JP2001194496A - 放射性廃棄物の固化体の製造方法及びその方法で製造された固化体 - Google Patents
放射性廃棄物の固化体の製造方法及びその方法で製造された固化体Info
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Abstract
て、このコンテナを被包用金属の中央に確実に位置させ
る。また固化した被包用金属とコンテナとの間に隙間を
生じさせず、これにより超音波探傷検査を可能とする。 【解決手段】先ず金属製の支持脚14を有し溶融状態の
被包用金属が通過可能に構成された金属製のコンテナ1
3に放射性廃棄物12を収容する。次いで上部に開口部
17cを有する鋳型17に支持脚により鋳型内壁から所
定の間隔をあけてコンテナを収容する。次に鋳型にコン
テナ及び支持脚より融点の低い上記溶融状態の被包用金
属を充填して冷却固化させ固化体を形成する。更に固化
体を鋳型から取出す。放射性廃棄物は被包用金属の融点
より高い又は被包用金属の融点と同一の融点を有する金
属であることが望ましく、コンテナ及び支持脚は炭素鋼
により形成され、更に被包用金属は鋳鉄又はステンレス
鋼であることが好ましい。
Description
金属廃棄物を処分するための固化体を製造する方法及び
その方法により製造された固化体に関するものである。
の運転や解体に伴って発生する放射性廃棄物の量は増大
する傾向にある。これら放射性廃棄物の処分に関して
は、放射性廃棄物の周囲への影響が最小となる形態に廃
棄物を固形化し、かつできた固形固化体が化学的、機械
的に安定していて、長期の貯蔵によっても環境汚染の原
因にならないことが必要である。このような観点から、
放射性廃棄物の固化体の製造方法として従来、廃棄物を
内部容器内に金属により固化する工程と、その内部容器
を貯蔵容器内で金属中に封入する工程とを含む放射性廃
棄物の処理方法が提案されている(特開昭56−102
96)。この処理方法では、貯蔵容器内に適量の溶融金
属を入れておき、しかる後に内部容器を投入してからそ
の溶融金属を冷却固化させるか、或いは適量の溶融金属
が入れられた貯蔵容器に内部容器を投入した後、溶融金
属を後から更に流し込んで冷却固化させて廃棄物を金属
で被包することにより、その廃棄物を化学的、機械的に
安定にさせるようになっている。
性廃棄物の処理方法では、内部容器内に廃棄物を一旦金
属により固化し、その内部容器を更に貯蔵容器内の金属
中に封入することから、2つの容器を必要とするととも
に、廃棄物の処分手続きが比較的煩雑となる問題点があ
る。また、内部容器を金属中に封入する手段が、貯蔵容
器内に適量の溶融金属を入れた後に内部容器を投入し
て、その溶融金属又はその溶融金属及び後に追加された
溶融金属を冷却固化させるため、溶融金属が固化する過
程で内部容器が移動すると、その内部容器が貯蔵容器の
中央部に維持されない場合が生じ得る。その一方で、溶
融金属が冷却されて固化した固化金属と貯蔵容器との密
着性は、溶融金属と貯蔵容器が溶着されることにより生
じるため、溶融金属が固化する過程の収縮に起因する力
又は固化した後に加わる外力がその溶着力より勝る場合
には、貯蔵容器と固化金属の間に隙間が生じる不具合が
ある。従って、内部容器が貯蔵容器に接触していない状
態で溶融金属が冷却固化しても、上記隙間が音響的な不
連続部となって超音波探傷検査(非破壊検査)を行うこ
とができない問題点があった。また内部容器が移動する
ことにより、その内部容器が貯蔵容器に接触した状態で
溶融金属が冷却固化すると、上記貯蔵容器と固化金属の
間に生じた隙間から廃棄物の一部が表出して周辺環境を
汚染するおそれもある。更に固化金属が貯蔵容器により
覆われているため、固化金属表面の目視検査や染色探傷
検査を行うことができない問題点もある。
一のコンテナを用いて、このコンテナを被包用金属の中
央に確実に位置させることができる、放射性廃棄物の固
化体の製造方法を提供することにある。本発明の別の目
的は、固化した被包用金属とコンテナとの間に隙間を生
じさせず、これにより超音波探傷検査のみならず、固化
した被包用金属表面の目視検査及び染色探傷検査を行う
ことができる、放射性廃棄物の固化体の製造方法及びそ
の方法で製造された固化体を提供することにある。本発
明の更に別の目的は、固化した被包用金属と支持脚又は
吊り棒との間に隙間を生じさせず、これにより放射性廃
棄物の密封性を向上することができる、放射性廃棄物の
固化体の製造方法及びその方法で製造された固化体を提
供することにある。
図1〜図3に示すように、金属製の支持脚14又は吊り
棒を有し溶融状態の被包用金属16が通過可能に構成さ
れた金属製のコンテナ13に放射性廃棄物12を収容す
る工程と、上部に開口部17cを有する鋳型17に支持
脚14又は吊り棒により鋳型17内壁から所定の間隔を
あけてコンテナ13を収容する工程と、鋳型17にコン
テナ13及び支持脚14又は吊り棒より融点の低い上記
溶融状態の被包用金属16を充填して冷却固化させるこ
とにより固化体11を形成する工程と、固化体11を鋳
型17から取出す工程とを含む放射性廃棄物の固化体の
製造方法である。この請求項1に記載された放射性廃棄
物の固化体の製造方法では、放射性廃棄物12をコンテ
ナ13に収容し、このコンテナ13の位置がずれないよ
うにする、即ち放射線源となる放射性廃棄物12を固化
体11の中心部に固定するとともに、コンテナ13の内
部及びその全周面に被包用金属16が充填されるので、
固化体11の表面から放射される放射線を一定以下に抑
えることができる。また固化した被包用金属16とコン
テナ13との間に隙間が生じないので、固化体11の超
音波探傷検査を行うことができるとともに、固化した被
包用金属16表面の目視検査及び染色探傷検査を行うこ
とができる。
明であって、更に図1に示すように、放射性廃棄物12
が被包用金属16の融点より高い融点を有する金属又は
被包用金属の融点と同一の融点を有する金属であること
を特徴とする。この請求項2に記載された放射性廃棄物
の固化体の製造方法では、放射性廃棄物12が被包用金
属16の融点より高い融点を有する金属であれば、溶融
状態の被包用金属16を鋳型17に注入したときに、廃
棄物12が溶融することはない。また廃棄物が被包用金
属の融点と同一の融点を有する金属であっても、溶融状
態の被包用金属を鋳型に注入したときに、被包用金属が
急激に温度低下して廃棄物の融点に達する前に被包用金
属が凝固するので、廃棄物が溶融することはない。
係る発明であって、更に図1に示すように、コンテナ1
3及び支持脚14又は吊り棒が炭素鋼により形成され、
被包用金属16が鋳鉄又はステンレス鋼であることを特
徴とする。この請求項3に記載された放射性廃棄物の固
化体の製造方法では、被包用金属16の融点がコンテナ
13及び支持脚14又は吊り棒の融点より低いので、溶
融状態の被包用金属16を鋳型17に注入したときに、
コンテナ13等が溶融せず、コンテナ13の位置がずれ
ることはない。
係る発明であって、更に図7及び図8に示すように、コ
ンテナ13が炭素鋼により形成され、支持脚54又は吊
り棒が外周面を鋳鉄製の被覆層54bにて被覆した炭素
鋼製の柱状体54aにより形成され、更に被包用金属1
6が鋳鉄であることを特徴とする。この請求項4に記載
された放射性廃棄物の固化体の製造方法では、溶融状態
の被包用金属16と接触する支持脚54又は吊り棒の被
覆層54bが被包用金属16と同一材料の鋳鉄で形成さ
れているため、なじみが良く、被包用金属16が固化し
たときに境界面に隙間を生じ難い。この結果、放射性廃
棄物12の密封性を向上することができる。また支持脚
54又は吊り棒の中心部が被包用金属16より融点の高
い炭素鋼製の柱状体54aにより形成されているため、
コンテナ13の位置がずれることはない。
すように、上記請求項1ないし4いずれかに係る方法で
製造された固化体である。この請求項5に記載された固
化体では、上述のように放射線源となる放射性廃棄物1
2が固化体51の中心部に固定されるので、固化体51
の表面から放射される放射線を一定以下に抑えることが
でき、また固化した被包用金属16とコンテナ13との
間に隙間が生じないので、固化体51の超音波探傷検査
を行うことができるとともに、固化した被包用金属16
表面の目視検査及び染色探傷検査を行うことができる。
更に被包用金属16と支持脚54又は吊り棒との間に隙
間が生じないので、放射性廃棄物12の密封性を向上す
ることができる。
図面に基づいて説明する。図1〜図3に示すように、本
発明の固化体11は低レベルの放射性廃棄物12と、こ
の放射性廃棄物12を収容する金属製のコンテナ13
と、このコンテナ13の底面に取付けられた金属製の支
持脚14と、溶融状態でコンテナ13内に充填されかつ
コンテナ13を被包する被包用金属16とを備える。コ
ンテナ13は溶融状態の被包用金属16が通過可能に構
成される。即ちコンテナ13として、複数の孔が形成さ
れたいわゆるパンチングメタルにより作られたものや、
格子籠や編み籠等で代表されるようないわゆる籠状のも
のが用いられる。この実施の形態では、金属製の棒材を
矩形枠に所定の間隔をあけて平行に溶接した6枚の板を
用意し、これらの板の周縁を互いに溶接することにより
立方体状の箱を作りコンテナ13とした。このコンテナ
13は廃棄物12を収容可能である限り必ずしも蓋板を
必要としないが、この実施の形態では上板13aを開閉
可能に取付けて蓋板とした例を示す。
テナ13の底面にそれぞれ固着された4本の金属製の円
柱体である。これらの支持脚14によりコンテナ13は
後述する鋳型17の底壁17b上面から所定の間隔をあ
けて上方に位置するように構成される。上記コンテナ1
3及び支持脚14は融点が約1500℃の炭素鋼により
作られることが好ましく、被包用金属16は上記コンテ
ナ13及び支持脚14の融点より低い約1150℃の融
点を有する鋳鉄を溶融させて用いることが好ましい。炭
素鋼としては炭素含有量が0.03〜0.85重量%、
好ましく0.03〜0.3重量%の例えばSS400,
SS330,SS490等が用いられ、鋳鉄としては炭
素当量が2.0〜4.5重量%、好ましくは3.5〜
4.3重量%の例えばねずみ鋳鉄,球状黒鉛鋳鉄等が用
いられる。更にこの実施の形態における廃棄物12は原
子力発電所の運転に伴って発生する放射性の金属廃棄物
であり、鋳鉄の融点より高い融点を有するステンレス
鋼,炭素鋼,合金鋼等の金属により形成される。
るための装置は冷却ベース18と、このベース18に載
せられかつコンテナ13を収容可能な鋳型17とを備え
る。冷却ベース18は高い熱伝導率を有する金属により
形成され、その内部には冷却水が流通する流路18aが
形成される。鋳型17は側壁17a及び底壁17bから
なり、上部に開口部17cを有する。また鋳型17は被
包用金属16の融点より高い融点を有する炭素鋼(上記
コンテナ13と同様の材料、例えばSS400,SS3
30,SS490等)により、コンテナ13より一回り
大きく形成される。
る方法を説明する。先ずコンテナ13の上板13aを開
いて放射性廃棄物12を収容した後に、上板13aを閉
じる。次いでこのコンテナ13を鋳型17に収容する
(図1)。このときコンテナ13を鋳型17の中央に置
く、即ちコンテナ13を鋳型17の側壁17a内面から
所定の間隔をあけて置く。またコンテナ13は支持脚1
4を介して鋳型17の底壁17bに載るため、コンテナ
13の底面も鋳型17の底壁17b上面から所定の間隔
があけられる。次に冷却ベース18の流路18aに冷却
水を流通させた状態で、鋳型17の開口部17cから溶
融状態の被包用金属16を注入して鋳型17の内部に被
包用金属16を充填する(図2)。被包用金属16は融
点が約1150℃の鋳鉄を溶融させたものであり、図示
しない溶融炉で予め溶融した後に、取鍋(とりべ)19
に入れられ、この取鍋19から鋳型17に充填される。
13内に進入してコンテナ13内に充填されるととも
に、鋳型17とコンテナ13との間にも充填され、流路
18aを通過する冷却水により下端から上方に向って次
第に冷却固化する。被包用金属16が冷却固化すると、
コンテナ13に収容された廃棄物12は冷却固化した被
包用金属16により被包される(図3)。この場合、被
包用金属16は廃棄物12,鋳型17,コンテナ13及
び支持脚14の融点より低い融点を有する鋳鉄で構成さ
れているので、被包用金属16が充填されても上記廃棄
物12やコンテナ13等が溶融して廃棄物12がコンテ
ナ13から出ることはなく、廃棄物12をコンテナ13
の略中央部に維持させた状態で確実に被包することがで
きる。更に鋳型17に充填された被包用金属16は冷却
固化する際に収縮し、固化体11の外面と鋳型17の側
壁17a内面との間に隙間が生じるため、鋳型17を開
口部17cが下を向くように回転させることにより、固
化体11をスムーズに鋳型17から取出すことができ、
また鋳型17を繰返し使用することができる。
で形成したが、鋳型を鋳物砂により形成してもよい。こ
の場合、鋳型に注入された被包用金属が固化した後に鋳
型(砂型)を崩せば、容易に固化体を取出すことができ
る。また、この実施の形態では、鋳型を冷却水が流通す
る流路を有する冷却ベース上に置いて被包用金属を冷却
固化したが、冷却水が流通する流路を鋳型の底壁内部に
設けて冷却したり、或いはこれらを用いずに大気により
冷却(空冷)してもよい。
射線源となる放射性廃棄物12を固化体11の中心部に
固定するとともに、コンテナ13の内部及びその全周面
に被包用金属17が充填されるので、固化体11の表面
から放射される放射線を一定以下に抑えることができ
る。また固化した被包用金属16とコンテナ13との間
に隙間が生じないので、固化体11の超音波探傷検査を
行うことができるとともに、固化した被包用金属16表
面の目視検査及び染色探傷検査を行うことができる。
点:約1500℃)により作り、被包用金属を上記コン
テナ及び支持脚の融点より低い約1390℃の融点を有
するステンレス鋼を溶融させて用いてもよい。この場
合、廃棄物は被包用金属の融点と同一の融点を有する金
属、即ちステンレス鋼である。被包用金属(溶融ステン
レス鋼)と廃棄物(固体ステンレス鋼)の融点は同一で
あるけれども、容器に充填される被包用金属は急激に温
度低下し短時間で凝固する。一方、被包される廃棄物は
100℃前後(予熱温度)という低温から温度上昇する
ため、その温度上昇に時間が掛り、融点に達する前に被
包用金属が凝固する。この結果、被包用金属が充填され
ても、上記廃棄物やコンテナ等が溶融して廃棄物がコン
テナから出ることはなく、廃棄物をコンテナの略中央部
に維持させた状態で確実に被包することができる。
示す。図4〜図6において図1〜図3と同一符号は同一
部品を示す。この実施の形態では、第1の実施の形態の
支持脚に替えて金属製の吊り棒34が用いられる。吊り
棒34の下端はコンテナ13の上板13aに固着され、
上端は昇降機(図示せず)に取付けられて、コンテナ1
3を吊下げた状態で昇降可能に構成される。また吊り棒
34は融点が約1500℃の炭素鋼により作られること
が好ましく、炭素鋼としては炭素含有量が0.03〜
0.85重量%、好ましく0.03〜0.3重量%の例
えばSS400,SS330,SS490等が用いられ
る。上記以外は第1の実施の形態と同一に構成される。
る方法を説明する。先ず第1の実施の形態と同様に、コ
ンテナ13の上板13aを開いて放射性廃棄物12を収
容した後に、上板13aを閉じる。次いで上板13aに
固着された吊り棒34を昇降機に取付け、この昇降機を
駆動してコンテナ13を鋳型17の内部に収容する(図
4)。このときコンテナ13を鋳型17の中央に置く、
即ちコンテナ13を鋳型17の側壁17a内面及び底壁
17b内面からそれぞれ所定の間隔をあけた状態で停止
させる。次に第1の実施の形態と同様に、溶融状態の被
包用金属16を鋳型17に注入して冷却固化し(図
5)、固化体31を作製する(図6)。更に昇降機を駆
動して吊上げ棒34を引上げ、固化体31を上昇させて
鋳型17から離脱させた後、固化体31から突出する吊
り棒34を切断する。この結果、鋳型17を開口部17
cが下方に向くように回転させる必要がないので、固化
体31の鋳型17からの取出しが容易になる。
点:約1500℃)により作り、被包用金属を上記コン
テナ及び吊上げ棒の融点より低い約1390℃の融点を
有するステンレス鋼を溶融させて用いてもよい。この場
合、廃棄物は被包用金属の融点と同一の融点を有する金
属、即ちステンレス鋼である。被包用金属(溶融ステン
レス鋼)と廃棄物(固体ステンレス鋼)の融点は同一で
あるけれども、容器に充填される被包用金属は急激に温
度低下し短時間で凝固する。一方、被包される廃棄物は
100℃前後(予熱温度)という低温から温度上昇する
ため、その温度上昇に時間が掛り、融点に達する前に被
包用金属が凝固する。この結果、被包用金属が充填され
ても、上記廃棄物やコンテナ等が溶融して廃棄物がコン
テナから出ることはなく、廃棄物をコンテナの略中央部
に維持させた状態で確実に被包することができる。
を示す。図7及び図9において図1及び図3と同一符号
は同一部品を示す。この実施の形態では、支持脚54が
外周面を鋳鉄製の被覆層54bにて被覆した炭素鋼製の
柱状体54aにより形成される(図8及び図10)。柱
状体54aは融点が約1500℃で炭素含有量が0.0
3〜0.85重量%、好ましく0.03〜0.3重量%
の例えばSS400,SS330,SS490等により
形成され、被覆層54bは上記柱状体54aの融点より
低い約1150℃の融点を有し炭素当量が2.0〜4.
5重量%、好ましくは3.5〜4.3重量%の例えばね
ずみ鋳鉄,球状黒鉛鋳鉄等により形成される。また支持
脚54は長尺の棒材を溶融状態の鋳鉄に浸漬して冷却固
化することにより、上記長尺棒材の外周面に鋳鉄製の被
覆層54bを形成し、次いでこの被覆層54bを有する
長尺棒材を所定の長さに切断することにより作製され
る。上記以外は第1の実施の形態と同一に構成される。
このように構成された固化体51は第1の実施の形態と
同様にして製造される。製造工程において、溶融状態の
被包用金属16を鋳型17に注入するときに、この被包
用金属16と接触する支持脚54aの被覆層54bが被
包用金属16と同一材料の鋳鉄で形成されているため、
なじみが良く、被包用金属16が固化したときに境界面
に隙間を生じ難い。この結果、放射性廃棄物12の密封
性を向上することができる。また支持脚54の中心部が
被包用金属16より融点の高い炭素鋼製の柱状体54a
により形成されているため、コンテナ13の位置が固化
体51の中心からずれることはない。
態を示す。図11及び図13において図1及び図3と同
一符号は同一部品を示す。この実施の形態では、第3の
実施の形態の支持脚に替えて吊り棒74が用いられる。
この吊り棒74は第3の実施の形態の支持脚と同様に、
外周面を鋳鉄製の被覆層74bにて被覆した炭素鋼製の
柱状体74aにより形成され(図12及び図14)、か
つ第3の実施の形態の支持脚と同様に作製される。上記
以外は第2の実施の形態と同一に構成される。このよう
に構成された固化体71は第2の実施の形態と同様にし
て製造される。製造工程において、溶融状態の被包用金
属16を鋳型17に注入するときに、この被包用金属1
6と接触する吊り棒74の被覆層74bが被包用金属1
6と同一材料の鋳鉄で形成されているため、なじみが良
く、被包用金属16が固化したときに境界面に隙間を生
じ難い。この結果、放射性廃棄物12の密封性を向上す
ることができる。また吊り棒74の中心部が被包用金属
16より融点の高い炭素鋼製の柱状体74aにより形成
されているため、コンテナ13の位置が固化体71の中
心からずれることはない。
(放射能で汚染されていない廃棄物)として直径,肉厚
及び長さがそれぞれ34mm,6.4mm及び150m
mのステンレスパイプ(融点:約1390℃)を用い
た。またコンテナ13は、先ず直径8mmのSS400
製の棒材を一辺200mmの正方形状の枠に所定の間隔
をあけて平行に溶接した6枚の板を用意し、次にこれら
の板の周縁を互いに溶接することにより、一辺が200
mmの立方体状に形成した。なお、上板13aは開閉可
能に構成した。このコンテナ13の底面には直径及び高
さがそれぞれ8mm及び50mmの4本の支持脚14を
溶接した。鋳型17は4枚のSS400製の側壁17a
を、1枚のSS400製の底壁17b上に正方形状に組
んで互いに溶接することにより作製した。側壁17aの
幅,高さ及び厚さはそれぞれ400mm,400mm及
び120mmであり、底壁17bの縦,横及び厚さはそ
れぞれ800mm,800mm及び120mmであり、
この鋳型17の内側の縦,横及び高さはそれぞれ280
mm×280mm×400mmであった。更に被包用金
属16としては温度が1300℃の溶融状態のねずみ鋳
鉄(炭素当量:4.3重量%)を用いた。
た。先ずコンテナ13の上板13aを開いて上記模擬廃
棄物12を収容した後に上板13aを閉じ、このコンテ
ナ13を鋳型17にこの鋳型17内の中央に位置するよ
うに収容した(図1)。次に取鍋19に入れられた溶融
状態の被包用金属16を鋳型17に注入して鋳型17の
内部に被包用金属16を充填した(図2)。上記溶融状
態の被包用金属16はコンテナ13内に進入してコンテ
ナ13内に充填されるとともに、鋳型17とコンテナ1
3との間にも充填され、空冷により冷却固化された(図
3)。更に鋳型17を開口部17cが下を向くように回
転させて固化体11を鋳型17から取出した。この固化
体11を実施例1とした。この固化体11を縦横に切断
して模擬廃棄物12やコンテナ13等の状態を調べたと
ころ、上記廃棄物12やコンテナ13等が溶融した様子
はなく、廃棄物12はコンテナ13の略中央部に位置し
ており、またコンテナ13と固化した被包用金属16と
の間に隙間は生じていなかった。
支持脚54は先ず直径8mmのSS400製の長尺棒材
を溶融状態のねずみ鋳鉄(炭素当量:0.16重量%)
に浸漬して冷却固化することにより、長尺棒材の外周面
に鋳鉄製の被覆層54bを形成し、次いでこの被覆層5
4bを有する長尺棒材を長さ50mmに切断することに
より作製した。また鋳型17は厚さ50mmのSS40
0製の板材を用いて蓋無しの箱状に形成した。この鋳型
17の外側の縦,横及び高さはそれぞれ400mm,4
00mm及び400mmであり、内側の縦,横及び高さ
はそれぞれ300mm,300mm及び350mmであ
った。上記以外は実施例1と同一に構成し、実施例1と
同様にして固化体51を作製し、この固化体51を実施
例2とした。この固化体51を縦横に切断して支持脚5
4及びその周囲を調べたところ、支持脚54と固化した
被包用金属16との境界面に隙間は生じていなかった。
属製の支持脚又は吊り棒を有し溶融状態の被包用金属が
通過可能に構成された金属製のコンテナに放射性廃棄物
を収容し、上部に開口部を有する鋳型に支持脚等により
鋳型内壁から所定の間隔をあけてコンテナを収容し、鋳
型にコンテナ及び支持脚等より融点の低い上記溶融状態
の被包用金属を充填して冷却固化させることにより固化
体を形成し、更に固化体を鋳型から取出したので、放射
線源となる放射性廃棄物を固化体の中心部に固定できる
とともに、コンテナの内部及びその全周面に被包用金属
を充填できる。この結果、固化体の表面から放射される
放射線を一定以下に抑えることができる。また固化した
被包用金属とコンテナとの間に隙間が生じないので、固
化体の超音波探傷検査を行うことができるとともに、固
化した被包用金属表面の目視検査及び染色探傷検査を行
うことができる。
高い融点を有する金属であれば、溶融状態の被包用金属
を鋳型に注入したときに、廃棄物が溶融することはな
く、廃棄物が被包用金属の融点と同一の融点を有する金
属であっても、溶融状態の被包用金属を鋳型に注入した
ときに、被包用金属が急激に温度低下して廃棄物の融点
に達する前に被包用金属が凝固するので、廃棄物が溶融
することはない。またコンテナ及び支持脚又は吊り棒を
炭素鋼により形成し、被包用金属が鋳鉄又はステンレス
鋼であれば、被包用金属の融点がコンテナ及び支持脚又
は吊り棒の融点より低いので、溶融状態の被包用金属を
鋳型に注入したときに、コンテナ等が溶融せず、コンテ
ナの位置がずれることはない。
脚又は吊り棒を鋳鉄製の被覆層にて被覆した炭素鋼製の
柱状体により形成し、更に被包用金属が鋳鉄であれば、
溶融状態の被包用金属と接触する支持脚又は吊り棒の被
覆層が被包用金属と同一材料の鋳鉄で形成されているた
め、なじみが良く境界面に隙間を生じ難い。この結果、
放射性廃棄物の密封性を向上することができる。また支
持脚又は吊り棒の中心部が被包用金属より融点の高い炭
素鋼製の柱状体により形成されているため、コンテナの
位置がずれることはない。また上記方法で製造された固
化体は上述のように、放射線源となる放射性廃棄物が固
化体の中心部に固定されるので、固化体の表面から放射
される放射線を一定以下に抑えることができ、また固化
した被包用金属とコンテナとの間に隙間が生じないの
で、固化体の超音波探傷検査を行うことができるととも
に、固化した被包用金属表面の目視検査及び染色探傷検
査を行うことができる。更に被包用金属と支持脚又は吊
り棒との間に隙間が生じないので、放射性廃棄物の密封
性を向上することができる。
を収容し、更にこのコンテナを鋳型に収容した状態を示
す縦断面図。
る状態を示す図1に対応する断面図。
されて固化体が形成された状態を示す図1に対応する断
面図。
図。
る状態を示す図4に対応する断面図。
されて固化体が形成された状態を示す図4に対応する断
面図。
図。
されて固化体が形成された状態を示す図7に対応する断
面図。
面図。
包されて固化体が形成された状態を示す図11に対応す
る断面図。
Claims (5)
- 【請求項1】 金属製の支持脚(14,54)又は吊り棒(34,7
4)を有し溶融状態の被包用金属(16)が通過可能に構成さ
れた金属製のコンテナ(13)に放射性廃棄物(12)を収容す
る工程と、 上部に開口部(17c)を有する鋳型(17)に前記支持脚(14,5
4)又は吊り棒(34,74)により前記鋳型(17)内壁から所定
の間隔をあけて前記コンテナ(13)を収容する工程と、 前記鋳型(17)に前記コンテナ(13)及び支持脚(14,54)又
は吊り棒(34,74)より融点の低い溶融状態の前記被包用
金属(16)を充填して冷却固化させることにより固化体(1
1,31,51,71)を形成する工程と、 前記固化体(11,31,51,71)を前記鋳型(17)から取出す工
程とを含む放射性廃棄物の固化体の製造方法。 - 【請求項2】 放射性廃棄物(12)が被包用金属(16)の融
点より高い融点を有する金属又は被包用金属の融点と同
一の融点を有する金属である請求項1記載の放射性廃棄
物の固化体の製造方法。 - 【請求項3】 コンテナ(13)及び支持脚(14)又は吊り棒
(34)が炭素鋼により形成され、被包用金属(16)が鋳鉄又
はステンレス鋼である請求項1又は2記載の放射性廃棄
物の固化体の製造方法。 - 【請求項4】 コンテナ(13)が炭素鋼により形成され、
支持脚(54)又は吊り棒(74)が外周面を鋳鉄製の被覆層(5
4b,74b)にて被覆した炭素鋼製の柱状体(54a,74a)により
形成され、更に被包用金属(16)が鋳鉄である請求項1又
は2記載の放射性廃棄物の固化体の製造方法。 - 【請求項5】 請求項1ないし4いずれかに係る方法で
製造された固化体。
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