によれば、細胞核が選択的に、十分に濃く染色された病理標本を得ることができ、また病理標本における細胞核染色の再現性も高めることができる。
[病理診断用染色剤]
本発明の病理診断用染色剤は、下記式(1)で表される色素を含有する。
本発明の病理診断用染色剤は、下記式(1)で表される色素を含有する。
上記式(1)中、R1〜R8、R11及びR12は水素原子又は置換基を示す。R13〜R15は水素原子又は置換基を示す。A1及びA2は−O−、−S−、−Se−、−NR16−又は−CR17R18−を示し、R16〜R18は水素原子又は置換基を示す。n1は0〜3の整数であり、mは1〜4の整数である。X−はアニオン性の対イオンを示す。
R1〜R8及びR11〜R18から選ばれる基は、mが1〜4となる範囲内においてカチオン性基を有していてもよく、またR13〜R15から選ばれる基は、mが1〜4となる範囲内においてアニオン性基を有していてもよい。上記カチオン性基及びアニオン性基の詳細については後述する。
また、R14同士、R15同士、又はR14とR15とが互いに結合して環を形成してもよい。
R1〜R8及びR11〜R18から選ばれる基は、mが1〜4となる範囲内においてカチオン性基を有していてもよく、またR13〜R15から選ばれる基は、mが1〜4となる範囲内においてアニオン性基を有していてもよい。上記カチオン性基及びアニオン性基の詳細については後述する。
また、R14同士、R15同士、又はR14とR15とが互いに結合して環を形成してもよい。
上記式(1)で表される色素は、水等の溶媒中に溶解した際に、m価のカチオンである色素と、X−で示されるアニオン性対イオンとに解離する。このm価のカチオンである色素は、アニオン性基(リン酸基、カルボキシ基等)を有し負に帯電している核酸等と相互作用し、細胞核を選択的に染色することができる。
すなわち、本発明の病理診断用染色剤を用いた細胞核染色では、ヘマトキシリンを用いた細胞核染色に必要な酸化剤、媒染剤等の添加を要しない。
すなわち、本発明の病理診断用染色剤を用いた細胞核染色では、ヘマトキシリンを用いた細胞核染色に必要な酸化剤、媒染剤等の添加を要しない。
上記R1〜R8として採り得る置換基としては、ヒロドキシ基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルキル基、ヘテロアリール基、アミノ基、シアノ基、アルキルカルボニル基、アルキルオキシカルボニル基及びアミノカルボニル基が挙げられる。
上記R1〜R8がハロゲン原子の場合、このハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられ、塩素原子又は臭素原子が好ましく、塩素原子がより好ましい。
上記R1〜R8がアルコキシ基の場合、このアルコキシ基の炭素数は1〜6が好ましく、1〜4がより好ましく、1〜3がさらに好ましく、メトキシ、エトキシ、プロポキシが好ましく、メトキシ、エトキシがより好ましい。
上記R1〜R8がアリールオキシ基の場合、このアリール基は環構成原子数が6〜12が好ましく、6〜10がより好ましく、6〜8がさらに好ましく、フェニルオキシ基が特に好ましい。
上記R1〜R8がアルキルチオ基の場合、このアルキルチオ基の炭素数は1〜6が好ましく、1〜4がより好ましく、1〜3がさらに好ましく、メチルチオ、エチルチオが特に好ましい。
上記R1〜R8がアリールチオ基の場合、このアリール基は環構成原子数が6〜12が好ましく、6〜10がより好ましく、6〜8がさらに好ましく、フェニルチオが特に好ましい。
上記R1〜R8がアルケニル基の場合、このアルケニル基の炭素数は2〜6が好ましく、2〜4がより好ましく、2又は3がさらに好ましく、エテニルが特に好ましい。
上記R1〜R8がアルキニル基の場合、このアルキニル基の炭素数は2〜6が好ましく、2〜4がより好ましく、2又は3がさらに好ましく、エチニルが特に好ましい。
上記R1〜R8がアリール基の場合、このアリール基は環構成原子数が6〜18が好ましく、6〜14がより好ましく、6〜10がさらに好ましく、フェニルが特に好ましい。
上記R1〜R8がアルキル基の場合、このアルキル基の炭素数は1〜6が好ましく、1〜4がより好ましく、1〜3がさらに好ましい。また、このアルキル基はフッ素原子を有することも好ましく、より好ましくはパーフルオロアルキル基であり、さらに好ましくはトリフルオロメチルである。
上記R1〜R8がヘテロアリール基の場合、このヘテロアリール基は、環構成原子に酸素原子、硫黄原子及び窒素原子のいずれかを有する5員環または6員環のヘテロ環基が好ましく、縮環していてもよく、環構成原子数が2〜10が好ましく、3〜7がより好ましく、3〜5がさらに好ましく、ピリジル、ピリミジル、ピラジル、トリアジル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、フラニル、チエニルが特に好ましい。
上記R1〜R8がアミノ基の場合、無置換のアミノ基、炭素数1〜12のアミノ基(N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、N−アリールアミノ基、N,N−ジアリールアミノ基、N−アルキル−N−アリールアミノ基)が好ましい。N,N−ジアルキルアミノ基の場合、2つのアルキル基が連結基を介して互いに連結してもよく、具体例としては、モルホリノ、ピペリジル、及びピロリジルが挙げられる。
上記R1〜R8がアルキルカルボニル基の場合、このアルキルカルボニル基の炭素数は1〜6が好ましく、1〜4がより好ましく、1〜3がさらに好ましく、メチルカルボニルが特に好ましい。
上記R1〜R8がアルキルオキシカルボニル基の場合、このアルキルオキシカルボニル基の炭素数は1〜6が好ましく、1〜4がより好ましく、1〜3がさらに好ましく、メトキシカルボニルが特に好ましい。
上記R1〜R8がアミノカルボニル基の場合、無置換のアミノカルボニル基、炭素数1〜12のアミノカルボニル基(アルキル基及び/又はアリール基を置換基として有するアミノカルボニル基を含む)が好ましく、無置換のアミノカルボニル基、N,N−ジメチルアミノカルボニル基、N,N−ジエチルアミノカルボニル基がより好ましい。
上記R1〜R8がハロゲン原子の場合、このハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられ、塩素原子又は臭素原子が好ましく、塩素原子がより好ましい。
上記R1〜R8がアルコキシ基の場合、このアルコキシ基の炭素数は1〜6が好ましく、1〜4がより好ましく、1〜3がさらに好ましく、メトキシ、エトキシ、プロポキシが好ましく、メトキシ、エトキシがより好ましい。
上記R1〜R8がアリールオキシ基の場合、このアリール基は環構成原子数が6〜12が好ましく、6〜10がより好ましく、6〜8がさらに好ましく、フェニルオキシ基が特に好ましい。
上記R1〜R8がアルキルチオ基の場合、このアルキルチオ基の炭素数は1〜6が好ましく、1〜4がより好ましく、1〜3がさらに好ましく、メチルチオ、エチルチオが特に好ましい。
上記R1〜R8がアリールチオ基の場合、このアリール基は環構成原子数が6〜12が好ましく、6〜10がより好ましく、6〜8がさらに好ましく、フェニルチオが特に好ましい。
上記R1〜R8がアルケニル基の場合、このアルケニル基の炭素数は2〜6が好ましく、2〜4がより好ましく、2又は3がさらに好ましく、エテニルが特に好ましい。
上記R1〜R8がアルキニル基の場合、このアルキニル基の炭素数は2〜6が好ましく、2〜4がより好ましく、2又は3がさらに好ましく、エチニルが特に好ましい。
上記R1〜R8がアリール基の場合、このアリール基は環構成原子数が6〜18が好ましく、6〜14がより好ましく、6〜10がさらに好ましく、フェニルが特に好ましい。
上記R1〜R8がアルキル基の場合、このアルキル基の炭素数は1〜6が好ましく、1〜4がより好ましく、1〜3がさらに好ましい。また、このアルキル基はフッ素原子を有することも好ましく、より好ましくはパーフルオロアルキル基であり、さらに好ましくはトリフルオロメチルである。
上記R1〜R8がヘテロアリール基の場合、このヘテロアリール基は、環構成原子に酸素原子、硫黄原子及び窒素原子のいずれかを有する5員環または6員環のヘテロ環基が好ましく、縮環していてもよく、環構成原子数が2〜10が好ましく、3〜7がより好ましく、3〜5がさらに好ましく、ピリジル、ピリミジル、ピラジル、トリアジル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、フラニル、チエニルが特に好ましい。
上記R1〜R8がアミノ基の場合、無置換のアミノ基、炭素数1〜12のアミノ基(N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、N−アリールアミノ基、N,N−ジアリールアミノ基、N−アルキル−N−アリールアミノ基)が好ましい。N,N−ジアルキルアミノ基の場合、2つのアルキル基が連結基を介して互いに連結してもよく、具体例としては、モルホリノ、ピペリジル、及びピロリジルが挙げられる。
上記R1〜R8がアルキルカルボニル基の場合、このアルキルカルボニル基の炭素数は1〜6が好ましく、1〜4がより好ましく、1〜3がさらに好ましく、メチルカルボニルが特に好ましい。
上記R1〜R8がアルキルオキシカルボニル基の場合、このアルキルオキシカルボニル基の炭素数は1〜6が好ましく、1〜4がより好ましく、1〜3がさらに好ましく、メトキシカルボニルが特に好ましい。
上記R1〜R8がアミノカルボニル基の場合、無置換のアミノカルボニル基、炭素数1〜12のアミノカルボニル基(アルキル基及び/又はアリール基を置換基として有するアミノカルボニル基を含む)が好ましく、無置換のアミノカルボニル基、N,N−ジメチルアミノカルボニル基、N,N−ジエチルアミノカルボニル基がより好ましい。
なかでも上記R1〜R8は、水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基又はヒドロキシル基が好ましい。このアルコキシ基はカチオン性基を有する形態であってもよい。
上記R1〜R8は、互いに結合して環を形成してもよい。この場合、形成される環は、R1〜R4(又はR5〜R8)が結合するベンゼン環と縮合し、ナフタレン環を形成していることが好ましい。
上記R1〜R8は、互いに結合して環を形成してもよい。この場合、形成される環は、R1〜R4(又はR5〜R8)が結合するベンゼン環と縮合し、ナフタレン環を形成していることが好ましい。
上記R11及びR12として採り得る置換基としては、アルキル基、アルキルカルボニル基及びアルキルスルホニル基が挙げられる。
上記R11及びR12がアルキル基の場合、このアルキル基の炭素数は1〜12が好ましく、1〜10がより好ましく、2〜6がさらに好ましい。具体例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチルが挙げられ、エチル又はプロピルが好ましい。
上記R11及びR12がアルキルカルボニル基またはアルキルスルホニル基の場合、これらの基のアルキル部位の好ましい態様は、上記R11及びR12がとりうるアルキル基の好ましい態様と同様である。
上記R11及びR12はアルキル基であることが好ましい。このアルキル基はカチオン性基を有する形態であることが好ましく、R11及びR12がともにエチル基を介してカチオン性基を有すること、あるいはR11及びR12がともにプロピル基を介してカチオン性基を有することがより好ましい。
上記R11及びR12がアルキル基の場合、このアルキル基の炭素数は1〜12が好ましく、1〜10がより好ましく、2〜6がさらに好ましい。具体例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチルが挙げられ、エチル又はプロピルが好ましい。
上記R11及びR12がアルキルカルボニル基またはアルキルスルホニル基の場合、これらの基のアルキル部位の好ましい態様は、上記R11及びR12がとりうるアルキル基の好ましい態様と同様である。
上記R11及びR12はアルキル基であることが好ましい。このアルキル基はカチオン性基を有する形態であることが好ましく、R11及びR12がともにエチル基を介してカチオン性基を有すること、あるいはR11及びR12がともにプロピル基を介してカチオン性基を有することがより好ましい。
上記R13として採り得る置換基としては、アルキル基及びアリール基が挙げられる。
上記R13がアルキル基の場合、このアルキル基の炭素数は1〜6が好ましく、1〜4がより好ましく、1〜3がさらに好ましく、メチル、エチルが特に好ましい。
上記R13がアリール基の場合、このアリール基は環構成原子数が6〜18が好ましく、6〜14がより好ましく、6〜10がさらに好ましい。
なかでも上記R13は水素原子であることが好ましい。
上記R13がアルキル基の場合、このアルキル基の炭素数は1〜6が好ましく、1〜4がより好ましく、1〜3がさらに好ましく、メチル、エチルが特に好ましい。
上記R13がアリール基の場合、このアリール基は環構成原子数が6〜18が好ましく、6〜14がより好ましく、6〜10がさらに好ましい。
なかでも上記R13は水素原子であることが好ましい。
上記R14として採り得る置換基は、ホルミル基、チオアルデヒド基、アルキル基、アルケニル基及びアリール基が挙げられる。
上記R14がアルキル基の場合、このアルキル基の炭素数は1〜6が好ましく、1〜4がより好ましく、1〜3がさらに好ましく、メチル、エチルが特に好ましい。
上記R14がアルケニル基の場合、このアルケニル基の炭素数は2〜6が好ましく、2〜4がより好ましく、2〜3がさらに好ましく、エテニルが特に好ましい。
上記R14がアリール基の場合、このアリールは環構成原子数が6〜18が好ましく、6〜14がより好ましく、6〜10がさらに好ましく、フェニルが特に好ましい。
上記R14は、水素原子、ホルミル基、チオアルデヒド基、アルキル基又はアルケニル基であることが好ましい。
上記R14がアルキル基の場合、このアルキル基の炭素数は1〜6が好ましく、1〜4がより好ましく、1〜3がさらに好ましく、メチル、エチルが特に好ましい。
上記R14がアルケニル基の場合、このアルケニル基の炭素数は2〜6が好ましく、2〜4がより好ましく、2〜3がさらに好ましく、エテニルが特に好ましい。
上記R14がアリール基の場合、このアリールは環構成原子数が6〜18が好ましく、6〜14がより好ましく、6〜10がさらに好ましく、フェニルが特に好ましい。
上記R14は、水素原子、ホルミル基、チオアルデヒド基、アルキル基又はアルケニル基であることが好ましい。
上記R15として採り得る置換基は、アニオン性基を有することが好ましく、アニオン性基であることがより好ましい。上記R15は、水素原子又はアニオン性基であることがより好ましい。
上記R16として採り得る置換基としては、アルキル基及びアリール基が挙げられる。
上記R16がアルキル基又はアリール基の場合、このアルキル基及びアリール基の好ましい形態は、それぞれ、上記R11として採り得るアルキル基及びR13として採り得るアリール基の好ましい形態と同じである。
上記R16はアルキル基であることが好ましい。このアルキル基はカチオン性基を有する形態であることも好ましい。
上記R16がアルキル基又はアリール基の場合、このアルキル基及びアリール基の好ましい形態は、それぞれ、上記R11として採り得るアルキル基及びR13として採り得るアリール基の好ましい形態と同じである。
上記R16はアルキル基であることが好ましい。このアルキル基はカチオン性基を有する形態であることも好ましい。
上記R17及びR18として採り得る置換基としては、アルキル基及びアリール基が挙げられる。
上記R17及び/又はR18がアルキル基の場合、このアルキル基の炭素数は1〜6が好ましく、1〜4がより好ましく、1〜3がさらに好ましく、メチルが特に好ましい。
上記R17及び/又はR18がアリール基の場合、このアリール基の好ましい形態は、上記R13として採り得るアリール基の好ましい形態と同じである。
上記R17及びR18はアルキル基が好ましく、このアルキル基はカチオン性基を有する形態であることも好ましい。
上記R17及び/又はR18がアルキル基の場合、このアルキル基の炭素数は1〜6が好ましく、1〜4がより好ましく、1〜3がさらに好ましく、メチルが特に好ましい。
上記R17及び/又はR18がアリール基の場合、このアリール基の好ましい形態は、上記R13として採り得るアリール基の好ましい形態と同じである。
上記R17及びR18はアルキル基が好ましく、このアルキル基はカチオン性基を有する形態であることも好ましい。
上記R1〜R8及びR11〜R18として採り得る置換基は、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ハロゲン原子、シアノ基又はアミノ基を有する形態であることも好ましい。
このアミノ基の好ましい形態は、上記R1〜R8として採り得るアミノ基の好ましい形態と同じである。
このアミノ基の好ましい形態は、上記R1〜R8として採り得るアミノ基の好ましい形態と同じである。
上記A1及びA2は、−O−、−S−、−NR16−又は−CR17R18−であることが好ましい。
(カチオン性基)
上記R1〜R8及びR11〜R18が有し得るカチオン性基とは、カチオンを有する基を意味する。このカチオン性基は第四級アンモニウムイオンを有する基が好ましく、より好ましくは下記式(K−1)〜(K−3)のいずれかで表される基である。
上記R1〜R8及びR11〜R18が有し得るカチオン性基とは、カチオンを有する基を意味する。このカチオン性基は第四級アンモニウムイオンを有する基が好ましく、より好ましくは下記式(K−1)〜(K−3)のいずれかで表される基である。
上記式中、*はR1〜R8又はR11〜R18中に組み込まれるための結合部位を示す。R21〜R27はアルキル基又はアリール基を示す。環αは含窒素芳香族環を示す。
上記R21〜R27として採り得るアルキル基は、炭素数は1〜4が好ましく、1又は2がより好ましく、1がさらに好ましく、メチルが好ましい。
上記R21〜R27として採り得るアリール基は、環構成原子数は6〜12が好ましく、6〜9がより好ましく、6がさらに好ましく、フェニルが好ましい。
なお、上記R21〜R27において、隣接する2つのアルキル基が結合して環を形成していてもよく、また結合する際に酸素原子を介して環を形成していてもよい。形成される環としては、例えば、モルホリニウム環、ピペリジニウム環及びピロリジニウム環が挙げられる。
上記R21〜R27は、アルキル基が好ましく、なかでもメチル基が好ましい。
上記R21〜R27として採り得るアリール基は、環構成原子数は6〜12が好ましく、6〜9がより好ましく、6がさらに好ましく、フェニルが好ましい。
なお、上記R21〜R27において、隣接する2つのアルキル基が結合して環を形成していてもよく、また結合する際に酸素原子を介して環を形成していてもよい。形成される環としては、例えば、モルホリニウム環、ピペリジニウム環及びピロリジニウム環が挙げられる。
上記R21〜R27は、アルキル基が好ましく、なかでもメチル基が好ましい。
上記環αにおける含窒素芳香族環は、少なくとも1つの窒素原子を環構成原子として有する、5又は6員環が好ましい。その他の環構成原子としては、炭素原子、硫黄原子、酸素原子が挙げられ、炭素原子が好ましい。上記環αにおける含窒素芳香族環が炭素原子を有する場合、炭素数1〜12が好ましく、炭素数1〜6がより好ましい。具体例としては、ピリジン環及びイミダゾール環が挙げられる。
上記カチオン性基は、より好ましくは上記式(K−1)で表される基である。上記式(K−1)で表される基のなかでも、R21〜R23がアルキル基である形態が好ましく、R21〜R23がメチル基である形態がより好ましい。
R1〜R8及びR11〜R18がカチオン性基を有する形態である場合、カチオン性基を有する、アルキル基又はアルコキシ基が好ましい。
本発明においては、上記R1〜R8、R11、R12及びR16〜R18のいずれかが上記カチオン性基を有することが好ましく、上記R11、R12及びR16〜R18のいずれかがカチオン性基を有することがより好ましく、上記R11及びR12がともにカチオン性基を有することがさらに好ましい。
本発明においては、上記R1〜R8、R11、R12及びR16〜R18のいずれかが上記カチオン性基を有することが好ましく、上記R11、R12及びR16〜R18のいずれかがカチオン性基を有することがより好ましく、上記R11及びR12がともにカチオン性基を有することがさらに好ましい。
(アニオン性基)
式(1)において、上記R13〜R15が有し得るアニオン性基とは、アニオンを有する基を意味する。アニオン性基は−O−、−S−又は−C(CN)2 −が好ましい。
本発明においては、R14及びR15のいずれか1つがアニオン性基を有する形態であることが好ましい。また、R15のうちの少なくとも1つがアニオン性基であることがより好ましい。式(1)で表される色素は、その分子中にアニオン性基を1つ有する形態であることが好ましい。
式(1)において、上記R13〜R15が有し得るアニオン性基とは、アニオンを有する基を意味する。アニオン性基は−O−、−S−又は−C(CN)2 −が好ましい。
本発明においては、R14及びR15のいずれか1つがアニオン性基を有する形態であることが好ましい。また、R15のうちの少なくとも1つがアニオン性基であることがより好ましい。式(1)で表される色素は、その分子中にアニオン性基を1つ有する形態であることが好ましい。
式(1)で表される色素は、n1は2又は3(より好ましくは2)が好ましく、この場合、上記2つのR14同士が互いに結合して環を形成する形態が好ましい。この環としては、4〜6員環が好ましく、なかでも、下記環構造が好ましい。
上記式中、*1は、A2及びN+−R12が結合する炭素原子(式(1)の右側に示された5員環の環構成炭素原子のうち、A2とN+−R12との間に挟まれた炭素原子)との結合部位を示し、*2は、R13が結合する炭素原子との結合部位を示す。R14Aは、R14同士が互いに結合して環を形成した際の残基を示す。R15A−は、上記R15として採り得る置換基のうちアニオン性基を有する形態と同義であり、R15A−R15−は上記アニオン性基であることが好ましい。
R14Aは、=O、=S又は=C(CN)2が好ましい。
R14Aは、=O、=S又は=C(CN)2が好ましい。
n1は、1〜3が好ましく、2又は3がより好ましい。
mは2〜4が好ましく、より好ましくは2又は3であり、特に好ましくは2である。
mは2〜4が好ましく、より好ましくは2又は3であり、特に好ましくは2である。
X−として採り得るアニオン性の対イオンとしては、特に制限はなく、有機、無機のいずれのイオンでもよい。代表的な例としては、ハロゲンイオン(フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、沃素イオン)、水酸化物イオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、酢酸イオン、トリフルオロ酢酸イオン、メタンスルホン酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、パラトルエンスルホン酸イオン、パラクロロフェニルスルホン酸イオン等を挙げることができ、ハロゲンイオン(フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、沃素イオン)、酢酸イオン、トリフルオロ酢酸イオン、メタンスルホン酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、パラトルエンスルホン酸イオンが好ましく、ハロゲンイオンがより好ましい。
上記式(1)で表される色素は、下記式(2)で表されることが好ましい。
上記式(2)中、R1〜R8、R11、R12、A1及びA2は、それぞれ、式(1)におけるR1〜R8、R11、R12、A1及びA2と同義であり、好ましい形態も同じである。R21−は−O−、−S−、又は−C(CN)2 −を示し、R22は=O、=S、又は=C(CN)2を示す。
上記R21は−O−が好ましく、R22は=Oが好ましい。
上記式(1)で表される色素は、より好ましくは下記式(3)で表される。
上記式(3)中、R1〜R8は水素原子又は置換基を示し、R31〜R36はアルキル基又はアリール基を示す。L31及びL32は連結基を示す。A1及びA2は−O−、−S−、−Se−、−NR16−又は−CR17R18−を示し、R16〜R18は水素原子又は置換基を示す。m1は2〜4の整数である。X−はアニオン性の対イオンを示す。
R1〜R8及びR16〜R18から選ばれる基はカチオン性基を有していてもよい。
R1〜R8及びR16〜R18から選ばれる基はカチオン性基を有していてもよい。
上記R1〜R8、R16〜R18、A1、A2及びX−の好ましい形態は、それぞれ、上記式(1)におけるR1〜R8、R16〜R18、A1、A2及びX−の好ましい形態と同じである。また、上記R31〜R36の好ましい形態は、それぞれ、上記式(K−1)におけるR21〜R23の好ましい形態と同じである。
上記連結基L31及びL32は、アルキレン基が好ましい。このアルキレン基の炭素数は1〜6が好ましく、1〜4がより好ましく、1〜3がさらに好ましい。
上記m1は、2又は3が好ましく、より好ましくは2である。R1〜R8、R16〜R18、R31〜R36、連結基L31及びL32のいずれもがカチオン性基を含まない場合、m1は2となる。
上記m1は、2又は3が好ましく、より好ましくは2である。R1〜R8、R16〜R18、R31〜R36、連結基L31及びL32のいずれもがカチオン性基を含まない場合、m1は2となる。
上記式(1)で表される色素の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、Meはメチル基を意味する。
上記式(1)で表される色素の分子量は、400〜1500が好ましく、500〜1000がより好ましい。
本発明の病理診断用染色剤中、上記式(1)で表される色素の含有量に特に制限はなく、目的に応じて適宜に選択される。例えば、本発明の病理診断用染色剤は、上記式(1)で表される色素からなる形態でもよいし、上記式(1)で表される色素に加え、他の成分を含有していてもよい。他の成分としては、溶媒、無機塩及び上記式(1)で表される色素以外の有機化合物(色素を含む)等を挙げることができる。
溶媒としては、上記式(1)で表される色素を溶解可能なものが好ましく、この溶媒は水及び/又はアルコールを含むことが好ましく、水とアルコールとを含む混合溶媒であることがより好ましい。
上記アルコールは、特に制限はなく、1価でも多価のアルコールでもよい。好ましい具体例としては、アルキレングリコール(好ましくはエチレングリコール)及びグリセリンが挙げられる。アルコールの種類及び/又は量を調整することにより、染色液の物性、染色の濃さ等をある程度、調節することが可能となる。
上記水は、水である限り特に制限はなく、蒸留水、超純水、純水及び流水などを用いることができる。さらに、上記水には、塩化ナトリウム、塩化カリウム、リン酸ナトリウム及びリン酸カリウムなどの塩を含んでいてもよい。このような水としてはリン酸緩衝生理食塩水(Phosphate buffered saline:PBS)が挙げられる。
本発明の病理診断用染色剤中において、水及びアルコールの含有量比は、質量比で、水:アルコール=100:0〜50:50が好ましく、100:0〜60:40がより好ましい。
溶媒としては、上記式(1)で表される色素を溶解可能なものが好ましく、この溶媒は水及び/又はアルコールを含むことが好ましく、水とアルコールとを含む混合溶媒であることがより好ましい。
上記アルコールは、特に制限はなく、1価でも多価のアルコールでもよい。好ましい具体例としては、アルキレングリコール(好ましくはエチレングリコール)及びグリセリンが挙げられる。アルコールの種類及び/又は量を調整することにより、染色液の物性、染色の濃さ等をある程度、調節することが可能となる。
上記水は、水である限り特に制限はなく、蒸留水、超純水、純水及び流水などを用いることができる。さらに、上記水には、塩化ナトリウム、塩化カリウム、リン酸ナトリウム及びリン酸カリウムなどの塩を含んでいてもよい。このような水としてはリン酸緩衝生理食塩水(Phosphate buffered saline:PBS)が挙げられる。
本発明の病理診断用染色剤中において、水及びアルコールの含有量比は、質量比で、水:アルコール=100:0〜50:50が好ましく、100:0〜60:40がより好ましい。
本発明の病理診断用染色剤が、上記式(1)で表される色素以外の成分を含む場合、病理診断用染色剤中の上記式(1)で表される色素の含有量は、例えば0.01〜99質量%とすることができる。また、本発明の病理診断用染色剤が溶媒を含む場合、病理診断用染色剤中の上記式(1)で表される色素の含有量は、例えば、0.01〜1質量%が好ましく、0.05〜0.5質量%がより好ましい。なお、溶媒中において、上記色素の一部又は全部がカチオンとアニオンとに解離していてもよい。
本発明の病理診断用染色剤が上記式(1)で表される色素以外の成分を含む場合、各成分が均一に存在する組成物の形態が好ましい。本発明の病理診断用染色剤は、上記式(1)で表される色素が溶媒中に溶解してなる染色液の形態がより好ましい。
本発明の病理診断用染色剤が上記式(1)で表される色素以外の成分を含む場合、各成分が均一に存在する組成物の形態が好ましい。本発明の病理診断用染色剤は、上記式(1)で表される色素が溶媒中に溶解してなる染色液の形態がより好ましい。
上記式(1)で表される色素は、例えば、公知のシアニン色素の合成方法、公知のスクアリリウム色素の合成方法により得ることができる。
[細胞核染色方法]
本発明の細胞核染色方法は、本発明の病理診断用染色剤を用いて細胞核を染色することを含む。本発明の細胞核染色方法は、より詳細には次のことを含む。
すなわち、常法に従い作製した、目的の組織ないし細胞を含むパラフィン切片について、切片の脱パラフィン化を行った後に、本発明の病理診断用染色剤を作用させる。通常は、脱パラフィン化後、色素を溶解してなる染色液の状態である本発明の病理診断用染色剤に浸漬させる。必要により余分な色素を洗い流し、あるいは所望の染色レベルまで着色を落とすために洗浄し、細胞核を選択的に染色する。
切片の脱パラフィン化は常法に従い行うことができる。この脱パラフィン化により通常は、切片中のパラフィンを水等の親水性溶媒に置き換える。
上記の病理診断用染色液に脱パラフィン化後の切片を浸漬させる場合、浸漬時間は、細胞核を所望の染色状態とすることができれば特に制限されず、例えば、0.1〜10分とすることができる。
浸漬に使用する本発明の病理診断用染色液中、上記式(1)で表される色素の含有量は、細胞核を所望の染色状態とすることができれば特に制限されず、例えば0.01〜1質量%が好ましく、0.05〜0.5質量%がより好ましい。
染色液への浸漬後、切片を流水で水洗することが好ましい。
本発明の細胞核染色方法は、本発明の病理診断用染色剤を用いて細胞核を染色することを含む。本発明の細胞核染色方法は、より詳細には次のことを含む。
すなわち、常法に従い作製した、目的の組織ないし細胞を含むパラフィン切片について、切片の脱パラフィン化を行った後に、本発明の病理診断用染色剤を作用させる。通常は、脱パラフィン化後、色素を溶解してなる染色液の状態である本発明の病理診断用染色剤に浸漬させる。必要により余分な色素を洗い流し、あるいは所望の染色レベルまで着色を落とすために洗浄し、細胞核を選択的に染色する。
切片の脱パラフィン化は常法に従い行うことができる。この脱パラフィン化により通常は、切片中のパラフィンを水等の親水性溶媒に置き換える。
上記の病理診断用染色液に脱パラフィン化後の切片を浸漬させる場合、浸漬時間は、細胞核を所望の染色状態とすることができれば特に制限されず、例えば、0.1〜10分とすることができる。
浸漬に使用する本発明の病理診断用染色液中、上記式(1)で表される色素の含有量は、細胞核を所望の染色状態とすることができれば特に制限されず、例えば0.01〜1質量%が好ましく、0.05〜0.5質量%がより好ましい。
染色液への浸漬後、切片を流水で水洗することが好ましい。
[病理標本の製造方法]
本発明の病理標本の製造方法は、本発明の病理診断用染色剤を用いて細胞核を染色することを含む。すなわち本発明の病理標本の製造方法は、上述した本発明の細胞核染色方法を実施することを含む。
また、本発明の病理標本の製造方法は、エオジン染色により細胞質を染色することを含むことが好ましい。
エジオン染色は、常法に従い行うことができる。また、エジオン染色に続く封入工程において、有機溶媒系封入剤を用いる場合には、エジオン染色後、常法に従い、脱水、透徹操作を行う。
エオジン染色は、本発明の病理診断用染色剤を用いた細胞核染色の前に行ってもよいし、後に行ってもよいが、エオジン染色を所望の染色状態にする観点から、本発明の病理診断用染色剤を用いた細胞核染色の後に行うことが好ましい。
本発明の病理標本の製造方法は、本発明の病理診断用染色剤を用いて細胞核を染色することを含む。すなわち本発明の病理標本の製造方法は、上述した本発明の細胞核染色方法を実施することを含む。
また、本発明の病理標本の製造方法は、エオジン染色により細胞質を染色することを含むことが好ましい。
エジオン染色は、常法に従い行うことができる。また、エジオン染色に続く封入工程において、有機溶媒系封入剤を用いる場合には、エジオン染色後、常法に従い、脱水、透徹操作を行う。
エオジン染色は、本発明の病理診断用染色剤を用いた細胞核染色の前に行ってもよいし、後に行ってもよいが、エオジン染色を所望の染色状態にする観点から、本発明の病理診断用染色剤を用いた細胞核染色の後に行うことが好ましい。
本発明の病理診断用染色剤を用いることにより、細胞核を選択的に、十分に濃く染色することができる。また、本発明の病理診断用染色剤による細胞核染色を、エオジン染色による細胞質の染色と組合せて実施した場合には、細胞核と細胞質の色のコントラストに優れ、観察しやすい病理標本を得ることができる。しかも、本発明の病理診断用染色剤は溶液状態において析出しにくく、保存安定性に優れるため、保管後の使用時に染色液のろ過等を必要とせず、再現性の高い細胞核の選択的染色が可能となる。
また、本発明の病理診断用染色剤を用いた染色は、例えば、後述する実施例に示すように、PAS(periodic acid-Schiff:過ヨウ素酸シッフ)染色、PAM(periodic acid meth-enamine silver:過ヨウ素酸メテナミン銀)染色等と組合せて用いることもできる。
以下に実施例に基づき本発明についてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの形態に限定されるのではない。以下の実施例において「室温」は25℃を意味する。
[実施例]
<1.病理診断用染色剤の合成>
(1)色素D−1の合成
<1.病理診断用染色剤の合成>
(1)色素D−1の合成
300mL容フラスコに、5−クロロ−2−メチルベンゾチアゾール10.0g、(3−ブロモプロピル)トリメチルアンモニウムブロミド15.6g、m−クレゾール20mLを導入し、130℃で40時間撹拌した。反応液を室温に冷却し、撹拌しながら酢酸エチル200mLを滴下した。析出した固体を濾過により回収し、化合物D−1aを15.2g得た。
500mL容フラスコに、化合物D−1aを8.89g、スクアリン酸1.14g、n−ブタノール(n−BuOH)160mL、ピリジン4.0mLを導入し、7時間半加熱還流した。反応液を室温に冷却し、撹拌しながら水100mL、テトラヒドロフラン200mLを滴下した。析出した固体を濾過により回収し、アセトン300mLを加えて撹拌し、懸濁洗浄した。濾過により固体を回収し、色素D−1を青色固体として7.0g得た。
1H NMR(400MHz,D2O): δ=7.37(br s,2H),6.99(d,J=7.6Hz,2H),5.49(br s,2H),4.03(m,4H),3.39(t,J=8.0Hz,4H),3.03(s,18H),2.17(t,J=8.0Hz,4H).
また、LC−MS(Liquid Chromatography Mass Spectrometry)測定(溶媒:テトラヒドロフラン/水、バッファー:ギ酸)において、ポジティブモードでm/z=689([M−2(Br−)+(HCOO−)]+)、ネガティブモードでm/z=779([M−2(Br−)+3(HCOO−)]−)にMSシグナルを得た。
500mL容フラスコに、化合物D−1aを8.89g、スクアリン酸1.14g、n−ブタノール(n−BuOH)160mL、ピリジン4.0mLを導入し、7時間半加熱還流した。反応液を室温に冷却し、撹拌しながら水100mL、テトラヒドロフラン200mLを滴下した。析出した固体を濾過により回収し、アセトン300mLを加えて撹拌し、懸濁洗浄した。濾過により固体を回収し、色素D−1を青色固体として7.0g得た。
1H NMR(400MHz,D2O): δ=7.37(br s,2H),6.99(d,J=7.6Hz,2H),5.49(br s,2H),4.03(m,4H),3.39(t,J=8.0Hz,4H),3.03(s,18H),2.17(t,J=8.0Hz,4H).
また、LC−MS(Liquid Chromatography Mass Spectrometry)測定(溶媒:テトラヒドロフラン/水、バッファー:ギ酸)において、ポジティブモードでm/z=689([M−2(Br−)+(HCOO−)]+)、ネガティブモードでm/z=779([M−2(Br−)+3(HCOO−)]−)にMSシグナルを得た。
(2)色素D−2の合成
色素D−1の合成において、5−クロロ−2−メチルベンゾチアゾールを2−メチルベンゾチアゾールに置き換え、(3−ブロモプロピル)トリメチルアンモニウムブロミドを(2−ブロモエチル)トリメチルアンモニウムブロミドに置き換えた他は、色素D−1と同様の方法で合成し、色素D−2を合成した。LC−MS測定(溶媒:テトラヒドロフラン/水、バッファー:ギ酸)において、ポジティブモードでm/z=594([M−2(Br−)+(HCOO−)]+)にMSシグナルを得た。
色素D−1の合成において、5−クロロ−2−メチルベンゾチアゾールを2−メチルベンゾチアゾールに置き換え、(3−ブロモプロピル)トリメチルアンモニウムブロミドを(2−ブロモエチル)トリメチルアンモニウムブロミドに置き換えた他は、色素D−1と同様の方法で合成し、色素D−2を合成した。LC−MS測定(溶媒:テトラヒドロフラン/水、バッファー:ギ酸)において、ポジティブモードでm/z=594([M−2(Br−)+(HCOO−)]+)にMSシグナルを得た。
(3)色素D−3の合成
色素D−1の合成において、5−クロロ−2−メチルベンゾチアゾールを2−メチルベンゾオキサゾールに置き換え、(3−ブロモプロピル)トリメチルアンモニウムブロミドを(2−ブロモエチル)トリメチルアンモニウムブロミドに置き換えた他は、色素D−1と同様の方法で合成し、色素D−3を合成した。LC−MS測定(溶媒:テトラヒドロフラン/水、バッファー:ギ酸)において、ポジティブモードでm/z=562([M−2(Br−)+(HCOO−)]+)にMSシグナルを得た。
色素D−1の合成において、5−クロロ−2−メチルベンゾチアゾールを2−メチルベンゾオキサゾールに置き換え、(3−ブロモプロピル)トリメチルアンモニウムブロミドを(2−ブロモエチル)トリメチルアンモニウムブロミドに置き換えた他は、色素D−1と同様の方法で合成し、色素D−3を合成した。LC−MS測定(溶媒:テトラヒドロフラン/水、バッファー:ギ酸)において、ポジティブモードでm/z=562([M−2(Br−)+(HCOO−)]+)にMSシグナルを得た。
(3)色素D−4の合成
化合物D−1aから色素D−1を得る合成反応において、化合物D−1aを化合物(D−4A)に置き換えた他は、色素D−1と同様の方法で合成し、色素D−4を合成した。LC−MS測定(溶媒:テトラヒドロフラン/水、バッファー:ギ酸)において、ポジティブモードでm/z=614([M−2(Br−)+(HCOO−)]+)にMSシグナルを得た。
化合物D−1aから色素D−1を得る合成反応において、化合物D−1aを化合物(D−4A)に置き換えた他は、色素D−1と同様の方法で合成し、色素D−4を合成した。LC−MS測定(溶媒:テトラヒドロフラン/水、バッファー:ギ酸)において、ポジティブモードでm/z=614([M−2(Br−)+(HCOO−)]+)にMSシグナルを得た。
(2)病理診断用染色液の調製
上記で合成した色素D−1を0.15gと、蒸留水73gとを100mlナスフラスコにいれ、12時間撹拌して溶解させた後に、エチレングリコール27.75gを添加して1時間撹拌し、No.1の病理診断用染色液を調製した。
色素D−1を0.10g、蒸留水を75g、エチレングリコールを25.5gに変更した以外は上記No.1の病理診断用染色液の調製と同様にして、No.2の病理診断用染色液を調製した。
色素D−1を0.075g、蒸留水を75g、エチレングリコールを25.5gに変更した以外は上記No.1の病理診断用染色液の調製と同様にして、No.3の病理診断用染色液を調製した。
No.2の病理診断用染色液の作製において、色素D−1 0.10gを、色素D−2 0.10gに置き換えた以外は上記No.2の病理診断用染色液の調製と同様にして、No.4の病理診断用染色液を調製した。
No.2の病理診断用染色液の作製において、色素D−1 0.10gを、色素D−3 0.10gに置き換えた以外は上記No.2の病理診断用染色液の調製と同様にして、No.5の病理診断用染色液を調製した。
No.2の病理診断用染色液の作製において、色素D−1 0.10gを、色素D−4 0.10gに置き換えた以外は上記No.2の病理診断用染色液の調製と同様にして、No.6の病理診断用染色液を調製した。
No.c1の病理診断用染色液として、ヘマトキシリン3G(サクラファインテックジャパン社製)を用いた。
上記で合成した色素D−1を0.15gと、蒸留水73gとを100mlナスフラスコにいれ、12時間撹拌して溶解させた後に、エチレングリコール27.75gを添加して1時間撹拌し、No.1の病理診断用染色液を調製した。
色素D−1を0.10g、蒸留水を75g、エチレングリコールを25.5gに変更した以外は上記No.1の病理診断用染色液の調製と同様にして、No.2の病理診断用染色液を調製した。
色素D−1を0.075g、蒸留水を75g、エチレングリコールを25.5gに変更した以外は上記No.1の病理診断用染色液の調製と同様にして、No.3の病理診断用染色液を調製した。
No.2の病理診断用染色液の作製において、色素D−1 0.10gを、色素D−2 0.10gに置き換えた以外は上記No.2の病理診断用染色液の調製と同様にして、No.4の病理診断用染色液を調製した。
No.2の病理診断用染色液の作製において、色素D−1 0.10gを、色素D−3 0.10gに置き換えた以外は上記No.2の病理診断用染色液の調製と同様にして、No.5の病理診断用染色液を調製した。
No.2の病理診断用染色液の作製において、色素D−1 0.10gを、色素D−4 0.10gに置き換えた以外は上記No.2の病理診断用染色液の調製と同様にして、No.6の病理診断用染色液を調製した。
No.c1の病理診断用染色液として、ヘマトキシリン3G(サクラファインテックジャパン社製)を用いた。
<2−1.病理診断用染色液を用いた標本の作製>
10%中性ホルマリン緩衝液にて固定したラット肝臓及び腎臓のそれぞれについて、常法に従い、ティシュー・テック パラフィン ワックス II60(サクラファインテックジャパン社製、商品名)を用いてパラフィンブロックを作製し、ミクロトーム(REM−710、大和光機社製)を用いて2μmの薄さに薄切し、パラフィン切片を作製した。得られたパラフィン切片について、以下の手順で染色し、標本を作製した。
10%中性ホルマリン緩衝液にて固定したラット肝臓及び腎臓のそれぞれについて、常法に従い、ティシュー・テック パラフィン ワックス II60(サクラファインテックジャパン社製、商品名)を用いてパラフィンブロックを作製し、ミクロトーム(REM−710、大和光機社製)を用いて2μmの薄さに薄切し、パラフィン切片を作製した。得られたパラフィン切片について、以下の手順で染色し、標本を作製した。
・上記切片の脱パラフィン(順に、キシレンに5分×3回浸漬、エタノールに5分×3回浸漬、90%エタノールに浸漬、70%エタノールに浸漬、水洗浄を行った。
↓
・上記で調製した病理診断用染色液に1分浸漬した。
↓
・流水で5分水洗した。
↓
・1%HCl水溶液に5秒浸漬した。
↓
・流水で5分水洗した。
↓
・エオジン染色液に1分浸漬した。
↓
・流水で2秒水洗した。
↓
・95%エタノールに2秒浸漬した。
↓
・エタノールに2秒×2回浸漬した。
↓
・エタノールに5分×3回浸漬した。
↓
・キシレンに5分×3回浸漬した。
↓
・エンテランニュー(メルク社製)にて封入し、標本を作製した。
↓
・上記で調製した病理診断用染色液に1分浸漬した。
↓
・流水で5分水洗した。
↓
・1%HCl水溶液に5秒浸漬した。
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・流水で5分水洗した。
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・エオジン染色液に1分浸漬した。
↓
・流水で2秒水洗した。
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・95%エタノールに2秒浸漬した。
↓
・エタノールに2秒×2回浸漬した。
↓
・エタノールに5分×3回浸漬した。
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・キシレンに5分×3回浸漬した。
↓
・エンテランニュー(メルク社製)にて封入し、標本を作製した。
<2−2.標本観察>
顕微鏡にBX53(オリンパス社製)、顕微鏡用カメラにDP70(オリンパス社製)を用いて、上記の方法で作製した標本を観察し、以下の評価を行った。
顕微鏡にBX53(オリンパス社製)、顕微鏡用カメラにDP70(オリンパス社製)を用いて、上記の方法で作製した標本を観察し、以下の評価を行った。
(評価1)細胞核染色性
− 評価基準 −
A:細胞核が選択的に、かつ濃く染色された。
B:細胞核の染色濃度が薄い。
− 評価基準 −
A:細胞核が選択的に、かつ濃く染色された。
B:細胞核の染色濃度が薄い。
(評価2)エオジン染色との色のコントラスト
− 評価基準 −
A:上記染色液による細胞核染色と、エオジンによる細胞質染色との色の区別が明瞭である。
B:上記染色液による細胞核染色と、エオジンによる細胞質染色との色の区別が明瞭でない。
(評価3)染色液の経時安定性
染色液調製後1時間以内(No.c1の染色液の場合は、開封後1時間以内)の染色液と、25℃で2週間保管後(No.c1の染色液の場合は、開封してから2週間保管後)の染色液との間で染色液の状態(析出の有無)の比較及び吸収スペクトル変化を比較し、以下の評価基準で評価を行った。
吸収スペクトル変化については、最大吸光波長における吸光度を測定することで評価した。吸収強度の測定は、UV−3600(島津製作所製)を用いて行った。吸収強度の変化量は下記式により算出した。
吸収強度の変化量(%)={100×(2週間保存後の吸光度)/(染色液調製後1時間以内の吸光度)}−100
− 評価基準 −
A:上記染色液による細胞核染色と、エオジンによる細胞質染色との色の区別が明瞭である。
B:上記染色液による細胞核染色と、エオジンによる細胞質染色との色の区別が明瞭でない。
(評価3)染色液の経時安定性
染色液調製後1時間以内(No.c1の染色液の場合は、開封後1時間以内)の染色液と、25℃で2週間保管後(No.c1の染色液の場合は、開封してから2週間保管後)の染色液との間で染色液の状態(析出の有無)の比較及び吸収スペクトル変化を比較し、以下の評価基準で評価を行った。
吸収スペクトル変化については、最大吸光波長における吸光度を測定することで評価した。吸収強度の測定は、UV−3600(島津製作所製)を用いて行った。吸収強度の変化量は下記式により算出した。
吸収強度の変化量(%)={100×(2週間保存後の吸光度)/(染色液調製後1時間以内の吸光度)}−100
− 評価基準(析出の有無) −
A:25℃で2週間保管後も色素の析出が認められず、吸収強度の変化も認められない。
B:25℃で2週間保管後に色素の析出が認められる。
A:25℃で2週間保管後も色素の析出が認められず、吸収強度の変化も認められない。
B:25℃で2週間保管後に色素の析出が認められる。
− 評価基準(吸収スペクトル変化) −
A:吸収強度の変化量が5%未満
B:吸収強度の変化量が5%以上、10%未満
C:吸収強度の変化量が10%以上、20%未満
D:吸収強度の変化量が20%以上、30%未満
E:吸収強度の変化量が30%以上、40%未満
F:吸収強度の変化量が40%以上
A:吸収強度の変化量が5%未満
B:吸収強度の変化量が5%以上、10%未満
C:吸収強度の変化量が10%以上、20%未満
D:吸収強度の変化量が20%以上、30%未満
E:吸収強度の変化量が30%以上、40%未満
F:吸収強度の変化量が40%以上
上記表1に示される通り、本発明の病理診断用染色剤(No.1〜6)を用いた場合、細胞核染色性の評価、エオジン染色との色のコントラストの評価のいずれにおいても、HE染色と同様に優れた結果となった。さらに、本発明の病理診断用染色剤を用いた染色液(No.1〜6)は、長期保存しても色素の析出を生じにくく、ヘマトキシリンを含有する染色液(No.c1)に比べて格段に使い勝手がよいものであった。
<3−1.特殊染色(PAS染色)>
上記で作製したラットパラフィンブロック(腎臓)のパラフィン切片について、マイヤーヘマトキシリン液(武藤化学社製)又は病理診断用染色液No.1を用いて、下記手順によりPAS(periodic acid-Schiff:過ヨウ素酸シッフ)染色を実施した。
上記で作製したラットパラフィンブロック(腎臓)のパラフィン切片について、マイヤーヘマトキシリン液(武藤化学社製)又は病理診断用染色液No.1を用いて、下記手順によりPAS(periodic acid-Schiff:過ヨウ素酸シッフ)染色を実施した。
・上記切片の脱パラフィン(順にキシレンに5分×3回浸漬、エタノールに5分×3回浸漬、90%エタノールに浸漬、70%エタノールに浸漬、水洗浄)を行った。
↓
・1%過ヨウ素酸水溶液に10分浸漬した。
↓
・流水で5分水洗した。
↓
・コールドシッフ試薬に10分浸漬した。
↓
・亜硫酸水(3槽×3回)に各3分浸漬した。
↓
・流水で5分水洗した。
↓
・マイヤーヘマトキシリンに10秒×2回もしくは病理診断用染色液No.1に1分浸漬した。
↓
・流水で5分水洗した。
↓
・エオジン染色液に1分浸漬した。
↓
・流水で2秒水洗した。
↓
・95%エタノールに2秒浸漬した。
↓
・エタノールに2秒×2回浸漬した。
↓
・エタノールに5分×3回浸漬した。
↓
・キシレンに5分×3回浸漬した。
↓
・エンテランニューにて封入し、標本を作製した。
↓
・1%過ヨウ素酸水溶液に10分浸漬した。
↓
・流水で5分水洗した。
↓
・コールドシッフ試薬に10分浸漬した。
↓
・亜硫酸水(3槽×3回)に各3分浸漬した。
↓
・流水で5分水洗した。
↓
・マイヤーヘマトキシリンに10秒×2回もしくは病理診断用染色液No.1に1分浸漬した。
↓
・流水で5分水洗した。
↓
・エオジン染色液に1分浸漬した。
↓
・流水で2秒水洗した。
↓
・95%エタノールに2秒浸漬した。
↓
・エタノールに2秒×2回浸漬した。
↓
・エタノールに5分×3回浸漬した。
↓
・キシレンに5分×3回浸漬した。
↓
・エンテランニューにて封入し、標本を作製した。
上記の方法で作製した標本を、顕微鏡にBX53(オリンパス社製)、顕微鏡用カメラにDP70(オリンパス社製)を用いて観察した。
PAS染色において、マイヤーヘマトキシリン液を用いた染色では、グリコーゲン及び粘液は赤〜赤紫色に染まった。一方、病理診断用染色液No.1を用いた染色では青紫色に染まり、マイヤーヘマトキシリン液と同等の染色性を示した。
PAS染色において、マイヤーヘマトキシリン液を用いた染色では、グリコーゲン及び粘液は赤〜赤紫色に染まった。一方、病理診断用染色液No.1を用いた染色では青紫色に染まり、マイヤーヘマトキシリン液と同等の染色性を示した。
<3−2.特殊染色(PAM染色)>
上記で作製したラットパラフィンブロック(腎臓)のパラフィン切片について、マイヤーヘマトキシリン液(武藤化学社製)又は病理診断用染色液No.1を用いて、下記手順によりPAM(periodic acid meth-enamine silver:過ヨウ素酸メテナミン銀)染色を実施した。
上記で作製したラットパラフィンブロック(腎臓)のパラフィン切片について、マイヤーヘマトキシリン液(武藤化学社製)又は病理診断用染色液No.1を用いて、下記手順によりPAM(periodic acid meth-enamine silver:過ヨウ素酸メテナミン銀)染色を実施した。
・上記切片の脱パラフィン(順にキシレンに5分×3回浸漬、エタノールに5分×3回浸漬、90%エタノールに浸漬、70%エタノールに浸漬、水洗浄)を行った。
↓
・5%重クロム酸カリウム水溶液に30分浸漬した。
↓
・流水で10分水洗した。
↓
・1%過ヨウ素酸水溶液に15分浸漬した。
↓
・流水で5分水洗した。
↓
・55℃のメセナミン銀液に2時間浸漬した。
↓
・精製水(3槽)に2分浸漬した。
↓
・0.2%塩化金水溶液に5分浸漬した。
↓
・流水で2分水洗した。
↓
・しゅう酸ホルマリン液に1分浸漬した。
↓
・流水で1分水洗した。
↓
・希釈酸性硬膜定着液に2分浸漬した。
↓
・流水で5分水洗した。
↓
・マイヤーヘマトキシリンに10秒×2回もしくは病理診断用染色液No.1に1分浸漬した。
↓
・流水で5分水洗した。
↓
・エオジン染色液に1分浸漬した。
↓
・流水で2秒水洗した。
↓
・95%エタノールに2秒浸漬した。
↓
・エタノールに2秒×2回浸漬した。
↓
・エタノールに5分×3回浸漬した。
↓
・キシレンに5分×3回浸漬した。
↓
・エンテランニューにて封入し、標本を作製した。
↓
・5%重クロム酸カリウム水溶液に30分浸漬した。
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・流水で10分水洗した。
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・1%過ヨウ素酸水溶液に15分浸漬した。
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・流水で5分水洗した。
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・55℃のメセナミン銀液に2時間浸漬した。
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・精製水(3槽)に2分浸漬した。
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・0.2%塩化金水溶液に5分浸漬した。
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・流水で2分水洗した。
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・しゅう酸ホルマリン液に1分浸漬した。
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・流水で1分水洗した。
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・希釈酸性硬膜定着液に2分浸漬した。
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・流水で5分水洗した。
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・マイヤーヘマトキシリンに10秒×2回もしくは病理診断用染色液No.1に1分浸漬した。
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・流水で5分水洗した。
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・エオジン染色液に1分浸漬した。
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・流水で2秒水洗した。
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・95%エタノールに2秒浸漬した。
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・エタノールに2秒×2回浸漬した。
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・エタノールに5分×3回浸漬した。
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・キシレンに5分×3回浸漬した。
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・エンテランニューにて封入し、標本を作製した。
上記の方法で作製した標本を、顕微鏡にBX53(オリンパス社製)、顕微鏡用カメラにDP70(オリンパス社製)を用いて観察した。
PAM染色において、マイヤーヘマトキシリン液を用いた染色及び病理診断用染色液No.1を用いた染色のいずれも、基底膜及び細網線維が黒色に染まる染色が確認された。すなわち、病理診断用染色液No.1はマイヤーヘマトキシリン液と同様に、良好な染色性を示した。
PAM染色において、マイヤーヘマトキシリン液を用いた染色及び病理診断用染色液No.1を用いた染色のいずれも、基底膜及び細網線維が黒色に染まる染色が確認された。すなわち、病理診断用染色液No.1はマイヤーヘマトキシリン液と同様に、良好な染色性を示した。
また、病理診断用染色液No.1、No.2、No.3、No.c1について、RF−5300(島津製作所製)を用いて蛍光強度測定を行ったところ、病理診断用染色液No.1、No.2、No.3については赤色蛍光が観測され、病理診断用染色液No.c1については蛍光が観測されなかった。このことから、本発明の病理診断用染色剤を用いた場合には、蛍光顕微鏡を用いた観察による診断もできることがわかった。
Claims (11)
- 前記色素が、R1〜R8、R11、R12及びR16〜R18から選ばれる少なくとも1つの基の中にカチオン性基を有する、請求項1又は2に記載の病理診断用染色剤。
- 前記カチオン性基を前記R11及びR12が有する、請求項3又は4に記載の病理診断用染色剤。
- 水を含有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の病理診断用染色剤。
- アルコールを含有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の病理診断用染色剤。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の病理診断用染色剤を用いて細胞核を染色することを含む、細胞核染色方法。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の病理診断用染色剤を用いて細胞核を染色することを含む、病理標本の製造方法。
- エオジン染色により細胞質を染色することを含む、請求項9に記載の病理標本の製造方法。
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