JP2020060662A - 現像剤補給容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 芯ずれが発生した状態で収容室が回転したとしても、収容室を回転させる際の負荷トルクを抑制しつつ、排出室と収容室との間に形成された空間をシールする弾性部材が剥がれることを抑制する。【解決手段】 現像剤補給装置に対して非回転である排出室と、排出室に対し相対回転可能に保持され、排出室に供給される現像剤を収容可能な収容室と、排出室に固定して設けられ、収容室の径方向から見たときの形状が略長方形である弾性部材と、を備え、収容室には、排出室と収容室との間に形成された空間をシールするために弾性部材を押圧するための押圧部が、弾性部材の第1角部が押圧部の第1面に当接し、収容室の径方向に関して弾性部材の第1角部に隣接する第2角部が押圧部の第1面と交差する第2面に当接し、且つ、収容室の径方向に関して弾性部材の第1角部と第2角部との間にある中間部が押圧部から離間するように形成されている。【選択図】 図11

Description

本発明は、現像剤補給装置に着脱可能な現像剤補給容器に関する。
現像剤を排出する排出口を備え、現像剤補給装置に対して非回転である排出室と、排出室に対し相対回転可能に保持され、排出室に供給される現像剤を収容可能な収容室と、を備えた現像剤補給装置に着脱可能な現像剤補給容器が知られている。
特許文献1には、排出室と収容室との間に形成された空間をシールする弾性部材を排出室に設けるとともに、弾性部材の内周面側で弾性部材の移動を規制する規制部を収容室に設けた構成が記載されている。
特開2017−156471号公報
非回転体である排出室と回転体である収容室を有する現像剤補給容器において、現像剤の補給動作のために収容室を回転させた際に、排出室と収容室との間で芯ずれが発生することがある。排出室と収容室との間に形成された空間をシールする弾性部材を排出室に設けた現像剤補給容器では、芯ずれが発生した状態で収容室が回転したとしても、収容室を回転させる際の負荷トルクを抑制しつつ、弾性部材が剥がれることを抑制することが望まれている。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものである。本発明の目的は、芯ずれが発生した状態で収容室が回転したとしても、収容室を回転させる際の負荷トルクを抑制しつつ、排出室と収容室との間に形成された空間をシールする弾性部材が剥がれることを抑制することが可能な現像剤補給容器を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明の一態様に係る現像剤補給容器は以下のような構成を備える。即ち、現像剤補給装置に着脱可能な現像剤補給容器であって、現像剤を排出する排出口を備え、前記現像剤補給装置に対して非回転である排出室と、前記排出室に対し相対回転可能に保持され、前記排出室に供給される現像剤を収容可能な収容室と、前記排出室に固定して設けられ、前記収容室の径方向から見たときの形状が略長方形である弾性部材と、を備え、前記収容室には、前記排出室と前記収容室との間に形成された空間をシールするために前記弾性部材を押圧するための押圧部が、前記弾性部材の第1角部が前記押圧部の第1面に当接し、前記収容室の径方向に関して前記弾性部材の前記第1角部に隣接する第2角部が前記押圧部の前記第1面と交差する第2面に当接し、且つ、前記収容室の径方向に関して前記弾性部材の前記第1角部と前記第2角部との間にある中間部が前記押圧部から離間するように形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、芯ずれが発生した状態で収容室が回転したとしても、収容室を回転させる際の負荷トルクを抑制しつつ、排出室と収容室との間に形成された空間をシールする弾性部材が剥がれることを抑制することができる。
画像形成装置の断面図(概略図)である。 現像装置の要部の断面図(概略図)である。 (a)現像剤補給装置の装着部の斜視図、(b)現像剤補給装置の装着部の断面図である。 現像剤補給容器及び現像剤補給装置の部分断面図である。 現像剤補給制御のフローを説明するためのフローチャートである。 現像剤補給装置の変形例を示す部分断面図である。 (a)現像剤補給容器の斜視図、(b)現像剤補給容器の排出口の周辺を示す側面図である。 現像剤補給容器の部分断面図(斜視図)である。 (a)ポンプ部が最大限に伸張した状態における現像剤補給容器の部分側面図、(b)ポンプ部が最大限に収縮した状態における現像剤補給容器の部分側面図である。 現像剤補給容器のカム溝の形状を示す展開図である。 第1の実施形態における(a)現像剤補給容器の収容室及びフランジ部の部分断面図、(b)フランジシールの周辺の断面図(拡大図)である。 フランジシールが押圧されて変形した状態におけるフランジシールの断面形状を示す模式図である。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る本発明を限定するものではなく、また第1の実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。本発明は、プリンタ、各種印刷機、複写機、FAX、複合機等、種々の用途で実施できる。
[第1の実施形態]
本発明における構成の一例として、画像形成装置内の現像剤補給装置に着脱可能な現像剤補給容器に適用した場合の実施形態を具体的に説明する。
<画像形成装置>
図1は、第1の実施形態の現像剤補給容器が着脱可能に装着される現像剤補給装置が搭載された画像形成装置100の断面図(概略図)である。第1の実施形態の画像形成装置100は、電子写真方式を用いた複写機である。
画像形成装置100は、ドラム型の感光体(電子写真感光体)104を有する。感光体104は、図1中の矢印R1方向(時計回り)に回転駆動される。感光体104の周りには、帯電手段としての帯電器203、現像手段としての現像装置201、クリーニング手段としてのクリーナ部202などの画像形成プロセス機器が配置されている。
また、画像形成装置100は、原稿台ガラス102を有し、原稿台ガラス102上に原稿Gが置かれる。そして、原稿Gの画像情報に応じた光像が、光学部103の複数のミラーMとレンズLnとによって、帯電器203によって予め一様に帯電された感光体104上に結像されることにより、感光体104上に静電潜像(静電像)が形成される。感光体104上に形成された静電潜像は、乾式の現像装置(1成分現像装置)201により、現像剤(乾式粉体)としてのトナー(1成分磁性トナー)を用いて現像(可視化)され、感光体104上にトナー像(現像剤像)が形成される。
画像形成装置100には、記録媒体(シート)Pを収容するカセット105〜108が設けられている。カセット105〜108のうち、画像形成装置100に設けられた操作部などから操作者(ユーザ)によって入力された情報や、原稿Gのサイズに基づいて選択されたカセットから、シートPが給送される。記録媒体としては、記録用紙、OHPシートなどが適宜使用される。給送分離装置105A〜108Aにより搬送された1枚のシートPが、搬送部109を経由してレジストローラ110まで搬送される。そして、シートPが、感光体104の回転や光学部103のスキャンのタイミングと同期がとられて転写部に搬送される。
転写部では、転写帯電器111、分離帯電器112が感光体104に対向して配置されている。感光体104上に形成されたトナー像は、転写部において転写帯電器111によってシートPに静電的に転写される。転写後に感光体104上に残留したトナー(転写残トナー)は、クリーナ部202によって感光体104上から除去されて回収される。そして、トナー像の転写されたシートPは、分離帯電器112によって感光体104から分離される。感光体104から分離されたシートPは、搬送部113により定着部114へと搬送され、定着部114において熱及び圧によりトナー像が定着(溶融固着)される。
その後、片面コピーの場合には、シートPは、排出反転部115を通過し、排出ローラ116により画像形成装置100の装置本体101の外部に設けられた排出トレイ117へ排出される。また、両面コピーの場合には、シートPは、排出反転部115を通り、排出ローラ116によりシートPの一部が装置本体101の外部へ排出される。そして、シートPは、シートPの終端がフラッパ118を通過し、排出ローラ116にまだ挟持されているタイミングで、フラッパ118が制御されると共に排出ローラ116が逆回転されることにより、装置本体101の内部へと再度搬送される。その後、シートPは、再給送搬送部119、120を経由してレジストローラ110まで搬送された後、片面コピーの場合と同様の搬送経路をたどって排出トレイ117へ排出される。
<現像装置>
続いて、第1の実施形態における現像装置201について図2を用いて説明する。図2は、第1の実施形態における現像装置201の要部の断面図(概略図)である。
現像装置201は、現像剤を収容する現像容器201aと、感光体104に形成された静電像を現像する位置に向けて現像剤を担持搬送する現像剤担持体としての現像ローラ201fと、撹拌部材201cと、現像剤送り部材201d、201eとを有する。第1の実施形態では、現像装置201には、図3で後述する現像剤補給容器(トナーカートリッジ)1が装着された現像剤補給装置20から、現像剤Tとして1成分磁性トナーが補給される。
現像装置201に補給された現像剤Tは、撹拌部材201cにより撹拌され、現像剤送り部材201d、201eにより現像ローラ201fに送られて、現像ローラ201fにより感光体104に供給される。
また、現像装置201には、現像ローラ201f上の現像剤Tのコート量を規制する現像剤規制部材としての現像ブレード201gが、現像ローラ201fに接触して配置されている。また、現像装置201には、現像ローラ201fと現像容器201aとの間からの現像剤Tの漏れを抑制するためのシート部材201hが、現像ローラ201fに接触して配置されている。
尚、第1の実施形態では、現像装置201は1成分現像装置であり、現像剤補給容器1から現像装置201に補給する現像剤Tは1成分磁性トナーである例について説明するが、これに限定されるものではない。具体的には、現像装置201は、1成分非磁性トナーを用いて現像を行う1成分現像装置であってもよく、この場合には、現像装置201には現像剤Tとして1成分非磁性トナーを補給することになる。また、現像装置201は、磁性キャリアと非磁性トナーを混合した2成分現像剤を用いて現像を行う2成分現像装置であってもよく、この場合には、現像装置201には現像剤Tとして非磁性トナーを補給することになる。尚、現像剤Tとして非磁性トナーを補給する場合、現像剤Tとして非磁性トナーと共に磁性キャリアも併せて補給する構成としても構わない。
<現像剤補給装置>
続いて、現像剤補給装置20について図3及び図4を用いて説明する。図3(a)は、現像剤補給容器1が装着される現像剤補給装置20の装着部20aの斜視図である。図3(b)は、現像剤補給装置20の装着部20aの断面図である。また、図4は、駆動系及び制御系の模式図と共に示した、現像剤補給容器1が装着された現像剤補給装置20の部分断面図である。
現像剤補給装置20は、現像剤補給容器1が取り外し可能(着脱可能)に装着される装着部(装着スペース)20aと、現像剤補給容器1から排出された現像剤を一時的に貯留するためのホッパー20bと、を有する。
現像剤補給容器1は、装着部20aに対して図3(b)中の矢印M方向(現像剤補給容器1の装着部20aへの装着方向)に装着される。即ち、現像剤補給容器1は、現像剤補給容器1の長手方向(現像剤補給容器1の回転軸線方向)が矢印M方向とほぼ一致するように装着部20aに装着される。尚、矢印M方向は、後述する図8中の矢印X方向(現像剤搬送方向)と実質的に平行である。また、現像剤補給容器1の装着部20aからの取り出し方向は、矢印M方向とは反対方向となる。
装着部20aは、現像剤補給容器1が装着された際に現像剤補給容器1のフランジ部4(図7(a)参照)と当接することにより、現像剤補給容器1の回転方向へのフランジ部4の移動を規制するための回転方向規制部(保持機構)21を有する。また、装着部20aは、現像剤補給容器1が装着された際に、現像剤補給容器1に設けられた孔(開口部)である排出口4a(図7(b)参照)と連通し、現像剤補給容器1から排出された現像剤を受入れるための孔(開口部)である現像剤受入れ口23を有する。現像剤補給容器1の排出口4aから排出された現像剤は、現像剤受入れ口23を通してホッパー20bへと供給される。
第1の実施形態では、現像剤受入れ口23の直径は、装着部20a内の現像剤による汚れを抑制するべく、現像剤受入れ口23を微細口(ピンホール)とするために、3.0[mm]に設定されている。尚、現像剤受入れ口23の直径は、排出口4aから現像剤を排出することが可能な直径であればよい。図4に示すように、ホッパー20bは、現像装置201へ現像剤を搬送するための搬送スクリュー20b1と、現像装置201と連通した開口20b2と、ホッパー20b内に収容されている現像剤量を検出する残量センサ20b3と、を有する。
図3(a)、(b)に示すように、装着部20aは、駆動機構(駆動部)として機能する駆動ギア300を有する。また、図4に示すように、駆動ギア300は、駆動モータ500から駆動ギア列を介して回転駆動力が伝達され、装着部20aにセットされた状態の現像剤補給容器1に対し回転駆動力を付与する。駆動モータ500は、制御装置(CPU)600によりその動作を制御される。制御装置600は、残量センサ20b3から入力された現像剤の残量に関する情報に基づき、駆動モータ500の動作を制御する。
尚、第1の実施形態では、駆動ギア300は、駆動モータ500の制御を簡易化するため、一方向にのみ回転するように設定されている。即ち、制御装置600は、駆動モータ500のオン(作動)/オフ(非作動)のみを制御する。したがって、駆動モータ500(駆動ギア300)を正方向と逆方向とに周期的に反転させることで得られる反転駆動力を現像剤補給容器1に付与する構成と比べて、現像剤補給装置20の駆動機構の簡易化を図ることができる。第1の実施形態では、装着部20a、ホッパー20b、駆動モータ500、制御装置600などを有して現像剤補給装置20が構成され、装着部20aに現像剤補給容器1が着脱可能に装着される。
<現像剤補給容器の装着方法及び取り出し方法>
続いて、現像剤補給容器1の装着方法及び取り出し方法について説明する。
まず、操作者が、装置本体101に設けられた交換カバーを開き、現像剤補給容器1を現像剤補給装置20の装着部20aへ挿入して、装着部20aに現像剤補給容器1を装着する。現像剤補給容器1の装着動作に伴い、現像剤補給容器1のフランジ部4は、現像剤補給装置20に保持されて固定される。その後、操作者が交換カバーを閉じることで、現像剤補給容器1の装着工程が終了する。その後、制御装置600が駆動モータ500を制御することにより、駆動ギア300を適宜のタイミングで回転させる。
一方、現像剤補給容器1内の現像剤が空になった場合には、操作者が交換カバーを開き、装着部20aから現像剤補給容器1を取り出す。そして、予め用意してある新品の現像剤補給容器1を装着部20aへと挿入して、装着部20aに現像剤補給容器1を装着する。そして、操作者が交換カバーを閉じることにより、現像剤補給容器1の取り出しから現像剤補給容器1の再装着に至るまでの交換作業が終了する。
<現像剤補給制御>
続いて、現像剤補給装置20による現像剤補給制御について図5を用いて説明する。図5は、制御系による現像剤補給制御のフローを説明するためのフローチャートである。この現像剤補給制御は、制御装置(CPU)600により各種機器を制御することにより実行される。
第1の実施形態では、残量センサ20b3の出力に応じて制御装置600が駆動モータ500の作動/非作動の制御を行うことにより、ホッパー20b内に一定量以上の現像剤が収容されないようになっている。具体的には、まず、残量センサ20b3がホッパー20b内の現像剤量(現像剤残量、現像剤収容量)をチェックする(S100)。そして、制御装置600は、残量センサ20b3により検出された現像剤量が所定量未満であると判定した場合、駆動モータ500を駆動し、一定時間、現像剤補給動作を実行させる(S101)。
尚、制御装置600は、残量センサ20b3により現像剤が検出されなかった場合、残量センサ20b3により検出された現像剤量が所定量未満であると判定する。制御装置600は、この現像剤補給動作の結果、現像剤センサ20b3により検出された現像剤量が所定量に達したと判定した場合、駆動モータ500の駆動をオフし、現像剤補給動作を停止させる(S102)。
尚、制御装置600は、現像剤センサ20b3により現像剤が検出された場合、現像剤センサ20b3により検出された現像剤量が所定量に達したと判定する。この現像剤補給動作の停止により、一連の現像剤補給制御が終了する。このような現像剤補給制御は、画像形成に伴い現像剤が消費されてホッパー20b内の現像剤量が所定量未満となると、繰り返し実行される。
尚、第1の実施形態では、現像剤補給装置20は、現像剤補給容器1から排出された現像剤をホッパー20b内に一時的に貯留し、その後、現像装置201へ補給する。しかし、これに限定されるものではなく、次のような構成としても良い。具体的には、図6に示すように、ホッパー20bを省き、現像剤補給容器1から現像装置201へ直接的に現像剤Tを補給する構成である。図6に示す例は、現像装置としてトナーとキャリアを含む2成分現像剤を用いて現像動作を行う2成分現像装置800を用いた例である。2成分現像装置800は、現像剤Tが補給される撹拌室と、感光体104に形成された静電像を現像する位置に向けて現像剤Tを担持搬送する現像剤担持体としての現像スリーブ800aへ現像剤Tを供給する現像室とを有している。撹拌室と現像室には、それぞれ現像剤搬送方向が互いに逆向きとなる撹拌スクリュー800bが設置されている。そして、撹拌室と現像室とは長手方向の両端部において互いに連通しており、撹拌室と現像室との間を現像剤Tが循環しながら搬送される。また、撹拌室には現像剤T中のトナー濃度を検出する磁気センサ800cが設置されており、磁気センサ800cの検出結果に基づいて制御装置600が駆動モータ500の動作を制御する。この構成の場合、現像剤補給容器1から補給される現像剤Tは、非磁性トナー、又は非磁性トナー及び磁性キャリアとなる。
第1の実施形態では、現像剤補給容器1内の現像剤は、排出口4aから重力作用のみではほとんど排出されず、後述するポンプ部6による吸排気動作によって排出口4aから排出されるため、現像剤の排出量のばらつきを抑えることができる。したがって、図6の例のようにホッパー20bを省いた場合でも、現像装置に現像剤を安定的に補給することができる。
<現像剤補給容器の構成>
続いて、現像剤補給容器1の構成について図7及び図8を用いて説明する。図7(a)は、現像剤補給容器1の全体図(斜視図)、図7(b)は、現像剤補給容器1の排出口4aの周辺を示す部分図(拡大図)である。図8は、現像剤補給容器1の部分断面図(斜視図)である。
現像剤補給容器1は、中空円筒状に形成され、内部に現像剤を収容する内部空間(現像剤収容空間)を備えた収容室(現像剤収容部)2を有している。即ち、収容室2は、図8で後述する搬送突起2aや押圧部2cが形成された概略円筒状の円筒部2bで構成されている。また、現像剤補給容器1は、収容室2の長手方向(現像剤搬送方向)の一端側に非回転部であるフランジ部4を有する。収容室2は、フランジ部4に対して相対回転可能とされている。フランジ部4は、排出口4a、図8で後述するシャッタ4b、排出室(現像剤排出部)4c、往復部材5、ポンプ部6などを有して構成されている。尚、収容室2の断面形状を、後述する現像剤補給工程における回転動作に影響を与えない範囲内において非円形状、例えば、楕円形状や多角形状としても構わない。
第1の実施形態では、現像剤補給容器1は、現像剤補給装置20に現像剤補給容器1が装着された状態で収容室2と排出室4cとが現像剤搬送方向(図8中の矢印X方向)に並ぶように構成されている。即ち、収容室2は、現像剤搬送方向の長さが鉛直方向の長さよりも充分に長く、現像剤搬送方向の下流側が排出室4cと接続されている。したがって、現像剤補給容器1が現像剤補給装置20に装着された状態において収容室2が排出室4cの鉛直方向上方に位置するような構成にした場合と比べて、排出口4aの上に存在する現像剤量を少なくすることができる。このため、排出口4aの近傍の現像剤が圧密され難く、後述する吸排気動作を円滑に行うことができる。
第1の実施形態では、現像剤補給容器1は、ポンプ部6により現像剤補給容器1内の容積を変化させることにより、排出口4aから現像剤を排出させる構成となっている。そのため、現像剤補給容器1の材質としては、容積の変化に対して大きく潰れてしまったり、大きく膨らんでしまったりしない程度の剛性を有することが好ましい。また、第1の実施形態では、現像剤補給容器1は、現像剤補給容器1の外部とは実質的に排出口4aを通じてのみ連通しており、排出口4aを除き現像剤補給容器1の外部から密閉されている。即ち、第1の実施形態では、ポンプ部6により現像剤補給容器1の容積を減少、増加させて排出口4aから現像剤を排出するので、現像剤補給容器1には安定した排出性能が保たれる程度の気密性が求められる。
そこで、第1の実施形態では、収容室2を構成する円筒部2bの材質をPET樹脂とし、排出室4cの材質をポリスチレン樹脂とし、ポンプ部6の材質をポリプロピレン樹脂としている。尚、円筒部2b及び排出室4cの材質としては、容積変化に耐えうる素材であれば、例えば、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体)、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの他の樹脂を使用することも可能である。また、円筒部2b及び排出室4cは、金属製であっても構わない。また、ポンプ部6の材質としては、伸縮機能を発揮し容積変化によって現像剤補給容器1の容積を変化させることができる材料であれば良い。例えば、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体)、ポリスチレン、ポリエステル、ポリエチレンなどを肉薄で形成したものでも構わない。また、ポンプ部6の材質としては、ゴムやその他の伸縮性材料などを使用することも可能である。また、ポンプ部6、円筒部2b、排出室4cは、それぞれが前述した機能を満たすのであれば、樹脂材料の厚みを調整するなどしてそれぞれを同じ材質で、例えば、射出成形法やブロー成形法などを用いて一体的に成形しても構わない。
<フランジ部>
図8に示すように、フランジ部4には、収容室2(円筒部2b)から搬送されてきた現像剤を一時的に収容するための中空の排出室4cが設けられている。排出室4cの底部には、現像剤補給容器1の外部への現像剤の排出を許容するための排出口4aが形成されている。即ち、排出口4aは、排出室4cから現像剤補給装置20のホッパー20bへ現像剤を補給するための開口部である。排出口4aの上部には、排出口4aから排出する前の現像剤を一定量貯留することが可能な現像剤貯留部4dが設けられている。
また、フランジ部4には、排出口4aを有するシャッタ4bが設けられている。シャッタ4bは、現像剤補給容器1の装着部20aへの装着動作に伴い、装着部20aに設けられた突き当て部31(図3(a)参照)と突き当たる。したがって、シャッタ4bは、現像剤補給容器1の装着部20aへの装着動作に伴って、収容室2の回転軸線方向に沿って図8中の矢印X方向(現像剤搬送方向)とは逆方向へ現像剤補給容器1に対して相対的にスライド移動する。尚、この一連の装着動作が終了したとき、シャッタ4bに設けられた排出口4aは、現像剤貯留部4dの下部に移動されている。そして、この時点で、排出口4aは、図3(b)に示す装着部20aの現像剤受入れ口23と位置が合致している。そのため、排出口4aと現像剤受入れ口23とが互いに連通した状態となり、現像剤補給容器1から現像剤補給装置20のホッパー20bへの現像剤の補給が可能な状態となる。シャッタ4bと現像剤貯留部4dとの間には、開口シール7aが設けられている。
また、フランジ部4は、現像剤補給容器1が現像剤補給装置20の装着部20aに装着されると、実質的に不動となるように構成されている。具体的には、現像剤補給装置20には、フランジ部4が自ら収容室2の回転方向へ回転することがないように、図3(a)に示す回転方向規制部21が設けられている。したがって、現像剤補給容器1が現像剤補給装置20に装着された状態では、フランジ部4に設けられている排出室4cも、収容室2の回転方向へ回転することが実質的に阻止された状態となる(ただし、ガタ程度の移動は許容するものとする)。一方、収容室2は、現像剤補給装置20により回転方向への規制は受けることなく、後述する現像剤補給工程において回転する。
また、図8に示すように、フランジ部4には、収容室2から後述する螺旋状の凸部(搬送突起)2aにより搬送されてきた現像剤を排出室4cへと搬送するための、板状の搬送部材8が設けられている。搬送部材8は、収容室2の一部の領域を略2分割するように設けられており、収容室2と共に一体的に回転する。そして、搬送部材8の両面には、収容室2の回転軸線方向に関して排出室4c側に傾斜した複数の傾斜リブ8aが設けられている。この構成により、搬送突起2aにより搬送されてきた現像剤は、収容室2の回転に連動して、この板状の搬送部材8により鉛直方向下方から鉛直方向上方へと掻き上げられる。その後、現像剤は、収容室2の回転が進むに連れて重力によって搬送部材8の表面上を滑り落ち、やがて、傾斜リブ8aによって排出室4c側へと受け渡される。第1の実施形態では、収容室2が半回転するごとに現像剤が排出室4cへと送り込まれるように、傾斜リブ8aが搬送部材8の両面に設けられている。
<収容室(円筒部)>
図7(a)、図8に示すように、収容室2(円筒部2b)には、収容室2に収容された現像剤を収容室2の回転に伴って排出室4c(排出口4a)に向けて搬送するための、螺旋状に突出した搬送突起2aが設けられている。第1の実施形態では、収容室2は、前述した材質の樹脂を用いてブロー成型法により形成されている。
尚、現像剤補給容器1の容積を大きくして現像剤の充填量を増やそうとした場合、現像剤収容空間としての排出室4cの容積を高さ方向に大きくする方法が考えられる。しかしながら、このような構成を採った場合、現像剤の自重により排出口4aの近傍の現像剤への重力作用がより増大してしまう。その結果、排出口4aの近傍の現像剤が圧密されやすくなり、排出口4aを介した吸気/排気の妨げとなる。そこで、排出口4aからの吸気で圧密された現像剤を解す(流動化させる)、又は排気で現像剤を排出させるためには、ポンプ部6の容積を変化させる量を更に大きくしなければならない。そのような場合、ポンプ部6を駆動させるための駆動力も増加し、装置本体101への負荷が過大になる虞がある。
これに対して、第1の実施形態では、収容室2を排出室4cに対し水平方向に並べて設置して、収容室2の容積により充填量を調整している。このため、現像剤補給容器1内における排出口4a上の現像剤層の厚さを薄く設定することができる。これにより、重力作用により現像剤が圧密されにくくなるため、装置本体101への負荷が過大になることを抑制することができ、現像剤を安定的に排出することができる。
<ポンプ部>
第1の実施形態では、ポンプ部6は、排出口4aを介して吸気動作と排気動作とを交互に行わせる吸排気機構として機能する。言い換えると、ポンプ部6は、排出口4aを通して現像剤補給容器1の内部に向かう気流と現像剤補給容器1から外部に向かう気流とを交互に繰り返し発生させる気流発生機構として機能する。
図8に示すように、ポンプ部6は、排出室4cの矢印X方向(現像剤搬送方向)に関して下流側に設けられている。そして、ポンプ部6は、排出室4cに固定されているため非回転である。また、ポンプ部6は、ポンプ部6の内部に現像剤を収容可能な現像剤収容空間を有している。ポンプ部6内の現像剤収容空間は、後述する吸気動作時における現像剤の流動化に大きな役割を担っている。
第1の実施形態では、ポンプ部6は、往復動に伴って、ポンプ部6の容積が可変な樹脂製の容積可変型ポンプ部(蛇腹状ポンプ)で構成されている。具体的には、ポンプ部6は、蛇腹状のポンプであり、山折り部と谷折り部とが周期的に交互に複数形成されている。したがって、ポンプ部6は、後述するように現像剤補給装置20から受けた駆動力により、圧縮、伸張を交互に繰り返し行うことができる。このようにポンプ部6により現像剤補給容器1の容積を所定の周期で交互に繰り返し変化させることができるので、小径(直径が約2.5[mm])の排出口4aから排出室4c内にある現像剤を効率良く排出させることができる。
<駆動受け機構>
現像剤補給容器1には、現像剤補給装置20の駆動機構(駆動部)として機能する駆動ギア300と係合(駆動連結)可能な、駆動受け機構(駆動入力部、駆動力受け部)として機能するギア部3aが設けられている。ギア部3aは、収容室2と一体的に回転可能なように収容室2に固定された駆動受け部材3に設けられている。したがって、駆動ギア300からギア部3aに入力された回転駆動力により、ギア部3aと収容室2とが一体的に回転することで、収容室2内に収容された現像剤を排出室4cに搬送することができる。
第1の実施形態では、ギア部3aは、図8中の矢印X方向(現像剤搬送方向)に関して収容室2の略中央より下流側に設けられている。しかし、これに限定されるものではなく、例えば、図8中の矢印X方向(現像剤搬送方向)に関して収容室2の略中央より上流側の端部に設けられていても構わない。この場合、対応する位置に駆動ギア300が設置されることになる。また、第1の実施形態では、現像剤補給容器1の駆動入力部と現像剤補給装置20の駆動部との間の駆動連結機構としてギア機構を用いているが、これに限定されるものではなく、例えば、任意のカップリング機構を用いるようにしても構わない。具体的には、現像剤補給容器1の駆動入力部として非円形状の凹部を設け、現像剤補給装置20の駆動部としてその凹部と対応した形状の凸部を設け、これらが互いに駆動連結する構成とすることができる。もしくは、現像剤補給容器1の駆動入力部として非円形状の凸部を設け、現像剤補給装置20の駆動部としてその凸部と対応した形状の凹部を設け、これらが互いに駆動連結する構成とすることができる。
<駆動変換機構>
続いて、現像剤補給容器1の駆動変換機構(駆動変換部)について図9を用いて説明する。図9(a)は、ポンプ部6が最大限に伸張された状態における部分側面図である。また、図9(b)は、ポンプ部6が最大限に収縮された状態における部分側面図である。
現像剤補給容器1には、ギア部3aが受けた収容室2を回転させるための回転駆動力を、ポンプ部6を往復動させる方向の力へ変換する駆動変換機構として機能する、後述するカム溝3aと往復部材突起5aとで構成されるカム機構が設けられている。即ち、第1の実施形態では、ギア部3aが受けた回転駆動力を、現像剤補給容器1側で往復動力へ変換することで、収容室2を回転させる駆動力とポンプ部6を往復動させる駆動力とを、1つの駆動入力部(ギア部3a)で受ける構成としている。これにより、現像剤補給容器1に駆動入力部を別々に2つ設ける場合と比べて、現像剤補給容器1の駆動入力機構の構成を簡易化することができる。また、現像剤補給装置20の1つの駆動部(駆動ギア300)から駆動を受ける構成としているため、駆動部を別々に2つ設ける場合と比べて、現像剤補給装置20の駆動機構の構成を簡易化することができる。
図9に示すように、第1の実施形態では、現像剤補給容器1は、回転駆動力をポンプ部6の往復動力に変換するための部材としての往復部材5を有する。具体的には、現像剤補給容器1は、ギア部3aと一体となって回転する駆動受け部材3の全周に亘って設けられたカム溝3bを有する。カム溝3bについては図10で後述する。
また、現像剤補給容器1は、非回転かつ図8(図9)中の矢印X方向(現像剤搬送方向)に沿ってスライド移動することが可能な往復部材5を有する。往復部材5の腕部5bから一部が突出して形成された往復部材突起5aが、カム溝3bと係合している。そのため、収容室2が回転すると、カム溝3bに沿って図8(図9)中の矢印X方向(現像剤搬送方向)又はその逆方向へ往復部材突起5aが往復動する。そして、この往復動は、ポンプ部6の係合部6aと往復部材5に設けられた係合部5cとが係合しているため、ポンプ部6の往復動力となる。尚、往復部材5は、収容室2の回転方向へ自らが回転することがないように規制されている(ただし、ガタ程度の移動は許容するものとする)。
即ち、駆動ギア300から入力された回転駆動力でカム溝3bが回転することで、カム溝3bに沿って往復部材突起5aが図8(図9)中の矢印X方向(現像剤搬送方向)又はその逆方向に往復動作をする。そのため、ポンプ部6は往復部材5と一体となって、ポンプ部6が伸張した状態(図9(a))と、ポンプ部6が収縮した状態(図9(b))と、を交互に繰り返し、現像剤補給容器1の容積を変化させることができる。
尚、往復部材突起5aは、現像剤補給容器1に少なくとも1つ設けられていればよい。ただし、ポンプ部6の伸縮時の抗力により駆動変換機構などにモーメントが発生し、スムーズな往復動が行われない虞がある。このため、図9に後述するカム溝3bの形状との関係が満たさなくなることがないように、往復部材突起5aは、現像剤補給容器1に複数設けることが好ましい。第1の実施形態では、2つの往復部材突起5aが現像剤補給容器1の回転方向に約180°隔てて対向するように配置されており、2つの往復部材突起5aがカム溝3bと係合している。
図9に示すように、第1の実施形態では、駆動変換機構(往復部材突起5aとカム溝3bにより構成されるカム機構)を、収容室2の外部に設けている。即ち、駆動変換機構が、現像剤収容空間として機能する収容室2、排出室4c、ポンプ部6の内部に収容された現像剤と接触することがないように、駆動変換機構を、収容室2、排出室4c、ポンプ部6の内部空間から隔てられた位置に設けている。これにより、駆動変換機構を現像剤収容空間に設けた場合に想定される以下の問題を解消することができる。即ち、駆動変換機構の摺擦箇所への現像剤の侵入により、現像剤の粒子に熱と圧が加わって軟化していくつかの粒子同士がくっついて大きな塊(粗粒)となることを抑制することができる。また、駆動変換機構への現像剤の噛み込みによりトルクが上昇することを抑制することができる。
<現像剤補給工程>
続いて、現像剤補給容器1から現像剤補給装置20へ現像剤を補給する工程(現像剤補給工程)について説明する。
まず、カム溝3bの設定条件について図10を用いて説明する。図10は、図9に示す駆動受け部材3のカム溝3bの展開図を示したものである。図10中の矢印A方向は、収容室2の回転方向(カム溝3bの移動方向)を示している。また、図10中の矢印B方向は、ポンプ部6の伸張方向を示している。また、図10中の矢印C方向は、ポンプ部6の圧縮方向を示している。カム溝3bは、ポンプ部6を伸張させる際に使用する吸気カム溝3cと、ポンプ部6を圧縮させる際に使用される排気カム溝3dと、ポンプ部6を往復動作させない際に使用される停止カム溝3eと、が連続して形成された構成となっている。
続いて、ポンプ部6による現像剤補給工程の詳細について図9及び図10を用いて説明する。第1の実施形態では、ポンプ部6の動作による吸気工程(排出口4aを介した吸気動作)及び排気工程(排出口4aを介した排気動作)と、ポンプ部6が非動作の動作停止工程(排出口4aを介した吸排気が行われない)と、が行われる。このとき、駆動変換機構が回転駆動力を往復動力へ変換する構成となっている。往復部材突起5aが吸気カム溝3c、排気カム溝3d、停止カム溝3eにそれぞれ係合している状態における現像剤補給の各工程(吸気工程、排気工程、動作停止工程)について以降説明する。
まず、吸気工程(排出口4aを介した吸気動作)について説明する。
駆動変換機構(カム機構)により、ポンプ部6が最も縮んだ状態(図9(b))からポンプ部6が最も伸びた状態(図9(a))になることで、吸気動作が行われる。この吸気動作に伴い、現像剤収容空間として機能する現像剤補給容器1の内部(収容室2、排出室4c、ポンプ部6)の容積が増大する。その際、現像剤補給容器1の内部は排出口4aを除き実質的に密閉された状態となっている。また、その際、排出口4aが現像剤で実質的に塞がれた状態となっている。
そのため、現像剤補給容器1の現像剤を収容し得る部位の容積が増加することに伴って、現像剤補給容器1の内圧が減少する。このとき、現像剤補給容器1の内圧は大気圧(外気圧)よりも低くなる。そのため、現像剤補給容器1の外部の空気が、現像剤補給容器1の内部と外部との圧力差により、排出口4aを通って現像剤補給容器1の内部へと移動する。その際、排出口4aを通して現像剤補給容器1の外部から空気が取り込まれるため、排出口4aの近傍に位置する現像剤を解す(流動化させる)ことができる。
具体的には、排出口4aの近傍に位置する現像剤に空気を含ませることで嵩密度を低下させ、現像剤を適切に流動化させることができる。また、この際、空気が排出口4aを介して現像剤補給容器1内に取り込まれるため、現像剤補給容器1の容積が増加しているにもかかわらず、現像剤補給容器1の内圧は大気圧(外気圧)の近傍を推移することになる。このように、現像剤を流動化させておくことにより、後述する排気動作時に、現像剤が排出口4aに詰まってしまうことなく、排出口4aから現像剤をスムーズに排出させることができる。したがって、排出口4aから排出される単位時間あたりの現像剤量を、長期に亘って略一定とすることができる。
尚、吸気動作は、ポンプ部6が最も縮んだ状態から最も伸びた状態になることで行われることに限定されるものではない。例えば、ポンプ部6が最も縮んだ状態から最も伸びた状態になる途中で停止したとしても、現像剤補給容器1の内圧変化が行われれば吸気動作は行われる。即ち、吸気工程とは、往復部材突起5aが図10に示す吸気カム溝3cに係合している状態のことである。
続いて、排気工程(排出口4aを介した排気動作)について説明する。
駆動変換機構(カム機構)により、ポンプ部6が最も伸びた状態(図9(a))からポンプ部6が最も縮んだ状態(図9(b))になることで、排気動作が行われる。この排気動作に伴い、現像剤収容空間として機能する現像剤補給容器1の内部(収容室2、排出室4c、ポンプ部6)の容積が減少する。その際、現像剤補給容器1の内部は排出口4aを除き実質的に密閉されており、現像剤が排出されるまでは、排出口4aが現像剤で実質的に塞がれた状態となっている。したがって、現像剤補給容器1の内部の容積が減少していくことで現像剤補給容器1の内圧が上昇する。このとき、現像剤補給容器1の内圧は大気圧(外気圧)よりも高くなるため、現像剤は現像剤補給容器1の内部と外部との圧力差により、排出口4aから押し出される。即ち、現像剤補給容器1から現像剤補給装置20へ現像剤が排出される。現像剤とともに現像剤補給容器1の内部の空気も排出されていくため、現像剤補給容器1の内圧は低下する。
このように第1の実施形態では、1つの往復動式のポンプ部6を用いて現像剤の排出を効率良く行うことができるので、現像剤の排出に要する機構を簡易化することができる。尚、排気動作は、ポンプ部6が最も伸びた状態から最も縮んだ状態になることで行われることに限定されるものではない。例えば、ポンプ部6が最も伸びた状態から最も縮んだ状態になる途中で停止したとしても、現像剤補給容器1の内圧変化が行われれば排気動作は行われる。即ち、排気工程とは、往復部材突起5aが図10に示す排気カム溝3dに係合している状態のことである。
続いて、ポンプ部6が往復動作しない動作停止工程について説明する。
現像剤補給装置20は、現像装置が必要とする量の現像剤を現像剤補給容器1から現像装置に補給する必要がある。このとき、現像剤補給容器1から排出される現像剤量を安定させるために、毎回決まった容積変化量とすることが望ましい。とりわけ、例えば、図6で前述したようにホッパー20bを省いた構成を採用した場合には、現像剤補給容器1から排出される現像剤量が、現像装置内の現像剤中のトナー濃度に直接影響を与える。このため、現像剤補給容器1から排出される現像剤量を安定させるために、毎回決まった容積変化量とすることは特に重要となる。
例えば、排気工程及び吸気工程のみで構成されたカム溝3bにすると、排気工程又は吸気工程の途中で駆動モータ500の駆動を停止させることになる。その際、駆動モータ500の回転が停止した後も、収容室2が惰性で回転し、収容室2が停止するまでポンプ部6も連動して往復動作し続け、排気工程又は吸気工程が行われることが考えられる。収容室2が惰性で回転する距離は、収容室2の回転速度に依存する。また、収容室2の回転速度は、駆動モータ500に与えられるトルクに依存する。そして、現像剤補給容器1内の現像剤量によってモータに与えられるトルクは変化する。そのため、収容室2の速度も変化する可能性があり、ポンプ部6の停止位置を毎回同じにすることが難しくなる。
そこで、ポンプ部6を毎回決まった位置で停止させるためには、カム溝3bに、収容室2が回転動作中でもポンプ部6が往復動しない領域を設けることが好ましい。第1の実施形態では、ポンプ部6を往復動させないために、図10に示す停止カム溝3eを設けている。停止カム溝3eは、収容室2の回転方向に沿って形成されており、収容室2が回転しても往復部材5が動かないストレート形状である。即ち、動作停止工程とは、往復部材突起5aが停止カム溝3eに係合している状態のことである。
尚、第1の実施形態では、ポンプ部6が往復動しない期間を設けたが、この期間は排出口4aから現像剤が排出されない(ただし、収容室2の回転時の振動などで排出口4aから落ちてしまう現像剤は許容する)期間であればよい。したがって、停止カム溝3eは、排出口4aを通じた排気工程、吸気工程が行われなければ、収容室2の回転方向に対して収容室2の回転軸線方向に傾斜していても構わない。この場合、カム溝3eが傾斜していることから、ポンプ部6の傾斜分の往復動作は許容することができる。
<フランジシール>
続いて、第1の実施形態における、フランジシール(シール部材)、及び、フランジシールを押圧するための押圧部について図11を用いて説明する。図11(a)は、現像剤補給容器1の収容室2及びフランジ部4の部分断面図である。また、図11(b)は、収容室2の径方向からフランジシール7bを見たときの、図11(a)中の部分B(フランジシール7bの周辺)の断面図(拡大図)である。
第1の実施形態では、現像剤補給装置20に対して非回転である排出室4cと、排出室4cに対し相対回転可能に保持された収容室2と、の間に形成された空間をシールするための弾性部材としてのフランジシール7bが、排出室4cに固定して設けられている。
また、第1の実施形態では、フランジシール7bはリング状に形成されており、図11(b)に示すように、収容室2の径方向から見たときのフランジシール7bの形状は略長方形である。尚、収容室2の径方向から見たときのフランジシール7bの形状が略長方形であるとは、少なくともフランジシール7bの表面粗さに相当するレベルの凹凸成分を除くフランジシール7bのマクロな輪郭形状が長方形であることを言う。
排出室4cの端部には、フランジシール7bを貼り付けるためのシール設置面4eが設けられている。また、シール設置面4eは、排出室4cの開口をリング状に取り囲んで配置されている。シール設置面4eには、フランジシール7bが粘着剤(両面テープ)7cにより固定されている。
また、収容室2には、排出室4cに固定して設けられたフランジシール7bを押圧するための押圧部2cが設けられている。また、押圧部2cは、収容室2の開口をリング状に取り囲んで配置されている。そして、フランジシール7bが押圧部2cの押圧面2eで押圧されることにより、排出室4cと収容室2との間に形成された空間がフランジシール7bによってシールされる。このように、押圧部2cがフランジシール7bを押圧してフランジシール7bが圧縮された状態で、収容室2は、フランジ部4に対して相対回転可能に保持されている。
図11(b)に示すように、押圧部2cの幅L1(収容室2の径方向における押圧部2cの長さ)は、フランジシール7bの幅L2(収容室2の径方向におけるフランジシール7bの長さ)よりも長くなっている。即ち、L1>L2を満たすことにより、フランジシール7bの第一角部7f及び第二角部7gのそれぞれが、押圧部2cの押圧面2e(第一当接面2f、第二当接面2g)で押圧される。尚、第二角部7gは、収容室2の径方向に関してフランジシール7bの第一角部7fに隣接し、第二当接面2gは、第一当接面2fと交差する。
フランジシール7bの少なくとも第一角部7f及び第二角部7gには、低摩擦性の摺動層7eが形成されている。摺動層7eの材質は例えばフッ素樹脂であり、摺動層7eの厚みは0.01[mm]程度である。押圧部2cが、摺動層7eと摺動するようにすることで、駆動モータ500が収容室2を回転させる際の負荷トルクを低減させることができる。
押圧部2cの押圧面2eは、図11(b)中の幅方向(収容室2の径方向)に関して押圧部2cの中間部で凹んだ形状になっている。一方、図11(b)中の幅方向(収容室2の径方向)に関して押圧部2cの中間部に対向する部分のフランジシール7bの形状(即ち、図11(b)中の幅方向に関してフランジシール7bの中間部の形状)は、凸んだ形状ではなく平らな形状になっている。
前述したように、第1の実施形態では、収容室2の径方向から見たときのフランジシール7bの形状は略長方形である。このため、第1の実施形態では、押圧部2cの押圧面2eがフランジシール7bを押し潰す量は、図11(b)中の幅方向(収容室2の径方向)の両端部よりも中間部の方が小さくなっている。また、図11(b)中の幅方向(収容室2の径方向)における押圧部2cの中間部では、押圧部2cの押圧面2eがフランジシール7bから離間していて隙間が生じている。一方、図11(b)中の幅方向(収容室2の径方向)における押圧部2cの両端部では、押圧部2cの押圧面2eがフランジシール7bの第一角部7f及び第二角部7gと当接していて隙間が生じていない。
このように、図11(b)中の幅方向(収容室2の径方向)における押圧部2cの両端部の2箇所でフランジシール7bと密着させた状態で接触させることにより気密性を確保している。そして、図11(b)中の幅方向(収容室2の径方向)における押圧部2cの両端部の2箇所で気密性を確保しつつ、図11(b)中の幅方向(収容室2の径方向)における押圧部2cの中間部では隙間を生じさせる。このようにして、駆動モータ500が収容室2を回転させる際の負荷トルクを低減させることができる。
尚、現像剤補給容器1の物流時の衝撃等により、排出室4cのシール設置面4eに固定されたリング状のフランジシール7bの中心軸と、収容室2の開口をリング状に取り囲んで配置された押圧部2の中心軸との間で、不規則な芯ずれが生じることがある。また、前述したとおり、排出室4cは非回転体であり、収容室2は回転体である。このため、排出室4cと収容室2との勘合部には、隙間(ガタ)が必要となる。そして、排出室4cと収容室2との勘合部における隙間(ガタ)が芯ずれを発生させることになる。芯ずれが発生している状態で現像剤補給容器1が現像剤の補給動作を開始した場合、非回転体であるフランジシール7bの中心軸と、回転体である押圧部2の中心軸がずれている。このことに起因して、押圧部2cとフランジシール7bの間で、図11(b)の幅方向(収容室2の径方向)における相対的な位置が、収容室2の回転によって周期的に変動してしまうことになる。
仮に、図11(b)の幅方向(収容室2の径方向)におけるフランジシール7bの中央部が押圧部2cによって押圧される場合において、シール設置面4eと押圧部2cの幅方向(収容室2の径方向)の相対位置がずれていたとする。このような場合、フランジシール7bの摺動層7eは押圧部2cに追従するものの、フランジシール7bの粘着剤7cはシール設置面4eに追従するので、フランジシール7bにせん断力が生じてしまうことになる。そして、収容室2が回転するたびに、芯ずれがフランジシール7bの摺動層7eを図11(b)の幅方向(収容室2の径方向)に移動させ、フランジシール7bにせん断力を発生させることになる。このことが繰り返されることにより、シール設置面4eからフランジシール7bが剥がれる要因となる。そして、シール設置面4eからフランジシール7bが剥がれた場合には、排出室4cと収容室2との間に形成された空間から現像剤が漏れる虞がある。
そこで、第1の実施形態では、押圧部2cによって、フランジシール7bの第一角部7f及び第二角部7gを押圧するようにしている。ここで、押圧部2cの押圧面2eのうちの、フランジシール7bの第一角部7fが当接する第一当接面2f、に対するフランジシール7bの潰し量を第1の潰し量(X1)とする。また、押圧部2cの押圧面2eのうちの、フランジシール7bの第二角部7gが当接する第二当接面2g、に対するフランジシール7bの潰し量を第2の潰し量(X2)とする。
第1の実施形態では、仮に、シール設置面4eと押圧部2の幅方向(収容室2の径方向)の相対位置がずれたとしても、第1の潰し量(X1)と第2の潰し量(X2)に差が生じることになる。これにより、第1の実施形態では、仮に、シール設置面4eと押圧部2の幅方向(収容室2の径方向)の相対位置がずれたとしても、シール設置面4eと押圧部2の幅方向の相対位置のずれを吸収することができる。このため、フランジシール7bの摺動層7eも押圧部2cに追従しないので、フランジシール7bに発生するせん断力を小さくできる。また、芯ずれした状態で収容室2が回転したとしても、フランジシール7bに発生するせん断力が小さく抑えられる。
このように、芯ずれした状態で収容室2が回転したとしても、フランジシール7bに発生するせん断力が小さく抑えられる第1の実施形態では、シール設置面4eからフランジシール7bが剥がれることを抑制することができる。また、シール設置面4eからフランジシール7bが剥がれることを抑制することができるので、フランジシール7bの粘着剤7cの粘着強度を必要以上に上げる必要がなく、粘着剤7cの材料の選択の幅が広がるので、製造時にかかるコストを抑えることができる。この様な第1の実施形態によれば、芯ずれが発生した状態で収容室2が回転したとしても、収容室2を回転させる際の負荷トルクを抑制しつつ、排出室4cと収容室2との間に形成された空間をシールするフランジシール7bが剥がれることを抑制する事ができる。
図12は、フランジシール7bが押圧部2cに押圧されて変形した状態におけるフランジシール7bの断面形状を示した模式図である。フランジシール7bが押圧部2cに押圧された状態において、収容室2の径方向における押圧部2cの中間部では、押圧部2cの押圧面2eがフランジシール7bから離間して、押圧部2cとフランジシール7bとの間に隙間が発生している。
図12の例では、収容室2の径方向から押圧部2cを見たときの押圧部2cの押圧面2eを、第一当接面2fと第二当接面2gとからなるV字溝状に凹んだ形状(V字形状)としている。尚、収容室2の径方向から見たときの押圧部2cの押圧面2eの形状がV字形状であるとは、少なくとも押圧部2cの押圧面2eの表面粗さに相当するレベルの凹凸成分を除く押圧部2cの押圧面2eのマクロな輪郭形状がV字形状であることを言う。
即ち、フランジシール7bが押圧部2cの押圧面2eに押圧された状態において、フランジシール7bの第一角部7f及び第二角部7gが押圧部2cに当接する箇所が、押圧部2cの押圧面2eのうちの第一当接面2f及び第二当接面2gである。尚且つ、フランジシール7bが押圧部2cの押圧面2eに押圧された状態において、収容室2の径方向に関してフランジシール7bの中間部は、押圧部2cの押圧面2eから離間するように、第一当接面2fと第二当接面2gのなす角度θを設定する。即ち、収容室2の径方向から押圧部2cを見たときの第一当接面2fと第二当接面2gのなす角度θは、90°<θ<180°であることが好ましい。第1の実施形態では、図12に示すように、θ=120°としている。一方、第一当接面2fと第二当接面2gのなす角度θが、180°≦θ<360°である場合には、押圧面2eが凹形状とならず、また、0<θ≦90°である場合には、フランジシール7bの側面と押圧面2eとが接触してしまう。
一方、第1の実施形態では、収容室2の径方向から押圧部2cを見たときの第一当接面2fと第二当接面2gのなす角度θとして、90°<θ<180°を満たすようにしている。これにより、フランジシール7bの摺動層7eが形成されている第一角部7f及び第二角部7gにのみ、押圧部2cの押圧面2eを摺動させることができるので、駆動モータ500が収容室2を回転させる際の負荷トルクを低減させることができる。
第1の実施形態では、収容室2の径方向から押圧部2cを見たときの押圧部2cの押圧面2eを、第一当接面2fと第二当接面2gとからなるV字溝状に凹んだ形状(V字形状)とした例について説明したが、これに限られない。収容室2の径方向から押圧部2cを見たときの押圧部2cの押圧面2eを、第一当接面2fと第二当接面2gとからなるU字溝状に凹んだ形状(U字形状)とした変形例であってもよい。尚、収容室2の径方向から見たときの押圧部2cの押圧面2eの形状がU字形状であるとは、少なくとも押圧部2cの押圧面2eの表面粗さに相当するレベルの凹凸成分を除く押圧部2cの押圧面2eのマクロな輪郭形状がU字形状であることを言う。即ち、収容室2の径方向から押圧部2cを見たときの押圧部2cの形状がV字又はU字形状であっても、フランジシール7bが押圧部2cの押圧面2eに押圧された状態において、フランジシール7bの中間部が、押圧部2cの押圧面2eから離間していればよい。
(その他の実施形態)
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施形態の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。
また、上記実施形態では、図1に示したように、感光体104に記録材を直接接触させて転写を行う構成の画像形成装置100を例に説明したが、これに限られない。中間転写ベルトを中間転写体として用いる構成に本発明を適用することも可能である。現像装置201を備えた画像形成装置100であれば、モノクロ機、カラー機を問わず本発明を適用することが可能である。
1 現像剤補給容器
2 収容室
2c 押圧部
2e 押圧面
2f 第一当接面
2g 第二当接面
4c 排出室
7b フランジシール
7f 第一角部
7g 第二角部

Claims (4)

  1. 現像剤補給装置に着脱可能な現像剤補給容器であって、
    現像剤を排出する排出口を備え、前記現像剤補給装置に対して非回転である排出室と、
    前記排出室に対し相対回転可能に保持され、前記排出室に供給される現像剤を収容可能な収容室と、
    前記排出室に固定して設けられ、前記収容室の径方向から見たときの形状が略長方形である弾性部材と、
    を備え、
    前記収容室には、前記排出室と前記収容室との間に形成された空間をシールするために前記弾性部材を押圧するための押圧部が、前記弾性部材の第1角部が前記押圧部の第1面に当接し、前記収容室の径方向に関して前記弾性部材の前記第1角部に隣接する第2角部が前記押圧部の前記第1面と交差する第2面に当接し、且つ、前記収容室の径方向に関して前記弾性部材の前記第1角部と前記第2角部との間にある中間部が前記押圧部から離間するように形成されている
    ことを特徴とする現像剤補給容器。
  2. 前記収容室の径方向から前記押圧部を見たときの前記第1面と前記第2面とがなす角度をθとしたとき、90°<θ<180°を満たす
    ことを特徴とする請求項1に記載の現像剤補給容器。
  3. 前記収容室の径方向から前記押圧部を見たときの前記押圧部の形状は、V字形状である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の現像剤補給容器。
  4. 前記収容室の径方向から前記押圧部を見たときの前記押圧部の形状は、U字形状である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の現像剤補給容器。
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