以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。なお、本実施形態では、バランスボード及び携帯端末装置の両方を備える運動システムを例に挙げて説明する。
〔運動システムSysの概要〕
図1は、本実施形態における運動システムSysを使用したバランス運動の一例を示す概略図である。
図1は、ユーザU(使用者の一例)が、運動システムSysを使用したバランス運動(以下、単に「バランス運動」とも称する)を行う場合の一例である。運動システムSysは、バランスボードBB、及び携帯端末装置50(端末装置の一例)を備える。
この図では、ユーザUは、携帯端末装置50が載置されたバランスボードBBの上に乗り、バランスを取っている。この図において、互いに直行するX軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向は、それぞれ、バランスボードBBの幅方向、奥行方向、高さ方向である。
バランスボードBBは、ボード部Bを備える。ボード部Bの上面Baは、楕円形状である。ここで、楕円形状の楕円の長軸方向が幅方向であり、短軸方向が奥行方向である。つまり、上面Baは、幅方向の長さL1が奥行方向の長さL2よりも長く形成されている。高さ方向は、上面Baの法線方向であり、ボード部Bの厚さ方向に対応する。図1に示すバランスボードBBの使用状態において、幅方向は、ユーザUの両足又は両肩が並ぶ方向であり、ユーザUの身体の側面方向、横方向又は左右方向に対応する。この使用状態において、奥行方向は、ユーザUの身体の前後方向に対応し、高さ方向は、ユーザUの身体の上下方向に対応する。
バランスボードBBは、アタッチメントCをさらに備える。アタッチメントCは、ボード部Bの厚さ方向(Z軸方向)から見てボード部Bの中央に、ボード部Bの下側から突出するように脱着可能に取り付けられる。バランスボードBBは、アタッチメントCが床面S側に向くように、バランスボードBBを床面S上に設置して使用される。ユーザUは、幅方向において、中央領域の両側にそれぞれ自身の足を乗せてバランスを取るバランス運動を行う。すなわち、ユーザUは、床面SとアタッチメントCとの接触部分を支点とする揺動を抑制するようにバランスを取る。ユーザUは、身体を鍛えるために、ボード部Bの縁が床面Sに接触しないようにバランス運動を行う。これにより、ユーザUはバランス感覚や体幹等を鍛えることができる。
携帯端末装置50は、例えばスマートフォンである。スマートフォンは、表示部51とセンサを備える板状の端末装置である。携帯端末装置50は、ユーザUがバランス運動を行うときに、ボード部Bの上面Baの中央領域に載置される。このとき、表示部51は、ボード部Bの上側に向けられる。これにより、ユーザUは、バランス運動しながら下を向くだけで、表示部51を見ることができる。また、携帯端末装置50が載置されている中央領域は、ユーザUの頭部の真下に位置する。これにより、ユーザUは、表示部51を見る際に真下に顔を向ければよく、横方向に顔を向けたり頭を動かしたりしなくてもよい。したがって、バランスボードBBは、ユーザUが表示部51を見るために、幅方向のバランスを崩すことを抑制できる。
携帯端末装置50は、内蔵したセンサにより、自装置の傾き量を示す傾き情報を表示する。ここで、携帯端末装置50は、バランスボードBBに載置されることで、自装置の傾き情報をバランスボードの傾き情報として、表示部51に表示することができる。これにより、運動システムSysは、ユーザUのバランスボードBBを用いたバランス運動を支援する。
ボード部Bには、その上面Baに対して突出する突出部11が設けられている。突出部11は、ボード部Bの上面Baの中央領域に載置される携帯端末装置50を囲む。これにより、突出部11は、バランス運動の際に、上面Baが水平に対して傾いた場合でも、携帯端末装置50がバランスボードBBから滑り落ちることを抑制する。また、突出部11は、例えば上面Baが水平に対して傾いた場合に、ユーザUの足が携帯端末装置50の側面に当たることを抑制する。突出部11が上面Baに対して突出していることで、ユーザUに対して突出部11を踏まないように意識させ、ユーザUが足で携帯端末装置50を踏んでしまうことを抑制する。仮にユーザUが携帯端末装置50を踏んでしまったとしても、突出部11がユーザUの加重を受けるため、突出部11を設けていない場合と比較して、携帯端末装置50にかかる力を軽減させる。このように、バランスボードBBは、載置された携帯端末装置50を破損から保護することができる。
〔バランスボードBB〕
図2は、本実施形態におけるバランスボードBBの斜視図である。バランスボードBBは、ボード部Bを備えている。さらに、ボード部Bは、ボード部Bの上面Baの中央領域に載置される携帯端末装置50を囲む突出部11を備えている。つまり、バランスボードBBは、ボード部Bの上面Baの中央に設けられた突出部11により、独創性の高い意匠を実現している。つまり、バランスボードBBは、携帯端末装置50を囲む突出部11を上面Baから突出させたことで携帯端末装置50を破損から保護しつつ、携帯端末装置50と連動したバランス運動をユーザUに提供できるという新しいコンセプトに基づく意匠となり得る。この観点においては、ボード部Bの全体形状や、上面Baに設けられた後述する突起部14の形状や個数は、上記の独自の意匠性に関与しない部分である。この図において、図1と同様に、互いに直行するX軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向は、それぞれ、バランスボードの幅方向、奥行方向、高さ方向である。
ボード部Bの上面Baは、楕円形状に形成されている。上面Baは、楕円の長軸である第1長軸MA1又は楕円の短軸である第1短軸MB1に対して、線対称となる形状でもある。第1長軸MA1の長さL1(長径)は、例えば、想定するユーザの足幅(一般的の足幅の平均値)の4倍以上で6倍以内である。これにより、ユーザUに対して、両足を足幅1つ分程度広げた状態でバランス運動をさせることができる。また、第1短軸MB1の長さL2(短径)は、想定するユーザの足長(一般的の足長の平均値)の1倍以上で2倍以内である。つまり、バランスボードBBは、足を載せる領域が、幅方向に広く、奥行方向に狭い。
なお、本発明の上面Baは、楕円形状に限らず、長円形状、矩形形状、又はひし形形状であってもよい。つまり、上面Baの形状は、幅方向(第1方向の一例)における長さL1(第1長さの一例)が、奥行方向(第2方向の一例)における長さL2(第2長さの一例)よりも長い形状である。また、上面Baの形状は、上面Baの形状の中心又は重心を通り、幅方向に平行な軸である第1長軸MA1、又は、奥行方向に平行な軸である第1短軸MB1に対して、線対称又は略線対称となる形状でもある。ここで、略線対称となる形状は、上面Baが第1長軸MA1又は第1短軸MB1に対して、若干非対称となる形状も含むことを意味する。
バランスボードBBは、載置部12を備える。載置部12は、ボード部Bの上面Baの中央領域に設けられている。載置部12は、携帯端末装置50が載置される載置面12aを有する。板状の携帯端末装置50は、その裏面(表示部51と反対の面)を載置面12aに接した状態で載置される。換言すれば、載置面12aは、携帯端末装置50の裏面と接する面である。
載置面12aは、ボード部Bの上面Baに平行又は略平行である。略平行とは、載置面12aが、ボード部Bの上面Baに対して、若干傾斜することを含む。載置面12aの形状は、携帯端末装置50の平面視形状に対応する長方形状に形成されている。載置面12aは、第2長軸MA2と第2短軸MB2に対して、線対称となる形状でもある。
平面視した載置面12aの長辺と短辺の長さは、例えば、平面視した携帯端末装置50の短辺と長辺よりも、数mmから数cm長い。ただし、バランスボードBBでは、ユーザUが自身の携帯端末装置50を用いるので、様々な大きさの携帯端末装置50が載置されることが想定される。したがって、載置面12aの長辺と短辺の長さは、想定する携帯端末装置50のうち、最も長い長辺と短辺の長さよりも、数mmから数cm長い。例えば、載置面12aの長辺(第2長軸MA2の長さも同じ)は、160mmから180mmであり、短辺(第2短軸MB2の長さも同じ)は、80mmから100mmである。
載置面12aの長辺及び第2長軸MA2は、バランスボードBBの奥行方向及び第1短軸MB1に平行である。一方、載置面12aの短辺及び第2短軸MB2は、バランスボードBBの幅方向及び第1長軸MA1に平行である。
これにより、携帯端末装置50が載置された場合、その長辺がバランスボードBBの奥行方向と平行になり、短辺が幅方向と平行になる。したがって、ユーザUは、図1に示す使用状態のようにバランスボードBBに乗った場合に、視覚の上下方向と左右方向が、携帯端末装置50の表示部51の鉛直方向と水平方向と一致する。つまり、ユーザUは、携帯端末装置50の表示を見易くなる。この場合には、携帯端末装置50は、縦表示、つまり、表示部51の垂直方向を上下方向とする表示が好適である。
なお、載置面12aは、その長辺及び第2長軸MA2がバランスボードBBの幅方向及び第1長軸MA1に平行であり、その短辺及び第2短軸MB2がバランスボードBBの奥行方向及び第1短軸MB1に平行であってもよい。この場合には、携帯端末装置50は、横表示、つまり、表示部51の水平方向を上下方向とする表示が好適である。
このように、バランスボードBBは、その上面Baの形状に異方性を持たせ、それによるユーザUの使用状態において、バランス運動中のユーザUが見易い方向に、携帯端末装置50が載置されるよう、載置面12aの形状や方向を定めている。また、表示部51の表示(後述するアプリ画面)も、上下方向を定めて固定することもできる。
載置部12には、凹部12Bが載置面12aの中央に、且つ載置面12aから窪んで形成されている。凹部12Bは、外部センサを収容する収容部である。収容部を設けることで、センサを内蔵しない携帯端末装置にも対応する。なお、センサを内蔵した携帯端末装置50の使用に限定すれば、凹部12Bはなくてもよい。
突出部11は、前述したように、載置部12の周囲において、ボード部Bの上面Baに対して突出する。載置部12の周囲とは、載置面12aの周縁に沿って延びて、載置面12aを囲む領域である。
突出部11は、2つの長辺突出部11A,11B及び2つの短辺突出部11C,11Dが一体に形成されている。各長辺突出部11A,11Bは、それぞれ、載置面12aの各長辺に沿った方向に延びている。各短辺突出部11C,11Dは、それぞれ、載置面12aの各短辺に沿った方向に延びている。
長辺突出部11A,11B及び短辺突出部11C,11Dは、それぞれ、載置部12に携帯端末装置50を載置した状態で、携帯端末装置50の四方の各側面50wに対向する壁面11wを含んで構成されている。つまり、突出部11は、載置部12に携帯端末装置50を載置した状態で、携帯端末装置50の四方の側面50wのそれぞれと対向する4つの壁面11wを含んで構成されている。なお、長辺突出部11A,11B及び短辺突出部11C,11Dの一部又は全部は、一体に形成されていなくてもよい。
短辺突出部11Dは、2つの辺分割突出部11D1,11D2によって構成されている。2つの辺分割突出部11D1,11D2は、載置面12aの短辺の方向に、手指を入れられる程度の間隔をあけて形成されている。
辺分割突出部11D1と11D2の間隔は、短辺突出部11Dの長手方向の中間に位置している。この間隔は、手指の幅よりも大きく、例えば、20mm以上で25〜35mmが好適である。また、携帯端末装置50の側面50wに対向する辺分割突出部11D1と11D2の壁面11wの幅は、それぞれ少なくとも10mm以上が好適である。
バランスボードBBの高さ方向(Z軸方向)において、上面Baから上端11e(突出部の上部の一例)に至る上面Baを基準とした突出部11の高さは、2つの長辺突出部11A,11B及び2つの短辺突出部11C,11Dのそれぞれで同一である。なお、突出部11の上端11eは、図示例のような平坦な面(上面)として形成することが好適である。なお、突出部11が、少なくとも携帯端末装置50がバランスボードBBから滑り落ちることを抑制し得る範囲において、突出部11の上端11eは、平坦な面である必要はなく、例えば湾曲した曲面や凹凸面に形成されてもよく、デザイン性を出すための表面加工が上面に施されてもよい。
2つの辺分割突出部11D1,11D2の間には、ボード部Bの上面Baから突出しない非突出部13が設けられている。非突出部13は、一方の辺分割突出部11D1から他方の辺分割突出部11D2まで、載置面12aの周縁に沿って延びている。非突出部13の上端は、上面Baと同じ高さに位置するが、例えば上面Baよりも低く位置してもよい。これにより、突出部11は、2つの辺分割突出部11D1,11D2の間を除いて、載置面12aの周囲を囲んでいることとなる。換言すれば、突出部11は、載置面12aの周囲の全てを囲んでいない。
ボード部Bの上面Baのうち、載置部12を設けた中央領域や、突出部11を設けた載置部12の周囲の領域を除く領域のうち、外周側の縁領域の内側に位置する両足を乗せる足乗せ領域には、上面Baから突出する滑り止め用の複数の突起部14が形成されている。各突起部14は、上面Baの中央を中心とする弧状に、径方向に間隔をあけて形成されている。複数の突起部14は、上面Baで両足を乗せる位置の目印とすると共に、バランス運動中に両足が上面Ba上で滑ることを抑制する。また、突起部14は、突起部14が形成されない場合と比較して、ボード部Bの上面Baの強度を高める。なお、各突起部14の形状や配置は任意である。
図3は、本実施形態におけるバランスボードBBの分解斜視図である。バランスボードBBは、ボード部Bと、ボード部Bに着脱可能なアタッチメントCとで構成される。ボード部Bは、ボード本体B1と蓋部材B2とで構成される。蓋部材B2は、突出部11、載置部12及び非突出部13とで一体に形成されている。載置部12は、平面視で長方形に形成されている。ボード本体B1、蓋部材B2、及びアタッチメントCのそれぞれは、樹脂成形部品である。ボード本体B1の中央には、上面Ba側に開口した中空部21が形成されている。樹脂成形部品であるボード本体B1は、樹脂パーツが薄肉で成形されるため、外形形状に応じた窪みとなる中空部21が形成されることになる。
中空部21内には、第1補強構造23が設けられている。第1補強構造23は、中空部21の剛性を補強する構造である。第1補強構造23は、筒状部24及び複数の平板部25を備える。筒状部24は、中空部21の中央において中空部21の底部から上方に延びる。複数の平板部25は、それぞれ筒状部24の外周面から中空部21の内周面まで延びる。複数の平板部25は、中空部21及び筒状部24の周方向に間隔をあけて配列されている。第1補強構造23は、ボード本体B1に一体に形成される。
また、ボード本体B1の中央領域には、ボード本体B1の上面Baから窪む窪み部27が形成されている。窪み部27には、後述する蓋部材B2の一部を収容可能である。窪み部27の底面27aは、ボード本体B1の上面Baよりも低く位置する。窪み部27の底面27aは、平坦に形成され、ボード本体B1の上面Baに平行又は略平行である。窪み部27の底面27aの中央には、前述した中空部21が開口する。
窪み部27の底面27aには、中央に位置する中空部21から放射状に離れた位置に、4つの挿入孔29が形成されている。蓋部材B2を窪み部27に接合させる際に、4つの挿入孔29と、蓋部材B2に形成された4つの突起(不図示)とが嵌合する。これにより、ボード本体B1に開口した中空部21を蓋部材B2(特に載置部12を構成する部位)で塞ぐように、ボード本体B1と蓋部材B2とが固着され、ボード部Bとして一体となる。なお、4つの挿入孔29は、蓋部材B2を窪み部27に接合させる際に、蓋部材B2をボード本体B1に対して位置決めする役割を果たす。蓋部材B2がボード本体B1に固着されたとき、突出部11はボード本体B1の上面Baから突出する。
窪み部27は、ボード本体B1の上面Ba側から見て、載置部12の形状に対応する長方形状に形成されている。窪み部27の長辺は、載置部12の長辺に対応し、奥行方向(Y軸方向)に平行である。窪み部27の短辺は、載置部12の短辺に対応し、幅方向(X軸方向)に平行である。
アタッチメントCは、椀状に形成されている。アタッチメントCの開口端には、幅の細い溝C11が複数形成されている。溝C11には、深さの小さい第1溝C11Aと、第1溝C11Aよりも深さの大きい第2溝C11Bとがある。第1溝C11Aと第2溝C11Bとは、アタッチメントCの開口端の周方向に交互に配列されている。
図4(a)、(b)、(c)、(d)は、それぞれ本実施形態におけるバランスボードBBの(a)平面図、(b)正面図、(c)右側面図及び(d)底面図である。左側面図は右側面図と同様であるため図示していない。背面図は、短辺突出部11Cに非突出部13が無いことを除けば正面図と同様であるため図示していない。平面図は、バランスボードBBを上方側(Z軸正方向側)から見た図である。右側面図は、バランスボードBBを右側(X軸正方向側)から見た図である。正面図は、バランスボードBBを後方側(Y軸負方向側)から見た図である。底面図は、バランスボードBBを下方側(Z軸負方向側)から見た図である。
図4(a)の平面図に示すように、突出部11は、4つの隅部11F(載置部12の周囲の四隅の一例)を含んでいる。つまり、本実施形態では、4つの隅部11Fは、突出部11の部分的な領域である。各隅部11Fは、長辺突出部11A又は11Bのいずれか1つと、これに隣接する短辺突出部11C又は11Dのいずれか1つと、を接続してなる。4つの隅部11Fは、載置部12の周囲の四隅にそれぞれ位置する。各隅部11Fは、突出部11のうち、ボード部Bの上面Ba側から見た平面視で、L字状に形成された部位である。突出部11の4つの隅部11Fは、それぞれ載置部12に携帯端末装置50を載置した状態で、携帯端末装置50の隣接する2つの側面にそれぞれ対向する2つの壁面を有する。例えば、右側に位置する長辺突出部11Aと、前側に位置する短辺突出部11Cとを接続してなる隅部11Fは、携帯端末装置50の隣接する2つの側面にそれぞれ対向する2つの壁面11F1,11F2を有する。
図4(b)、(c)、(d)の正面図、右側面図及び底面図に示すように、ボード部Bのうち下方側に向く部位には、第2補強構造35が設けられている。ボード部Bのうち下方側に向く部位には、アタッチメントCをボード部Bに取り付けるための取付部36が形成されている。
第2補強構造35は、ボード部B(特にボード部Bの平坦な板状部分)の剛性を補強する構造である。第2補強構造35は、第1楕円形状リブ35A、第2楕円形状リブ35B、円形状リブ35C、及び複数の直線状リブ35Dを備える。第1楕円形状リブ35A、第2楕円形状リブ35B、円形状リブ35C、及び複数の直線状リブ35Dは、それぞれボード部Bの平坦な板状部分から下方に突出する。
取付部36は、ボード本体B1の平坦な板状部分から下方に突出する複数の取付用リブ36Aを備える。各取付用リブ36Aは、円形状リブ35Cの内周からボード部Bの径方向に延びている。複数の取付用リブ36Aは、ボード部Bの周方向に間隔をあけて配列されている。複数の取付用リブ36Aの突出高さは、互いに等しい。複数の取付用リブ36AがアタッチメントCの複数の第1溝C11A又は複数の第2溝C11Bにそれぞれ挿入されることで、アタッチメントCをボード部Bに取り付けることができる。なお、取付用リブ36Aが第1溝C11Aに挿入される場合には、第2溝C11Bに挿入される場合と比較して、ボード部Bの下方に突出するアタッチメントCの突出高さが高くなる。
図5は、本実施形態におけるバランスボードBBの断面図である。
図5(a)は図4のVa−Va矢視断面図である。図5(b)は図4のVb−Vb矢視断面図である。
図5に示すように、ボード本体B1には、ボード本体B1の平坦な板状部分に対して下方に突出する凸部B1Aが形成されている。バランスボードBBは、アタッチメントCをボード本体B1から取り外した状態でも、凸部B1Aが床面S側に向くように、バランスボードBBを床面S上に設置して使用できる。図3で示した中空部21は、凸部B1Aを含むボード本体B1を樹脂成形で製造する際に、成形不良が生じないように形成されている。
載置部12は、ベース部121と、滑り抑制シート122を備える。ベース部121は、ボード本体B1の窪み部27の底面27aに接合するように固着される。ベース部121には、載置部12の凹部12Bが形成されている。
滑り抑制シート122は、ベース部121の上面121aに重ねた状態で、インサート成形によってベース部121と一体に成形される。なお、滑り抑制シート122は、例えば接着等によってベース部121の上面121aに重ねた状態で固定されてもよい。滑り抑制シート122は、例えばベース部121の上面121aよりも摩擦係数が大きいゴムシートである。滑り抑制シート122は、載置部12の載置面12aを構成する。これにより、載置面12aは、これに載置される携帯端末装置50の滑りを抑制する。
なお、滑り抑制シート122の上面(載置面12a)には、凹凸が形成されていてもよい。凹凸によって、携帯端末装置50との摩擦力を大きくできる。
載置面12aは、突出部11の上端11eよりも低く位置し、且つ、ボード部Bの上面Baよりも低く位置する。バランスボードBBは、上面Baを基準とする突出部11の高さよりも厚みのある携帯端末装置50でも、突出部11から突出させることなく、載置部12に載置できる。
また、載置面12aは、非突出部13よりも低く位置する。つまり、滑り抑制シート122又はその側面は、非突出部13よりも低く位置する。これにより、ユーザUが、突出部11の隙間である非突出部13に手指を入れて、載置部12に載置した携帯端末装置50を取り出すときに、当該手指を滑り抑制シート122に引っ掛けてしまうことを抑制でき、滑り抑制シート122を損傷させることを軽減できる。
図5において、非突出部13は、ボード部Bの上面Baと同じ高さに位置するが、例えばボード部Bの上面Baよりも低く位置してもよい。
載置面12aを基準とする非突出部13の高さは、載置面12aに載置される携帯端末装置50の厚さ(例えば、6〜10mm)よりも小さく、例えば携帯端末装置50の厚さの2/3以下であってよい。これにより、2つの辺分割突出部11D1,11D2の間(非突出部13による突出部11の隙間の一例)を通じて、載置面12aに載置された携帯端末装置50の側面の一部を露出させることができる。
載置面12aを基準とする突出部11の高さは、想定する携帯端末装置50の厚さと同等以上である。すなわち、載置面12aに載置された携帯端末装置50の上部(表示面)は、高さ方向において、突出部11の上端11eから突出しない。ただし本発明はこれに限られず、その突出部11の高さは、携帯端末装置50の厚さよりも小さくてよい。
非突出部13の上端13aは、突出部11よりも載置面12aの縁から離れて位置する、すなわち、載置面12aに対して間隔をあけて位置する。また、非突出部13のうち載置面12a側に向く側面13hは、載置面12aの縁から非突出部13の上端13aまで傾斜して延びている。非突出部13の側面13hは、当該側面13hの傾斜角度が載置面12aから非突出部13に向かうにしたがって大きくなるように湾曲している。なお、非突出部13の上端13aは、図示例のような平坦な面(上面)として形成されてよいが、例えば湾曲した曲面や凹凸面に形成されてもよい。
非突出部13の上端13aが載置部12に対して間隔をあけて位置していることで、携帯端末装置50を載置部12上に載置した状態では、携帯端末装置50の側面が、非突出部13の上端13aに対して間隔をあけて位置する。このため、携帯端末装置50を載置部12から取り出す際に、ユーザUの手指を非突出部13の上端13aと携帯端末装置50の側面との間に入れて、携帯端末装置50の側面のうち載置面12aに近い領域まで届かせることができる。これにより、ユーザUの手指を携帯端末装置50の側面に引っ掛けやすくなり、載置部12に載置された携帯端末装置50を取り出しやすくすることができる。なお、滑り抑制シート122は、非突出部13の側面13hの一部または全部にも重なるように設けられてもよい。
なお、本実施形態のバランスボードBBにおいて、2つの辺分割突出部11D1,11D2の間には、非突出部13の代わりに、ボード部Bの上面Baから突出する低領域部(低領域の一例)が設けられてもよい。低領域部は、上面Baからの高さが突出部11よりも低い。すなわち、低領域部は、突出部11の上端11eよりも低く位置する。この場合、低領域部は、突出部11の一部として、上端11eよりも低い低領域を形成することとなる。
〔携帯端末装置50〕
次に、携帯端末装置50について説明する。
携帯端末装置50は、インストールされたバランスボードBB用のアプリケーション(以下、「バランスボードアプリ」と称する)を実行することにより、バランスボードBBを利用したバランス運動(バランス測定)の指示や運動結果(測定結果)を表示する。バランスボードアプリは、携帯端末装置50に内蔵されたセンサ(加速度センサなど)を利用して携帯端末装置50自身の傾き量を検出する。携帯端末装置50がバランスボードBBに載置された状態において、バランスボードアプリは、上記センサで検出された傾き量に基づいて、バランスボードBBの傾き量を示す傾き情報を生成する。そして、バランスボードアプリは、携帯端末装置50の表示部51に表示させる画面において、バランスボードBBの傾き情報を、極座標上の基準点(原点、中心点)からの距離と方向によって表示させる。つまり、バランスボードBBに載置された携帯端末装置50の表示部51は、バランスボードBBの傾き情報を表示可能である。以下では、バランスボードアプリによって表示部51に表示される画面のことを、「アプリ画面」と称する。
ここで、バランスボードアプリの機能について説明する。バランスボードBBを利用したバランス運動に必要な各種設定は、例えばバランスボードBB上に携帯端末装置50を載置する前にアプリ画面において行なうことができる。バランスボードアプリは、バランス運動を行うトレーニングに関する各種設定を行うアプリ画面を表示させ、ユーザUの操作に応じて各種の設定を行う。全ての設定が終了するとアプリ画面がトレーニング開始画面に遷移する。この画面が表示されたら、携帯端末装置50をバランスボードBB上の所定の位置に載置し、トレーニング(バランス運動)を開始することができる。以下、図6に示すアプリ画面の遷移図を参照して、バランスボードアプリにおける各種設定の流れについて説明する。
図6は、本実施形態に係る各種設定に関するアプリ画面の一例を示す遷移図である。この図の(a)、(b)、(c)、(d)に示す各種設定に関するアプリ画面のそれぞれは、(a)トレーニング方法の選択画面、(b)モードの選択画面、(c)ボードレベルの選択画面、(d)セーフティエリアのレベル選択画面を示している。バランスボードアプリは、ユーザUの操作に応じて(a)、(b)、(c)、(d)の順に画面遷移させる。以下、各アプリ画面について順に説明する。
(a)トレーニング方法の選択画面
バランス運動についてのトレーニング方法を選択する画面である。例えば、トレーニング方法には、「PRACTICE(プラクティス)」と「TIME TRIAL(タイムトライアル)」の2つのモードがある。「PRACTICE」は、バランスを養うためのものであり、バランスボードBBの傾きが所定の範囲を超えてもトレーニング(バランス運動)を継続できるモードである。「TIME TRIAL」は、バランス力を測定するものであり、バランスボードBBの傾きが所定の範囲を超えない状態でバランスボードBBに乗っていられる時間を測定できるモードである。上記の所定の範囲とは、バランスボードBBのバランスが取れている状態であると判定する傾きの範囲を示すものであり、以下では「セーフティエリア」と称する。図示するトレーニング方法の選択画面では、トレーニング方法の選択を促すテキスト情報と、「PRACTICE」を選択するための操作領域と、「TIME TRIAL」を選択する操作領域とが表示されている。バランスボードアプリは、いずれかの操作領域を選択する操作を受付けることにより、ユーザUにトレーニング方法を選択させる。トレーニング方法が選択されると、(b)モードの選択画面に遷移する。
(b)モードの選択画面
バランス運動の運動モードを選択する画面である。例えば、運動モードには、セーフティエリアが中心に設定される「CENTER MODE(センターモード)」と、セーフティエリアがランダムな位置に表示される「RANDOM MODE(ランダムモード)」の2つのモードがある。つまり、「CENTER MODE」は、バランスボードBBを地面と水平に保つモードである。「RANDOM MODE」は、ランダムに決まる方向にバランスボードBBを傾けた状態を保つモードである。図示するモードの選択画面では、モードの選択を促すテキスト情報と、「CENTER MODE」を選択するための操作領域と、「RANDOM MODE」を選択する操作領域とが表示されている。バランスボードアプリは、いずれかの操作領域を選択する操作を受付けることにより、ユーザUに運動モードを選択させる。運動モードが選択されると、(c)ボードレベルの選択画面に遷移する。
(c)ボードレベルの選択画面
バランスボードBBへのアタッチメントCの装着状態に応じてボードレベルを選択する画面である。ボードレベルとは、バランス運動の難易度に対応するレベルである。バランスボードBBへのアタッチメントCの装着状態に応じてバランスボードBBの傾きやすさが変わりバランス運動の難易度が変わる。ボードレベルには、「LEVEL1:初心者向け」と「LEVEL2:中級者向け」と「LEVEL3:上級者向け」の3種類がある。「LEVEL1:初心者向け」は、アタッチメントCを装着していない状態(取り外した状態)でバランスボードBBを使用する場合に選択するボードレベルである。このボードレベルは、バランスボードBBの下方への突出高さが最も低い状態であるためバランスボードBBの最大傾き量が小さく、トレーニング(バランス運動)をはじめたばかりの方向けである。「LEVEL2:中級者向け」は、アタッチメントCを深いスリット(図3に示す第2溝C11B)に挿入することにより装着した状態でバランスボードBBを使用する場合に選択するボードレベルである。このボードレベルは、アタッチメントCを装着していない状態よりはバランスボードBBの下方への突出高さが高くなり、バランス力がついてきた方向けである。「LEVEL3:上級者向け」は、アタッチメントCを浅いスリット(図3に示す第1溝C11A)に挿入することにより装着した状態でバランスボードBBを使用する場合に選択するボードレベルである。このボードレベルは、バランスボードBBの下方への突出高さがさらに高くなり、バランス力に自信のある方向けである。図示するボードレベルの選択画面では、ボードレベルの選択を促すテキスト情報と、「LEVEL1:初心者向け」を選択するための操作領域と、「LEVEL2:中級者向け」を選択する操作領域と、「LEVEL3:上級者向け」を選択する操作領域とが表示されている。バランスボードアプリは、いずれかの操作領域を選択する操作を受付けることにより、ユーザUにボードレベルを選択させる。ボードレベルが選択されると、(d)セーフティエリアのレベル選択画面に遷移する。
(d)セーフティエリアのレベル選択画面
セーフティエリアの大きさのレベルを選択する画面である。セーフティエリアのレベルには、「LEVEL1:初心者向け」と「LEVEL2:中級者向け」と「LEVEL3:上級者向け」の3種類がある。「LEVEL1:初心者向け」は、セーフティエリアが一番大きいレベルである。バランス力に自身がない方は、このレベルから始めることが推奨される。「LEVEL2:中級者向け」は、セーフティエリアの大きさが「LEVEL1:初心者向け」と「LEVEL3:上級者向け」との中間の大きさのレベルである。このレベルは、バランス力がついてきてある程度不安定な状態でもバランスが取れる方向けである。「LEVEL3:上級者向け」は、セーフティエリアが一番小さくもっとも難易度が高い上級者向けである。図示するセーフティエリアのレベル選択画面では、セーフティエリアのレベルの選択を促すテキスト情報と、「LEVEL1:初心者向け」を選択するための操作領域と、「LEVEL2:中級者向け」を選択する操作領域と、「LEVEL3:上級者向け」を選択する操作領域とが表示されている。バランスボードアプリは、いずれかの操作領域を選択する操作を受付けることにより、ユーザUにセーフティエリアのレベルを選択させる。セーフティエリアのレベルが選択されると、トレーニング方法、動作モード、トレーニングレベル(ボードレベル及びセーフティエリア)が確定する。つまり、2つのトレーニング方法と2つの動作モードとのそれぞれの組合せにおいて、ボードレベル3種×セーフティエリアレベル3種で9種類のレベルの選択が可能である。レベルの選択後は、バランス測定を開始できるアプリ画面(トレーニング開始画面)に遷移する。
図7は、本実施形態に係るトレーニング開始画面(START前)の一例を示す図である。図7の(a)に示すトレーニング開始画面は、トレーニングの開始前(トレーニング開始操作がされる前)に表示される画面であり、選択された運動モード、ボードレベル、及びセーフティエリアのレベルが表示される。図示する例では、「CENTER MODE」で、ボードレベルの選択が「LEVEL2」、セーフティエリアの選択が「LEVEL1」である。ユーザUは、携帯端末装置50をバランスボードBBの上面の中央領域に表示部51を上にして載置する。その後、バランスボードアプリは、STARTボタンGB51に対する操作を受付けると、バランス測定を開始する。また、バランスボードアプリは、ボタンGB52に対する操作を受付けた場合は、図6の(b)に示すモードの選択画面に遷移させ、各種設定のやり直しをさせる。
また、図7の(a)に示すトレーニング開始画面には、バランスボードBBの傾き情報として、当該傾きを示すポインターP51が極座標系で表示される。基準点K51は、極座標の中心(極)である。直線KXと直線KYとは、携帯端末装置50をバランスボードBBの上面の中央領域に載置したときに、図1、2などに示すX軸とY軸とに対応する。ポインターP51が基準点K51に位置する場合、バランスボードBBが水平状態であることを示す。また、バランスボードBBの傾きは、ポインターP51の基準点K51からの距離と直線KXまたは直線KYからの偏角とによって示され、バランスボードBBの傾き量が大きくなるほど、ポインターP51の位置は基準点K51から遠い位置に表示される。
また、基準点K51を中心とした円CR51、CR52、CR53のそれぞれは、セーフティエリアのレベルごとの範囲を示している。基準点K51からの半径が最も長い円CR51の範囲が、「LEVEL1:初心者」のセーフティエリアの範囲を示している。基準点K51からの半径が最も短い円CR53の範囲が、「LEVEL3:上級者向け」のセーフティエリアの範囲を示している。円CR51と円CR53との間の大きさの円CR52の範囲が、「LEVEL2:中級者向け」のセーフティエリアの範囲を示している。選択されたセーフティエリアが判別可能なように、セーフティエリアに対応する円の範囲が特定の色(例えば、緑色)や色の濃さ、階調(明暗)などの表示態様で表示される。この図では、セーフティエリアが「LEVEL1:初心者」であることを示し、円CR51の範囲がセーフティエリアとしての表示態様(例えば、緑色)で表示される。なお、この場合も、例えば、基準点K51に近いほど(より内側の円の範囲ほど)濃い色で表示されるようにしてもよい。なお、最も大きい円CR51の基準点K51からの半径は、バランスボードBBが最も傾いた状態の傾き量に対応する距離以下(または未満)に設定される。バランスボードBBが最も傾いた状態とは、バランスボードBBのボード(ボード部B)の端が地面に着いた状態である。
トレーニング開始画面において、ポインターP51は、バランスボードBBのバランス状態にあわせて極座標上を移動する。ポインターP51の極座標における位置が現在のバランスボードBBの傾きを示しているため、ポインターP51が極座標中心の基準点K51に近づくように(すなわち、バランスボードBBがほぼ水平になるように)、バランスボードの設置場所を選定する。なお、バランスボードBBの設置場所が水平であっても、バランスボードBBの上面に載置された携帯端末装置50が傾いている場合もある。例えば、携帯端末装置50が手帳型のケースに収容されている場合には少し傾いてしまうこともある。このように、ポインターP51が示す傾きは、バランスボードBBと携帯端末装置50の双方の傾きに影響する。よって、ここでは、「バランスボードBBの傾き」として説明するが、これには携帯端末装置50の傾きも含まれたものである。
また、トレーニング開始画面で、バランスボードBBが大きく傾いていると判断された場合(例えば、ポインターP51が所定の範囲(例えば、円CR51の範囲)を超えている場合)には、バランスボードアプリは、バランス測定を開始できない状態にしてもよい。図7の(b)は、ポインターP51が所定の範囲を超えた場合のトレーニング開始画面の一例を示す図である。図示する例では、ポインターP51が所定の範囲(例えば、円CR51の範囲)を超えており、バランス測定を開始するためのSTARTボタンGB51に対する操作を受付けない状態となっている。なお、バランスボードアプリは、この状態でSTARTボタンGB51に対する操作を受付けるようにして、当該操作を受付けた場合に、バランス測定を開始せずにバランスボードBBまたは携帯端末装置50が傾いていることを伝える情報、またはバランスボードBBまたは携帯端末装置50を水平にしてからSTARTボタンGB51に対して操作するように指示する情報等を表示させてもよい。この状態から、ポインターP51が所定の範囲(例えば、円CR51の範囲)内になると、バランスボードアプリは、再びSTARTボタンGB51に対する操作を受付け、当該操作を受付けるとバランス測定を開始する。
なお、バランスボードBBが大きく傾いていると判断される場合(例えば、ポインターP51が所定の範囲(例えば、円CR51の範囲)を超えている場合)には、携帯端末装置50が手帳型のケースに収容されていたるため載置面12aに対して水平に載置できなかったり、携帯端末装置50に内蔵されたセンサが傾けて取り付けられていたりすることがある。そのため、バランスボードアプリは、バランスボードBBが大きく傾いていると判断された場合であっても、STARTボタンGB51に対する操作を受付けるようにしてもよい。すなわち、バランスボードアプリは、トレーニング開始画面で、バランスボードBBが大きく傾いていると判断された場合であっても、STARTボタンGB51に対する操作を受付けることにより、バランス測定を開始してもよい。
図7に示すトレーニング開始画面(START前)において、STARTボタンGB51に対する操作を受付けることによりバランス測定が開始されると、図8に示すトレーニング開始画面(START後)に遷移する。
図8は、本実施形態に係るトレーニング開始画面(START後)の一例を示す図である。図8の(a)は、STARTボタンGB51に対する操作を受付けたときのトレーニング開始画面を示している。STARTボタンGB51に対する操作を受付けると、バランスボードアプリは、そのタイミングで加速度センサ等により検出された傾きの状態をバランスボードBBが水平な状態であるとみなし、当該検出された傾き量を初期傾き量とする校正(キャリブレーション)を行う。そのため、図8の(a)に示すトレーニング開始画面のように、上記校正が行なわれた場合に、ポインターP51を基準点K51の位置に移動する(元々ポインターP51が基準点K51の位置に表示されていた場合は、その位置のままとする)。以降は、加速度センサ等により検出された傾き量を上記の初期傾き量に基づいて補正した傾き量をバランスボードBBの傾き量とする。つまり、ポインターP51は、STARTボタンGB51に対して操作がされたタイミングの傾き状態が水平状態であるとみなして、その傾きからの差分に応じて極座標上を移動する。
このように、STARTボタンGB51に対する操作を受付ける前では、バランスボードアプリは、加速度センサ等により検出された傾き量に応じてポインターP51移動させる、一方、STARTボタンGB51に対する操作を受付けた後では、バランスボードアプリは、加速度センサ等により検出された傾き量を上記の初期傾き量に基づいて補正した傾き量(すなわち、STARTボタンGB51に対する操作を受付けたタイミングの傾き量を水平状態とみなして校正(キャリブレーション)した傾き量)に応じてポインターP51移動させる。よって、STARTボタンGB51に対する操作を受付ける前の傾き情報は、所謂水準器と同様であるが、STARTボタンGB51に対する操作を受付けた後の傾き情報は、STARTボタンGB51に対する操作を受付けたタイミングの傾き状態が水平状態であるとみなすため、所謂水準器とは異なる。また、トレーニング開始後は、初期傾き量で校正されるため、バランスボードBBの傾きの基準を実際の水平状態から意図的にずらした状態で、トレーニング(バランス運動)することも可能である。
バランスボードアプリは、上記校正を行うとともに、トレーニング開始までのカウントダウンを開始し、カウントダウンの秒数を画面の中央付近に表示させる。この図では、トレーニング開始まで3秒を切ったことを示す「3」が表示されている。例えば、カウントダウンの秒数は、予め設定された秒数(例えば、5秒)に設定されているが、バランスボードアプリは、ボタンGB53に対する操作を受付ける度に、カウントダウンの残りの秒数に所定の秒数(例えば、5秒)を加算する。ユーザUは、このカウントダウンのうちに、バランスボードの上に乗るようにし、トレーニング(バランス運動)を開始する。カウントダウンが終了すると、バランス測定が開始されトレーニング中の画面に遷移する。
図9は、本実施形態に係る「PRACTICE」モードのトレーニング中の画面の一例を示す図である。図9の(a)に示すように、バランスボードアプリは、ポインターP51をバランスボードBBの傾き量にあわせて移動させる。これにより、バランスボードアプリは、ユーザUに対して、セーフティエリア(例えば、円CR51の範囲)からポインターP51が出ないようにバランスをとらせるよう促す。また、バランスボードアプリは、図9の(b)に示すように、ポインターP51がセーフティエリア(例えば、円CR51の範囲)の端に近づく、またはセーフティエリア(例えば、円CR51の範囲)から出たと判断した場合、セーフティエリアの表示態様が注意を促す表示態様に変更する(例えば、緑色からピンク色などの色に変更する)。
なお、注意を促す表示態様は、色の変更に限らず、点滅表示への変更などであってもよい。また、バランスボードアプリは、ポインターP51がセーフティエリアから出た場合にのみセーフティエリアの表示態様が注意を促す表示態様に変更してもよい。
また、バランスボードアプリは、バランス状態を音で報知してもよい。例えば、バランスボードアプリは、バランスボードBBの傾き量に応じて出力間隔を変えた電子音(例えば、「ピッ、ピッ、ピッ、・・・」)を出力させてもよい。一例として、バランスボードアプリは、バランスボードBBの傾き量が大きくなるほど電子音の出力間隔を短くする。なお、バランスボードアプリは、電子音の出力間隔に代えて、または加えて、音量を変えてもよい。また、バランスボードアプリは、トレーニング終了時に、所定の長さの電子音(ブザー音)を出力させてもよい。
この「PRACTICE」モードでは、ポインターP51がセーフティエリアから出ても、引続きトレーニング(バランス運動)が継続される。バランスボードアプリは、「PRACTICE」モードのトレーニングを終了させるためのボタンGB54に対する操作を受付けると、バランス測定を終了させる。終了後は、例えば、トレーニング結果を表示する画面に遷移した後、図6の(a)に示すトレーニング方法の選択画面に遷移する。トレーニング結果を表示する画面には、例えば、トレーニングをした日付、トレーニングした時間、トレーニングのモードやレベルなどの情報が表示される。
図10は、本実施形態に係る「TIME TRIAL」モードのトレーニング中の画面の一例を示す図である。バランスボードアプリは、カウントダウンが終了すると、図10の(a)に示すように、セーフティエリア(例えば、円CR51の範囲)からポインターP51が出ない間は、カウントダウンが終了してからの経過時間の計測を行い、計測時間を画面の上部に表示させる。つまり、バランスボードアプリは、セーフティエリアからポインターP51が出ない状態でユーザUがバランスボードBBに乗っていられる時間を計測してトレーニング中の画面に表示させる。つまり、バランスボードアプリは、ユーザUに対して、セーフティエリアからポインターP51が出ないようにバランスをとりながらバランスボードBBに乗らせるようにする。そして、図10の(b)に示すように、バランスボードアプリは、ポインターP51がセーフティエリアの範囲から外へ出てしまうと時間の計測を停止し、計測結果(セーフティエリアからポインターP51が出なかった時間)を画面上部に表示させる。そして、トレーニング(バランス運動)が終了する。このとき、セーフティエリアの表示態様を、例えば、緑色からピンク色などの色に変更する。また、バランスボードアプリは、「PRACTICE」モードと同様に、バランス状態を音で報知してもよい。
トレーニングの終了後は、例えば、トレーニング結果を表示する画面に遷移した後、図6の(a)に示すトレーニング方法の選択画面に遷移する。トレーニング結果を表示する画面には、例えば、トレーニングをした日付、計測時間(タイムトライアル)の結果、トレーニングのモードやレベルなどの情報が表示される。
なお、バランスボードアプリは、「PRACTICE」モード及び「TIME TRIAL」モードのトレーニング結果を表示する画面を画像として生成し、その画像をSNS(Social Vetworking Service)やメールで共有可能な機能を有してもよい。
〔携帯端末装置50の構成〕
次に、携帯端末装置50の構成について説明する。図11は、本実施形態に係る携帯端末装置50の構成の一例を示すブロック図である。図示する携帯端末装置50は、表示部51と、入力部52と、スピーカ53と、センサ54と、通信部55と、記憶部56と、制御部57とを備えている。
表示部51は、画像やテキスト等の情報を表示するディスプレイであり、例えば、液晶ディスプレイパネル、有機EL(ElectroLuminescence)ディスプレイパネルなどを含んで構成される。例えば、表示部51は、制御部57の制御により、図6〜10に示すアプリ画面(各種の設定画面、トレーニング開始画面、トレーニング中の画面など)を表示可能である。また、表示部51は、制御部57の制御により、トレーニング開始画面及びトレーニング中の画面において、バランスボードBBの傾き情報などを表示可能である。
入力部52は、例えば、表示部51の表示画面に対する操作を検出するタッチパネルとして表示部51と一体に構成されている。例えば、入力部52は、ユーザUの操作による入力を、表示画面に対するタッチ操作により受付ける。また、入力部52は、入力された入力信号(例えば、タッチした位置を示す信号)を制御部57へ出力する。なお、入力部52は、機械的な操作子や、音声が入力されるマイクロホンなどが含まれてもよい。スピーカ53は、制御部57の制御により、電子音や音声などを出力する。
センサ54は、携帯端末装置50の傾き量の検出に利用可能なセンサを含んで構成されている。例えば、センサ54は、加速度センサを含んで構成され、互いに直行する3軸(X軸、Y軸、Z軸)方向の加速度(重力加速度)を検出する。センサ54は、3軸(X軸、Y軸、Z軸)方向の加速度(重力加速度)の検出結果を、携帯端末装置50の傾き量の検出結果として制御部57へ出力する。なお、センサ54は、加速度センサに代えて、または加えて、ジャイロセンサ、磁気センサ、または傾きセンサなどを含んで構成されてもよい。なお、センサ54の3軸であるX軸、Y軸、Z軸の方向は、携帯端末装置50がバランスボードBBに載置された状態において、それぞれ、バランスボードBBの幅方向、奥行方向、高さ方向(図1のX軸、Y軸、Z軸)と同じである。
通信部55は、例えば、モバイル通信やWiFi(登録商標)等の無線通信等を含んで構成される。通信部55は、上記無線通信に接続されるインターネット等の通信網を介した通信処理を実行する。例えば、トレーニング結果を示す画像をSNSやメールで共有する場合などに、通信部55が通信処理を実行する。
記憶部56は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、ROM(Read-Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを含み、携帯端末装置50が処理する各種情報や画像、OS(Operating System)やアプリケーション(例えば、バランスボードアプリ)のプログラム等を記憶する。なお、携帯端末装置50は、不図示の音声出力端子、カメラ、GPS(Global Positioning System)受信モジュールなどのハードウェア構成を含んで構成されてもよい。
制御部57は、携帯端末装置50の制御中枢として機能するCPU(Central Processing Unit)等の情報処理装置を備えており、記憶部56に記憶されているOSや、アプリケーション(例えば、バランスボードアプリ)のプログラムに基づいて処理を実行する。例えば、制御部57は、バランスボードアプリを実行することにより実現される機能構成として、操作受付部571と、傾き検出部572と、初期傾き量特定部573と、表示制御部574と、設定部575と、傾き判定部576と、トレーニング処理部577とを備えている。
操作受付部571は、入力部52から出力される入力信号に基づいて、各種のユーザUの操作(タッチ操作)を受付ける。例えば、操作受付部571は、表示部51に表示されるアプリ画面に対する操作を受付ける。アプリ画面に対する操作とは、例えば図6〜9に示す各種画面に対する操作であり、トレーニング方法、モード、ボードレベル、及びセーフティエリアのレベルを選択する操作、トレーニング開始の操作、モード選択画面に戻る操作、トレーニング開始までのカウントダウンの秒数を追加する操作、トレーニング終了の操作などである。
傾き検出部572は、センサ54の検出結果に基づいて携帯端末装置50の傾き量を検出する。傾き量とは、どの方向へどの程度傾いているかの量である。例えば、傾き検出部572は、センサ54から出力される3軸(X軸、Y軸、Z軸)方向の加速度に基づく値から3軸(X軸、Y軸、Z軸)の回転角に応じた値を携帯端末装置50の傾き量として算出する。このとき、傾き検出部572は、ボードレベルの設定(アタッチメントCの装着状態)による補正(第1の補正)、バランスボードBBの幅方向(X軸方向)と奥行方向(Y軸方向)との長さが異なることによる補正(第2の補正)、ユーザUの体重によりバランスボードBBが撓むことを考慮した補正(第3の補正)などを行う。これらの補正は、携帯端末装置50の傾き量をバランスボードBBの傾き量とみなす際に行う補正である。これらの傾き量の補正の具体的な内容については後述する。また、傾き検出部572は、補正後の傾き量を極座標系に変換し、極座標におけるポインターP51の位置を算出する。
初期傾き量特定部573は、操作受付部571がトレーニング開始の操作を受付けたタイミングで検出された傾き量を初期傾き量として特定する。トレーニング開始の操作とは、図7の(a)に示すトレーニング開始画面においてSTARTボタンGB51に対する操作である。初期傾き量として特定する傾き量の検出タイミングは、より詳細には操作受付部571がトレーニング開始の操作を受付けたタイミングに応じた所定のタイミングである。例えば、この所定のタイミングは、操作受付部571がトレーニング開始の操作を受付けてからトレーニング(バランス運動)が開始されるまでの所定のタイミングである。一例として、所定のタイミングは、トレーニング開始の操作を受付けた後に最短でセンサ54の検出結果を取得できたタイミングである。例えば、初期傾き量特定部573は、トレーニング開始の操作を受付けた後に最短で取得できたセンサ54の検出結果に基づく傾き量を初期傾き量として特定する。なお、操作受付部571がトレーニング開始の操作を受付けた直後は、タッチ操作の影響によりバランスボードBBのバランスが崩れる可能性も有り得る。したがって、所定のタイミングは、トレーニング開始の操作を受付けた後、所定時間(例えば、0.5秒)経過した後のセンサ54の検出結果を取得できたタイミングでもよい。この所定のタイミングのことを、以下では「初期化タイミング」とも称する。
そして、初期傾き量特定部573は、特定した初期傾き量を記憶部56に保存する。傾き検出部572は、初期化タイミングの後では、センサ54の検出結果に基づいて携帯端末装置50の傾き量を、初期傾き量特定部573が特定した初期傾き量に基づいて補正(校正)する。この補正は、センサ54の検出結果に対して行ってもよいし、センサ54の検出結果に基づいて検出した携帯端末装置50の傾き量に対して行ってもよい。また、この補正は、上述した第1の補正、第2の補正、及び第3の補正の少なくとも一つの補正を行った後の補正後の傾き量に対して行ってもよい。
表示制御部574は、表示部51に表示させるアプリ画面(図6〜10参照)などの表示を制御する。例えば、表示制御部574は、傾き検出部572が検出した傾き量に基づいて算出した極座標におけるポインターP51の位置に基づいて、バランスボードBBの傾き情報を生成し、トレーニング開始画面(図7及び図8参照)またはトレーニング中の画面(図9及び図10参照)に表示させる。具体的には、表示制御部574は、トレーニング開始画面(図7及び図8参照)では、初期化タイミングの前であるため、センサ54の検出結果に基づく傾き量に応じて算出された極座標におけるポインターP51の位置に基づいてバランスボードBBの傾き情報を生成して表示させる。一方、表示制御部574は、トレーニング中の画面(図9及び図10参照)では、初期化タイミングの後であるため、センサ54の検出結果に基づく傾き量を初期傾き量に基づいて補正(校正)した傾き量に応じて算出された極座標におけるポインターP51の位置に基づいてバランスボードBBの傾き情報を生成して表示させる。
このように、携帯端末装置50の表示部51は、初期化タイミングより前に、センサ54で検出された傾き量に応じて、バランスボードBBの傾き情報を表示可能である。また表示部51は、初期化タイミングより後に、センサ54で検出された傾き量を初期傾き量に基づいて補正した傾き量に応じて、バランスボードBBの傾き情報を表示可能である。
設定部575は、バランスボードアプリにおける各種の設定処理を行う。例えば、設定部575は、図6の(a)、(b)、(c)、(d)に示す各種設定を行うアプリ画面を順に表示制御部574を介して表示部51に表示させるとともに、操作受付部571が受付けた各画面に対するユーザUの操作に基づいて、トレーニング方法、モード(運動モード)、ボードレベル、セーフティエリアのレベルなどを設定する。
傾き判定部576は、傾き検出部572が算出したポインターP51の位置と設定部575で設定されたセーフティエリアのレベルとに基づいて、極座標上でポインターP51の位置がセーフティエリアの範囲内であるか否かを判定する。
トレーニング処理部577は、設定部575で設定されたトレーニング方法、モード(運動モード)、ボードレベル、セーフティエリアのレベルなどに基づくトレーニング処理を実行する。例えば、トレーニング処理部577は、設定部575による各種設定が終了すると、設定に応じたバランス測定を開始するトレーニング開始画面(図7参照)を、表示制御部574を介して表示部51に表示させる。また、トレーニング処理部577は、トレーニング開始画面(図7参照)においてSTARTボタンGB51に対するユーザUの操作を操作受付部571が受付けると、トレーニング開始画面(START後)を、表示制御部574を介して表示部51に表示させるとともに、スタート開始までのカウントダウン処理を実行する。
また、トレーニング処理部577は、カウントダウンが終了すると、「PRACTICE」モードの場合には図9に示すトレーニング中の画面を、「TIME TRIAL」モードの場合には図10に示すトレーニング中の画面を、表示制御部574を介して表示部51に表示させる。トレーニング中において、トレーニング処理部577は、傾き判定部576の判定結果に基づいてバランスボードBBの傾き情報のセーフティエリアの表示態様や電子音などを制御する。また、トレーニング処理部577は、所定の条件に応じてトレーニング処理を終了させる。例えば、トレーニング処理部577は、「PRACTICE」モードの場合には、トレーニングを終了させるためのボタンGB54(図9参照)に対するユーザUの操作を操作受付部571が受付けると、トレーニング処理を終了させる。また、トレーニング処理部577は、「TIME TRIAL」モードの場合には、ポインターP51がセーフティエリアを範囲から外へ出た場合、トレーニング処理を終了させる。
〔傾き量の補正〕
次に、傾き検出部572がバランスボードBBの傾き量とみなす際に行う補正についての具体例を説明する。上述したように、傾き検出部572は、ボードレベルの設定(アタッチメントCの装着状態)による補正(第1の補正)、バランスボードBBの幅方向(X軸方向)と奥行方向(Y軸方向)との長さが異なることによる補正(第2の補正)、ユーザUの体重によりバランスボードBBが撓むことを考慮した補正(第3の補正)を行う。
〔第1の補正:ボードレベルの設定(アタッチメントCの装着状態)による補正〕
ボードレベルの設定(アタッチメントCの装着状態)によってバランスボードBBの下方への突出高さが変わるため、バランスボードBBの最大傾き量(バランスボードBB)が変わる。アタッチメントCを装着していない状態(ボードレベルが「LEVEL1」)が、突出高さが最も低いためバランスボードBBの最大傾き量(θ1)が最も小さい。アタッチメントCを深いスリット(図3に示す第2溝C11B)に挿入して装着した状態(ボードレベルが「LEVEL2」)ではアタッチメントCを装着していない状態よりも突出高さが高くなりバランスボードBBの最大傾き量(θ2)は上記最大傾き量(θ1)より大きくなる。アタッチメントCを浅いスリット(図3に示す第1溝C11A)に挿入装着した状態(ボードレベルが「LEVEL3」)では、突出高さが最も高くなりバランスボードBBの最大傾き量(θ3)も最も大きくなる。このように、ボードレベルの設定によって3段階(θ1<θ2<θ3)に最大傾き量が変わる。そこで、傾き検出部572は、ボードレベルの設定によって3段階に最大傾き量が変わる中でバランスボードBBの傾きを示すポインターP51を同じ極座標上に表示させるため、それぞれのボードレベルで最大傾き量となるポインターP51の位置(基準点K51からの距離)が極座標上で同じになるように補正を行う。
例えば、「LEVEL1」の最大傾き量(θ1)×αと、「LEVEL2」の最大傾き量(θ2)×βと、「LEVEL3」の最大傾き量(θ2)×γとのそれぞれの値が等しくなるような補正値α、β、γが定められている。一例として、θ1=2度、θ2=3度、θ=4度である場合に、α=0.6、β=0.4、γ=0.3に定められている。傾き検出部572は、センサ54で検出された傾き量(センサ54から出力される3軸(X軸、Y軸、Z軸)方向の加速度に基づく値)に、設定されたボードレベルの補正値を乗算する。つまり、第1の補正においては、傾き検出部572が検出した傾き量に対して、最大傾き量が小さいボードレベルほど、極座標におけるポインターP51の位置が基準点K51から遠い位置になる(傾きが大きくなる)ように補正する。
なお、上述した補正値は一例であって任意に定めることができる。例えば、上記例では各レベルの最大傾き量と補正値とを乗算した値が等しくなるように各レベルの補正値α、β、γが定められている例を示したが、各レベルの最大傾き量と補正値とを乗算した値が完全に一致しなくてもよい。また、全てのレベルについて補正を行わなくてもよく、例えばアタッチメントCの装着状態によるバランスボードBBの下方への突出高さの違いが少ない場合などには、少なくとも一部のレベルについて補正を行わなくてもよい。
この第1の補正により、表示部51は、センサ54で検出された傾き量を、少なくともボードレベルの設定(アタッチメントCの装着状態)に基づいて補正した傾き量に応じて、バランスボードBBの傾き情報を表示可能である。
〔第2の補正:バランスボードBBの幅方向(X軸方向)と奥行方向(Y軸方向)との長さが異なることによる補正〕
この補正は、バランスボードBBの形状に応じた補正である。具体的には、バランスボードBBの幅方向(X軸方向)と奥行方向(Y軸方向)との長さが異なること、例えば、バランスボードBBが楕円形状(または楕円に近い形状)をしていることに対して、ポインターP51を円形の極座標で表すための補正である。幅方向(X軸方向)の方が奥行方向(Y軸方向)より長く最大傾き量が小さいため、幅方向(X軸方向)への傾き量についてはX軸方向へ変化量が大きくなるように伸ばして(増加させて)あげる必要がある。つまり、第2の補正においては、傾き検出部572が検出した傾き量に対して、長さが短いY軸方向より長いX軸方向の方が、極座標におけるポインターP51の位置が基準点K51から遠い位置になる(傾きが大きくなる)ように補正する。
図12は、本実施形態に係る第2の補正の説明図である。図12の(a)に示すように、バランスボードBBは、破線で示す円CRに対してX軸方向に伸びた形状BCRをしている。なお、この図に示す円CRは、形状の比較用として示しているものであり、バランスボードBBの構成に関係するものではない。図12の(a)に示す例では、バランスボードBBの中央からX軸の正方向である右方向の領域(右半分の領域)とX軸の負方向である左方向の領域(左半分の領域)とのそれぞれにおいて、X軸に直交する線分で中央側からボードの端に向かう方向へ順にE1、E2、E3の3つの領域に分けて補正値を定めている。右半分の領域のE1、E2、E3の領域のそれぞれと左半分の領域のE1、E2、E3の領域のそれぞれとは、バランスボードBBの中央のY軸方向の線分に対して線対称の関係にある。
E1の領域では、バランスボードBBの形状BCRの円弧の曲線が円CRの円弧の曲線より曲がりが緩やかである(すなわち、円CRよりX軸方向に伸ばした形状である)。そのため、傾き検出部572は、センサ54の検出結果のうちX軸方向の加速度に基づく値を増加させる方向に補正する。例えば、E1の領域では「補正値ER1=1.2」に定められており、傾き検出部572は、センサ54により検出されたX軸方向の傾き量(X軸方向の加速度に基づく値)に「補正値ER1=1.2」を乗算する。
E2の領域では、E1の領域よりも更にバランスボードBBの形状BCRの円弧の曲線が円CRの円弧の曲線より曲がりが緩やかである(すなわち、円CRよりX軸方向に更に伸ばした形状である)。そのため、傾き検出部572は、センサ54の検出結果のうちX軸方向の加速度に基づく値をE1の領域よりも更に増加させる方向に補正する。例えば、E2の領域では「補正値ER2=1.4」に定められており、傾き検出部572は、センサ54により検出されたX軸方向の傾き量(X軸方向の加速度に基づく値)に「補正値ER2=1.4」を乗算する。
E3の領域では、バランスボードBBの形状BCRの円弧の曲線が円CRの円弧の曲線より曲がりがきついため、傾き検出部572は、センサ54の検出結果のうちX軸方向の加速度に基づく値を減少させる方向に補正する。例えば、E3の領域では「補正値ER3=0.8」に定められており、傾き検出部572は、センサ54により検出されたX軸方向の傾き量(X軸方向の加速度に基づく値)に「補正値ER3=0.8」を乗算する。
上記第2の補正を行うことにより、幅方向(X軸方向)と奥行方向(Y軸方向)との長さが異なる楕円形状(または楕円に近い形状)をしているバランスボードBBの傾き量を、円形の極座標上のポインターP51の位置に変換することができる。
なお、上述したE1、E2、E3の各領域の補正値は一例であって、バランスボードBBの形状などに応じて任意に定めることができる。また、図12の(a)に示す例では、バランスボードBBの右半分の領域と左半分の領域とのそれぞれを3つに分けて補正値を定める例を説明したが、補正値を定める領域の分割数は任意に定めることができる。
また、図12の(a)に示す例では、X軸に直交する線分で中央側からボードの端に向かう方向へ順にE1、E2、E3の3つの領域に分ける例を説明したが、分割する方向や形状もこれに限られるものではない。図12の(b)は、第2の補正を行う際に補正値を設定する領域の分け方の変形例を示す図である。図12の(b)に示すように、バランスボードBBの中央から放射状に伸びる線分で分けた領域E1、E2、E3のそれぞれに補正値が定められてもよい。
なお、上記例では、バランスボードBBの奥行方向(Y軸方向)の第2長さL2を基準として、幅方向(X軸方向)の第1長さL1が第2長さL2(基準)より長いことに基づいてX軸方向への傾き量を補正する例を説明したが、幅方向(X軸方向)の第1長さL1を基準としてもよい。例えば、傾き検出部572は、バランスボードBBの奥行方向(Y軸方向)の第2長さL2が幅方向(X軸方向)の第1長さL1(基準)より短いことに基づいてY軸方向への傾き量を補正してもよい。
この第2の補正により、表示部51は、センサ54で検出された傾き量を、少なくともバランスボードBBの幅方向(X軸方向)の長さ又は奥行方向(Y軸方向)の第2長さに基づいて補正した傾き量に応じて、バランスボードBBの傾き情報を表示可能である。例えば、表示部51は、バランスボードBBの幅方向(X軸方向)の長さと奥行方向(Y軸方向)の長さのうち、長い方の傾きを短い方の傾きと比較して傾くように補正した傾き量に応じて、バランスボードBBの傾き情報を表示可能である。
〔第3の補正:体重によりバランスボードBBが撓むことを考慮した補正〕
ユーザUの体重によってバランスボードBBに撓みが生じ、バランスボードBBの傾き量に影響することがあるため、傾き検出部572は、ユーザUの体重に応じて傾き量の補正を行う。例えば、体重が重いほどバランスボードBBの幅方向(X軸方向)への撓みが生じ、バランスボードBBがX軸方向へ傾いたときの傾き量が少なくてもボードの端が地面に着きやすくなる。つまり、体重が重いほどバランスボードBBの幅方向(X軸方向)の長さが長いことに相当する。そのため、傾き検出部572は、センサ54の検出結果のうちX軸方向の加速度に基づく値を体重が重いほど増加させる方向に補正する。つまり、第3の補正においては、傾き検出部572が検出した傾き量に対して、体重が重いほど極座標におけるポインターP51の位置が基準点K51から遠い位置になる(傾きが大きくなる)ように補正する。
一例として、体重に応じた補正値WRは、体重が10kg未満では「100」、10kg以上20kg未満では「95」、20kg以上30kg未満では「90」、・・・、80kg以上90kg未満では「60」、90kg以上100kg未満では「55」、100kg以上では「50」などに定められている。傾き検出部572は、ユーザUの体重に応じて、センサ54により検出されたX軸方向の傾き量(X軸方向の加速度に基づく値)に「100/補正値WR」を乗算する。例えば、上記例では、体重が100kg以上のユーザUの補正値WRは「50」である。よって、体重が100kg以上のユーザUの場合には傾き量が2倍に補正される。一方、体重が10kg未満のユーザUの補正値WRは「100」である。よって、体重が10kg未満のユーザUの場合には傾き量に1が乗算されるため補正なしとなる。
なお、上述した補正値は一例であって任意に定めることができる。例えば、上記例では、体重が10kg未満では補正がされない例を説明したが、補正されない体重の範囲が体重10kg未満に限定されるものではない。また、全ての体重に対して補正が行われてもよい。また、補正値を設定する体重の区分けも、10kgごとに限定されるものではなく、任意に定めることができる。なお、同じ体重でもボードレベルに応じて補正値WRを異ならせてもよい。
なお、ユーザUの体重は、例えば、バランスボードアプリを最初に起動したときに、ユーザ情報を登録するアプリ画面から入力できるように構成されている。例えば、設定部575は、バランスボードアプリを最初に起動したときに表示制御部574を介してユーザ情報の登録画面を表示部51に表示させる。そして、設定部575は、ユーザ情報の登録画面において入力された体重の情報を操作受付部571が受付けると、受付けた体重の情報を、この携帯端末装置50でバランスボードアプリを利用するユーザUの体重の情報として、記憶部56に保存する。
この第3の補正により、表示部51は、センサ54で検出された傾き量を、少なくともユーザUの体重に基づいて補正した傾き量に応じて、バランスボードBBの傾き情報を表示可能である。
〔傾き情報の表示処理〕
次に、図13を参照して、携帯端末装置50の制御部57が実行するバランスボードBBの傾き情報表示処理の動作について説明する。
図13は、本実施形態に係るバランスボードBBの傾き情報表示処理の一例を示すフローチャートである。この図に示す傾き情報表示処理は、図6に示す各種設定のアプリ画面において、トレーニング方法、モード(運動モード)、ボードレベル、セーフティエリアのレベルなどの設定が終了した後、図7に示すトレーニング開始画面(START前)への遷移に応じて開始される。
制御部57は、所定の検出周期でセンサ54により検出された傾き量を取得する。例えば、制御部57は、センサ54により検出された3軸(X軸、Y軸、Z軸)方向の加速度(重力加速度)の検出結果を携帯端末装置50の傾き量の検出結果として取得する(ステップS101)。
次に、制御部57は、ステップS101で取得した傾き量に対して、設定されたボードレベルに応じた補正(第1の補正)を行う。例えば、制御部57は、ボードレベルが「LEVEL1」の場合には補正値αを、ボードレベルが「LEVEL2」の場合には補正値βを、ボードレベルが「LEVEL3」の場合には補正値γを、センサ54で検出された傾き量(センサ54から出力される3軸(X軸、Y軸、Z軸)方向の加速度に基づく値)に乗算する(ステップS103)。
続いて、制御部57は、ステップS103で補正した傾き量に対して、バランスボードの形状に応じた補正(第2の補正)を行う。例えば、制御部57は、図12の(a)に示すE1の領域では「補正値ER1=1.2」を、E2の領域では「補正値ER2=1.4」を、E3の領域では「補正値ER3=0.8」を、ステップS103で補正した補正後のX軸方向の傾き量(X軸方向の加速度に基づく値)に乗算する(ステップS105)。
さらに、制御部57は、ステップS105で補正した傾き量に対して、ユーザUの体重に応じた補正(第3の補正)を行う。例えば、制御部57は、体重に応じた補正値WRに基づいて、ステップS105で補正した補正後のX軸方向の傾き量(X軸方向の加速度に基づく値)に「100/補正値WR」を乗算する(ステップS107)。
次に、制御部57は、トレーニング開始済みであるか否かを判定する(ステップS109)。例えば、制御部57は、前回の検出周期でセンサ54により検出された傾き量を取得する前にトレーニング開始の操作(例えば、図7の(a)に示すSTARTボタンGB51に対する操作)が既にされている場合には、トレーニング開始済みであると判定する。一方、制御部57は、前回の検出周期でセンサ54により検出された傾き量を取得する前にトレーニング開始の操作がされていない場合には、トレーニング開始済みではないと判定する。
ステップS109においてトレーニング開始済みではないと判定された場合(NO)、制御部57は、トレーニング開始操作がされたか否かを判定する(ステップS111)。例えば、制御部57は、前回の検出周期でセンサ54により検出された傾き量を取得してから今回の検出周期でセンサ54により検出された傾き量を取得するまでの間にトレーニング開始の操作(例えば、図7の(a)に示すSTARTボタンGB51に対する操作)がされた場合、トレーニング開始操作がされたと判定する。一方、制御部57は、前回の検出周期でセンサ54により検出された傾き量を取得してから今回の検出周期でセンサ54により検出された傾き量を取得するまでの間にトレーニング開始の操作がされていない場合、トレーニング開始操作がされていないと判定する。
ステップS111においてトレーニング開始操作がされていないと判定された場合(NO)、制御部57は、ステップS105で補正した補正後の傾き量に応じて、バランスボードBBの傾き情報を生成して表示部51に表示させる。具体的には、制御部57は、図7に示すように、センサ54により検出された傾き量に応じてバランスボードBBの傾き量を示すポインターP51を極座標上に表示させる(ステップS117)。
一方、ステップS111においてトレーニング開始操作がされたと判定された場合(YES)、制御部57は、トレーニング開始操作がされた後の初期化タイミングで検出された傾き量(今回の検出周期でセンサ54により検出された傾き量)を初期傾き量として特定し記憶部56に保存する。例えば、ステップS107で補正した補正後の傾き量を初期傾き量として特定し保存する(ステップS113)。
そして、制御部57は、ステップS107で補正した補正後の傾き量(初期化タイミングで検出された傾き量の補正後の傾き量)を初期傾き量に基づいて補正(校正)する(ステップS115)。例えば、制御部57は、ステップS107で補正した補正後の傾き量(初期化タイミングで検出された傾き量の補正後の傾き量)が極座標の基準点K51(中心)となるように補正(校正)する(ステップS115)。そして、制御部57は、ステップS115で初期傾き量に基づいて補正した補正後の傾き量を示すポインターP51の位置が極座標の基準点K51(中心)となるバランスボードBBの傾き情報を生成して表示部51に表示させる(図8の(a)参照)(ステップS117)。
一旦、ステップS111においてトレーニング開始操作がされたと判定されると、その後は、ステップS109においてトレーニング開始済みであると判定される(YES)。この場合、初期傾き量はすでに保存されているため、制御部57は、ステップS115に進み、ステップS107で補正した補正後の傾き量を記憶部56に保存された初期傾き量に基づいて補正する。つまり、トレーニング開始操作がされた後は、初期化タイミングで検出された傾き量が極座標の基準点K51になるように校正した傾き量に補正される。そして、制御部57は、初期傾き量に基づいて補正した補正後の傾き量(校正後の傾き量)に応じてバランスボードBBの傾き情報を生成して表示部51に表示させる(図8の(b)、図9、図10参照)(ステップS117)。
なお、図13に示すバランスボードBBの傾き情報表示処理の例では、制御部57は、トレーニング開始操作がされる前とされた後のいずれも第1の補正、第2の補正、及び第3の補正を行うが、トレーニング開始操作がされる前については第1の補正、第2の補正、及び第3の補正の一部または全部を行わなくてもよい。例えば、制御部57は、トレーニング開始操作がされた後(ステップS109またはステップS111でYESの場合)のみ、ステップS115の前または後のステップで第1の補正、第2の補正、及び第3の補正を行ってもよい。
また、第1の補正、第2の補正、第3の補正の順序は入れ替えてもよい。また、第1の補正、第2の補正、及び第3の補正のうちの一部の補正のみを行ってもよいし、全ての補正を行わなくてもよい。例えば、ボードレベルの設定(アタッチメントの装着状態)によって変わるバランスボードBBの下方への突出高さの変化量が少ない場合などは、第1の補正を行わない構成としてもよい。また、バランスボードBBの幅方向(X軸方向)と奥行方向(Y軸方向)との長さの差が小さい場合などは、第2の補正を行わない構成としてもよい。また、バランスボードBBの材質や大きさなどによって撓みの発生が少ない場合などは、第3の補正を行わない構成としてもよい。また、第3の補正は、ボードレベル(アタッチメントCの装着状態)によって補正の有無が定められてもよい。例えば、アタッチメントCを装着しない状態が、ユーザUの体重によってバランスボードBBに撓みが生じたときに最も地面に着き易い。そのため、第3の補正は、アタッチメントCを装着しないボードレベル(「LEVEL1」)だけ行なうようにしてもよい。或いは、第3の補正は、ボードレベルが「LEVEL1」と「LEVEL2」の場合だけ行うようにしてもよい。
[実施形態のまとめ]
以上説明したように、本実施形態の運動システムSysは、バランスボードBB、及び携帯端末装置50(板状の端末装置の一例)を具備する。
バランスボードBBは、載置部12及び突出部11を備える。載置部12は、ボード部Bの上面Baの中央領域に設けられる。載置部12は、携帯端末装置50を載置可能である。突出部11は、載置部12の周囲の一部又は全部においてボード部Bの上面Baに対して突出する。突出部11は、載置部12に携帯端末装置50を載置した状態で携帯端末装置50の四方の側面50wのそれぞれと対向する4つの壁面11wを含んで構成する。携帯端末装置50は、板状であり、内蔵したセンサ54により自装置(携帯端末装置50)の傾き情報を表示可能な表示部51を備える。表示部51は、携帯端末装置50(自装置)を載置することで、バランスボードBBの傾き情報を表示可能である。板状の携帯端末装置50とは、本体形状がフラットなもので、例えば、タッチ操作に対応した全面ディスプレイが採用された機器である。なお、板状の携帯端末装置50には、操作ボタン等の多少の凹凸や湾曲した面があってもよい。
上記構成によれば、携帯端末装置50を載置部12に載置するだけで、ユーザUはボード部Bの上面Baに乗った状態において、表示部51に表示されるバランスボードBBの傾き情報を視認できる。これにより、運動システムSys及びバランスボードBBは、簡便にユーザUのバランス運動を支援できる。また、例えば、センサ54及び表示部51を備えた携帯端末装置50と同等の機能を有するコントローラを搭載したバランスボードでは複数のユーザUで使用することができても運動結果(測定結果)をデータとして取得することは難しいが、載置部12に載置する携帯端末装置50を取り換えることができるので、例えば、複数のユーザUで同一のバランスボードBBを共有する場合でも、各ユーザUが自身の携帯端末装置50を載置部12に載置して、バランスボードBBを使用できる。そして、運動結果(測定結果)を自身の携帯端末装置50に記録することができる。
また、ユーザUがバランスボードBBに乗ってバランス運動を行うときに、バランスボードBBの傾きによって、載置部12に載置された携帯端末装置50が載置部12上で滑り動こうとしても、又は、滑り動いたとしても、携帯端末装置50の側面が突出部11の壁面に当たる。これにより、携帯端末装置50が載置部12上で滑り動くことを抑制でき、携帯端末装置50がバランスボードBBから落下することを防止できる。
また、載置部12に載置された携帯端末装置50が載置部12上で回転することも防止できる。これにより、ユーザUがバランスボードBBに乗ってバランス運動を行うときに、携帯端末装置50の向きが変わって、携帯端末装置50の表示部51が見にくくなることを防止できる。
また、ユーザUがバランスボードBBに乗ってバランス運動を行うときに、バランスボードBB上でバランスを崩した際、又は、バランスボードBB上にユーザUの足を載せる際、載置部12に載置された携帯端末装置50を踏む可能性がある。これに対し、バランスボードBBでは、突出部11がボード部Bの上面Baから突出しているため、ユーザUが誤って携帯端末装置50を踏んでしまうことを物理的にも心理的にも抑制できる。物理的に抑制できることは、例えば、ユーザUの足が突出部11に当たることで、携帯端末装置50上に到達することを抑制できることを含む。心理的に抑制できることは、例えば、ユーザUが突出部11の存在を認識することで、ユーザU自身が突出部11の内側(載置部12)を踏まないように注意できることを含む。
また、ユーザUが載置部12に載置された携帯端末装置50を踏んだ場合にも、突出部11でユーザUからの荷重を分散できるため、突出部11がない場合と比較して、携帯端末装置にかかる力を軽減できる。
また、ユーザUがバランスボードBBに乗ってバランス運動を行うときに、ユーザUは、バランスボードBB上でバランスを保つために、足を開いた状態でボード部Bの上面Baに両足を載せる。このため、携帯端末装置50をボード部Bの上面Baの中央領域に配しても、携帯端末装置50がユーザUの足によって踏まれることを抑制できる。
また、携帯端末装置50がボード部Bの上面Baの中央領域に配されることで、載置部12に載置した携帯端末装置50の重心は、バランスボードBBの中央付近に位置する。このため、携帯端末装置50の重さによって、バランスボードBBの重心が前後方向や左右方向にずれてしまうことを防止できる。
また、本実施形態のバランスボードBBにおいて、突出部11は、載置部12の周囲の4つの隅部11F(四隅の一例)を含み、突出部11の4つの隅部11Fのそれぞれは、載置部12に携帯端末装置50を載置した状態で携帯端末装置50の隣接する2つの側面に対向する2つの壁面を有する。
上記構成によれば、載置部12に載置された携帯端末装置50の四隅を突出部11の4つの隅部11Fによってそれぞれ支持することができる。このため、ユーザUがバランスボードBBに乗ってバランス運動するときに、携帯端末装置を載置部12上に保持することができる。
また、本実施形態のバランスボードBBにおいて、突出部11は、載置部12の周囲の全てを囲んでいない。換言すれば、載置部12の周囲に非突出部13を有する。また、載置部12の周囲には、非突出部13の代わりに、突出部11の上端11e(上部の一例)よりも低い低領域部(低領域の一例)が形成されてもよい。
上記構成によれば、携帯端末装置50を載置部12に載置した状態において、載置部12の周囲を囲んでいない隙間(非突出部13)、または低領域部による突出部11の隙間を通じて、携帯端末装置50の側面の一部を露出させることができる。ユーザUは、この隙間に手指を入れて携帯端末装置50の側面に引っ掛けることができる。換言すれば、載置部12の周囲を囲む突出部11に隙間を設けることで、ユーザUは、突出部11の隙間から手指を入れて携帯端末装置50の側面に引っ掛けることができる。これにより、載置部12に載置した携帯端末装置50を取り出し易くすることができる。なお、突出部11の隙間(非突出部13)は、ユーザUの手指が突出部11の外側から携帯端末装置50の側面に到達できる空間であればよい。このため、例えば、突出部11が設けられる載置部12の周囲よりも外側において、突出部11と同様にボード部Bの上面Baに対して突出し、且つ、突出部11の隙間の両端につながることで突出部11の隙間を外側から囲う壁部を含む態様(突出部11と同様にボード部Bの上面Baに対して突出する壁部が、突出部11の隙間の両端につながることで突出部11の隙間を外側から囲う態様)であっても、突出部11は載置部12の周囲の全てを囲んでいない。なお、突出部11の隙間を外側から囲う壁部は、突出部11に一体に形成されてよいし、突出部11と別個に形成されてもよい。壁部を含む態様では、ユーザUの手指を上方から壁部の内側に入り込ませることで、突出部11の隙間を通して携帯端末装置50の側面に到達できる。
また、本実施形態のバランスボードBBにおいて、載置部12には、載置された携帯端末装置50の滑りを抑制する載置面12aが形成されている。また、載置部12の載置面12aは、ボード部Bの上面Ba及び低領域部(又は非突出部13)よりも低く位置する。具体的に、携帯端末装置50の滑りを抑制する載置面12aは、滑り抑制シート122によって構成されている。このような載置面12aが形成されることの例として、滑り抑制シート122がベース部121の材質よりも摩擦係数が大きい材質(ゴムシート等)で形成されることや、ベース部121の材質との異同に関わりなく滑り抑制シート122の表面が凹凸で形成されることが挙げられる。
上記構成によれば、ユーザUが、非突出部13や低領域部による突出部11の隙間に手指を入れて載置部12に載置した携帯端末装置50を取り出すときに、当該手指を載置部12に引っ掛けてしまうことを防止できる。これにより、載置面12aの損傷を抑制できる。特に、載置部12の載置面12aが滑り抑制シート122によって構成される場合、滑り抑制シート122の側面は、突出部11の隙間から露出しない。このため、携帯端末装置50を取り出すときに、ユーザUの手指が滑り抑制シート122に引っ掛かることを防ぐことができる。これにより、滑り抑制シート122が損傷したり、載置部12のベース部121から剥がれたりすることを抑制できる。
また、本実施形態のバランスボードBBにおいて、載置部12の載置面12aは、ボード部Bの上面Baよりも低く位置する。
上記構成によれば、バランスボードBBは、載置面12aからの突出部11の高さ分だけ突出部11をボード部Bの上面Baをから突出させることなく、突出部11の上面Baからの高さを抑えることができる。これにより、トレーニング(バランス運動)中に、突出部11に足に引っ掛けることを抑制できる。
また、本実施形態のバランスボードBBにおいて、ボード部Bは、ボード本体B1と載置部12とを別個に形成して構成される。また、ボード本体B1の中央には樹脂成形に伴う中空部21が形成される。また、載置部12は、中空部を塞ぐ蓋(蓋部材B2)として構成される。また、ボード本体B1と載置部12とに嵌合部位が設けられ、嵌合部位が嵌合するように構成されて、ボード本体B1と載置部12とが一体となる。
上記構成によれば、載置部12がボード本体B1の中空部21を塞ぐ蓋を兼用するため、中空部21を塞ぐための蓋を別途用意する必要がなくなり、バランスボードBBの構成部品点数を減らすことができる。また、ボード本体B1と載置部12とに挿入孔29と突起(嵌合部位の一例)が設けられることで、これらを嵌合させるときにボード本体B1に対する蓋部材B2の位置決めが容易になる。なお、嵌合部位の形状は任意である。
また、本実施形態のバランスボードBBにおいて、使用状態でのユーザUの側面方向を幅方向(X軸方向)とし、幅方向に直交する方向を奥行方向(Y軸方向)としたとき、幅方向におけるボード部Bの第1長さL1が、奥行方向におけるボード部Bの第2長さL2よりも長い。載置部12は、携帯端末装置50の厚さ方向から見たときの携帯端末装置50の一辺又は携帯端末装置50の表示部51の一辺が、幅方向や奥行方向に平行又は略平行した状態で載置するように形成されている。
上記構成によれば、載置部12に載置された携帯端末装置50の表示部51が、幅方向(左右方向)や奥行方向(前後方向)に対して斜めに傾斜しない。このため、ユーザUは、バランスボードBBを使用する際に、ユーザUの両足(又は両腕)が幅方向に並ぶようにボード部Bの上面Baに配された状態で、携帯端末装置50の表示部51を見やすくなる。
また、本実施形態のバランスボードBBにおいて、上記携帯端末装置50の表示部51は、センサ54で検出された傾き量を、少なくともバランスボードBBの幅方向(X軸方向)の第1長さL1又は奥行方向(Y軸方向)の第2長さL2に基づいて補正した傾き量に応じて、バランスボードBBの傾き情報を表示可能である。
上記構成によれば、携帯端末装置50は、幅方向(X軸方向)の第1長さL1と奥行方向(Y軸方向)の第2長さL2とが異なるバランスボードBBの傾き情報を、極座標上のポインターP51の位置で表示することができる。よって、ユーザUは、携帯端末装置50をバランスボードBBに載置することで、ボード部Bの上面Baに乗った状態において、表示部51に表示されるバランスボードBBの傾き情報を容易に確認できる。
また、本実施形態のバランスボードBBにおいて、ボード部Bの上面Baは、第1長軸MA1と第1長軸MA1に直交する第1短軸MB1に対して、線対称又は略線対称の形状に形成される。また、載置部12の載置面12aは、第2長軸MA2と、第2長軸MA2に直交する第2短軸MB2とに対して、線対称又は略線対称の形状に形成される。そして、ボード部Bの上面Baの第1長軸MA1は、載置面12aの第2長軸MA2又は第2短軸MB2と平行である。
上記構成によれば、載置部12に載置された携帯端末装置50の表示部51が、ボード部Bの上面Baの第1長軸MA1の方向(左右方向)や第1短軸MB1の方向(前後方向)に対して斜めに傾斜しない。このため、ユーザUは、バランスボードBBを使用する際に、ユーザUの両足(又は両腕)が第1長軸MA1の方向に並ぶようにボード部Bの上面Baに配された状態で、携帯端末装置50の表示部51を見やすくなる。
また、本実施形態のバランスボードBBにおいて、携帯端末装置50の表示部51は、センサ54で検出された傾き量を、少なくともバランスボードBBの第1長軸MA1の方向(第1長軸方向)の第1長さL1又は第1短軸MB1の方向(第1短軸方向)の第2長さL2に基づいて補正した傾き量に応じて、バランスボードBBの傾き情報を表示可能である。
上記構成によれば、携帯端末装置50は、第1長軸MA1の方向の第1長さL1と第1短軸MB1の方向の第2長さL2とが異なるバランスボードBBの傾き情報を、極座標上のポインターP51の位置で表示することができる。
また、本実施形態のバランスボードBBにおいて、携帯端末装置50の表示部51は、バランスボードBBの上記第1長さL1と上記第2長さL2のうち、長い方の傾きを短い方の傾きと比較して傾くように補正した傾き量に応じて、バランスボードBBの傾き情報を表示可能である。なお、長い方の傾きを短い方の傾きと比較して傾くようにする補正は、換言すれば、バランスボードBBの形状に応じた補正である。さらに、設定されたボードレベルに応じた補正や、ユーザUの体重に応じた補正を傾き量の補正に加えてもよい。すなわち、長径(L1)と短径(L2)の楕円形状に形成されたバランスボードBBに載置された携帯端末装置50の表示部51は、バランスボードBBの形状に応じた補正、設定されたボードレベルに応じた補正、及びユーザUの体重に応じた補正のうち少なくとも一つで補正した傾き量に応じて、バランスボードBBの傾き情報を表示可能である。
上記構成によれば、携帯端末装置50は、幅方向(X軸方向)の第1長さと奥行方向(Y軸方向)の第2長さとが異なるバランスボードBBの傾き情報を、極座標上のポインターP51の位置で表示することができる。換言すれば、楕円形状のバランスボードBBの傾き情報を、円形の極座標上のポインターP51の位置で表示することができる。
例えば、本実施形態の携帯端末装置50は、表示部51と、センサ54と、操作受付部571(受付部の一例)と、初期傾き量特定部573(特定部の一例)とを備えている。センサ54は、携帯端末装置50(自装置)の傾き量を検出する。表示部51は、携帯端末装置50(自装置)がバランスボードBBに載置された状態において、センサ54で検出された傾き量に基づいて、バランスボードBBの傾き情報を表示可能である。操作受付部571は、開始(例えば、トレーニング開始)の操作を受付ける。初期傾き量特定部573は、操作受付部571が開始の操作を受付けてから開始するまでの初期化タイミング(所定のタイミングの一例)に、センサ54で検出された傾き量を、初期傾き量として特定する。そして、表示部51は、初期化タイミングより前に、センサ54で検出された傾き量に応じて、バランスボードBBの傾き情報を表示可能である。また、表示部51は、初期化タイミングより後に、センサ54で検出された傾き量を初期傾き量に基づいて補正した傾き量に応じて、バランスボードBBの傾き情報を表示可能である。
上記構成によれば、携帯端末装置50は、バランスボードBBに載置された状態において、バランスボードBBの傾き情報を表示できる。よって、携帯端末装置50を載置部12に載置するだけで、ユーザUはボード部Bの上面Baに乗った状態において、表示部51に表示されるバランスボードBBの傾き情報を視認できる。これにより、運動システムSys及びバランスボードBBは、簡便にユーザUのバランス運動を支援できる。また、バランス測定を開始する際に、バランスボードBBに携帯端末装置50を載置した状態で傾き量を初期化して校正できるため、バランスボードBBを設置する場所の水平状態、バランスボードの傾きの程度や有無、携帯端末装置50をバランスボードBBに載置したときのバランスボードBBに対する水平度合い、または携帯端末装置50における傾き量の検出精度(センサ54の検出精度)などをそれほど気にしなくとも、バランスボードBBを利用したバランス運動を行うことができる。例えば、携帯端末装置50は、載置したバランスボードBBが物理的に傾いている状態であっても、その傾きが無い(傾きがゼロである)ものとして、トレーニング処理を開始する。なお、バランスボードBBの傾きの基準を実際の水平状態から意図的にずらした状態で、トレーニング(バランス運動)することも可能である。この点において、校正が行われた後に被測定物に載せて傾き量を測定するもの(所謂、水準器)とは相違する。
また、本実施形態の携帯端末装置50において、表示部51は、基準点K51との距離がバランスボードBBの傾き情報を示すポインターP51を表示可能である。
上記構成によれば、携帯端末装置50は、バランスボードBBの傾き情報をポインターP51の基準点K51からの距離で表すため、ユーザUに分かりやすく表示することができる。
また、表示部51は、初期化タイミング(所定のタイミングの一例)より後に、初期傾き量に応じたポインターP51を、基準点K51の位置に表示可能である。
上記構成によれば、携帯端末装置50は、初期化タイミングで校正したときのポインターP51を基準点K51の位置に表示するため、校正されたことが分かりやすい。
[変形例]
以上、本発明に係る運動システムの一実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
〔バランスボードの変形例〕
本発明の一態様において、突出部は、少なくとも、載置部12に載置された携帯端末装置50が、載置部12に対してボード部Bの上面Baに沿う方向に大きく平行移動したり、載置部12上で回転したりしないように、携帯端末装置50を支持する構成であればよい。
本発明の一態様において、突出部は、4つの隅部を含んでいれば、その周方向の任意の位置において分割されてよい。また、突出部は、その周方向の複数の位置において分割されてよい。すなわち、載置部の周囲の全てを囲んでいない非突出部13は、任意の位置に設けられてよく、数も任意である。図14(a)〜(d)に示す第1〜第4変形例の突出部111〜114は、いずれも、上記実施形態と同様の4つの隅部を含み、2つの長辺突出部11A,11B及び2つの短辺突出部11C,11Dを有する。
図14(a)に示す第1変形例の突出部111では、左側(X軸負方向側)に位置する第2長辺突出部11Bだけが、2つの辺分割突出部11B1,11B2によって構成されている。2つの辺分割突出部11B1,11B2は、第2長辺突出部11Bの長手方向(Y軸方向)に間隔をあけて配列されている。2つの辺分割突出部11B1,11B2の間の隙間である非突出部13は、第2長辺突出部11Bの長手方向の中間に位置している。つまり、非突出部13の位置は任意であり、この第1変形例に限定されない。
図14(b)に示す第2変形例の突出部112では、第1変形例の突出部111と同様に、第2長辺突出部11Bが2つの辺分割突出部11B1,11B2によって構成されている。ただし、第2変形例の突出部112では、2つの辺分割突出部11B1,11B2の隙間である非突出部13が、第1変形例と比較して大きい。非突出部13が大きい場合には、例えば複数本の手指を同時に2つの辺分割突出部11B1,11B2の間の隙間に入れることができる。これにより、載置部12に載置された携帯端末装置50を複数本の手指で取り出すことができる。つまり、非突出部13の位置や大きさは任意であり、この第2変形例に限定されない。
図14(c)に示す第3変形例の突出部113では、第1、第2変形例の突出部111,112と同様に、第2長辺突出部11Bが2つの辺分割突出部11B1,11B2によって構成されている。さらに、第3変形例の突出部113では、長辺突出部11Aも2つの辺分割突出部11A1,11A2によって構成されている。長辺突出部11Aの2つの辺分割突出部11A1,11A2は、長辺突出部11Aの長手方向(Y軸方向)に間隔をあけて配列されている。2つの辺分割突出部11A1,11A2の間の隙間である非突出部13は、長辺突出部11Aの長手方向の中間に位置している。このように第3変形例の突出部113は、その周方向の2つの位置において分割(2つの分割突出部で構成)されている。つまり、非突出部13の位置や大きさや個数は任意であり、この第3変形例に限定されない。
図14(d)に示す第4変形例の突出部114では、長辺突出部11Aが3つの辺分割突出部11A3,11A4,11A5によって構成されている。また、第2長辺突出部11Bが3つの辺分割突出部11B3,11B4,11B5によって構成されている。各長辺突出部11A,11Bの3つの辺分割突出部11A3,11A4,11A5,11B3,11B4,11B5は、各長辺突出部11A,11Bの長手方向(Y軸方向)に間隔をあけて配列されている。このように第4変形例の突出部114は、その周方向の4つの位置において分割(4つの分割突出部で構成)されている。つまり、非突出部13の位置や大きさや個数は任意であり、この第4変形例に限定されない。
本発明の一態様において、突出部は、4つの隅部を含んでいれば、2つの長辺突出部11A,11B及び2つの短辺突出部11C,11Dによって構成されることに限られない。
図15(a)に示す第5変形例の突出部115は、載置部12の周囲の四隅に設けられた4つの隅突出部11H(載置部12の周囲の四隅の一例)のみによって構成されている。載置部12の周囲の四隅に設けられた4つの隅突出部11Hを除いた部分は、非突出部13となる。各隅突出部11Hは、載置部12に携帯端末装置50を載置した状態で携帯端末装置50の隣接する2つの側面に対向する2つの壁面11Lを有する。各隅突出部11Hの2つの壁面11Lは、ボード部Bの上面Ba側から見てL字状に形成されている。
4つの隅突出部11Hのうち周方向に隣り合う2つの隅突出部11Hは、それぞれ載置部12に載置された携帯端末装置50の同一の側面に対向する壁面11Lを有する。例えば、載置部12の右側(X軸正方向側)において前後方向(Y軸方向)に配列された2つの隅突出部11H1,11H2は、載置部12に載置された携帯端末装置50のうち右側(X軸正方向側)に向く一つの側面に対向する壁面11L1,11L2を有する。すなわち、第5変形例の突出部115は、載置部12の周囲の一部において載置部12に載置された携帯端末装置50の四方の側面50wのそれぞれと対向する4つの壁面を含んで構成する突出部の一例である。
第5変形例において、非突出部13は、載置部12の周囲において周方向に隣り合う2つの隅突出部11Hの間に位置する。また、非突出部13は、載置部12の載置面12aと同じ高さに位置している。また、載置部12の周囲の周方向における各非突出部13の長さは、隅突出部11Hの各壁面11Lの長さと比較して長い。
図15(b)に示す第6変形例の突出部116は、前述した4つの隅突出部11Hに加え、2つの辺突出部11Nを備える。載置部12の周囲の四隅に設けられた4つの隅突出部11H及び2つの辺突出部11Nを除いた部分は、非突出部13となる。各辺突出部11Nは、載置部12の周囲のうち載置部12の長辺に沿う方向(Y軸方向)に間隔をあけて配列された2つの隅突出部11Hの間において載置部12の長辺に沿って延びている。各辺突出部11Nは、その長手方向の両側に配された2つの隅突出部11Hに対して間隔をあけて位置する。辺突出部11Nは、載置部12の長辺に沿う方向に間隔をあけて配列された2つの隅突出部11Hの壁面11Lと共に、載置部12に載置された携帯端末装置50の同一の側面に対向する壁面11Jを有する。すなわち、第6変形例の16は、載置部12の周囲の一部において載置部12に載置された携帯端末装置50の四方の側面50wのそれぞれと対向する4つの壁面を含んで構成する突出部の一例である。第6変形例において、非突出部13は、辺突出部11Nとその長手方向の両側に位置する2つの隅突出部11Hとの各間に位置する。また、非突出部13は、載置部12の載置面12aと同じ高さに位置している。
実施形態、及び第1変形例から第6変形例に示す突出部11及び突出部111〜116は全て、載置部12の周囲の少なくとも四隅を含み、且つ、載置部12に端末装置を載置した状態で携帯端末装置50の四方の側面50wのそれぞれと対向する4つの壁面を含んで構成している。上述した実施形態及び変形例から分かるように、突出部は一体であっても、複数に分割(複数の分割突出部で構成)されていてもよい。すなわち、これらの本発明の一態様の突出部は、載置部12の周囲の一部または全部においてボード部Bの上面Baに対して突出し、且つ、載置部12に携帯端末装置50を載置した状態で携帯端末装置50の四方の側面50wのそれぞれと対向する4つの壁面を含んで構成している。したがって、載置部12の周囲の突出部以外の非突出部13となる位置、大きさ、数は任意である。
本発明の一態様において、突出部は、4つの隅部の代わりに4つの辺部を含んで構成されてもよい。図16(a)に示す第7変形例の突出部117は、2つの長辺突出部11A,11B及び2つの短辺突出部11C,11Dによって構成される。ただし、突出部117の周方向に隣り合う長辺突出部11A,11Bと短辺突出部11C,11Dとは、接続されていない。すなわち、4つの隅部を含まずに、長辺突出部11A,11Bと短辺突出部11C,11Dとは、突出部117の周方向に間隔をあけて位置している。突出部117が形成されない載置部12の周囲の四隅の部分は、非突出部13となる。非突出部13は、載置部12の載置面12aと同じ高さに位置している。この突出部117は、載置部12に載置された携帯端末装置50の四辺の各一部を支持することができる。すなわち、突出部117は、上述した実施形態及び変形例と同様に、載置部12に携帯端末装置50を載置した状態で携帯端末装置50の四方の側面50wのそれぞれと対向する4つの壁面を含んで構成されている。また、長辺突出部11A,11Bと短辺突出部11C,11Dとが間隔をあけて位置することで、長辺突出部11A,11Bと短辺突出部11C,11Dとの間の隙間に手指を入れることができる。これにより、載置部12に載置された携帯端末装置50を取り出しやすくすることができる。
突出部が複数の分割突出部で構成された形態として、4つの隅部を含んだ分割突出部で構成した第3変形例から第6変形例を説明し、4つの辺部の分割突出部で構成した第7変形例を説明したが、異なる変形例の分割突出部どうしを組合せてもよい。例えば、図14(c)に示す第3変形例の短辺突出部11Dを含む1つの分割突出部と、図15(a)に示す第5変形例の2つの隅突出部11Hとを組合せた態様、図15(a)に示す第5変形例の2つの隅突出部11Hと、図16(a)に示す第7変形例の短辺突出部11Dとを組合せた態様であってもよい。すなわち、載置部12に携帯端末装置50を載置した状態で携帯端末装置50の四方の側面50wのそれぞれと対向する4つの壁面を含んで構成されていれば、分割突出部の配置や形状は任意である。また、第1変形例から第7変形例に示す突出部111〜117の隙間には、非突出部13の代わりにボード部Bの上面Baから突出する低領域部(低領域の一例)が設けられてもよい。
上述した変形例や変形例どうしを組合せた態様のバランスボードBBであっても、ボード部Bの上面Baの中央に設けられた突出部111〜117により、独創性の高い意匠を実現する。つまり、これらの態様のバランスボードBBは、携帯端末装置50を囲む突出部11を上面Baから突出させたことにより携帯端末装置50を破損から保護しつつ、ユーザU自身の携帯端末装置50と連動したバランス運動をユーザUに提供できるという新しいコンセプトに基づく意匠となり得る。
本発明の一態様において、突出部が2つの長辺突出部11A,11B及び2つの短辺突出部11C,11Dによって構成される場合、突出部は、例えば分割されなくてもよい。すなわち、突出部は、載置部12の周囲の全部においてボード部Bの上面Baに対して突出してよい。
本発明の一態様において、突出部は、長方形状に形成された載置部12の周囲に沿うように形成されることに限られない。
図16(b)に示す第8変形例の突出部118は、ボード部Bの上面Ba側から見て、載置部12を囲む楕円形状に形成されている。突出部118は、載置部12に載置された携帯端末装置50の側面に対向する突出部118の壁面11Kが、平面視で長方形状に形成された載置部12(携帯端末装置50)の四隅に接するように形成される。すなわち、ボード部Bの上面Ba側から見て楕円形状に形成された突出部118の壁面11Kは、載置部12(携帯端末装置50)の四隅に外接する楕円形状に形成されている。
図16(b)に示した構成では、載置部12に載置された携帯端末装置50の四隅が突出部118の壁面11Kに接することで、携帯端末装置50が載置部12上で滑り動くことを抑制できる。また、携帯端末装置50が載置部12上で回転することも防止できる。
また、図16(b)に示した構成では、突出部118の壁面11Kが、載置部12の四隅の各間において、載置部12に配された携帯端末装置50の側面に対して間隔をあけて位置する。このため、突出部118の壁面11Kと携帯端末装置50の側面との間にユーザUの手指を入れて、載置部12に載置した携帯端末装置50を容易に取り出すことができる。すなわち、突出部118が周方向に分割されていなくても、携帯端末装置50を容易に取り出すことができる。
本発明の一態様のバランスボードBBは、ユーザUの両腕をボード部Bの上面Baのうち中央領域の両側に位置する2つの領域にそれぞれ配置するバランス運動にも適用できる。
本発明の一態様のバランスボードBBは、例えばアタッチメントCを備えず、ボード部Bのみ備えてよい。また、ボード部Bは、アタッチメントCを装着することを前提とする場合は、例えば凸部B1Aを備えなくてもよい。
本発明の一態様において、ボード部Bの上面Baは、例えば長方形やひし形などの形状に形成されてもよい。
本発明の一態様において、突出部の隙間には、例えば非突出部13や低領域部が設けられなくてもよい。すなわち、突出部の隙間は空洞であってもよい。
本発明の一態様において、蓋部材B2は、例えば載置部12のみ含んでよい。この場合、突出部や非突出部13(又は低領域部)は、例えばボード本体B1に一体に形成されてよい。例えば突出部は、ボード本体B1の窪み部27の周囲においてボード本体B1の上面Baから突出してよい。
本発明の一態様において、載置部12は、例えばボード本体B1に一体に形成されてもよい。すなわち、載置部12及びボード本体B1は一つの部品で構成されてよい。
本発明の一態様において、載置部12の載置面12aは、例えばボード部Bの上面Baと同じ高さに位置してもよい。
〔携帯端末装置50の変形例〕
上記実施形態では、携帯端末装置50をバランスボードBBに載置する前には傾き量の校正(キャリブレーション)を行わない構成を説明したが、バランスボードBBに載置する前に校正(キャリブレーション)を行う構成としてもよい。その場合、バランスボードBBに載置する前に携帯端末装置50における傾き量の検出精度(センサ54の検出精度)による誤差の影響を除外することができる。
また、携帯端末装置50は、バランスボードBBに載置または設置された外部センサから傾き量に関する検出結果を取得してもよい。例えば、携帯端末装置50は、内蔵のセンサ54に代えて、または加えてバランスボードBBに載置または設置された外部センサから傾き量に関する検出結果を取得し、当該外部センサで検出された傾き量に基づいて、バランスボードBBの傾き情報を表示部51に表示してもよい。
なお、上述の携帯端末装置50が備える制御部57の機能の一部または全部を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより制御部57の一部または全部としての処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD−ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部または外部に設けられた記録媒体も含まれる。配信サーバの記録媒体に記憶されるプログラムのコードは、端末装置で実行可能な形式のプログラムのコードと異なるものでもよい。すなわち、配信サーバからダウンロードされて端末装置で実行可能な形でインストールができるものであれば、配信サーバで記憶される形式は問わない。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後に端末装置で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、機能ごとに独立したものであってもよく、各プログラムにより実現される機能同士が例えば通信することにより恊働するようなものであってもよい。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
また、上述した携帯端末装置50の機能の一部または全部を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現してもよい。上述した各機能は個別にプロセッサ化してもよいし、一部、または全部を集積してプロセッサ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現してもよい。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いてもよい。
上記実施形態では、携帯端末装置50を載置する載置部12を備えたバランスボードBBを用いて、携帯端末装置50と連動した運動をユーザUに提供できることの説明をしたが、この載置部12を他の運動器具と組み合わせることで、その運動器具において携帯端末装置50と連動した運動をユーザUに提供することが可能となる。他の運動器具として踏み台(ステップ台)が例示できる。踏み台の上面の中央領域に窪み部27を形成すれば蓋部材B2の一部または全部を収容可能となり、踏み台の上面を踏むタイミングやスピード等を支援することができる。