JP2020056585A - 磁気測定装置及び磁気測定方法 - Google Patents

磁気測定装置及び磁気測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】回転角センサに対するロータの磁気的な対応関係を確認できる磁気測定装置及び磁気測定方法を提供する。【解決手段】測定部10は、基準構造部品120の周方向における磁気とロータ101の軸方向両端の周方向における磁気とを測定する。制御部20は、ロータ101の軸方向両端の周方向における磁気に基づいて、ロータ101のスキュー角度を演算する。制御部20は、基準構造部品120の周方向における磁気とロータ101の軸方向両端の周方向における磁気とに基づいて、第1相対角度差及び第2相対角度差を演算する。【選択図】図1

Description

本発明は、磁気測定装置及び磁気測定方法に関する。
モータは、回転軸と、回転軸に一体的に固定されているロータとを有している。ロータには、複数の永久磁石が埋め込まれている。このロータの磁気的な情報を得る手段として、特許文献1に示される磁気測定装置が知られている。特許文献1の磁気測定装置は、磁気センサによる検出を通じて、ロータに埋め込まれた永久磁石の磁束量を検出している。磁気測定装置は、ロータを周方向に回転させた際の回転角度と回転角度に対応する永久磁石の磁束量とに基づいて、ロータのスキュー角度を演算している。
特開2000−19237号公報
モータの駆動を制御する制御装置がモータの駆動を制御するためには、ロータのスキュー角度の情報だけではなく、回転角センサに対するロータの電気角の情報が必要である。制御装置は回転角センサを通じてモータの回転軸の回転角を検出して、回転角センサから検出される回転角を基準としたロータの電気角の情報を演算している。ところで、制御装置がロータの電気角の情報を正しく演算するためには、回転角センサに対するロータの磁気的な対応関係が正しくなければならない。この点、特許文献1では、ロータのスキュー角度について磁気的な対応関係を確認するための情報は取得しているものの、回転角センサに対するロータの磁気的な対応関係を確認するための情報を取得していない。
上記課題を解決する磁気測定装置は、回転軸及び前記回転軸と一体的に固定されているロータを有する結合体と前記回転軸に取り付けられているとともに前記回転軸の回転角を示す情報が生成されるように磁気を発生する基準構造部品とを測定対象とし、当該測定対象の磁気を測定する磁気測定装置において、測定子を通じて前記測定対象の磁気を測定する測定部と、前記測定部による測定結果を取得する結果取得部とを備え、前記測定部は、前記基準構造部品が前記回転軸に取り付けられた状態における前記基準構造部品の周方向における磁気と前記ロータの軸方向両端の周方向における磁気とを測定し、前記結果取得部は、前記測定部により測定された前記基準構造部品の周方向における磁気と前記ロータの軸方向両端の周方向における磁気とに基づいて、前記基準構造部品に対する前記ロータの相対角度を取得している。
上記構成によれば、結果取得部は、回転角センサに対するロータの磁気的な対応関係を確認するための情報として、基準構造部品に対するロータの相対角度を取得することができる。基準構造部品に対するロータの相対角度を取得していることから、各種の演算を実行できるようになる。例えば測定部によってロータの軸方向両端の周方向における磁気を測定していることから、ロータの軸方向両端の周方向における磁気の位相のずれからロータの軸方向両端の磁気的な角度ずれを演算することができる。また、例えば測定部によって基準構造部品の周方向における磁気とロータの軸方向両端の周方向における磁気とを測定していることから、基準構造部品に対するロータの相対角度を演算することができる。このことから、ロータの軸方向両端の磁気的な角度ずれを確認するとともに、基準構造部品に対するロータの磁気的な対応関係を確認することができる。この対応関係は、基準構造部品の代わりに回転角センサが回転軸に対して組み付けられた場合における、回転角センサに対するロータの磁気的な対応関係に置換することができる。したがって、回転角センサとロータとの磁気的な対応関係を想定することができる。
上記の磁気測定装置において、前記測定部は、前記回転軸の軸線と平行な仮想平行線に沿って前記測定子を移動させる平行移動部を有していることが好ましい。
上記構成によれば、測定部の平行移動部を動作させることにより、基準構造部品と対向する位置、ロータの軸方向における第1の端部と対向する位置、及びロータの軸方向における第1の端部と反対側の第2の端部と対向する位置に測定子を配置させることができる。このため、1つの測定子の位置を仮想平行線に沿って移動させることにより、各測定位置における測定対象の周方向の磁気を測定することができる。
上記の磁気測定装置において、前記基準構造部品は、その外径が前記ロータの外径と等しく設定されていることが好ましい。
上記構成によれば、基準構造部品の周方向における磁気とロータの軸方向両端の周方向における磁気の測定において、基準構造部品とロータとの外径を等しく設定することによって測定部の測定を効率化することができる。
上記の磁気測定装置において、前記測定部は、前記回転軸の軸線と直交する仮想直交線に沿って前記測定子を移動させる直交移動部を有していることが好ましい。
上記構成によれば、直交移動部によって、測定子と測定対象との間の間隔を調節できるようにしている。このため、基準構造部品の周方向における磁気及びロータの軸方向両端の周方向における磁気の測定の精度を向上させることができる。
上記課題を解決する磁気測定方法において、回転軸及び前記回転軸と一体的に固定されているロータを有する結合体と前記回転軸に取り付けられているとともに前記回転軸の回転角を示す情報が生成されるように磁気を発生する基準構造部品とを測定対象とし、当該測定対象の磁気を測定部の測定子を通じた測定に基づいて結果取得部が測定結果を取得する磁気測定方法において、前記測定対象を前記測定部に設定する設定工程と、前記基準構造部品の周方向における磁気と前記ロータの軸方向両端の周方向における磁気とを前記測定部が測定する測定工程と、前記測定部により測定された前記基準構造部品の周方向における磁気と前記ロータの軸方向両端の周方向における磁気とに基づいて、前記基準構造部品に対する前記ロータの相対角度を前記結果取得部が取得する結果取得工程とを備えている。
上記構成によれば、設定工程において測定対象を測定部に設定し、測定工程において測定子によって測定対象の周方向における磁気を測定していることから、結果取得工程において基準構造部品に対するロータの相対角度を結果取得部が取得することができる。このことから、ロータの軸方向両端の磁気的な角度ずれを確認するとともに、基準構造部品に対するロータの磁気的な対応関係を確認することができる。この対応関係は、基準構造部品の代わりに回転角センサを回転軸に対して正しく組み付けた場合における、回転角センサに対するロータの磁気的な対応関係に置換することができる。したがって、回転角センサとロータとの磁気的な対応関係を想定することができる。
本発明の磁気測定装置及び磁気測定方法によれば、回転角センサに対するロータの磁気的な対応関係を確認するための情報を取得することができる。
ロータの磁気測定装置の概略構成図。 段スキューをなしているロータの概略構成図。 機械角に対する基準構造部品、第1ロータ、及び第2ロータの磁気の関係を示すグラフ。 機械角に対する基準構造部品、第1ロータ、及び第2ロータの磁気の関係を示すグラフ。 斜めスキューをなしているロータの概略構成図。
以下、ロータの磁気測定装置の一実施形態を図面に従って説明する。
図1及び図2に示すように、結合体100は、ロータ101及び回転軸102を有している。この結合体100は、モータの部品として使用されることになる。回転軸102は、円柱状の大径部102a、円柱状の第1小径部102b、及び円柱状の第2小径部102cを有している。第1小径部102bと第2小径部102cとの間に大径部102aが配置されている。大径部102aの外周面には、径方向外側に突出した第1キー103a及び第2キー103bが形成されている。第1キー103a及び第2キー103bは、回転軸102の軸方向Xに延びている。第1キー103aは、第2キー103bに対して回転軸102の周方向においてずれた位置に形成されている。第1小径部102bの外周面には、径方向外側に突出した第3キー103cが形成されている。第3キー103cは、回転軸102の軸方向Xに延びている。第3キー103cは、第1キー103aに対して回転軸102の周方向において同じ位置に形成され、第2キー103bに対して周方向においてずれた位置に形成されている。ロータ101は、円筒状の第1ロータ101a及び円筒状の第2ロータ101bを有している。第1ロータ101a及び第2ロータ101bは、回転軸102の大径部102aの外周に一体回転可能に組み付けられている。第1ロータ101a及び第2ロータ101bは、軸方向Xにおいて並んで配置されている。第1ロータ101aの内周面には、第1キー103aとの間で嵌合をなす凹状の第1キー溝104aが形成されている。第2ロータ101bの内周面には、第2キー103bとの間で嵌合をなす凹状の第2キー溝104bが形成されている。第1キー溝104a及び第2キー溝104bは、軸方向Xに延びている。第1キー103a及び第1キー溝104aの軸方向Xにおける長さは、同程度に設定されている。また、第2キー103b及び第2キー溝104bの軸方向Xにおける長さは、同程度に設定されている。
第1ロータ101a及び第2ロータ101bは、埋込磁石型ロータ(IPMロータ)である。第1ロータ101aは、コア110と、複数の永久磁石111とを備えている。コア110は、軸方向Xにおいて、電磁鋼板を複数積層して形成されている。コア110には、コア110を軸方向Xに沿って貫通する挿通孔112が10個設けられている。挿通孔112は、軸方向Xから見たとき、コア110の内周面から外周面に向かうにつれて開く略U字状をなしている。挿通孔112は、コア110の周方向において等間隔に配置されている。挿通孔112には、永久磁石111がそれぞれ埋め込まれている。すなわち、各永久磁石111は、軸方向Xから見たとき、略U字状をなしている。各永久磁石111は、回転軸102の周方向において、互いに隣接する永久磁石111と異なる磁極を有している。すなわち、コア110の挿通孔112には、N極の永久磁石111とS極の永久磁石111とが交互に配置されている。第1ロータ101aは、N極の永久磁石111とS極の永久磁石とがそれぞれ5つ設けられている5極対のロータである。
第2ロータ101bは、第1ロータ101aとほとんど同様の構造をなしている。第1ロータ101a及び第2ロータ101bの内径及び外径は同一である。第2ロータ101bは、N極の永久磁石111とS極の永久磁石とがそれぞれ5つ設けられている5極対のロータである。第2ロータ101bには、第1ロータ101aの第1キー溝104aに対して、回転軸102の周方向においてずれた位置に第2キー溝104bが形成されている。このことから、回転軸102の大径部102aに第1ロータ101a及び第2ロータ101bが組み付けられた状態において、第1ロータ101aの永久磁石111は、第2ロータ101bの永久磁石111に対して周方向においてスキュー角度θsだけずれた位置に配置されている。すなわち、第1ロータ101aの周方向における磁束分布の位相は、第2ロータ101bの周方向における磁束密度の分布に対してスキュー角度θsだけずれた位置に配置されている。スキュー角度θsは、ロータ101の軸方向両端の磁気的な角度のずれ、すなわち第1ロータ101aにおける第2ロータ101bと反対側の端部と第2ロータ101bにおける第1ロータ101aと反対側の端部との位相のずれである。本実施形態のロータ101は、第1ロータ101aと第2ロータ101bとで段状に位相がずれている段スキューをなしている。
図1に示すように、回転軸102には、回転軸102の回転角が示す情報が生成されるように磁気を発生する基準構造部品120が取り付けられている。基準構造部品120は、円筒体をなしている。本実施形態の基準構造部品120は、第1ロータ101aよりも内径が小さいことを除いて、第1ロータ101aと同様の構造をなしているロータである。すなわち、基準構造部品120は、コアと複数の永久磁石とを備えており、基準構造部品120のコアに設けられた挿通孔には、N極の永久磁石とS極の永久磁石とが交互に配置されている。基準構造部品120は、N極の永久磁石111とS極の永久磁石111とがそれぞれ5つ設けられている5極対のロータである。本実施形態の磁気測定装置1は、回転軸102及び回転軸102に一体的に固定されているロータ101を有する結合体100と、基準構造部品120とを測定対象とし、当該測定対象の磁気を測定するものである。基準構造部品120は、磁気測定装置1によって測定対象の磁気を測定する際において、回転軸102の第1小径部102bの外周に一体回転可能に取り付けられている。基準構造部品120の内周面には、第3キー103cとの間で嵌合をなす凹状の第3キー溝104cが形成されている。第3キー溝104cは、軸方向Xに延びている。基準構造部品120の外径は、第1ロータ101aの外径及び第2ロータ101bの外径と等しい。基準構造部品120は、磁気測定装置1によって測定対象の磁気を測定する時に回転軸102に取り付けられ、磁気測定装置1によって測定対象の磁気の測定を終了した後に回転軸102から取り外される。なお、結合体100に付けられた部材が最終品にまで残る場合に組み付けられていると表記し、結合体100に付けられた部材が最終品には残らない場合を取り付けられていると表記している。
磁気測定装置1は、測定部10及び結果取得部としての制御部20を備えている。磁気測定装置1は、結合体100及び基準構造部品120からなる測定対象の磁気を測定するものである。
測定部10は、測定対象を取り付けるための支持部30を有している。支持部30は、有底円筒状をなしている。支持部30は、台座部分31に設けられているとともに、その開口部分が台座部分31の外面から露出している。支持部30の外周面は円周面をなしており、支持部30は台座部分31に設けられている丸孔32に対して回転可能に配置している。回転軸102の第2小径部102cは支持部30の開口部分から挿入された状態で支持部30に支持されている。このとき、支持部30の軸線と回転軸102の軸線とが同軸となるように測定対象は支持部30に支持されている。支持部30は、丸孔32に対して、第2小径部102cが回転できるように第2小径部102cを支持している。
測定部10は、回転移動部33を有している。回転移動部33は支持部30に接続されている。回転移動部33は、例えばモータを有している。回転移動部33のモータは、出力軸とハウジングとを有している。一例としては、回転移動部33のモータのハウジングが台座部分31に固定され、回転移動部33のモータの出力軸が支持部30に固定されている。このとき、支持部30の軸線と回転移動部33のモータの出力軸の軸線とが同軸となるように回転移動部33のモータの出力軸は、支持部30に固定されている。この回転移動部33のモータの作動により、支持部30に支持されている測定対象が回転することになる。制御部20は、回転移動部33に接続されている。制御部20は、回転移動部33の制御を通じて回転軸102を一定の回転速度で回転させることにより、測定対象を周方向に回転させている。
測定部10は、測定軸40と、測定軸40から径方向外側に突出している棒状の測定子41とを有している。測定軸40は、支持部30の軸線と平行な方向に延びている。支持部30に取り付けられている回転軸102は、測定軸40と平行に配置されている。測定軸40は、台座部分31に対して軸方向Xと直交する方向に移動可能に配置されているベース部分とベース部分に対して可動する可動部分とを有している。この可動部分には測定子41が設けられている。測定子41は、支持部30に結合体100が取り付けられた状態において、測定軸40から回転軸102へ向けて軸方向Xと直交する方向に延びている。測定子41は、いわゆるプローブである。測定子41の先端には、検出された磁気に基づいて電圧信号を生成する磁気センサ41aが設けられている。磁気センサ41aとしては、例えばホール素子が採用されている。制御部20は、磁気センサ41aに接続されている。制御部20は、所定周期ごとに測定子41により生成されている電圧信号を取得している。すなわち、制御部20は、回転移動部33の制御を通じて回転軸102を一定の回転速度で回転させていることから、測定子41を通じて所定の位相ごとに検出された磁気の測定結果を取得している。
測定部10は、平行移動部42を有している。平行移動部42は、例えばモータを有している。平行移動部42のモータは、出力軸とハウジングとを有している。一例としては、平行移動部42のモータのハウジングが測定軸40のベース部分に固定され、測定軸40の可動部分に軸方向Xに沿って設けられた歯が平行移動部42のモータの出力軸に設けられた歯車と噛み合っている。そして、平行移動部42のモータの出力軸が回転することに伴って測定軸40の可動部分が軸方向Xに移動する。これにより、平行移動部42は、回転軸102の軸線と平行な仮想平行線L1に沿って測定子41を移動させる。制御部20は、平行移動部42に接続されている。制御部20は、平行移動部42の制御を通じて、仮想平行線L1に沿って測定子41を移動させている。
測定部10は、直交移動部50を有している。直交移動部50は、台座部分31と測定軸40のベース部分との間の距離を調節する。すなわち、直交移動部50は、回転軸102の軸線と直交する仮想直交線L2に沿って測定子41を移動させるものである。直交移動部50は、例えばモータを有している。一例としては、直交移動部50のモータのハウジングが台座部分31に固定され、直交移動部50のモータの出力軸がねじ51に固定されている。ねじ51は、ねじ溝が形成されている軸部を有している。ねじ51の軸部は、測定軸40のベース部分に設けられたねじ孔と螺合している。測定軸40のベース部分は台座部分31に対して回転不能に設けられているため、直交移動部50のモータの出力軸の回転に伴ってねじ51が回転することにより、軸部と螺合している測定軸40が軸方向Xと直交する方向に移動する。これにより、直交移動部50は、台座部分31と測定軸40との間の距離、すなわち測定子41と測定対象との間の距離を調節している。測定子41と測定対象との間の距離が近すぎると、測定子41による磁気測定の際の微小な磁気の変化に反応することから、磁気測定の誤差が大きくなる。一方、測定子41と測定対象との距離が遠すぎると、測定対象の磁気は距離の2乗に反比例して減衰することから、磁気測定の誤差が大きくなる。これらの要因を考慮して、測定子41と測定対象との間の距離は、所定の距離に調節される。制御部20は、直交移動部50に接続されている。制御部20は、直交移動部50の制御を通じて、仮想直交線L2に沿って測定子41を移動させている。
制御部20は、測定対象が磁気測定装置1に設置された状態において、測定子41が測定対象に対向するように測定子41(磁気センサ41a)の位置を調整する。すなわち、制御部20は、回転移動部33、平行移動部42、及び直交移動部50を制御することにより、測定対象の測定位置に対して径方向外側から測定子41の磁気センサ41aが対向するように磁気センサ41aの位置を調整している。測定対象の測定位置としては、基準構造部品120、第1ロータ101aにおける第2ロータ101bと反対側の端部、第2ロータ101bにおける第1ロータ101aと反対側の端部の3箇所がある。制御部20は、基準構造部品120に磁気センサ41aを対向させた状態で、回転移動部33の制御を通じて回転軸102を周方向に1回転させることにより、測定対象の各測定位置の周方向における磁気を測定している。こうした測定の仕方を、第1ロータ101aにおける第2ロータ101bと反対側の端部、及び第2ロータ101bにおける第1ロータ101aと反対側の端部についても、制御部20が行っている。制御部20は、回転軸102の機械角の0〜360度に対応した各測定対象の磁気の測定結果を取得している。
図3は、制御部20が取得する各測定対象の磁気の測定結果を示している。図3は、各測定対象を周方向に回転させたときの機械角の変化に対して、各測定対象によって形成される磁界の極性及びその磁界の強度の変化が測定子41を通じてどのように検出されるかを示している。本実施形態では、測定対象である基準構造部品120、第1ロータ101a、及び第2ロータ101bがそれぞれ5極対であることから、機械角が1周する間にこれらの電気角は5周する。すなわち、機械角が1周する間に、測定子41を通じて検出される各測定対象の周方向の磁気は、正負に5回変化する。すなわち、電気角の1周は、機械角の0〜72度の範囲である。図3では、実線で測定子41を通じて検出される基準構造部品120の周方向の磁気が示され、1点鎖線で測定子41を通じて検出される第1ロータ101aの周方向の磁気が示され、破線で測定子41を通じて検出される第2ロータ101bの周方向の磁気が示されている。すなわち、図3では、基準構造部品120に対するロータ101の相対角度である測定結果が示されている。
制御部20は、各測定対象の磁気の測定結果に基づいて、ロータ101のスキュー角度θs、基準構造部品120に対する第1ロータ101aの第1相対角度差θr1、及び基準構造部品120に対する第2ロータ101bの第2相対角度差θr2を演算する。第1相対角度差θr1及び第2相対角度差θr2は、ともに基準構造部品120に対する電気角の位相差である。制御部20は、演算されたスキュー角度θsが既定スキュー角度θs0から公差を超えてずれているか否かに基づいて、第1ロータ101a及び第2ロータ101bの間で磁気的な対応関係が正しいか否かを確認することができる。第1ロータ101a及び第2ロータ101bの間で磁気的な対応関係が正しい場合には、第1ロータ101a及び第2ロータ101bが回転軸102に対して正しく組み付けられているとともに、第1ロータ101aと第2ロータ101bとが正しく着磁されている。既定スキュー角度θs0は、第1ロータ101aと第2ロータ101bとが正しく着磁されているとともに、第1ロータ101aと第2ロータ101bとが回転軸102に正しく組み付けられている場合になすべきスキュー角度である。なお、既定スキュー角度θs0は、本実施形態のような5極対のロータ101の場合、36度未満の角度に設定されている。また、制御部20は、演算された第1相対角度差θr1が第1既定相対角度差θrd1をなしているかどうかに基づいて、第1ロータ101a及び基準構造部品120の間で磁気的な対応関係が正しいか否かを確認することができる。第1既定相対角度差θrd1は、第1ロータ101aが正しく着磁されているとともに、第1ロータ101aが回転軸102に正しく組み付けられている場合になすべき位相差である。なお、本実施形態では、基準構造部品120と第1ロータ101aとの間で磁気的な対応関係が同位相となるように組み付けることこら、第1既定相対角度差θrd1は「0度」である。制御部20は、演算された第2相対角度差θr2が第2既定相対角度差θrd2をなしているかどうかに基づいて、第2ロータ101b及び基準構造部品120の間で磁気的な対応関係が正しいか否かを確認することができる。第2既定相対角度差θrd2は、第2ロータ101bが正しく着磁されているとともに、第2ロータ101bが回転軸102に正しく組み付けられている場合になすべき位相差である。
図3では、基準構造部品120及び第1ロータ101aの電気角の0度からグラフが始まる場合を図示したが、回転軸102の支持部30への周方向の組み付け位置によってどの角度から測定が開始するのかはその時々に応じて異なることから、基準構造部品120及び第1ロータ101aの電気角が0度でないときから測定が開始することがある。
磁気測定方法について説明する。
測定対象が磁気測定装置1に設置された状態において、測定子41が測定対象に対向するように測定対象を測定部10に設定する設定工程が行われる。設定工程では、まず回転軸102の第2小径部102cを測定部10の支持部30に嵌めることにより、ロータ101、回転軸102、及び基準構造部品120を測定部10に設置する。この場合、回転軸102が測定部10の測定軸40と平行になるように、ロータ101、回転軸102、及び基準構造部品120を測定部10に設置している。つぎに、制御部20は、測定子41が測定対象に対向するように、回転移動部33、平行移動部42、及び直交移動部50を制御する。これにより、測定子41を測定対象に対向するように設置する。測定子41は、最初に基準構造部品120と径方向において対向するように設置される。そして、後述する基準構造部品120の周方向における磁気を測定する測定工程の実施後、再び設定工程を実施することにより、測定子41を第1ロータ101aにおける第2ロータ101bと反対側の端部と対向するように設置する。つぎに、第1ロータ101aの周方向における磁気を測定する測定工程の実施後、再び設定工程を実施することにより、測定子41を第2ロータ101bにおける第1ロータ101aと反対側の端部と対向するように設置する。
制御部20は、測定子41が基準構造部品120と対向するように配置された状態において、基準構造部品120の周方向における磁気を測定する測定工程を実施する。測定工程の実行中、制御部20は回転移動部33を制御することにより、回転軸102を一定の回転速度で回転させる。制御部20は、測定工程の実施中に回転軸102を1回転させるとともに、測定工程の終了後に測定工程の実施中に回転軸102を回転させた方向と反対方向に回転軸102を1回転させる。制御部20は、回転軸102の回転に伴って回転する基準構造部品120に対向するように配置された測定子41を通じて、回転軸102の機械角の0〜360度に対応した基準構造部品120の磁気の測定結果を取得する。つぎに、制御部20は、測定子41が第1ロータ101aにおける第2ロータ101bと反対側の端部と対向するように配置された状態において、第1ロータ101aの周方向における磁気を測定する測定工程を実施する。測定工程の実行中、制御部20は回転移動部33の制御を通じて回転軸102を一定の回転速度で回転させることにより、測定子を通じて回転軸102の機械角の0〜360度に対応した第1ロータ101aの磁気の測定結果を取得する。つぎに、制御部20は、測定子41が第2ロータ101bにおける第1ロータ101aと反対側の端部と対向するように配置された状態において、第2ロータ101bの周方向における磁気を測定する測定工程を実施する。測定工程の実行中、制御部20は回転移動部33の制御を通じて回転軸102を一定の回転速度で回転させることにより、測定子を通じて回転軸102の機械角の0〜360度に対応した第1ロータ101aの磁気の測定結果を取得する。
制御部20は、測定工程によって取得した、基準構造部品120の周方向における磁気の測定結果、第1ロータ101aの周方向における磁気の測定結果、及び第2ロータ101bの周方向における磁気の測定結果に基づいてロータ101のスキュー角度θs、基準構造部品120に対する第1ロータ101aの第1相対角度差θr1、及び基準構造部品120に対する第2ロータ101bの第2相対角度差θr2を演算する演算工程を実施する。制御部20は、演算されたスキュー角度θsが既定スキュー角度θs0から公差を超えてずれているか否かに基づいて、第1ロータ101a及び第2ロータ101bの磁気的な対応関係を確認する。演算工程は、結果取得工程に対応する。
制御部20は、スキュー角度θsと既定スキュー角度θs0との偏差の絶対値が公差以下である場合、第1ロータ101a及び第2ロータ101bの磁気的な対応関係が正しい旨判定する。この場合、第1ロータ101a及び第2ロータ101bは正しく着磁され、かつ第1ロータ101a及び第2ロータ101bは回転軸102に正しく組み付けられている。制御部20は、スキュー角度θsと既定スキュー角度θs0との偏差の絶対値が公差を超えている場合、第1ロータ101a及び第2ロータ101bの磁気的な対応関係が正しくない旨判定する。この場合、第1ロータ101a及び第2ロータ101bが正しく着磁されていないこと、第1ロータ101a及び第2ロータ101bが回転軸102に正しく組み付けられていないことの少なくとも一方が生じている。また、制御部20は、第1相対角度差θr1と第1既定相対角度差θrd1との偏差の絶対値が公差以下である場合、第1ロータ101a及び基準構造部品120の磁気的な対応関係が正しい旨判定する。この場合、第1ロータ101aが正しく着磁され、かつ第1ロータ101aは回転軸102に正しく組み付けられている。制御部20は、第1相対角度差θr1と第1既定相対角度差θrd1との偏差の絶対値が公差を超えている場合、第1ロータ101a及び基準構造部品120の磁気的な対応関係が正しくない旨判定する。この場合、第1ロータ101aが正しく着磁されていないこと、第1ロータ101aが回転軸102に正しく組み付けられていないことの少なくとも一方が生じている。また、制御部20は、第2相対角度差θr2と第2既定相対角度差θrd2との偏差の絶対値が公差以下である場合、第2ロータ101b及び基準構造部品120の磁気的な対応関係が正しい旨判定する。この場合、第2ロータ101bが正しく着磁され、かつ第2ロータ101bは回転軸102に正しく組み付けられている。制御部20は、第2相対角度差θr2と第2既定相対角度差θrd2との偏差の絶対値が公差を超えている場合、第2ロータ101b及び基準構造部品120の磁気的な対応関係が正しくない旨判定する。この場合、第2ロータ101bが正しく着磁されていないこと、第2ロータ101bが回転軸102に正しく組み付けられていないことの少なくとも一方が生じている。制御部20は、これら全ての検査項目において磁気的な対応関係が正しい旨判定した場合、当該結合体100を次の組み立て工程へと送る。一方、制御部20は、いずれか1つの検査項目において磁気的な対応関係が正しくない旨判定した場合、当該結合体100が既定通りの性能を発揮しないことから、次の組み立て工程へと送らずに、廃棄処分や再度の組み付けを実施する。なお、演算工程の終了後、回転軸102に取り付けられていた基準構造部品120を取り外す。そして、全ての検査項目において磁気的な対応関係が正しい旨判定されて次の組み立て工程へ送られる結合体100については、回転軸102における基準構造部品120が取り付けられていた位置に回転軸102の回転角を測定する回転角センサとしてのレゾルバが組み付けられる。そして、回転軸102に回転角センサが組み付けられた状態で結合体100はモータの一部品として使用される。
第1ロータ101aと第2ロータ101bとの間で磁気的な対応関係が正しければ、測定子41を通じて検出される第1ロータ101aの周方向の磁気と、測定子41を通じて検出される第2ロータ101bの周方向の磁気とは、既定スキュー角度θs0だけ位相がずれることになる。また、スキュー角度θsは、例えば、測定子41を通じて検出される第1ロータ101aの周方向の磁気が最初に「0」を跨ぐときの機械角と、測定子41を通じて検出される第2ロータ101bの周方向の磁気が最初に「0」を跨ぐときの機械角との位相差から演算することができる。
基準構造部品120と第1ロータ101aとの間で磁気的な対応関係が正しければ、測定子41を通じて検出される基準構造部品120の周方向の磁気と、測定子41を通じて検出される第1ロータ101aの周方向の磁気とは、第1既定相対角度差θrd1だけ位相がずれる、すなわち第1既定相対角度差θrd1が「0度」であることから位相が一致することになる。また、第1相対角度差θr1は、例えば、測定子41を通じて検出される基準構造部品120の周方向の磁気が最初に「0」を跨ぐときの機械角と、測定子41を通じて検出される第1ロータ101aの周方向の磁気が最初に「0」を跨ぐときの機械角との位相差から演算することができる。
基準構造部品120と第2ロータ101bとの間で磁気的な対応関係が正しければ、測定子41を通じて検出される基準構造部品120の周方向の磁気と、測定子41を通じて検出される第2ロータ101bの周方向の磁気とは、第2既定相対角度差θrd2だけ位相がずれることになる。また、第2相対角度差θr2は、例えば、測定子41を通じて検出される基準構造部品120の周方向の磁気が最初に「0」を跨ぐときの機械角と、測定子41を通じて検出される第2ロータ101bの周方向の磁気が最初に「0」を跨ぐときの機械角との位相差から演算することができる。
制御部20は、図3に示すように各測定対象の周方向の磁気を連続した曲線で取得するのではなく、図4に示すように実際には測定子41を通じて所定の機械角ごとに測定された磁気の測定結果を取得する。
例えば図4は、測定子41を通じて所定の機械角ごとに測定された磁気の測定結果を示している。基準構造部品120の周方向の磁気の測定を開始してから磁気が「0」を跨ぐまでの測定点の数が7点であり、第1ロータ101aの周方向の磁気の測定を開始してから磁気が「0」を跨ぐまでの測定点の数が7点である場合には、「0」を跨ぐまでの測定点の数の差は0点である。制御部20は、回転移動部33の制御を通じて回転軸102を一定の回転速度で回転させていることから、測定点1点を測定する際に変化する機械角に0倍を乗算した値を第1相対角度差θr1として演算する。この場合の第1相対角度差θr1は、0度である。制御部20は第1相対角度差θr1を0度と演算する。また、基準構造部品120の周方向の磁気の測定を開始してから磁気が「0」を跨ぐまでの測定点の数が7点であり、第2ロータ101bの周方向の磁気の測定を開始してから磁気が「0」を跨ぐまでの測定点の数が15点である場合には、測定点の数の差は8点である。制御部20は、測定点1点を測定する際に変化する機械角に8倍を乗算した値を第2相対角度差θr2として演算する。また、第1ロータ101aの周方向の磁気の測定を開始してから磁気が「0」を跨ぐまでの測定点の数が7点であり、第2ロータ101bの周方向の磁気の測定を開始してから磁気が「0」を跨ぐまでの測定点の数が15点である場合には、測定点の数の差は8点である。制御部20は、測定点1点を測定する際に変化する機械角に8倍を乗算した値をスキュー角度θsとして演算する。
本実施形態の作用及び効果を説明する。
(1)制御部20は、回転角センサに対するロータ101の磁気的な対応関係を確認するための情報として、基準構造部品120に対するロータ101の相対角度の測定結果(図3)を取得することができる。制御部20は、基準構造部品120に対するロータ101の相対角度の測定結果を取得していることから、各種の演算を実行できるようになる。例えば測定部10によってロータ101の軸方向両端の周方向における磁気、すなわち第1ロータ101aの第2ロータ101bと反対側の端部の周方向における磁気及び第2ロータ101bの第1ロータ101aと反対側の端部の周方向における磁気を測定していることから、制御部20は、スキュー角度θsを演算することができる。また、例えば測定部10によって基準構造部品120の周方向における磁気とロータ101の軸方向両端の周方向における磁気とを測定していることから、制御部20は、基準構造部品120に対する第1ロータ101aの第1相対角度差θr1及び基準構造部品120に対する第2ロータ101bの第2相対角度差θr2を演算することができる。このことから、スキュー角度θsを確認するとともに、基準構造部品120に対するロータ101の磁気的な対応関係を確認することができる。この対応関係は、基準構造部品120の代わりに回転角センサが回転軸102に対して正しく組み付けられた場合における、回転角センサに対するロータ101の磁気的な対応関係に置換することができる。したがって、回転角センサとロータ101との磁気的な対応関係を想定することができる。
回転軸102における基準構造部品120が取り付けられていた部分には、回転軸102の回転角を測定する回転角センサが組み付けられる。本実施形態の回転角センサとしては、例えばレゾルバが用いられる。レゾルバは、回転軸102の回転角が示す情報が生成されるように磁気を発生しないことから、磁気測定装置1による測定対象の磁気の測定時において、回転軸102に基準構造部品120が取り付けられている。基準構造部品120に対する第1ロータ101aの磁気的な対応関係が正しくない場合、第1ロータ101aが正しく着磁されていないこと、及び第1ロータ101aが回転軸102に正しく組み付けられていないことの少なくとも一方が生じているといえる。また、基準構造部品120に対する第2ロータ101bの磁気的な対応関係が正しくない場合、第2ロータ101bが正しく着磁されていないこと、及び第2ロータ101bが回転軸102に正しく組み付けられていないことの少なくとも一方が生じているといえる。このように、基準構造部品120に対するロータ101の磁気的な対応関係が正しくない場合、回転軸102に対して正しくレゾルバを組み付けたとしても、その組立体としては正しく組み付けられないことを想定できる。また、基準構造部品120に対するロータ101の磁気的な対応関係が正しい場合、回転軸102に対して正しくレゾルバを組み付けたときにはその組立体としては正しく組み付けられていることを想定できる。
(2)測定部10の平行移動部42を動作させることにより、1つの測定子41の位置を、基準構造部品120と対向する位置、第1ロータ101aの第2ロータ101bと反対側の端部と対向する位置、第2ロータ101bの第1ロータ101aと反対側の端部と対向する位置にそれぞれ配置させることができる。このため、1つの測定子41の位置を仮想平行線L1に沿って移動させることにより、各測定位置における測定対象の周方向の磁気を測定することができる。
(3)基準構造部品120の周方向における磁気とロータ101の軸方向両端の周方向における磁気の測定において、基準構造部品120とロータ101との外径を等しく設定することによって測定部10の測定を効率化することができる。
(4)測定子41と測定対象との間の間隔が小さい場合には、微小な測定対象の磁気の変化を測定子41が測定することから、磁気測定の誤差が大きくなる。一方、測定子41と測定対象との間の間隔が大きい場合には、測定対象の磁気が距離の2乗に反比例して減衰することから、測定子41による磁気測定の誤差が大きくなる。そこで、本実施形態によれば、直交移動部50によって測定子41と測定対象との間の間隔を調節できるようにしている。このため、基準構造部品120の周方向における磁気及びロータ101の軸方向両端の周方向における磁気の測定の精度を向上させることができる。
(5)設定工程において測定子41が測定対象に対向するように測定子41の位置を調節し、測定工程において測定子41によって測定対象の周方向における磁気を測定している。このことから、結果取得工程においてスキュー角度θs、基準構造部品120に対する第1ロータ101aの第1相対角度差θr1、及び基準構造部品120に対する第2ロータ101bの第2相対角度差θr2を確認することができるようになる。このことから、スキュー角度θsを確認するとともに、基準構造部品120に対するロータ101の磁気的な対応関係を確認することができる。この対応関係は、基準構造部品120の代わりに回転角センサとしてのレゾルバが回転軸102に対して正しく組み付けられた場合における、回転角センサに対するロータ101の磁気的な対応関係に置換することができる。したがって、回転角センサとロータ101との磁気的な対応関係を想定することができる。
本実施形態は次のように変更してもよい。また、以下の他の実施形態は、技術的に矛盾しない範囲において、互いに組み合わせることができる。
・本実施形態では、回転軸102は、大径部102a、第1小径部102b、及び第2小径部102cを有していたが、これに限らない。例えば、回転軸102は軸方向Xにおいて全て同じ外径であってもよい。
・本実施形態では、第1キー103aは、第3キー103cに対して回転軸102の周方向において同じ位置に形成されたが、周方向においてずれた位置に形成されてもよい。また、第1キー103aは、第2キー103bに対して回転軸102の周方向においてずれた位置に形成されたが、周方向において同じ位置に形成されてもよい。また、第1キー103aは、第2キー103bに対しても、第3キー103cに対してもずれた位置に形成されていてもよい。
・本実施形態では、ロータ101は、第1ロータ101aと第2ロータ101bとで段状に位相がずれている段スキューをなしていたが、これに限らない。
図5に示すように、ロータ101は、ロータ101の磁気的な角度が軸方向Xにおいて傾斜していることで、軸方向両端の磁気的な角度がずれている斜めスキューであってもよい。
・本実施形態では、ロータ101は、第1ロータ101a及び第2ロータ101bの2つに分割されたが、3つ以上のロータに分割されていてもよい。この場合、軸方向両端に位置する2つのロータの磁気的な角度のずれがスキュー角度θsとなる。
・本実施形態では、ロータ101にスキューが形成されていたが、スキューが形成されていなくてもよい。この場合、制御部20は、ロータ101の軸方向両端の周方向の磁気を測定することにより、ロータ101の軸方向両端に磁気的な角度ずれが生じていないことを確認することができる。
・本実施形態では、ロータ101は、N極の永久磁石111とS極の永久磁石111とがそれぞれ5つ設けられている5極対のロータであったが、これに限らない。すなわち、ロータ101は、4極対以下のロータであってもよいし、6極対以上のロータであってもよい。
・本実施形態では、基準構造部品120の外径はロータ101の外径と等しく設定されたが、基準構造部品120の外径をロータの外径よりも大きくしてもよいし、小さくしてもよい。
・本実施形態では、台座部分31と測定軸40のベース部分との間の距離を調節する直交移動部50が設けられたが、測定子41と測定対象との間の距離を調節できるのであれば、この構成は適宜変更可能である。例えば、測定軸40に対する測定子41の突出量を調節することで、測定子41と測定対象との間の距離を調節してもよい。また、測定対象を支持する支持部30の台座部分31における位置を調節することで、測定子41と測定対象との間の距離を調節してもよい。また、手動で測定子41と測定対象との間の間隔を調整するようにしてもよい。なお、測定子41と測定対象との間の間隔を調整しなくてもよいのであれば、直交移動部50を設ける必要はない。
・本実施形態では、測定軸40の可動部分を軸方向Xに移動させる平行移動部42が設けられたが、測定軸40と測定対象との軸方向Xにおける位置を調節できるのであれば、この構成は適宜変更可能である。例えば、測定軸40を軸方向Xに移動しないように固定した状態において、測定対象を支持する支持部30が軸方向Xに移動することにより、測定軸40と測定対象との軸方向Xにおける位置を調節してもよい。また、手動で測定軸40の可動部をその軸方向に移動させるようにしてもよい。
・本実施形態では、平行移動部42が設けられたが、これに限らない。例えば、測定軸40に3本の測定子41を設けて、測定子41が同時に基準構造部品120及びロータ101の軸方向両端に対向するようにしてもよい。
・本実施形態では、回転移動部33は、回転軸102をその軸線を中心として回転させていたが、これに限らない。例えば、回転移動部33は、測定子41が設けられた測定軸40を、回転軸102の軸心を中心として周方向に回転させるものであってもよい。
・本実施形態では、制御部20は、測定工程において回転軸102を1回転させたが、これに限らない。すなわち、制御部20は、測定工程において基準構造部品120に対する第1ロータ101a及び第2ロータ101bの電気角の位相を確認できればよく、例えば回転軸102を電気角の1周期分回転させればよい。この場合、本実施形態では、ロータ101が5極対であることから、制御部20は、測定工程の実行中に回転軸102を72度回転させればよい。
・本実施形態では、制御部20は、測定工程の終了後に測定工程の実行中に回転軸102を回転させた方向と反対方向に回転軸102を1回転させたが、これは行わなくてもよい。例えば、制御部20は、測定工程の実行中に回転軸102が1回転していることから、その位置のまま次の測定工程へ移行してもよい。
・本実施形態では、第1相対角度差θr1及び第2相対角度差θr2は、電気角であったが、これに限らない。例えば、ロータ101が1極対である場合のような電気角と機械角とが一致するようなときには、第1相対角度差θr1及び第2相対角度差θr2は、機械角であってもよい。
・本実施形態では、制御部20は、第1相対角度差θr1及び第2相対角度差θr2の両方を演算したが、第1相対角度差θr1及び第2相対角度差θr2については、いずれか一方のみを演算するようにしてもよい。例えば、第1相対角度差θr1のみを演算する場合、第1相対角度差θr1と第1既定相対角度差θrd1とが等しく、かつスキュー角度θsと既定スキュー角度θs0とが等しいという条件が満たされることを確認すれば、第2相対角度差θr2と第2既定相対角度差θrd2とが等しいことを間接的に確認することができる。第2相対角度差θr2のみを演算する場合も同様である。
・本実施形態では、制御部20は、測定子41を通じて検出される第1ロータ101aの周方向の磁気が最初に「0」を跨ぐときの機械角と、測定子41を通じて検出される第2ロータ101bの周方向の磁気が最初に「0」を跨ぐときの機械角との位相差からスキュー角度θsを演算したが、これに限らない。例えば、最初に「0」を跨ぐときの機械角ではなく、2度目以降に「0」を跨ぐときの機械角を用いるようにしてもよい。これは、スキュー角度θsの演算のみならず、第1相対角度差θr1及び第2相対角度差θr2の演算についても同様である。
・本実施形態では、図4に示すように、「0」を跨ぐまでの測定点の個数からスキュー角度θs、第1相対角度差θr1、及び第2相対角度差θr2を演算したが、これに限らない。例えば、各測定点を近似した曲線を描写し、その曲線が「0」を跨ぐときの機械角に基づいて、スキュー角度θs、第1相対角度差θr1、及び第2相対角度差θr2を演算するようにしてもよい。
・測定対象の各測定位置によって測定子41を通じて検出される周方向の磁気の測定開始角度が異なる場合には、最初に「0」を跨ぐときの機械角のみではスキュー角度θs、第1相対角度差θr1、及び第2相対角度差θr2を演算できないことがある。そこで、このような場合には、制御部20は、例えば最初に「0」を跨ぐときの機械角とこれ以降に「0」を跨ぐときの機械角との対応関係を考慮することで、スキュー角度θs、第1相対角度差θr1、及び第2相対角度差θr2を演算するようにしてもよい。
・本実施形態では、基準構造部品120には、第1ロータ101aと同様の構造をなしているロータが用いられたが、これに限らない。例えば、基準構造部品120は、円筒状の永久磁石であってもよい。すなわち、基準構造部品120は、回転軸102の回転角を示す情報が生成されるように磁気を発生する構造をなしていればよい。
・ロータ101の軸方向両端の周方向の磁気を検出できるのであれば、測定子41が第1ロータ101aの軸方向Xにおける中間位置と対向した状態で磁気の測定を実施し、測定子41が第2ロータ101bの軸方向Xにおける中間位置と対向した状態で磁気の測定を実施してもよい。
・本実施形態では、回転軸102における基準構造部品120が取り付けられていた位置に組み付けられる回転角センサとしてレゾルバが用いられたが、これに限らない。例えば、回転角センサとして磁気抵抗素子を用いた磁気センサが採用されてもよい。回転角センサとして磁気センサを採用した場合には、回転軸102の第1小径部102bにおける第2小径部102cと反対側の先端部分に永久磁石が組み付けられる。そして、この永久磁石と軸方向Xにおいて対向するように磁気センサが配置される。この場合、回転軸102に取り付けられた磁気センサの永久磁石によって、回転軸102の回転角が示す情報が生成されるように磁気を発生させることができるため、回転軸102に組み付けられた磁気センサの永久磁石をそのまま基準構造部品120として用いることができる。なお、磁気センサの永久磁石の磁束が径方向に発生している場合には径方向において永久磁石と対向するように測定子41を配置し、磁気センサの永久磁石の磁束が軸方向Xに発生している場合には軸方向Xにおいて永久磁石と対向するように測定子41を配置すればよい。
・本実施形態では、測定子41の先端に設けられる磁気センサ41aとしてホール素子が採用されたが、磁気抵抗素子(MR素子)が採用されてもよい。
1…磁気測定装置、10…測定部、20…制御部、30…支持部、31…台座部分、32…丸孔、33…回転移動部、40…測定軸、41…測定子、41a…磁気センサ、42…平行移動部、50…直交移動部、51…ねじ、100…結合体、101…ロータ、101a…第1ロータ、101b…第2ロータ、102…回転軸、102a…大径部、102b…第1小径部、102c…第2小径部、103a…第1キー、103b…第2キー、103c…第3キー、104a…第1キー溝、104b…第2キー溝、104c…第3キー溝、110…コア、111…永久磁石、112…挿通孔、120…基準構造部品、L1…仮想平行線、L2…仮想直交線、X…軸方向、θs…スキュー角度、θr1…第1相対角度差、θr2…第2相対角度差、θs0…既定スキュー角度、θrd1…第1既定相対角度差、θrd2…第2既定相対角度差。

Claims (5)

  1. 回転軸及び前記回転軸と一体的に固定されているロータを有する結合体と前記回転軸に取り付けられているとともに前記回転軸の回転角を示す情報が生成されるように磁気を発生する基準構造部品とを測定対象とし、当該測定対象の磁気を測定する磁気測定装置において、
    測定子を通じて前記測定対象の磁気を測定する測定部と、
    前記測定部による測定結果を取得する結果取得部とを備え、
    前記測定部は、前記基準構造部品が前記回転軸に取り付けられた状態における前記基準構造部品の周方向における磁気と前記ロータの軸方向両端の周方向における磁気とを測定し、
    前記結果取得部は、前記測定部により測定された前記基準構造部品の周方向における磁気と前記ロータの軸方向両端の周方向における磁気とに基づいて、前記基準構造部品に対する前記ロータの相対角度を取得する磁気測定装置。
  2. 前記測定部は、前記回転軸の軸線と平行な仮想平行線に沿って前記測定子を移動させる平行移動部を有している請求項1に記載の磁気測定装置。
  3. 前記基準構造部品は、その外径が前記ロータの外径と等しく設定されている請求項2に記載の磁気測定装置。
  4. 前記測定部は、前記回転軸の軸線と直交する仮想直交線に沿って前記測定子を移動させる直交移動部を有している請求項1〜3のいずれか一項に記載の磁気測定装置。
  5. 回転軸及び前記回転軸と一体的に固定されているロータを有する結合体と前記回転軸に取り付けられているとともに前記回転軸の回転角を示す情報が生成されるように磁気を発生する基準構造部品とを測定対象とし、当該測定対象の磁気を測定部の測定子を通じた測定に基づいて結果取得部が測定結果を取得する磁気測定方法において、
    前記測定対象を前記測定部に設定する設定工程と、
    前記基準構造部品の周方向における磁気と前記ロータの軸方向両端の周方向における磁気とを前記測定部が測定する測定工程と、
    前記測定部により測定された前記基準構造部品の周方向における磁気と前記ロータの軸方向両端の周方向における磁気とに基づいて、前記基準構造部品に対する前記ロータの相対角度を前記結果取得部が取得する結果取得工程とを備える磁気測定方法。
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WO2021192653A1 (ja) 2020-03-26 2021-09-30 富士フイルム株式会社 活性エネルギー線硬化型インク及び画像記録方法

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