JP2020057469A - スイッチ装置 - Google Patents
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Abstract
Description
従来からあるロッカスイッチには、コイルバネの弾性エネルギーを利用して、ハウジングに固定された受部を支点として可動接片を搖動させるもの(特許文献1)や、搖動自在な滑動部を可動接片上で滑動させるもの(特許文献2)がある。
またさらに、コイルバネは、長ければ長いほど可動接片に加わる荷重が小さくなるので、それに伴い、可動接片が接触端子に接触する際の接触力が小さくなる。そうすると、通電状態の安定性が損なわれるおそれもある。このため、可動接片が接触端子に接触する際の接触力を大きくしたいという要望があった。
ボタンの一端部に対する押下操作を受け付けることで、ハウジングに固定された共通端子との接触点を有する可動接片を搖動させ、当該可動接片を接触端子に接触させることで通電状態に切り替え、前記ボタンの他端部に対する押下操作を受け付けることで、前記可動接片を反対側へ揺動させ、前記接触端子から離隔させることで遮断状態に切り替えるスイッチ装置において、
前記押下操作に応じて圧縮又は開放を繰り返すコイルバネと、
前記ボタンに設けられ、前記コイルバネの一方端を嵌合させる嵌合部と、
前記可動接片に設けられ、前記コイルバネの他方端を嵌合させて前記コイルバネの圧縮又は開放により生じた弾性エネルギーを前記可動接片に伝達する伝達部と、
を備え、
前記可動接片は、伝達された前記弾性エネルギーを利用して、前記接触点を移動させながら当該接触点を支点として搖動する。
この発明によれば、ロッカスイッチ全体のサイズを短小化させて、様々な用途にロッカスイッチを利用したいとする要望に応えることができるともに、ロッカスイッチの接点における接触力を強くして、通電状態の安定性を高めることができる。
この発明によれば、押下操作により得られるエネルギーを直接的に可動接片の搖動に利用することができるので、ロッカスイッチの接点における接触力をさらに高めることができる。その結果、通電状態の安定性をさらに向上させることができる。
また、本明細書における、「下側」、「下方向」といったような「下」を示す表現は、図面上の下方向を示す表現であり、ロッカスイッチを押下する方向を意味する。また、「上側」、「上方向」といったような「上」を示す表現は、図面上の上方向を示す表現であり、ロッカスイッチを押下する方向とは逆方向を意味する。
(基本構成)
本発明の第1実施形態に係るロッカスイッチ1は、コイルバネが圧縮又は開放する際、可動接片13と受部141とが接触する点を支点Sとし、支点Sの位置を移動させながら可動接片13を搖動させる。具体的には、遮断状態にあるロッカスイッチ1に対し、通電状態とするための押下操作が行われた場合、支点Sは、図3(A)に示す支点S1、図3(B)に示す支点S2、図4(A)に示す支点S3、図4(B)に示す支点S4、図5に示す支点S5の順で移動する。また、通電状態にあるロッカスイッチ1に対し、遮断状態とするための押下操作が行われた場合、支点Sは、図5に示す支点S5、図4(B)に示す支点S4、図4(A)に示す支点S3、図3(B)に示す支点S2、図3(A)に示す支点S1の順で移動する。
すなわち、ロッカスイッチ1は、遮断状態にあるロッカスイッチ1に対し、通電状態とするための押下操作が行われた場合には、共通端子14の上面に形成された受け部141において、支点S1からS5の順で支点Sの位置を移動させながら可動接片13が搖動し、遮断状態とするための押下操作が行われた場合には、その逆の順で支点Sの位置を移動させながら可動接片13が搖動する、という特徴を有するロッカスイッチである。
ロッカスイッチ1は、図1及び図2に示すように、ボタン11と、コイルバネ12と、可動接片13と、共通端子14と、接触端子15と、ハウジング16とを含むように構成されている。
ボタン11は、ロッカスイッチ1に対する操作を受け付けるためのボタンであり、軸111を回転軸として搖動可能とするボタンである。軸111は、ハウジング16の軸受161によって軸支されている。
具体的には、ボタン11は、ロッカスイッチ1を遮断状態から通電状態にするための押下操作(以下、「通電操作」と呼ぶ)と、通電状態から遮断状態にするための押下操作(以下、「遮断操作」と呼ぶ)とを受け付ける。
ボタン11に対する押下操作のうち、通電操作が行われる場合と、遮断操作が行われる場合とで押下される位置が異なる。例えば図3(A)に示すように遮断状態にあるロッカスイッチ1に対して通電操作が行われる場合には、ボタン11の中央部よりも左側が押下される。また例えば図5に示すように通電状態にあるロッカスイッチ1に対して遮断操作が行われる場合には、ボタン11の中央部よりも右側が押下される。ボタン11の中央部よりも左側が押下されると、ボタン11は、軸111を回転軸として左回りに回転するように搖動し、ハウジング16に係止される。ボタン11の中央部よりも右側が押下されると、ボタン11は、軸111を回転軸として右回りに回転するように搖動し、ハウジング16に係止される。
ボタン11に対する押下操作がなされると、コイルバネ12が圧縮又は開放し、その圧縮又は開放により生じる弾性エネルギーを利用して可動接片13が搖動する。
コイルバネ12は、図3(A)〜図5に示すように、一方の端部が、ボタン11の嵌合部112に嵌合され、他方の端部が、可動接片13の荷重片131に嵌合されたコイルバネである。コイルバネ12は、図3(A)〜図5に示すように、ボタン11に対する押下操作を受けると圧縮又は開放を繰り返す。圧縮又は開放により生じた弾性エネルギーは、可動接片13に伝達されることで可動接片13が搖動する。
なお、スイッチ構造の見やすさの見地から、コイルバネ12の外観の表示は図1のみとし、図3(A)〜図5では、コイルバネ12の位置や動きを示す中心軸のみを破線で表示している。
可動接片13は、コイルバネ12の圧縮又は開放により生じる弾性エネルギーを利用して搖動する接片であり、荷重片131と、接触片132と、端部133と、底部134とを含むように構成されている。可動接片13は、共通端子14の上面に形成された受け部141において、支点Sの位置を移動させながら搖動する。
荷重片131は、コイルバネ12に嵌合される部材であり、コイルバネ12に嵌合された荷重片131の端部は、可動接片13がコイルバネ12の圧縮又は開放により生じた弾性エネルギーを利用して搖動する際の荷重点LPとなる。
ここで、本発明に係るロッカスイッチ1における荷重点LPと支点Sとの距離は、長ければ長い方ほど、梃の原理によって荷重点LPに加える力が小さくて済む。このため、荷重点LPと支点Sとの距離については、図3(A)等に示すように、荷重片131の長さの分だけ確保することができる。その結果、短いコイルバネ12を採用することでロッカスイッチ1の低背化を図った場合であっても、接点Pにおいて十分な接触力を確保することができる。
接触片132は、接触端子15の接触片151と接点Pで接触することで、ロッカスイッチ1を通電状態にするための部材である。
端部133は、接触片132とは反対側の端部のことをいう。端部133は、ロッカスイッチ1が遮断状態のときはハウジング16により係止された状態となるが、ロッカスイッチ1が通電状態のときはハウジング16から離隔した状態となる。
底部134は、共通端子14の上面に形成される受部141のいずれかの位置に対し、点又は面で接触している部位である。ボタン11に対する押下操作が行われると、底部134と受部141との接触部分が、可動接片13が搖動する際の支点Sとなる。
具体的には、可動接片13は、ボタン11に対する遮断操作が行われた後は、図3(A)に示すように、接触端子15と離隔し、端部133がハウジング16に係止されて静止した状態となる。
つまり、共通端子14は、所定の厚みを有するため、共通端子14の上面が、可動接片13と接触する受部141を形成することとなる。可動接片13は、共通端子14の上面に形成された受部141の面に沿って、接触する部分(すなわち支点S)を移動させながら搖動する。
搖動した可動接片13は、上述した図3(A)に示すように、ハウジング16に端部133を係止されることで静止する。このとき、可動接片13の接触片132は、接触端子15の接触片151と離隔した状態となるので、ロッカスイッチ1は遮断状態となる。
共通端子14は、上面が、可動接片13と接触する部分となる受部141を形成しており、他方の端部が、ハウジング16に固定されている端子である。上面が受部141を形成しているので、上述したように、可動接片13は、共通端子14の受部141の面に沿って、接触する部分(すなわち支点S)を移動させながら搖動する。
接触端子15は、一方の端部に接触片151を有し、他方の端部がハウジング16に固定されている端子である。
ボタン11に対する通電操作が行われると、可動接片13が搖動し、接触片151が可動接片13の接触片132を係止する。これにより、接触片151と接触片132とが接点Pで接触した状態となるため、ロッカスイッチ1が通電状態になる。
そして、ボタン11に対する遮断操作が行われると、可動接片13が搖動し、接触片151から接触片132が離隔する。これにより、接触片151と接触片132とが接触していない状態となるため、ロッカスイッチ1が遮断状態になる。
ハウジング16は、中心部に、ボタン11と、コイルバネ12と、可動接片13と、共通端子14と、接触端子15とを配置させるための空洞Hを有する箱状のハウジングであり、ロッカスイッチ1を構成する部材を直接的又は間接的に支持する。ハウジング16には、ボタン11の軸111を軸支する軸受161が設けられている。
(基本構成)
本発明の第2実施形態に係るロッカスイッチ2は、図6に示すように、第1実施形態と同様に、コイルバネ12が圧縮又は開放する際、可動接片23と受部141とが接触する部分を支点Sとし、支点Sの位置を移動させながら搖動する。すなわち、ロッカスイッチ2は、共通端子14の上面に形成された受け部141において、支点Sの位置を移動させながら可動接片23が搖動する、という特徴を有するロッカスイッチである。
ロッカスイッチ2は、図6に示すように、ボタン21と、コイルバネ12と、可動接片23と、共通端子14と、接触端子15と、ハウジング16とを含むように構成されている。
ボタン21は、ロッカスイッチ2に対する操作を受け付けるためのボタンであり、軸211を回転軸として搖動可能とするボタンである。軸211は、ハウジング16の軸受161によって軸支されている。また、嵌合部212には、コイルバネ12が嵌合されている。
このように、第2実施形態の場合、第1実施形態と異なり、ボタン11に対する押下操作を直接的に可動接片23に伝達することもできる。
可動接片23は、コイルバネ12の圧縮又は開放により生じる弾性エネルギーを利用して搖動する接片であり、第1荷重片231と、接触片232と、端部233と、底部234と、第2荷重片235a及び235bと、を含むように構成されている。可動接片23は、共通端子14の上面に形成された受け部141において、支点Sの位置を移動させながら搖動する。
第1荷重片231は、コイルバネ12に嵌合される部材であり、コイルバネ12に嵌合された第1荷重片231の端部は、可動接片23がコイルバネ12の圧縮又は開放により生じた弾性エネルギーを利用して搖動する際の荷重点LPとなる。
接触片232は、接触端子15の接触片151と接点Pで接触することで、ロッカスイッチ1を通電状態にするための部材である。
端部233は、接触片232とは反対側の端部のことをいう。端部233は、ロッカスイッチ2が遮断状態のときはハウジング16に圧接された状態となるが、ロッカスイッチ2が通電状態のときはハウジング16から離隔した状態となる。
底部234は、共通端子14の上面により形成される受部141のいずれかの位置に対し、点又は面で接触している部位である。ボタン21に対する押下操作が行われると、底部234と受部141との接触部分が、可動接片23が搖動する際の支点Sとなる。
第2荷重片235aは、ボタン21の搖動片213の近傍に配置された部材であり、搖動片213が接触端子15から離れる方向(すなわち、図面における左方向)に搖動すると、搖動片213に押圧されて荷重が加えられる。これにより、可動接片23は、接触端子15から離れる方向(すなわち、図面における左方向)に支点Sを移動させながら搖動する。その結果、可動接片23の接触片232が、接触端子15の接触片151から離隔するため、ロッカスイッチ2は遮断状態となる。
第2荷重片235bは、ボタン21の搖動片213の近傍に配置された部材であり、搖動片213が接触端子15に近づく方向(すなわち、図面における右方向)に搖動すると、搖動片213に押圧されて荷重が加えられる。これにより、可動接片23は、接触端子15に近づく方向(すなわち、図面における右方向)に支点Sを移動させながら搖動する。その結果、可動接片23の接触片232が、接触端子15の接触片151に接触するため、ロッカスイッチ2は通電状態となる。
即ち、本発明が適用されるスイッチ装置(例えば図1のロッカスイッチ1)は、
ボタン(例えば図1のボタン11)の一端部に対する押下操作を受け付けることで、ハウジング(例えば図1のハウジング16)に固定された共通端子(例えば図1の共通端子14)との接触点(例えば図3(A)の受部141)を有する可動接片(例えば図1の可動接片13)を搖動させ、当該可動接片を接触端子(例えば図1の接触端子15)に接触させることで通電状態に切り替え、前記ボタンの他端部に対する押下操作を受け付けることで、前記可動接片を反対側へ揺動させ、前記接触端子から離隔させることで遮断状態に切り替えるスイッチ装置において、
前記押下操作に応じて圧縮又は開放を繰り返するコイルバネ(例えば図1のコイルバネ12)と、
前記ボタンに設けられ、前記コイルバネの一方端を嵌合させる嵌合部(例えば図3の嵌合部112)と、
前記可動接片に設けられ、前記コイルバネの他方端を嵌合させて前記コイルバネの圧縮又は開放により生じた弾性エネルギーを前記可動接片に伝達する伝達部(例えば図3(A)の荷重片131)と、
を備え、
前記可動接片は、伝達された前記弾性エネルギーを利用して、前記接触点を移動させながら当該接触点を支点(例えば図3(A)の支点S1)として搖動する。
これにより、押下操作により得られるエネルギーを直接的に可動接片13の搖動に利用することができるので、接触片232が接触片151を押圧する接力をさらに高めることができる。その結果、通電状態の安定性をさらに向上させることができる。
Claims (3)
- ボタンの一端部に対する押下操作を受け付けることで、ハウジングに固定された共通端子との接触点を有する可動接片を搖動させ、当該可動接片を接触端子に接触させることで通電状態に切り替え、前記ボタンの他端部に対する押下操作を受け付けることで、前記可動接片を反対側へ揺動させ、前記接触端子から離隔させることで遮断状態に切り替えるスイッチ装置において、
前記押下操作に応じて圧縮又は開放を繰り返すコイルバネと、
前記ボタンに設けられ、前記コイルバネの一方端を嵌合させる嵌合部と、
前記可動接片に設けられ、前記コイルバネの他方端を嵌合させて前記コイルバネの圧縮又は開放により生じた弾性エネルギーを前記可動接片に伝達する伝達部と、
を備え、
前記可動接片は、伝達された前記弾性エネルギーを利用して、前記接触点を移動させながら当該接触点を支点として搖動する、
スイッチ装置。 - 前記可動接片が揺動自在となるように、前記ボタンと前記可動接片とを連結させる連結手段とを備えることを特徴とする請求項1に記載のスイッチ装置。
- 前記連結手段が、前記ボタンまたは前記可動接片に形成された凸部と、前記凸部と嵌合する、前記可動接片または前記ボタンに形成された凹部とからなることを特徴とする請求項2に記載のスイッチ装置。
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