JP2020057032A - 画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法、及び画像処理プログラム - Google Patents

画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法、及び画像処理プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】織物上に形成される画像における濃度ムラを低減することができる、画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法、及び画像処理プログラムを提供する。【解決手段】画像形成装置10は、織物である記録媒体12上に形成する画像を表す画像データに対して、織物の織り方向に基づいた方向性を有する画像変換処理を行う画像処理部110を備える。【選択図】図14

Description

本発明は、画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法、及び画像処理プログラムに関する。
従来、布帛等の織物である記録媒体に画像データに基づいた画像を形成する画像形成装置が知られており、例えば、特許文献1に記載の技術が知られている。特許文献1に記載の技術は、布帛の特性を考慮して、画像処理により布帛に形成される画像の色を所望の色に近づける技術が記載されている。
特開2000−345463号公報
ところで、織物である記録媒体に画像を形成する場合、形成された画像に、いわゆるモアレのような濃度ムラが生じてしまう場合があった。特許文献1に記載の技術では、このような濃度ムラを改善するのは困難であった。
本開示は、以上の事情を鑑みて成されたものであり、織物上に形成される画像における濃度ムラを低減することができる、画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法、及び画像処理プログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本開示の画像処理装置は、織物上に形成する画像を表す画像データに対して、織物の織り方向に基づいた方向性を有する画像変換処理を行う変換処理部を備える。
また、本開示の画像処理装置における織り方向とは、織物を構成する縦糸の並ぶ方向、及び織物を構成する横糸の並ぶ方向の少なくとも一方であってもよい。
また、本開示の画像処理装置の変換処理部は、縦糸のピッチに応じた第1の周波数、及び横糸のピッチに応じた第2の周波数の少なくとも一方に基づいて、画像データに対する画像変換処理を行ってもよい。
また、本開示の画像処理装置の変換処理部は、縦糸の並ぶ方向に対応する第1の方向における画像の周波数成分から、第1の周波数に応じた周波数成分を除去する処理、及び横糸の並ぶ方向に対応する第2の方向における画像の周波数成分から、第2の周波数に応じた周波数成分を除去する処理の少なくとも一方を、画像変換処理として行ってもよい。
また、本開示の画像処理装置の変換処理部は、画像の第1の方向における周波数成分から第1の周波数に応じた周波数成分、及び画像の第2の方向における周波数成分から第2の周波数に応じた周波数成分の少なくとも一方を除去するフィルタを用いて、画像変換処理を行ってもよい。
また、本開示の画像処理装置の変換処理部は、画像の第1の方向における周波数成分から第1の周波数の1/2倍以上の周波数成分、及び画像の第2の方向における周波数成分から第2の周波数の1/2倍以上の周波数成分の少なくとも一方を除去するフィルタを用いて、画像変換処理を行ってもよい。
また、本開示の画像処理装置は、第1の周波数及び第2の周波数の少なくとも一方を導出する導出部をさらに備えてもよい。
また、本開示の画像形成装置は、本開示の画像処理装置と、画像処理装置により画像変換処理が行われた画像データに基づいた画像を織物上に形成する画像形成部と、を備える。
また、本開示の画像処理方法は、織物上に形成する画像を表す画像データに対する画像処理方法であって、画像データに対して、織物の織り方向に基づいた方向性を有する画像変換処理を行う処理を含む。
また、本開示の画像処理プログラムは、織物上に形成する画像を表す画像データに対する画像処理をコンピュータに実行させる画像処理プログラムであって、画像データに対して、織物の織り方向に基づいた方向性を有する画像変換処理を行う処理を含む。
本開示によれば、織物上に形成される画像における濃度ムラを低減することができる。
実施形態の画像形成装置の構成の一例を示す外観斜視図である。 実施形態の画像形成装置の記録媒体搬送路を模式的に示す模式図である。 実施形態のキャリッジ上に配置される記録ヘッドの配置形態の一例を示す平面透視図である。 図3における記録ヘッドの拡大図である。 実施形態の画像形成装置におけるマルチパス方式の画像形成方法の一例を説明するための説明図である。 8回のパスを1単位とした描画動作による各走査(パス)の番号と、その走査(パス)によって形成される打滴の位置の関係を模式的に示した模式図である。 実施形態の画像形成装置の構成の一例を表すブロック図である。 記録媒体における織り方向に基づいた周波数特性について説明するための説明図である。 画像データの周波数が糸の並びに応じた周波数の1/2倍とみなせる場合の、画像データの周波数と、画像形成前の糸の並びに応じた周波数と、画像形成後の糸の状態との関係の一例について説明するための説明図である。 図9Aに示した一例と、画像データの位相が異なる場合の例について説明するための説明図である。 画像データの周波数が糸の並びに応じた周波数の1/2倍よりも高周波の場合の、画像データの周波数と、画像形成前の糸の並びに応じた周波数と、画像形成後の糸の状態との関係の一例とを説明するための説明図である。 図10Aに示した一例と、画像データの位相が異なる場合の例について説明するための説明図である。 画像データの周波数が糸の並びに応じた周波数の1/4倍の場合の、画像データの周波数と、画像形成前の糸の並びに応じた周波数と、画像形成後の糸の状態との関係の一例を説明するための説明図である。 図11Aに示した一例と、画像データの位相が異なる場合の例について説明するための説明図である。 画像データの周波数が糸の並びに応じた周波数の1/4倍よりも低周波の場合の、画像データの周波数と、画像形成前の糸の並びに応じた周波数と、画像形成後の糸の状態との関係の他の例を説明するための説明図である。 図12Aに示した一例と、画像データの位相が異なる場合の例について説明するための説明図である。 画像データの周波数が糸の並びに応じた周波数の1/4倍より高く、1/2倍よりも低い場合の、画像データの周波数と、画像形成前の糸の並びに応じた周波数と、画像形成後の糸の状態との関係の他の例を説明するための説明図である。 図13Aに示した一例と、画像データの位相が異なる場合の例について説明するための説明図である。 実施形態の画像処理部により実行される画像変換処理の一例を示すフローチャートである。 画像変換処理を行わなかった画像データにより形成された画像に生じた濃度ムラの一例を比較例として示した説明図である。 本実施形態の画像変換処理を行った画像データにより形成された、図15に対応する部分の画像を示した説明図である。
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態例を詳細に説明する。
まず、図1を参照して、本実施形態の画像形成装置10の構成について説明する。図1は、本実施形態の画像形成装置10の一例の構成を示す外観斜視図である。本実施形態の画像形成装置10は、織物である記録媒体12に画像を形成する画像形成装置であり、一例として、図1に示すように、いわゆるワイドフォーマットプリンタである。
画像形成装置10は、装置本体20と、装置本体20を支持する支持脚22と、を備えている。装置本体20には、記録ヘッド24と、プラテン26と、ガイド機構28と、キャリッジ30と、が備えられている。
本実施形態の記録ヘッド24は、記録媒体12に向けてインクを吐出するドロップオンデマンド型のインクジェットヘッドである。
本実施形態において記録媒体12は織物であれば特に限定されない。記録媒体12として用いる織物を構成する糸としては、浸透性を有するか否かを問わず、例えば、紙、布帛、塩化ビニル、合成化学繊維、ポリエチレン、ポリエステル、ターポリン等を用いることができる。
プラテン26は、記録媒体12を支持する。ガイド機構28及びキャリッジ30は、記録ヘッド24を移動可能に支持する。ガイド機構28は、プラテン26の上方において、記録媒体12の搬送方向(以下、単に「搬送方向」という)と交差する方向であって、かつプラテン26の媒体支持面と平行な方向に沿って配置されている。プラテン26の上方とは、重力方向を「下方」として、プラテン26よりも上側の高い位置であることを意味する。本実施形態では、搬送方向と交差する方向であって、かつ記録媒体12の記録面に平行な方向が「主走査方向」に相当し、搬送方向が「副走査方向」に相当する。図1では、矢印Xが副走査方向を示し、矢印Yが主走査方向を示している。
なお、本実施形態の主走査方向が本開示の「第1方向」の一例に対応し、本実施形態の副走査方向が本開示の「第2方向」の一例に対応する。
キャリッジ30は、ガイド機構28に沿って主走査方向に往復移動が可能に支持されている。
キャリッジ30には、記録ヘッド24が搭載されている(図3も参照)。記録ヘッド24は、ガイド機構28に沿ってキャリッジ30と共に一体的に移動する。本実施形態の画像形成装置10では、キャリッジ30をガイド機構28に沿って主走査方向に往復移動させることにより、記録ヘッド24を記録媒体12に対して主走査方向に相対移動させる。本実施形態のキャリッジ30が、本開示の「第1移動部」の一例に対応する。
装置本体20には、インクカートリッジ36を取り付けるための取付部38が設けられている。インクカートリッジ36は、インクを貯留する交換自在なインクタンクである。インクカートリッジ36は、画像形成装置10で使用される各色のインクに対応して設けられている。本実施形態の画像形成装置10は、一例として、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)ライトシアン(LC)、ライトマゼンタ(LM)、クリア(透明)インク(CL)、及び2つのホワイトインク(W1、W2)を用いて画像を形成するものである。このように本実施形態では、記録媒体12に対する前処理を行うために、前処理用のインクとして、ホワイトインク(W1、W2)を用いている。ホワイトインク(W1、W2)は、インクの定着や発色を良くするための処理剤としての機能を有する。
なお、記録媒体12に対する前処理方法は、ホワイトインク(W1、W2)による方法に限定されない。例えば、プラテン26やローラ40よりも、搬送方向上流側に、記録媒体12に対して前処理を行う前処理部を設けてもよい。この場合の前処理部としては、例えば、固定化剤として硝酸カルシウム4水和物、溶剤として1、3−プロパンジオール、及び溶剤としてイオン交換水を含む前処理液を、ローラ等により記録媒体12に塗布する前処理を行うものが挙げられる。
色別の各インクカートリッジ36は、それぞれ独立に形成されたインク供給経路(図示省略)によって記録ヘッド24に接続される。各色のインク残量が少なくなった場合にインクカートリッジ36の交換が行われる。
次に、本実施形態の画像形成装置10における記録媒体12の搬送路について説明する。図2は、本実施形態の画像形成装置10の記録媒体12の搬送路の一例を模式的に示す模式図である。図2に示すように、プラテン26は、その上面が記録媒体12を支持する支持面となる。プラテン26の位置に対して、搬送方向の上流側にローラ40が設けられている。
本実施形態の記録媒体12は、ロール状に巻かれたシート状の媒体として供給される。供給側のロール42から送り出された記録媒体12は、ローラ40によって搬送される。記録ヘッド24と対向する位置に到達した記録媒体12に対して、記録ヘッド24からインクが吐出されることにより画像が形成される。記録ヘッド24の位置よりも搬送方向の下流側には、画像が形成された後の記録媒体12を巻き取る巻取ロール44が設けられている。また、プラテン26と巻取ロール44との間の記録媒体12の搬送路にはガイド46が設けられている。
画像形成装置10における搬送方式は特に限定されないが、本実施形態では、一例として、供給側のロール42から送り出された記録媒体12がプラテン26を経由して巻取ロール44に巻き取られる、いわゆるロール・ツー・ロール方式が採用されている。その他の方式としては、例えば、巻取ロール44を省略した方式としてもよい。また、画像形成装置10は、例えば、記録媒体12を所望のサイズに切断するカッター等の切断装置を備えていてもよい。また、記録媒体12の供給は、ロールの状態で供給する場合に限らず、例えば、カット紙(いわゆる、枚葉紙)等の1枚ずつ分離された媒体を供給してもよい。
また、本実施形態の画像形成装置10では、プラテン26の裏面側、すなわち、プラテン26における記録媒体12を支持する媒体支持面と反対側には、温調部50、プレ温調部52、及びアフター温調部54が備えられている。温調部50は、画像を形成中の記録媒体12の温度を調整する。本実施形態の画像形成装置10では、温調部50による温度調整により、記録媒体12に着弾したインクの粘度や、表面張力等の物性値が所望の値になり、所望のドット径を得ることが可能となる。プレ温調部52は、温調部50における搬送方向の上流側に設けられている。アフター温調部54は、温調部50における搬送方向の下流側に設けられている。なお、本実施形態の画像形成装置10の構成に限定されず、プレ温調部52及びアフター温調部54の少なくとも一方を省略してもよい。
なお、画像形成装置10は、アフター温調部54に代わり、またはアフター温調部54とは別途に、後処理を行う後処理部を備えてもよい。このような後処理部としては、例えば、画像が形成された記録媒体12に対して加熱処理を行う加熱処理部、画像が形成された記録媒体12をハイドロサルファイト等の還元洗浄助剤を用いて還元洗浄する還元洗浄部、及び画像が形成された記録媒体12を乾燥させる乾燥部、等が挙げられる。なお、加熱処理部、還元洗浄部、及び乾燥部を設ける場合は、搬送方向上流側から順に、この順番で設けることが好ましい。
次に、本実施形態の画像形成装置10におけるキャリッジ30について図3及び図4を参照して説明する。図3は、本実施形態のキャリッジ30上に配置される記録ヘッド24の配置の一例を示す平面透視図である。また、図4は、図3における記録ヘッド24のうち、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、及びブラック(K)の部分を拡大した拡大図である。
図3及び図4に示すように、記録ヘッド24には、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)ライトシアン(LC)、ライトマゼンタ(LM)、クリア(透明)インク(CL)、及び2つのホワイトインク(W1、W2)の各色のインク毎に、インクを吐出するためのノズル62(図4参照)が副走査方向に配列されたノズル列61C、61M、61Y、61K、61LC、61LM、61CL、61W1、及び61W2が設けられている。なお、以下は、ノズル列61C、61M、61Y、61K、61LC、61LM、61CL、61W1、及び61W2について、個々を区別せずに総称する場合は、個々を区別する色を表す符号(C、M、Y、K、CL、LC、W1、及びW2)の記載を省略し、単に「ノズル列61」という。
図3ではノズル列61を点線により示し、ノズル62の個別の図示は省略している。一例として、図3及び図4に示した記録ヘッド24では、図の左からホワイトのノズル列61W1、イエローのノズル列61Y、マゼンタのノズル列61M、シアンのノズル列61C、ブラックのノズル列61K、ライトシアンのノズル列61LC、ライトマゼンタのノズル列61LM、クリアのノズル列61CL、及びホワイトのノズル列61W2の順で各ノズル列が配置されている状態を示しているが、インクの種類や色の組み合わせ、及びインクの数については本実施形態に限定されない。なお、本実施形態において「インクの種類」とは、色に関する種類に限定されず、インクの性質に応じた種類も含む。
例えば、ライトシアンやライトマゼンタ等の淡インクを省略してもよいし、ホワイトインクの少なくとも一方やクリアインクを省略してもよい。また、例えば、その他の特別色のインク等を設けてもよい。なお、記録ヘッド24には、使用されるインクの色の種類に応じて、該当するインクを吐出するノズル列61が設けられる。また、色別のノズル列61の配置順序は、適宜変更可能である。
図3及び図4に示した一例のように、本実施形態の記録ヘッド24は、ノズル列61C、61M、61Y、61K、61LC、61LM、61CL、61W1、及び61W2毎に構成されたヘッドモジュール(24C、24M、24Y、24K、24LC、24LM、24CL、24W1、及び24W2)が、主走査方向に並んで配置されている。具体的には、本実施形態の記録ヘッド24には、ホワイトのインクを吐出するノズル列61W1を有するヘッドモジュール24W1と、イエローのインクを吐出するノズル列61Yを有するヘッドモジュール24Yと、マゼンタのインクを吐出するノズル列61Mを有するヘッドモジュール24Mと、シアンのインクを吐出するノズル列61Cを有するヘッドモジュール24Cと、ブラックのインクを吐出するノズル列61Kを有するヘッドモジュール24Kと、ライトシアンのインクを吐出するノズル列61LCを有するヘッドモジュール24LCと、ライトマゼンタのインクを吐出するノズル列61LMを有するヘッドモジュール24LMと、クリアのインクを吐出するノズル列61CLを有するヘッドモジュール24CLと、ホワイトのインクを吐出するノズル列61W2を有するヘッドモジュール24W2と、が主走査方向に沿って等間隔に並べて配置されている。
図4に示したように、ノズル列61C、61M、61Y、及び61Kの各々は、複数個のノズル62が副走査方向に一定の間隔で並んで配列されている。図4では、一例として、ノズル列61C、61M、61Y、及び61Kにそれぞれ30個のノズル62が配列されている形態を示している。各色事に、各ノズル62にはノズル番号0〜29が付与されている。なお、ノズル列61LC、61LM、61CL、61W1、及び61W2についても同様の構成であることはいうまでもない。
本実施形態のノズル番号は、ノズル列61における副走査方向の一端側から他端側に向かって順番に連続番号により各ノズル62に付与されている。本実施形態では、ノズル番号を0番から開始しているが、ノズル番号の先頭番号は1番でもよく、任意の整数とすればよい。ノズル番号は、各ノズル62の位置を表す識別番号として用いることができる。
また、本実施形態では、一例として、30個のノズル62が副走査方向に沿って一列に並んだノズル列61を示したが、ノズル列61に含まれるノズル62の数、並びにノズル62の配置形態は本実施形態に限定されない。例えば、ノズル列61は、複数列のノズル列61を組み合わせた二次元ノズル配列により、副走査方向に等間隔でノズル62が並ぶノズル列61であってもよい。
本実施形態の画像形成装置10では、一例として、記録ヘッド24のインク吐出方式としては、圧電素子の変形によってインクを飛ばすピエゾジェット方式を採用している。なお、吐出エネルギー発生素子として、圧電素子に代えて、静電アクチュエータを用いてもよい。また、ヒータ等の発熱体(加熱素子)を用いてインクを加熱して気泡を発生させ、その圧力でインク滴を飛ばすサーマルジェット方式を用いてもよい。なお、紫外線硬化型インクは、一般に溶剤インクと比べて高粘度であるため、紫外線硬化型インクを使用する場合には、吐出力が比較的大きなピエゾジェット方式を用いることが好ましい。
記録ヘッド24は、主走査方向に移動しながら記録媒体12に対してインクを吐出して、記録媒体12の副走査方向に一定の長さを有する領域に対して、画像の形成を行う。そして、画像の形成後に記録媒体12が副走査方向に一定量移動されると、記録ヘッド24は、次の領域に画像形成を行う。本実施形態の画像形成装置10では、以下、記録媒体12が副走査方向に一定量移動される毎に画像形成を繰り返し行って記録媒体12の記録領域の全面にわたって画像形成を行う。
このように、本実施形態の記録ヘッド24はシリアル方式の記録ヘッドである。本実施形態の画像形成装置10(図1参照)は、複数回の主走査方向への記録ヘッド24の主走査により、所定の記録解像度を実現するマルチパス方式を採用している。
次に、本実施形態の画像形成装置10におけるマルチパス方式による画像形成方法について説明する。
図5は、マルチパス方式の画像形成方法の一例を説明するための説明図である。ここでは、説明を簡単にするために、記録ヘッド24の構成を単純化し、記録ヘッド24のノズル列61を一列とし、一列のノズル列61で画像を形成する場合を例に説明する。ノズル列61は、図4で説明したノズル列61C、61M、61Y、61K、61LC、61LM、61CL、61W1、及び61W2のいずれか一列を代表して表したものと理解することができる。
また、本実施形態では、記録媒体12を副走査方向へ間欠に搬送するが、図示の便宜上、図5では記録媒体12ではなく、記録ヘッド24を副走査方向に間欠に移動させた状態を図示している。なお、図5では記録媒体12の図示を省略し、記録ヘッド24の動きのみを示した。
図5に示すように、記録ヘッド24が主走査方向(図5における左右方向)に移動している状態においてノズル62からインクの吐出が行われる。主走査方向に沿った記録ヘッド24の往復移動と、副走査方向(図5の縦方向)への記録媒体12の間欠搬送との組み合わせによって、記録媒体12上に二次元の画像が形成される。
本実施形態では、記録ヘッド24が、記録媒体12の主走査方向の端から端まで、移動しながらノズル62からインクの吐出を行ってドットの形成を行うことを「スキャン」又は「走査」ともいう。本実施形態では、スキャンを行う場合において、記録ヘッド24が記録媒体12の主走査方向の端から端まで移動することを「パス」といい、移動した回数を「パス」で表す。本実施形態の画像形成装置10では、記録ヘッド24が主走査方向の往路パス及び復路パスの両方でスキャンを行う。すなわち、本実施形態では、記録ヘッド24が主走査方向に往復移動した場合、「2パス」と数える。
本実施形態の画像形成装置10では、一例として、N(Nは自然数)回のスキャン(パス)で所望の解像度の画像を形成させる。この場合、(N+1)回目のスキャンで記録媒体12と記録ヘッド24との相対的な位置関係(ここでは、副走査方向の位置関係)は、図5に示すような関係になる。つまり、N回のスキャンで所望の解像度の画像形成を行うために、1回目、2回目、3回目、・・・と副走査方向に記録媒体12を間欠に搬送し、ちょうど(N+1)回目にノズル列61の長さ(以下、「ノズル列長」という)に対応した位置に繋がるような位置関係とされる。N回書きの動作がシームレスに繋がるためには、1走査目の副走査方向位置から「ノズル列長+1ノズルピッチ」分だけ副走査方向に移動して(N+1)走査目が行われる。「ノズル列長」とは、ノズル62が副走査方向に並んで配列されたノズル列61の副走査方向の長さであり、ノズル列61の両端に位置するノズル62のノズル間距離に相当する。「ノズルピッチ」とはノズル列61における副走査方向のノズル間隔である。
一例として、ノズル配列密度100npiでノズル62が並んだノズル列61を有する記録ヘッド24を用いて、主走査方向に2パス、副走査方向に4パス(主2×副4)の8パス(8回書き)で主走査600dpi×副走査400dpiの解像度を実現する場合について説明する。この場合、使用するノズルは8の倍数でかつ、ノズル数(30個)以下のノズル数に最も近い値である24個のノズルを使用する。npi(nozzle per inch)は、1インチ当りのノズル62の数を表す単位である。dpi(dot per inch)は、1インチ当りのドット数を表す単位である。1インチは約25.4mmである。
以下では、解像度から定まる打滴点の間隔を「打滴点間隔」といい、形成可能な打滴点の位置を表す格子を「打滴点格子」という。なお、「打滴点」は「画素」と同義である。「打滴点間隔」は「画素間隔」と同義であり、解像度における最小のドット間隔に相当する。「打滴点格子」は「画素格子」と同義である。「格子」は、行と列で表されるマトリクスのセルと同義である。
主走査600dpi×副走査400dpiの解像度の場合、主走査方向の打滴点間隔は、25.4mm/600≒42.3μm、副走査方向の打滴点間隔は、25.4mm/400=63.5μmである。これは、打滴点格子の1セル(1画素相当)の大きさ「42.3μm×63.5μm」を表している。記録媒体12の搬送の制御や記録ヘッド24からの打滴位置(すなわち、打滴タイミング)の制御については、この解像度から定まる打滴点間隔を単位として搬送量や位置が制御される。なお、解像度から定まる打滴点間隔を「画素ピッチ」という場合がある。また、ノズルピッチは長さの単位で表すことができるが、これに代えて、副走査方向の打滴点間隔(画素ピッチ)を単位として表すことができる。例えば、副走査400dpiの解像度に対して、ノズル配列密度が100npiである場合、ノズルピッチは、副走査方向の画素ピッチの4倍であることから、副走査方向の画素ピッチを単位として、ノズルピッチを「4」と表現することができる。
主走査方向2パスと副走査方向4パスによるN=8の場合、8回の走査(8パス)で2×4個の打滴点格子を、主走査方向の走査線を2回の走査(パス)、及び副走査方向の走査線を4回の走査(パス)で形成する。
図6はこのような8回の走査(パス)を1単位とした描画動作による各走査(パス)の番号(1〜8)と、その走査(パス)によって形成される打滴の位置の関係の一例を模式的に示した模式図である。図6において、1〜8の数字が付された各セルは、ノズル62によって形成される打滴の位置(画素の位置)を表し、1〜8の数字は、その画素の位置が第何回目の走査(パス)において形成されるかという走査(パス)の番号を表している。例えば、「1」の数字が付されたセル(画素)は、1走査(パス)目で形成する打滴の位置を表している。
図6から明らかなように、1〜8の数字の配置分布は、主走査方向2×副走査方向4の「2×4」の格子が繰り返しの基本単位となっている。本実施形態では、この2×4の格子を「基本単位格子」という。基本単位格子の埋め方(打滴順序)は、図6に示した例に限らないことは言うまでもない。
本実施形態の画像形成装置10では、例えば、画質や画像形成速度等に基づく作画モードに応じて、解像度と走査パターンが定まり、基本単位格子のセル数、セルの配列形態、及び各セルの走査の番号(走査順番)が決定される。
次に、本実施形態の画像形成装置10の制御系の構成について説明する。図7は、画像形成装置10の制御系の構成の一例を示すブロック図である。図7に示すように、画像形成装置10は、制御装置102を備える。制御装置102としては、例えば、CPU(Central Processing Unit)等を備えたマイクロコンピュータ等が挙げられる。制御装置102は、情報記憶部124から読み出した各種プログラムを実行することにより、画像形成装置10の全体を制御する。
制御装置102には、記録媒体搬送制御部104、キャリッジ駆動制御部106、画像処理部110、及び吐出制御部112が含まれる。これらの各部は、ハードウエア又はソフトウエア、若しくはこれらの組合せによって実現される。なお、本実施形態の制御装置102、搬送駆動部114、主走査駆動部116、ヘッド駆動回路128、エンコーダ130、及び記録ヘッド24が、本開示の画像形成部の一例に対応する。
記録媒体搬送制御部104は、記録媒体12(図1参照)の搬送を行うための搬送駆動部114を制御する。搬送駆動部114は、ローラ40(図2参照)を駆動する駆動用モータ、及びその駆動回路が含まれる。プラテン26(図1参照)上に搬送された記録媒体12は、記録ヘッド24による主走査方向の往復走査(印刷パスの動き)に合わせて、スワス幅単位で副走査方向へ間欠に搬送される。なお、スワス幅とは、キャリッジ30の往復移動によるスキャンの繰り返し周期によって決められる副走査方向の長さであり、ノズル列61の副走査方向における長さであるノズル列長を、スキャンの繰り返し回数であるパス数で除算して求められる。スキャンの繰り返し回数であるパス数は、設定された解像度の描画を完成させるために必要な走査回数である。
キャリッジ駆動制御部106は、キャリッジ30を主走査方向に移動させる主走査駆動部116を制御する。主走査駆動部116には、キャリッジ30の移動機構に連結される駆動用モータ、及びその制御回路が含まれる。
本実施形態の搬送駆動部114が、本開示の第2移動部の一例に対応し、本実施形態の主走査駆動部116が、本開示の第1移動部の一例に対応する。
主走査駆動部116の駆動用モータ、及び搬送駆動部114の駆動用モータには、エンコーダ130が取り付けられている。制御装置102には、エンコーダ130から、各駆動モータの回転量及び回転速度に応じたパルス信号が入力される。制御装置102は、エンコーダ130から入力されるパルス信号に基づいて、キャリッジ30の位置及び記録媒体12の位置を把握する。
画像処理部110は、画像入力I/F(InterFace)126を介して外部の装置から入力された画像データに画像処理を施して、画像形成用のドットデータに変換する。
画像処理部110は、ディザ法によるハーフトーン処理を実施する。すなわち、画像処理部110は、入力された画像データである連続調画像に対して、ディザマスクを用いて画素値の量子化処理を行い、画像形成用のドットデータに対応するハーフトーン画像を生成する。
さらに、本実施形態の画像処理部110は、画像データに対して、織物である記録媒体12の織り方向(織物を構成する縦糸の並ぶ方向及び横糸の並ぶ方向、詳細後述)に基づいた方向性を有する画像変換処理を行う。なお、この画像変換処理は、ハーフトーン処理の前に行ってもよいし、ハーフトーン処理の後に行ってもよい。本実施形態の画像処理部110が、本開示の変換処理部及び導出部の一例である。また、本実施形態の制御装置102が、本開示の画像処理装置の一例である。
吐出制御部112は、画像処理部110において生成されたドットデータに基づいて、記録ヘッド24を駆動するヘッド駆動回路128を制御することにより、記録ヘッド24の各ノズル62からのインクの吐出を制御する。
情報記憶部124は、例えば不揮発性メモリが用いられており、制御装置102の制御に必要な各種プログラムや各種データを格納している。例えば、情報記憶部124は、プログラムとして、制御装置102の各部が実行する制御プログラム、及び走査パターンプログラム等を格納している。走査パターンプログラムは、上述したマルチパス方式の画像形成用のプログラムであり、副走査方向に間欠搬送される記録媒体12に対する記録ヘッド24の主走査方向の往復走査(パスの動き)やパス数(スキャンの繰り返し回数)を規定する。主走査方向への記録ヘッド24の移動を伴うパスの動きには、ドット形成における記録ヘッド24の移動方向、インクを吐出させるノズル62の選択、及び吐出タイミングの少なくとも一つが含まれる。パスの動きとパス数の組み合わせとによって定まる走査のパターンを「走査パターン」という。
制御装置102には、入力装置122及び表示装置120が接続されている。入力装置122には、例えば、キーボード、マウス、タッチパネル、又は操作ボタンなど、各種の手段を採用することができ、これらの適宜の組み合わせであってもよい。画像形成装置10のユーザ(オペレータ等)は、入力装置122を用いて各種情報の入力を行うことができる。
表示装置120には、液晶ディスプレイ等が用いられる。ユーザは、入力装置122により入力した情報やその他の各種情報、及びシステムの状態等を表示装置120における表示を通じて確認することができる。
センサ132は、キャリッジ30に取り付けられている。制御装置102は、センサ132から入力されるセンサ信号に基づいて記録媒体12の幅を把握することができる。
このように構成される画像形成装置10により、記録媒体12上に画像を形成すると、画像の周波数特性、及び織物である記録媒体12における織り方向の周波数特性に起因して、形成された画像にムラが生じる場合がある。このようにムラが生じる現象について、図面を参照して説明する。
まず、図8を参照して記録媒体12における織り方向の周波数について説明する。図8には、記録媒体12の一例と、記録媒体12上に形成される画像99を模式的に示している。記録媒体12である織物は、ピッチ(周期)p1で並んだ複数の縦糸90及びピッチ(周期)p2で並んだ複数の横糸92によって構成されている。この場合、記録媒体12は、複数並んだ縦糸90によって縦糸90の並ぶ方向に、ピッチp1に応じた周波数P1を有している。この縦糸90の並ぶ方向は、画像99の水平方向Hに対応している。本実施形態の周波数P1が本開示の第1の周波数の一例に対応し、本実施形態の水平方向Hが本開示の第1の方向の一例に対応する。
また、図8に示した一例のように、記録媒体12は、複数並んだ横糸92によって、横糸92の並ぶ方向に、ピッチp2に応じた周波数P2を有している。この横糸92の並ぶ方向は画像99の垂直方向Vに対応している。本実施形態の周波数P2が本開示の第2の周波数の一例に対応し、本実施形態の垂直方向Vが本開示の第2の方向の一例に対応する。
ところで、織物等、いわゆる布帛やテキスタイルである記録媒体12に、インクを用いて画像を形成する場合、記録媒体12上に着弾したインクが、糸の径(太さ)に応じた範囲に濡れ広がる傾向にある。そのため、画像データ通りの画像が記録媒体12上に形成できない場合がある。
記録媒体12である織物を構成する糸のピッチに応じた周波数P(以下、「糸の周波数P」といい、その周期については「糸の周期1/P」という)の1/2倍と、記録媒体12に形成される画像の糸の並ぶ方向における周波数W(以下、「画像の周波数W」といい、その周期については「画像の周期1/W」という)とが一致するとみなせる場合、言い替えれば、糸の周期1/Pの2倍と画像の周期1/Wとが一致するとみなせる場合、図9Aに示した一例のように、記録媒体12には、画像データ通りに画像が形成される(インクにより着色される)。
また、図9Aに示した一例において、画像データの位相がずれた場合の例を図9Bに示す。図9Bに示した例のように、画像データの位相がずれることにより、インクが着弾する糸が変化するため、記録媒体12である織物に形成される画像が図9Aに示した一例から変動する。このように、画像の周波数Wが糸の周波数Pの1/2倍の場合、画像データの位相に応じて、記録媒体12である織物に形成される画像が変動し、画像データ通りに画像が形成されない場合がある。
一方、糸の周波数Pの1/2倍よりも、画像の周波数Wのほうが高い場合、すなわち、画像の周波数Wのほうが糸の周波数Pの1/2倍よりも高周波である場合、言い替えれば、糸の周期1/Pの2倍よりも画像の周期1/Wが短い場合、図10Aに示した一例のように、インクが着弾した糸は全て着色される(画像形成される)。そのため、画像形成後の糸には、画像データ通りに画像が形成されない(インクにより着色されない)。画像の周波数Wが糸の周波数Pよりも高くなるほど、着色される糸が多くなるため、画像データ通りに画像が形成されにくくなる。図10Aに示した一例では、全ての糸が着色されることになるため、あたかも、ベタ画像が形成された状態となってしまう。
また、図10Aに示した一例において、画像データの位相がずれた場合の例を図10Bに示す。図10Bに示した例のように、画像データの位相がずれることにより、インクが着弾する糸が変化しても、記録媒体12である織物に形成される画像は図10Aに示した一例と同様であり、あたかもベタ画像が形成された状態である。このように、画像の周波数Wが糸の周波数Pの1/2倍よりも高周波の場合、画像データの位相によらず、画像データ通りに画像が形成されにくくなる。
一方、糸の周波数Pの1/2倍よりも、画像の周波数Wのほうが低い場合、すなわち、画像の周波数Wのほうが糸の周波数Pの1/2倍よりも低周波である場合、言い替えれば、糸の周期1/Pの2倍よりも画像の周期1/Wが長い場合の例を図11(11A、11B)〜図13(13A、13B)に示す。例えば、図11Aに示した画像の周波数Wが糸の周波数Pの1/4倍である場合の例では、記録媒体12には、画像データ通りに画像が形成される(インクにより着色される)。図11Bには、図11Aに示した例において、画像データの位相がずれた場合の例を示す。図11Bに示した例のように、画像データの位相がずれることにより、インクが着弾する糸が変化しても、記録媒体12である織物には図11Aに示した例と同様の周期のストライプを有する画像が形成される。
また例えば、画像の周波数Wが糸の周波数Pの1/4倍よりも低い場合(図11Aよりも画像の周波数Wが低い場合)、図12Aに示した一例のように、記録媒体12には、画像データ通りに画像が形成されない(インクにより着色されない)。しかしながら、画像の周波数Wが糸の周波数Pの1/2倍よりも高周波の場合(図10A参照)に比べて、画像データ通りの画像に近い状態の画像が形成される。図12Aに示した例では、画像データによって示される画像と同様に、ストライプ状の画像が形成される。図12Bには、図12Aに示した一例において、画像データの位相がずれた場合の例を示す。図12Bに示した例のように、画像データの位相がずれても、インクが着弾する糸がほとんど変化せず、記録媒体12である織物には図12Aに示した例とほぼ同様の画像が形成される。
また例えば、画像の周波数Wが糸の周波数Pの1/4倍よりも高く、1/2倍よりも低い場合、図13Aに示した例のように、記録媒体12には、画像データ通りに画像が形成されない(インクにより着色されない)。しかしながら、画像の周波数Wが糸の周波数Pの1/2倍よりも高周波の場合(図10A参照)に比べて、画像データ通りの画像に近い状態の画像が形成される。図13Aに示した例では、画像データによって示される画像と同様に、ストライプ状の画像が形成される。図13Bには、図13Aに示した例において、画像データの位相がずれた場合の例を示す。この場合、図13Bに示した例のように、画像データの位相がずれることにより、インクが着弾する糸が変化するため、記録媒体12である織物に形成される画像が図13Aに示した例から変動する。このように、画像の周波数Wが糸の周波数Pの1/4倍よりも高く、1/2倍よりも低い場合、画像データの位相に応じて、記録媒体12である織物に形成される画像が変動し、画像データ通りに画像が形成されない場合がある。
このように、複数の糸が並んだ状態の上に画像を形成する場合、糸の周波数Pよりも画像の周波数Wが高い(高周波である)と、画像データ通りの画像が形成されにくくなる。特に、画像の周波数Wが糸の周波数Pの1/2倍以上の場合、上記図10A、10Bに示したように、ベタ画像が形成されてしまう懸念が高くなる。なお、画像の周波数Wが糸の周波数Pの1/4倍以下の場合、上記図11A、11B、12A、12Bに示したように、画像データの位相にかかわらず、画像データ通りの画像もしくは画像データ通りの画像とほぼ同様の画像が形成されることになる。
そこで、本実施形態の画像形成装置10の、画像処理部110は、画像データに応じた画像99の水平方向Hに応じた周波数成分から、周波数P1の1/2倍以上の周波数成分を除去し、画像99の垂直方向Vに応じた周波数成分から、周波数P2の1/2倍以上の周波数成分を除去する画像変換処理を行う。
本実施形態では、一例として、入力装置122等から画像データが入力され、画像データに基づいた画像の形成を指示された場合に、画像処理部110が図14に一例を示した画像変換処理を実行する。なお、画像処理部110が情報記憶部124等に記憶された画像処理プログラムを実行することにより、図14に示した画像変換処理が実行される。
ステップS100で画像処理部110は、縦糸90のピッチp1に基づく周波数P1と、横糸92のピッチp2に基づく周波数P2とを導出する。本実施形態では、周波数P1を、縦糸90のピッチp1と同様としており、周波数P2を横糸92のピッチp2と同様としている。なお、画像処理部110が、周波数P1及び周波数P2を導出する具体的な方法は特に限定されない。例えば、ユーザが入力装置122から縦糸90のピッチp1及び横糸92のピッチp2を入力した場合、これらを取得し、それぞれ周波数P1及び周波数P2として導出すればよい。また例えば、プラテン26の上流側、ロール42の付近等に、記録媒体12の表面(画像を形成する面)を読み取るセンサやカメラ等の読取装置を設け、読取装置で読み取った結果に基づいて縦糸90のピッチp1及び横糸92のピッチp2を導出してもよい。読取装置がカメラである場合の例としては、記録媒体12の表面を読取装置で撮像して得られた画像に対して画像解析を行うことにより、縦糸90のピッチp1及び横糸92のピッチp2を導出すればよい。また、予め情報記憶部124等に記録媒体12を識別するための識別情報と、縦糸90のピッチp1及び横糸92のピッチp2との対応関係を表す情報を記憶しておくことにより対応関係を表す情報に基づいて導出してもよい。識別情報が記録媒体12に付与されている場合は、画像処理部110が記録媒体12から識別情報を読み取るようにしてもよいし、入力装置122からユーザによって記録媒体12の識別情報が入力されるようにしてもよい。画像処理部110は、上記対応関係を表す情報から識別情報に対応付けられている縦糸90のピッチp1及び横糸92のピッチp2を導出すればよい。
次のステップS102で画像処理部110は、画像データに対する2次元フーリエ変換(画像99の垂直方向V及び水平方向Hに対するフーリエ変換)を行う。
次のステップS104で画像処理部110は、画像データが表す画像の水平方向Hの周波数成分から、周波数P1の1/2倍以上の周波数成分を、例えばローパスフィルタを用いて除去する。また、画像処理部110は、画像データが表す画像の垂直方向Vの周波数成分から、周波数P2の1/2倍以上の周波数成分を、例えばローパスフィルタを用いて除去する。
本ステップにより、上述したように、画像データ通りの画像の形成が困難となる高周波成分が画像データから除去される。
次のステップS106で画像処理部110は、高周波成分が除去された画像データに対して逆フーリエ変換を行った後、本画像変換処理を終了する。
以上説明したように、本実施形態の画像形成装置10は、織物である記録媒体12上に形成する画像を表す画像データに対して、織物の織り方向に基づいた方向性を有する画像変換処理を行う画像処理部110を備える。
上述したように、従来の画像形成装置では、織物である記録媒体12に画像を形成する場合、織物を構成する糸によって織物は糸のピッチ(並び)に応じた周波数を有しており、画像データが表す画像の周波数によっては、記録媒体12に形成された画像にいわゆるモアレのような濃度ムラが生じる懸念がある。
これに対して、本実施形態の画像形成装置10では、画像処理部110が、織物の織り方向に基づいた方向性を有する画像変換処理を行うことにより、織物が有する周波数特性を考慮した画像変換処理を画像データに対して行う。従って、本実施形態の画像形成装置10によれば、記録媒体12である織物上に形成される画像における濃度ムラを低減することができる。
図15には、本実施形態の画像形成装置10と異なり、画像データに対して画像処理部110が上記画像変換処理(図14参照)を行わなかった場合に、織物である記録媒体12に形成された画像に生じた濃度ムラの一例を示す。また、図16には、本実施形態の画像形成装置10において、画像データに対して画像処理部110が上記画像変換処理(図14参照)を行った場合に、上記図15に対応する部分における織物である記録媒体12に形成された画像の一例を示す。図15及び図16に示すように、本実施形態の画像形成装置10によれば、濃度ムラが改善されていることがわかる。
なお、本実施形態の画像形成装置10では、織物である記録媒体12の織り方向を、織物を構成する縦糸の並ぶ方向、及び織物を構成する横糸の並ぶ方向としているが、織り方向はこれに限定されない。例えば、織物を構成する縦糸の並ぶ方向、及び織物を構成する横糸の並ぶ方向の少なくとも一方であってもよい。また、記録媒体12である織物が、縦糸90及び横糸92に加え、またはこれら以外により構成される場合、例えば、斜め方向の糸をさらに含んで構成される場合等、構成される糸の方向に応じた方向を織り方向とすればよい。なお、本実施形態では、織物の織り方向とは、画像形成装置10の記録ヘッド24に対する糸の方向を採用した。
なお、本実施形態では、画像処理部110が、画像データが表す画像から、縦糸90のピッチp1に応じた周波数P1の1/2倍以上、及び横糸92のピッチp2に応じた周波数P2の1/2倍以上を除去しているが、除去する周波数は本形態に限定されない。例えば、画像処理部110は、縦糸90に応じた周波数P1及び横糸92に応じた周波数P2の少なくとも一方、についてその1/2倍以上の周波数成分を画像データ(画像99)から除去してもよい。また、例えば、画像処理部110が画像データ(画像99)から除去する高周波成分を周波数P1及び周波数P2各々の何倍以上とするかも限定されない。また、本実施形態の画像処理部110は、ローパスフィルタを用いて画像データ(画像99)から高周波成分を除去しているが、周波数成分の除去に用いるフィルタは特に限定されず、除去する周波数成分に応じたものであればよいことはいうまでもない。例えば、画像処理部110は、周波数成分の除去にバンドパスフィルタを用いてもよい。
また、本実施形態では、画像処理部110が、画像データが表す画像から、縦糸90のピッチp1に応じた周波数P1の1/2倍以上、及び横糸92のピッチp2に応じた周波数P2の1/2倍以上を全て除去しているが、全てを除去するのではなく、これらの周波数成分を弱める処理を行ってもよい。
10 画像形成装置
12 記録媒体
20 装置本体
22 支持脚
24 記録ヘッド
24Y、24M、24C、24CL、24K、24LC、24W1、24W2 ヘッドモジュール
26 プラテン
28 ガイド機構
30 キャリッジ
36 インクカートリッジ
38 取付部
40 ローラ
42 ロール
44 巻取ロール
46 ガイド
50 温調部
52 プレ温調部
54 アフター温調部
61、61Y、61M、61C、61CL、61K、61LC、61LM、61W1、61W2 ノズル列
62 ノズル
90 縦糸
92 横糸
99 画像
102 制御装置
104 記録媒体搬送制御部
106 キャリッジ駆動制御部
110 画像処理部
112 吐出制御部
114 搬送駆動部
116 主走査駆動部
120 表示装置
122 入力装置
124 情報記憶部
126 画像入力I/F
128 ヘッド駆動回路
130 エンコーダ
132 センサ
H 水平方向
V 垂直方向
P1 縦糸の周波数
p1 縦糸のピッチ
P2 横糸の周波数
p2 横糸のピッチ
W 周波数
X、Y 矢印

Claims (10)

  1. 織物上に形成する画像を表す画像データに対して、前記織物の織り方向に基づいた方向性を有する画像変換処理を行う変換処理部を備えた、
    画像処理装置。
  2. 前記織り方向とは、前記織物を構成する縦糸の並ぶ方向、及び前記織物を構成する横糸の並ぶ方向の少なくとも一方である、
    請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記変換処理部は、前記縦糸のピッチに応じた第1の周波数、及び前記横糸のピッチに応じた第2の周波数の少なくとも一方に基づいて、前記画像データに対する画像変換処理を行う、
    請求項2に記載の画像処理装置。
  4. 前記変換処理部は、前記縦糸の並ぶ方向に対応する第1の方向における前記画像の周波数成分から、前記第1の周波数に応じた周波数成分を除去する処理、及び前記横糸の並ぶ方向に対応する第2の方向における前記画像の周波数成分から、前記第2の周波数に応じた周波数成分を除去する処理の少なくとも一方を、前記画像変換処理として行う、
    請求項3に記載の画像処理装置。
  5. 前記変換処理部は、前記画像の前記第1の方向における周波数成分から前記第1の周波数に応じた周波数成分、及び前記画像の前記第2の方向における周波数成分から前記第2の周波数に応じた周波数成分の少なくとも一方を除去するフィルタを用いて、前記画像変換処理を行う、
    請求項4に記載の画像処理装置。
  6. 前記変換処理部は、前記画像の前記第1の方向における周波数成分から前記第1の周波数の1/2倍以上の周波数成分、及び前記画像の前記第2の方向における周波数成分から前記第2の周波数の1/2倍以上の周波数成分の少なくとも一方を除去するフィルタを用いて、前記画像変換処理を行う、
    請求項4に記載の画像処理装置。
  7. 前記第1の周波数及び前記第2の周波数の少なくとも一方を導出する導出部をさらに備えた、
    請求項3から請求項6のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の画像処理装置と、
    前記画像処理装置により画像変換処理が行われた画像データに基づいた画像を織物上に形成する画像形成部と、
    を備えた画像形成装置。
  9. 織物上に形成する画像を表す画像データに対する画像処理方法であって、
    前記画像データに対して、前記織物の織り方向に基づいた方向性を有する画像変換処理を行う、
    処理を含む画像処理方法。
  10. 織物上に形成する画像を表す画像データに対する画像処理をコンピュータに実行させる画像処理プログラムであって、
    前記画像データに対して、前記織物の織り方向に基づいた方向性を有する画像変換処理を行う、
    処理を含む画像処理プログラム。
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