JP2020063589A - トンネル内周面の補強構造及びトンネル内周面の補強方法 - Google Patents

トンネル内周面の補強構造及びトンネル内周面の補強方法 Download PDF

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Abstract

【課題】トンネル横断面の上部にアンカーを打ち込む必要がなく、施工性に優れたトンネル内周面の補強構造を提供する。【解決手段】トンネル横断面の上部がアーチ状に形成されたトンネル内周面の補強構造である。そして、トンネル1の軸方向に間隔を置いて配置されるとともに内周面111に沿って周方向に延伸される帯板2,・・・と、トンネル横断面の下部に配置されて帯板の両方の端部21,21をそれぞれ受ける受台部3,3と、両端の受台部より上方の内周面に固定されるとともに帯板の延伸方向への移動を制限することなく支持させるガイド部4と、内周面と帯板との間に介在される充填材とを備えている。【選択図】図1

Description

本発明は、トンネル横断面の上部がアーチ状に形成されたトンネル内周面の補強構造及び補強方法に関するものである。
一般にトンネルの内周面は、コンクリートなどによって構築された覆工で覆われている。この覆工は、経年による劣化や周辺地盤の土圧や湧水状況の変化などによって、ひび割れやはく離が発生し、補修が必要になることがある(特許文献1−3参照)。
例えば特許文献1には、トンネルの周方向に延びる帯状の鋼板を補修材とし、トンネルの軸方向に間隔を置いて設置したトンネル覆工補修構造が開示されている。この帯状補修材は、接着剤によって覆工の内周面に貼り付けられるとともに、周方向に間隔を置いてアンカーを打ち込むことによって固定される。
また、特許文献2には、覆工の内周面側にアンカーで留めた金網を敷設することで、コンクリートのはく離などによるトンネル内への落下物を防止する構造が開示されている。さらに、トンネル周方向に沿う形状のH形鋼を、トンネルの軸方向に間隔を置いて設置することで落下物を防止する構造についても開示されている。
一方、特許文献3には、覆工の一部にひび割れが発生した場合に、部分的に補修する工法が開示されている。この工法では、アンカーから張り出される支持板によって、ひび割れから先の表層部片が支持されることになる。
特開2003−41895号公報 特開2001−173396号公報 特開2005−76344号公報
しかしながら補強対象となる覆工が著しく劣化している場合や、目地が劣化したレンガ積みトンネルでは、固定用のアンカーが打ち込めないことがある。また、トンネル横断面の上部にアンカーを打ち込む場合は、高所作業車などの足場が必要になり、トンネルの供用停止時間が長くなる。
そこで、本発明は、トンネル横断面の上部にアンカーを打ち込む必要がなく、施工性に優れたトンネル内周面の補強構造及びトンネル内周面の補強方法を提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本発明のトンネル内周面の補強構造は、トンネル横断面の上部がアーチ状に形成されたトンネル内周面の補強構造であって、トンネルの軸方向に間隔を置いて配置されるとともに、前記トンネル内周面に沿って周方向に延伸される帯板と、前記トンネル横断面の下部に配置されて前記帯板の両端をそれぞれ受ける受台部と、両端の前記受台部より上方の前記トンネル内周面に固定されるとともに、前記帯板の延伸方向への移動を制限することなく支持させるガイド部と、前記トンネル内周面と前記帯板との間に介在される充填材とを備えたことを特徴とする。
ここで、前記帯板は、バサルト繊維を樹脂によって板状に成形したバサルトプレートとすることができる。また、前記充填材には、接着剤を使用することができる。
さらに、前記受台部は、前記帯板の端部を載せる棚部と、前記帯板のトンネル内空側の側面を覆う内側面部と、前記内側面部を前記トンネル内周面に固定するアンカーとを有する構成とすることができる。また、前記ガイド部は、前記帯板の延伸方向に間隔を置いて複数設けられる構成とすることができる。
そして、トンネル内周面の補強方法の発明は、トンネル横断面の上部がアーチ状に形成されたトンネル内周面の補強方法であって、前記トンネル内周面又は前記トンネル内周面に沿って周方向に延伸させる帯板に充填材を塗布する工程と、前記帯板を前記トンネル内周面との間に前記充填材が介在されるように配置する工程と、前記トンネル横断面の下部において、前記帯板の両端のそれぞれを受台部によって受けさせるとともに、少なくとも一方の前記受台部の下方にジャッキを設置する工程と、前記ジャッキを伸長することで前記受台部を介して前記帯板に軸力を導入する工程とを備えたことを特徴とする。
ここで、前記帯板に軸力を導入した状態で、前記受台部を前記トンネル内周面に対して固定する工程を備えた構成とすることができる。
このように構成された本発明のトンネル内周面の補強構造では、充填材を介在させた状態でトンネル内周面に沿って周方向に延伸される帯板は、両端がそれぞれ受台部で受けられる。さらに、帯板は、延伸方向への移動を制限しないガイド部によって支持される。
このような構造であれば、帯板に軸力を導入した状態を維持させることができる。また、軸力が導入された帯板でトンネル内周面側を支持するのであれば、トンネルの上部において帯板をアンカーで固定する必要がない。
このため、トンネル横断面の上部にアンカーを打ち込む必要がなく、施工性に優れている。
特に、帯板がバサルト繊維を樹脂によって板状に成形したバサルトプレートであれば、H形鋼や鋼板と比べて軽量で、容易に取り扱うことができる。また、トンネル内周面と帯板との隙間を埋める充填材が接着剤であれば、トンネル内周面と帯板との密着性を高めることができる。
さらに、受台部が帯板の端部を載せる棚部と、帯板のトンネル内空側の側面を覆う内側面部とを備えていれば、棚部によって帯板を押し上げた状態で、内側面部をアンカーでトンネル内周面に対して固定することが容易にできる。
また、帯板の延伸方向に間隔を置いて複数のガイド部が設けられていれば、細長い帯板に軸力を導入しても、座屈するのを防ぐことができる。
そして、本発明のトンネル内周面の補強方法は、トンネル横断面の下部において受台部の下方にジャッキを設置することで帯板に軸力を導入できるので、高所作業車などの足場を設置する必要がなく、短時間で作業を行うことができる。
本実施の形態のトンネル内周面の補強構造を説明する斜視図である。 帯板の端部に配置される受台部を説明する図であって、(a)は正面図、(b)は(a)のA−A矢視方向で見た断面図である。 帯板の途中に配置されるガイド部を説明する図であって、(a)は正面図、(b)は(a)のB−B矢視方向で見た断面図である。 本実施の形態のトンネル内周面の補強方法の各工程を示した説明図である。 帯板に軸力を導入する工程を説明する断面図である。 本実施の形態のトンネル内周面の補強構造に作用する力を模式的に示した説明図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1には、本実施の形態のトンネル内周面の補強構造を説明するために例示したトンネル1の構成を示している。
このトンネル1は、トンネル横断面の上部がアーチ状に形成された覆工11と、覆工11の脚部間を繋ぐ床版12とによって内空が保護されている。覆工11は、無筋コンクリートなどによって構築され、床版12は鉄筋コンクリートなどによって構築される。
コンクリートやモルタルなどによって構築された覆工11は、経年による劣化やトンネル1の周辺地盤の土圧や湧水状況の変化などによって、ひび割れやはく離が発生することがある。本実施の形態のトンネル内周面の補強構造及び補強方法は、トンネル内周面となる覆工11の内周面111に対して施される。
覆工11は、トンネル横断面の上部となる上半部に形成されるアーチ部112と、トンネル横断部の下部となる下半部の両側に形成される側壁部113,113とによって主に構成される。床版12は、側壁部113,113の下端間を接続するように設けられる。
本実施の形態のトンネル内周面の補強構造及び補強方法が適用されるトンネル1は、内周面111に沿って配置される後述する帯板2に軸力が導入されたときに、アーチ効果が発生するようなアーチ部112を有する形状となっていればよい。
本実施の形態のトンネル内周面の補強構造は、トンネル1の内周面111に沿って周方向に延伸される帯板2と、帯板2の両側の端部21,21をそれぞれ受ける受台部3,3と、受台部3より上方に配置されるガイド部4とによって主に構成される。
帯板2は、可撓性のある細長い板材であって、アーチ部112の内周面111の形状に合わせたアーチ状に形成可能な材料によって構成される。帯板2には、各種FRPや鋼板、溶融亜鉛メッキ鋼板などを使用することもできるが、好ましくは軽量で適度な剛性のあるバサルトプレートが使用できる。
バサルトプレートは、バサルト繊維を樹脂によって板状に成形した材料である。例えば、厚さが0.5mm−5.0mm、幅が50mm−150mm程度の帯状の板材に成形される。バサルト繊維は、天然に存在するバサルト玄武岩を射出して細い繊維にしたものである。
バサルト繊維は、玄武岩を1500℃で溶融押出して得られる紡糸した繊維であり、アラミドファイバーなどの有機繊維素材やグラスファイバーに比べて、耐熱性に優れている。
このようなバサルト繊維によって形成されたバサルトプレートは、軽量で、不陸等に対する柔軟性がある他、耐熱性、絶縁性、及び耐薬品性を有している。さらに、腐食が起き難く、耐久性にも優れている。
また、引張強度は、炭素繊維プレートの1/2−1/3倍程度である反面、弾性係数が小さく、線膨張係数はコンクリートと同等である。
帯板2には、一方の受台部3から他方の受台部3まで連続する板材が使用される。例えば、覆工11の内周面111の周方向の長さと同程度の長さの帯板2が使用される。
また、帯板2は、トンネル1の軸方向に間隔を置いて配置される。すなわち、トンネル1の軸方向の帯板2,2間の間隔は、0.3m−2.0m程度、例えば0.5mに設定される。
トンネル1の内周面111と帯板2との間には、図2(b)及び図3(b)に示すように、充填材となる接着剤6が介在される。本実施の形態のトンネル内周面の補強構造では、接着剤6の接着効果については期待していない。例えばパテ状接着剤を介在させることにより、内周面111の凹凸(不陸)の存在によって生じる隙間の発生を抑えることができればよい。すなわち、内周面111に対して帯板2を密着させることで、アーチ効果を効果的に発揮させることができるようにする。
受台部3は、図2(a)及び図5に示すように、内周面111との間に帯板2の端部21を収容する。受台部3は、帯板2の端部21を載せる棚部32と、帯板2のトンネル内空側の内側面22を覆う内側面部31と、内側面部31を内周面111に固定するアンカー5とによって、主に構成される。
内側面部31は、図2(b)に示すように、平面視Ω字状に形成されていて、両側縁にフランジ部311,311が設けられる。また、内側面部31の下側の開口は、板状の棚部32によって塞がれる。
そして、フランジ部311,311と棚部32とに囲まれた内周面111との間に形成される内側面部31の直方体状の空間に、帯板2の端部21が挿し込まれる。すなわち、内側面部31と内周面111との間に形成される長方形断面の空間は、帯板2の幅と厚さによって規定される長方形より一回り大き目に形成される。
内側面部31の内周面111に接触させるフランジ部311には、アンカー5を通すための長穴312が穿孔される。固定用のアンカー5を通す穴を長穴312にすることで、仮止めした後に受台部3を介して帯板2の端部21を持ち上げて、軸力が導入された状態で固定する作業を容易に行うことができるようになる。
アンカー5については、長穴312に支圧板51を架け渡し、トンネル内空側に突出するアンカー5の頭部にナット52を装着することで、覆工11の内部に先端が打ち込まれたアンカー5を定着させることができる。
そして、受台部3と帯板2の端部21との隙間には、接着剤6が充填される。
ガイド部4は、図3(a),(b)に示すように、内周面111との間に帯板2を延伸方向への移動を制限しない状態で通す部材である。ガイド部4は、帯板2のトンネル内空側の内側面22を覆う内側面部41と、内側面部41を内周面111に固定するアンカー5とによって、主に構成される。
内側面部41は、図3(b)に示すように、平面視Ω字状に形成されていて、両側縁にフランジ部411,411が設けられる。そして、フランジ部411,411に挟まれた内周面111との間に形成される内側面部41の直方体状の空間に、帯板2が通される。すなわち、内側面部41と内周面111との間に形成される長方形断面の空間は、帯板2の幅と厚さによって規定される長方形より一回り大き目に形成される。
内側面部41の内周面111に接触させるフランジ部411には、アンカー5を通すための長穴412が穿孔される。固定用のアンカー5を通す穴を長穴412にすることで、位置や向きの調整を容易に行うことができるようになる。
帯板2を受台部3より上方で支持させるガイド部4は、軸力を導入した際の帯板2の横ずれ、座屈、はらみ出しなどを防ぐために、内周面111に取り付けられる。このため、ガイド部4は、必要に応じて帯板2の延伸方向に間隔を置いて複数が配置される。
次に、本実施の形態のトンネル内周面の補強方法について、図4を参照しながら工程の順に説明する。
まず、覆工11の内周面111に対して下地工程を施す(ステップS1)。下地工程では、必要に応じて内周面111の不陸を調整するために、状況に合わせて接着剤、不陸調整材又は断面修復材などを塗布する。
そして、帯板2を配置する位置に合わせて接着剤6を塗布する。この接着剤6の塗布は、帯板2に直接、行う場合は、内周面111に対しては省略することができる。接着剤6は、後述するステップS4で軸力を導入するまで硬化しないような遅効性の材料を使用する。
続いてステップS2では、覆工11の内周面111の周方向の形状に合わせてアーチ状に形成された帯板2を、内周面111に沿って配置する。帯板2は、例えば幅50mmで厚さ4mmに増厚したバサルトプレートを使用することができる。厚さ2mmのバサルトプレートを使用する場合は、2枚重ねて配置する。このように厚い帯板2とすることで、軸力が導入された際に座屈するのを防ぐことができる。
覆工11の側壁部113に対しては、床版12上や簡単に設置可能な脚立の上に立った作業員の手が届く範囲で、トンネル内空側から帯板2を覆うようにガイド部4を取り付ける。ガイド部4は、アンカー5を側壁部113に打ち込み、頭部に支圧板51及びナット52を装着することで固定することができる。なお、ガイド部4を先行して内周面111に固定しておき、後からガイド部4と内周面111との空間に帯板2を挿し込んで通す手順で設置することもできる。
ステップS3では、床版12近くに垂れ下がった帯板2の端部21に対して、受台部3を装着する。そして、図5に示すように、床版12上に油圧ジャッキなどのジャッキ7を設置して、先端を受台部3の棚部32の下面に当てる。
この状態でジャッキ7を稼働させて油圧によってシリンダ71を伸長させると、棚部32に載せられた帯板2の端部21が上方に向けて持ち上げられる。ここで、ガイド部4は、帯板2を挿通させているだけで延伸方向の移動を制限しないため、帯板2はトンネル1の頂部(天端)に向けて押し上げられる。
一方、このジャッキ7の伸長が、帯板2の両側の端部21,21の受台部3,3に対して行われていると、両側から押し上げられた帯板2は移動が制限されて、軸力が導入されることになる(ステップS4)。なお、片側の受台部3を内周面111に固定しておいても帯板2の移動は制限されるので、軸力を導入することができる。
また、軸力を導入するために必要なストロークが長穴312の長さの範囲に入った後は、アンカー5を長穴312に通して側壁部113に打ち込んでおくことができる。シリンダ71を伸長させて、受台部3が所望する位置(高さ)まで持ち上がった状態で、ナット52を締め付けることで受台部3を固定する(ステップS5)。
このようにジャッキ7で端部21を持ち上げた位置で受台部3を固定することで、帯板2に軸力が導入された状態を保持させることができる。受台部3をアンカー5で固定した後は、ジャッキ7のシリンダ71を縮めて床版12上から撤去する。
そして、内周面111と帯板2との間に介在された接着剤6が硬化すると、帯板2は軸力が導入された状態で覆工11と一体化される。帯板2がバサルトプレートによって形成されていれば、コンクリートの覆工11と線膨張係数が近いため、膨張や収縮に追従させることができる。
次に、本実施の形態のトンネル内周面の補強構造及び補強方法の作用について説明する。
このように構成された本実施の形態のトンネル内周面の補強構造及び補強方法は、接着剤6を介在させた状態でトンネル1の内周面111に沿って周方向に延伸される帯板2は、両方の端部21,21がそれぞれ受台部3,3で受けられる。さらに、帯板2は、延伸方向への移動を制限しないガイド部4,・・・によって支持される。
このようなトンネル内周面の補強構造であれば、建築限界に余裕が少ないトンネル1にも設けることができる。
図6に、本実施の形態のトンネル内周面の補強構造に作用する力を模式的に示した。帯板2の両端に配置された受台部3,3をジャッキ荷重J,Jによって押し上げると、周方向の移動が拘束された帯板2には軸力Pが導入されることになる。この軸力Pは、アーチ効果を生じさせる。すなわち、覆工11のコンクリートがはく離して落下荷重Qとなったとしても、周方向に軸力Pが導入された帯板2によって受ける(支持する)ことができる。
また、帯板2の延伸方向に間隔を置いて複数のガイド部4,・・・が設けられていれば、細長い帯板2に軸力を導入しても、座屈するのを防ぐことができる。さらに、ガイド部4によってトンネル1の軸方向や中心方向への移動が制限されるので、帯板2の横ずれやはらみ出しを抑えることができる。
このように本実施の形態のトンネル内周面の補強構造であれば、帯板2に軸力Pを導入した状態を維持させることができる。また、軸力Pが導入された帯板2でトンネル内周面側を支持するので、トンネル1の上部において帯板2をアンカーで固定する必要がない。
このため、本実施の形態のトンネル内周面の補強構造は、トンネル横断面の上部にアンカーを打ち込む必要がなく、施工性に優れている。すなわち、トンネル横断面の下部において、床版12上又は簡単に設置できる脚立などに立った作業員の手の届く範囲で、ガイド部4の設置、受台部3の設置、及び受台部3の下方へのジャッキ7の設置をすることができる。
このように、帯板2に軸力Pを導入する作業に高所作業車などの足場を設置する必要がなく、短時間で作業を行うことができる。また、アンカー5は、床版12上を歩く作業員の手が届く範囲に打ち込まれるだけなので、施工後の維持管理が容易になり、メンテナンスコストを低減することができる。
さらに、帯板2がバサルト繊維を樹脂によって板状に成形したバサルトプレートであれば、H形鋼や鋼板と比べて軽量で、容易に取り扱うことができる。また、トンネル1の内周面111と帯板2との隙間を埋める充填材が接着剤6であれば、硬化によって内周面111と帯板2との密着性を高めることができる。
そして、受台部3が帯板2の端部21を載せる棚部32と、帯板2のトンネル内空側の内側面22を覆う内側面部31とを備えていれば、ジャッキ7によって棚部32で帯板2を押し上げた状態のままで、内側面部31をアンカー5で内周面111に対して固定することが容易にできる。
以上、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
例えば、前記実施の形態では、充填材として接着剤6を例に説明したが、これに限定されるものではなく、接着力がほとんどないシーリング材などであってもよい。また、充填材は塗布する材料に限定されるものではなく、例えばゴムシートなどを帯板2の側面に貼り付けて内周面111との間の充填材にすることもできる。
また、前記実施の形態では、油圧ジャッキを例にジャッキ7を説明したが、これに限定されるものではなく、例えばメカニカルジャッキをジャッキとして受台部3の下方に配置した場合は、撤去せずにそのままジャッキを据え付けておくことで、受台部3の位置(高さ)を固定することができる。
1 :トンネル
11 :覆工
111 :(トンネル)内周面
112 :アーチ部(上部)
113 :側壁部(下部)
2 :帯板
21 :端部
22 :内側面
3 :受台部
31 :内側面部
32 :棚部
4 :ガイド部
5 :アンカー
6 :接着剤(充填材)
7 :ジャッキ
P :軸力

Claims (7)

  1. トンネル横断面の上部がアーチ状に形成されたトンネル内周面の補強構造であって、
    トンネルの軸方向に間隔を置いて配置されるとともに、前記トンネル内周面に沿って周方向に延伸される帯板と、
    前記トンネル横断面の下部に配置されて前記帯板の両端をそれぞれ受ける受台部と、
    両端の前記受台部より上方の前記トンネル内周面に固定されるとともに、前記帯板の延伸方向への移動を制限することなく支持させるガイド部と、
    前記トンネル内周面と前記帯板との間に介在される充填材とを備えたことを特徴とするトンネル内周面の補強構造。
  2. 前記帯板は、バサルト繊維を樹脂によって板状に成形したバサルトプレートであることを特徴とする請求項1に記載のトンネル内周面の補強構造。
  3. 前記充填材は、接着剤であることを特徴とする請求項1又は2に記載のトンネル内周面の補強構造。
  4. 前記受台部は、前記帯板の端部を載せる棚部と、前記帯板のトンネル内空側の側面を覆う内側面部と、前記内側面部を前記トンネル内周面に固定するアンカーとを有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のトンネル内周面の補強構造。
  5. 前記ガイド部は、前記帯板の延伸方向に間隔を置いて複数設けられることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のトンネル内周面の補強構造。
  6. トンネル横断面の上部がアーチ状に形成されたトンネル内周面の補強方法であって、
    前記トンネル内周面又は前記トンネル内周面に沿って周方向に延伸させる帯板に充填材を塗布する工程と、
    前記帯板を前記トンネル内周面との間に前記充填材が介在されるように配置する工程と、
    前記トンネル横断面の下部において、前記帯板の両端のそれぞれを受台部によって受けさせるとともに、少なくとも一方の前記受台部の下方にジャッキを設置する工程と、
    前記ジャッキを伸長することで前記受台部を介して前記帯板に軸力を導入する工程とを備えたことを特徴とするトンネル内周面の補強方法。
  7. 前記帯板に軸力を導入した状態で、前記受台部を前記トンネル内周面に対して固定する工程を備えたことを特徴とする請求項6に記載のトンネル内周面の補強方法。
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