JP2020064174A - 光学装置および表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】収差による画質低下が少ないコンパクトな光学装置を提供する。【解決手段】本発明の光学装置は、光学素子と、光学素子による収差を補正する収差補正素子と、を備える。収差補正素子は、誘電体材料からなる複数の柱状構造体を備える。複数の柱状構造体は、入射光に対して導波路効果を生じさせる屈折率およびピッチを有し、複数の柱状構造体のうちの第1柱状構造体の径と第2柱状構造体の径とは、互いに異なる。【選択図】図3
Description
本発明は、光学装置および表示装置に関する。
例えばプロジェクター等の表示装置においては、表示品位の向上を目的として、レンズ等の光学素子によって生じる各種の収差を補正する手段が用いられる。下記の特許文献1には、縮小側像面に形成される画像を拡大投影し、縮小側像面に対して略テレセントリックとされた光学系を備え、さらに絞りと縮小側像面との光路上に回折光学素子を備えた表示装置が開示されている。
特許文献1に記載された収差補正光学系は、レンズと回折光学素子との組み合わせによって構成されている。ところが、高精度の収差補正を行い、高解像度の表示画像を得ようとすると、レンズの枚数が増加する、もしくは、レンズと回折光学素子とを組み合わせることによるレンズの大型化が生じる、等の問題がある。その結果、光学系全体のサイズが大きくなり、表示装置の大型化の要因となる。
上記の課題を解決するために、本発明の一つの態様の光学装置は、光学素子と、前記光学素子による収差を補正する収差補正素子と、を備える。前記収差補正素子は、誘電体材料からなる複数の柱状構造体を備える。前記複数の柱状構造体は、入射光に対して導波路効果を生じさせる屈折率およびピッチを有し、前記複数の柱状構造体のうちの第1柱状構造体の径と第2柱状構造体の径とは互いに異なる。
本発明の一つの態様の光学装置において、前記ピッチは、前記入射光の前記柱状構造体内での波長以上、空気中での波長未満であり、前記複数の柱状構造体は、前記入射光に対して導波モード共鳴を生じさせる作用を有してもよい。
本発明の一つの態様の光学装置において、前記ピッチは、k=m・2π/U(k:波数、U:ピッチ、m:整数)の位相整合条件を満たしてもよい。
本発明の一つの態様の光学装置において、前記収差補正素子は、基材と、前記基材に設けられた前記複数の柱状構造体と、を有していてもよい。
本発明の一つの態様の光学装置において、前記基材は、第1面と第2面とを有する透光性基板を有し、前記光学素子から射出された光は、前記透光性基板の前記第1面から入射され、前記透光性基板の前記第2面から射出されてもよい。
本発明の一つの態様の光学装置において、前記基材は、第1面と第2面とを有する下地層と、前記下地層の前記第2面に設けられた反射層と、を有し、前記光学素子から射出された光は、前記下地層の前記第1面から入射され、前記反射層で反射され、前記下地層の前記第1面から射出されてもよい。
本発明の一つの態様の光学装置において、前記柱状構造体の屈折率と前記下地層の屈折率との差は、0.1以上であってもよい。
本発明の一つの態様の光学装置において、前記複数の柱状構造体は、前記光学素子に設けられていてもよい。
本発明の一つの態様の光学装置において、前記収差補正素子は、前記柱状構造体の周囲に設けられ、前記柱状構造体の屈折率よりも低い屈折率を有する低屈折率層をさらに備えていてもよい。
本発明の一つの態様の光学装置において、前記柱状構造体の屈折率と前記低屈折率層の屈折率との差は、0.1以上であってもよい。
本発明の一つの態様の光学装置において、前記収差補正素子は、前記入射光の照射領域内に前記柱状構造体が設けられた第1領域と、前記入射光の照射領域内に前記柱状構造体が設けられていない第2領域と、を有していてもよい。
本発明の一つの態様の光学装置において、前記収差補正素子は、前記入射光の照射領域内に前記柱状構造体が第1の密度で設けられた第3領域と、前記入射光の照射領域内に前記柱状構造体が前記第1の密度とは異なる第2の密度で設けられた第4領域と、を有していてもよい。
本発明の一つの態様の光学装置において、前記柱状構造体は、底面の面積が上面の面積よりも広いテーパー形状を有していてもよい。
本発明の一つの態様の表示装置は、本発明の一つの態様の光学装置を備える。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図1〜図9を用いて説明する。
本実施形態では、表示装置の一例として、プロジェクターを挙げて説明する。
図1は、第1実施形態のプロジェクターを示す概略構成図である。
図2は、照明装置の側面図である。
なお、以下の各図面においては各構成要素を見やすくするため、構成要素によって寸法の縮尺を異ならせて示すことがある。
以下、本発明の第1実施形態について、図1〜図9を用いて説明する。
本実施形態では、表示装置の一例として、プロジェクターを挙げて説明する。
図1は、第1実施形態のプロジェクターを示す概略構成図である。
図2は、照明装置の側面図である。
なお、以下の各図面においては各構成要素を見やすくするため、構成要素によって寸法の縮尺を異ならせて示すことがある。
本実施形態のプロジェクターは、光変調装置として3つの透過型液晶ライトバルブを用いたプロジェクターの一例である。なお、光変調装置として、反射型液晶ライドバルブを用いることもできる。また、光変調装置として、マイクロミラーを用いたデバイス、例えば、DMD(Digital Micromirror Device)等を利用したものなど、液晶以外の光変調装置を用いてもよい。
図1に示すように、プロジェクター1は、照明装置2と、色分離光学系3と、光変調装置4R,光変調装置4Gおよび光変調装置4Bと、光合成光学系5と、投射光学系6と、を備えている。また、プロジェクター1は、後述する光学装置を備えている。照明装置2は、照明光WLを射出する。色分離光学系3は、照明装置2からの照明光WLを赤色光LR、緑色光LGおよび青色光LBに分離する。光変調装置4R,光変調装置4Gおよび光変調装置4Bはそれぞれ、赤色光LR、緑色光LGおよび青色光LBを画像情報に応じて変調し、各色の画像光を形成する。光合成光学系5は、各光変調装置4R,4G,4Bからの各色の画像光を合成する。投射光学系6は、光合成光学系5からの合成された画像光をスクリーンSCRに向かって投射する。
図2に示すように、照明装置2は、半導体レーザーから射出された青色の励起光のうち、波長変換されずに射出される青色の励起光Bの一部と、蛍光体ホイール50による励起光Bの波長変換によって生じる黄色の蛍光YLと、を含む白色の照明光WLを射出する。照明装置2は、略均一な照度分布を有するように調整された照明光WLを色分離光学系3に向けて射出する。照明装置2の具体的な構成については後述する。
図1に示すように、色分離光学系3は、第1ダイクロイックミラー7aと、第2ダイクロイックミラー7bと、第1反射ミラー8aと、第2反射ミラー8bと、第3反射ミラー8cと、リレーレンズ8dと、を備えている。
第1ダイクロイックミラー7aは、照明装置2から射出された照明光WLを、赤色光LRと、緑色光LGと青色光LBとが混合された光と、に分離する。そのため、第1ダイクロイックミラー7aは、赤色光LRを透過するとともに、緑色光LGおよび青色光LBを反射する。第2ダイクロイックミラー7bは、緑色光LGと青色光LBとが混合された光を緑色光LGと青色光LBとに分離する。そのため、第2ダイクロイックミラー7bは、緑色光LGを反射するとともに、青色光LBを透過する。
第1反射ミラー8aは、赤色光LRの光路中に配置され、第1ダイクロイックミラー7aを透過した赤色光LRを光変調装置4Rに向けて反射する。第2反射ミラー8bおよび第3反射ミラー8cは、青色光LBの光路中に配置され、第2ダイクロイックミラー7bを透過した青色光LBを光変調装置4Bに導く。
光変調装置4R、光変調装置4G、および光変調装置4Bの各々は、液晶パネルから構成されている。光変調装置4Rは、赤色光LRを通過させる間に画像情報に応じて変調し、赤色の画像光を形成する。同様に、光変調装置4Gは、緑色光LGを通過させる間に画像情報に応じて変調し、緑色の画像光を形成する。光変調装置4Bは、青色光LBを通過させる間に画像情報に応じて変調し、青色の画像光を形成する。光変調装置4R、光変調装置4G、および光変調装置4Bの各々の光入射側および光射出側には、偏光板(図示略)がそれぞれ配置されている。
光変調装置4Rの光入射側には、光変調装置4Rに入射する赤色光LRを平行化するフィールドレンズ10Rが設けられている。光変調装置4Gの光入射側には、光変調装置4Gに入射する緑色光LGを平行化するフィールドレンズ10Gが設けられている。光変調装置4Bの光入射側には、光変調装置4Bに入射する青色光LBを平行化するフィールドレンズ10Bが設けられている。
光合成光学系5は、クロスダイクロイックプリズムから構成されている。光合成光学系5は、光変調装置4R、光変調装置4G、および光変調装置4Bの各々から射出された各色の画像光を合成し、合成された画像光を投射光学系6に向かって射出する。
投射光学系6は、複数の投射レンズから構成されている。投射光学系6は、光合成光学系5により合成された画像光をスクリーンSCRに向かって拡大投射する。これにより、スクリーンSCR上には、拡大されたカラー映像が表示される。
(照明装置)
次に、照明装置2の構成について説明する。
図2に示すように、照明装置2は、励起光を射出するアレイ光源30と、コリメート光学系40と、集光光学系42と、蛍光体ホイール50と、ピックアップ光学系60と、インテグレーター光学系110と、偏光変換素子120と、重畳レンズ130と、を備えている。
次に、照明装置2の構成について説明する。
図2に示すように、照明装置2は、励起光を射出するアレイ光源30と、コリメート光学系40と、集光光学系42と、蛍光体ホイール50と、ピックアップ光学系60と、インテグレーター光学系110と、偏光変換素子120と、重畳レンズ130と、を備えている。
アレイ光源30は、後述する蛍光体ホイール50が備える蛍光体層51を励起させる励起光Bとして、青色光を射出する複数の半導体レーザー31を有する。半導体レーザー31の発光強度のピークは、例えば約445nmである。
なお、後述する蛍光体層(散乱光生成部)23を励起させることができる波長の光であれば、半導体レーザー31は445nm以外のピーク波長を有する色光を射出するものであっても構わない。
コリメート光学系40は、アレイ光源30から射出された励起光Bを平行光に変換する。コリメート光学系40は、例えば複数の半導体レーザー31の配列に対応してアレイ状に配列された複数のコリメーターレンズ41で構成されている。コリメート光学系40を透過することによって平行光に変換された励起光Bは、集光光学系42に入射する。
集光光学系42は、例えば1枚の凸レンズから構成される。集光光学系42は、アレイ光源30から射出される励起光Bの光線軸上に配置され、コリメート光学系40により平行化された励起光Bを蛍光体ホイール50上に集光させる。
蛍光体ホイール50は、アレイ光源30から射出される青色の励起光Bの一部を透過させ、残りの励起光Bを蛍光に変換する機能を有する。蛍光体ホイール50は、回転基板50aと、蛍光体層51と、ダイクロイック膜52と、モーター55bと、を有する。回転基板50aは、例えば光透過性を有するガラスや樹脂から構成されている。
回転基板50aは、回転軸Oの方向から見て円形に形成されている。ただし、回転基板50aの外形は円形に限定されず、例えば多角形であってもよい。モーター55bは、所定の回転軸O周りに回転基板50aを回転させる。回転基板50aは、回転基板50aに入射する励起光Bの光軸に略直交する面内で回転する。蛍光体層51は、残りの励起光Bを吸収して赤色光および緑色光を含む黄色の蛍光YLを射出する蛍光体粒子を含んでいる。蛍光YLの発光強度のピークは、例えば約550nmである。
蛍光体粒子として、例えばYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)系蛍光体が用いられる。なお、蛍光体粒子の形成材料は、1種であってもよいし、2種以上の材料を用いて形成された粒子が混合されたものであってもよい。
ダイクロイック膜52は、蛍光体層51と回転基板50aとの間に設けられている。ダイクロイック膜52は、励起光Bを透過して蛍光YLを反射させる。
蛍光YLと蛍光体層51を透過した励起光Bの一部の光、すなわち青色光B1とが合成されることによって白色の照明光WLが生成される。すなわち、照明光WLは、蛍光YLとレーザー光からなる励起光Bとを含んだ光から構成されている。
ピックアップ光学系60は、例えばピックアップレンズ61とピックアップレンズ62とから構成されている。ピックアップ光学系60は、蛍光体層51から射出される照明光WLを取り込むとともに略平行化してインテグレーター光学系110に向けて射出させる。
インテグレーター光学系110は、第1レンズアレイ111と第2レンズアレイ112とを備えている。第1レンズアレイ111は、マトリクス状に配置された複数のレンズを備えている。第2レンズアレイ112は、第1レンズアレイ111の複数のレンズに対応した複数のレンズを備えている。第1レンズアレイ111は、ピックアップ光学系60からの照明光WLを複数の分割光束に分割するとともに、各分割光束を集光する。第2レンズアレイ112は、第1レンズアレイ111からの分割光束を所定の発散角にて射出する。
偏光変換素子120は、第2レンズアレイ112から射出された光を直線偏光に変換する。偏光変換素子120は、例えば、偏光分離膜および位相差板(ともに図示略)を備えている。すなわち、偏光変換素子120は、非偏光を一方向の直線偏光に変換する。
重畳レンズ130は、偏光変換素子120から射出された複数の分割光束を、光変調装置4R、光変調装置4G、光変調装置4Bの各々の被照明領域において重畳させる。すなわち、第2レンズアレイ112および重畳レンズ130は、第1レンズアレイ111の各レンズの像を光変調装置4R、光変調装置4G、および光変調装置4Bの画像形成領域の近傍に結像させる。
(光学装置)
以下、本実施形態の光学装置について説明する。
図3は、光学装置20の側面図である。
本実施形態の光学装置20は、図1に示すプロジェクター1において、例えばコリメーターレンズ41、重畳レンズ130、リレーレンズ8d、フィールドレンズ10R,10G,10B等の集光素子に適用することができる。
以下、本実施形態の光学装置について説明する。
図3は、光学装置20の側面図である。
本実施形態の光学装置20は、図1に示すプロジェクター1において、例えばコリメーターレンズ41、重畳レンズ130、リレーレンズ8d、フィールドレンズ10R,10G,10B等の集光素子に適用することができる。
図3に示すように、光学装置20は、レンズ21(光学素子)と、収差補正素子22と、を備えている。レンズ21は、球面レンズで構成されている。収差補正素子22は、レンズ21の光射出側に設けられ、レンズ21による収差を補正する。
図4は、収差補正素子22の側面図である。
収差補正素子22は、基板221(基材)と、基板221の第2面221bに設けられた複数の柱状構造体222と、を備えている。複数の柱状構造体222は、基板221の法線方向から見て、2次元状に周期的に並んで設けられている。複数の柱状構造体222は、基板221の第2面221bの全域に設けられている。柱状構造体222は、nmオーダーの径を有しており、ナノピラーなどと呼ばれることもある。
収差補正素子22は、基板221(基材)と、基板221の第2面221bに設けられた複数の柱状構造体222と、を備えている。複数の柱状構造体222は、基板221の法線方向から見て、2次元状に周期的に並んで設けられている。複数の柱状構造体222は、基板221の第2面221bの全域に設けられている。柱状構造体222は、nmオーダーの径を有しており、ナノピラーなどと呼ばれることもある。
柱状構造体222は、例えば酸化チタン(TiO2)、窒化シリコン(SiN)、リン化ガリウム(GaP)等の高屈折率の誘電体材料から構成されている。また、柱状構造体222の形状は、円柱状、正四角柱状等の回転対称形である。基板221は、柱状構造体222の屈折率よりも低い屈折率を有するガラス(SiO2)等の透光性基板から構成されている。レンズ21から射出された光は、基板221の第1面221aから入射され、第2面221bから射出される。
複数の柱状構造体222は、入射光に対して導波路効果を生じさせる屈折率およびピッチを有している。柱状構造体222の屈折率は、2.2〜4.0程度の範囲である。例えば柱状構造体222の材料であるTiO2の屈折率は2.28〜2.42程度であり、SiNの屈折率は2.0〜2.1程度であり、GaPの屈折率は3.1〜4.0程度である。
隣り合う柱状構造体222間のピッチPは、100〜700nm程度であり、本実施形態の一例として250nmである。柱状構造体222間のピッチPは、全ての隣り合う柱状構造体222間で一定であってもよいし、互いに異なっていてもよい。また、柱状構造体222の高さHは、100〜1000nm程度であり、本実施形態の一例として600nmである。柱状構造体222の高さHは、全ての柱状構造体222で一定である。
柱状構造体222の径Wは、50〜700nm程度である。また、複数の柱状構造体222のうち、任意の一つの柱状構造体を第1柱状構造体222Aと称し、他の一つの柱状構造体を第2柱状構造体222Bと称したとすると、第1柱状構造体222Aの径W1と第2柱状構造体222Bの径W2とは互いに異なる。本実施形態の一例として、例えば第1柱状構造体222Aの径W1が100nmであり、第2柱状構造体222Bの径W2が500nmである。すなわち、柱状構造体222の径Wは、全ての柱状構造体222について一定ではなく、少なくとも一部の柱状構造体222の径Wは他の柱状構造体222の径Wと異なる。
収差補正素子22は、柱状構造体222の形成領域R内での光閉じ込め効果によってナノオーダーサイズの光共振器として作用する。また、後述するように、収差補正素子22は、径Wが異なる柱状構造体222を有することによって、収差補正素子22を通過する光の位相を変調することができ、他の光学素子による収差を補正することができる。
位相変調は、柱状構造体222の形成領域R内での導波路効果(Waveguide effect)によって得られる。入射光の波長をλとし、柱状構造体222の実効屈折率をneffとし、柱状構造体222の高さをHとすると、位相変調量φは、以下の(1)式で表される。
φ=2π/λ×(neff×H) …(1)
φ=2π/λ×(neff×H) …(1)
ここで、収差補正素子22における光の導波モードについて説明する。
光が柱状構造体222の形成領域Rに入射した際、以下の2つの導波モードによる光の導波が生じる。
光が柱状構造体222の形成領域Rに入射した際、以下の2つの導波モードによる光の導波が生じる。
図6は、縦方向導波モードの概念を示す模式図である。図7は、横方向導波モードの概念を示す模式図である。
図6に示すように、収差補正素子22に対して垂直入射した光Lは、柱状構造体222の形成領域Rとその外側空間との界面で垂直に反射されることにより、反射光L1は、柱状構造体222の形成領域R内で往復し、共振を生じつつ導波する。この導波モードを縦方向導波モードと称する。縦方向導波モードは、ファブリーペロー共振器と同じ原理により生じる導波モードである。
図6に示すように、収差補正素子22に対して垂直入射した光Lは、柱状構造体222の形成領域Rとその外側空間との界面で垂直に反射されることにより、反射光L1は、柱状構造体222の形成領域R内で往復し、共振を生じつつ導波する。この導波モードを縦方向導波モードと称する。縦方向導波モードは、ファブリーペロー共振器と同じ原理により生じる導波モードである。
また、収差補正素子22に対して入射した光は、柱状構造体222のピッチPに応じて所定の角度だけ回折される。このとき、複数の柱状構造体222は、回折格子として作用する。特に回折角が90°となる条件では、図7に示すように、回折光L2は、入射光Lに対して垂直方向に導波する。この導波モードを横方向導波モードと称する。
収差補正素子22においては、縦方向導波モードによる光の伝播と横方向導波モードによる光の伝播とが空気中で重なり合い、収差補正素子22から射出される光の位相が決まる。
ここで、(1)式における実効屈折率neffは、柱状構造体222の径Wに依存する。そのため、柱状構造体222内への光の閉じ込めについては、柱状構造体222の径Wが大きい程、基本モードによる閉じ込めが増加する。したがって、柱状構造体222の径Wを変化させることにより、導波モードが変化し、実効屈折率neffも変化する。その結果、柱状構造体222の高さが一定であっても、位相変調が可能となる。
ここで、本発明者は、柱状構造体222の径Wを変化させた場合の位相シフト量のシミュレーションをFDTD法によって行った。ここでは、柱状構造体222の径Wのみを変化させ、柱状構造体222の間隔および高さは一定とした。図5に、シミュレーション結果のグラフを示す。グラフの横軸は、柱状構造体の径(nm)であり、グラフの縦軸は、位相シフト量(/2π)である。
図5に示すように、柱状構造体222の径Wを250nmから420nmまで変化させたとき、位相シフト量(/2π)を約0.05から1まで変化させることができた。すなわち、柱状構造体222の径Wを大きくすると、位相変調量を大きくできることが判った。このことから、光の照射領域内での位置によって柱状構造体222の径Wを変えれば、位相変調量を局所的に変化させることが可能となる。このように、本実施形態の収差補正素子22によれば、位置によって柱状構造体222の径Wを変え、位相変調量を局所的に変化させることにより、収差を補正することができる。
ここで、図8および図9を用いて、位相変調量を局所的に変化させることにより収差の補正が可能となる理由を簡単に説明する。
図8は、光Lが正常なレンズ70を透過する際の等位相面Fを示す図である。
光の波面の一部の位相変調量を他の部分の位相変調量と異ならせることにより、光の進行方向を変化させることが可能となる。逆に言えば、光の波面全体に対して同じ位相変調量で位相を遅らせても進行方向の変化は起こらない。
光の波面の一部の位相変調量を他の部分の位相変調量と異ならせることにより、光の進行方向を変化させることが可能となる。逆に言えば、光の波面全体に対して同じ位相変調量で位相を遅らせても進行方向の変化は起こらない。
例えば図8に示すように、レンズ70も位相変調素子の一つと考えることができる。レンズ70において、レンズ70の端部に近い位置を通る光Lは、位相変調量を小さくする、すなわち位相遅れを少なくすることによって等位相面Fを先に進ませている。これに対し、レンズ70の光軸AXに近い位置を通る光Lは、位相変調量を大きくする、すなわち位相遅れを多くすることによって等位相面Fをレンズ端部の光よりも遅らせている。このように、レンズ70の位置によって異なる変調量の位相変調を行うことにより、レンズ入射前の平面波F1からレンズ透過後の球面波F2へと波面変換を行ない、平行光から1点に集光する集束光となるように、光の進行方向を変化させている。
図9は、欠陥を有するレンズ71を光Lが透過する際の等位相面Fを示す図である。
画像のボケや歪み等の表示品位低下の要因となる収差は、光Lの波面が理想状態から崩れ、光Lの進行方向がずれることに起因する。
例えば図9に示すように、レンズ71の一部に傷71dがあった場合、傷71dに対応する位置で等位相面Fの歪みK、すなわち球面波からのずれが生じる。その結果、光Lは1点に集光しないこととなり、画像のボケや歪みの原因となる。
画像のボケや歪み等の表示品位低下の要因となる収差は、光Lの波面が理想状態から崩れ、光Lの進行方向がずれることに起因する。
例えば図9に示すように、レンズ71の一部に傷71dがあった場合、傷71dに対応する位置で等位相面Fの歪みK、すなわち球面波からのずれが生じる。その結果、光Lは1点に集光しないこととなり、画像のボケや歪みの原因となる。
そこで、本実施形態の光学装置20によれば、収差補正素子22の複数の柱状構造体222のうち、レンズ21による等位相面Fの歪みKに対応する位置に対応する柱状構造体222の径Wを他の柱状構造体222の径Wから適切な寸法だけ異ならせることによって、局所的に位相変調を行うことができる。これにより、収差補正素子22は、光Lの理想的な球面波からのずれを補正することができる。その結果、球面収差、コマ収差、非点収差、像面湾曲、歪曲収差等の各種収差による画質低下が少ないコンパクトな光学装置20を実現することができる。
本実施形態の光学装置20においては、レンズ21と収差補正素子22とが別個の部材として構成されているため、収差補正素子22を製造しやすく、所望の補正性能を得やすい。
また、本実施形態においては、柱状構造体222の形状が円柱状、正四角柱状等の回転対称形であるため、収差補正素子22において、構造性複屈折の効果は発生せず、入射光の偏光状態に依存することなく、収差補正の効果が得られる。なお、柱状構造体222の形状は、必ずしも円柱状、正四角柱状等の回転対称形でなくてもよい。
本実施形態のプロジェクター1は、上記の光学装置20を用いたことによって、投影画像の解像度が高く、表示品位に優れるとともに、小型化が実現できる。
[第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態について、図10を用いて説明する。
第2実施形態の光学装置の基本構成は第1実施形態と同様であり、複数の柱状構造体の配置が第1実施形態と異なる。そのため、光学装置の全体構成の説明は省略する。
図10は、第2実施形態の光学装置24の側面図である。
図10において、第1実施形態で用いた図3と共通の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
以下、本発明の第2実施形態について、図10を用いて説明する。
第2実施形態の光学装置の基本構成は第1実施形態と同様であり、複数の柱状構造体の配置が第1実施形態と異なる。そのため、光学装置の全体構成の説明は省略する。
図10は、第2実施形態の光学装置24の側面図である。
図10において、第1実施形態で用いた図3と共通の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
図10に示すように、本実施形態の光学装置24は、レンズ21と、収差補正素子25と、を備えている。収差補正素子25は、基板221(基材)と、基板221の第2面221bに設けられた複数の柱状構造体222と、を備えている。複数の柱状構造体222は、基板221の第2面221bのうち、入射光の照射領域内において、レンズ21の光軸に近い中央部には設けられておらず、光軸から遠い周縁部に設けられている。すなわち、収差補正素子25は、入射光の照射領域内に柱状構造体222が設けられた第1領域25aと、入射光の照射領域内に柱状構造体222が設けられていない第2領域25bと、を有する。柱状構造体222が設けられた第1領域25aは、図9に例を挙げて説明したように、光Lの等位相面Fが局所的に歪み、位相変調が必要な領域に対応する。
光学装置24のその他の構成は、第1実施形態と同様である。
光学装置24のその他の構成は、第1実施形態と同様である。
本実施形態においても、各種の収差による画質低下が少ないコンパクトな光学装置24を実現できる、といった第1実施形態と同様の効果が得られる。
収差補正素子においては、導波路効果により柱状構造体222内に光閉じ込めが生じること、射出光の一部が設計値の位相からずれてノイズ成分となること等に起因して、光量ロスが生じるおそれがある。この問題に対し、本実施形態の光学装置24によれば、位相変調による補正が必要な一部の領域である第1領域25aのみに柱状構造体222が設けられているため、光量の低下を最小限に抑えることができる。
[第3実施形態]
以下、本発明の第3実施形態について、図11を用いて説明する。
第3実施形態の光学装置の基本構成は第1実施形態と同様であり、複数の柱状構造体の配置が第1実施形態と異なる。そのため、光学装置の全体構成の説明は省略する。
図11は、第3実施形態の光学装置26の側面図である。
図11において、第1実施形態で用いた図3と共通の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
以下、本発明の第3実施形態について、図11を用いて説明する。
第3実施形態の光学装置の基本構成は第1実施形態と同様であり、複数の柱状構造体の配置が第1実施形態と異なる。そのため、光学装置の全体構成の説明は省略する。
図11は、第3実施形態の光学装置26の側面図である。
図11において、第1実施形態で用いた図3と共通の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
図11に示すように、本実施形態の光学装置26は、レンズ21と、収差補正素子27と、を備えている。収差補正素子27は、複数の柱状構造体222で構成され、低屈折率層271を備えていてもよい。複数の柱状構造体222は、レンズ21の光射出面の全域に設けられている。すなわち、本実施形態の光学装置26は、レンズ21と収差補正素子27とが一体化された構成を有する。
低屈折率層271は、柱状構造体222とレンズ21との間に設けられ、柱状構造体222の屈折率よりも低い屈折率を有する材料から構成されている。低屈折率層271の屈折率が柱状構造体222の屈折率よりも低いため、柱状構造体222における光の閉じ込め効果が阻害されることがない。低屈折率層271の構成材料として、例えばSiO2等が用いられる。低屈折率層271の屈折率は、例えば1.3〜2.1程度である。第1実施形態で述べたように、柱状構造体222の屈折率は2.2〜4.0程度であるため、柱状構造体222の屈折率と低屈折率層271の屈折率との差は、0.1以上であることが望ましい。
光学装置26のその他の構成は、第1実施形態と同様である。
光学装置26のその他の構成は、第1実施形態と同様である。
本実施形態においても、各種の収差による画質低下が少ないコンパクトな光学装置26を実現できる、といった第1実施形態と同様の効果が得られる。
柱状構造体を有する収差補正素子を用いる場合、レンズと収差補正素子とが別体であると、レンズと収差補正素子との精密なアライメントが必要となる。これに対し、本実施形態の光学装置26においては、レンズ21と収差補正素子27とが一体の光学部材であるため、プロジェクター1の組み立て工程におけるレンズ21と収差補正素子27とのアライメント作業を不要とすることができる。
さらに、本実施形態の光学装置26においては、柱状構造体222の周囲が低屈折率層271で覆われていてもよい。この構成によれば、柱状構造体222での光の閉じ込め効果が確実に発現される。さらに、柱状構造体222が低屈折率層271によって保護されるため、プロジェクター1の組み立て工程における光学装置26のハンドリングが容易になる。
[第4実施形態]
以下、本発明の第4実施形態について、図12を用いて説明する。
第4実施形態の光学装置の基本構成は第3実施形態と同様であり、複数の柱状構造体の配置が第3実施形態と異なる。そのため、光学装置の全体構成の説明は省略する。
図12は、第4実施形態の光学装置28の側面図である。
図12において、第3実施形態で用いた図11と共通の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
以下、本発明の第4実施形態について、図12を用いて説明する。
第4実施形態の光学装置の基本構成は第3実施形態と同様であり、複数の柱状構造体の配置が第3実施形態と異なる。そのため、光学装置の全体構成の説明は省略する。
図12は、第4実施形態の光学装置28の側面図である。
図12において、第3実施形態で用いた図11と共通の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
図12に示すように、本実施形態の光学装置28は、レンズ21と、収差補正素子29と、を備えている。収差補正素子29は、複数の柱状構造体222を備えている。複数の柱状構造体222は、レンズ21の光射出面のうち、入射光の照射領域内において、レンズ21の光軸AXに近い中央部には設けられておらず、光軸AXから遠い周辺部に設けられている。すなわち、収差補正素子29は、入射光の照射領域内に柱状構造体222が設けられた第1領域29aと、入射光の照射領域内に柱状構造体222が設けられていない第2領域29bと、を有する。光学装置28は、レンズ21と収差補正素子29とが一体化された構成を有する。なお、第3実施形態と同様、複数の柱状構造体222の周囲に低屈折率層271が設けられていてもよい。
光学装置28のその他の構成は、第1実施形態と同様である。
光学装置28のその他の構成は、第1実施形態と同様である。
本実施形態においても、各種の収差による画質低下が少ないコンパクトな光学装置28を実現できる、といった第1実施形態と同様の効果が得られる。
また、本実施形態においても、光量の低下が最小限に抑えられる、といった第2実施形態と同様の効果、および、レンズ21と収差補正素子29とのアライメント作業が不要になる、といった第3実施形態と同様の効果が得られる。
[第5実施形態]
以下、本発明の第5実施形態について、図13を用いて説明する。
第5実施形態の光学装置の基本構成は第3実施形態と同様であり、複数の柱状構造体の配置が第3実施形態と異なる。そのため、光学装置の全体構成の説明は省略する。
図13は、第5実施形態の光学装置の側面図である。
図13において、第3実施形態で用いた図11と共通の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
以下、本発明の第5実施形態について、図13を用いて説明する。
第5実施形態の光学装置の基本構成は第3実施形態と同様であり、複数の柱状構造体の配置が第3実施形態と異なる。そのため、光学装置の全体構成の説明は省略する。
図13は、第5実施形態の光学装置の側面図である。
図13において、第3実施形態で用いた図11と共通の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
図13に示すように、本実施形態の光学装置32は、第1レンズ33と、収差補正素子34と、第2レンズ35と、を備えている。第1レンズ33は、凸レンズで構成されている。第2レンズ35は、凹レンズで構成されている。収差補正素子34は、複数の柱状構造体222と、低屈折率層271と、を備えている。複数の柱状構造体222は、第1レンズ33の光射出面の全域に設けられている。第2レンズ35は、複数の柱状構造体222と低屈折率層271とを介して、第1レンズ33と対向して配置されている。すなわち、本実施形態の光学装置32においては、複数の柱状構造体222は第1レンズ33と第2レンズ35との間に挟持され、第1レンズ33と収差補正素子34と第2レンズ35とは一体化されている。
光学装置32のその他の構成は、第3実施形態と同様である。
光学装置32のその他の構成は、第3実施形態と同様である。
本実施形態においても、各種の収差による画質低下が少ないコンパクトな光学装置32を実現できる、といった第1実施形態と同様の効果が得られる。
また、本実施形態においては、第1レンズ33と収差補正素子34と第2レンズ35とが一体化されているため、通常はトリプレットレンズや自由曲面レンズ等を用いて行う高精度な収差補正を小型の光学装置32で実現することができる。
[第6実施形態]
以下、本発明の第6実施形態について、図14を用いて説明する。
第6実施形態の光学装置の基本構成は第1実施形態と同様であり、収差補正素子の構成が第1実施形態と異なる。そのため、光学装置の全体構成の説明は省略する。
図14は、第6実施形態の光学装置の側面図である。
図14において、第1実施形態で用いた図3と共通の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
以下、本発明の第6実施形態について、図14を用いて説明する。
第6実施形態の光学装置の基本構成は第1実施形態と同様であり、収差補正素子の構成が第1実施形態と異なる。そのため、光学装置の全体構成の説明は省略する。
図14は、第6実施形態の光学装置の側面図である。
図14において、第1実施形態で用いた図3と共通の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
第1〜第5実施形態の光学装置においては、透過型の収差補正素子が用いられていたのに対し、第6実施形態の光学装置においては、反射型の収差補正素子が用いられている。したがって、本実施形態の光学装置は、図1に示すプロジェクター1において、例えば第1反射ミラー8a、第2反射ミラー8b、第3反射ミラー8c等の反射素子が用いられる個所に適用することができる。
図14に示すように、本実施形態の光学装置36は、レンズ21と、収差補正素子37と、を備えている。収差補正素子37は、基材38と、基材38に設けられた複数の柱状構造体222と、を有する。基材38は、第1面381aと第2面381bとを有する下地層381と、下地層381の第2面381bに設けられた反射層382と、を有する。
下地層381の構成材料として、例えばSiO2等が用いられる。下地層381は、柱状構造体222の屈折率よりも低い屈折率を有する。下地層381の屈折率は、例えば1.3〜2.1程度である。第1実施形態で述べたように、柱状構造体222の屈折率は2.2〜4.0程度であるため、柱状構造体222の屈折率と下地層381の屈折率との差は、0.1以上であることが望ましい。また、反射層382の構成材料として、高反射率を有する金属膜、もしくは誘電体多層膜が用いられる。
本実施形態の収差補正素子37は反射型の収差補正素子であるため、レンズ21から射出された光は、下地層381の第1面381aから入射された後、反射層382で反射され、下地層381の第1面381aから後段の光学系に向けて射出される。
光学装置36のその他の構成は、第1実施形態と同様である。
光学装置36のその他の構成は、第1実施形態と同様である。
本実施形態においては、収差補正素子37と反射ミラーとが一体化されているため、各種の収差による画質低下が少ないコンパクトな光学装置36を実現することができる。
[第7実施形態]
以下、本発明の第7実施形態について、図15を用いて説明する。
第7実施形態の光学装置の基本構成は第6実施形態と同様であり、複数の柱状構造体の配置が第6実施形態と異なる。そのため、光学装置の全体構成の説明は省略する。
図15は、第7実施形態の光学装置の側面図である。
図15において、第6実施形態で用いた図14と共通の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
以下、本発明の第7実施形態について、図15を用いて説明する。
第7実施形態の光学装置の基本構成は第6実施形態と同様であり、複数の柱状構造体の配置が第6実施形態と異なる。そのため、光学装置の全体構成の説明は省略する。
図15は、第7実施形態の光学装置の側面図である。
図15において、第6実施形態で用いた図14と共通の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
図15に示すように、本実施形態の光学装置44は、レンズ21と、収差補正素子45と、を備えている。複数の柱状構造体222は、基材38の第2面のうち、入射光の照射領域内において一部の領域のみに設けられている。すなわち、収差補正素子45は、入射光の照射領域内に柱状構造体222が設けられた第1領域45aと、入射光の照射領域内に柱状構造体222が設けられていない第2領域45bと、を有する。
光学装置44のその他の構成は、第1実施形態と同様である。
光学装置44のその他の構成は、第1実施形態と同様である。
本実施形態においても、各種の収差による画質低下が少ないコンパクトな光学装置44を実現できる、といった第6実施形態と同様の効果が得られる。
また、本実施形態の光学装置44によれば、位相変調による補正が必要な一部の領域である第1領域45aのみに柱状構造体222が設けられているため、光量低下が最小限に抑えられる。
[第8実施形態]
以下、本発明の第8実施形態について、図16を用いて説明する。
第8実施形態の光学装置の基本構成は第6実施形態と同様であり、レンズの配置が第6実施形態と異なる。そのため、光学装置の全体構成の説明は省略する。
図16は、第8実施形態の光学装置の側面図である。
図16において、第6実施形態で用いた図14と共通の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
以下、本発明の第8実施形態について、図16を用いて説明する。
第8実施形態の光学装置の基本構成は第6実施形態と同様であり、レンズの配置が第6実施形態と異なる。そのため、光学装置の全体構成の説明は省略する。
図16は、第8実施形態の光学装置の側面図である。
図16において、第6実施形態で用いた図14と共通の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
図16に示すように、本実施形態の光学装置46は、レンズ47と、収差補正素子48と、を備えている。収差補正素子48は、基材38と、基材38に設けられた複数の柱状構造体222と、低屈折率層271と、を有する。基材38は、下地層381と、反射層382と、を有する。レンズ47は、平凸レンズから構成されている。レンズ47は、平面47bが柱状構造体222に対向する向きで収差補正素子48に固定されている。すなわち、本実施形態の光学装置46は、反射型の収差補正素子48とレンズ47とが一体化された構成を有する。
光学装置46のその他の構成は、第6実施形態と同様である。
光学装置46のその他の構成は、第6実施形態と同様である。
本実施形態においては、レンズ47と収差補正素子48と反射ミラーとして機能する反射層382とが実質的に一体化されているため、各種の収差による画質低下が少ないコンパクトな光学装置46を実現することができる。
また、本実施形態の光学装置46においては、レンズ47と収差補正素子48とが一体の光学部材であるため、プロジェクター1の組み立て工程におけるレンズ47と収差補正素子48とのアライメント作業を不要とすることができる。
[第9実施形態]
以下、本発明の第9実施形態について、図17を用いて説明する。
第9実施形態の光学装置の基本構成は第8実施形態と同様であり、柱状構造体の配置が第8実施形態と異なる。そのため、光学装置の全体構成の説明は省略する。
図17は、第9実施形態の光学装置の側面図である。
図17において、第8実施形態で用いた図16と共通の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
以下、本発明の第9実施形態について、図17を用いて説明する。
第9実施形態の光学装置の基本構成は第8実施形態と同様であり、柱状構造体の配置が第8実施形態と異なる。そのため、光学装置の全体構成の説明は省略する。
図17は、第9実施形態の光学装置の側面図である。
図17において、第8実施形態で用いた図16と共通の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
図17に示すように、本実施形態の光学装置56は、レンズ47と、収差補正素子57と、を備えている。複数の柱状構造体222は、基材38の第2面のうち、入射光の照射領域内において一部の領域のみに設けられている。すなわち、収差補正素子57は、入射光の照射領域内に柱状構造体222が設けられた第1領域57aと、入射光の照射領域内に柱状構造体222が設けられていない第2領域57bと、を有する。
光学装置56のその他の構成は、第8実施形態と同様である。
光学装置56のその他の構成は、第8実施形態と同様である。
本実施形態においても、各種の収差による画質低下が少ないコンパクトな光学装置56を実現できる、といった第8実施形態と同様の効果が得られる。
また、本実施形態の光学装置56によれば、位相変調による補正が必要な一部の領域である第1領域57aのみに柱状構造体222が設けられているため、光量低下を最小限に抑えることができる。
[第10実施形態]
以下、本発明の第10実施形態について、図18を用いて説明する。
第10実施形態の光学装置の基本構成は第1実施形態と同様であり、導波モードが第1実施形態と異なる。そのため、光学装置の全体構成の説明は省略する。
図18は、第10実施形態の光学装置の側面図である。
図18において、第1実施形態で用いた図3と共通の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
以下、本発明の第10実施形態について、図18を用いて説明する。
第10実施形態の光学装置の基本構成は第1実施形態と同様であり、導波モードが第1実施形態と異なる。そのため、光学装置の全体構成の説明は省略する。
図18は、第10実施形態の光学装置の側面図である。
図18において、第1実施形態で用いた図3と共通の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
第1〜第9実施形態の光学装置は、単色光用の光学装置であって、球面収差、コマ収差、非点収差、像面湾曲、歪曲収差等の各種収差の補正が可能であった。これに対し、第10実施形態の光学装置は、例えば白色光のような複数波長を含む光用の光学装置であって、上記の収差に加えて、色収差の補正が可能である。したがって、本実施形態の光学装置は、図1に示すプロジェクター1において、例えば投射光学系6等に適用することができる。
図18に示すように、本実施形態の光学装置64の構成は、第1実施形態と同様である。ただし、収差補正素子65において、隣り合う柱状構造体222間のピッチは、入射光の柱状構造体222内での波長以上、空気中での波長未満であり、かつ、2つの導波モードはk=m・2π/U(k:波数、U:ピッチ、m:整数)の位相整合条件を満足する必要がある。これにより、複数の柱状構造体222は、入射光に対して導波モード共鳴を生じさせることができる。導波モード共鳴については、以下で説明する。
図21は、一般的なレンズ70の色収差を示す図である。
一般的なレンズ材料は波長分散を有しており、レンズの屈折率は波長によって異なる。そのため、図21に示すように、レンズ70による結像位置Q1,Q2,Q3は、波長λ1,λ2,λ3によって光軸AX上で前後にずれる。この現象が色収差である。
一般的なレンズ材料は波長分散を有しており、レンズの屈折率は波長によって異なる。そのため、図21に示すように、レンズ70による結像位置Q1,Q2,Q3は、波長λ1,λ2,λ3によって光軸AX上で前後にずれる。この現象が色収差である。
本実施形態の光学装置64によれば、以下の作用によりレンズ21による色収差を補正することができる。
図19は、導波モード共鳴が生じた場合の柱状構造体の径と位相シフト量との関係を示すグラフである。符号λaで示すグラフは、例えば波長500nmにおける関係を示し、符号λbで示すグラフは、例えば波長550nmにおける関係を示す。
本実施形態の光学装置64に光が入射した際、図6に示す縦方向導波モードと図7に示す横方向導波モードの双方が生じる作用は、第1実施形態と同様である。ところが、本実施形態の場合、柱状構造体222間のピッチが前記2つの導波モードを結合させるための位相整合条件を満足するため、横方向導波モードの回折光L2と入射光Lとが互いに強め合い、複数の柱状構造体222の形成領域Rにおいて強い定在波が生じる。その結果、2つの導波モードが重なると、図19に示すように、柱状構造体222の径の変化に対して不連続な位相変調量が得られる。
図19は、導波モード共鳴が生じた場合の柱状構造体の径と位相シフト量との関係を示すグラフである。符号λaで示すグラフは、例えば波長500nmにおける関係を示し、符号λbで示すグラフは、例えば波長550nmにおける関係を示す。
本実施形態の光学装置64に光が入射した際、図6に示す縦方向導波モードと図7に示す横方向導波モードの双方が生じる作用は、第1実施形態と同様である。ところが、本実施形態の場合、柱状構造体222間のピッチが前記2つの導波モードを結合させるための位相整合条件を満足するため、横方向導波モードの回折光L2と入射光Lとが互いに強め合い、複数の柱状構造体222の形成領域Rにおいて強い定在波が生じる。その結果、2つの導波モードが重なると、図19に示すように、柱状構造体222の径の変化に対して不連続な位相変調量が得られる。
導波モード共鳴が発生しない場合には、図5に示したように、柱状構造体222の径の変化に対して連続的に位相変調量が変化するため、入射光の波長に対して異なる位相変調量が得られる。一方、導波モード共鳴が発生した場合には、図19に示したように、不連続で急峻な変化を示す位相変調特性に基づいて、図19の実線のグラフλaと破線のグラフλbとの交点で示されるように、異なる波長であっても同じ位相変調量が得られる柱状構造体222の径を選択することが可能となる。
その結果、本実施形態の光学装置64によれば、複数の波長にわたって焦点距離を等しくすることができ、色収差を補正することができる。このように、本実施形態の光学装置64は、超薄型の透過型色消しレンズとして機能し、プロジェクター1の投射光学系6等の光学系で用いることができる。
柱状構造体222間のピッチが、入射光の柱状構造体222での波長以上、空気中での波長未満であり、かつ、前記2つの導波モードを結合させるために前記位相整合条件を満足するという条件を満たし、色収差の補正が可能な第10実施形態の光学装置64においても、第2〜第9実施形態と同様の変形例を例示することができる。以下の光学装置の構成は第2〜第9実施形態と変わらないため、図示を省略し、簡単に説明する。以下の実施形態に固有の効果についても、第2〜第9実施形態と同様である。
[第11実施形態]
図10に示すように、色収差補正が可能な第10実施形態の光学装置において、収差補正素子は、柱状構造体が設けられた第1領域と、柱状構造体が設けられていない第2領域と、を有していてもよい。
図10に示すように、色収差補正が可能な第10実施形態の光学装置において、収差補正素子は、柱状構造体が設けられた第1領域と、柱状構造体が設けられていない第2領域と、を有していてもよい。
[第12実施形態]
図11に示すように、色収差補正が可能な第10実施形態の光学装置において、複数の柱状構造体がレンズに設けられ、レンズと収差補正素子とが一体化されていてもよい。
図11に示すように、色収差補正が可能な第10実施形態の光学装置において、複数の柱状構造体がレンズに設けられ、レンズと収差補正素子とが一体化されていてもよい。
[第13実施形態]
図12に示すように、色収差補正が可能な第10実施形態の光学装置において、レンズと収差補正素子とが一体化され、収差補正素子は、柱状構造体が設けられた第1領域と、柱状構造体が設けられていない第2領域と、を有していてもよい。
図12に示すように、色収差補正が可能な第10実施形態の光学装置において、レンズと収差補正素子とが一体化され、収差補正素子は、柱状構造体が設けられた第1領域と、柱状構造体が設けられていない第2領域と、を有していてもよい。
[第14実施形態]
図13に示すように、色収差補正が可能な第10実施形態の光学装置において、複数の柱状構造体が第1レンズと第2レンズとの間に設けられ、第1レンズと収差補正素子と第2レンズとが一体化されていてもよい。
図13に示すように、色収差補正が可能な第10実施形態の光学装置において、複数の柱状構造体が第1レンズと第2レンズとの間に設けられ、第1レンズと収差補正素子と第2レンズとが一体化されていてもよい。
[第15実施形態]
図14に示すように、色収差補正が可能な第10実施形態の光学装置において、収差補正素子が反射層を有する反射型の光学装置であってもよい。
図14に示すように、色収差補正が可能な第10実施形態の光学装置において、収差補正素子が反射層を有する反射型の光学装置であってもよい。
[第16実施形態]
図15に示すように、色収差補正が可能な第10実施形態の光学装置において、収差補正素子は、反射層を備え、柱状構造体が設けられた第1領域と、柱状構造体が設けられていない第2領域と、を有していてもよい。
図15に示すように、色収差補正が可能な第10実施形態の光学装置において、収差補正素子は、反射層を備え、柱状構造体が設けられた第1領域と、柱状構造体が設けられていない第2領域と、を有していてもよい。
[第17実施形態]
図16に示すように、色収差補正が可能な第10実施形態の光学装置において、レンズと反射型の収差補正素子とが一体化されていてもよい。
図16に示すように、色収差補正が可能な第10実施形態の光学装置において、レンズと反射型の収差補正素子とが一体化されていてもよい。
[第18実施形態]
図17に示すように、色収差補正が可能な第10実施形態の光学装置において、レンズと反射型の収差補正素子とが一体化され、柱状構造体が設けられた第1領域と、柱状構造体が設けられていない第2領域と、を有していてもよい。
図17に示すように、色収差補正が可能な第10実施形態の光学装置において、レンズと反射型の収差補正素子とが一体化され、柱状構造体が設けられた第1領域と、柱状構造体が設けられていない第2領域と、を有していてもよい。
[第19実施形態]
以下、本発明の第19実施形態について、図20を用いて説明する。
第19実施形態の光学装置の構成は第1実施形態と同様であり、収差補正素子が第1実施形態と異なる。そのため、光学装置の全体構成の説明は省略する。
図20は、第19実施形態の収差補正素子の側面図である。
図20において、第1実施形態で用いた図3と共通の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
以下、本発明の第19実施形態について、図20を用いて説明する。
第19実施形態の光学装置の構成は第1実施形態と同様であり、収差補正素子が第1実施形態と異なる。そのため、光学装置の全体構成の説明は省略する。
図20は、第19実施形態の収差補正素子の側面図である。
図20において、第1実施形態で用いた図3と共通の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
図20に示すように、本実施形態の収差補正素子67は、基板221と、複数の柱状構造体222と、を備えている。収差補正素子67は、入射光の照射領域内に複数の柱状構造体222が第1の密度で設けられた第3領域67cと、入射光の照射領域内に複数の柱状構造体222が第1の密度とは異なる第2の密度で設けられた第4領域67dと、を有する。すなわち、収差補正素子67は、複数の柱状構造体222が高密度に設けられた第3領域67cと、複数の柱状構造体222が低密度に設けられた第4領域67dと、を有する。
本実施形態では、光軸AXに近い収差補正素子67の中央部において、複数の柱状構造体222が高密度で設けられている。光軸AXから遠い収差補正素子67の周辺部において、複数の柱状構造体222が低密度で設けられている。ただし、柱状構造体222は、必ずしも収差補正素子67の中央部で高い密度、収差補正素子67の周辺部で低い密度に設けられていなくてもよく、第3領域67cおよび第4領域67dの位置は適宜設定することができる。
柱状構造体222のピッチは、共鳴周波数を決定するパラメーターであるとともに、位相分布の空間的なサンプリング間隔を決めるパラメーターでもある。例えばレンズを用いて集光する場合、図8に示すように、位相が連続的に変化する等位相面Fが得られる。一方、柱状構造体を有する収差補正素子の場合、柱状構造体の径によって位相変調量が決定されるため、図20に示すように、柱状構造体222が存在する位置に対応した離散的な位相分布Gが得られる。したがって、柱状構造体222のピッチが狭い領域では、柱状構造体222のピッチが広い領域よりも位相のサンプリング間隔が狭まり、理想の位相分布に近い機能が得られる。ただし、柱状構造体222のピッチを変更した場合には共鳴周波数が変化するため、最適な位相変調量が得られるように、例えば柱状構造体222の高さ等、別のパラメーターで柱状構造体222の形状を調整する必要がある。
例えば収差補正素子67を集光素子として用いる場合、入射光の光量分布が光軸付近に集中している場合には、本実施形態のように、収差補正素子67の中央部の柱状構造体222のピッチを狭くする。これにより、収差補正素子67の中央部において所望の位相分布からのずれを最小限にすることができ、集光効率を向上させることができる。この場合、収差補正素子67の周辺部は入射光量が少ないため、所望の位相分布からのずれの影響が素子中央部よりも少なく、集光効率の向上を大きく妨げることがない。また、周辺部の柱状構造体222のピッチを広くすることによって、収差補正素子67を作製する際の難易度を下げることができる。その結果、収差補正素子67を量産する際の歩留り向上につなげることができる。
本実施形態の収差補正素子67は、第1〜第18実施形態の光学装置のいずれにも適用が可能である。
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば上記実施形態では、柱状構造体が円柱状、正四角柱状等の場合を例示したが、底面の面積が上面の面積よりも広いテーパー形状を有していてもよい。この構成によれば、例えばレンズの曲面上に柱状構造体を形成しても、隣り合う柱状構造体の側面同士の平行度を維持することができる。例えばテーパー面の傾斜角度は法線方向に対して15°以下程度でよい。また、ナノオーダーの柱状構造体を形成する手段の一つとして、ナノインプリント法が挙げられる。ナノインプリント法を用いて柱状構造体を形成する場合、柱状構造体がテーパー形状を有していれば、柱状構造体材料から転写型を剥離する際の剥離作業を容易に行うことができ、所望の形状を有する柱状構造体を得やすい。
例えば上記実施形態では、柱状構造体が円柱状、正四角柱状等の場合を例示したが、底面の面積が上面の面積よりも広いテーパー形状を有していてもよい。この構成によれば、例えばレンズの曲面上に柱状構造体を形成しても、隣り合う柱状構造体の側面同士の平行度を維持することができる。例えばテーパー面の傾斜角度は法線方向に対して15°以下程度でよい。また、ナノオーダーの柱状構造体を形成する手段の一つとして、ナノインプリント法が挙げられる。ナノインプリント法を用いて柱状構造体を形成する場合、柱状構造体がテーパー形状を有していれば、柱状構造体材料から転写型を剥離する際の剥離作業を容易に行うことができ、所望の形状を有する柱状構造体を得やすい。
また、光学装置を構成する各構成要素の形状、数、配置、材料等の具体的な構成については、上記実施形態に限定されることなく、適宜変更が可能である。
また、上記実施形態の光学装置は、図1に示したプロジェクターの光学系に限らず、スキャナー装置、インタラクティブプロジェクター用のセンシング用赤外波長投射光学装置等にも適用が可能である。また、光学装置は、プロジェクターに限らず、ヘッドマウントディスプレイ等の表示装置にも適用が可能である。
1…プロジェクター(表示装置)、20,24,26,28,32,36,44,46,56,64…光学装置、21,47…レンズ(光学素子)、22,25,27,29,34,37,45,48,57,65,67…収差補正素子、25a,29a,45a,57a…第1領域、25b,29b,45b,57b…第2領域、33…第1レンズ(光学素子)、38…基材、67c…第3領域、67d…第4領域、221…基板(基材)、222…柱状構造体、222A…第1柱状構造体、222B…第2柱状構造体、271…低屈折率層、381…下地層、382…反射層。
Claims (14)
- 光学素子と、
前記光学素子による収差を補正する収差補正素子と、を備え、
前記収差補正素子は、誘電体材料からなる複数の柱状構造体を備え、
前記複数の柱状構造体は、入射光に対して導波路効果を生じさせる屈折率およびピッチを有し、
前記複数の柱状構造体のうちの第1柱状構造体の径と第2柱状構造体の径とは、互いに異なる、光学装置。 - 前記ピッチは、前記入射光の前記柱状構造体内での波長以上、空気中での波長未満であり、
前記複数の柱状構造体は、前記入射光に対して導波モード共鳴を生じさせる、請求項1に記載の光学装置。 - 前記ピッチは、k=m・2π/U(k:波数、U:ピッチ、m:整数)の位相整合条件を満たす、請求項2に記載の光学装置。
- 前記収差補正素子は、基材と、前記基材に設けられた前記複数の柱状構造体と、を有する、請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の光学装置。
- 前記基材は、第1面と第2面とを有する透光性基板を有し、
前記光学素子から射出された光は、前記透光性基板の前記第1面から入射され、前記透光性基板の前記第2面から射出される、請求項4に記載の光学装置。 - 前記基材は、第1面と第2面とを有する下地層と、前記下地層の前記第2面に設けられた反射層と、を有し、
前記光学素子から射出された光は、前記下地層の前記第1面から入射され、前記反射層で反射され、前記下地層の前記第1面から射出される、請求項4に記載の光学装置。 - 前記柱状構造体の屈折率と前記下地層の屈折率との差は、0.1以上である、請求項6に記載の光学装置。
- 前記複数の柱状構造体は、前記光学素子に設けられた、請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の光学装置。
- 前記収差補正素子は、前記柱状構造体の周囲に設けられ、前記柱状構造体の屈折率よりも低い屈折率を有する低屈折率層をさらに備えた、請求項1から請求項8までのいずれか一項に記載の光学装置。
- 前記柱状構造体の屈折率と前記低屈折率層の屈折率との差は、0.1以上である、請求項9に記載の光学装置。
- 前記収差補正素子は、前記入射光の照射領域内に前記柱状構造体が設けられた第1領域と、前記入射光の照射領域内に前記柱状構造体が設けられていない第2領域と、を有する、請求項1から請求項10までのいずれか一項に記載の光学装置。
- 前記収差補正素子は、前記入射光の照射領域内に前記柱状構造体が第1の密度で設けられた第3領域と、前記入射光の照射領域内に前記柱状構造体が前記第1の密度とは異なる第2の密度で設けられた第4領域と、を有する、請求項1から請求項11までのいずれか一項に記載の光学装置。
- 前記柱状構造体は、底面の面積が上面の面積よりも広いテーパー形状を有する、請求項1から請求項12までのいずれか一項に記載の光学装置。
- 請求項1から請求項13までのいずれか一項に記載の光学装置を備えた、表示装置。
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