JP2020059661A - 下肢のセルフケアキット - Google Patents

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Abstract

【課題】下腿のむくみの改善効果に優れるとともに、足先の冷えをも効果的に抑制することのできるセルフケアキットに関する。
【解決手段】次の(X)〜(Y):
(X)炭酸ガス(a)及び水(b)を含有する脹脛貼付用ゲルシート
(Y)少なくとも下腿の一部を被覆し、被覆部位の200%伸長時の引張強度が0.5〜25N/50mmである、筒状又は袋状の下肢用装着体
を備える、下肢のセルフケアキット。
【選択図】なし

Description

本発明は、下肢のセルフケアキットに関する。
近年、足のむくみや血行不良、足先の冷え等を感じ、また足の疲労感として捉えている人々が増えており、特に働く女性にとっても日々の大きな悩みとなっている。こうした症状は、運動不足や加齢、長時間の立ち仕事やデスクワーク等の生活習慣が原因であるとも考えられるなか、これを解消又は軽減するための様々な手段が試みられている。その一つとして、日常生活に簡易に取り入れることのできる「セルフケア」が注目を浴びており、これを症状に応じて実践するための技術が開発されている。
例えば、特許文献1には、脹脛部分の締め付けが過度になることにより血行が阻害され、足にむくみが生じることのないよう、脹脛部の緊締力を足部及び足首部の緊締力よりも減じた靴下が開示されている。また、特許文献2には、下肢のむくみの予防や軽減等のためのものとして、足首部や脹脛部を覆う布からなり、足首部から脹脛部へと順次圧迫圧が小となる靴下又は筒状の下肢用サポーターが開示されている。
一方、特許文献3には、炭酸ガスとTRPV3アゴニスト等の成分を含有する身体化粧料が開示されており、かかる化粧料をゲルシートとし、前腕内側等の身体部位に貼付等することによって、血行促進作用の増強等を図っている。
特開2002−266107号公報 特開2007−63723号公報 特開2012−167061号公報
しかしながら、特許文献1〜2に記載のような靴下やサポーターでは、使用時における下腿への圧迫力の負荷によって下腿のむくみはある程度改善されるものの、足先では冷えが増強してしまうということが本発明者により判明した。また、仮に特許文献3に記載のようなゲルシートを脹脛に貼付した場合であっても、下肢全体をみれば一定の血行促進効果は得られるものの、足先の冷えを抑制するには至らないことも本発明者により判明した。そのため、下腿のむくみを改善しながら、足先が冷えてしまうのをも充分に抑制し、セルフケア効果を充分に高めるには、さらなる改善が望まれる状況である。
すなわち、本発明は、下腿のむくみの改善効果に優れるとともに、足先の冷えを効果的に抑制し、さらに優れた快適感をもたらすことのできるセルフケアキットに関する。
そこで本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、炭酸ガス及び水を含有する脹脛貼付用ゲルシートと、少なくとも下腿の一部を被覆する特定の引張強度を有する下肢用装着体とを併用すれば、各々を単独で用いた場合に比べ、下腿のむくみを相乗的に改善することができるだけでなく、予想外にも足先の冷えを有効に抑制することができ、さらには優れた快適感をも実感することのできるセルフケアキットが得られることを見出した。
したがって、本発明は、次の(X)〜(Y):
(X)炭酸ガス(a)及び水(b)を含有する脹脛貼付用ゲルシート
(Y)少なくとも下腿の一部を被覆し、被覆部位の200%伸長時の引張強度が0.5〜25N/50mmである筒状又は袋状の下肢用装着体
を備える、下肢のセルフケアキットを提供するものである。
本発明によれば、炭酸ガスを含有する脹脛貼付用ゲルシートと下肢用装着体との併用によって、下腿のむくみを相乗的に改善することができるとともに、さらに従来見落とされがちであった足先の冷えを有効に抑制することができ、不快な着圧感を伴うことなく快適な高いセルフケア効果を得ることが可能である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の下肢のセルフケアキット(以下、単に「セルフケアキット」とも称する)は、炭酸ガス(a)及び水(b)を含有する脹脛貼付用ゲルシート(X)を備え、かかる脹脛貼付用ゲルシート(X)と後述する下肢用装着体(Y)とを併用する、セルフケアキットである。
本発明のセルフケアキットを構成する脹脛貼付用ゲルシート(X)は、炭酸ガス及び水(b)を含有する。かかる脹脛貼付用ゲルシート(X)を下肢用装着体(Y)と併用することにより、脹脛貼付用ゲルシート(X)を単独で用いた場合よりも効果的に血行促進効果を高めることができ、より一層下腿のむくみを改善できるだけでなく、予想外にも脹脛から離間した部位である足先まで血行促進効果を有効に及ぼすことが可能となって、足先の冷えを効果的に抑制することができる。
脹脛貼付用ゲルシート(X)は、炭酸ガス(a)を含有する。かかる炭酸ガス(a)の含有量は、充分な血行促進作用を得て足先の冷えの抑制効果を有効に発揮させる観点から、脹脛貼付用ゲルシート(X)全量中に100ppm以上であるのが好ましく、300ppm以上であるのがより好ましく、500ppm以上であるのがさらに好ましい。また、炭酸ガス(a)の含有量は、炭酸ガスを良好に水に溶解させる観点及び製造コストの観点から、20000ppm以下であるのが好ましく、10000ppm以下がより好ましく、3000ppm以下がさらに好ましい。
なお、脹脛貼付用ゲルシート(X)中に含まれる炭酸ガス(a)の含有量(濃度:ppm)は、測定したいゲルシートをアルカリ溶液の入った蓋付容器に入れて充分に浸漬させ、水溶液中に炭酸塩としてトラップした後、再び酸性緩衝液で酸性に戻し、次いで炭酸ガス電極を用いてその溶液の室温25℃での炭酸ガス濃度を測定した後、得られた炭酸ガス濃度、ゲルシート質量及びゲルシート体積から、ゲルシート中の炭酸ガス濃度を換算して得る。
脹脛貼付用ゲルシート(X)は、成分(a)とも相まって血行促進効果を増強しつつ持続性をも高め、より優れた下腿のむくみの改善効果と良好な使用感をもたらしつつ、さらに足先の冷えの抑制効果を良好に発揮する観点から、TRPM8アゴニスト(c)を含有することが好ましい。TRPM8アゴニストは、身体に存在する温度感受性TRPチャネルのうち、冷受容体であるTRPM8に作用するアゴニストである。
かかるTRPM8アゴニストとしては、TRPM8チャネルを活性化する化合物であれば限定されず、例えば、L-メントール、DL-メントール等のメントール、メンタンジオール、シネオール、メンチルグリセリルエーテル、乳酸メンチル、コハク酸メンチル、グルタル酸メンチル、メンチルピロリドンカルボン酸、エチルメンタンカルボキサミド、メンタンカルボニルグリシンエチルエステル、メンチルエチルアミノシュウ酸、メントングリセリンアセタール、ブチルシクロヘキサノン、イソプレゴール、トリメチルイソプロピルブタンアミド、メントキシプロパンジオール、カンフル、イシリン等から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。なお、これらTRPM8アゴニストを含有するハッカ油、ペパーミント油、スペアミント油、ユーカリ油等の植物や精油などを使用してもよい。なかでも、足先の冷えの抑制効果を良好に発揮する観点、及び使用時の快適感を確保する観点から、メントール、乳酸メンチル、トリメチルイソプロピルブタンアミド、メントキシプロパンジオール、カンフル及びイシリンから選ばれる1種又は2種以上が好ましく、メントールがより好ましい。
TRPM8アゴニスト(c)の含有量は、かかる成分(a)とも相まって血行促進効果を増強しつつ持続性をも高め、下肢用装着体(Y)との併用による下腿のむくみの改善効果を相乗的に高める観点から、脹脛貼付用ゲルシート(X)全量中に0.15質量%以上が好ましく、0.2質量%以上がより好ましく、0.25質量%以上がさらに好ましく、0.3質量%以上がよりさらに好ましい。また、TRPM8アゴニスト(c)の含有量は、皮膚刺激性を抑制し、良好な快適感を保持する観点から、脹脛貼付用ゲルシート(X)全量中に3質量%以下が好ましく、2質量%以下がより好ましく、0.7質量%以下がさらに好ましい。
脹脛貼付用ゲルシート(X)は、上記炭酸ガス(a)のほか、水(b)を含有する。かかる水の含有量は、炭酸ガスやTRPM8アゴニストを良好に溶解又は分散させ、これら炭酸ガスやTRPM8アゴニストが水中に溶解又は分散したままの状態で、貼付された脹脛へと所望の作用を有効にもたらす観点から、脹脛貼付用ゲルシート(X)全量中に60質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、75質量%以上がさらに好ましい。また、水の含有量は、脹脛貼付用ゲルシート(X)の良好な使用感を実現する観点から、脹脛貼付用ゲルシート(X)全量中に95質量%以下が好ましく、92質量%以下がより好ましく、90質量%以下がさらに好ましい。
脹脛貼付用ゲルシート(X)は、血行促進効果をより一層増強して足先の冷えを有効に抑制しつつ、下肢用装着体(Y)との併用による下腿のむくみの改善効果を相乗的に高める観点から、さらに油剤(d)を含有することができる。
かかる油剤(d)としては、通常の身体貼付用のゲルシートに用いられるものであれば制限されず、25℃で液状のものが好ましい。ここで、液状とは、25℃で流動性があることをいい、ペースト状も含まれる。
このような油剤(d)としては、例えば、流動パラフィン、軽質イソパラフィン、流動イソパラフィン、スクワラン、スクワレン等の直鎖又は分岐鎖を有する炭化水素油;ジメチルポリシロキサン、ジメチルシクロポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、高級アルコール変性オルガノポリシロキサン等のシリコーン油;ミリスチン酸イソプロピル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル等のモノエステル油;ジカプリン酸ネオペンチルグリコール等のジエステル油;トリ(カプリル/カプリン酸)グリセリル、2-エチルヘキサン酸トリグリセリル、オレイン酸トリグリセリド等のトリエステル油;アルキル-1,3-ジメチルブチルエーテル等のエーテル油から選ばれる1種又は2種以上をなどが挙げられる。またこれらの油剤(d)は、天然由来のものであってもよい。
なかでも、炭酸ガス(a)やTRPM8アゴニスト(c)との相溶性に優れ、血行促進効果をより一層増強する観点から、トリ(カプリル/カプリン酸)グリセリル、ミリスチン酸イソプロピル及びイソノナン酸イソノニルから選ばれる1種又は2種以上が好ましい。
油剤(d)の含有量は、血行促進効果を一層効果的に増強する観点から、脹脛貼付用ゲルシート(X)全量中に0.01〜5質量%が好ましく、0.05〜1質量%がより好ましい。また脹脛貼付用ゲルシート(X)がTRPM8アゴニスト(c)を含有する場合、油剤(d)の含有量とTRPM8アゴニスト(c)の含有量との質量比((c)/(d))は、TRPM8アゴニスト(c)の貼付する脹脛の皮膚への浸透性を向上させる観点から、0.1〜50が好ましく、0.5〜20がより好ましい。
脹脛貼付用ゲルシート(X)は、水(b)を保持して炭酸ガス(a)やTRPM8アゴニスト(c)を脹脛の皮膚へ良好に作用を及ぼす観点、及び成形性を高めつつ充分なゲル強度を保持し、下肢用装着体(Y)との併用によっても良好な保形性を確保する観点から、ゲル形成用アニオン性ポリマーを含有し、さらに架橋剤を含有させて、シート作成時にゲル形成用アニオン性ポリマーを架橋させることが好ましい。かかるゲル形成用アニオン性ポリマーは、水に溶解して架橋反応することにより、ゲルシートの基本骨格となる緻密な網目構造の架橋構造体を形成することができる。ゲル形成用アニオン性ポリマーが化学的に架橋してなるゲルシートは、網目構造中に多量の水を保持して膨潤しているため、適度な弾力性や伸展性、柔軟性を有し、寒天ゲル等よりも熱可塑性が小さいために、幅広い使用温度において安定した保形性を発現する。
かかるゲル形成用アニオン性ポリマーとしては、例えば、カルボキシル基、硫酸基、又はリン酸基を有するポリマーが挙げられる。具体的には、ポリ(メタ)アクリル酸類、カルボキシビニルポリマー及びこれらの塩類;カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース等のアニオン性セルロース誘導体及びこれらの塩類;カラゲナン、アルギン酸、及びこれらの塩類、アニオン性の澱粉誘導体等が挙げられる。そのなかでも、特に高い保水量と充分なゲル強度及び皮膚の凹凸や動きに追従可能な柔軟性とを満たすような含水ゲル層を得る観点から、カルボキシメチルセルロース、カラゲナン及びこれらの塩類から選ばれる少なくとも1種以上を含むことが好ましい。
かかるゲル形成用アニオン性ポリマーの含有量は、高い保水量とゲル強度の発現により、下腿のむくみの改善効果と足先の冷えの抑制効果とを高いレベルで有効に両立させる観点から、脹脛貼付用ゲルシート(X)全量中に0.5〜25質量%が好ましく、1.5〜10質量%がより好ましく、2.5〜8質量%がさらに好ましい。
架橋剤としては、金属イオン化合物、カチオン性ポリマー、多官能性エポキシ化合物等を用いることができ、使用するゲル形成用アニオン性ポリマーの官能基との反応性に応じて適宜選択すればよい。
金属イオン化合物としては、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、カリウム等を含む酸化物や水酸化物、塩類等が挙げられ、例えば、水酸化アルミニウム、カリミョウバン、硫酸アルミニウム、酸化アルミニウム、アルミニウムグリシネート、酢酸アルミニウム、乳酸アルミニウム、ステアリン酸アルミニウム、含水珪酸アルミニウム、メタケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、塩化マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、カオリン、合成ヒドロタルサイト、水酸化カリウム等から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。
ゲル形成用アニオン性ポリマーとして、カルボキシメチルセルロース又はその塩を選択する場合には、脹脛貼付用ゲルシート(X)の良好なゲルの保形性及びみずみずしい使用感を実現する観点から、架橋剤としてメタケイ酸アルミン酸マグネシウム、水酸化アルミニウム等のアルミニウムイオン化合物から選ばれる1種又は2種以上を用いるのが好ましい。
架橋剤の含有量は、脹脛貼付用ゲルシート(X)の良好なゲルの保形性及びみずみずしい使用感を実現する観点から、脹脛貼付用ゲルシート(X)全量中に0.01〜10質量%が好ましく、0.05〜5質量%がより好ましく、0.1〜2質量%がさらに好ましい。なお、ゲル形成用アニオン性ポリマーと架橋剤は、ゲルシート中で架橋していると考えられる。本発明において、ゲル形成用アニオン性ポリマーと架橋剤の量は、それぞれ独立して存在しているとしたときの量である。
脹脛貼付用ゲルシート(X)は、特にエタノール過敏症の人に対して、皮膚刺激性を与えるだけでなく、皮膚の過度な乾燥を促し、これにより皮膚のヒビ割れ等を生じさせる可能性があることが懸念される観点から、エタノールを含有しないことが好ましい。ただし、微量〜少量(0.001質量%以上)のエタノールが不可避的に混入することもあるが、そのような場合にもエタノール含有量は少ない方が好ましい。エタノールの含有量は、具体的には、脹脛貼付用ゲルシート(X)による皮膚刺激性が高まることなく血行促進を持続させ、足先の冷えの抑制効果と下腿のむくみの改善効果とを高いレベルで両立させる観点から、脹脛貼付用ゲルシート(X)全量中に3質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましく、0.1質量%以下がさらに好ましく、実質的にエタノールを含有しないのがよりさらに好ましい。
脹脛貼付用ゲルシート(X)には、上記成分の他に、通常化粧品や医薬品等に用いられる他の成分、例えば、上記成分以外の成分である、油性成分、粉末成分、保湿剤、水溶性高分子、増粘剤、皮膜剤、紫外線吸収剤、金屑イオン封鎖剤、アルコール類、糖類、アミノ酸誘導体、有機アミン類、樹脂エマルション、血行促進剤、皮膚栄養剤、ビタミン類、酸化防止剤、酸化防止助剤、防腐剤、色素、香料等をその用途に応じて適宜含有することができ、またこれらの剤は他の用途としても使用可能であり、例えば香料を血行促進剤として使用してもよい。
なお、香料としては、例えば、「合成香料化学と商品知識」、印藤元一著、1996年化学工業日報社刊;「パフューム アンド フレバー ケミカルス(Perfumeand Flavor Chemicals)」、ステファンアークタンダー(STEFFENARCTAMDER)著、1969年等の文献に記載された香料等を好適に使用することができる。
脹脛貼付用ゲルシート(X)の厚みは、血行促進効果による足先の冷え抑制や下腿のむくみ改善の観点から、0.5mm以上であるのが好ましく、0.7mm以上がより好ましく、0.8mm以上がさらに好ましい。また脹脛貼付用ゲルシート(X)の厚みは、脹脛への貼付のしやすさの観点、及び下肢用装着体(Y)との併用によっても一体感を高め、不快な装着感を回避する観点から、3mm以下が好ましく、2mm以下がより好ましく、1.5mm以下がさらに好ましい。
脹脛貼付用ゲルシート(X)における脹脛へ貼付する面の表面積は、下肢用装着体(Y)とも相まって、下腿のむくみ改善効果を相乗的に高めつつ、足先の冷え抑制効果を有効に発揮させる観点から、好ましくは50〜300cm2であり、より好ましくは100〜200cm2である。なお、脹脛貼付用ゲルシート(X)は複数枚貼付して用いてもよく、この場合には、貼付した複数枚の脹脛貼付用ゲルシート(X)の合計表面積が上記範囲内になるようにすればよい。また、下肢用装着体(Y)における下腿を被覆する内壁表面積((Y)面積)と、脹脛貼付用ゲルシート(X)における脹脛へ貼付する面の表面積((X)面積)との比((X)面積/(Y)面積)は、下腿のむくみ改善効果を相乗的に高めつつ、足先の冷え抑制効果を有効に発揮させる観点から、好ましくは0.05〜0.5であり、より好ましくは0.1〜0.25であり、さらに好ましくは0.17〜0.25である。
また、脹脛貼付用ゲルシート(X)は、保形性を確保する観点、及び製造を容易とする観点から、シート基材層上に積層されているものであってもよく、シート基材層を構成する材料としては、織布、不織布、偏布、合成樹脂のフィルム、耐水紙等を用いることができ、より具体的には、ナイロン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリオレフィン等の合成繊維、絹、綿、麻、レーヨン、コラーゲン等からなる天然繊維などの織布、又は不織布;ナイロン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリウレタン等のシート;またプルランやデンプン等の薄膜シートなどが挙げられる。これらシート基材層の厚さは、0.05〜2.0mm程度であり、シート基材層の表面に親水処理や疎水処理を施してもよい。
また、脹脛貼付用ゲルシート(X)は、保形性を確保する観点、及び製造上の観点から、脹脛へ貼付する面(シート基材層が積層されてなる面とは反対の面)に、剥離層(シートやフィルム等)を積層することもできる。かかる剥離層(シートやフィルム等)を構成する材料としては、特に限定されず、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム等のポリエステルフィルム;ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等のポリオレフィンフィルム;クラフト紙、グラシン紙、上質紙等の紙にポリエチレンなどのプラスチックがラミネートされたラミネート紙等が挙げられる。さらに剥離層の片面、すなわち脹脛貼付用ゲルシート(X)が積層される面に、シリコーン処理等の疎水化処理を施すのがより好ましい。
剥離層としては、より具体的には、ピューレックス(帝人デュポン製)、セラピールMF(東レフィルム加工製)、離型紙(リンテック製)等の市販品を使用することができる。
さらに、脹脛貼付用ゲルシート(X)は、本発明のセルフケアキットの使用時における一体感及び装着性を高める観点から、脹脛へ貼付する面とは反対側の面に、下肢用装着体(Y)との密着性を高めるための付着層を積層していてもよく、かかる付着層上にも剥離層を積層することができる。
脹脛貼付用ゲルシート(X)を製造するにあたっては、例えば、TRPM8アゴニスト(c)を含有させる場合には、これと水(b)を含有する含水ゲル層を有するシートを包装ピロー内に入れ、ピロー内のガスを炭酸ガス(a)に交換すればよい。また炭酸ガス(a)を含有させるには、シート形成時又は形成後に、ゲルに炭酸ガスを溶存させ、得られたシートを包装ピロー内に入れ、ピロー内のガスを除去するか又はさらにピロー内のガスを炭酸ガスに交換してもよい。
このとき、炭酸ガス(a)は、包装ピロー内のガス中の50質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは95質量%以上であるのが、ゲル中の溶存炭酸ガス濃度を維持する点で好ましい。本発明の場合、炭酸ガス(a)以外のガスは、特に限定されないが、例えば空気、窒素ガス等が好ましい。包装ピロー内のガスの圧力は、25℃において0.8〜2.0気圧が好ましく、0.9〜1.5気圧がより好ましく、0.9〜1.2気圧がさらに好ましい。
包装ピローは、炭酸ガス難透過性である必要がある。ここで難透過性とは、炭酸ガス透過度が50cc/m2・day・atm(ASTM D-1434)以下であることをいうが、非透過性であるのが好ましい。ヒートシール性を有する材料であるのが好ましく、具体的には、アルミニウム箔を積層したラミネートフィルム、アルミニウム蒸着層を有するラミネートフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリ塩化ビニリデン層を含むラミネートフィルムなどが挙げられる。包装ピローの形態は平袋、ガゼットなどが好ましい。
本発明のセルフケアキットを構成する下肢用装着体(Y)は、少なくとも下腿の一部に装着して用いるものであって、下腿を被覆し、被覆部位の200%伸長時の引張強度が0.5〜25N/50mmである、筒状又は袋状の下肢用装着体である。本発明における下腿とは、膝から足首までの部分を意味する。下腿のむくみは、水分、血液、リンパ液などの脚の組織液の循環が悪くなり、細胞のすき間などに水分が停滞したり、血液中の水分が停滞するために生じると考えられている。しかし、本発明における下肢用装着体(Y)は、例えば脹脛に装着することで、これら余分の組織液を組織内に戻す作用が働き、また足首に装着することで血液を下肢の下部から上部へと静脈還流を促進する作用が働き、かかる下肢用装着体(Y)を単独で用いた場合にも、良好に下腿のむくみを軽減することができるものである。その一方、足先への静脈の流れが阻害されるため、足先が冷えるという課題があることが本発明者により判明した。さらに脹脛貼付用ゲルシートに関しても同様である。
しかしながら、本発明では、下肢用装着体(Y)を上記脹脛貼付用ゲルシート(X)と併用することにより、下腿から離間した部位である足先において、予想外にも効果的に冷えを防止することができるだけでなく、脹脛貼付用ゲルシート(X)と相まって、相乗的にむくみ改善効果を発揮することができる。
下肢用装着体(Y)は、少なくとも下腿の一部、例えば脹脛を被覆し、筒状又は袋状の下肢用装着体であればよく、さらに膝から足首までの下腿全体を被覆する装着体であってもよく、さらに大腿を被覆する装着体であってもよい。具体的な下肢用装着体(Y)の形態としては、サポーターやレッグウォーマー等のような、脹脛から足首までを被覆する一方で足先が露出する筒状を呈していてもよく、さらに被装着部との密着性を高めるべく、筒状の装着体の上部と下部で径の大きさが異なるテーパー付き形態であっていてもよい。また、脹脛、足首、それぞれを被覆するものを併用してもよい。或いは下肢用装着体(Y)の形態として、タイツやストッキング、靴下等のような、脹脛から足首までだけでなく足先までを被覆する袋状を呈していてもよい。
なお、少なくとも下腿の一部を被覆する態様には、脹脛のみを被覆する態様、足首のみを被覆する態様、或いは脹脛と足首の両方を被覆する態様等を含むが、このなかでもむくみ改善効果の観点から、少なくとも脹脛を被覆する筒状又は袋状の装着体が好ましく、脹脛から足首までを被覆する筒状又は袋状の装着体であることがより好ましい。なお、筒状の装着体とは、着圧バンドのように、装着時に筒状になるものも含む。
下肢用装着体(Y)の材質としては、下肢の動作への追従性が良好な柔軟性又は伸張性があるのが好ましく、例えば、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリアミド、ナイロン、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、(トリ)アセテート等の合成繊維又は半合成繊維;綿、絹、麻、ウール、レーヨン等の天然繊維又は再生繊維等から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。また、これらの繊維を用いてトリコット編やリブ編等により成形されてなるものであってもよい。
なお、下肢用装着体(Y)の大きさは、むくみ改善効果の観点から、脹脛貼付用ゲルシート(X)を覆うことができるように設計することが好ましい。具体的には長手方向に10cm以上60cm以下の長さ、周方向に5cm以上40cm以下の長さを有していることが好ましく、表面積は50〜2000cm2以上となるように設計することが好ましい。
また下肢用装着体(Y)は、少なくとも下腿の一部を被覆し、被覆部位の200%伸長時の引張強度が0.5〜25N/50mmである。このように、被覆部位が所定の引張強度を有することにより、下腿が担う筋ポンプ作用を増強させて静脈還流量を増大させ、下腿のむくみを有効に軽減させることができ、さらに脹脛貼付用ゲルシート(X)とも相まって、一層むくみ改善効果を増強させることができ、また予想外にも、脹脛から離間した部位である足先まで血行促進効果を有効に及ぼすことが可能となり、足先の冷えを効果的に抑制することができる。
下肢用装着体(Y)を装着した際における、200%伸長時の引張強度0.5〜25N/50mmの被覆部位の着圧は、およそ3〜50hPaである。ここで、着圧とは、下肢用装着体(Y)を装着(着用)した際に、下肢用装着体(Y)から所定の部位にかかる圧力を指す。
本発明の下肢用装着体(Y)は、むくみ改善効果を高める観点から、少なくとも脹脛から足首までを被覆することが好ましく、足首を被覆する部位の200%伸長時の引張強度が1〜25N/50mmであって脹脛を被覆する部位の引張強度を超えることがより好ましい。
このように、所定の引張強度を有する足首を被覆する部位が脹脛を被覆する部位よりも強い引張強度にすることにより、脹脛が担う筋ポンプ作用をさらに増強させて静脈還流量を増大させ、下腿のむくみを一層有効に軽減させることができ、さらに脹脛貼付用ゲルシート(X)とも相まって、一層むくみ改善効果を増強させることができる。また、このように足首を被覆する部位と脹脛を被覆する部位とで引張強度の強弱が付与されることにより、脹脛に貼付されてなる脹脛貼付用ゲルシート(X)が予想外にも脹脛から離間した部位である足先まで血行促進効果をさらに有効に及ぼすことが可能となり、足先の冷えを効果的に抑制することができる。
下肢用装着体(Y)を装着した際における、200%伸長時の引張強度1〜25N/50mmの足首を被覆する部位の着圧は、およそ5〜50hPaである。ここで、着圧とは、下肢用装着体(Y)を装着(着用)した際に、下肢用装着体(Y)から所定の部位にかかる圧力を指す。
なお、下肢用装着体(Y)における、脹脛を被覆する部位の引張強度は、むくみ改善効果の観点から、具体的には足首を被覆する部分の200%伸長時の引張強度より5〜40%低いもの、すなわち足首を被覆する部分の200%伸長時の引張強度を基準100%として、これよりも5〜40%低い脹脛を被覆する部位の引張強度であるのが好ましく、また足首を被覆する部位から脹脛を被覆する部位に至るまで、引張強度が段階的に低下するよう設計されてなるのが好ましい。
また、下肢用装着体(Y)を装着した際における、足首を被覆する部分の200%伸長時の引張強度より5〜40%低い引張強度の脹脛を被覆する部位の着圧は、およそ3〜45hPaである。
下肢用装着体(Y)は、下腿のむくみの改善効果を高める観点から、足首を被覆する部位の200%伸長時の引張強度は、6〜25N/50mmがより好ましく、8〜15N/mがさらに好ましい。この場合、下肢用装着体(Y)を装着した際における、引張強度6〜25N/50mmの足首を被覆する部位の着圧は、およそ20〜50hPaであり、足首を被覆する部分の200%伸長時の引張強度より5〜40%低い引張強度である脹脛を被覆する部位の着圧は、およそ13〜45hPaである。また引張強度8〜15N/50mmの足首を被覆する部位の着圧は、およそ25〜40hPaであり、足首を被覆する部分の200%伸長時の引張強度より5〜40%低い引張強度の脹脛を被覆する部位の着圧は、およそ15〜35hPaである。
下肢用装着体(Y)は、足先の冷えを効果的に抑制する観点、又は良好な快適感をもたらす観点から、足首を被覆する部位の200%伸長時の引張強度は、1〜6N/50mmがより好ましく、2〜5N/mがさらに好ましい。この場合、下肢用装着体(Y)を装着した際における、引張強度1〜6N/50mmの足首を被覆する部位の着圧は、およそ5〜20hPaであり、足首を被覆する部分の200%伸長時の引張強度より5〜40%低い引張強度である脹脛を被覆する部位の着圧は、およそ3〜19hPaである。また引張強度2〜5N/50mmの足首を被覆する部位の着圧は、およそ6〜18hPaであり、足首を被覆する部分の200%伸長時の引張強度より5〜40%低い引張強度の脹脛を被覆する部位の着圧は、およそ4〜16hPaである。このように、本発明のセルフケアキットは、下肢用装着体(Y)の引張強度を過度に高めることなく、装着時における着圧感が不要に増大するのを回避しながら着脱の負荷を軽減したとしても、優れた足先の冷えの抑制効果と良好な快適感を享受することができる。
また、下肢用装着体(Y)は、足先の冷えの抑制効果および使用感を担保しつつも、さらに良好な下腿のむくみ改善効果を兼ね備える観点から、足首を被覆する部位の200%伸長時の引張強度は6〜25N/50mmが好ましく、脹脛を被覆する部位の200%伸長時の引張強度が足首を被覆する部分の200%伸長時の引張強度より5〜40%低いものがより好ましく、足首を被覆する部位の200%伸長時の引張強度が8〜15N/mであって、脹脛を被覆する部位の200%伸長時の引張強度が足首を被覆する部分の200%伸長時の引張強度より5〜40%低いものがさらに好ましい。このように、本発明のセルフケアキットは、下肢用装着体(Y)の優れた足先の冷えの抑制効果と良好な快適感を保ちつつ、さらに良好なむくみの改善効果を享受することができる。
なお、下肢用装着体(Y)の引張強度(N/m)とは、下肢用装着体(Y)の伸長前の長さに対し、周方向に200%の長さに伸ばすのに要する力の強さのことを意味する。ここでいう下肢用装着体(Y)の周方向とは、下肢用装着体(Y)を装着した際に、地面に対して垂直に起立した状態で、地面に対して平行な面に沿った方向をいう。下肢用装着体(Y)の引張強度(N/m)を測定するには、具体的には引張試験機(テンシロン(ORIENTEC製))を用いて測定される。試験片は、下肢用装着体(Y)を周方向に150mm、長手方向に50mmの矩形に切り出して試験片を作製し引張試験機(テンシロン(ORIENTEC製))を用いて、把持長100mm、かつ引張速度500mm/minで引張試験を行ったときの引張強度の値を測定する。
また、下肢用装着体(Y)の着圧(hPa)とは、実際に下肢用装着体(Y)をヒトの下肢に装着して、下肢用装着体(Y)と皮膚との間にエアパックセンサー(受圧部サイズ:Φ20)を設置したときに、接触圧測定器(AMI社製))を用いて測定される接触圧の値を意味する。
下肢用装着体(Y)は、脹脛貼付用ゲルシート(X)が下肢用装着体(Y)に覆われるように装着して用いる場合は、本発明のセルフケアキットの使用性を高める観点から、下肢用装着体(Y)における下腿を被覆する部位の内壁表面に、脹脛に貼付する前の脹脛貼付用ゲルシート(X)を配置するための位置決め機構を有していてもよい。これにより、下肢用装着体(Y)の脹脛を被覆する部位に、予め脹脛貼付用ゲルシート(X)を貼付して一体化させておくこともでき、装着を簡略化することが可能となる。
本発明のセルフケアキットを使用するにあたっては、具体的には、例えば、まず脹脛貼付用ゲルシート(X)を脹脛の皮膚に貼付する。脹脛貼付用ゲルシート(X)が包装ピローに格納されている場合には、これを開封して脹脛貼付用ゲルシート(X)を取り出し、皮膚への貼付面に剥離層が設けられている場合は、これを剥離した後、速やかに脹脛の皮膚に貼付する。
次いで、下肢用装着体(Y)を下腿に装着する。下肢用装着体(Y)を脹脛に装着する場合、脹脛を被覆する部位では、脹脛の皮膚の上に貼付用ゲルシート(X)が配置し、かかる貼付用ゲルシート(X)の上面に下肢用装着体(Y)が配置すればよく、貼付用ゲルシートの剥がれ落ちを防止する観点では、下肢用装着体(Y)が貼付用ゲルシート(X)を全て覆い尽くすよう装着すればよい。
このように、本発明のセルフケアキットは、かかるセルフケアキットが備える脹脛貼付用ゲルシート(X)を脹脛に貼付し、かつ下肢用装着体(Y)を少なくとも下肢の一部に装着するのみという簡潔な使用態様にて、効果的に下腿のむくみと足先の冷えをともに改善することができる。したがって、かかるセルフケアキットは、雑貨品又は医療用器具として用いることができ、なかでも下腿のむくみ及び足先の冷えの抑制するための医療用器具として用いるのが好ましい。
以下、本発明について、実施例に基づき具体的に説明する。なお、表1中に特に示さない限り、各成分の含有量は質量%を示す。
[ゲルシート(X)の作製]
表1に示す処方にしたがって未架橋状態の含水ゲル原液を調製した後、ゲルシートを作製した。具体的には、コハク酸水溶液にカルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、水酸化アルミニウム、グリセリン、パラオキシ安息香酸メチルを配合して混練機に投入した。その後、ゲルシートXAはプロピレングリコール、ゲルシートXBはTRPM8アゴニストであるメントール及びトリ(カプリル酸・カプリン酸)グリセリル(花王製)を加温溶解させたプロピレングリコールを加えて混合し、未架橋ゲルを調製した。得られた未架橋ゲルをポリエチレンフィルムと不織布との間に挟み込み、ベーカー式アプリケーターにより、含水ゲルの厚さが1mmとなるように展延した。さらに、室温25℃で7日間熟成させることで含水ゲルをイオン架橋反応させ、架橋したゲルシートを得た。得られたゲルシートを矩形(面積100cm2)に型抜きしてアルミピローに入れた。
次いで、ゲルシートXA及びXBは、ピロー中の大気を炭酸ガスに90%以上置換した後に封入し、ゲル中の炭酸ガス濃度を約1000ppmとし、5日間保持したものを用いた。
Figure 2020059661
[装着体(Y)の準備]
装着体(Y)として、以下に示す装着体(YA)、(YB)及び(YC)を準備した。
装着体(YA)及び(YB)は、足首から膝下部周囲を収納し、足首部を収納する第1収納部、第1収納部の上に位置し、脹脛および脛部を収納する第2収納部、第2収納部の上に位置し、ひざ下部を収納する第3収納部で構成される。装着体(YC)は、脹脛及び脛部を収納する部分のみで構成される。装着体(Y)の編糸に使用する通常のカバリング糸(FTY)は太さが20〜160デニールのポリウレタンを芯糸とし、嵩高加工糸(ウーリーナイロン糸)を巻き付けた糸を使用する。装着体(YA)及び(YB)は、その編目が第2収納部から第1収納部に向かって段階的に小さくなるように、編機の度目を調整しながら編成した。ここで、第2収納部から第1収納部に向かって段階的に小さくなるとは、1例としては第2収納部を第3収納部側、中心部、第1収納部側の領域の3領域に均等に分割した際に、各部位の引張強度が第1収納部>第2収納部の第1収納部側>第2収納部の中心部>第2収納部の第3収納部側となるように設計することを指す。
以下に、装着体(YA)、装着体(YB)及び装着体(YC)に関する200%伸長時の引張強度を示す。引張強度が大きいほど、各部位における着圧が大きいことを示している。なお、装着体(YA)及び装着体(YB)については、足首の周囲を被覆する部位である第1収納部の引張強度は、構成体端部の折返し部を除く第1収納部の足首側から上の第1収納部位を周方向に150mm、長手方向に50mmの矩形に切り出して作成した試験片の引張強度の値を測定することにより測定される値を意味し、脛から脹脛にかけての周囲を被覆する部位である第2収納部の引張強度は、第2収納部の周方向における中間の部分を、周方向に150mm、長手方向に50mmの矩形に切り出して作成した試験片の引張強度の値を測定することにより測定される値を意味する。また、装着体(YC)については、周方向における中間の部分を、周方向に150mm、長手方向に50mmの矩形に切り出して作成した試験片の引張強度の値のみを測定した。
装着体(YA):脛から脹脛にかけて周囲を被覆する部位である第2収納部の引張強度は2N/50mmであり、足首の周囲を被覆する部位である第1収納部の引張強度は2.2N/50mmであり、脹脛を被覆する部位の200%伸長時の引張強度は足首を被覆する部分の200%伸長時の引張強度より10%低い
装着体(YB):脛から脹脛にかけて周囲を被覆する部位である第2収納部の引張強度は8N/50mm、足首の周囲を被覆する部位である第1収納部の引張強度は10N/50mmであり、脹脛を被覆する部位の200%伸長時の引張強度は足首を被覆する部分の200%伸長時の引張強度より20%低い
装着体(YC):脛から脹脛にかけて周囲を被覆する部位のみからなる装着体であり、引張強度は10N/50mmで均一の引張強度を有する。
[実施例1〜5、比較例1〜6]
表2〜5に示す構成にしたがって、適宜ゲルシート(X)及び装着体(Y)を用いてキットを作製した後、得られたキットを用いて下記基準にしたがって各評価を行った。
結果を表2〜5に示す。
[下腿におけるむくみの誘発]
各キットの構成にしたがってゲルシート(X)及び/又は装着体(Y)を適用する前に、予めモデルの下腿に負荷をかけてむくみを誘発させた。
具体的には、各モデルに対し、24.5℃±1℃、相対湿度RH50%の環境下で10分間仰臥位(ぎょうがい)の姿勢を保持させ(馴化)、次いで30分間不動で立位(負荷)を保持させた後、以下に示す各評価を行った。
[ゲルシート(X)及び/又は装着体(Y)の適用]
むくみを誘発させた各モデルの下腿に対し、各キットの構成にしたがって、ゲルシート(X)又は装着体(Y)のみを適用し、或いはゲルシート(X)と装着体(Y)とを併用して適用した。
ゲルシート(X)のみを適用する場合、アルミピローを開封して速やかにゲルシート(X)を脹脛に貼付した。
装着体(Y)のみを適用する場合、装着体(Y)を足先から徐々に伸張させながら装着した。
これらゲルシート(X)と装着体(Y)を併用して適用する場合、まずはゲルシート(X)が封入されたアルミピローを開封し、速やかにゲルシート(X)を脹脛に貼付した後、貼付されたゲルシート(X)ごと包み込むように、装着体(Y)を足先から徐々に伸張させながら装着した。
これらゲルシート(X)又は装着体(Y)のみ、或いはゲルシート(X)と装着体(Y)を下腿に装着し、座位にて30分間適応した後、下記基準に従って各評価を行った。結果を表2に示す。
[下腿のむくみ改善効果の評価]
各キットの構成にしたがったゲルシート(X)及び/又は装着体(Y)の適用前後における、モデルの下腿中の左右のひざ下から足首に至るまでの体積変化量を求め、むくみ改善効果についての評価の指標とした。
なお、下腿中のひざ下とは、膝蓋靭帯が脛骨粗面に接する部分を指すものとし、下腿中の足首とは、下腿の周囲長が最小になる部位を指すものとした。
具体的には、非接触式高精細三次元データ測定器3DスキャナVOXELAN(浜野エンジニアリング製)を用いて下肢の立体画像を測定し、次に3D Measure Workshop (浜野エンジニアリング製)を用いて、左右双方の下腿におけるひざ下〜足首(下腿最小)までの体積を解析して、下記の式(1)により下腿体積変化量を求めた。下腿体積変化量が正の値として大きいほどむくみが改善することを示す。
下腿体積(負荷後)−下腿体積(回復後)=下腿体積変化量・・・・(1)
なお、表2には、下腿体積変化量の左右の平均値を記載した。
[足先の冷え抑制効果の評価]
各キットの構成にしたがったゲルシート(X)及び/又は装着体(Y)の適用前後における、モデルの足先の皮膚温変化を調べた。
具体的には、赤外線サーモグラフィカメラInfReC R300(日本アビオニクス製)にて足裏の皮膚温を測定した後、解析ソフトInfRec Analyzer NS9500 Standard(日本アビオニクス製)にて左右双方の足指5本の皮膚温の平均値を求め、これを足先皮膚温とし、足先の冷え抑制効果の評価の指標とし、下記の式(2)により足先皮膚温変化量を求めた。足先皮膚温変化量の絶対値が大きいほど、足先の冷えが抑制されていることを表す。
足先皮膚温(負荷後)−足先皮膚温(回復後)=足先皮膚温変化量・・・・(2)
なお、足先皮膚温変化量は、左右の双方の足先における平均値をデータとして記載した。
[快適感の評価]
各キットの構成にしたがったゲルシート(X)及び/又は装着体(Y)の適用前後における、「使用中の足の心地良さ」「使用後の足のすっきり感」「使用後の足の動かしやすさ」「使用後の足の疲れ」「使用後、足全体の血行がよくなった感じ」の5項目について5段階評価にて評価し、専門パネラー3名の平均値を求めた。次いで、これら5項目の合計値を求めて快適性の総合評価の指標とした。
かかる値が大きいほど、もたらされる快適感に優れることを示す。
<使用後の心地良さ>
4:非常に心地よい、
3:心地よい
2:やや心地よい
1:わずかに心地よい
0:心地よくない
<使用後の足のすっきり感>
4:非常にすっきり
3:すっきり
2:ややすっきり
1:わずかにすっきり
0:使用前と変わらない
<使用後の足の動かしやすさ>
4:非常に動かしやすい
3:動かしやすい
2:やや動かしやすい
1:わずかに動かしやすい
0:使用前と変わらない
<使用後の足の疲れ>
4:完全に疲労感がとれた
3:疲労感がとれた
2:やや疲労感がとれた
1:わずかに疲労感がとれた
0:使用前と変わらない、もしくは使用前より悪い
<使用後の足全体の血行>
4:非常によくなった感じ
3:よくなった感じ
2:ややよくなった感じ
1:わずかによくなった感じ
0:使用前と変わらない
Figure 2020059661
表2の結果から、炭酸ガスを含有するゲルシート(XA)及び装着体(YA)を併用する実施例1、ゲルシート(XA)及び装着体(YB)を併用する実施例3は、装着体(YA)を単独で使用する比較例2、装着体(YB)を単独で使用する比較例3、ゲルシート(XA)を単独で使用する比較例5と比較して、下腿体積変化量よりむくみの改善効果、及び使用感が優れていることがわかる。また炭酸ガス及びメントールを含有するゲルシート(XB)と装着体(YA)を併用する実施例2、ゲルシート(XB)と装着体(YB)を用いた実施例4では、さらに優れた効果が得られる。
一方、炭酸ガス及びメントールを含有するゲルシート(XB)を単独使用した比較例4は、ある程度のむくみ改善効果は見られるものの、実施例には及ばない結果となった。
Figure 2020059661
表3の結果より、炭酸ガスを含有するゲルシート(XA)と装着体(YA)を併用する実施例1、ゲルシート(XB)と装着体(YA)を併用する実施例2は、装着体(YA)を単独で使用した比較例2と比較して、足先の冷えを大きく抑制できていることがわかる。
Figure 2020059661
表4の結果より、炭酸ガスを含有するゲルシート(XA)と装着体(YB)を併用する実施例3、ゲルシート(XB)と装着体(YB)を併用する実施例4は、装着体(YB)を単独で使用した比較例3と比較して、足先の冷えを大きく抑制できていることがわかる。
Figure 2020059661
表5の結果より、ゲルシート(XB)と装着体(YC)を併用する実施例5は、装着体(YC)を単独で使用した比較例6と比較して、足先の冷えを大きく抑制できていることがわかる。

Claims (8)

  1. 次の(X)〜(Y):
    (X)炭酸ガス(a)及び水(b)を含有する脹脛貼付用ゲルシート
    (Y)少なくとも下腿の一部を被覆し、被覆部位の200%伸長時の引張強度が0.5〜25N/50mmである、筒状又は袋状の下肢用装着体
    を備える、下肢のセルフケアキット。
  2. 下肢用装着体(Y)が、少なくとも脹脛から足首までを被覆し、かつ足首を被覆する部位の200%伸長時の引張強度が1〜25N/50mmであって、脹脛を被覆する部位の引張強度を超える請求項1記載のセルフケアキット。
  3. 脹脛貼付用ゲルシート(X)中の炭酸ガス(a)含有量が、100〜15000ppmである請求項1又は2に記載のセルフケアキット。
  4. 脹脛貼付用ゲルシート(X)が、さらにTRPM8アゴニスト(c)を含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載のセルフケアキット。
  5. 脹脛貼付用ゲルシート(X)中のTRPM8アゴニスト(c)の含有量が、0.15〜3質量%である請求項1〜4のいずれか1項に記載のセルフケアキット。
  6. 脹脛貼付用ゲルシート(X)が、さらに油剤(d)を含有する請求項1〜5のいずれか1項に記載のセルフケアキット。
  7. 装着体(Y)において、脹脛を被覆する部位の引張強度が、足首を被覆する部位の200%伸長時の引張強度より5〜40%低い請求項2〜6のいずれか1項に記載のセルフケアキット。
  8. 下腿のむくみと足先の冷えの改善用である請求項1〜7のいずれか1項に記載のセルフケアキット。
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