JP2020065446A - 振動、傾斜を自動検知して消火させる蚊取り線香容器 - Google Patents

振動、傾斜を自動検知して消火させる蚊取り線香容器 Download PDF

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Abstract

【課題】蚊取り線香燻煙中において外力による容器の振動や傾斜時に、蚊取り線香の火の粉や灰を容器内に自動的に封入させて飛散を防ぐこと、自然消火させることができることおよび容器を定置状態に復元させることができる蚊取り線香容器を提供する。【解決手段】本発明における蚊取り線香容器は、その機能を振動傾斜検知部、蚊取り線香収納消火部および容器保全部の三部構成とする。振動傾斜検知部は、容器の振動や傾斜の発生時にそれを機械的に検知し、自動的に容器の上蓋を閉じる。蚊取り線香収納消火部は上述の上蓋の閉鎖により、燻煙中の蚊取り線香の火の粉や灰を容器内に封入して飛散を防ぎ、かつ容器内における窒息効果で自然消火させる。容器保全部は容器全体の丸形や卵形の形状および容器内底部位の錘の機能により、傾斜した容器を定置状態に復元させる。これらの機能により本課題を解決する。【選択図】 図7

Description

本発明は着火型蚊取り線香を内包する蚊取り線香容器において、外力等による容器の振動や傾斜等の発生時に、火の粉や灰を容器内に自動的に封入させて飛散を防ぎ、かつ自然消火させることができる対振動、対傾斜等の機能および消火機能を有する蚊取り線香容器に関する。
蚊取り線香の起源は平安時代ともいわれるが、現在一般的に使用される蚊取り線香が世に普及したのは明治時代である。現在、製品として普及しているのは主に渦巻き型であるが、用途によっては棒状や粉末状のものも存在する。それらすべてに共通することは、着火して線香を燻煙させ、その煙に内包される除虫成分により使用空間において除蚊する機能を有することである。
本書では特にそれらの着火型蚊取り線香をすべて「蚊取り線香」という表記に統一する。
近年、電化製品による蚊取り器具が普及し、燻煙のない蚊取り器具を使用する家庭が増加した。その大きな理由の一つは火を使わないため火災の危険性が少ないこと、また密閉型住宅の普及で煙の濃度が人体に悪影響を与える等、いくつかの理由による。
しかし現在も夏季に量販店の蚊取り器具販売コーナーをみると、従来から使われる蚊取り線香が数多く陳列されている。その理由は安価であること、そして農作業など電源を利用できない屋外での使用が容易な蚊取り線香の需要が多いためである。
また近年の傾向としてアジア、アフリカ等において蚊の媒介によるデング熱の流行対策が必要となり、安価で除蚊に対して高性能な日本製の蚊取り線香が広く海外で利用されている実態があり、それらも現在における蚊取り線香需要の一因である。
つまり時代の変遷とともに、現在の蚊取り線香の需要が減少しているわけではなく、むしろ現在は利用目的や利用場所に合わせて、燻煙のない蚊取り器具との使い分けがなされている傾向がある。
一方、蚊取り線香が有する問題点もいくつか指摘されている。その中には、より除虫効果を高めるため、その成分に科学物質や防カビ剤等が含まれているものがあり、一部にアレルギーの原因となることが指摘されている。また近年の密閉型住宅への居住により、使用空間における煙や除虫成分の濃度が幼児、高齢者、呼吸器系疾患者あるいはペット等への健康被害となることへの懸念がある。さらに公衆衛生や対人モラルへの過剰意識により、必要以上に着衣への煙の付着を気にする人が増加傾向にあるなど時代の変遷とともに生じた問題がある。
一方、蚊取り線香が使用されはじめてから約百年の歴史の中で変わらぬ問題点がある。それは火災対策である。一般的に蚊取り線香は、一定箇所に設置して火を使うという特性を持つため、不測の事態における火災の心配は常にあったことが容易に想像し得る。
しかし全国的に囲炉裏やかまどが生活の中心であった時代には、タバコの始末等も含めて、火の使用あるいは保全は家庭教育を中心に人々に浸透していたため、火災防止は火から目を離さないことや幼児には火を使わせないことなど、人が意図的に行う対策が主なものであった。
従ってそのような時代背景の中で使用されてきた蚊取り線香についても、不測の事態に自動的に対応する台や容器の開発よりはむしろ、生活の中で事故なく使用するための人的配慮がより重視されてきたと思われる。
それでも以下に示す数例の先行技術文献のように、これまでに火災を防止し、蚊取り線香を安全に使用するための対策として、様々な研究開発が行われてきた。
例えば特許文献1のように、上下二つに分かれる平型の金属容器のそれぞれの内部に不燃性ネットを配置して、蚊取り線香をサンドイッチ状に上下から押さえ込み、燃焼中の蚊取り線香が衝撃等により動かないようにして燻煙させる蚊取り線香容器がある。
また例えば特許文献2のように、上部が開口する金属容器内部のマット上に固定された蚊取り線香を上側から網状素材の中蓋により固定し、蚊取り線香が動かないようにしたうえで、布や紙等、外部からの飛翔体が燻煙器を覆うようなときに、覆いの衝撃でヒンジの付いた容器の上蓋が閉鎖して火の粉や灰を容器内に封入することで可燃物との接触を防ぎ、窒息効果により蚊取り線香を自然消火させる蚊取り線香容器がある。
一方、例えば特許文献3のように、煙が排出される複数の孔を有する上側の半球と、蚊取り線香を水平に配置し、内底部位に錘を配置している下側の半球を中央のカップリングで接続し使用するすることで、燻煙中の蚊取り線香容器が外力等による振動や傾斜あるいは転倒時に、蚊取り線香を安全に継続燻煙させるために、水平位置を復元できる蚊取り線香容器がある。
また例えば特許文献4では、外力等による傾斜や転倒で灰が外部に出ないように配慮し、酸欠を防止しつつ燻煙状態を継続させる機能を有する蚊取り線香容器がある。
実開昭59−59785 特開2000−325002 実開昭50−129447 特開2002−136254
本発明において解決すべき課題は、火災を未然に防止するために蚊取り線香の燻煙中に外力等による容器の振動や傾斜等が発生した際、火の粉や灰を容器内に自動的に封入させて飛散を防ぎ、かつ自然消火させることができる対振動、対傾斜等の機能および消火機能を有する蚊取り線香容器を提供することである。
ここであらためて、蚊取り線香燻煙中の火災について述べる。蚊取り線香燻煙中における火災の原因については主に以下のようなものがある。
まず生活上の過失あるいは誤謬によるものがある。例えば、視力不十分な家族のひとりが、不意に燻煙中の蚊取り線香に接触し、それを転倒させたりしたときに、それに気づかずに対応を怠り火災に発展する場合である。
これは家族等に認知症等の高齢者や幼児等の行為無能力者、乳児等の意思無能力者がいる場合についても同様の場面が想定される。
次に犬、猫等の動物による接触事故がある。家庭内で蚊取り線香を使用するとき、例えば突然の衝撃や音に感応した猫の不意で俊敏な動作とその力により、比較的安全な場所に設置されたはずの蚊取り線香を転倒させ、それが火災の原因になることがある。
また直接の接触以外でも例えば縁側に設置した蚊取り線香に対して、人手を離れた犬の首輪から伸びる制御用のひもや鎖等が蚊取り線香に接触して転倒させることにより火災の発生が想定される。
次に自然現象に伴う事故がある。例えば地震等の自然災害が発生すると、その振動により燻煙中の蚊取り線香が転倒し周囲に可燃物が存在する状況で、人が蚊取り線香の転倒に対応できないときに火災が発生する可能性がある。
これは単に自然災害に限らず、通常の生活において、人が席を外した縁側や窓を開けた部屋での蚊取り線香の燻煙中、突然の強風により蚊取り線香が転倒するような一般的な自然現象でも容易に発生する。さらに強風で飛来した布や紙等の可燃物が蚊取り線香に直接接触し火災に発展することも考えられる。
一方、自然災害では水道、電気あるいはガス等のインフラストラクチャーの寸断がみられる。その中で大都市以外の一般家庭で使用頻度が高いプロパンガスは、空気より重い性質があるため、例えば地震の発生による家屋の一部損壊によりガス漏れが発生すると、それが床面に貯留する可燃物となり、床面等に置いた蚊取り線香に引火して火災に発展する恐れがある。
以上、一般的な生活における蚊取り線香の使用において想定される事故と火災の原因について述べた。ここで共通する火災事故は、転倒した蚊取り線香の火が可燃物に接触して火災になること、そして火災に発展する前に人の手で蚊取り線香の位置の復元や消火ができないことに起因する。
ついては上述したような想定し得る火災事故の原因を人の手を介さずに取り除くために本発明における課題を提起したわけである。
振り返って特許文献1では、蚊取り線香をサンドイッチ状に上下から挟み込む形状であるため、外部からの衝撃等により蚊取り線香が容器から脱落する可能性は低い。また接地面積が大きく高さを有しない安定形状のため、水平に設置した際の外力等による転倒は少ないが、反対に一度転倒するとその状態のまま燻煙が継続され、煙を排出する開口部から火の粉や灰が下方に落ちる可能性が生じるため、火の粉と灰の容器内への封入が実現できず、本発明の課題を解決できない。
次に特許文献2では、飛来物の重みで半開状の上蓋が閉まることにより、火の粉と灰の保護と蚊取り線香を消火する機能がある。しかし飛来物の方向によっては開口部と上蓋の隙間に飛来物が直接到達する可能性があるため、その際に上蓋閉口による火の粉と灰の保護および消火ができない。またそのような状況では、その形状ゆえに飛来物到来以前に強風による容器転倒のおそれと、転倒状態の継続による火の粉や灰の容器外への落出の恐れがあり、本発明の課題を解決できない。
次に特許文献3では、燻煙中の蚊取り線香の水平位置を保持するため、蚊取り線香容器が球状に形成されており、内底部の錘の機能と併せて容器の揺れや転倒が発生したときに、蚊取り線香を自動的に水平に戻して燻煙を継続させている。
またここでは、前述の特許文献1にみられる容器とは異なり、天地上下の状態では安定しない形状および構造のため、火の粉や灰が重力により容器外部に出る可能性は低い。さらに前述の特許文献2にある布等飛来物への対応については、複数孔のある上側半球がガードとして機能し、飛来物が直接的に燻煙中の蚊取り線香本体と接触する危険性を回避できる。
しかし着火した蚊取り線香が定位置に固定されている状態で、容器の転倒や回転により生じる遠心力で、火の粉や灰が煙排出口から容器外部へ飛散することへの有効な対策がない。また渦巻き状蚊取り線香の固定がその中心付近に集中するため、容器の複数回転時にみられる強い遠心力が生じると、蚊取り線香の固定部位付近が折れて脱落し、容器内壁に衝突を繰り返しながら分解される可能性が高い。
ついては前述した容器の燻煙排出口から火の粉や灰が容器外部に飛散する可能性がさらに高くなるため、容器転倒時における蚊取り線香の火の粉や灰の飛散防止措置としては不十分であり、本発明における課題を解決できない。
その点特許文献4においては、蚊取り線香の保持が十分であり外力による容器の複数回転時においても、内部の蚊取り線香が保持された位置からの脱落対策がなされている。また回転時の遠心力による火の粉や灰の飛散への対策も十分である。
しかし特許文献4による蚊取り線香容器の目的は、安全に燻煙を継続することであり、蚊取り線香の消火機能を有しない。そのため地震等による揺動に対して蚊取り線香を安全に保全できたとしても、ガス漏れ等の二次災害には対応できないことになる。ついては、消火機能を必要とする本発明における課題を解決できない。
以上のような先行技術文献にみられる課題を踏まえ、本発明における課題を解決するためには、まず蚊取り線香容器に衝撃が加わることによる振動、傾斜あるいは容器転倒時等に火の粉や灰を飛散させないための容器内への封入が必要となる。
そしてそれを実現するためには、振動、傾斜を確実に検知し、蚊取り線香容器の開口部位を容器内の火の粉や灰が飛散する前に閉鎖することが必要となる。
さらに上蓋閉鎖後は蚊取り線香を容器内で自然消火させることが必要となる。
ついては本発明では上述の課題を解決するために、以上の三要点を同時に満足させる蚊取り線香容器を提供することを目的とする。
本発明が採用した主な手段は、当該蚊取り線香容器の機能を図1のように振動傾斜検知装置101と上蓋留具102とで構成する振動傾斜検知部、仕切り板104、下側容器107の側壁、振動傾斜検知装置の台となる平面116および閉鎖した下側容器上蓋105によって形成される空間106、およびそこに内在する上下のホルダ110と103で蚊取り線香113を挟み込む形で固定する蚊取り線香ホルダにより構成する蚊取り線香収納消火部並びに上下2つの容器109と107を接合させて構成する球形あるいは卵形の容器で、下側容器107の定常接地面に僅かな平底面114を有し、内底部位には固定配置した一定質量の錘108を有する容器保全部の三部構成とし、以下にその詳細を示す。
振動傾斜検知部は、請求項1に示すように外力等による容器の振動、傾斜を機械的に自動検知し、それによるスイッチング効果で下側容器の上蓋105を強制的に閉鎖させる機能を有することを特徴とする。
蚊取り線香収納消火部は蚊取り線香113を上下のホルダ110と103で挟み込むことで保持し、それを下側容器107の内部に設置される仕切り板104に固定することで、蚊取り線香容器全体が振動、傾斜あるいは回転力を受けても蚊取り線香をホルダ内に固定できる飛散防止機能を有することを特徴とする。
そして衝撃による容器転倒や回転による遠心力が生じても、下側容器上蓋105の瞬時閉鎖により蚊取り線香の火の粉や灰が容器外に出ないように蚊取り線香収納消火部106に封入させる機能を有することを特徴とする。
さらに下側容器上蓋105の閉鎖時において、蚊取り線香収納消火部106の空間を外気と遮断させることにより、蚊取り線香を自然消火に導く機能を有することを特徴とする。
容器保全部は蚊取り線香容器が一定以上の外力等を受けたとき、請求項2で示すように容器の揺動により容易に振動、傾斜を誘発させそれを暫時継続させることで、振動傾斜検知部にその情報を確実に伝達させること、反対に微弱な外力等で振動傾斜検知部の誤作動を招かないように、下側容器内底部位に設置する錘108に加え、半球形あるいは半卵形の下側容器107に僅かな平底部位114の定常接地面を有することを特徴とする。
一方、このような形状の容器では、過度な外力等により容易に転倒する危険性が生じるため、その対策として転倒した際に容器を水平位置に復元する機能が副次的に必要となる。そしてその手段として平底部位114を除く容器全体の形状を球形あるいは卵形にすることを特徴とする。
なお、容器全体としての材質は不燃材料を用い、下側容器107は上蓋105の閉鎖の際に窒息効果を高めるために孔のない密閉された構造、上側容器109は煙を容易に排出させるため、表面は一様に小孔で覆われることを特徴とする。
本発明における蚊取り線香容器の一例として、実際に蚊取り線香を燻煙させる際の具体的な各機能について示し、その後蚊取り線香の燻煙から消火に至るまでの過程を順次述べる。なお本事例では、各部の機構を可能な限り金属等の不燃材料で構成する。また当該容器の設置場所は障害物のない床面とする。
まず前述した振動傾斜検知部の例を図解により示す。ここでは外力等による蚊取り線香容器全体の振動や傾斜を機械的な作動により検知する。
図2では215を支点とし、203と205に示す作用点A、Bにそれぞれ204のシャフトA、206のシャフトBを接続したシーソー202を設置し、各シャフト204と206が交互に上下運動する機構を構成する。その中で206のシャフトBは蓋のある半球状の鋼球収納容器207の底部を貫き、シーソーの動作で鋼球収納容器207内で上下運動する機構を有する。
そしてシーソー202とシーソー台209との間に208の引きバネBを配置することで、206のシャフトBの鉛直上方に鋼球210が存在する状態では、鋼球210の質量による力が引きバネBの力を上回って前述206のシャフトBを鉛直下方に押し下げ、反対側の204のシャフトAを鉛直上方に押し上げて位置を保持させる。この状態が図2に示す蚊取り線香燻煙中の振動傾斜検知部における各装置の定位置となる。
ところでこれらを定位置にセットする方法は、図7で示すようにまず710の引きバネAの力、720で示す永久磁石および磁石吸着用鉄片724の効果により閉鎖されている下側容器上蓋705を、ヒンジ723を中心に725の矢印方向に手動で引き上げることにより蚊取り線香収納消火部を開口する。なお図2に示す下側容器上蓋211は図7における下側容器上蓋705が垂直方向まで手動で引き上げられたときの状態を示す。
そこで図2のような状態にある下側容器上蓋211に対して、上蓋留具212の水平面の中央に設けた孔に前述した204のシャフトAをかんぬき状に手動で強制的に引き上げて通すことで213の引きバネAの力に対向させ、下側容器上蓋211の開口を保持させる。
この操作により鋼球210は鋼球収納容器207内の中心下部の定位置に自然移動し、206のシャフトBを鉛直上方から抑える形になるため、204のシャフトAは前述した引き上げ位置で保持され、下側容器上蓋211が鉛直上方を向いた状態を維持する。
なお図7の723として前述したヒンジについては、図2の214でそれを示す。また図3の314および315においてその側面図を示す。
一方、容器全体が受ける振動や傾斜により鋼球210が定位置から移動した瞬間、208の引きバネBの力により206のシャフトBが上方に引き上げられるため、その後鋼球が自動的に前述した定位置に戻ることはできず、またシーソーの対となる204のシャフトAは下方に移動し、それにより上蓋留具212の穴からかんぬきが外れた状態となる。それが下側容器上蓋211を閉鎖させるためのスイッチ動作となる。
次に蚊取り線香収納消火部の詳細を図4に示す。またここでは図1の110と103で示した蚊取り線香ホルダについて、さらに内部の状態を詳細に図示する。
あらためて蚊取り線香収納消火部は、上述した上部ホルダ404と下部ホルダ403、およびそれを取り囲む空間で形成される。そしてその空間とは蚊取り線香容器内部の下側容器407の側壁、仕切り板406、振動傾斜検知装置の台となる平面411および下側容器の上蓋によって閉鎖される蚊取り線香燻煙中の開放部位408で形成される範囲をいう。
蚊取り線香401を固定するホルダについては、カップリング409で仕切られた下部ホルダ403内に不燃性の軟質マット405が敷かれた構造で、その上に着火した蚊取り線香401を置く。そして煙排出用に複数孔を有する上部ホルダ404と仕切り板406に固定される下部ホルダ403で蚊取り線香401を挟み込むように接続固定すると、蚊取り線香401は前述の軟質マット405と上部ホルダ404に内設された不燃軟質の網402によって挟まれ固定される。
そして蚊取り線香の燻煙は上述の網402、上部ホルダ404の複数孔を通り、開放空間408から排出される。
容器保全部における容器外形は図5に示すように容器底部位523に示す僅かな平底の接地部位を除いて球形あるいは卵形で、かつ下側容器507の内底部位に一定質量の錘508が固定配置されている。ここで下側容器507は密閉空間を実現できる孔のないアルミニウム製容器、一方上側容器509は、表面上に一様な複数の小孔519を設けたアルミニウム製容器とする。
外部等から振動や衝撃を受けた際、蚊取り線香容器は、下側容器507の内底部位に設置固定された錘508を軸とした振子揺動により暫時傾斜を発生させ、それを前述した振動傾斜検知部501に確実に伝達することで、下側容器上蓋524の閉鎖への作動を誘起させる。
下側容器507を丸底に近い形状にする最大の理由は、その振子揺動を円滑にさせるためである。
容器に加わる力の中には、地震の初期揺動等にみられる極端な垂直振動も想定される。その際、下側容器507の通常接地平底部位523の面積が小ければ、その垂直振動が副次的に容器の振子揺動に変換され、振動傾斜検知装置に情報が伝達されやすくなる。
その意味では下側容器507が完全な丸底となることが理想的であるが、反対に蚊取り線香容器による燻煙中に微弱な水平方向からの外力等で過剰に容器が揺動し、振動傾斜検知装置が必要以上に反応することを防止するため、ある程度の平底が必要になる。
ついては実用的な蚊取り線香容器として機能させるため、本発明における蚊取り線香容器は、下側容器507の半球形あるいは半卵形の側壁面に加え、僅かな定常接地面となる平底面523を併せ持つ構造とする。
一方このような形状と構造を有する蚊取り線香容器は、設置時の安定性を追求していないため、受ける力の方向やその大きさにより蚊取り線香容器を容易に転倒させてしまう危険性を伴う。
従ってその対策として上側容器509もまた球形あるいは卵形となる形状とし、容器の転倒、天地上下あるいは回転の際に下側容器507の容器内底部位に固定配置した錘508の機能により、容易に水平位置を復元できるような形状および構造が必要となる。
このような基本的構造と効果を有する本発明における蚊取り線香容器の例について、蚊取り線香への着火準備から消火までの過程を図5、図6および図7を中心として以下に説明する。
まず図7の下側容器の上蓋705が閉鎖している状態から上側容器709をカップリング部位721において取り外した後、上蓋留具702をつまんで下側容器上蓋705を710の引きバネAの力に反する形で、ヒンジ723を軸に矢印725の方向に引き上げる。
その結果、図5に示す下側容器の開口部位511が生じる。
次に図5に示す下側容器507に内設される仕切り板504の上面に前述した蚊取り線香の下部ホルダ503が固定配置されているので、下部ホルダ503に敷かれた軟質マット505の上に火の付いた蚊取り線香512を置き、それを挟み込むように上から上部ホルダ513を下部ホルダ503にカップリング部位522で接続して固定する。
これにより蚊取り線香512はホルダ内に完全に固定される。また燻煙は上部ホルダ513に設けた複数孔から排出され、さらに蚊取り線香容器の開口部位511より下側容器507の外に排出される。
そして容器を開口させるために手動で引き上げた下側容器上蓋524については、上蓋留具502に設けた孔に振動傾斜検知装置の動きを伝える515のシャフトAを手で引き上げ、それをかんぬき状に通すことにより、510の引きバネAの力に対向させ、開口を保持させる。
その操作により前述した鋼球516の働きで、シーソー518およびその両端に配置された515のシャフトA、517のシャフトBの動きが止まるため、その後、上側容器509をカップリング部位521で下側容器507に接続してセットが完了する。
以上が本蚊取り線香容器において蚊取り線香を燻煙させ使用を開始するまでの過程であり、蚊取り線香の燻煙は複数の小孔519より外部空間に排出される。
この状態で容器全体が外力等により振動や衝撃を受けると、蚊取り線香容器は、容器保全部の機能により動揺することで傾斜を繰り返すため、図6に示すように振動傾斜検知部の鋼球収納容器607内の鋼球610が傾斜方向に移動し、鋼球負荷から開放された606のシャフトBは、シーソー602と608で示す引きバネBの作用で矢印601の方向に移動する。
それに伴い604のシャフトAは矢印609の方向に移動して、上蓋留具612に設けた孔から外れるため、下側容器上蓋611は605の引きバネAの力によりヒンジ614を軸として自動的に矢印613の方向に移動し、下側容器の開口部位615を閉鎖することができる。
そして閉鎖された下側容器上蓋611はさらに永久磁石616および磁石吸着用鉄片603の作用により閉鎖を保持することができる。
なお本例における蚊取り線香容器は、前述したような外力等により図7の錘708を中心に振子揺動を繰り返すため、その停止と容器の水平を定常位置に自動復元するまでに暫時を要するが、その間、容器内部の蚊取り線香は、上部ホルダ713と下部ホルダ703に挟まれているためその固定を維持できる。
また粉状になる可能性がある火の粉と灰については、容器保全部が球形あるいは卵形の形状を有することにより、基本的には容器が転倒したままの状態を維持することがないため、自然落下によるホルダ外への落出を防止できる。
一方、強力な外力等により蚊取り線香容器が回転するときには、その遠心力により上部ホルダ713の複数孔からホルダ外に火の粉や灰が飛散する可能性が生じる。
しかし容器に振動や傾斜が加わるとほぼ同時に、705に示すように下側容器上蓋が閉鎖するため、火の粉や灰は容器内の蚊取り線香収納消火部706の空間に封入され、容器外に飛散しない蚊取り線香容器を実現できる。
さらに、それにより蚊取り線香収納消火部706は、外部との空気の流通が遮断された密閉空間となるため、封入された蚊取り線香712を窒息効果により蚊取り線香容器内で自然消火できる。
なお、蚊取り線香燻煙中に外部から可燃性の飛来物が容器に覆い被さるような場合の対応については一次的に上側容器709により防護することで、下側容器上蓋705の閉鎖の障害となる物が容器内に侵入することを阻止できる。
またそれにより蚊取り線香収納消火部706の中にある蚊取り線香への接触も同時に防ぐことができる。
さらに飛来物が容器に接触することにより蚊取り線香容器が揺動するときは、二次的に下側容器上蓋705が自動閉鎖することで蚊取り線香を自然消火させることができる。
以上の手段で蚊取り線香の燻煙中に外力等による容器の振動や傾斜等が発生した際、火の粉や灰を容器内に自動的に封入させて飛散を防ぎ、かつ自然消火させることができる対振動、対傾斜等の機能および消火機能を有する蚊取り線香容器を提供することで火災の未然防止を実現し、本発明における課題を解決することができた。
この振動、傾斜を自動検知して消火させる蚊取り線香容器は、家族の中に目の不自由な方や安全意識が希薄な方がいるときでも安全性の高い利用が期待できる他、身近に動物がいる家庭や家畜舎等における蚊取り線香の燻煙にも高い安全性が期待できる。
また、地震災害の被災地等、電力網が寸断された状況で余震による二次災害が心配されるような特殊環境下においても蚊取り線香の安全利用のための十分な効果が期待できる。
本発明における蚊取り線香容器の機能配置概要図 振動傾斜検知部の正面図 振動傾斜検知部の側面図 蚊取り線香収納消火部の概要図 蚊取り線香使用中の状況図 振動および傾斜を検知した際の振動傾斜検知部の作動図 下側容器上蓋が閉鎖した際の状況図
101 振動傾斜検知装置
102 上蓋留具
103 下部ホルダ
104 仕切り板
105 下側容器上蓋
106 蚊取り線香収納消火部
107 下側容器
108 錘
109 上側容器
110 上部ホルダ
111 永久磁石
112 引きバネA
113 蚊取り線香
114 容器接地平底部位
115 磁石吸着用鉄片
116 振動傾斜検知部の台となる平面
202 シーソー
203 シーソーの作用点A
204 シャフトA
205 シーソーの作用点B
206 シャフトB
207 鋼球収納容器
208 引きバネB
209 シーソー台
210 鋼球
211 下側容器上蓋
212 上蓋留具
213 引きバネA
214 ヒンジの回転軸
215 シーソーの支点
216 磁石吸着用鉄片
311 下側容器上蓋
312 磁石吸着用鉄片
314 ヒンジA
315 ヒンジB
401 蚊取り線香
402 上部ホルダに内設された不燃軟質の網
403 下部ホルダ
404 上部ホルダ
405 下部ホルダ内に敷かれた不燃性軟質マット
406 仕切り板
407 下側容器
408 下側容器上蓋によって閉鎖される開放部位
409 上下ホルダのカップリング部位
410 錘
411 振動傾斜検知装置の台となる平面
501 振動傾斜検知装置
502 上蓋留具
503 下部ホルダ
504 仕切り板
505 下部ホルダ内に敷かれた不燃性軟質マット
506 蚊取り線香収納消火部
507 下側容器
508 錘
509 上側容器
510 引きバネA
511 下側容器上蓋によって閉鎖される開放部位
512 蚊取り線香
513 上部ホルダ
514 鋼球収納容器
515 シャフトA
516 鋼球
517 シャフトB
518 シーソー
519 上側容器上の複数の小孔
520 永久磁石
521 上側容器と下側容器のカップリング部位
522 上下ホルダのカップリング部位
523 容器接地平底部位
524 下側容器上蓋
601 矢印の方向
602 シーソー
603 磁石吸着用鉄片
604 シャフトA
605 引きバネA
606 シャフトB
607 鋼球収納容器
608 引きバネB
609 矢印の方向
610 鋼球
611 下側容器上蓋
612 上蓋留具
613 下側容器上蓋が閉鎖する方向を示す矢印
614 ヒンジ
615 下側容器上蓋によって閉鎖される開放部位
616 永久磁石
617 水平面
702 上蓋留具
703 下部ホルダ
704 仕切り板
705 下側容器上蓋
706 蚊取り線香収納消火部
707 下側容器
708 錘
709 上側容器
710 引きバネA
712 蚊取り線香
713 上部ホルダ
714 鋼球収納容器
715 シャフトA
716 鋼球
717 シャフトB
718 シーソー
719 上側容器上の複数の小孔
720 永久磁石
721 上側容器と下側容器のカップリング部位
722 上下ホルダのカップリング部位
723 ヒンジ
724 磁石吸着用鉄片
725 矢印の方向

Claims (2)

  1. 外力等による容器の振動および傾斜を自動的に検知して容器の蓋を閉鎖させることで、燻煙中の蚊取り線香を容器内に封入し、それを自然消火させる機能を有する蚊取り線香容器。
  2. 外力等を受けた容器が暫時、揺動を継続する機能を付加した請求項1記載の蚊取り線香容器。
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