JP2020066075A - ワイヤ放電加工用電極線 - Google Patents

ワイヤ放電加工用電極線 Download PDF

Info

Publication number
JP2020066075A
JP2020066075A JP2018199178A JP2018199178A JP2020066075A JP 2020066075 A JP2020066075 A JP 2020066075A JP 2018199178 A JP2018199178 A JP 2018199178A JP 2018199178 A JP2018199178 A JP 2018199178A JP 2020066075 A JP2020066075 A JP 2020066075A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wire
electric discharge
discharge machining
wire electric
electrode wire
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2018199178A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7155868B2 (ja
Inventor
洋輔 芝
Yosuke Shiba
洋輔 芝
木村 孝光
Takamitsu Kimura
孝光 木村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Proterial Ltd
Original Assignee
Hitachi Metals Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Metals Ltd filed Critical Hitachi Metals Ltd
Priority to JP2018199178A priority Critical patent/JP7155868B2/ja
Publication of JP2020066075A publication Critical patent/JP2020066075A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7155868B2 publication Critical patent/JP7155868B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Electrical Discharge Machining, Electrochemical Machining, And Combined Machining (AREA)

Abstract

【課題】ワイヤ放電加工用電極線と被加工物との間にパルス放電を起こすことで、被加工物を溶融・除去するワイヤ放電加工に用いられるワイヤ放電加工用電極線であって、放電加工を行う際の加工速度を高めることが可能で、かつ、消耗しにくいワイヤ放電加工用電極線を提供する。【解決手段】ワイヤ放電加工用電極線は、延在方向に対して直交する横断面が、5以上の角を有する正多角形であり、横断面に直交する複数の側面が当該延在方向に沿って平坦な面で構成される正多角柱から成る。【選択図】図2

Description

本発明は、ワイヤ放電加工用電極線に関するものである。
導電性を有する被加工物の輪郭形状を加工する加工機の1つとして、ワイヤ放電加工用電極線と被加工物との間で間欠的なパルス放電を発生させ、この時の熱的作用と衝撃力によって被加工物を溶融・除去しながら加工を行うワイヤ放電加工機が知られている。
特許文献1(特開2007−136579号公報)には、四角形の断面を有するワイヤ放電加工用電極線が記載されている。また、特許文献2(特開平6−143038号公報)には、ワイヤ放電加工の速度を向上させるために、ワイヤ放電加工用電極線を捻回することが記載されている。
特開2007−136579号公報 特開平6−143038号公報
ワイヤ放電加工技術に関しては、放電による加工速度を向上させることが一般的な課題として存在している。また、加工速度が向上することで、加工量に対するワイヤ放電加工用電極線の消耗を低減することができれば、ワイヤ放電加工用電極線の交換に要するコストを抑えることができ、加工費用を低減することが可能である。
ここで、断面が円形であるワイヤ放電加工用電極線を用いて加工を行う場合、被加工物にワイヤ放電加工用電極線を接近させた際に最も近接した点でのみ放電が起こるため、1回の放電により被加工物が溶融する箇所が限定され、これに起因して加工速度が遅くなる問題がある。
本発明の目的は、放電加工を行う際の加工速度を高めることが可能で、かつ、消耗しにくいワイヤ放電加工用電極線を提供することにある。
その他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される実施の形態のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
一実施の形態であるワイヤ放電加工用電極線は、延在方向に対して直交する横断面が、5以上の角を有する正多角形であり、前記横断面に直交する複数の側面が前記延在方向に沿って平坦な面で構成される正多角柱から成るものである。
本願において開示される一実施の形態によれば、放電加工を行う際の加工速度を高めることが可能で、かつ、消耗しにくいワイヤ放電加工用電極線を提供することができる。
本発明の実施の形態1であるワイヤ放電加工用電極線を含むワイヤ放電加工機の概略斜視図である。 本発明の実施の形態1であるワイヤ放電加工用電極線および被加工物の断面図である。 本発明の実施の形態2であるワイヤ放電加工用電極線および被加工物の断面図である。 本発明の実施の形態2であるワイヤ放電加工用電極線および被加工物の断面図である。 比較例であるワイヤ放電加工用電極線および被加工物の断面図である。
以下、実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、以下の実施の形態では、特に必要なとき以外は同一または同様な部分の説明を原則として繰り返さない。
(実施の形態1)
本実施の形態1のワイヤ放電加工用電極線は、断面(断面形状)を正多角形とし、断面に直交する複数の側面が延在方向に沿って平坦な面で構成される正多角柱とすることで、ワイヤ放電加工用電極線と被加工物との間で対向する面において放電を起こし、これにより、ワイヤ放電による摩耗を低減するとともに加工速度を高めるものである。
<ワイヤ放電加工用電極線の構造>
以下に、図1および図2を用いて、本実施の形態のワイヤ放電加工用電極線の構造について説明する。図1は、本実施の形態1であるワイヤ放電加工用電極線を含むワイヤ放電加工機の概略斜視図である。図2は、本実施の形態1であるワイヤ放電加工用電極線と、当該ワイヤ放電加工用電極線により加工される被加工物との断面図である。図1および図2で示すX方向およびY方向は、平面視において、被加工物に対して相対的にワイヤ放電加工用電極線が動き得る方向であり、例えば、被加工物2の上面に沿う方向である。X方向およびY方向は、平面視で互いに直交する方向である。また、図1および図2で示すZ方向はワイヤ放電加工用電極線の延在方向であり、X方向およびY方向のそれぞれに対して直交する方向である。
図1に示すように、ワイヤ放電加工機は、消耗部品であり交換可能なワイヤ放電加工用電極線1と、ワイヤ放電加工用電極線1をZ方向に延在するように張った状態で固定するためのローラ3、4とを有している。また、図示はしていないが、ワイヤ放電加工機はワイヤ放電加工用電極線1の周囲に、X方向およびY方向に動かすことが可能なテーブルを備えており、テーブル上には、被加工物(加工対象、工作物、鋼材)2が固定されている。ローラ3はテーブルおよび被加工物2のそれぞれの上に位置し、ローラ4はテーブルおよび被加工物2のそれぞれの下に位置している。図1では、板状の被加工物2の上面から下面に貫通するスタート穴5が形成されており、ワイヤ放電を行ってスタート穴5から所定の領域を加工した様子を示している。図示はしていないが、被加工物2は、加工液中に浸漬されている。加工液は例えば導電率が一定となっている液体であり、絶縁油またはイオン交換水などが用いられる。
ワイヤ放電加工機はワイヤ放電加工用電極線1と被加工物2との間で間欠的なパルス放電を発生させ、この時の熱的作用と衝撃力によって被加工物を溶融・除去しながら加工を行うものである。ここでは、上記テーブルおよび被加工物2をX方向またはY方向に動かすことにより加工を行う。すなわち、実際に進むのは被加工物2であるが、本願では被加工物2に対して相対的にワイヤ放電加工用電極線1が進む方向を進行方向(走査方向)と呼ぶ。ワイヤ放電加工用電極線1はX方向およびY方向において移動せず固定されているが、Z方向においては、加工作業中にローラ3、4が回転することにより下方または上方に送り出される。これは、放電に伴うワイヤ放電加工用電極線1の消耗に起因して、加工精度の低下および断線が起きることを防ぐためである。
ワイヤ放電加工用電極線1は導電性部材から成り、例えば真鍮から成る。また、被加工物2も導電性部材から成る。ワイヤ放電加工では、共に導電性を有するワイヤ放電加工用電極線1と被加工物2との間で放電を起こしながら、被加工物2に対してワイヤ放電加工用電極線1を走査させることで被加工物2を加工する。比較的硬い材料も加工できるため、ワイヤ放電加工機は、例えば金型などを作成する際の加工に用いられる。
図2に示すように、ワイヤ放電加工用電極線1の延在方向(Z方向)に対して直交する面であるワイヤ放電加工用電極線1の横断面(以下、単に断面と呼ぶ)は、正多角形である。具体的には、ワイヤ放電加工用電極線1は正十二角形の断面を有している。ただし、ワイヤ放電加工用電極線1の断面は正三角形でも正四角形でもなく、5以上の角を有する正多角形であることが好ましい。ワイヤ放電加工用電極線1の直径は、例えば0.05〜0.3mmである。なお、図2および後の説明で用いる図3〜図5では、図を分かり易くするため、断面であってもハッチングを省略している。また、図2〜図5では、放電が起こる箇所を1または複数の矢印で示している。図2では、例としてY方向がワイヤ放電加工用電極線1の進行方向である場合の加工工程中の構造を示している。
ワイヤ放電加工用電極線1の断面(横断面)が、複数の角(頂点)を有する正多角形であるため、加工された被加工物2の側面(加工面)は、ワイヤ放電加工用電極線1の複数の側面のそれぞれに対向する面を備えた形状となっている。これは、ワイヤ放電加工用電極線1の断面が多角形であるために、ワイヤ放電加工用電極線1がY方向に進んで被加工物2に接近した際、ワイヤ放電加工用電極線1の角ではなく一部の側面全体が被加工物2に最接近し、当該側面全体において放電が起きるためである。
本実施の形態の主な特徴は、このように面全体で放電を起こすことで、放電の発生領域を広げ、加工速度を高めることにある。このような効果を得る観点から、正多角形の断面を有するワイヤ放電加工用電極線1の1つの側面9が、進行方向(Y方向)を向いていることが望ましい。言い換えれば、正多角形の断面を有するワイヤ放電加工用電極線1の1つの側面9が、進行方向(Y方向)に対して垂直であることが望ましい。
また、ワイヤ放電加工用電極線1が有する12の側面のうち、進行方向(Y方向)に対して平面視で直交する方向(X方向)における両端の2つの側面10のそれぞれは、加工済みの被加工物2の側面と平行である。ワイヤ放電加工用電極線1は断面が4の倍数である12の角を有する正多角形であるため、上記のように1つの側面9が進行方向に向いている場合には、進行方向に対して平面視で直交する方向、つまり進行方向に対して真横の2つの側面10のそれぞれは必ず進行方向に沿っており、加工済みの被加工物2の側面も進行方向に沿っている。言い換えれば、側面10はワイヤ放電加工用電極線1の進行方向に平行である。このため、側面10と加工済みの被加工物2の側面とは、互いに平行であり、互いに対向している。また、ワイヤ放電加工用電極線1の断面は線対称であり、2つの側面10同士は、互いに平行である。
このため、例えばY方向に進行しているワイヤ放電加工用電極線1の構成する部分のうち、側面10が被加工物2に最接近することはない。したがって、側面10と被加工物2の側面との間において放電は起こりにくく、放電は側面10よりも進行方向側(加工予定の被加工物2側)に位置するワイヤ放電加工用電極線1の表面と被加工物2との間で起こる。言い換えれば、放電は、断面におけるワイヤ放電加工用電極線1の中心から進行方向側に向かって角度θ1の範囲内のワイヤ放電加工用電極線1の表面と被加工物2との間で起こる。角度θ1は、2つの側面10断面におけるワイヤ放電加工用電極線1の中心と、2つの側面10の進行方向側の端部とを結ぶ線同士のなす角度である。よって、ワイヤ放電加工用電極線1の消耗する領域は、角度θ1の範囲内に限られる。角度θ1は、180度よりも小さい鈍角である。
ここで、ワイヤ放電加工用電極線1は、ローラ3とローラ4との間において、捻れていない。つまり、ワイヤ放電加工用電極線1の有する12の側面のそれぞれは、ローラ3とローラ4との間において1つの方向のみを向いている。言い換えれば、それらの側面のそれぞれは、ワイヤ放電加工用電極線1の延在方向(Z方向)において連続的に平坦な面で構成されている。
これは、ワイヤ放電加工用電極線1が捻回されている場合、ワイヤ放電加工用電極線1の延在方向(Z方向)において、放電し易い箇所と放電しにくい箇所とが生じ、加工精度および加工速度の低下が起きる虞があるためである。そこで、本実施の形態では、捻れがなく、全ての側面が平坦な正多角柱から成るワイヤ放電加工用電極線1を用いている。つまり、ある高さにおけるワイヤ放電加工用電極線1の側面が進行方向などの所定の方向(例えばY方向)を向いている場合、他の高さにおけるワイヤ放電加工用電極線1の当該側面は、同じ所定の方向(例えばY方向)を向いている。このように捻れなくワイヤ放電加工用電極線1を張ることで、加工精度および加工速度の低下を防ぐことができる。
このようなワイヤ放電加工用電極線1を用いて行うワイヤ放電加工では、例えば、金型、金属部品または工具(ドリルの刃先など)などを作製することができる。また、本実施の形態のような正多角形の断面を有するワイヤ放電加工用電極線1は、例えば正多角形の穴を有する伸線ダイスに金属線を通して引き出し、これにより金属線を所望の形状に絞ることで製造することができる。
<本実施の形態の効果>
以下に図5を用いて、本実施の形態の効果について説明する。図5は、比較例であるワイヤ放電加工用電極線および被加工物の断面図である。
図5に示すように、比較例のワイヤ放電加工用電極線8は、断面が円形である点で、本実施の形態のワイヤ放電加工用電極線とは異なる。つまり、ワイヤ放電加工用電極線8の断面における輪郭は角および直線を有していない。すなわち、ワイヤ放電加工用電極線8の側面は平面を有していない。ワイヤ放電加工用電極線8の断面は、例えば真円である。
ワイヤ放電加工は高精度な加工を可能とする技術であるが、加工速度が遅いことが課題となっている。加工速度を高めることは、加工に要する時間の短縮およびワイヤ使用量の低下などによる加工コストの低減にも繋がる。
ワイヤ放電加工における放電では、ワイヤ放電加工用電極線と被加工物とが一定距離まで近付いた際に生じる。このため、図5に示す比較例のように、ワイヤ放電加工用電極線8の断面が円形である場合、ワイヤ放電加工用電極線8と被加工物2との距離が最も近い1点で放電が起きる。なお、ワイヤ放電加工用電極線8はZ方向に延在しているため、Z方向(高さ方向)も考えれば、比較例では点ではなく線で放電が起きるともいえる。
その結果、被加工物2の溶融箇所は平面視で1点に限られ、間欠的に起こるパルス放電のうち、1回の放電で加工することができる範囲が狭い範囲に限られる。このため、被加工物2を放電加工する速度が遅いという問題がある。
また、断面が真円のワイヤ放電加工用電極線8では、ワイヤ放電加工用電極線8の表面のうち、断面の中心から進行方向側に広がる角度θ4の範囲内の表面と被加工物2との間で放電が起こる。角度θ4は、180度である。これは、ワイヤ放電加工用電極線8の断面が真円であることで、ワイヤ放電加工用電極線8の表面のうち、進行方向側の半円の全ての領域が被加工物2に最接近する可能性があるためである。このようにワイヤ放電加工用電極線8の広い範囲の側面で放電が起こることは、放電によるワイヤ放電加工用電極線8の消耗が大きくなることを意味する。放電により消耗する範囲および消耗する量が多い場合、放電を行うことでワイヤ放電加工用電極線8が細くなるため、ワイヤ放電加工用電極線8が断線する虞が高くなる。
断線を防ぐためには、ワイヤ放電加工用電極線8の交換速度(Z方向へ送る速度)を速めることが考えられるが、これは加工費用の増大を引き起こす。また、断線を防ぐために、被加工物2およびワイヤ放電加工用電極線8に印加する電力を低下させることが考えられるが、この場合、放電が起こり難くなり、放電により溶融する被加工物2の量も低下することが考えられ、放電加工の速度が低下する結果となる。
これに対し、本実施の形態では、図2に示すようにワイヤ放電加工用電極線1が正多角形の断面を有している。このため、ワイヤ放電加工において、ワイヤ放電加工用電極線1は所定の角の1点ではなく、12の側面のうちの一部の側面の全体が被加工物2に最接近する。つまり、放電はワイヤ放電加工用電極線1の面で起こる。このとき、1回の電力印加で複数の側面のそれぞれにおいて同時に放電が起きることで、比較例に対し非常に広い範囲の被加工物2の表面を溶融することができるため、加工速度を飛躍的に高めることができる。また、1回の電力印加で、ワイヤ放電加工用電極線1の複数の側面のうち1つの側面のみで放電が起きた場合であっても、比較例のように1点または線で放電が起きる場合に比べると、被加工物の溶融量を増加させることができ、これにより加工速度を高めることができる。
上記の効果は、ワイヤ放電加工用電極線1の断面の正多角形の角の数が奇数である場合、または、4の倍数以外の偶数である場合にも得ることができる。つまり、本実施の形態のワイヤ放電加工用電極線1の断面は、5以上の角を有する正多角形であることにより、上記の効果を得ることができる。
ワイヤ放電加工用電極線1の断面の角の数が4の倍数(例えば12)であれば、Y方向、X方向のどちらに加工する場合でも、進行方向に対してワイヤ放電加工用電極線1の側面を向けることができ、角を進行方向に向けることがない。これにより、当該角と被加工物2との間の1点のみで放電が起きることに起因して、比較例のように加工速度が低下することを防ぐことができる。また、ワイヤ放電加工用電極線1の偏った消耗、および、加工精度の低下を防ぐことができる。これらの効果は、ワイヤ放電加工用電極線1の断面の角の数が4の倍数である場合に比べて、当該角の数が奇数である場合には得ることが難しい。また、これらの効果は、当該角の数が4の倍数以外の偶数(例えば正六角形)である場合には、1つ方向(例えばY方向)にワイヤ放電加工用電極線1を走査する場合には得ることができても、当該方向に対して垂直な方向(例えばX方向)にワイヤ放電加工用電極線1を走査する場合には得ることが難しい。
また、ワイヤ放電加工用電極線1の断面の角の数が奇数である場合、ワイヤ放電加工用電極線1の所望の側面が被加工物2に対して向くようにローラ3およびローラ4の間に固定することが困難である。
また、図5に示す角度θ4(180度)に比べ、図2に示す角度θ1は小さい。すなわち、放電によりワイヤ放電加工用電極線1が消耗する範囲は、比較例よりも狭い。これは、進行方向に対して平面視で直交する方向において、ワイヤ放電加工用電極線1の側面と被加工物2の加工済みの側面とが互いに対向し、互いに平行となっているためである。このように、ワイヤ放電加工用電極線1の消耗を低減することができるため、ワイヤ放電加工用電極線1が消耗により細くなることに起因する断線を防ぐことができる。また、断線に対する耐久性を向上させることができるため、ワイヤ放電加工用電極線1の張りを強くし、加工精度を高めることも可能である。また、断線に対する耐久性を向上させることができるため、ワイヤ放電加工用電極線1に、より大きい電力を印加することが可能となる。よって、断線を防ぎつつ、加工速度を高めることができる。
上記のようにワイヤ放電加工用電極線1の消耗する範囲を狭めることによる効果は、ワイヤ放電加工用電極線1の断面の角の数が偶数である場合に比べ、当該角の数が奇数である場合には得にくい。また、これらの効果は、当該角の数が4の倍数以外の偶数(例えば正六角形)である場合には、1つ方向(例えばY方向)にワイヤ放電加工用電極線1を走査する場合には得ることができても、当該方向に対して垂直な方向(例えばX方向)にワイヤ放電加工用電極線1を走査する場合には得ることが難しい。
以上のことから、本実施の形態の効果は、ワイヤ放電加工用電極線1の断面を正多角形とすることで得られるものであるが、より加工速度を向上し、よりワイヤ放電加工用電極線1の消耗を低減する観点から、ワイヤ放電加工用電極線1の断面は4の倍数の角を有する正多角形であることが望ましい。言い換えれば、ワイヤ放電加工用電極線1は、ワイヤ放電加工用電極線1の断面に沿う第1方向(例えばY方向)と、当該断面に沿い第1方向に対して直交する第2方向(例えばX方向)のそれぞれにおいて平行な2つの面を有していることが望ましい。
ただし、ワイヤ放電加工用電極線1の断面が四角形である場合、進行方向のワイヤ放電加工用電極線1の面の両端部である2つの角が被加工物2に対し接近し過ぎるため、当該2箇所に放電が集中し、加工速度が低下し、ワイヤ放電加工用電極線1の消耗箇所が偏り、加工精度が低下する虞がある。また、ワイヤ放電加工用電極線1の断面が四角形である場合、Y方向およびX方向以外の斜めの方向に被加工物2を加工しようとすると、放電する箇所が限定され、加工速度および加工精度が極端に低下する。つまり、加工の自由度が低下する虞がある。これらの問題は、ワイヤ放電加工用電極線1の断面が正三角形である場合にも起こる。したがって、ワイヤ放電加工用電極線1の断面は、正四角形よりも角の数が多い正多角形である必要がある。つまり、本実施の形態のワイヤ放電加工用電極線1の断面は5以上の角を有する正多角形である。
また、ワイヤ放電加工用電極線1の断面は、4よりも多い4の倍数の角を有する正多角形であることがより望ましい。この場合、nを1より大きい整数であるとすると、ワイヤ放電加工用電極線1の断面は4nの角を有する正多角形である。すなわち、ワイヤ放電加工用電極線1の断面は、4n(n>1、nは整数)の角を有する正多角形である。
(実施の形態2)
前記実施の形態1では、ワイヤ放電加工用電極線の断面が正十二角形である場合について説明したが、当該断面の角の数は12以外でもよい。ここでは断面が正十六角形であるワイヤ放電加工用電極線6を図3に示し、断面が正八角形であるワイヤ放電加工用電極線7を図4に示している。
ワイヤ放電加工用電極線1の断面の角が図3に示すワイヤ放電加工用電極線6のように比較的多い場合には、ワイヤ放電加工用電極線1の断面が真円に近づく。これにより、被加工物2の輪郭が角または曲線を有するように加工を行う際の加工精度を高めることができる。ただし、前記実施の形態1で比較例を用いて述べた通り、ワイヤ放電加工用電極線1の断面が真円である場合には、加工時に放電がワイヤ放電加工用電極線1の側面の1箇所に集中し易く、加工速度が低下し、ワイヤ放電加工用電極線1の消耗が増大する。このような問題が起きることを防ぐ観点から、ワイヤ放電加工用電極線1の断面の正多角形の角の数は、過度に増大させるべきではなく、24以下であることが望ましい。これは、実施の形態1においても同様である。なお、角度θ2は、図2に示す角度θ1に比べ大きい。
ワイヤ放電加工用電極線1の断面の角が図4に示すワイヤ放電加工用電極線7のように比較的少ない場合には、前記実施の形態1で比較例を用いて述べたような、ワイヤ放電加工用電極線1の断面が真円である場合の問題(加工速度の低下およびワイヤ放電加工用電極線1の消耗の増大)を防ぐことができる。また、角が少ないことで、放電する面積を増大させることができる。また、角度θ3は、図2に示す角度θ1に比べ小さいため、放電する範囲を狭めてワイヤ放電加工用電極線1の消耗を抑えることができる。したがって、加工速度を高める観点およびワイヤ放電加工用電極線1の消耗を抑える観点では、ワイヤ放電加工用電極線1の断面の角の数は少ないことが望ましい。
以上、本発明者らによってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
1、6〜8 ワイヤ放電加工用電極線
2 被加工物2
3、4 ローラ
5 スタート穴
9、10 側面

Claims (4)

  1. 延在方向に対して直交する横断面が、5以上の角を有する正多角形であり、前記横断面に直交する複数の側面が前記延在方向に沿って平坦な面で構成される正多角柱から成る、ワイヤ放電加工用電極線。
  2. 請求項1記載のワイヤ放電加工用電極線において、
    前記正多角形の前記角の数は、4n(n>1、nは整数)である、ワイヤ放電加工用電極線。
  3. 請求項1または2に記載のワイヤ放電加工用電極線において、
    前記正多角形の前記角の数は、24以下である、ワイヤ放電加工用電極線。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載のワイヤ放電加工用電極線において、
    前記複数の側面は、互いに平行な2つの側面を有し、前記2つの側面は、前記延在方向において連続的に平行な関係にある、ワイヤ放電加工用電極線。
JP2018199178A 2018-10-23 2018-10-23 ワイヤ放電加工用電極線 Active JP7155868B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018199178A JP7155868B2 (ja) 2018-10-23 2018-10-23 ワイヤ放電加工用電極線

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018199178A JP7155868B2 (ja) 2018-10-23 2018-10-23 ワイヤ放電加工用電極線

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020066075A true JP2020066075A (ja) 2020-04-30
JP7155868B2 JP7155868B2 (ja) 2022-10-19

Family

ID=70389195

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018199178A Active JP7155868B2 (ja) 2018-10-23 2018-10-23 ワイヤ放電加工用電極線

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7155868B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113210769A (zh) * 2021-04-02 2021-08-06 广东工业大学 一种加工电极、电解铣削加工装置及应用其的加工方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS49104411U (ja) * 1972-12-28 1974-09-06
JPS62157727A (ja) * 1985-12-28 1987-07-13 Ofic Co ワイヤカツト放電加工方法
JP3002783U (ja) * 1994-04-05 1994-10-04 株式会社エノモト ワイヤー放電加工機用ワイヤー
US5585013A (en) * 1995-04-07 1996-12-17 Truty; Thomas J. Electrode guide
WO2012070167A1 (ja) * 2010-11-24 2012-05-31 三菱電機株式会社 ワイヤ放電加工装置および半導体ウエハ製造方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS49104411U (ja) * 1972-12-28 1974-09-06
JPS62157727A (ja) * 1985-12-28 1987-07-13 Ofic Co ワイヤカツト放電加工方法
JP3002783U (ja) * 1994-04-05 1994-10-04 株式会社エノモト ワイヤー放電加工機用ワイヤー
US5585013A (en) * 1995-04-07 1996-12-17 Truty; Thomas J. Electrode guide
WO2012070167A1 (ja) * 2010-11-24 2012-05-31 三菱電機株式会社 ワイヤ放電加工装置および半導体ウエハ製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113210769A (zh) * 2021-04-02 2021-08-06 广东工业大学 一种加工电极、电解铣削加工装置及应用其的加工方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP7155868B2 (ja) 2022-10-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR960011076B1 (ko) 홈절삭용 인서트(insert)
JPWO2008133199A1 (ja) 切削インサート及び切削方法
KR20130072242A (ko) 부등나선각 엔드밀
JP2017196693A (ja) 切削インサート
JP2010260151A (ja) ワイヤ放電加工装置及び放電加工方法
JP7155868B2 (ja) ワイヤ放電加工用電極線
TWI424897B (zh) 線切割放電加工方法與裝置、及線切割放電加工用程式製作裝置、以及記錄有製作線切割放電加工用程式的程式之可電腦讀取記錄媒體
US10821531B2 (en) Hard tip band-saw blade
KR101192490B1 (ko) 절삭 인서트
US20110114603A1 (en) Wire cut electrical discharge machine
CN113677470B (zh) 线放电加工机
EP0347152B1 (en) Tapered slot end mill
CN101306476B (zh) 用于加工高粘性、耐高温金属材料的切削刀片
JP2014054696A (ja) 溝入れ加工方法、溝入れ加工工具、及び溝入れ加工工具保持構造
JP2018015806A (ja) 逐次成形用工具及びこれを用いた逐次成形方法
CN203496143U (zh) 一种定制槽型的多线切割用导轮
KR20210028717A (ko) 볼엔드밀 및 절삭 인서트
JP2020082208A (ja) 切削用インサート、刃先交換式回転切削工具及び刃先交換式回転切削工具の使用方法
JP2009291856A (ja) 放電加工用電極線
JP2019081249A (ja) スラブの表面手入れ方法
US20220016714A1 (en) Cutting part and lathe
US20210078088A1 (en) End mill
JP2018069398A (ja) 給電子、マルチワイヤ放電加工装置
JP2015024445A (ja) 刃先交換式回転切削工具
CN110842233A (zh) 一种具有多进刀方向的车削刀片

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210416

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220228

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220308

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220426

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220906

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220919

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7155868

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350