JP2020060375A - クリアランス金属の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】放射性金属廃棄物の減容化を図ると共に、放射性物質が分離除去され、さらには放射線測定、保管さらには再溶融が容易なクリアランス金属を製造するクリアランス金属の製造方法を提供する。【解決手段】本発明に係るクリアランス金属の製造方法は、放射性金属廃棄物からクリアランス金属を製造する方法であって、溶融時にスラグやダストに移行しやすい放射性核種が主成分の放射性物質で汚染された放射性金属廃棄物を溶融炉に投入する放射性金属廃棄物投入工程と、必要に応じて前記溶融炉にスラグの原料となるスラグ原料を投入するスラグ原料投入工程と、投入物を溶融炉で溶融することにより、前記放射性物質を前記放射性金属廃棄物から分離してスラグ及びダストに移行させる放射性物質移行工程と、前記ダストを回収して処理するダスト処理工程と、前記溶融炉で溶融された溶融物から溶融金属を分離して、分離された溶融金属を粒状のクリアランス金属とする粒状金属生成工程を備えたことを特徴とするものである。【選択図】 図1

Description

本発明は、放射性セシウムや放射性ストロンチウムなどの溶融時にスラグやダストに移行しやすい放射性核種が主成分の放射性物質で汚染された放射性金属廃棄物から放射性物質を分離除去して、クリアランスレベル(市中の金属スクラップと同等に流通させることが可能な除染レベル)の金属(以下、「クリアランス金属」という)を製造する方法に関する。
原子力発電所等の放射能関連施設の運用を停止し、解体する際に高レベル、中レベル、低レベルの放射性廃棄物が発生し、量的には低レベルの放射性廃棄物が全体の80%以上を占めている。放射性廃棄物は遮蔽できる場所に保管することが前提となるため、量的に廃棄物の大部分を占める低レベルの放射性廃棄物を保管するための処理は、場所確保の問題と費用の問題の両面で重要である。
現状では大幅な減容化が図れる溶融や圧縮等の処理をした上で保管容器に入れて保管する方式が適用されつつある(特許文献1参照)。
ただし、特に放射性金属廃棄物に関しては、通常、金属自体が放射化しているのではなく、放射性物質が付着して汚染されているため、ブラストや薬剤洗浄等の物理・化学的な除染技術を適用し、かつ、高度に制御した溶融技術を適用すれば、ほぼ完全に金属と放射性成分の分離(クリアランス)が可能で、分離された金属は市中のスクラップ業者を経て電気炉製鉄業者で型鋼や線材の原料として使用可能(フリーリリース)である。
ブラストによってクリアランス化する点については、例えば特許文献2に開示されている。
しかし、この除染金属は、少なくとも現状の日本においては市中で流通している金属スクラップと同等の原料利用(フリーリリース)が行われていない。再利用される場合であっても、少量を専ら原子力施設の敷地内で使用する遮蔽容器やインゴット(遮蔽材)に溶融加工するといった程度の再利用形態に留まっているものと想定される。
このような状況に至っている原因は、原子力施設そのものの歴史が浅いため、施設寿命が来て廃棄する際に発生する廃棄物の量が少なかったこと、無害化された金属の市場流通の実績がないこと等がある。このため、まず、大量の放射性金属廃棄物に対して無害化を確実に達成すること、無害化された金属を原子力施設等で再利用した実績を作ることが重要と考えられる。
このためには、(i)放射性金属廃棄物から放射性物質を高度に分離除去し、金属の無害化を達成できる精密に制御された溶融プロセスを確立し、(ii)再利用が容易なクリアランス金属を製造する方法を確立することが必須である。これによって、クリアランス金属に対する住民の不安を解消し、市中のスクラップと同じ扱いを受けて市中の製鉄業者等で形鋼や線材等汎用品への再利用に利用される(フリーリリース)という望ましい姿に近づく事ができると考えられる。
特開2013−40841号公報 特開2007−248066号公報
この点、特許文献1に開示された技術は、放射線利用施設で発生する処理対象の金属解体廃棄物を高周波溶融して、鋳型によって放射線計測が可能な平板形状にインゴット形成するというものであり、金属解体廃棄物の減容化はできるものの、汚染金属廃棄物の無害化によるクリアランス金属の製造には至っていない。
また、インゴット形成後に放射線測定した結果、クリアランスレベルを満足しない場合、インゴット形成されたものを再溶融するとすれば、溶融に大きなエネルギーを要すると言う問題もある。
さらに、インゴット形成のものでは放射線測定や保管等の取り扱いが難しいという問題もある。
本発明はかかる課題を解決するものであり、放射性セシウムや放射性ストロンチウムなどの溶融時にスラグやダストに移行しやすい放射性核種が主成分の放射性物質で汚染された放射性金属廃棄物の減容化を図ると共に、放射性物質が分離除去され、さらには放射線測定、保管さらには再溶融が容易なクリアランス金属を歩留まりよく製造するクリアランス金属の製造方法を提供することを目的としている。
(1)本発明に係るクリアランス金属の製造方法は、放射性金属廃棄物からクリアランス金属を製造する方法であって、
溶融時にスラグやダストに移行しやすい放射性核種が主成分の放射性物質で汚染された放射性金属廃棄物を溶融炉に投入する放射性金属廃棄物投入工程と、
必要に応じて前記溶融炉にスラグの原料となるスラグ原料を投入するスラグ原料投入工程と、
投入物を溶融炉で溶融することにより、前記放射性物質を前記放射性金属廃棄物から分離してスラグ及びダストに移行させる放射性物質移行工程と、
前記ダストを回収して処理するダスト処理工程と、
前記溶融炉で溶融された溶融物から溶融金属を分離して、分離された溶融金属を粒状のクリアランス金属とする粒状金属生成工程を備えたことを特徴とするものである。
(2)また、上記(1)に記載のものにおいて、前記粒状金属生成工程は、粒状にした溶融金属の放射能濃度を測定する粒状金属放射能濃度測定工程と、該放射能濃度測定工程で測定値が基準値を超えた粒状金属を前記溶融炉に投入するクリアランス未達金属投入工程を備えたことを特徴とするものである。
(3)また、上記(1)又は(2)に記載のものにおいて、前記粒状金属生成工程は、分離された溶融金属を水砕又は風砕によって粒状にすることを特徴とするものである。
(4)また、上記(1)又は(2)に記載のものにおいて、前記粒状金属生成工程は、分離された溶融金属を棒状、線状又は板状に成型したものを切断又は破砕することによって粒状にすることを特徴とするものである。
(5)また、上記(1)乃至(4)のいずれかに記載のものにおいて、前記溶融炉で溶融された溶融物から溶融残渣の全部又は一部を回収する溶融残渣生成工程と、
回収された溶融残渣の再利用の可否を溶融残渣の放射能濃度に基づいて判断する再溶融可否判断工程と、
該再溶融可否判断工程で再利用できると判断したときには、回収された溶融残渣を溶融炉に投入する溶融残渣投入工程と、
前記再溶融可否判断工程で再利用できないと判断したときには、前記溶融残渣を放射性廃棄物として処分する溶融残渣処分工程を備えたことを特徴とするものである。
(6)また、上記(5)に記載のものにおいて、前記再溶融可否判断工程は、前記溶融残渣の放射能濃度を測定して測定値に基づいて判断することを特徴とするものである。
本発明によれば、歩留まりよくクリアランス金属の製造ができると共に、製造されるクリアランス金属を粒状金属としていることから、その使用形態の自由度が高い。
また、粒状金属生成工程において、溶融金属を粒状にしたものの放射能レベルを測定する放射能レベル測定工程と、該放射能レベル測定工程でクリアランスレベルを満足しない粒状金属を前記溶融炉に投入する粒状金属投入工程を備えることにより、測定対象が粒状であることで放射能レベルの測定が容易であると共に、粒状であるため溶融炉に投入して再溶融する際の取り扱いや、再溶融のエネルギーが少なくてよいという効果も奏する。
さらに、クリアランス金属の製造に伴い発生する、放射性物質で汚染された溶融残渣の減容化も実現できる。
本発明の実施の形態に係るクリアランス金属の製造方法のフローチャートである。 本発明の実施の形態に係るクリアランス金属の製造方法における放射性金属廃棄物投入工程(密閉投入)を説明する説明図である。 本発明の実施の形態に係るクリアランス金属の製造方法における放射性金属廃棄物投入工程(開放投入)を説明する説明図である。 本発明の実施の形態に係るクリアランス金属の製造方法における放射性金属廃棄物投入工程(プッシャー式の密閉投入方式)を説明する説明図である。 本発明の実施の形態に係るクリアランス金属の製造方法における放射性金属廃棄物投入工程(吊下げ式の密閉投入方式)を説明する説明図である。 本発明の実施の形態に係るクリアランス金属の製造方法における出湯開始からの時間と溶融金属の温度変化の関係を示すグラフである。 本発明の実施の形態に係るクリアランス金属の製造方法における粒状金属生成工程(レードル使用の態様)の説明図である。 本発明の実施の形態に係るクリアランス金属の製造方法における粒状金属生成工程(両側傾動形の溶融炉使用の態様)の説明図である。 本発明の実施の形態の他の態様としてスラグを回収して再利用する場合のフローチャートである。
本実施の形態に係るクリアランス金属の製造方法は、放射性金属廃棄物からクリアランス金属を製造する方法であって、図1に示すように、放射性金属廃棄物投入工程と、放射性物質移行工程と、ダスト処理工程と、粒状金属生成工程を備えたものである。
なお、図1に示した各工程は必ずしも図1に示した順番に進行するものではなく、例えば放射性物質移行工程とダスト処理工程については、各工程における処理が同時に進行する場合もある。
以下、各工程に使用している用語の意味について説明し、その後、各工程の詳細及び各工程に付随する処理について説明する。
<用語の説明>
[放射性金属廃棄物]
「放射性金属廃棄物」とは、主として金属からなる放射性廃棄物をいう。原子力発電所で発生する放射性金属廃棄物は、たとえば、施設内に設置等されていたものであって、その施設の廃止、修理、変更、事故等に伴って廃棄されたものである。使用形態としては、タンク、配管、歩廊、ダクト、支柱やポンプ、モーター等があり、これらには、放射性セシウムや放射性ストロンチウム等の放射性核種が付着している。
なお、放射性金属廃棄物に付着した放射性物質は、その種類によって溶融状態での挙動が異なる。セシウムは揮発性が高いためダストに移行し、ストロンチウムはスラグとの親和性が高いためスラグに移行するが、コバルト等はこの様な挙動を示さない。本発明は、放射性セシウムや放射性ストロンチウムなど溶融時にダストやスラグに移行しやすい放射性核種が主成分の放射性物質で汚染された放射性金属廃棄物を対象としている。
[クリアランス金属]
「クリアランス金属」とは、この放射能濃度がクリアランスレベル以下の金属をいう。ここで、クリアランスレベルとは、金属やコンクリート等がどのように再利用または廃棄物として埋め立てられたとしても人体への影響は無視できると国際原子力機関(IAEA)が認めているレベルで、たとえば放射性セシウムについては0.1Bq/g以下、放射性ストロンチウムについては1Bq/g以下である。
なお、原子力発電所の廃止措置で発生する廃棄物は、放射能濃度により以下の様に区分される。
L1:余裕深度処分低レベル放射性廃棄物
L2:浅地中ピット処分対象物低レベル放射性廃棄物
L3:浅地中トレンチ処分対象物低レベル放射性廃棄物
CL:クリアランス対象物
NR:放射性廃棄物でない廃棄物
次に本実施の形態のクリアランス金属の製造方法における各工程について詳細に説明する。
<放射性金属廃棄物投入工程>
放射性金属廃棄物投入工程は、放射性セシウムや放射性ストロンチウムなど溶融時にダストやスラグに移行しやすい放射性核種が主成分の放射性物質で汚染された放射性金属廃棄物を溶融炉に投入する工程である。
放射性金属廃棄物投入工程の前に、放射性金属廃棄物の分別、前処理を行うのが好ましい。
《分別》
廃炉処理する原子力発電施設等から発生する放射性金属廃棄物は、炭素鋼が9割以上を占めると想定されるが、炭素鋼の他にも銅やクロム等が混在している。鉄以外の成分の割合にもよるが、これらを混合した状態で溶融処理しても、クリアランス金属を製造することは可能である。また、その様なクリアランス金属でも、カウンターウエイト等として用いることができる。
しかし、不純物が多いクリアランス金属は、再利用の用途が限定されることから、炭素鋼以外の金属は除いて処理することが望ましい。炭素鋼以外は、溶融炉に投入する前に、可燃物、無機物、銅、アルミニウム合金及びステンレス鋼等に分別し、別途処理することが望ましい。
放射性金属廃棄物の分別方法について説明する。
分別方法としては、磁力選別及び手選別を組み合わせるのが好ましい。
ステンレス鋼は混合溶融しても溶融処理は可能であるが、溶融処理後の金属の再利用に際しては、クロム等の合金成分に組成制限があるため、分別によって溶融対象外とするのが好ましい。
さらに、作業の安全上及びクリアランス金属の製造効率上、線量率測定を行い高線量の金属廃棄物は除外するのが好ましい。
《前処理》
放射性金属廃棄物は、精密に制御された円滑な溶融を行うために、溶融炉に入れる前に細断し、細断したものを固縛したりバケットに入れて溶融炉に投入することが望ましい。
溶融炉処理規模及び投入方式並びに溶融方式(溶融炉構造)により炉投入の開口寸法は制約があり、これに基づき最大投入寸法が規定される。例えば、タンク類や金属くずの中の大型の物は、切断等の前処理により投入寸法までダウンサイジングする必要がある。
溶融炉に投入するサイズはある程度細かい方が溶解に有利であるが、細断に要するエネルギーやコストが細かくするほど大きくなるため、両者を考慮して現実的に適するサイズを選択する。
また、固縛物やバケットを投入する場合であっても、炉の入口やホッパー等に引っ掛かって、一部がこぼれ落ちて蓋や扉の開閉を阻害する場合があるのでこの点にも留意する必要がある。
なお、溶融施設には人が入って作業することが難しいため、投入前に実際の投入部と同じ構造の投入部を人が容易に入れる場所に作成して、投入の試行を行って円滑な投入を確認した後で実際に投入作業を行うようにするのがより好ましい。
前処理を行うために、前処理設備を設置し、前処理設備において搬入車両からの処理対象物の受入・保管、さらには放射性金属廃棄物の材質の分別及び投入寸法までのダウンサイジングを行って一時保管し、かつ、溶融炉へ投入する形態(梱包及び容器詰め等)にして溶融設備に搬出できるようにするのが好ましい。
なお、受入れから溶融炉への投入前の保管までに必要と考えられる工程としては、受入工程、選別工程及び切断工程となるが、各工程の要件は以下に示すとおりである。
〔受入工程〕
放射性金属廃棄物の受入工程では、車両搬入口の線量検知装置(ゲートモニタ等)で、対象外の高線量物を検知した上で排除し、搬出するようにすることが望ましい。
〔選別工程〕
選別工程では、放射線モニタ等を用いて、線量又は材質・形状による選別を行う。線量選別では、放射線モニタ等で高線量と評価したものを隔離して高線量物を仮置きした後で構内の保管施設へ移動する等の対策を取ることで、前処理作業員の被ばく低減及び処理物への汚染防止を実現できる。
また、材質選別ではアルミニウム合金、銅及び樹脂等の溶融不適物の混入を防止することで、安定した溶融及び金属鋳造物の品質確保が実現できる。材質選別の次に形状選別を行うのが好ましく、形状選別では複雑構造物及び単純構造物の選別並びに金属厚さによる選別等により、後工程である切断方法を選択する。
〔切断工程〕
切断工程は、処理対象物のダウンサイジングを行う工程であるが、原則として機械切断を行い、補助的に手切断を行うようにすればよい。
次に、放射性金属廃棄物が投入される溶融炉について説明する。
《溶融炉》
本発明における溶融炉で行う機能としては、(i)放射性元素と金属との分離、(ii)分離の促進(分離促進のためのスラグの添加)、(iii)用途に応じた成分調整、(iv)用途に応じた成型加工のための液状化などが挙げられる。
このような機能が求められる溶融炉としては、低周波、中周波および高周波誘導炉、プラズマ炉、アーク炉、ガス炉、キュポラ等が適用可能であり、それぞれに特長があるため、特徴を勘案して選択すればよい。
また、密閉性が高く、炉からのダストやガスの漏れ出しが少ない構造のものを適用するのが望ましい。また、溶融熱源は、容易に高温が得られ操作性が良く放射性金属廃棄物の溶融に適した電気式が望ましい。すなわち、低周波、中周波および高周波誘導炉、プラズマ炉、アーク炉である。
プラズマ炉は、雑固体や灰などの無機物の溶融が可能である。また、トーチ挿入部の密閉化が可能である。アーク炉は、プラズマ炉と同様に無機物溶融が可能であり、鉄スクラップの溶融によく用いられている。ただし、電極部が高温になるため、電極挿入部の密閉化ができない。誘導炉は加熱原理上導体に渦電流を発生させることで加熱するので、処理対象物に形状が異なる処理物や無機物が混在している場合は、溶融効率が低下(溶融時間を要する又は加熱できない)するおそれがある。
代表的な電気式溶融炉の炉形状及び特徴を以下に示す。プラズマ炉及びアーク炉は表面より加熱するため間口(炉径)が広く、浴深が浅い。また間口(炉径)が広くできるため投入物サイズを大きくできる。
誘導炉は、炉側壁に配置した加熱コイルにより間接的に溶融処理物を加熱するため間口(炉径)が狭く、浴深が深い。また、間口(炉径)が狭いため投入物サイズは小さくなる。
〔投入方式〕
溶融炉への投入方式としては、密閉投入及び開放投入があるが、それぞれの構造及び特徴を説明する。
図2は、密閉投入を説明する説明図であり、図2において、1は炉体、3は炉蓋、5は炉側壁に具備された投入供給装置を示している。炉体1と炉蓋3の間は密封されている。投入供給装置5は、放射性金属廃棄物を受け入れるホッパー7と、投入シュート8と、投入シュート8に設けられたダブルダンパ9と、プッシャー11を有している。
投入供給装置5によって行う密閉投入の特徴として、連続投入が可能でありオフガス密閉が可能である。ただし、投入物サイズが供給装置の間口サイズに制約されるため、投入サイズを大きくすることが困難である。
密閉投入が適用されるものとしては、プラズマ炉、アーク炉である。
図3は開放投入を説明する説明図である。開放投入は、図3に示すように、炉蓋3を開放して放射性金属廃棄物を投入する。
開放投入の特徴として連続投入が不可であるためバッチ(間欠)投入となり、炉蓋開放時にガスが飛散しオフガス密閉が不可であるため二重筺体(炉体1を囲い、環境集塵)が必要となる。ただし、投入物サイズは炉径以外に制約を受けないため、投入物サイズを大きくすることが容易である。
開放投入が適用されるものとしては、プラズマ炉、アーク炉、誘導炉である。
密閉投入は、炉からの発生ガス以外の吸込みがないため排ガス量は少ない。一方、開放投入は、炉からの発生ガス以外に炉蓋シール面からの吸込みがあり排ガス量が多い。また、二重筺体部の集塵空気が多く、総排ガス量は密閉投入の70倍にもなることがある。
炉への金属の投入機構に関し、密閉投入方式はプッシャー式(直接投入)又は吊下げ式(容器投入)が適用可能である。
図4は、プラズマ炉のプッシャー式の密閉投入方式の説明図である。図4において、図2と同一部分には同一の符号を付してある。図中、12はトーチであり、13は投入時以外において炉体1とプッシャー11の間を遮断する密閉式の投入ゲートである。
なお、供給口は、1炉当たり2基設置し放射性金属廃棄物を連続的に炉内へ供給することができる。図4においては、1基のみを図示している。
投入フローを図4に基づいて説明すると、まず、投入ゲート13を閉じた状態で、ホッパー7から溶融処理対象の投入物15を投入して上段のダンパ9aで受ける(図4(a))。次に、上段のダンパ9aを開いて、下段のダンパ9bに投入物15を移動し(図4(b))、上段のダンパ9aを閉じ、下段のダンパ9bを開いて投入物15をプッシャー11に投入する(図4(c))。
下段のダンパ9bを閉じ、投入ゲート13を開いてプッシャー11を作動させて投入物15を炉内に投入する(図4(d))。
供給口は炉側壁に設置することになるので、供給口の大きさが制限される。また、一般に不定形の物体をプッシャー11で押し込む場合、閉塞をなくすため、投入物15は供給口の1/3〜1/4程度(経験値)にする必要がある。
図5はプラズマ炉の吊下げ式の密閉投入方式の説明図である。図5において、図4と同一部分には同一の符号を付してある。図5において、17は吊下げシュート、19は吊下げ装置、21は移動台車、23は投入ゲート、24は投入ゲートを駆動するゲート駆動部、25は投入物15を入れた容器(ボックスパレット)であり、その他、図4と共通部分には共通の符号を付してある。
投入フローを図5に基づいて説明すると、投入ゲート23を閉じた状態で、投入物を入れた容器25を移動台車21で吊下げシュート17の近傍に移動する(図5(a))。吊下げ装置19で容器25を吊下げて吊下げシュート17の内部に移動する(図5(b))。ゲート駆動部24によって投入ゲート23を開け、吊下げ装置19で容器25を炉内に投入する。
吊下げ式の投入はバッチ投入となるが、最大投入サイズは、プッシャー式に比べて大きくできる。
以上より、投入物15の大きさの制限がないという点ではプッシャー式よりも吊下げ式が望ましい。
<スラグ原料投入工程>
スラグ原料投入工程は、溶融によってスラグとなるスラグ原料(石灰、ケイ砂等)を溶融炉に投入する工程である。
スラグ層は、溶融時に溶湯表面からの輻射による炉蓋や炉体の劣化を抑制すると共に、例えばプラズマトーチ等で非常に高い温度となる部分がある場合には、同様に輻射による劣化影響も大幅に低減する。このため、一般的な製鋼の操業においても、スラグ層を形成させている。必要なスラグ量は、誘導炉の場合だと金属の数%、プラズマ炉やアーク炉の場合だと金属の10〜15%程度である。
もっとも、放射性金属廃棄物中には通常2〜3%程度のスラグ成分が含まれているので、溶融炉に投入が必要なスラグ原料の量は、その分が差し引かれる。さらに、溶融時に放射性金属廃棄物の鉄(Fe)の一部も、酸化してスラグに移行する。
したがって、必要なスラグ量が少ない誘導炉の場合は、あえてスラグ原料を投入しなくても処理可能な場合もある。ただし、放射性金属廃棄物の放射能濃度が高い場合など、スラグとメタルの分離をより精密に行うことが必要なときは、スラグ原料を投入することが望ましい。
一方、プラズマ炉やアーク炉の場合は、炉体維持や溶融エネルギー効率維持のためにある程度の量のスラグが必要である。スラグ原料を多く投入すればメタルの放射能濃度の低下が促進されるが、生成スラグ量が多くなり、操業が大変になり、操業に必要なエネルギーも多くなるので、適切な量を投入することが好ましい。
なお、後述する再溶融可否判断工程で再溶融できると判断された溶融残渣を、溶融炉に投入して再溶融する場合は、その溶融残渣がスラグ原料と同様の役割を果たすので、その分、スラグ原料の投入量を少なくしたり、不要にしたりすることができる。
以上のように、放射性物質の移行バランス、炉体の劣化防止、熱の効果的な利用を図るために、少なくとも溶融残渣が溶融炉に投入されて、再溶融されない場合、放射性物質移行工程においては、必要に応じてスラグ原料(石灰、ケイ砂)を添加してスラグとダストの移行バランスを調整することが望ましく、この理由から本実施の形態ではスラグ原料投入工程を備えている。
<放射性物質移行工程>
放射性物質移行工程は、投入物15を溶融炉で溶融することにより、放射性物質を放射性金属廃棄物から分離してスラグ及びダストに移行させる工程である。
放射性金属廃棄物に付着した放射性物質(主としてストロンチウムとセシウム)は、放射性金属廃棄物を溶融することで、金属から分離してスラグ及びダストに移行させることができる。
ストロンチウム(Sr)は、その殆ど(97%以上)がスラグに移行し、残部がダストに移行する。また、セシウム(Cs)については、溶融工程で揮発して一部(10〜70%程度)がダストに、残りがスラグに移行する。
また、カリウムに性質が似ているセシウムは、スラグの塩基度(CaO/SiO)を小さくするとスラグに捕捉される割合が大きくなることが知られている。
ストロンチウム及びセシウムは、スラグに移行するため、この場合、スラグ量が少ないとたとえばスラグ中のストロンチウム濃度が相対的に高くなり、スラグと金属の分離時に金属に巻込まれるストロンチウム量が増加する可能性がある。
さらに、セシウムについては、放射性物質移行工程で揮発してスラグと飛灰に分離されるが、他の揮発成分やダストとして随伴する成分が少ないと、集塵機での放射能濃度が高くなり、メンテナンス等で人力作業が制限されて不都合が生じる場合がある。
以上のように、放射性物質移行工程においては、スラグの量や塩基度などを適切に調整し、放射性物質の放射性金属廃棄物からスラグ及びダストへの移行を促進させることが望ましい。
なお、放射性物質をスラグに移行させると、スラグと溶融金属は、密度がそれぞれ、2.7t/m、7t/mと大きく異なるため、溶融炉内で密度差により二層に分離している。
溶融炉での溶融においては、エネルギー効率を向上させるため、溶融温度を下げることが効果的である。
製鉄工程では銑鉄と鋼鉄があるが、これらの違いは主に炭素濃度にあり、炭素濃度が3%の銑鉄の溶融温度は1300℃程度であるのに対し、炭素濃度が0.5%の鋼鉄は約1490℃とその差は非常に大きい。一方、粘性は溶融鉄温度の上昇と共に低下し、炭素濃度の増加と共に低下する傾向にある。
したがって、後述する粒状金属生成工程において金属とスラグをレードルやタンディッシュ装置で静置して分離する場合、溶融金属とスラグの分離をよくするためには、溶融温度を溶融金属の融点よりも十分に大きくするか、炭素濃度を増加させて(最大4.5%まで)、溶融金属の粘性と溶融温度を下げることが有効である。なお、分離後に金属を成型・加工するため、外部からエネルギーを加えて再加熱したり保温したりすることは避けることが望ましい。
一般的にレードル等に移す時点で、溶融金属の温度は30℃〜70℃程度低下する。さらに、レードル等で静置分離する時間は4分程度必要であり、その間の温度降下や鋳造工程での温度降下を考慮すると、溶融炉内の溶融温度は融点よりも100℃以上高くすることが望ましい。それにより、分離促進に有効に作用し、融点近傍で加温や保温をするより、高度な分離が可能となる。
レードルを用いた場合について溶融金属の温度降下を検討した結果を図6に示す。図6において、26は溶融炉、27はレードル、29は鋳型、31は溶融金属、33はスラグを示している。
スラグ33の分離可能時間は、出湯から鋳込み終了までの時間から、出湯時間、移送時間及び鋳造時間を差し引いた値となる。いずれの場合も、スラグ分離時間を4分以上確保することが可能であり、スラグ33と溶融金属31を分離することが可能であることが分かる。
加炭は、放射性金属廃棄物を溶融炉に投入する際に、コークスや炭などの炭材を必要分一緒に投入し、同時に溶融することによって比較的容易に達成され、攪拌効果の高い溶融方式の場合に加炭効率は高くなる。なお、キュポラ等の炭材を溶融熱源とする溶融方式については自然に加炭されることになる。加炭してスラグを分離し溶融金属を得た場合、最終的な用途に応じて成分調整が必要となる場合がある。鋼鉄で使用する場合には、脱炭する必要があるが、空気や酸素吹き込みで炭素を燃焼させることにより脱炭と温度低下の防止を両立させることができる。なお、分離後の溶融金属の脱炭工程については、基本的にクリアランスを満足しているか、あるいはほぼ満足しているものを対象とするため、密閉条件で行えば汚染の可能性は非常に小さい。
<ダスト処理工程>
ダスト処理工程は、放射性物質移行工程における溶融炉から発生するダストを回収して処理する工程である。
放射性物質移行工程では、上述したように放射性物質のうち、特にセシウムはダストに移行する割合が多い。
溶融炉から発生するダストを集塵機で捕捉して、ダストを放射性廃棄物として処理する。
<粒状金属生成工程>
粒状金属生成工程は、溶融炉で溶融された溶融物から金属を分離して、分離された溶融金属を粒状のクリアランス金属とする工程である。
粒状金属生成工程は、大きく分けて溶融物から金属を分離する分離工程と、分離された溶融金属を粒状にする粒状化工程の2つの工程があるので、以下工程ごとに説明する。
《分離工程》
分離工程の具体的な態様としては、レードルやタンディッシュ装置を用いる態様が挙げられる。
レードルを用いる態様の具体的な方法を図7に示す。図7においては、図6と同一部分には同一の符号を付してある。なお、レードルの代わりにタンディッシュ装置を用いても、同様の方法となる。
レードルを用いる態様の場合、図7に示すように、溶融炉26で溶融された溶融物(溶融金属31及びスラグ33)をレードル27に移し替える移し替え工程と、レードル27を静置してレードル27内の溶融物を溶融金属層とスラグ層に静置分離する静置分離工程と、レードル27の底から溶融金属31を抜き出す溶融金属抜出し工程とを備えてなる。
〔移し替え工程〕
移し替え工程においては、図7に示すように、溶融炉26を傾動させて溶融金属31とスラグ33をレードル27に移し替える。
一般に溶融炉内の溶湯深さが浅いため、出湯の際に溶融金属がスラグを巻き込む可能性があり、二層に分離した状態を維持して、溶融金属とスラグが混ざらないように別々に排出することは容易ではない。
そこで、深いレードルに受け、再度、分離のために静置時間をとって、高い分離精度を確保することが望ましい。
図7に示した溶融炉26は片側傾動式溶融炉だが、両側に傾動可能で傾動方向の両側の側面それぞれに排出口が設けられた溶融炉(両側傾動式溶融炉26)を用いることもできる(図8参照)。両側傾動式溶融炉の構造や機構などは、たとえば特開平9−264522号公報に開示されている。
両側傾動式溶融炉26を図中右側が低くなるように油圧シリンダ等を用いて傾動させて一方の排出口から溶融物の上層(主にスラグ33)を炉外に排出し、その後、図中左側が低くなるように油圧シリンダ等を用いて傾動させて他方の排出口から残ったスラグ33と溶融金属31をレードル27に移し替える。これによって、レードル27に流入するスラグ33が少なくなるので、後述する静置分離工程における分離時間を短くでき、分離精度が高くなるといった効果がある。
〔静置分離工程〕
静置分離工程は、移し替え工程でレードル27に溶融物を移した後、レードル27を静置してレードル27内の溶融物を溶融金属層とスラグ層に静置分離する工程である。
前述したように、スラグ33と溶融金属31は、密度がそれぞれ、2.7t/m、7t/mと大きく異なるため、レードル27内で密度差により上側にはスラグ層、下側には溶融金属層の二層に分離できる。
前述したように、レードル27内で静置分離する時間は4分程度必要である。なお、レードルは、静置分離に用いられる以外に、溶融金属を成型加工する際にも利用することができる。
〔溶融金属抜出し工程〕
溶融金属抜出し工程は、図7に示すように、レードル27から溶融金属層31をスラグ層33が混ざらない様に抜き出してクリアランス金属とする工程である。
静置分離後に、レードル27の底部の開口部を開けると、溶融金属31が重力で落下する。一般的に、開口当初は、溶融金属31のみが落下するが、時間が経過して、溶融金属31の深さが浅くなるとあるタイミングで表面のスラグ33が直接開口部に引き込まれる渦流が生成する。
スラグ層に放射性物質が移行しているので、抜き出す溶融金属31にスラグ33を巻きこまないようにする必要がある。
なお、スラグ33と一部の溶融金属31がレードル27に残ることを許容して溶融金属31を抜き出して、スラグ層と溶融金属31が残った状態で、溶融残渣として回収し、この溶融残渣を再溶融するようにしてもよい。このようにすれば、確実なクリアランス化と溶融金属回収の歩留まり向上の両方を達成できる。
なお、レードル27の底部に設ける開口が大きくなると、溶融金属31の抜出しの速度は速くなり効率がよくなるが、その一方で界面が高い段階で渦流が生成されるので1回での抜出し量が少なくなり、溶融残渣として再溶融する量が多くなる。
逆に、レードル27の底部に設ける開口が小さくなると、溶融金属31の抜出しの速度は遅くなり効率は悪くなるが、その一方で界面が低い位置まで渦流が生成されないので、1回での抜出し量が多くなり、溶融残渣として再溶融する量は少なくなる。このように、レードル27の底部に設ける開口は粒状金属生成工程の効率に影響するので、実際に操業する各種の条件に基づいて最適値に設定するのが好ましい。
《粒状化工程》
粒状化工程の具体的な態様としては、分離された溶融金属に多量の圧力水を噴射することで溶融金属を粒状にする水砕や、溶融金属に空気等の気体を噴射して急冷することで粒状にする風砕が挙げられる。
なお、溶融金属を棒状や線状あるいは板状に成型したものを切断や破砕して粒状に加工するようにしてもよい。
粒状にした金属粒子の寸法や形状については、スクラップ同等品として粒状クリアランス金属を製鉄原料として使用する場合には、数mm〜数十cm程度で、使用する設備に合わせて選択すればよい。
また、粒状クリアランス金属を充填して使用する場合は、充填する容器のサイズや充填しやすさを考慮して決めればよい。
もっとも、粒状金属は、放射能測定時に容器に充填したり、市中に供給されて充填して使用されたりすることを考慮すると、手作業で無理なく動かすことができることが望ましい。この点で、道路の路盤材の場合、用いる骨材のサイズは53mm以下の規定があり、道路舗装時には作業者がスコップで均し作業等を行っている。この場合、粒子の重量が作業性に影響すると考えられる。この視点から、作業性を考慮した場合の1個あたりの重量は、最大サイズの53mmで比重2.8の路盤材の重量417g以下となる。ちなみに、これを比重7.8の鉄の立方体に換算すると、サイズは38mm以下となる。実際の形状は立方体とは異なり、ばらつきもあるため、望ましい形状の選択が難しい。一方、重量は作業性に直結するため、規定することに意味がある。
粒子が充填されて使用される場合、比重や形状が所定の条件になる様に加工する必要がでてくることも考えられる。また、使用の際に収納容器等が破損した場合の粒状金属の漏れ出しが問題視される場合も予想される。この対応としては、耐候性や耐薬品性の高いゴム、プラスチック、セメント等でコーティングすることにより、充填剤としての要求仕様の満足と信頼性の向上が図れる。
なお、比重や形状の調整に関しては、コーティング材に加えて、砂、砂利、ガラス等との併用も考えられる。
<粒状金属放射能濃度測定工程>
粒状金属放射能濃度測定工程は、粒状のクリアランス金属の放射能濃度を測定する工程である。日本におけるクリアランスレベルの検認は、(i)事業者による測定・評価方法の設定を、(ii)原子力規制委員会が認可し、(iii)事業者が測定・評価方法を実施し、さらに(iv)原子力規制委員会が測定・評価の結果確認、というプロセスで行われる。成型品の出荷までの間と出荷後の腐食防止のために、成型・加工後に防錆剤の塗布等の防食対策を行う必要がある。
もっとも、クリアランス金属として出荷することを目的とした放射能濃度測定ではなく、レードルやタンディッシュから抜き出された金属を再び溶融炉に戻す必要があるかどうかを判定することを目的とした予備的な測定であれば、放射能濃度が基準値(たとえば、クリアランスレベルに相当する数値や、それに安全率を見込んで0.8を掛けた数値とするなど任意に設定してよい)以下かどうかを確認するだけの簡易な測定とすることもできる。
測定に際しては、粒状の金属に防錆剤を塗布して防錆処理を施した後、一定の大きさの測定用容器(たとえば、一辺が約1mの鉄製の箱)に充填する。このようにすることで、保管施設への出し入れを自動化することが容易になる。また、測定条件もほぼ一定条件になるので効率的な放射能測定が可能となる。測定は、容器の6面全てを測定する方法で行われる。測定時間は、10数分程度である。
測定でクリアランスレベルに到達していることが確認され、国の確認が与えられれば、法的制約の無い条件で保管し、出荷することができる。
<クリアランス未達金属投入工程>
クリアランス未達金属投入工程は、放射能濃度測定工程で基準値を超えていると判定された金属を放射性物質移行工程における溶融炉に戻して再溶融する工程である。
処理対象と考えている放射性金属廃棄物中の放射性ストロンチウム(Sr90)の表面線量率の最大値が概ね1mSv/hで、全体の加重平均を0.1mSv/hとする。この加重平均値は放射能濃度160Bq/gに相当するものとする。スラグの発生量は高周波炉を想定して、スラグ装入量(スクラップからのスラグ成分を含む)を2%、溶融時のスラグ化率を70%、放射性ストロンチウム(Sr90)のスラグへの捕捉率を100%とする。
本実施の形態に基づいて、処理された金属がクリアランスレベル(1Bq/g以下)を満足できない場合の主な原因は、操業ミス(定常作業を逸脱した作業を行った場合など)や装置の不具合などによって、スラグ分がメタルに混入することである。このスラグ混入量の最大値は経験的に約700g/tである。このスラグ混入量の最大値700g/tのときの放射能濃度は、前述の仮定値から計算すると8Bq/g(※1)となる。これが、クリアランス未達金属の最大放射能濃度と考えられるが、これは、放射性金属廃棄物中の放射性ストロンチウム(Sr90)の加重平均放射能濃度である160Bq/gと比較して十分に低く、再投入する価値は十分にある。
※1.{(160×1000×1000×1)/(0.02×1000×1000×0.7)}×700/1000000
同様に、放射性金属廃棄物中の放射性セシウム(Cs137)の表面線量率の最大値が概ね1mSv/hで、全体の加重平均を0.1mSv/hとする。この加重平均値は放射能濃度145Bq/gに相当するものとする。スラグの発生量は高周波炉を想定して、スラグ装入量(スクラップからのスラグ成分を含む)を2%、溶融時のスラグ化率を70%、放射性セシウム(Cs137)のスラグへの捕捉率を60%とする。
スラグ混入量の最大値700g/tのときの放射能濃度は、前述と同様の計算から4.4Bq/g(※2)となる。これが、クリアランス未達金属の最大の最大放射能濃度と考えられるが、これは、放射性金属廃棄物中の放射性セシウム(Cs137)の加重平均放射能濃度である145Bq/gと比較して十分に低く、再投入する価値は十分にある。
※2.(160×1000×1000×1)/(0.02×1000×1000×0.7)}×700/1000000
したがって、放射性金属廃棄物にクリアランス未達金属を混ぜて処理すると、処理対象物全体の平均放射能濃度が明らかに下がる(希釈される)ので、放射性物質移行工程においてメタル中に放射性物質の濃度も確実に低下する。また、放射性金属廃棄物からクリアランス金属を回収する回収率が向上すると共に、クリアランス未達金属を廃棄物として処分する必要もなくなる。
クリアランス未達金属を溶融炉に戻すタイミングや方法は、クリアランス未達金属の発生量や放射性金属廃棄物の処理必要量を考慮し、発生時に無作為に戻す方法や、ある程度の量を貯留しておいて、放射性金属廃棄物の放射能濃度の測定結果や経験則に基づいて戻す量やタイミングを決めるなど、任意の方法で行うことができる。
さらに、金属を粒状にすることにより、溶融炉26への投入が容易となり、また溶融に必要なエネルギーも小さくすることができる。
以上のように、本実施の形態においては、放射性金属廃棄物を溶融することにより、放射性金属廃棄物に付着している放射性物質をスラグに移行させ、溶融物から溶融金属を分離して、分離された溶融金属を粒状のクリアランス金属にするようにしたので、放射性金属廃棄物に付着していた放射性物質を確実に分離できると共にクリアランス金属の形状が粒状であるため、保管や利用に好適である。
また、粒状化した後、クリアランスレベルに達していなかったとしても、再溶融することが容易である。
なお、上記の実施の形態では、スラグの処理には特に言及していないが、スラグは放射性物質を移行させるために重要な機能を有することから、これを再利用することで、スラグの有効活用と共に、スラグ処理量の減容化を実現できる。
スラグを再利用する場合、粒状金属生成工程の後、あるいは粒状金属生成工程と平行して、図9に示すように、溶融残渣生成工程と、再溶融可否判断工程と、溶融残渣投入工程と、溶融残渣処分工程を行うようにすればよい。
以下、各工程について詳細に説明する。
<溶融残渣生成工程>
溶融残渣生成工程は、粒状金属生成工程において溶融金属が分離された後の溶融物を溶融残渣とする工程である。
溶融残渣の具体的な生成方法としては、レードル27を用いる態様の場合、粒状金属生成工程での溶融金属抜出し工程において溶融金属を抜き出した後の溶融物(スラグ主体で溶融金属も含まれている)を、レードル27を傾動させたりしてスラグパンなどに排出すればよい。タンディッシュ装置を用いる態様の場合も同様である。
<再溶融可否判断工程>
再溶融可否判断工程は、溶融残渣の再溶融可否を溶融残渣の放射線量に基づいて判断する工程である。
放射性金属廃棄物を溶融すると放射性物質はスラグに移行する。そして、放射性物質が移行したスラグを溶融残渣として回収して再度放射性金属廃棄物と共に溶融することを繰り返すと、スラグに放射性物質が次第に濃縮されて、そのスラグが含まれる溶融残渣の放射能濃度も高くなる。
溶融残渣の処分は処分基準に従って行うが、放射能レベルがL1以上になると、余裕深度処分が要求され、処分が非常に大変になる。
他方、放射能レベルがL2とL3の場合には浅地での比較的簡易な処分となる。
具体的には、放射能レベルがL3の場合には、トレンチ処分が要求される。トレンチ処分とは、容器に固型化しない放射性廃棄物を、人工バリアを設置しない廃棄物埋設地に浅地中処分することをいう。
また、放射能レベルがL2の場合には、ピット処分とする。ピット処分とは、容器に封入又は固化した処理対象物を、人工バリアを設置した廃棄物埋設地に浅地中処分することをいう。
このように、放射能レベルがL1以上となると溶融残渣の処分が大変になるので、放射能レベルはL1未満とすべきである。
そこで、放射能レベルがL2でL2の上限値までに余裕がなく、当該溶融残渣を再溶融すると、次回の再溶融可否判断工程のレベル測定でL1レベルに到達する場合には、再溶融不可と判断する。上述のように、L1レベルになると手間と費用が増大するためである。
他方、放射能レベルがL3か、あるいはL2レベルではあるがL2の上限値までに余裕があり、当該溶融残渣を溶融炉に投入して再溶融しても次回の再溶融可否判断工程のレベル測定でもL1レベルに達しない場合には再溶融可と判断する。これによって、溶融残渣の放射性レベルをL2レベルの上限値まで上昇させることができるので、処分する溶融残渣の量が減る。
なお、溶融残渣の放射線量は、クリアランス金属の様に厳密に測定する必要はなく、たとえば放射能レベルがL2の上限値までに余裕があるかどうかが判断できる程度に測定すればよい。
<溶融残渣投入工程>
溶融残渣投入工程は、再溶融可否判断工程で再利用できると判断したときに、溶融残渣を放射性金属廃棄物と共に溶融炉に投入する工程である。
溶融残渣を溶融炉に投入して、放射性物質移行工程から溶融残渣生成工程までの処理を行い、再び再溶融可否判断工程で再溶融の可否を判断して、再度、再溶融できると判断したときには、溶融残渣を放射性金属廃棄物と共に溶融炉に投入する。このように、溶融残渣投入工程から再溶融可否判断工程まで処理を繰り返し、繰り返し数が多くなるほど、溶融残渣におけるスラグの放射能濃度が増加する。
なお、再溶融できると判断された溶融残渣は、直ちに溶融炉に戻し続いて行われる処理プロセスに用いてもよく、他のスラグ原料を用いて処理プロセスが何回か実行された後で、溶融炉に戻してもよい。また、溶融炉が複数系列設置されている場合は、同じ系列の溶融炉に戻す必要はなく、他の系列の溶融炉に戻してもよい。
<溶融残渣処分工程>
溶融残渣処分工程は、再溶融可否判断工程で再溶融できないと判断したときには、溶融残渣を放射能レベルに基づいて所定の処分をする工程である。
前述したように、本実施の形態では溶融残渣の放射能レベルはL2以下になるので、上述したピット処分を行えばよい。
以上のように、本実施の形態においては、溶融残渣の一部又は全部を回収して再利用するようにすれば、スラグ原料の新たな添加が不要となると共に、溶融残渣の処分量の減容化を実現できる。
1 炉体
3 炉蓋
5 投入供給装置
7 ホッパー
8 投入シュート
9 ダブルダンパ
9a 上段のダンパ
9b 下段のダンパ
11 プッシャー
13 投入ゲート
12 トーチ
15 投入物
17 吊下げシュート
19 吊下げ装置
21 移動台車
23 投入ゲート
24 ゲート駆動部
25 容器
26 溶融炉
27 レードル
29 鋳型
31 溶融金属
33 スラグ

Claims (6)

  1. 放射性金属廃棄物からクリアランス金属を製造する方法であって、
    溶融時にスラグやダストに移行しやすい放射性核種が主成分の放射性物質で汚染された放射性金属廃棄物を溶融炉に投入する放射性金属廃棄物投入工程と、
    必要に応じて前記溶融炉にスラグの原料となるスラグ原料を投入するスラグ原料投入工程と、
    投入物を溶融炉で溶融することにより、前記放射性物質を前記放射性金属廃棄物から分離してスラグ及びダストに移行させる放射性物質移行工程と、
    前記ダストを回収して処理するダスト処理工程と、
    前記溶融炉で溶融された溶融物から溶融金属を分離して、分離された溶融金属を粒状のクリアランス金属とする粒状金属生成工程を備えたことを特徴とするクリアランス金属の製造方法。
  2. 前記粒状金属生成工程は、粒状にした溶融金属の放射能濃度を測定する粒状金属放射能濃度測定工程と、該放射能濃度測定工程で測定値が基準値を超えた粒状金属を前記溶融炉に投入するクリアランス未達金属投入工程を備えたことを特徴とする請求項1記載のクリアランス金属の製造方法。
  3. 前記粒状金属生成工程は、分離された溶融金属を水砕又は風砕によって粒状にすることを特徴とする請求項1又は2に記載のクリアランス金属の製造方法。
  4. 前記粒状金属生成工程は、分離された溶融金属を棒状、線状又は板状に成型したものを切断又は破砕することによって粒状にすることを特徴とする請求項1又は2に記載のクリアランス金属の製造方法。
  5. 前記溶融炉で溶融された溶融物から溶融残渣の全部又は一部を回収する溶融残渣生成工程と、
    回収された溶融残渣の再利用の可否を溶融残渣の放射能濃度に基づいて判断する再溶融可否判断工程と、
    該再溶融可否判断工程で再利用できると判断したときには、回収された溶融残渣を溶融炉に投入する溶融残渣投入工程と、
    前記再溶融可否判断工程で再利用できないと判断したときには、前記溶融残渣を放射性廃棄物として処分する溶融残渣処分工程を備えたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のクリアランス金属の製造方法。
  6. 前記再溶融可否判断工程は、前記溶融残渣の放射能濃度を測定して測定値に基づいて判断することを特徴とする請求項5に記載のクリアランス金属の製造方法。
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