JP2020064898A - リアクトル - Google Patents

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Abstract

【課題】放熱性の向上を図ったリアクトルを提供する。【解決手段】リアクトル1は、コイル3を巻回した中脚21Aと、中脚21Aの外側に配置される外脚21Bと、中脚21Aの両端部及び外脚21Bの両端部に配置されるヨーク部22とを有するコア2を備える。中脚21A及び外脚21Bは、磁性粉末と樹脂とを含む複合樹脂材料からなる。リアクトル1では、コイル3をコア2から露出するための開口部を形成する。コイル3の全周がコア2の内部に収容される場合を開口率0%、コイル3の全周がコア2から露出される場合を開口率100%として、開口部の開口率を60%超とする。【選択図】図2

Description

本発明は、磁性粉末と樹脂からなるコアを備えたリアクトルに関する。
リアクトルは、OA機器、太陽光発電システム、ハイブリッド自動車、電気自動車や燃料電池車の駆動システム等をはじめ、種々の用途で使用されている。この種のリアクトルは、磁性材からなる環状コアと、この環状コアの外周を覆う樹脂部材と、樹脂部材を介して環状コアの外周の一部に巻回されたコイルとを備えている。
環状コアは、例えば、直線上に延びたコイルが巻回される一対の脚部と、この脚部の両端部に配置され、一対の脚部を繋ぐ一対のヨーク部とを有する。この一対の脚部と一対のヨーク部とを接合することで環状コアは形成される。外部電源から電力が供給されると、コイルに電流が流れて磁束が発生し、環状コア内に磁気回路が形成される。
特許第5408272号公報
従来のリアクトルにおいて、ポットコア、PQコアあるいはEコアなどでは、一部が樹脂製であることから、コアの内部にコイルの熱が籠りやすいという不具合がある。そこで従来から、放熱性を高めたリアクトルが求められている。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、放熱性の向上を図ったリアクトルを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明のリアクトルは、コイルを巻回した中脚と、前記中脚の外側に配置される外脚と、前記中脚の両端部及び前記外脚の両端部に配置されるヨーク部とを有するコアを備え、前記中脚及び前記外脚は、磁性粉末と樹脂とを含む複合樹脂材料からなり、前記コイルを前記コアから露出するための開口部を形成し、前記コイルの全周が前記コアの内部に収容される場合を開口率0%、前記コイルの全周が前記コアから露出される場合を開口率100%とするとき、前記開口部の開口率を60%超としたことを特徴とする。
前記開口部の開口率を67%以上としてもよい。前記ヨーク部は、前記複合磁性材料からなる第1の部材と、前記複合磁性材料の透磁率より大きい材料からなる第2の部材とから構成するようにしてもよい。前記ヨーク部と前記中脚並びに前記ヨーク部と前記外脚を、前記第1の部材の複合樹脂材料によって接合するようにしてもよい。前記第2の部材の透磁率は、前記第1の部材の透磁率より大きくてもよい。前記第2の部材は、少なくとも圧粉磁心、フェライト及び積層鋼板のいずれかを含むようにしてもよい。
前記中脚及び前記外脚はそれぞれ1脚であり、前記中脚は、断面形状が円形または楕円形であり、前記外脚は、前記中脚の直径よりも大きく、且つ前記コイルの外周部の直径以下の幅寸法としてもよい。前記ヨーク部は、前記中脚の直径部分と接する半円部分と、前記中脚の直径部分を短辺とした台形部分と、前記短辺と向かい合う長辺で前記台形部分に接する長方形部分とを組み合わせた略六角形状としてもよい。
前記ヨーク部は、前記中脚側の角部を略三角形に削った形状であってもよいし、前記中脚の外径から外側に張り出す張り出し部を有してもよい。また、前記ヨーク部は、前記外脚側の角部をR形状としてもよいし、前記コイルの端面に対向する部分の角部をR形状としてもよい。前記外脚は、面取り部を有していてもよい。さらに、前記コアは、複数の前記外脚が前記中脚を囲むようにして構成してもよいし、複数の前記外脚の両端部に配置されるヨーク部は、均等に放射状に広がるように構成してもよい。
本発明によれば、コアからコイルを露出するための開口部の開口率を60%超とすることによって、コアの内部にコイルの熱が籠ることを抑えることができ、これにより放熱性の向上を図ったリアクトルを提供することができる。
第1の実施形態の斜視図。 第1の実施形態の分解斜視図。 第1の実施形態において樹脂部材を省いた側面断面図。 第1の実施形態の効果を説明するための側面図。 第2の実施形態の斜視図。 第2の実施形態の分解斜視図。 第2の実施形態において樹脂部材を省いた側面断面図。 第2の実施形態のヨーク部の形状を説明するための図。 第2の実施形態のヨーク部の形状を説明するための図。 第2の実施形態のヨーク部の形状を説明するための図。 第2の実施形態のヨーク部の形状を説明するための図。 第2の実施形態のヨーク部の形状を説明するための図。 第3の実施形態の斜視図。 第3の実施形態の分解斜視図。 第3の実施形態の変形例の要部斜視図。 第3の実施形態の変形例の要部分解斜視図。 第3の実施形態の変形例の要部斜視図。 第3の実施形態の変形例の要部分解斜視図。
[第1の実施形態]
(構成)
以下、図1〜図3を参照して本実施形態に係るリアクトル1について説明する。図1は第1の実施形態に係るリアクトル1の全体構成を示す斜視図、図2は第1の実施形態に係るリアクトル1の全体構成を示す分解斜視図である。なお、ここで説明する各構成要素の位置関係はリアクトル1が実機に搭載された際の位置関係を反映するものではない。
(構成の概要)
リアクトル1は、電気エネルギーを磁気エネルギーに変換して蓄積及び放出する電磁気部品であり、電圧の昇降圧等に使用される。図1、図2に示すように、本実施形態のリアクトル1は、コア2、コイル3、樹脂部材4を備えている。コア2は、2本の脚部21である中脚21A及び外脚21Bと、これら脚部21の両端部に配置された一対のヨーク部22とを有する。コア2は樹脂部材4に被覆されており、樹脂部材4によりコア2とコイル3と絶縁された状態で、コア2の中脚21Aと外脚21Bに挟まれるようにして、コイル3が取り付けられている。
図2に示すように、2本の脚部21は、中脚21Aと、中脚21Aの外側(図中では下側)に配置される外脚21Bとが、それぞれ1脚で構成されている。中脚21A及び外脚21Bは、中心軸が互いに平行になるように、図2中の上下方向に対向して配置されている。図2に示すように、中脚21Aが上側に配置され、外脚21Bが下側に配置されている。脚部21は樹脂部材4によって覆われている。
中脚21Aは、これに限定するものではないが、断面が円形または楕円となる円柱状部材からなる。中脚21Aの断面形状が楕円の場合、この楕円の直径は、平行に配置された中脚21Aと外脚21Bの配置方向に対して直交する径とする。すなわち、図2に示すように中脚21A及び外脚21Bが上下方向に対向して配置されている場合、中脚21Aの楕円の直径は、左右方向に延びる径とする。中脚21Aには、樹脂部材4を介してコイル3が巻回されている。リアクトル1においてコイル3が巻回された中脚21Aが磁束の発生部位となる。外脚21Bは、中脚21Aの直径よりも大きく、且つコイル3の外周部の直径以下の幅寸法を有する部材からなる。
外脚21Bは、中脚21Aと向かい合う端面(図2中の上面側)が図の下方側に凹む曲面になっており、反対側の面(図2中の下面側)が平坦面となっている。リアクトル1を横置きにした場合、外脚21Bの平坦面側がリアクトル1の設置面となる。なお、リアクトル1を縦置きにした場合には、ヨーク部22の外側に向く端面がリアクトル1の設置面となる。
図3は、第1の実施形態において樹脂部材4を省いた側面断面図である。図3に示すように、コイル3はコア2の中脚21Aに取り付けられているが、このとき、コア2の外脚21Bからコイル3を露出するための開口部23(点線にて図示)が形成される。開口部23の開口率とは、コイル3の全周がコア2の内部に収容される場合を開口率0%、コイル3の全周がコア2から露出される場合を開口率100%とするとき、本実施形態では、開口部23の開口率が60%超に設定されており、より望ましくは、開口部23の開口率が67%以上に設定されている。
(コアの脚部)
コア2において、脚部21は、磁性粉末と樹脂とを含む複合磁性材料によって構成されたメタルコンポジットコア(MCコア)である。MCコアの外表面は、全て非摺動面となっている。MCコアは、磁性粉末と樹脂とを含む複合磁性材料を所定形状の容器にいれ、樹脂を硬化させてコアとして成形する。換言すれば、圧粉磁心の成形のように加圧することは、MCコアの成形において必須要件ではない。また、加圧する場合があっても、数ton〜数十tonで絶縁被膜で覆った磁性粉末を押し固めて成形する圧粉磁心とは異なり、MCコアの密度を向上させるために加圧するものであり、加圧する力も数kg〜数十kgと低い圧力をかければ足りる。
このように、MCコアは、加圧しない、又は、低い圧力で加圧するため、型とコアが擦れながら移動することでコア表面に形成される複数の線状の痕を有する摺動面が形成されない。したがって、MCコアの外周面は、全て非摺動面となる。また、圧粉磁心は、磁性粉末を、数ton〜数十tonで加圧するため、磁性粉末が変形するが、MCコアは、加圧した場合でも、数kg〜数十kgで加圧するので、磁性粉末は変形しない。
磁性粉末としては、軟磁性粉末が使用でき、特に、Fe粉末、Fe−Si合金粉末、Fe−Al合金粉末、Fe−Si−Al合金粉末(センダスト)、非晶質金属粉末(アモルファス粉末)又はこれら2種以上の粉末の混合粉などが使用できる。Fe−Si合金粉末としては、例えば、Fe−6.5%Si合金粉末、Fe−3.5%Si合金粉末を使用できる。軟磁性粉末の平均粒子径(D50)は20μm〜150μmが好ましい。なお、本明細書において「平均粒子径」とは、特に断りがない限り、D50、即ちメジアン径を指すものとする。
樹脂は、磁性粉末と混合され、磁性粉末を保持する。樹脂としては、熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂、又は熱可塑性樹脂が使用できる。熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂などが使用できる。紫外線硬化性樹脂としては、ウレタンアクリレート系、エポキシアクリレート系、アクリレート系、エポキシ系の樹脂を使用できる。熱可塑性樹脂としては、ポリイミドやフッ素樹脂などの耐熱性に優れた樹脂を使用することが好ましい。硬化剤を添加することにより硬化するエポキシ樹脂は、硬化剤の添加量などによってその粘度を調整できる。
樹脂は、磁性粉末に対して3〜5wt%含有されていることが好ましい。樹脂の含有量が3wt%より少ないと、磁性粉末の接合力が不足し、コアの機械的強度が低下する。また、樹脂の含有量が5wt%より多いと、磁性粉末を隙間なく保持することができなくなるなど、コアの密度が低下し、透磁率が低下する。
(コアのヨーク部)
図1、図2に示すように、ヨーク部22は、脚部21の両端部に配置されている。ヨーク部22は、脚部21で発生した磁束を捕捉し通過させる。ヨーク部22は、その上下方向が脚部21の長手方向に対して直交するように配置されている。ヨーク部22の外側に向く端面は樹脂部材4で覆われることなく露出しているが、ヨーク部22の外周面は樹脂部材4で覆われている。
図2に示すように、ヨーク部22は、2種類の部材からなる。即ち、第1の部材22aと第2の部材22bを有する。第1の部材22a及び第2の部材22bのコイル3の巻軸方向と直交する端面の形状は、概略同一形状となっている。この概略同一形状の第1の部材22aの端面と第2の部材22bの端面とが接合されて、ヨーク部22は構成される。
第1の部材22aは、脚部21が配置される側に設けられ、脚部21と一体に成形されている。第1の部材22aは、脚部21を構成する複合磁性材料からなる。つまり、本実施形態のコア2は、脚部21とヨーク部22の一部が一体に成形されたブロック状のコアである。このように、ヨーク部22を構成する第1の部材22aが、一対の脚部21即ち中脚21A及び外脚21Bを繋いでいる。第2の部材22bは、複合磁性材料とは異なる材料からなる。第2の部材22bとしては、圧粉磁心、フェライト、積層鋼板を用いることができる。本実施形態では、第2の部材22bは、圧粉磁心およびフェライトを用いている。
第1の部材22aと第2の部材22bは、第1の部材22aの複合磁性材料の樹脂により接合している。即ち、粘土状の複合磁性材料の樹脂が硬化したことで第1の部材22aと第2の部材22bが接合している。換言すれば、第1の部材22aと第2の部材22bは、接着剤等を用いることなく接合している。第1の部材22aと第2の部材22bは、継ぎ目無く一続きに接合されている。第2の部材22bには、第1の部材22aを構成する複合磁性材料の樹脂が浸透している。
第2の部材22bの第1の部材と接合する反対側の端面は、平坦であることが好ましい。本実施形態では、第2の部材22bは、ブロック状のコアである。第2の部材22bは、複合磁性材料を押圧する押圧部材となる。したがって、第2の部材22bの第1の部材22aと接合する反対側の端面を平坦にすることで、複合磁性材料を均等な力で押圧することができるからである。
また、第2の部材22bの第1の部材22aと接合する端面には、複数の細かい凹凸がある。この凹凸は、例えば、数十ミクロン程度の大きさである。この凹凸は、圧粉磁心、フェライトなどの成形体をプレス成形する際に、磁性粉末等の粉末によって形成される凹凸であってもよいし、成型後にやすり、サンドブラストなどにより成形体の表面を粗くすることで形成させた凹凸であってもよい。また、積層鋼板の場合には、積層による段差によって形成される凹凸であってもよいし、積層後の成形体の表面に形成させた凹凸であってもよい。この凹凸の凹部に複合磁性材料の樹脂が入り込んでいる。
第2の部材22bの透磁率は、第1の部材及22a及び脚部21の透磁率よりも大きいものを用いる方が好ましい。第2の部材22bの透磁率を第1の部材及22a及び脚部21の透磁率よりも大きくすることにより、コイル3が巻回された脚部21によって発生した磁束をより多く捕捉することができる。
ヨーク部22は、中脚21Aの直径部分と接する半円部分と、中脚21Aの直径部分を短辺とした台形部分と、前記短辺と向かい合う長辺で前記台形部分に接する長方形部分とを組み合わせた略六角形状の部材から成る。ヨーク部22の上側の半円部分の直径は中脚21Aの直径と同一である。ヨーク部22は、コイル3の巻軸方向と直交する脚部21の端面で接合させている。前述したように、コア2ではヨーク部22(の第1の部材22a)と中脚21A及び外脚21Bとは繋がれるが、このとき、ヨーク部22の半円部と中脚21Aの円周部とは一致し、ヨーク部22の長方形部分と外脚21Bの断面とは一致するようになっている。
(コイル)
図1、図2に示すように、コイル3は2つ有している。コイル3は、エナメルなどの絶縁被覆した2本の導電性部材により構成される。導電性部材としては、銅線やアルミニウム線を用いることができる。本実施形態では、銅線を用いている。コイル3は、銅線が巻回された両端部が開口した円筒形状を有する。コイル3の両端部からは、引出線が引き出されている。2つのコイル3は同軸状に配置されている。コイル3の内周面は、樹脂部材4によって覆われている。即ち、コイル3は、樹脂部材4を介して脚部21の中脚21Aに巻回されている。
なお、本実施形態では、コイル3は円筒形状であったが、コイル3の形状はこれに限定されるものではなく、矩形状であってもよい。また、コイル3の数は2つに限られず、1つでもよいし、3つ以上有していてもよい。
(樹脂部材)
樹脂部材4は、コア2とコイル3を絶縁する。樹脂部材4を構成する樹脂の種類としては、例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、ウレタン樹脂、BMC(Bulk Molding Compound)、PPS(Polyphenylene Sulfide)、PBT(Polybutylene Terephthalate)等が挙げられる。
図2に示すように、樹脂部材4は、2分割されている。2分割された樹脂部材4は、概略U字型形状を有する。樹脂部材4は、コイル3を装着する一対の直線部41と、この一対の直線部41を繋ぐ連結部42を有する。樹脂部材4は、互いの直線部41の端部を接着剤等で接合することにより2分割された樹脂部材4が一体に形成される。
直線部41は、円筒形状を有する。直線部41の内周面には、脚部21が配置される。また、直線部41の外周面には、コイル3が巻回されている。連結部42は、直線部41を繋ぐ端面には、直線部21の内周と概略同一径の2つの開口を有する。また、連結部42は、直線部41を繋ぐ端面と反対側の端面が開口している。この開口から成形されたヨーク部22が挿入される。つまり、この開口の大きさは、ヨーク部22と概略同一の大きさとなっている。
(作用と効果)
第1の実施形態の作用及び効果は次の通りである。
(1)第1の実施形態に係るリアクトル1は、コイル3を巻回した中脚21Aと、中脚21Aの外側に配置される外脚21Bと、中脚21Aの両端部及び外脚21Bの両端部に配置されるヨーク部22とを有し、磁性粉末と樹脂とを含む複合樹脂材料からなるコア2を備え、コイル3をコア2から露出するための開口部23を形成した。コイル3の全周がコア2の内部に収容される場合を開口率0%、コイル3の全周がコア2から露出される場合を開口率100%とするとき、開口部23の開口率を67%とした。第1の実施形態では、コア2が磁性粉末と樹脂を含む複合樹脂材料からなるので、開口部23の開口率を大きくするコア2の形状を容易に作成できる。
このような第1の実施形態によれば、コア2の開口部23の開口率を67%としたことで、コア2にコイル3を取り付けたとき、コア2から露出するコイル3の面積が大きくなる。そのため、コア2の内部にコイル3の熱が籠り難く、熱が空気中に放散され易い。従って、リアクトル1は、良好な放熱性を発揮することができる。ここで、本実施形態を適用した実施例1と、比較例1〜比較例3におけるコイル3の温度を比べてみる。
表1に示すように、比較例1〜3及び実施例1の各コアの材質は、以下の通りである。脚部は全てMCコア(Fe−Si合金)であり、ヨーク部は比較例1、2がダストコア(Fe−Si−Al合金)、比較例3及び実施例1がフェライト(Mn−Zn系)である。つまり、比較例3及び実施例1のコア2は、コア2の種類及び材質が同一である。比較例1、比較例2、比較例3及び実施例1のコア2の開口部23の開口率は、それぞれ50%、60%、60%、67%とする。
(表1)
Figure 2020064898
例えば、通電条件を電流27A、周波数20kHzとし、冷却条件を強制冷却無しである自然冷却として、比較例1〜3及び実施例1のコイル3の熱を測定した。この場合、比較例1〜比較例3のコイル3の温度はそれぞれ、85.9℃、76.9℃、68.7℃であった。これに対し、第1の実施形態を適用した実施例1では、コイル3の温度が58.9℃であった。即ち、コア2の種類及び材質が同一である比較例3及び実施例1において、コア2の開口部23の開口率だけが異なるとき、開口部23の開口率を67%に高めた実施例1では、比較例3と比べて、コイル3の温度を9.8℃低下させることができた。
(2)第1の実施形態では、ヨーク部22の第1の部材22aを脚部21と一体に成形しており、第1の部材22aの複合樹脂材料及び中脚21A及び外脚21Bの複合樹脂材料が、ヨーク部22と脚部21とを繋ぐ接着剤となっている。即ち、脚部21とヨーク部22は、複合磁性材料によって接合されている。換言すれば、複合磁性材料が接着剤等の代わりとなっており、脚部21とヨーク部22の接合に接着剤等を用いる必要がない。よって、脚部21とヨーク部22を接着剤等で接合する工程を削減できるとともに、接着剤等を使用しない分、コスト削減を図ることができる。
(3)第1の実施形態のヨーク部22は、脚部21を構成する複合磁性材料からなる第1の部材22aと、複合磁性材料の透磁率より大きい材料、例えば圧粉磁心からなる第2の部材22bとからなる。つまり、ヨーク部22では、第2の部材22bは、脚部21及び第1の部材22aより透磁率が大きいので、第2の部材22bは、第1の部材22aより磁束が流れやすくなり、磁束が、第2の部材22bにより多く流れる。従って、コイル3が配置される側に設けられる第1の部材22aに流れる磁束を低減できる。そのため、磁束が、第1の部材22aにおいて飽和することを抑制する。その結果、第1の部材22aから生じる漏れ磁束を抑制でき、コイル3に発生する交流損失を低減することができる。これにより、開口率の高い開口部23による放熱と合わせて、コイル3の発熱を抑えることができる。
(4)コア2を全てブロック状のコアで構成した場合、インダクタンス特性は良好だが、ギャップが大きくなり、損失が悪化するおそれがある。一方、コア2を全てMCコアで構成すると、ギャップは小さくなるが、コアの透磁率が低くなり、インダクタンス特性が劣化する可能性がある。
これに対して、第1の実施形態に係るコア2では、脚部21が複合磁性材料からなるMCコアであり、且つ、ヨーク部22に圧粉磁心である第2の部材22bを含むブロック状のコアである。従って、ギャップレスを実現できると同時に、良好なインダクタンス特性を得ることができる。
(5)第1の実施形態では、コア2が中脚21A及び外脚21Bをそれぞれ1脚有しており、中脚21Aは断面形状が円形または楕円であり、外脚21Bは中脚21Aの直径よりも大きく、且つコイル3の外周部の直径以下の幅寸法としている。このようなコア2では、外脚21Bの幅寸法を中脚21Aの直径よりも大きくしたことで、ヨーク部の断面積を確保しつつ、外脚21Bの厚み寸法(幅寸法と直交する上下方向の寸法)を抑えることができる。
これにより、外脚21Bの厚み寸法におけるコア2の小型化に寄与することができる。しかも、コア2では、外脚21Bの幅寸法をコイル3の外周部の直径以下としているので、コイル3の投影面積(コイル3を真上から見た状態の時の面積)の中にコア2を収めることができ、コア2の大型化を防ぐことが可能である。また、外脚21Bは中脚21Aの直径よりも大きく、且つコイル3の外周部の直径以下の幅寸法としたことで、外脚21Bを設置面に配置する場合に、設置面積を確保することができる。
(6)第1の実施形態において、略六角形状であるヨーク部22は、中脚21Aの直径部分から外側に向かって広げて、外脚21Bとヨーク部22の底面部(横長の長方形の下側の長辺部を含む部分)とを一致させている。このため、コア2のコンパクト化を維持しつつ、ヨーク部22の断面積を十分に確保することが可能となり、優れたインダクタンス特性を得ることができる。
即ち、本実施形態では、図4に示すように、コイル3がコア2から左右方向に突出した場合のコア2の左右両側のデッドスペース5(点線で囲まれた部分)を有効活用して、コア2を成形することができる。これにより、コア2の小型化とインダクタンス値の向上を両立させることが可能である。
また、略六角形状であるヨーク部22において、中脚21Aの直径寄りで外形が台形状となっている角部付近は、磁束の通り難い部分である。そのため、ヨーク部22が長方形だったとして、この「外形が台形状である角部付近」を切り欠いたとしても、インダクタンス値に影響を与えることは少ない。従って、本実施形態では、ヨーク部22を略六角形状として断面積を削減しても、インダクタンス値が低減する心配がない。その結果、ヨーク部22の削減による軽量化というメリットを獲得しつつ、優れたインダクタンス特性を確保することができる。
[第2の実施形態]
(構成)
第2の実施形態に係るリアクトル10について図5〜図12を参照しつつ説明する。図5は、第2の実施形態に係るリアクトル10の全体構成を示す斜視図、図6は同分解斜視図である。図5、図6に示すように、第2実施形態のコア2も、第1の実施形態と同じく、脚部21が複合磁性材料からなるMCコアであり、ヨーク部24にフェライトコアである第2の部材22bを含むブロック状のコアである。
第2の実施形態に係るヨーク部24は、ヨーク部22と同様、脚部21の両端部に配置されるが、その断面形状に特徴がある。上記の第1の実施形態では、略六角形状のヨーク部22を採用したが、第2の実施形態のヨーク部24では、略六角形状を上下方向に細く伸ばし、直線的な部分を削った形状となっている。
ヨーク部24の形状を説明する前に、脚部21について説明する。図6に示すように、第1の実施形態と同様、中脚21Aに関しては、断面が円形となる円柱状部材からなる。外脚21Bは、中脚21Aと向かい合う端面(図6中の上面側)が図の下方側に凹む曲面になっており、反対側の面(図6中の下面側)が平坦面となっている。リアクトル10を横置きにした場合、外脚21Bの平坦面側がリアクトル1の設置面となる。
図7に示すように、第2の実施形態においても、第1の実施形態と同じく、コア2にコイル3を取り付けるとき、リアクトル10には、コア2からコイル3を露出するための開口部23(点線にて図示)が形成される。第2の実施形態でも、開口部23の開口率は67%に設定されている。
続いて、ヨーク部24の形状について、図8〜図12を用いて詳しく説明する。図8に示すように、ヨーク部24は、中脚21A側(図8では上側)の角部を略三角形に削った形状である。ヨーク部24において、ヨーク部24の幅寸法を46.0mm、高さ寸法を41.7mmとするとき、幅寸法Aを10mmとし、高さ寸法Bを30mmとして、A×Bで囲まれた三角形(点線で囲まれた部分)の面積を削るようになっている。幅寸法Aはヨーク部24の幅寸法に対して10/46=21.7%の比率であり、高さ寸法Bはヨーク部24の高さ寸法に対して30/41.7=71.9.%の比率である。
また、図9に示すように、ヨーク部24は、中脚21Aの外径から外側に張り出す張り出し部24aを有している。張り出し部24aの張り出し部分の長さは、中脚21Aの外径の半径を28mmとするとき、3〜5mmの範囲で外側に張り出されている。中脚21Aの外径の半径に対する張り出し部24aの長さの比率としては、3/28×100=10.7%から、5/28×100=17.6%までの範囲になっている。
さらに、図10に示すように、ヨーク部24は、外脚21B側の角部をR形状としている。外脚21B側の角部でのヨーク部24のR形状部分は面取り部24bからなる。面取り部24bでは、R=7(mm)以下とする。面取り部24bは第2の部材22bを構成するフェライトを面取りして設けられている。また、ヨーク部24の底面部(図中の下面部)と外脚21Bの形状とは一致するようになっている。そのため、ヨーク部24の面取り部24bのR形状にあわせて、外脚21Bの角部もR形状としている(図6及び図7参照)。
また、図11及び図12に示すように、ヨーク部24は、コイル3の端面に対向する部分の角部もR形状としている。コイル3の端面に対向する部分の角部でのヨーク部24のR形状部分は、面取り部24cからなる。面取り部24cでは、R=6(mm)以下としている。面取り部24cも、面取り部24bと同様、第2の部材22bを構成するフェライトを面取りして設けられている。
(作用と効果)
第2の実施形態は、第1の実施形態と同じく、コア2の開口部23の開口率を67%としたことで、コア2にコイル3を取り付けたとき、コア2から露出するコイル3の面積が大きくなる。そのため、コア2の内部にコイル3の熱が籠り難く、熱が空気中に放散され易い。従って、リアクトル10は、良好な放熱性を発揮することができる。このような作用及び効果に加えて、第2の実施形態は、ヨーク部24の形状から導かれる作用及び効果を持つ。
(1)ヨーク部24において、中脚21A側の角部を削る場合、出願人は、幅寸法Aと高さ寸法Bを同じ数値にして、リアクトルのインダクタンス低減率を調べてみた。まず、幅寸法Aと高さ寸法Bを5mmとして、続いて10〜17mmまでを1mm刻みで変えて、インダクタンス低減率(%)を調べた(表2参照)。
(表2)
Figure 2020064898
その結果、インダクタンス低減率(%)は、5mm、11mm、12mmでは1%となり、13mm以降は2%以上に増えた。これに対して、10mmでは0%となり、インダクタンス値は低減しなかった。幅寸法Aの削減量を多くすると、高さ寸法Bよりも少ない削減量で中脚21Aの断面積を小さくする必要がある。そのため、相対的に寸法削減量が多い高さ寸法Bを削減することとする。
そこで、出願人は、幅寸法Aをインダクタンスへの影響が無い10mmで固定し、高さ寸法Bだけを変えてインダクタンス低減率を調べた。その結果を表3に示す。表3に明らかなように、高さ寸法Bは30mmまで削減しても、インダクタンス低減率は1%に留まり、インダクタンス特性への影響は少なかった。なお、ヨーク部24の高さ寸法が41.7mmであるとき、高さ寸法Bを30mm以上にすると、外脚21Aの幅寸法が確保し難しくなると考えられる。
(表3)
Figure 2020064898
以上のことから、第2の実施形態に係るリアクトル10では、ヨーク部24において削る略三角形の寸法のうち、幅寸法Aを10mm削り、高さ寸法Bを30mm削ることで、インダクタンス低減率を少なくすることができる。これにより、インダクタンス特性への影響を抑えることが可能となった。また、ヨーク部24の一部を削ることでコア2の体積を削減することができ、リアクトル11の軽量化が実現した。
(2)第2の実施形態では、ヨーク部24にて、コア2の外径に対して中脚21Aの外径から張り出す張り出し部24aを設けたが、この張り出し部24aの張り出し部分の長さを変えた場合のインダクタンス低減率の変動は次の通りである(表4参照)。即ち、コア2の外径の半径を28mmとして、張り出し部24aの長さを1mm、2mm、2.5mmとしたとき、インダクタンス低減率はそれぞれ、11%、8%、4%である。
(表4)
Figure 2020064898
また、張り出し部24aの長さを3mm、3.5mm、4mm、5mmとしたとき、インダクタンス低減率はそれぞれ、1%、1%、2%、1%である。つまり、張り出し部24aの長さを3mm〜5mmとした場合には、インダクタンス低減率を2%以下に抑えることができる。従って、第2の実施形態では、ヨーク部24を削ったとしても、張り出し部24aを設けたことで、インダクタンス特性への影響を抑えることができる。
(3)第2の実施形態では、ヨーク部24の外脚21B側の角部だけではなく、外脚21B側の角部も削り、R形状を持つ面取り部24bを形成させている。ヨーク部24において外脚21B側の角部を削減すると、これに対応して外脚21B自体も削減しなくてはならないので、インダクタンス値への影響は大きくなる。しかし、第2の実施形態では、面取り部24bのRを7mm以下に規定したことで、インダクタンスの低減率を抑えることができる。
(表5)
Figure 2020064898
面取り部24bのRを変えた場合のインダクタンス低減率の変動は上記の表5の通りである。即ち、面取り部24bのRが2mm、4mm、6mm、7mmであるとき、インダクタンス低減率はそれぞれ2.9%、2.5%、2.5%、1.9%である。一方、Rが7mmを超えて、8mm、10mmになるとインダクタンス低減率は3.4%になり、Rが15mmになるとインダクタンス低減率は3.8%に達した。
インダクタンス低減率は3%以内であれば、インダクタンス特性を十分満足できるとされている。そこで、第2の実施形態では、ヨーク部24の外脚21B側の角部のR=7mm以下としたことで、インダクタンスの低減率を3%以内に抑えることができる。これにより、第2の実施形態においては、良好なインダクタンス特性を維持しつつ、コア2の削減による軽量化を実現している。
(4)さらに、第2の実施形態のヨーク部24では、コイル3の端面に対向する部分の角部において、R形状を持つ面取り部24cを設けている。そのため、コイル3はコア2から露出されるので、開口部23の開口率を確保することができる。ヨーク部24の面取り部24cのRの大きさによるインダクタンス低減率の変動は次の表6の通りである。
(表6)
Figure 2020064898
面取り部24cのR=6mmであるとき、インダクタンス低減率は1.3%と最も低く、R=1、2、3、4、5mmであれば、インダクタンス低減率はそれぞれ1.7%、2.1%、2.1%、1.7%、2.1%であった。一方、R=7mmになるとインダクタンス低減率は3.5%となり、R=10mmになると5.0%になった。
前述したようにインダクタンスの低減率は3%以内のインダクタンス値の変化であれば、インダクタンス特性を十分満足できるので、第2の実施形態では、面取り部24cのR=6mm以下としたことにより、インダクタンスの低減率を3%以内に抑えて、インダクタンス特性の維持と、コア2の削減を両立させることができる。
[第3の実施形態]
(構成)
第3の実施形態に係るリアクトル11について図13、図14を参照しつつ説明する。図13は、第3の実施形態に係るリアクトル11の全体構成を示す斜視図、図14は、同分解斜視図である。図13、図14に示すように、第3の実施形態のコア2も、第1の実施形態と同じく、脚部21が複合磁性材料からなるMCコアであり、ヨーク部25にフェライトコアである第2の部材22bを含むブロック状のコアである。
図14に示すように、第3の実施形態は、円筒形状の中脚21Aを中心とし、4本の外脚21Cが中脚21Aを囲むようにして構成されたX字状のコア2を備えている。外脚21Cは、4本とも同一形状であり、均一の間隔を保って配置されている。X字状のコア2では、中脚21Aと4本の外脚21Cをつなぐヨーク部25に磁束が集中して流れるため、削減した部分には磁束が流れにくく、削減しても特性に大きな影響が無い。すなわち、コア2は、磁束が流れにくい部分を削減した結果、X字状になっている。
外脚21Cは、中脚21Aと向かい合う面が凹んだ曲面になっており、他の面が互いに直交する平坦面となっている。リアクトル11を横置きにした場合、外脚21Cの平坦面側がリアクトル11の設置面となる。ただし、図13ではリアクトル11を縦置きにした場合を示しており、この時は、ヨーク部25の外側に向く端面がリアクトル11の設置面となっている。
第3の実施形態に係るヨーク部25は、ヨーク部22、24と同様、脚部21の両端部に配置されるが、ヨーク部25は、X字状のコア部材からなる。X字状のヨーク部25において、交差する辺部は互いに直交して形成されている。また、X字状のヨーク部25における各辺部の先端部に外脚21Cが配置されている。そのため、外脚21Cの平坦面が直交していることに対応して、ヨーク部25の各辺部の先端部は直角に形成されている。
図13に示すように、コア2にコイル3を取り付けるとき、リアクトル11には、コア2からコイル3を露出するための開口部26が形成される。開口部26は4本の外脚21Cの間に配置されている。つまり、開口部26は4か所設けられており、その開口率は4か所合わせて合計、67%に設定されている。開口部26は、図13の上方から見て、コイル3の中心寄りに直角の角部が設けられており、この角部から扇状に広がるように形成されている。
(作用と効果)
(1)第3の実施形態では、X字状のコア2としたことで、開口率を上げることができる。第3の実施形態では、67%となる開口部26を設けたことで、放熱性が向上する。例えば、第3の実施形態を適用した実施例2として、MCコア(Fe−Si合金)である脚部21と、フェライト(Mn−Zn系)のヨーク部22とからコア2を作製して、実施例2のコイル3の熱を測定した。通電条件は電流27A、周波数20kHzとして、冷却条件は自然冷却とした(表7参照)。
(表7)
Figure 2020064898
その結果、コイル3の温度は57.8℃であり、第1の実施形態を適用した実施例1のコイルの温度よりもさらに1.1℃低い温度であった。これは、第3の実施形態では、開口部25を4か所に分けて設けたことにより、コイル3の全周にわたってまんべんなく放熱性を発揮することができたためと考えられる。このような第3の実施形態によれば、より高い放熱効果を獲得することが可能である。
(2)第3の実施形態では、外脚21Cの平坦面が直角となっているため、リアクトル11を横置きにした場合に安定度が高い。
(変形例)
第3の実施形態に係るコア2の変形例としては、次のようなものがある。例えば、図15、図16に示すX字状のヨーク部27では交差する辺部の先端部が尖って設けられている。そのため、図13に示した開口部26ではコイル3の中心寄りに直角の角部を形成していたが、図15、図16に示す開口部28ではコイル3の中心寄りに鋭角の角部を形成することになる。
また、図17、図18に示すX字状のヨーク部29では、中心部分に中脚21Aに対応した形状の円形部があり、そこから辺部が四方に延びて設けられている。図18に示すように、ヨーク部29の各辺部の先端部は、略台形状になっている。そのため、ヨーク部29の外形と一致される4本の外脚21Dはいずれも、断面が略六角形状となっている。図15、図16に示した開口部28ではコイル3の中心寄りに鋭角の角部を形成していたが、それとは反対に、図17、図18に示す開口部30ではコイル3の中心寄りに鈍角の角部を形成することになる。
以上のような第3の実施形態の変形例では、開口部28、30のコイル3の中心寄りの角部を変更することで、所望の開口率を持たせることができる。従って、ユーザーのニーズに合わせて、インダクタンス特性を確保しつつ、優れた放熱性を得ることが可能である。
[他の実施形態]
本発明は、以上の実施形態に限定されるものではない。その他の様々な形態で実施されることが可能であって、発明の範囲を逸脱しない範囲で、種々の省略や置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲、要旨、その均等の範囲に含まれる。
例えば、コイル3をコア2から露出するための開口部の開口率は、60%超であれば適宜選択可能である。開口率の上限値は、要求されるインダクタンス特性を満たす外脚の断面積などによって決めるようにしてもよい。また、第1の実施形態の略六角形状のヨーク部22では、角部が直線状であったが、第2の実施形態のヨーク部24と同じく、中脚21Aの外径から外側に張り出す張り出し部を有するようにしてもよいし、外脚21B側の角部をR形状としてもよい。さらには、略六角形状のヨーク部22において、コイル3の端面に対向する部分の角部をR形状としてもよい。また、第3の実施形態では、4本の外脚を設けたが、外脚の本数は適宜変更可能である。
本発明に係る実施形態では、ヨーク部22の一部に圧粉磁心を用いたが、これに限定されず、フェライトや積層鋼板を用いるようにしてもよい。また、上記の実施形態では、コイル3の巻軸方向と直交する脚部21の端面でヨーク部22を接合させているが、これに限定されず、複合磁性材料の樹脂によってコア2を接合できるのであれば種々の形態において適用できる。
例えば、ブロック状に成型された2つの脚部21の長手方向が平行になるよう配置し、その脚部21の間に複合磁性材料で構成された一対のヨーク部22を設けてもよい。具体的には、脚部21の両端はコイル3が巻回されていない部分を有し、このコイル3が巻回されていない脚部21の間にヨーク部22が設けられ、複合磁性材料の樹脂により脚部21とヨーク部22が接合されていてもよい。
1、10、11…リアクトル
2…コア
21…脚部
21A…中脚
21B〜21D…外脚
22…ヨーク部(略六角形状)
22a…第1の部材
22b…第2の部材
23、26、28、30…開口部
24…ヨーク部
24a…張り出し部
24b、24c…面取り部
25、27、29…ヨーク部(X字状)
3…コイル
4…樹脂部材
41…直線部
42…連結部
5…デッドスペース

Claims (15)

  1. コイルを巻回した中脚と、前記中脚の外側に配置される外脚と、前記中脚の両端部及び前記外脚の両端部に配置されるヨーク部とを有するコアを備え、
    前記中脚及び前記外脚は、磁性粉末と樹脂とを含む複合樹脂材料からなり、
    前記コイルを前記コアから露出するための開口部を形成し、前記コイルの全周が前記コアの内部に収容される場合を開口率0%、前記コイルの全周が前記コアから露出される場合を開口率100%とするとき、前記開口部の開口率を60%超としたことを特徴とするリアクトル。
  2. 前記開口部の開口率を67%以上としたことを特徴とする請求項1に記載のリアクトル。
  3. 前記ヨーク部は、前記複合磁性材料からなる第1の部材と、前記複合磁性材料の透磁率より大きい材料からなる第2の部材とから構成したことを特徴とする請求項1又は2に記載のリアクトル。
  4. 前記ヨーク部と前記中脚並びに前記ヨーク部と前記外脚を、前記第1の部材の複合樹脂材料によって接合したことを特徴とする請求項3に記載のリアクトル。
  5. 前記第2の部材の透磁率は、前記第1の部材の透磁率より大きいことを特徴とする請求項3又は4に記載のリアクトル。
  6. 前記第2の部材は、少なくとも圧粉磁心、フェライト及び積層鋼板を含むことを特徴とする請求項5に記載のリアクトル。
  7. 前記中脚及び前記外脚は、それぞれ1脚であり、
    前記中脚は、断面形状が円形または楕円であり、
    前記外脚は、前記中脚の直径よりも大きく、且つ前記コイルの外周部の直径以下の幅寸法であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のリアクトル。
  8. 前記ヨーク部は、前記中脚の直径部分と接する半円部分と、前記中脚の直径部分を短辺とした台形部分と、前記短辺と向かい合う長辺で前記台形部分に接する長方形部分とを組み合わせた略六角形状であることを特徴とする請求項7に記載のリアクトル。
  9. 前記ヨーク部は、前記中脚側の角部を略三角形に削った形状であることを特徴とする請求項7又は8に記載のリアクトル。
  10. 前記ヨーク部は、前記中脚の外径から外側に張り出す張り出し部を有することを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載のリアクトル。
  11. 前記ヨーク部は、前記外脚側の角部をR形状としたことを特徴とする請求項7〜10のいずれかに記載のリアクトル。
  12. 前記ヨーク部は、前記コイルの端面に対向する部分の角部をR形状としたことを特徴とする請求項7〜11のいずれかに記載のリアクトル。
  13. 前記外脚は、面取り部を有することを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載のリアクトル。
  14. 前記コアは、複数の前記外脚が前記中脚を囲むようにして構成したことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のリアクトル。
  15. 複数の前記外脚の両端部に配置されるヨーク部は、均等に放射状に広がるように構成したことを特徴とする請求項14に記載のリアクトル。
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