JP2020063368A - 金属被覆用ゴム組成物及びタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】ゴム−金属接着性を損なわずに、低発熱性及び耐亀裂進展性に優れるタイヤが得られる金属被覆用ゴム組成物、並びに、低発熱性及び耐亀裂進展性に優れるタイヤを提供する。【解決手段】ゴム成分と、シリカと、チウラム化合物と、ヒドラジド化合物と、ゴム成分100質量部に対して2質量部以上8質量部以下の硫黄とを含有する金属被覆用ゴム組成物。【選択図】なし
Description
本発明は、金属被覆用ゴム組成物及びタイヤに関する。
従来より、低燃費性およびタイヤの寿命の観点から、低発熱性を損なうことなく、耐摩耗性を向上させることが要求されており、近年は、耐亀裂進展性等の耐破壊性も重要な特性となっている。
このような課題に対して、例えば、特許文献1では、発熱性を悪化させることなく、耐チッピング性を改良した重荷重タイヤトレッド用ゴム組成物を得るために、重荷重タイヤトレッド用ゴム組成物を、(i)天然ゴム/合成ポリイソプレンゴムを主体とした加硫可能なゴム100重量部、(ii)窒素吸着比表面積(N2SA)が90m2/g以上のカーボンブラック及び、必要に応じ、シリカを合計量で40〜60重量部、(iii)ガムロジン、変性ガムロジン、C5及びジシクロペンタジエン(DCPD)から選ばれた少なくとも一種の樹脂(a)0.5〜5.0重量部、(iv)特定構造の環状ポリスルフィドヒドラジド化合物0.1〜10重量部を含み、かつ前記樹脂(a)と環状ポリスルフィドヒドラジド化合物の配合量(ゴム100重量部当りの重量部)が式1(a+b=1.0〜10)及び式2(b/a=0.1〜10)である構成とすることが提案されている。
このような課題に対して、例えば、特許文献1では、発熱性を悪化させることなく、耐チッピング性を改良した重荷重タイヤトレッド用ゴム組成物を得るために、重荷重タイヤトレッド用ゴム組成物を、(i)天然ゴム/合成ポリイソプレンゴムを主体とした加硫可能なゴム100重量部、(ii)窒素吸着比表面積(N2SA)が90m2/g以上のカーボンブラック及び、必要に応じ、シリカを合計量で40〜60重量部、(iii)ガムロジン、変性ガムロジン、C5及びジシクロペンタジエン(DCPD)から選ばれた少なくとも一種の樹脂(a)0.5〜5.0重量部、(iv)特定構造の環状ポリスルフィドヒドラジド化合物0.1〜10重量部を含み、かつ前記樹脂(a)と環状ポリスルフィドヒドラジド化合物の配合量(ゴム100重量部当りの重量部)が式1(a+b=1.0〜10)及び式2(b/a=0.1〜10)である構成とすることが提案されている。
また、例えば、特許文献2では、発熱性及び耐疲労性を悪化させずに、タイヤトレッド表面の耐雪付着性を改善でき、それにより氷上性能を向上させる、氷雪路向け重荷重タイヤのトレッド用ゴム組成物を提供することを目的として、天然ゴム及び/又はブタジエンゴムを主体としたジエン系ゴム100質量部に対し、特定の窒素吸着比表面積を有するカーボンブラックとシリカの総量30〜70質量部、及び超高分子量ポリエチレン3質量部未満を配合してなる氷雪路向け重荷重タイヤのトレッド用ゴム組成物が開示されている。
タイヤの耐亀裂進展性の向上手法としては金属被覆用ゴム組成物に含まれるカーボンブラックを増量したり、微粒径化したりする方法があるが、低発熱化とは相反する。そのため、特許文献1及び2に記載の手法で得られたタイヤは、低発熱性と耐亀裂進展性が不十分であった。
本発明は、上記事情に鑑み、ゴム−金属接着性を損なわずに、低発熱性及び耐亀裂進展性に優れるタイヤが得られる金属被覆用ゴム組成物、並びに、低発熱性及び耐亀裂進展性に優れるタイヤことを目的とし、当該目的を解決することを課題とする。
本発明者は鋭意検討した結果、特定のゴム組成物を使用することにより、クラウンセンターゲージ厚みが50mm以上であるタイヤに対しても、上記の課題を解決し得ることを見出した。
すなわち、本発明は、以下の<1>〜<5>に関する。
すなわち、本発明は、以下の<1>〜<5>に関する。
<1> ゴム成分と、シリカと、チウラム化合物と、ヒドラジド化合物と、ゴム成分100質量部に対して2質量部以上8質量部以下の硫黄とを含有する金属被覆用ゴム組成物である。
<2> 前記シリカの含有量が、前記ゴム成分100質量部に対して5質量部以上50質量部以下である<1>に記載の金属被覆用ゴム組成物である。
<3> 前記チウラム化合物の含有量が、前記ゴム成分100質量部に対して0.1質量部以上2.0部質量部以下である<1>又は<2>に記載の金属被覆用ゴム組成物である。
<4> 前記硫黄の含有量aと前記チウラム化合物の含有量bとの比(a/b)が、5以上20以下である<1>〜<3>のいずれか1つに記載の金属被覆用ゴム組成物である。
<3> 前記チウラム化合物の含有量が、前記ゴム成分100質量部に対して0.1質量部以上2.0部質量部以下である<1>又は<2>に記載の金属被覆用ゴム組成物である。
<4> 前記硫黄の含有量aと前記チウラム化合物の含有量bとの比(a/b)が、5以上20以下である<1>〜<3>のいずれか1つに記載の金属被覆用ゴム組成物である。
<5> <1>〜<4>のいずれか1つに記載の金属被覆用ゴム組成物を用いたタイヤである。
本発明によれば、ゴム−金属接着性を損なわずに、低発熱性及び耐亀裂進展性に優れるタイヤが得られる金属被覆用ゴム組成物、並びに、低発熱性及び耐亀裂進展性に優れるタイヤを提供することができる。
以下に、本発明をその実施形態に基づき詳細に例示説明する。なお、以下の説明において、数値範囲を示す「A〜B」の記載は、端点であるA及びBを含む数値範囲を表し、「A以上B以下」(A<Bの場合)、又は「A以下B以上」(A>Bの場合)を表す。
また、質量部及び質量%は、それぞれ、重量部及び重量%と同義である。
また、質量部及び質量%は、それぞれ、重量部及び重量%と同義である。
<金属被覆用ゴム組成物>
本発明の金属被覆用ゴム組成物は、ゴム成分と、シリカと、チウラム化合物と、ヒドラジド化合物と、ゴム成分100質量部に対して2質量部以上8質量部以下の硫黄とを含有する。
以下、金属被覆用ゴム組成物を単にゴム組成物と称することがある。
本発明の金属被覆用ゴム組成物は、ゴム成分と、シリカと、チウラム化合物と、ヒドラジド化合物と、ゴム成分100質量部に対して2質量部以上8質量部以下の硫黄とを含有する。
以下、金属被覆用ゴム組成物を単にゴム組成物と称することがある。
本発明の金属被覆用ゴム組成物が上記構成であることで、ゴム−金属接着性を損なわずに、低発熱性及び耐亀裂進展性に優れるタイヤが得られる理由は定かではないが、次の理由によるものと推察される。
加硫ゴムの発熱は、一般に、加硫ゴムに含まれるカーボンブラック、シリカ等の充填剤が、ゴム中で擦れ合うことにより生じる。そのため、充填剤の変量、充填剤種の変更等では発熱を抑制しにくく、低発熱性と耐亀裂進展性は背反性能であった。そのため、そのため、特許文献1及び2に記載の手法で得られたタイヤは、低発熱性と耐亀裂進展性が不十分であった。
これに対し、本発明は、ゴム成分と充填剤の組成変化に加えて、ヒドラジド化合物、チウラム化合物、及び硫黄を組み合わせることでゴム−金属接着性を損なわない硫黄量で、低発熱性と耐亀裂進展性に対し好適な架橋形態を得ることができると考えられる。
従って、本発明の金属被覆用ゴム組成物はゴム−金属接着性に優れ、本発明の金属被覆用ゴム組成物から得られるタイヤは、低発熱性と耐亀裂進展性に優れると考えられる。
以下、本発明の金属被覆用ゴム組成物及びタイヤについて、詳細に説明する。
加硫ゴムの発熱は、一般に、加硫ゴムに含まれるカーボンブラック、シリカ等の充填剤が、ゴム中で擦れ合うことにより生じる。そのため、充填剤の変量、充填剤種の変更等では発熱を抑制しにくく、低発熱性と耐亀裂進展性は背反性能であった。そのため、そのため、特許文献1及び2に記載の手法で得られたタイヤは、低発熱性と耐亀裂進展性が不十分であった。
これに対し、本発明は、ゴム成分と充填剤の組成変化に加えて、ヒドラジド化合物、チウラム化合物、及び硫黄を組み合わせることでゴム−金属接着性を損なわない硫黄量で、低発熱性と耐亀裂進展性に対し好適な架橋形態を得ることができると考えられる。
従って、本発明の金属被覆用ゴム組成物はゴム−金属接着性に優れ、本発明の金属被覆用ゴム組成物から得られるタイヤは、低発熱性と耐亀裂進展性に優れると考えられる。
以下、本発明の金属被覆用ゴム組成物及びタイヤについて、詳細に説明する。
〔ゴム成分〕
本発明の金属被覆用ゴム組成物は、ゴム成分を含有する。
ゴム成分としては、天然ゴム(NR)及び合成ジエン系ゴムからなる群より選択される少なくとも1種のジエン系ゴムが挙げられる。ゴム成分は変性されていてもよい。
合成ジエン系ゴムとして、具体的には、ポリイソプレンゴム(IR)、ポリブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、ブタジエン−イソプレン共重合体ゴム(BIR)、スチレン−イソプレン共重合体ゴム(SIR)、スチレン−ブタジエン−イソプレン共重合体ゴム(SBIR)等、及びそれらの変性ゴムが挙げられる。
ジエン系ゴムは、ヒドラジド化合物との親和性の観点から、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、ポリブタジエンゴム、及びイソブチレンイソプレンゴム、並びにそれらの変性ゴムが好ましく、天然ゴム及びポリブタジエンゴムがより好ましく、天然ゴムが更に好ましい。
ジエン系ゴムは、一種単独で用いてもよいし、二種以上をブレンドして用いてもよい。
本発明の金属被覆用ゴム組成物は、ゴム成分を含有する。
ゴム成分としては、天然ゴム(NR)及び合成ジエン系ゴムからなる群より選択される少なくとも1種のジエン系ゴムが挙げられる。ゴム成分は変性されていてもよい。
合成ジエン系ゴムとして、具体的には、ポリイソプレンゴム(IR)、ポリブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、ブタジエン−イソプレン共重合体ゴム(BIR)、スチレン−イソプレン共重合体ゴム(SIR)、スチレン−ブタジエン−イソプレン共重合体ゴム(SBIR)等、及びそれらの変性ゴムが挙げられる。
ジエン系ゴムは、ヒドラジド化合物との親和性の観点から、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、ポリブタジエンゴム、及びイソブチレンイソプレンゴム、並びにそれらの変性ゴムが好ましく、天然ゴム及びポリブタジエンゴムがより好ましく、天然ゴムが更に好ましい。
ジエン系ゴムは、一種単独で用いてもよいし、二種以上をブレンドして用いてもよい。
ゴム成分は、ヒドラジド化合物との親和性を上げ、得られるタイヤの低発熱性と耐亀裂進展性を向上する観点から、天然ゴムを55質量%以上含有することが好ましく、65質量%以上含有することがより好ましく、75質量%以上含有することが更に好ましい。ゴム成分中の天然ゴムの割合の上限は100質量%である。
ゴム成分は、本発明の効果を損なわない限度において、非ジエン系ゴムを含んでいてもよい。
ゴム成分は、本発明の効果を損なわない限度において、非ジエン系ゴムを含んでいてもよい。
〔シリカ〕
本発明の金属被覆用ゴム組成物は、充填材として、シリカを含有する。ゴム組成物がシリカを含有することにより、耐亀裂進展性及び低発熱性に優れたタイヤが得られる。
本発明において使用するシリカとしては特に制限はなく、ゴム組成物に使用されているシリカを使用すればよく、湿式シリカ(含水ケイ酸)、乾式シリカ(無水ケイ酸)、コロイダルシリカ、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム等が挙げられる。これらの中で、湿式シリカを使用することが好ましい。
本発明の金属被覆用ゴム組成物は、充填材として、シリカを含有する。ゴム組成物がシリカを含有することにより、耐亀裂進展性及び低発熱性に優れたタイヤが得られる。
本発明において使用するシリカとしては特に制限はなく、ゴム組成物に使用されているシリカを使用すればよく、湿式シリカ(含水ケイ酸)、乾式シリカ(無水ケイ酸)、コロイダルシリカ、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム等が挙げられる。これらの中で、湿式シリカを使用することが好ましい。
シリカは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
ゴム組成物中のシリカの含有量は、より低発熱性に優れたタイヤを得る観点から、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは3質量部以上、より好ましくは5質量部以上、更に好ましくは7質量部以上であり、そして、耐亀裂進展性をより向上する観点から、好ましくは50質量部以下、より好ましくは30質量部以下であり、更に好ましくは20質量部以下である。
ゴム組成物中のシリカの含有量は、より低発熱性に優れたタイヤを得る観点から、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは3質量部以上、より好ましくは5質量部以上、更に好ましくは7質量部以上であり、そして、耐亀裂進展性をより向上する観点から、好ましくは50質量部以下、より好ましくは30質量部以下であり、更に好ましくは20質量部以下である。
[充填材]
本発明の金属被覆用ゴム組成物は、シリカ以外の充填材を含有していてもよい。
ゴム組成物が充填材を含有することで、本発明のゴム組成物から得られるタイヤの補強性を向上することができる。
充填材の種類は、特に制限されず、例えば、ゴム組成物を補強する補強性充填材が用いられる。補強性充填材としては、例えば、水酸化アルミニウム、シリカ以外の金属酸化物、カーボンブラック等が挙げられる。金属酸化物としては、アルミナ、チタニア、ジルコニア等が挙げられる。シリカ以外の充填材は、1種のみ用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
ヒドラジド化合物は、シリカ及びカーボンブラックのいずれにも親和性があるが、中でもカーボンブラックとの親和性に優れることから、充填材はカーボンブラックを含むことが好ましい。
本発明の金属被覆用ゴム組成物は、シリカ以外の充填材を含有していてもよい。
ゴム組成物が充填材を含有することで、本発明のゴム組成物から得られるタイヤの補強性を向上することができる。
充填材の種類は、特に制限されず、例えば、ゴム組成物を補強する補強性充填材が用いられる。補強性充填材としては、例えば、水酸化アルミニウム、シリカ以外の金属酸化物、カーボンブラック等が挙げられる。金属酸化物としては、アルミナ、チタニア、ジルコニア等が挙げられる。シリカ以外の充填材は、1種のみ用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
ヒドラジド化合物は、シリカ及びカーボンブラックのいずれにも親和性があるが、中でもカーボンブラックとの親和性に優れることから、充填材はカーボンブラックを含むことが好ましい。
(カーボンブラック)
カーボンブラックは、特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができる。カーボンブラックは、例えば、FEF、SRF、HAF、ISAF、SAFグレードのものが好ましく、HAF、ISAF、SAFグレードのものがより好ましく、HAFグレードのものが更に好ましい。
カーボンブラックは、特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができる。カーボンブラックは、例えば、FEF、SRF、HAF、ISAF、SAFグレードのものが好ましく、HAF、ISAF、SAFグレードのものがより好ましく、HAFグレードのものが更に好ましい。
ゴム組成物中のカーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは10質量部以上、より好ましくは20質量部以上、更に好ましくは30質量部以上であり、好ましくは70質量部以下、より好ましくは60質量部以下、更に好ましくは50質量部以下である。
ゴム組成物中の充填材の含有量がゴム成分100質量部に対して、10質量部以上であることで、得られるタイヤの強度を損ねず、耐亀裂進展性に優れ、100質量部以下であることで、充填材同士の擦れ合いに起因したヒステリシスをより低減することができる。
ゴム組成物中の充填材の含有量がゴム成分100質量部に対して、10質量部以上であることで、得られるタイヤの強度を損ねず、耐亀裂進展性に優れ、100質量部以下であることで、充填材同士の擦れ合いに起因したヒステリシスをより低減することができる。
〔ヒドラジド化合物〕
本発明の金属被覆用ゴム組成物は、ヒドラジド化合物を含有する。ヒドラジド化合物を含有することにより、低発熱性に優れたタイヤが得られる。
ヒドラジド化合物としては、下記式(I)〜(III)で表される化合物が好ましい。
本発明の金属被覆用ゴム組成物は、ヒドラジド化合物を含有する。ヒドラジド化合物を含有することにより、低発熱性に優れたタイヤが得られる。
ヒドラジド化合物としては、下記式(I)〜(III)で表される化合物が好ましい。
式(I)〜式(III)中、R1〜R4はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜18の一価の炭化水素基を表し、R1及びR2、R3及びR4は互いに結合して環構造を形成していてもよく、Aは置換若しくは無置換の芳香族環、置換若しくは無置換のヒダントイン環、又は炭素数1〜18の飽和又は不飽和の鎖状炭化水素基を表し、XはWにより置換されているアリール基を表し、Wはヒドロキシ基又はアミノ基を表し、nは1以上の整数を表し、Yはピリジル基又はヒドラジド基を表す。
式(I)〜式(III)中、R1〜R4は、水素原子、炭素数1〜18の一価の炭化水素基を表し、水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3〜18のシクロアルキル基、炭素数6〜18のアリール基、又は炭素数7〜18のアラルキル基であることが好ましい。前記炭化水素基は、更に置換基を有していてもよく、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、アミノ基、炭素数1〜6のアルキル基で置換されたアミノ基、ヒドロキシ基などの置換基を有していてもよい。
式(I)中、Aは置換若しくは無置換の芳香族環、置換若しくは無置換のヒダントイン環、又は炭素数1〜18の飽和又は不飽和の鎖状炭化水素基を表し、置換又は無置換の芳香族環は、オルト、メタ、パラ位のいずれの位置で−C(=O)−NH−N=CR1R2及び−C(=O)−NH−N=CR3R4が置換していてもよく、特に限定されない。炭素数1〜18の飽和又は不飽和の鎖状炭化水素基としては、飽和又は不飽和の直鎖炭化水素基が好ましく、具体的には、エチレン基、テトラメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、オクタデカメチレン基、オクタデカン−7,11−ジイル基が例示される。
式(I)で表される具体的な化合物としては、イソフタル酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジ(1−メチルエチリデン)ヒドラジド、アジピン酸ジ(1−メチルエチリデン)ヒドラジド、イソフタル酸ジ(1−メチルプロピリデン)ヒドラジド、アジピン酸ジ(1−メチルプロピリデン)ヒドラジド、イソフタル酸ジ(1,3−ジメチルプロピリデン)ヒドラジド、アジピン酸ジ(1,3−ジメチルプロピリデン)ヒドラジド、イソフタル酸ジ(1−フェニルエチリデン)ヒドラジド、アジピン酸ジ(1−フェニルエチリデン)ヒドラジドなどのイソフタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジドの誘導体が挙げられる。これらのイソフタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジドの誘導体以外でも下記のジヒドラジド化合物の誘導体も同様の効果が得られる。例えば、テレフタル酸ジヒドラジド、アゼライン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、エイコサン二酸ジヒドラジドなどの誘導体である。この中でも高い低発熱性化効果が得られる観点から、イソフタル酸ジヒドラジドの誘導体が好ましい。
式(II)中、XはWにより置換されているアリール基を表し、該アリール基の炭素数は、好ましくは6〜20、より好ましくは6〜14、更に好ましくは6〜10であり、該アリール基は、フェニル基又はナフチル基からn個の水素原子を除いた基であることが好ましい。
Wは、ヒドロキシ基又はアミノ基を表し、ヒドロキシ基であることが好ましい。Xは、n個のWで置換されており、nは1以上の整数であり、好ましくは1〜3、より好ましくは1又は2、更に好ましくは1である。
Wは、ヒドロキシ基又はアミノ基を表し、ヒドロキシ基であることが好ましい。Xは、n個のWで置換されており、nは1以上の整数であり、好ましくは1〜3、より好ましくは1又は2、更に好ましくは1である。
上記式(II)で表わされる具体的な化合物としては、2−ヒドロキシ−N’−(1−メチルエチリデン)−3−ナフトエ酸ヒドラジド、2−ヒドロキシ−N’−(1−メチルプロピリデン)−3−ナフトエ酸ヒドラジド、2−ヒドロキシ−N’−(1,3−ジメチルプロピリデン)−3−ナフトエ酸ヒドラジド、2−ヒドロキシ−N’−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−ナフトエ酸ヒドラジド、2−ヒドロキシ−N’−(1−フェニルエチリデン)−3−ナフトエ酸ヒドラジド等の2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸ヒドラジドの誘導体の他に、サリチル酸ヒドラジド、4−ヒドロキシ安息香酸ヒドラジド、アントラニル酸ヒドラジド、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸ヒドラジドの各誘導体が挙げられる。中でも、特に、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸ヒドラジドの誘導体は、高い低発熱性が得られる点で好ましい。
式(III)中、Yはピリジル基又はヒドラジド基を表し、ピリジル基であることが好ましい。
上記式(III)で表される具体的な化合物としては、イソニコチン酸(1−メチルエチリデン)ヒドラジド、イソニコチン酸(1−メチルプロピリデン)ヒドラジド、イソニコチン酸(1,3−ジメチルプロピリデン)ヒドラジド、イソニコチン酸(1−フェニルエチリデン)ヒドラジド等のイソニコチン酸ヒドラジドの誘導体の他に、炭酸ジヒドラジドの誘導体が挙げられる。中でも、特に、イソニコチン酸ヒドラジドの誘導体は、高い低発熱性が得られる観点で好ましい。
なお、上記式(I)〜(III)で表わされるヒドラジド化合物の合成方法は、Pant, U.C.; Ramchandran, Reena; Joshi, B.C. Rev.Roum.Chim. (1979), 24(3), 471-82の文献に記載されている。
上記式(III)で表される具体的な化合物としては、イソニコチン酸(1−メチルエチリデン)ヒドラジド、イソニコチン酸(1−メチルプロピリデン)ヒドラジド、イソニコチン酸(1,3−ジメチルプロピリデン)ヒドラジド、イソニコチン酸(1−フェニルエチリデン)ヒドラジド等のイソニコチン酸ヒドラジドの誘導体の他に、炭酸ジヒドラジドの誘導体が挙げられる。中でも、特に、イソニコチン酸ヒドラジドの誘導体は、高い低発熱性が得られる観点で好ましい。
なお、上記式(I)〜(III)で表わされるヒドラジド化合物の合成方法は、Pant, U.C.; Ramchandran, Reena; Joshi, B.C. Rev.Roum.Chim. (1979), 24(3), 471-82の文献に記載されている。
本発明において、ヒドラジド化合物は、上記式(II)で表される化合物であることが好ましく、下記式(II−1)、又は下記式(II−2)で表される化合物であることがより好ましい。
式(II−1)及び式(II−2)中、R5及びR6はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜18の一価の炭化水素基を表し、R5及びR6は互いに結合して環構造を形成していてもよい。
式(II−1)及び式(II−2)中、R5及びR6は、水素原子又は炭素数1〜18の一価の炭化水素基を表し、水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3〜18のシクロアルキル基、炭素数6〜18のアリール基、又は炭素数7〜18のアラルキル基であることが好ましい。前記シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基は、環上に更に置換基を有していてもよく、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、アミノ基、炭素数1〜6のアルキル基で置換されたアミノ基、ヒドロキシ基などの置換基を有していてもよい。これらの中でも、R5及びR6は、炭素数1〜6のアルキル基であることが好ましい。該アルキル基は、直鎖状、分岐状のいずれでもよい。
式(II−1)又は式(II−2)で表される化合物としては、具体的には、2−ヒドロキシ−N’−(1−メチルエチリデン)−3−ナフトエ酸ヒドラジド、2−ヒドロキシ−N’−(1−メチルプロピリデン)−3−ナフトエ酸ヒドラジド、2−ヒドロキシ−N’−(1−メチルブチリデン)−3−ナフトエ酸ヒドラジド、2−ヒドロキシ−N’−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−ナフトエ酸ヒドラジド、2−ヒドロキシ−N’−(2,6−ジメチル−4−ヘプチリデン)−3−ナフトエ酸ヒドラジド、N’−(1−メチルエチリデン)−サリチル酸ヒドラジド、N’−(1−メチルプロピリデン)−サリチル酸ヒドラジド、N’−(1−メチルブチリデン)−サリチル酸ヒドラジド、N’−(1,3−ジメチルブチリデン)−サリチル酸ヒドラジド、N’−(2,6−ジメチル−4−ヘプチリデン)−サリチル酸ヒドラジドが挙げられる。
これらの中で、2−ヒドロキシ−N’−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−ナフトエ酸ヒドラジドが特に好ましい。
これらの中で、2−ヒドロキシ−N’−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−ナフトエ酸ヒドラジドが特に好ましい。
ヒドラジド化合物は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明のゴム組成物中のヒドラジド化合物の含有量は、低発熱性に優れるタイヤを得る観点から、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.05質量部以上、より好ましくは0.1質量部以上、更に好ましくは0.3質量部以上、より更に好ましくは0.5質量部以上であり、好ましくは5質量部以下、より好ましくは3質量部以下、更に好ましくは2質量部以下である。
本発明のゴム組成物中のヒドラジド化合物の含有量は、低発熱性に優れるタイヤを得る観点から、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.05質量部以上、より好ましくは0.1質量部以上、更に好ましくは0.3質量部以上、より更に好ましくは0.5質量部以上であり、好ましくは5質量部以下、より好ましくは3質量部以下、更に好ましくは2質量部以下である。
〔コバルト含有材〕
本発明のゴム組成物は、コバルト含有材を含有することができるし、含有しないこともできる。
有機酸コバルト塩としては、例えば、ナフテン酸コバルト、ステアリン酸コバルト、ネオデカン酸コバルト、ロジン酸コバルト、バーサチック酸コバルト、トール油酸コバルト、オレイン酸コバルト、リノール酸コバルト、リノレン酸コバルト、パルミチン酸コバルト等を挙げることができる。また、コバルト金属錯体としては、例えばコバルトアセチルアセトナートが挙げられる。
本発明のゴム組成物は、コバルト含有材を含有することができるし、含有しないこともできる。
有機酸コバルト塩としては、例えば、ナフテン酸コバルト、ステアリン酸コバルト、ネオデカン酸コバルト、ロジン酸コバルト、バーサチック酸コバルト、トール油酸コバルト、オレイン酸コバルト、リノール酸コバルト、リノレン酸コバルト、パルミチン酸コバルト等を挙げることができる。また、コバルト金属錯体としては、例えばコバルトアセチルアセトナートが挙げられる。
〔チウラム化合物〕
本発明の金属被覆用ゴム組成物は、チウラム化合物を含有する。
ゴム組成物がチウラム化合物を含有することで、加硫促進剤として働き、加硫するゴム組成物の量が多く、加硫時間が長くなりがちな場合にも、加硫熱により効果が損なわれにくく、耐熱性に優れるため、低発熱性に優れるタイヤを製造し易い。
チウラム系加硫促進剤としては、例えば、テトラメチルチウラムモノスルフィド(TS)、テトラメチルチウラムジスルフィド(TT)、テトラエチルチウラムジスルフィド(TET)、ジペンタメチレンチウラムヘキサスルフィド(TRA)、テトラブチルチウラムジスルフィド(TBT)、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド(TOT)、テトラベンジルチウラムジスルフィド(TBZTD)等が挙げられ、中でも、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド(TOT)及びテトラベンジルチウラムジスルフィド(TBZTD)が好ましく、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド(TOT)がより好ましい。
本発明の金属被覆用ゴム組成物は、チウラム化合物を含有する。
ゴム組成物がチウラム化合物を含有することで、加硫促進剤として働き、加硫するゴム組成物の量が多く、加硫時間が長くなりがちな場合にも、加硫熱により効果が損なわれにくく、耐熱性に優れるため、低発熱性に優れるタイヤを製造し易い。
チウラム系加硫促進剤としては、例えば、テトラメチルチウラムモノスルフィド(TS)、テトラメチルチウラムジスルフィド(TT)、テトラエチルチウラムジスルフィド(TET)、ジペンタメチレンチウラムヘキサスルフィド(TRA)、テトラブチルチウラムジスルフィド(TBT)、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド(TOT)、テトラベンジルチウラムジスルフィド(TBZTD)等が挙げられ、中でも、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド(TOT)及びテトラベンジルチウラムジスルフィド(TBZTD)が好ましく、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド(TOT)がより好ましい。
ゴム組成物中のチウラム系加硫促進剤の含有量は、タイヤの低発熱性と耐亀裂進展性を向上する観点から、ゴム成分100質量部に対して、0.05質量部以上が好ましく、0.1質量部以上がより好ましく、また、ゴム組成物の加工性の観点から、2.0質量部以下であることが好ましく、1.5質量部以下であることがより好ましく、1.0質量部以下であることが更に好ましい。
[加硫促進剤]
本発明の金属被覆用ゴム組成物は、ゴム成分の加硫をより促進するために、チウラム化合物以外の加硫促進剤を含んでいてもよい。
具体的には、例えば、グアジニン系、アルデヒド−アミン系、アルデヒド−アンモニア系、チアゾール系、スルフェンアミド系、チオ尿素系、ジチオカルバメート系、ザンテート系等の加硫促進剤が挙げられる。チウラム系加硫促進剤以外の加硫促進剤は1種のみ用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
以上の中でも、タイヤのモジュラスを維持する観点から、スルフェンアミド系加硫促進剤を含有することが好ましい。
本発明の金属被覆用ゴム組成物は、ゴム成分の加硫をより促進するために、チウラム化合物以外の加硫促進剤を含んでいてもよい。
具体的には、例えば、グアジニン系、アルデヒド−アミン系、アルデヒド−アンモニア系、チアゾール系、スルフェンアミド系、チオ尿素系、ジチオカルバメート系、ザンテート系等の加硫促進剤が挙げられる。チウラム系加硫促進剤以外の加硫促進剤は1種のみ用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
以上の中でも、タイヤのモジュラスを維持する観点から、スルフェンアミド系加硫促進剤を含有することが好ましい。
(スルフェンアミド系加硫促進剤)
スルフェンアミド系加硫促進剤としては、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−メチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−エチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−プロピル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−ペンチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−ヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−ヘプチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−オクチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−2−エチルヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−デシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−ドデシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−ステアリル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジメチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジエチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジプロピル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジペンチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジヘプチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジオクチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジ−2−エチルヘキシルベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジデシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジドデシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジステアリル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド等が挙げられる。
これらの中でも、反応性の観点から、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド及びN−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミドが好ましい。
スルフェンアミド系加硫促進剤としては、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−メチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−エチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−プロピル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−ペンチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−ヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−ヘプチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−オクチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−2−エチルヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−デシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−ドデシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−ステアリル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジメチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジエチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジプロピル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジペンチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジヘプチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジオクチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジ−2−エチルヘキシルベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジデシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジドデシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジステアリル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド等が挙げられる。
これらの中でも、反応性の観点から、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド及びN−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミドが好ましい。
また、グアジニン系の加硫促進剤としては、1,3-ジフェニルグアニジン;ジチオカルバメート系の加硫促進剤としては、ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛等が挙げられる。
ゴム組成物中の加硫促進剤(チウラム化合物を含む全加硫促進剤)の含有量は、タイヤの低発熱性と耐亀裂進展性を向上する観点から、ゴム成分100質量部に対して、0.8質量部以上が好ましく、0.9質量部以上がより好ましく、また、2.8質量部以下であることが好ましく、2.5質量部以下であることがより好ましく、2.3質量部以下であることが更に好ましい。
チウラム化合物以外の加硫促進剤の含有量は、加硫促進剤の全含有量とチウラム化合物の含有量の差分である。
チウラム化合物以外の加硫促進剤の含有量は、加硫促進剤の全含有量とチウラム化合物の含有量の差分である。
〔硫黄〕
本発明の金属被覆用ゴム組成物は、ゴム成分100質量部に対して2質量部以上8質量部以下の硫黄を含む。
硫黄は、特に制限はなく、例えば、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、表面処理硫黄、不溶性硫黄等を挙げることができる。
ゴム組成物中の硫黄の含有量が2質量部以上8質量部以下であることで、ゴム−金属接着性を損なわずに、低発熱性及び耐亀裂進展性に優れるタイヤが得られる。
ゴム組成物中の硫黄の含有量は、ゴム−金属接着性をより向上する観点からは、ゴム成分100質量部に対して2質量部を超えることが好ましく、タイヤの低発熱性及び耐亀裂進展性をより向上する観点からは、ゴム成分100質量部に対して、7質量部以下が好ましく、6質量部以下がより好ましい。
本発明の金属被覆用ゴム組成物は、ゴム成分100質量部に対して2質量部以上8質量部以下の硫黄を含む。
硫黄は、特に制限はなく、例えば、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、表面処理硫黄、不溶性硫黄等を挙げることができる。
ゴム組成物中の硫黄の含有量が2質量部以上8質量部以下であることで、ゴム−金属接着性を損なわずに、低発熱性及び耐亀裂進展性に優れるタイヤが得られる。
ゴム組成物中の硫黄の含有量は、ゴム−金属接着性をより向上する観点からは、ゴム成分100質量部に対して2質量部を超えることが好ましく、タイヤの低発熱性及び耐亀裂進展性をより向上する観点からは、ゴム成分100質量部に対して、7質量部以下が好ましく、6質量部以下がより好ましい。
ゴム−金属接着性を損ねずに、耐亀裂進展性と低発熱性をより高度に両立する観点から、ゴム組成物中の硫黄の含有量aとチウラム化合物の含有量bとの比(a/b)は、5以上20以下であることが好ましい。
同様の観点から、比(a/b)は、ゴム−金属接着性をより向上する観点からは、5を超えることが好ましく、タイヤの低発熱性及び耐亀裂進展性をより向上する観点からは、18質量部以下が好ましく、14質量部以下がより好ましい。
同様の観点から、比(a/b)は、ゴム−金属接着性をより向上する観点からは、5を超えることが好ましく、タイヤの低発熱性及び耐亀裂進展性をより向上する観点からは、18質量部以下が好ましく、14質量部以下がより好ましい。
本発明の金属被覆用ゴム組成物は、ゴム成分、シリカ、ヒドラジド化合物、チウラム化合物、硫黄と共に、必要に応じて、ゴム工業界で通常使用される配合剤、例えば、軟化剤、ステアリン酸、老化防止剤、亜鉛華、シランカップリング剤、樹脂、ワックス、オイル等を、本発明の目的を害しない範囲内で適宜選択して含有していてもよい。
〔ゴム組成物の調製〕
本発明のゴム組成物は、上述した各成分を配合して、バンバリーミキサー、ロール、インターナルミキサー等の混練り機を使用して混練りすることによって製造することができる。
ここで、ゴム成分、シリカ、ヒドラジド化合物、チウラム化合物を含む加硫促進剤等の配合量は、ゴム組成物中の含有量として既述した量と同じである。
各成分の混練は、全一段階で行ってもよく、二段階以上に分けて行ってもよく、例えば、第一段階において、ゴム成分、シリカ、ヒドラジド化合物、チウラム化合物を含む加硫促進剤及び硫黄以外のその他の配合成分を混練し、第二段階において、硫黄及び加硫促進剤を混練する方法が挙げられる。
混練の第一段階の最高温度は、130〜160℃とすることが好ましく、第二段階の最高温度は、90〜120℃とすることが好ましい。
本発明のゴム組成物は、上述した各成分を配合して、バンバリーミキサー、ロール、インターナルミキサー等の混練り機を使用して混練りすることによって製造することができる。
ここで、ゴム成分、シリカ、ヒドラジド化合物、チウラム化合物を含む加硫促進剤等の配合量は、ゴム組成物中の含有量として既述した量と同じである。
各成分の混練は、全一段階で行ってもよく、二段階以上に分けて行ってもよく、例えば、第一段階において、ゴム成分、シリカ、ヒドラジド化合物、チウラム化合物を含む加硫促進剤及び硫黄以外のその他の配合成分を混練し、第二段階において、硫黄及び加硫促進剤を混練する方法が挙げられる。
混練の第一段階の最高温度は、130〜160℃とすることが好ましく、第二段階の最高温度は、90〜120℃とすることが好ましい。
本発明のゴム組成物は、金属被覆用ゴム組成物であり、被覆対象は特に制限されないが、金属コード、金属板等の種々の金属部材を被覆することができる。
中でも、スチールコードに代表される金属コードの被覆用ゴム組成物として用いることが好ましい。
具体的には、ゴム組成物とスチールコードとの複合体として、各種自動車用タイヤ、コンベアベルト、ホースなど、特に強度が要求されるゴム物品に用いられる補強材として好適に用いられる。特に、各種自動車用ラジアルタイヤのベルト、カーカスプライ、ワイヤーチェーファーなどの補強部材として好適に用いられる。
中でも、スチールコードに代表される金属コードの被覆用ゴム組成物として用いることが好ましい。
具体的には、ゴム組成物とスチールコードとの複合体として、各種自動車用タイヤ、コンベアベルト、ホースなど、特に強度が要求されるゴム物品に用いられる補強材として好適に用いられる。特に、各種自動車用ラジアルタイヤのベルト、カーカスプライ、ワイヤーチェーファーなどの補強部材として好適に用いられる。
スチールコードの被覆方法としては、例えば以下に示す方法を用いることができる。
好ましくはブラスめっきされた所定の本数のスチールコードを所定の間隔で平行に並べ、このスチールコードを上下両側から、本発明のゴム組成物からなる厚さ0.5mm程度の未架橋ゴムシートでコーティングして、これを例えば160℃程度の温度で、20分間程度加硫処理する。このようにして得られたゴム組成物とスチールコードとの複合体は、優れた金属−ゴム接着性を有する。
好ましくはブラスめっきされた所定の本数のスチールコードを所定の間隔で平行に並べ、このスチールコードを上下両側から、本発明のゴム組成物からなる厚さ0.5mm程度の未架橋ゴムシートでコーティングして、これを例えば160℃程度の温度で、20分間程度加硫処理する。このようにして得られたゴム組成物とスチールコードとの複合体は、優れた金属−ゴム接着性を有する。
上記のスチールコードは、スチール製のモノフィラメント及びマルチフィラメント(撚りコード又は引き揃えられた束コード)のいずれでも良く、その形状は制限されない。スチールコードが撚りコードである場合の撚り構造についても特に制限はなく、単撚り、複撚り、層撚り、複撚りと層撚りの複合撚りなどの撚り構造が挙げられる。
これらのスチールコードは、ゴム組成物との接着性を好適に確保する観点から表面にめっき処理、接着剤処理などの表面処理がなされていることが好ましい。
スチールフィラメントの表面には、めっきが施されていてもよい。めっきの種類としては、特に制限されず、例えば、亜鉛(Zn)めっき、銅(Cu)めっき、スズ(Sn)めっき、ブラス(銅−亜鉛(Cu−Zn))めっき、ブロンズ(銅−スズ(Cu−Sn))めっき等の他、銅−亜鉛−スズ(Cu−Zn−Sn)めっき、銅−亜鉛−コバルト(Cu−Zn−Co)めっき等の三元めっきなどが挙げられる。これらの中でもブラスめっき及び銅−亜鉛−コバルトめっき三元めっきが好ましい。
また、例えば、表面のN原子が2原子%以上60原子%以下であって、かつ、表面のCu/Zn比が1以上4以下であるスチールフィラメントを使用することができる。また、金属フィラメント1としては、フィラメント半径方向内方にフィラメント最表層5nmまでの酸化物として含まれるリンの量が、C量を除いた全体量の割合で、7.0原子%以下である場合が挙げられる。
また、接着剤処理を使用する場合は例えばロード社製、商品名「ケムロック」(登録商標)などの接着剤処理が好ましい。
これらのスチールコードは、ゴム組成物との接着性を好適に確保する観点から表面にめっき処理、接着剤処理などの表面処理がなされていることが好ましい。
スチールフィラメントの表面には、めっきが施されていてもよい。めっきの種類としては、特に制限されず、例えば、亜鉛(Zn)めっき、銅(Cu)めっき、スズ(Sn)めっき、ブラス(銅−亜鉛(Cu−Zn))めっき、ブロンズ(銅−スズ(Cu−Sn))めっき等の他、銅−亜鉛−スズ(Cu−Zn−Sn)めっき、銅−亜鉛−コバルト(Cu−Zn−Co)めっき等の三元めっきなどが挙げられる。これらの中でもブラスめっき及び銅−亜鉛−コバルトめっき三元めっきが好ましい。
また、例えば、表面のN原子が2原子%以上60原子%以下であって、かつ、表面のCu/Zn比が1以上4以下であるスチールフィラメントを使用することができる。また、金属フィラメント1としては、フィラメント半径方向内方にフィラメント最表層5nmまでの酸化物として含まれるリンの量が、C量を除いた全体量の割合で、7.0原子%以下である場合が挙げられる。
また、接着剤処理を使用する場合は例えばロード社製、商品名「ケムロック」(登録商標)などの接着剤処理が好ましい。
<タイヤ>
本発明のタイヤは、本発明の金属被覆用ゴム組成物を用いてなる。
本発明のタイヤは、本発明の金属被覆用ゴム組成物を用いてなることから、低発熱性と耐亀裂進展性に優れる。また、クラウンセンターゲージ厚みが50mm以上であるタイヤに対しても、かかる効果を発現することができる。ここで、クラウンセンターゲージ厚みとは、タイヤトレッドの踏面赤道上の陸部のゲージ厚みを意味するものである。クラウンセンターゲージ厚みが50mm以上と、タイヤサイズの大きなタイヤでは、タイヤにかかる荷重が大きく、その分、亀裂を生じ易い。しかし、本発明のタイヤは、本発明の金属被覆用ゴム組成物を用いてなることから、耐亀裂進展性に優れる。
本発明の金属被覆用ゴム組成物は、コードの少なくとも一部を被覆していればよいが、タイヤの低発熱性及び耐亀裂進展性を向上する観点から、コードの全面を被覆することが好ましい。
本発明のタイヤは、本発明の金属被覆用ゴム組成物を用いてなる。
本発明のタイヤは、本発明の金属被覆用ゴム組成物を用いてなることから、低発熱性と耐亀裂進展性に優れる。また、クラウンセンターゲージ厚みが50mm以上であるタイヤに対しても、かかる効果を発現することができる。ここで、クラウンセンターゲージ厚みとは、タイヤトレッドの踏面赤道上の陸部のゲージ厚みを意味するものである。クラウンセンターゲージ厚みが50mm以上と、タイヤサイズの大きなタイヤでは、タイヤにかかる荷重が大きく、その分、亀裂を生じ易い。しかし、本発明のタイヤは、本発明の金属被覆用ゴム組成物を用いてなることから、耐亀裂進展性に優れる。
本発明の金属被覆用ゴム組成物は、コードの少なくとも一部を被覆していればよいが、タイヤの低発熱性及び耐亀裂進展性を向上する観点から、コードの全面を被覆することが好ましい。
本発明のタイヤの製造方法は特に限定されず、常法に基づき製造することができる。
一般に、各種成分を含有させたゴム組成物が未加硫の段階で各部材に加工され、タイヤ成形機上で通常の方法により貼り付け成形され、生タイヤが成形される。この生タイヤを加硫機中で加熱加圧して、タイヤが製造される。例えば、本発明のゴム組成物を混練の上、得られたゴム組成物でスチールコードをゴム引きして未加硫のベルト層、未加硫のカーカス、及び他の未加硫部材を積層し、未加硫積層体を加硫することでタイヤが得られる。
タイヤに充填する気体としては、通常の空気、酸素分圧を調整した空気等の他、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスを用いてもよい。
一般に、各種成分を含有させたゴム組成物が未加硫の段階で各部材に加工され、タイヤ成形機上で通常の方法により貼り付け成形され、生タイヤが成形される。この生タイヤを加硫機中で加熱加圧して、タイヤが製造される。例えば、本発明のゴム組成物を混練の上、得られたゴム組成物でスチールコードをゴム引きして未加硫のベルト層、未加硫のカーカス、及び他の未加硫部材を積層し、未加硫積層体を加硫することでタイヤが得られる。
タイヤに充填する気体としては、通常の空気、酸素分圧を調整した空気等の他、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスを用いてもよい。
<実施例1〜3、比較例1〜6>
〔ゴム組成物の調製及び試作タイヤの作製〕
表1に示す配合組成で各成分を混練し、ゴム組成物を調製する。
黄銅のブラス鍍金(Cu:63質量%、Zn:37質量)したスチールコード(1×5
×0.25mm(素線径))を12.5mm間隔で平行に並べ、調製したム組成物で被覆してベルト層を形成し、サイズ:185/70 R14のタイヤを常法により試作する。
また、ゴム組成物を145℃で30分間の条件で加硫して、加硫ゴム試験片を作製し、低発熱性(粘弾性)及び耐亀裂進展性を評価する。
〔ゴム組成物の調製及び試作タイヤの作製〕
表1に示す配合組成で各成分を混練し、ゴム組成物を調製する。
黄銅のブラス鍍金(Cu:63質量%、Zn:37質量)したスチールコード(1×5
×0.25mm(素線径))を12.5mm間隔で平行に並べ、調製したム組成物で被覆してベルト層を形成し、サイズ:185/70 R14のタイヤを常法により試作する。
また、ゴム組成物を145℃で30分間の条件で加硫して、加硫ゴム試験片を作製し、低発熱性(粘弾性)及び耐亀裂進展性を評価する。
1.ゴム成分
NR:天然ゴム、TSR20
NR:天然ゴム、TSR20
2.充填材
カーボンブラック1:HAF、旭カーボン社製、商品名「旭#70」(窒素吸着比表面積:77m2/g)
カーボンブラック2:ISAF:旭カーボン社製、商品名「旭#80」(窒素吸着比表面積:115m2/g)
シリカ:東ソー・シリカ株式会社製、商品名「ニップシールAQ」(BET比表面積 =205m2/g)
カーボンブラック1:HAF、旭カーボン社製、商品名「旭#70」(窒素吸着比表面積:77m2/g)
カーボンブラック2:ISAF:旭カーボン社製、商品名「旭#80」(窒素吸着比表面積:115m2/g)
シリカ:東ソー・シリカ株式会社製、商品名「ニップシールAQ」(BET比表面積 =205m2/g)
3.ヒドラジド化合物
大塚化学社製、2−ヒドロキシ−N’−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−ナフトエ酸ヒドラジド〔式(II−1)で表される化合物〕
大塚化学社製、2−ヒドロキシ−N’−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−ナフトエ酸ヒドラジド〔式(II−1)で表される化合物〕
4.加硫促進剤
加硫促進剤1:スルフェンアミド系加硫促進剤、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、大内新興化学工業社製、商品名「ノクセラーCZ−G」
加硫促進剤2:チウラム化合物、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド、大内新興化学工業社製「ノクセラー TOT−N」
加硫促進剤1:スルフェンアミド系加硫促進剤、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、大内新興化学工業社製、商品名「ノクセラーCZ−G」
加硫促進剤2:チウラム化合物、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド、大内新興化学工業社製「ノクセラー TOT−N」
5.各種配合成分
シランカップリング剤:Evonik社製、商品名「Si69」(登録商標)
ステアリン酸:新日本理化社製、商品名「ステアリン酸50S」
亜鉛華:ハクスイテック社製、商品名「3号亜鉛華」
老化防止剤:N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン、大内新興化学工業社製、商品名「ノクラック 6C」
オイル:出光興産社製、商品名「ダイアナプロセスオイル PS−90」
硫黄:鶴見化学工業社製、商品名「粉末硫黄」
コバルト化合物:OMG社製、商品名「マノボンドC22.5」(コバルト含有量22.5質量%)
シランカップリング剤:Evonik社製、商品名「Si69」(登録商標)
ステアリン酸:新日本理化社製、商品名「ステアリン酸50S」
亜鉛華:ハクスイテック社製、商品名「3号亜鉛華」
老化防止剤:N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン、大内新興化学工業社製、商品名「ノクラック 6C」
オイル:出光興産社製、商品名「ダイアナプロセスオイル PS−90」
硫黄:鶴見化学工業社製、商品名「粉末硫黄」
コバルト化合物:OMG社製、商品名「マノボンドC22.5」(コバルト含有量22.5質量%)
〔ゴム組成物の評価〕
1.耐亀裂進展性評価
加硫ゴム試験片を厚さ5mmのJIS5号形の試験片に加工し、試験片中心部に0.5mmの亀裂を入れる。
試験片の両端を掴み、下記条件下で繰り返し入力を行い、試験片が破断するまでの回数を測定する。
試験応力:3Mpa
周波数:6Hz
雰囲気温度:60℃
表1には、比較例4の破断回数を100として指数表示した。各実施例、比較例の耐亀裂進展性指数は下記式より算出される。
耐亀裂進展性指数=(各試験片の破断回数/比較例1の破断回数)×100
実施例及び比較例の耐亀裂進展性指数を表1の「耐亀裂進展性」欄に示す。
耐亀裂進展性指数が大きい程、試験片の耐亀裂進展性が優れることを意味し、試験片の加硫ゴムで構成される試作タイヤが耐亀裂進展性に優れることを意味する。耐亀裂進展性指数が100以上であれば、耐亀裂進展性に優れるといえる。
1.耐亀裂進展性評価
加硫ゴム試験片を厚さ5mmのJIS5号形の試験片に加工し、試験片中心部に0.5mmの亀裂を入れる。
試験片の両端を掴み、下記条件下で繰り返し入力を行い、試験片が破断するまでの回数を測定する。
試験応力:3Mpa
周波数:6Hz
雰囲気温度:60℃
表1には、比較例4の破断回数を100として指数表示した。各実施例、比較例の耐亀裂進展性指数は下記式より算出される。
耐亀裂進展性指数=(各試験片の破断回数/比較例1の破断回数)×100
実施例及び比較例の耐亀裂進展性指数を表1の「耐亀裂進展性」欄に示す。
耐亀裂進展性指数が大きい程、試験片の耐亀裂進展性が優れることを意味し、試験片の加硫ゴムで構成される試作タイヤが耐亀裂進展性に優れることを意味する。耐亀裂進展性指数が100以上であれば、耐亀裂進展性に優れるといえる。
2.金属−ゴム接着性
試作タイヤからベルト層を切り抜き、金属コード−ゴム複合体の試験ブロックを得る。ASTM D 2229に準拠して、各試験ブロックからスチールコードを引き抜き、スチールコードに付着しているゴムの被覆率を目視観察にて0〜100%で決定し、比較例4のゴムの被覆率を100とする指数で表示した。指数値が大きい程、金属−ゴム接着性に優れていることを示す。
実施例及び比較例の金属−ゴム接着性の指数を表1の「金属−ゴム接着性」欄に示す。
金属−ゴム接着性の指数値が90以上であれば、金属−ゴム接着性は損なわれていないといえる。
試作タイヤからベルト層を切り抜き、金属コード−ゴム複合体の試験ブロックを得る。ASTM D 2229に準拠して、各試験ブロックからスチールコードを引き抜き、スチールコードに付着しているゴムの被覆率を目視観察にて0〜100%で決定し、比較例4のゴムの被覆率を100とする指数で表示した。指数値が大きい程、金属−ゴム接着性に優れていることを示す。
実施例及び比較例の金属−ゴム接着性の指数を表1の「金属−ゴム接着性」欄に示す。
金属−ゴム接着性の指数値が90以上であれば、金属−ゴム接着性は損なわれていないといえる。
3.低発熱性評価
加硫ゴム試験片の損失正接(tanδ)を、レオメトリックス社製の粘弾性測定装置を用いて、温度50℃、周波数15Hz、歪0.1%で測定する。
比較例4のtanδを100として下記式にて指数表示す。
発熱性指数=(各加硫ゴムのtanδ/比較例4の加硫ゴムのtanδ)×100
発熱性指数が小さいほど、低発熱性に優れ、ヒステリシスロスが小さいことを意味し、試験片の加硫ゴムで構成される試作タイヤが低発熱性に優れることを意味する。
実施例及び比較例の発熱性指数を表1の「低発熱性」欄に示す。
発熱性指数が100未満であれば、低発熱性に優れるといえる。
加硫ゴム試験片の損失正接(tanδ)を、レオメトリックス社製の粘弾性測定装置を用いて、温度50℃、周波数15Hz、歪0.1%で測定する。
比較例4のtanδを100として下記式にて指数表示す。
発熱性指数=(各加硫ゴムのtanδ/比較例4の加硫ゴムのtanδ)×100
発熱性指数が小さいほど、低発熱性に優れ、ヒステリシスロスが小さいことを意味し、試験片の加硫ゴムで構成される試作タイヤが低発熱性に優れることを意味する。
実施例及び比較例の発熱性指数を表1の「低発熱性」欄に示す。
発熱性指数が100未満であれば、低発熱性に優れるといえる。
表1からわかるように、硫黄をゴム成分100質量部に対して2質量部未満で含む比較例5のタイヤは、耐亀裂進展性に優れるものの、低発熱性に優れず、また、ゴム組成物は金属−ゴム接着性に優れない。
反対に、硫黄をゴム成分100質量部に対して8質量部を超えて含む比較例6は、ゴム組成物が金属−ゴム接着性に優れ、タイヤが低発熱性に優れるものの、耐亀裂進展性には優れない。
更に、ヒドラジド化合物、シリカ、及びチウラム化合物のいずれか又は全てを含まない比較例1〜4においては、低発熱性に優れないタイヤが得られた。
反対に、硫黄をゴム成分100質量部に対して8質量部を超えて含む比較例6は、ゴム組成物が金属−ゴム接着性に優れ、タイヤが低発熱性に優れるものの、耐亀裂進展性には優れない。
更に、ヒドラジド化合物、シリカ、及びチウラム化合物のいずれか又は全てを含まない比較例1〜4においては、低発熱性に優れないタイヤが得られた。
これに対し、実施例のゴム組成物は、いずれも金属−ゴム接着性を損なわずに、耐亀裂進展性及び低発熱性に優れるタイヤが得られた。
本発明の金属被覆用ゴム組成物は、金属−ゴム接着性を損なわずに、低発熱性と耐亀裂進展性に優れるタイヤを製造することができるため、乗用車用のタイヤのみならず、トラック・バス用タイヤ等の重荷重用タイヤの製造にも適する。
Claims (5)
- ゴム成分と、
シリカと、
チウラム化合物と、
ヒドラジド化合物と、
前記ゴム成分100質量部に対して2質量部以上8質量部以下の硫黄と、
を含有する金属被覆用ゴム組成物。 - 前記シリカの含有量が、前記ゴム成分100質量部に対して5質量部以上50質量部以下である請求項1に記載の金属被覆用ゴム組成物。
- 前記チウラム化合物の含有量が、前記ゴム成分100質量部に対して0.1質量部以上2.0部質量部以下である請求項1又は2に記載の金属被覆用ゴム組成物。
- 前記硫黄の含有量aと前記チウラム化合物の含有量bとの比(a/b)が、5以上20以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の金属被覆用ゴム組成物。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の金属被覆用ゴム組成物を用いたタイヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018195952A JP2020063368A (ja) | 2018-10-17 | 2018-10-17 | 金属被覆用ゴム組成物及びタイヤ |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2018195952A JP2020063368A (ja) | 2018-10-17 | 2018-10-17 | 金属被覆用ゴム組成物及びタイヤ |
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ID=70388111
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JP2018195952A Pending JP2020063368A (ja) | 2018-10-17 | 2018-10-17 | 金属被覆用ゴム組成物及びタイヤ |
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---|---|
JP (1) | JP2020063368A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2020246569A1 (ja) * | 2019-06-06 | 2020-12-10 | 株式会社ブリヂストン | スチールコード-ゴム複合体及び空気入りタイヤ |
-
2018
- 2018-10-17 JP JP2018195952A patent/JP2020063368A/ja active Pending
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WO2020246569A1 (ja) * | 2019-06-06 | 2020-12-10 | 株式会社ブリヂストン | スチールコード-ゴム複合体及び空気入りタイヤ |
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