JP2020055979A - タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】臭気が顕著に抑制され、さらに、加工性も改善されるタイヤ用ゴム組成物、及び該ゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤを提供する。【解決手段】ゴム成分と、セドレン、セドロール、セドレノール、ジャスモン酸メチル、ジヒドロジャスモン酸メチル及びアネトールからなる群より選択される少なくとも1種の香料とを含有し、前記ゴム成分100質量%中、天然ゴムの含有量が40質量%以上であるタイヤ用ゴム組成物に関する。【選択図】なし

Description

本発明は、タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤに関する。
通常、タイヤは加硫ゴム組成物により構成されており、特有の臭気がある。そのため、タイヤ販売店でタイヤを室内に陳列する際に、臭気が充満し、不快な環境となる場合があった。
特許文献1では、香料をゴム組成物に配合することにより、臭気が抑制されることが開示されている。しかしながら、臭気の抑制効果について、更なる改善が求められている。
特開2004−203954号公報
本発明は、前記課題を解決し、臭気が顕著に抑制され、さらに、加工性も改善されるタイヤ用ゴム組成物、及び該ゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、ゴム成分と、セドレン、セドロール、セドレノール、ジャスモン酸メチル、ジヒドロジャスモン酸メチル及びアネトールからなる群より選択される少なくとも1種の香料とを含有し、前記ゴム成分100質量%中、天然ゴムの含有量が40質量%以上であるタイヤ用ゴム組成物に関する。
前記ゴム組成物は、スルフェンアミド系加硫促進剤及び/又はチアゾール系加硫促進剤を含有することが好ましい。
前記ゴム組成物は、硫黄を含有することが好ましい。
前記天然ゴムが、リン含有量が500ppm以下の改質天然ゴムであることが好ましい。
本発明はまた、前記ゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤに関する。
本発明によれば、所定量の天然ゴムと、セドレン、セドロール、セドレノール、ジャスモン酸メチル、ジヒドロジャスモン酸メチル及びアネトールからなる群より選択される少なくとも1種の香料とを含有するゴム組成物であるので、臭気が抑制され、さらに、加工性も改善される。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、ゴム成分と、セドレン、セドロール、セドレノール、ジャスモン酸メチル、ジヒドロジャスモン酸メチル及びアネトールからなる群より選択される少なくとも1種の香料とを含有し、前記ゴム成分100質量%中、天然ゴムの含有量が40質量%以上である。
セドレン、セドロール、セドレノール、ジャスモン酸メチル、ジヒドロジャスモン酸メチル及びアネトールは、天然ゴム(NR)と分散しやすい構造であるため、所定量のNRを含むゴム組成物にこれらを配合することで、臭気が顕著に抑制されるとともに、加工性も改善されると考えられる。
上記ゴム組成物は、NRを含有する。
NRとしては、例えば、SIR20、RSS3、TSR20、TSS8等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、NRとしては、タンパク質、リン脂質などの非ゴム成分が除去されることにより高純度化され、かつpHが2〜7に調整された改質天然ゴム(高純度天然ゴム(UPNR))を用いることが好ましい。これにより、臭気の抑制効果及び加工性の改善効果が向上するとともに、低燃費性の改善効果も得られる。
なお、本明細書において、非ゴム成分が除去されるとは、非ゴム成分が少しでも除去されていればよく、全ての非ゴム成分が除去されていることを意味するものではない。
また、高純度化とは、天然ポリイソプレノイド成分以外のリン脂質、タンパク質等の不純物を取り除くことである。天然ゴムは、イソプレノイド成分が、前記不純物成分に被覆されているような構造となっており、前記成分を取り除くことにより、イソプレノイド成分の構造が変化して、配合剤との相互作用が変わってエネルギーロスが減ったり、耐久性が向上したり、より良いゴム組成物を得ることができると推察される。
高純度化され、かつpHが2〜7に調整された改質天然ゴムとしては、非ゴム成分量を低減して高純度化され、かつゴムのpHが2〜7の改質天然ゴムであれば特に限定されず、具体的には、(a)天然ゴムの非ゴム成分を除去した後、酸性化合物で処理して得られ、pHが2〜7である改質天然ゴム、(b)ケン化天然ゴムラテックスを洗浄し、更に酸性化合物で処理して得られ、pHが2〜7である改質天然ゴム、(c)脱蛋白天然ゴムラテックスを洗浄し、更に酸性化合物で処理して得られ、pHが2〜7である改質天然ゴム、(d)天然ゴムラテックスを凝集(凝固)させ、凝集(凝固)したゴムを粉砕し、水で洗浄を繰り返して得られ、pHが2〜7である改質天然ゴム、等が挙げられる。
このように、上記改質天然ゴムは、ケン化天然ゴムラテックスや脱蛋白天然ゴムラテックスを、蒸留水などで水洗し、更に酸性化合物で処理する製法等により調製できるが、水洗に用いた蒸留水のpHに比べて、酸性化合物の処理により酸性側にシフトさせ、pHの値を下げることが重要である。通常、蒸留水のpHが7.00ということはなく、5〜6程度であるが、この場合は、酸性化合物の処理によりpHの値を5〜6よりも酸性側に低下させることが重要となる。具体的には、水洗に用いる水のpH値より、酸性化合物の処理でpH値を0.2〜2低下させることが好ましい。
上記改質天然ゴムのpHは2〜7であり、好ましくは3〜6、より好ましくは4〜6である。上記範囲内に調整することで、耐熱老化性の低下が防止され、前記各種性能を顕著に改善できる。
なお、改質天然ゴムのpHは、ゴムを各辺2mm角以内の大きさに切って蒸留水に浸漬し、マイクロ波を照射しながら90℃で15分間抽出し、浸漬水をpHメーターを用いて測定された値であり、具体的には後述の実施例に記載の方法で測定する。ここで、抽出については、超音波洗浄器などで1時間抽出してもゴム内部から完全に水溶性成分を抽出することはできないため、正確に内部のpHを知ることはできないが、本手法で抽出することでゴムの実体を知ることが可能になる。
上記改質天然ゴムは、上記(a)〜(d)等、各種方法により高純度化したものであり、例えば、該改質天然ゴム中のリン含有量は、好ましくは500ppm以下、より好ましくは400ppm以下、更に好ましくは300ppm以下、特に好ましくは200ppm以下、最も好ましくは150ppm以下である。これにより、効果がより好適に得られる。
なお、上記リン含有量は、ICP発光分析等、従来の方法で測定できる。リンは、天然ゴムに含まれるリン脂質に由来するものと考えられる。
上記改質天然ゴムは、人工の老化防止剤を含んでいる場合、アセトン中に室温(25℃)下で48時間浸漬した後の窒素含有量が、0.15質量%以下であることが好ましく、0.10質量%以下であることがより好ましい。これにより、効果がより好適に得られる。
高純度化した天然ゴムは天然ゴムが元々有しているといわれる天然の老化防止剤成分が除去されているため、長期の保存で劣化するおそれがある。そのため、人工の老化防止剤が添加されることがある。上記窒素含有量は、アセトン抽出によりゴム中の人工の老化防止剤を除去した後の測定値である。上記窒素含有量は、ケルダール法、微量窒素量計等、従来の方法で測定できる。窒素は、タンパク質やアミノ酸に由来するものである。
上記改質天然ゴムは、JIS K6300:2001−1に準拠して測定したムーニー粘度ML(1+4)130℃が75以下であることが好ましく、より好ましくは40〜75、更に好ましくは45〜75、特に好ましくは50〜70、最も好ましくは55〜65である。75以下であることにより、ゴム混練前に通常必要な素練りが不要となる。従って、素練りする工程を経ずに作製された上記改質天然ゴムをゴム組成物の配合材料として好適に使用できる。
上記改質天然ゴムは、上記ムーニー粘度ML(1+4)130℃について、下記式で表される耐熱老化性指数が75〜120%のゴムであることが好ましい。
Figure 2020055979
上記式で示される耐熱老化性指数は、より好ましくは80〜115%、更に好ましくは85〜110%である。ゴムの耐熱老化性の評価として種々の方法が報告されているが、上記ムーニー粘度ML(1+4)130℃の80℃で18時間熱処理した前後の変化率で評価する方法を用いることで、タイヤ製造時やタイヤ使用時などの耐熱老化性を正確に評価できる。ここで、前記範囲内であれば優れた耐熱老化性が得られ、また、前記各種性能の性能バランスを顕著に改善できる。
上記(a)〜(d)などの高純度化され、かつpHが2〜7に調整された上記改質天然ゴムは、(製法1)天然ゴムラテックスをケン化処理する工程1−1と、ケン化天然ゴムラテックスを洗浄する工程1−2と、酸性化合物で処理する工程1−3とを含む製造方法、(製法2)天然ゴムラテックスを脱蛋白処理する工程2−1と、脱蛋白天然ゴムラテックスを洗浄する工程2−2と、酸性化合物で処理する工程2−3とを含む製造方法、等により調製できる。
〔製法1〕
(工程1−1)
工程1−1では、天然ゴムラテックスをケン化処理する。これにより、ゴム中のリン脂質やタンパク質が分解され、非ゴム成分が低減されたケン化天然ゴムラテックスが調製される。
天然ゴムラテックスはヘベア樹などの天然ゴムの樹木の樹液として採取され、ゴム分のほか水、タンパク質、脂質、無機塩類などを含み、ゴム中のゲル分は種々の不純物の複合的な存在に基づくものと考えられている。本発明では、天然ゴムラテックスとして、ヘベア樹をタッピングして出てくる生ラテックス(フィールドラテックス)、あるいは遠心分離法やクリーミング法によって濃縮した濃縮ラテックス(精製ラテックス、常法によりアンモニアを添加したハイアンモニアラテックス、亜鉛華とTMTDとアンモニアによって安定化させたLATZラテックスなど)を使用できる。
ケン化処理の方法としては、例えば、特開2010−138359号公報、特開2010−174169号公報に記載の方法により好適に行うことができ、具体的には下記方法などで実施できる。
ケン化処理は、天然ゴムラテックスに、アルカリと、必要に応じて界面活性剤を添加して所定温度で一定時間、静置することで実施でき、必要に応じて撹拌などを行っても良い。
ケン化処理に用いるアルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが好ましいが、これらに限定されない。界面活性剤としては特に限定されず、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩などの公知のアニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、両性界面活性剤が挙げられるが、ゴムを凝固させず良好にケン化できるという点から、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩などのアニオン系界面活性剤が好適である。ケン化処理において、アルカリ及び界面活性剤の添加量、ケン化処理の温度及び時間は、適宜設定すればよい。
(工程1−2)
工程1−2では、上記工程1−1で得られたケン化天然ゴムラテックスを洗浄する。該洗浄により、タンパク質などの非ゴム成分を除去する。
工程1−2は、例えば、上記工程1−1で得られたケン化天然ゴムラテックスを凝集させて凝集ゴムを作製した後、得られた凝集ゴムを塩基性化合物で処理し、更に洗浄することにより実施できる。具体的には、凝集ゴムの作製後に、水で希釈して水溶性成分を水層に移して、水を除去することで非ゴム成分を除去でき、更に凝集後に塩基性化合物で処理することで凝集時にゴム内に閉じ込められた非ゴム成分を再溶解させることができる。これにより、凝集ゴム中に強く付着したタンパク質などの非ゴム成分を除去できる。
凝集方法としては、ギ酸、酢酸、硫酸などの酸を添加してpHを調整し、必要に応じて更に高分子凝集剤を添加する方法などが挙げられる。これにより、大きな凝集塊ではなく、直径数mm〜1mm以下から、20mm程度の粒状ゴムが形成され、塩基性化合物処理によりタンパク質などが充分に除去される。上記pHは、好ましくは3.0〜5.0、より好ましくは3.5〜4.5の範囲に調整される。
高分子凝集剤としては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートの塩化メチル4級塩の重合体などのカチオン性高分子凝集剤、アクリル酸塩の重合体などのアニオン系高分子凝集剤、アクリルアミド重合体などのノニオン性高分子凝集剤、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートの塩化メチル4級塩−アクリル酸塩の共重合体などの両性高分子凝集剤などが挙げられる。高分子凝集剤の添加量は、適宜選択できる。
次いで、得られた凝集ゴムに対して、塩基性化合物による処理が施される。ここで、塩基性化合物としては特に限定されないが、タンパク質などの除去性能の点から、塩基性無機化合物が好適である。
塩基性無機化合物としては、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物などの金属水酸化物;アルカリ金属炭酸塩、アルカリ土類金属炭酸塩などの金属炭酸塩;アルカリ金属炭酸水素塩などの金属炭酸水素塩;アルカリ金属リン酸塩などの金属リン酸塩;アルカリ金属酢酸塩などの金属酢酸塩;アルカリ金属水素化物などの金属水素化物;アンモニアなどが挙げられる。
アルカリ金属水酸化物としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。アルカリ土類金属水酸化物としては、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウムなどが挙げられる。アルカリ金属炭酸塩としては、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどが挙げられる。アルカリ土類金属炭酸塩としては、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウムなどが挙げられる。アルカリ金属炭酸水素塩としては、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどが挙げられる。アルカリ金属リン酸塩としては、リン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウムなどが挙げられる。アルカリ金属酢酸塩としては、酢酸ナトリウム、酢酸カリウムなどが挙げられる。アルカリ金属水素化物としては、水素化ナトリウム、水素化カリウムなどが挙げられる。
なかでも、金属水酸化物、金属炭酸塩、金属炭酸水素塩、金属リン酸塩、アンモニアが好ましく、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩、アンモニアがより好ましく、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムが更に好ましい。上記塩基性化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
凝集ゴムを塩基性化合物で処理する方法は、凝集ゴムを上記塩基性化合物に接触させる方法であれば特に限定されず、例えば、凝集ゴムを塩基性化合物の水溶液に浸漬する方法、凝集ゴムに塩基性化合物の水溶液を噴霧する方法などが挙げられる。塩基性化合物の水溶液は、各塩基性化合物を水で希釈、溶解することで調製できる。
上記水溶液100質量%中の塩基性化合物の含有量は、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上である。0.1質量%以上であると、タンパク質を充分に除去できる傾向がある。該含有量は、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下である。10質量%以下であると、不必要に多量の塩基性化合物を使用することなく効率的に処理を行うことが可能となる。
上記塩基性化合物の水溶液のpHとしては、9〜13が好ましく、処理効率の点から、10〜12がより好ましい。
上記処理温度は適宜選択すればよいが、好ましくは10〜50℃、より好ましくは15〜35℃である。また、処理時間は、通常、1分以上であり、好ましくは10分以上、より好ましくは30分以上である。1分以上であると、効果がより好適に得られる傾向がある。上限に制限はないが、生産性の点から、好ましくは48時間以下、より好ましくは24時間以下、更に好ましくは16時間以下である。
塩基性化合物の処理後、洗浄処理が行われる。該洗浄処理により、凝集時にゴム内に閉じ込められたタンパク質などの非ゴム成分を充分除去すると同時に、凝集ゴムの表面だけでなく、内部に存在する塩基性化合物も充分に除去することが可能となる。特に、当該洗浄工程でゴム全体に残存する塩基性化合物を除去することにより、後述の酸性化合物による処理をゴム全体に充分に施すことが可能となり、ゴムの表面だけでなく、内部のpHも2〜7に調整できる。
洗浄方法としては、ゴム全体に含まれる非ゴム成分、塩基性化合物を充分に除去可能な手段を好適に用いることができ、例えば、ゴム分を水で希釈して洗浄後、遠心分離する方法、静置してゴムを浮かせ、水相のみを排出してゴム分を取り出す方法が挙げられる。洗浄回数は、タンパク質などの非ゴム成分、塩基性化合物を所望量に低減することが可能な任意の回数を採用できるが、乾燥ゴム300gに対して水1000mLを加えて撹拌した後に脱水するという洗浄サイクルを繰り返す手法なら、3回(3サイクル)以上が好ましく、5回(5サイクル)以上がより好ましく、7回(7サイクル)以上が更に好ましい。
洗浄処理は、ゴム中のリン含有量が500ppm以下(好ましくは200ppm以下)及び/又は窒素含有量が0.15質量%以下になるまで洗浄するものであることが好ましい。洗浄処理でリン脂質やタンパク質が充分に除去されることで、前記各種性能が改善される。
(工程1−3)
工程1−3では、工程1−2で得られた洗浄後のゴムに酸性化合物による処理が施される。前記のとおり、当該処理を施すことでゴム全体のpHが2〜7に調整され、前記各種性能に優れた改質天然ゴムを提供できる。なお、塩基性化合物の処理などに起因して耐熱老化性が低下する傾向があるが、更に酸性化合物で処理することで、そのような問題を防止し、良好な耐熱老化性が得られる。
酸性化合物としては特に限定されず、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、ポリリン酸、メタリン酸、ほう酸、ボロン酸、スルファニル酸、スルファミン酸などの無機酸;ギ酸、酢酸、グリコール酸、シュウ酸、プロピオン酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、マレイン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、グルタル酸、グルコン酸、乳酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、サリチル酸、メタンスルホン酸、イタコン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、スチレンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、バルビツール酸、アクリル酸、メタクリル酸、桂皮酸、4−ヒドロキシ安息香酸、アミノ安息香酸、ナフタレンジスルホン酸、ヒドロキシベンゼンスルホン酸、トルエンスルフィン酸、ベンゼンスルフィン酸、α−レゾルシン酸、β−レゾルシン酸、γ−レゾルシン酸、没食子酸、フロログリシン、スルホサリチル酸、アスコルビン酸、エリソルビン酸、ビスフェノール酸などの有機酸などが挙げられる。なかでも、酢酸、硫酸、ギ酸などが好ましい。上記酸性化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
凝集ゴムを酸で処理する方法は、凝集ゴムを上記酸性化合物に接触させる方法であれば特に限定されず、例えば、凝集ゴムを酸性化合物の水溶液に浸漬する方法、凝集ゴムに酸性化合物の水溶液を噴霧する方法などが挙げられる。酸性化合物の水溶液は、各酸性化合物を水で希釈、溶解することで調製できる。
上記水溶液100質量%中の酸性化合物の含有量は特に限定されないが、下限は好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上であり、上限は好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下、更に好ましくは5質量%以下である。該含有量が上記範囲内であると、良好な耐熱老化性が得られる。
上記処理温度は適宜選択すればよいが、好ましくは10〜50℃、より好ましくは15〜35℃である。また、処理時間は、通常、好ましくは3秒以上であり、より好ましくは10秒以上、更に好ましくは30秒以上である。3秒以上であると、充分に中和でき、効果が好適に得られる傾向がある。上限に制限はないが、生産性の点から、好ましくは24時間以下、より好ましくは10時間以下、更に好ましくは5時間以下である。
酸性化合物の水溶液への浸漬などの処理では、pHを6以下に調整することが好ましい。
このような中和により、優れた耐熱老化性が得られる。該pHの上限は、より好ましくは5以下、更に好ましくは4.5以下である。下限は特に限定されず、浸漬時間にもよるが、酸が強すぎるとゴムが劣化したり、廃水処理が面倒になったりするため、好ましくは1以上、より好ましくは2以上である。なお、浸漬処理は、酸性化合物の水溶液中に凝集ゴムを放置しておくこと等で実施できる。
処理後に、酸性化合物の処理に使用した該化合物を除去した後、処理後の凝集ゴムの洗浄処理を適宜実施してもよい。洗浄処理としては、上記と同様の方法が挙げられ、例えば、洗浄を繰り返すことで非ゴム成分を更に低減し、所望の含有量に調整すればよい。また、酸性化合物の処理後の凝集ゴムをロール式の絞り機等で絞ってシート状などにしてもよい。凝集ゴムを絞る工程を追加することで、凝集ゴムの表面と内部のpHを均一にすることができ、所望の性能を持つゴムが得られる。必要に応じて、洗浄や絞り工程を実施した後、クレーパーに通して裁断し、乾燥することにより、前記改質天然ゴムが得られる。なお、乾燥は特に限定されず、例えば、TSRを乾燥させるために使用されるトロリー式ドライヤー、真空乾燥機、エアドライヤー、ドラムドライヤー等の通常の乾燥機を用いて実施できる。
〔製法2〕
(工程2−1)
工程2−1では、天然ゴムラテックスを脱蛋白処理する。これにより、タンパク質などの非ゴム成分が除去された脱蛋白天然ゴムラテックスが調製できる。工程2−1で使用する天然ゴムラテックスとしては、前記と同様のものが挙げられる。
脱蛋白処理の方法としては、タンパク質の除去が可能な公知の方法を特に制限なく採用でき、例えば、天然ゴムラテックスに蛋白質分解酵素を添加して蛋白質を分解させる方法などが挙げられる。
脱蛋白処理に使用される蛋白質分解酵素としては特に限定されず、細菌由来のもの、糸状菌由来のもの、酵母由来のもののいずれでも構わない。具体的には、プロテアーゼ、ペプチターゼ、セルラーゼ、ペクチナーゼ、リパーゼ、エステラーゼ、アミラーゼ等を単独又は組み合わせて使用できる。
蛋白質分解酵素の添加量は、天然ゴムラテックス中の固形分100質量部に対して、好ましくは0.005質量部以上、より好ましくは0.01質量部以上、更に好ましくは0.05質量部以上である。下限以上であると、蛋白質の分解反応が十分になる傾向がある。
なお、脱蛋白処理において、蛋白質分解酵素と共に界面活性剤を添加してもよい。界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系、両性界面活性剤等が挙げられる。
(工程2−2)
工程2−2では、上記工程2−1で得られた脱蛋白天然ゴムラテックスを洗浄する。該洗浄により、タンパク質などの非ゴム成分を除去する。
工程2−2は、例えば、上記工程2−1で得られた脱蛋白天然ゴムラテックスを凝集させて凝集ゴムを作製した後、得られた凝集ゴムを洗浄することにより実施できる。これにより、凝集ゴム中に強く付着したタンパク質などの非ゴム成分を除去できる。
凝集方法は、上記工程1−2と同様の方法で実施できる。更に必要に応じて、前述したような塩基性化合物で処理しても良い。凝集ゴムの作製後、洗浄処理が行われる。該洗浄処理は、上記工程1−2と同様の方法で実施でき、これにより、タンパク質などの非ゴム成分、塩基性化合物を除去できる。なお、洗浄処理は、前記と同様の理由により、ゴム中のリン含有量が500ppm以下(好ましくは200ppm以下)及び/又は窒素含有量が0.15質量%以下になるまで洗浄するものであることが好ましい。
(工程2−3)
工程2−3では、工程2−2で得られた洗浄後のゴムに酸性化合物による処理が施される。塩基性化合物での処理はもちろん、酸凝集においても酸量が少ない場合、最終的に得られたゴムを水で抽出した際、アルカリ性〜中性になることに起因して耐熱老化性が低下する傾向がある。一般的に、好適に脱蛋白できるという理由から、蛋白質分解酵素として、アルカリ領域に至適pHを有する酵素が使用されており、当該酵素反応は、至適pHに合わせてアルカリ条件下で行われることが多く、最終的なゴムのpHを2〜7に調整するために、工程2−1における天然ゴムラテックスの脱蛋白処理は、pH8〜11で実施することが好ましく、pH8.5〜11がより好ましい。その後、凝集の時に酸性下で凝固されるが、そのゴムを水洗しただけでは、後述する抽出でpHが抽出液よりも上がり、この場合に特に耐熱老化性の低下が大きかった。これに対して、凝固後、必要に応じて塩基性化合物で処理後に、酸性化合物で処理することで、そのような問題を防止し、良好な耐熱老化性が得られる。
酸性化合物としては、上記工程1−3と同様のものが挙げられる。また、凝集ゴムを酸で処理する方法は、凝集ゴムを上記酸性化合物に接触させる方法であれば特に限定されず、例えば、凝集ゴムを酸性化合物の水溶液に浸漬する方法、凝集ゴムに酸性化合物の水溶液を噴霧する方法などが挙げられる。酸性化合物の水溶液は、各酸性化合物を水で希釈、溶解することで調製できる。
上記水溶液100質量%中の酸性化合物の含有量は特に限定されないが、下限は好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.03質量%以上であり、上限は好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下、更に好ましくは5質量%以下である。該含有量が上記範囲内であると、良好な耐熱老化性が得られる。
上記処理温度、処理時間は適宜選択すればよく、上記工程1−3と同様の温度を採用すればよい。また、酸性化合物の水溶液への浸漬などの処理では、pHを上記工程1−3と同様の値に調整することが好ましい。
処理後に、酸性化合物の処理に使用した該化合物を除去した後、処理後の凝集ゴムの洗浄処理を適宜実施しても良い。洗浄処理としては、上記と同様の方法が挙げられ、例えば、洗浄を繰り返すことで非ゴム成分を更に低減し、所望の含有量に調整すればよい。洗浄処理終了後、乾燥することにより、前記改質天然ゴムが得られる。なお、乾燥は特に限定されず、前述の手法などを採用できる。
ゴム成分100質量%中のNRの含有量は、40質量%以上であればよいが、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上であり、また、好ましくは95質量%以下、より好ましくは85質量%以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
NR以外に使用できるゴム成分としては、例えば、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)、スチレン−イソプレン−ブタジエン共重合ゴム(SIBR)等のジエン系ゴムが挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。なかでも、BRが好ましい。
BRとしては特に限定されず、高シス含量のBR、低シス含量のBR、シンジオタクチックポリブタジエン結晶を含有するBR等を使用できる。市販品としては、宇部興産(株)、JSR(株)、旭化成(株)、日本ゼオン(株)等の製品が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
BRのシス含量は、好ましくは90質量%以上、より好ましくは95質量%以上、更に好ましくは98質量%以上であり、上限は特に限定されない。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
なお、BRのシス含量は、赤外吸収スペクトル分析法によって測定できる。
BRは、非変性BR、変性BRのいずれでもよい。
変性BRが有する官能基としては、例えば、アミノ基、アミド基、シリル基、アルコキシシリル基、イソシアネート基、イミノ基、イミダゾール基、ウレア基、エーテル基、カルボニル基、オキシカルボニル基、メルカプト基、スルフィド基、ジスルフィド基、スルホニル基、スルフィニル基、チオカルボニル基、アンモニウム基、イミド基、ヒドラゾ基、アゾ基、ジアゾ基、カルボキシル基、ニトリル基、ピリジル基、アルコキシ基、水酸基、オキシ基、エポキシ基等が挙げられる。なお、これらの官能基は、置換基を有していてもよい。なかでも、アミノ基(好ましくはアミノ基が有する水素原子が炭素数1〜6のアルキル基に置換されたアミノ基)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜6のアルコキシ基)、アルコキシシリル基(好ましくは炭素数1〜6のアルコキシシリル基)、アミド基が好ましい。
BRを含有する場合、ゴム成分100質量%中のBRの含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは15質量%以上であり、また、好ましくは60質量%以下、より好ましくは40質量%以下、更に好ましくは30質量%以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
上記ゴム組成物は、セドレン、セドロール、セドレノール、ジャスモン酸メチル、ジヒドロジャスモン酸メチル及びアネトールからなる群より選択される少なくとも1種の香料を含有する。
セドレン、セドロール及びセドレノールは、セダー油(シダーウッド油)の主成分である。上記ゴム組成物に使用する際は、セダー油から各成分を単離して使用してもよいし、セダー油のまま使用してもよい。
ジャスモン酸メチル及びジヒドロジャスモン酸メチルは、ジャスミンの香気成分であり、一般的な方法で工業的に生産することが可能である。
アネトールは、アニス油やウイキョウ油の主成分である。上記ゴム組成物に使用する際は、アニス油やウイキョウ油からアネトールを単離して使用してもよいし、アニス油やウイキョウ油のまま使用してもよい。
上記香料の市販品としては、小川香料(株)、高砂香料工業(株)等の製品を使用することができる。
上記香料のなかでも、セドレン、セドロール及びセドレノールが好ましく、これらの併用がより好ましい。これらは、イソプレンを構成単位とする炭化水素(テルペン)であるため、NR中で良好に分散して、優れた臭気抑制効果及び加工性改善効果を発揮することができる。
上記香料の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.2質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上、更に好ましくは0.7質量部以上であり、また、好ましくは2.5質量部以下、より好ましくは1.5質量部以下、更に好ましくは1.2質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
上記ゴム組成物は、カーボンブラックを含有してもよい。
カーボンブラックとしては、特に限定されず、N134、N110、N220、N234、N219、N339、N330、N326、N351、N550、N762等が挙げられる。市販品としては、旭カーボン(株)、キャボットジャパン(株)、東海カーボン(株)、三菱化学(株)、ライオン(株)、新日化カーボン(株)、コロンビアカーボン社等の製品を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)は、好ましくは20m/g以上、より好ましくは40m/g以上であり、また、好ましくは100m/g以下、より好ましくは80m/g以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
なお、カーボンブラックのNSAは、JIS K6217−2:2001に準拠して測定される値である。
カーボンブラックを含有する場合、カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは10質量部以上、より好ましくは25質量部以上、更に好ましくは40質量部以上であり、また、好ましくは80質量部以下、より好ましくは60質量部以下である。上記範囲内であると、本発明の効果がより好適に得られる。
上記ゴム組成物は、シリカを含有してもよい。
シリカとしては、例えば、乾式法シリカ(無水ケイ酸)、湿式法シリカ(含水ケイ酸)等が挙げられるが、シラノール基が多いという理由から、湿式法シリカが好ましい。市販品としては、エボニックデグッサ社、ローディア社、東ソー・シリカ(株)、ソルベイジャパン(株)、(株)トクヤマ等の製品を使用できる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
シリカを含有する場合、シリカの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは10質量部以上、より好ましくは30質量部以上であり、また、好ましくは150質量部以下、より好ましくは100質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
上記ゴム組成物がシリカを含有する場合、さらに、シランカップリング剤を含有することが好ましい。
シランカップリング剤としては、特に限定されず、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)ジスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)ジスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、などのスルフィド系、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン、Momentive社製のNXT、NXT−Zなどのメルカプト系、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシランなどのビニル系、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ系、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、などのグリシドキシ系、3−ニトロプロピルトリメトキシシラン、3−ニトロプロピルトリエトキシシランなどのニトロ系、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシランなどのクロロ系などがあげられる。市販品としては、デグッサ社、Momentive社、信越シリコーン(株)、東京化成工業(株)、アヅマックス(株)、東レ・ダウコーニング(株)等の製品を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
シランカップリング剤を含有する場合、シランカップリング剤の含有量は、シリカ100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上であり、また、好ましくは15質量部以下、より好ましくは10質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
上記ゴム組成物は、粘着性樹脂を含有してもよい。
粘着性樹脂としては、タイヤ工業において慣用されるフェノール系樹脂、アルキルフェノール系樹脂、テルペン系樹脂、クマロン系樹脂、インデン系樹脂、クマロンインデン系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ロジン系樹脂、ジシクロペンタジエン系樹脂(DCPD系樹脂)等の芳香族炭化水素系樹脂、C5系樹脂、C8系樹脂、C9系樹脂、C5/C9系樹脂等の脂肪族炭化水素系樹脂や、これらの水素添加物等が挙げられる。市販品としては、丸善石油化学(株)、住友ベークライト(株)、ヤスハラケミカル(株)、東ソー(株)、Rutgers Chemicals社、BASF社、アリゾナケミカル社、日塗化学(株)、(株)日本触媒、JXエネルギー(株)、日本ゼオン(株)、ハリマ化成(株)、東亞合成(株)、荒川化学工業(株)、田岡化学工業(株)等の製品を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
粘着性樹脂を含有する場合、粘着性樹脂の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは5質量部以上であり、また、好ましくは30質量部以下、より好ましくは20質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
上記ゴム組成物は、ワックスを含有してもよい。
ワックスとしては、特に限定されず、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の石油系ワックス;植物系ワックス、動物系ワックス等の天然系ワックス;エチレン、プロピレン等の重合物等の合成ワックス等が挙げられる。市販品としては、大内新興化学工業(株)、日本精蝋(株)、精工化学(株)等の製品を使用できる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ワックスを含有する場合、ワックスの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上であり、また、好ましくは5質量部以下、より好ましくは3質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
上記ゴム組成物は、オイルを含んでもよい。
オイルとしては、例えば、プロセスオイル、植物油脂、又はその混合物が挙げられる。プロセスオイルとしては、例えば、パラフィン系プロセスオイル、アロマ系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル等を用いることができる。植物油脂としては、ひまし油、綿実油、あまに油、なたね油、大豆油、パーム油、やし油、落花生油、ロジン、パインオイル、パインタール、トール油、コーン油、こめ油、べに花油、ごま油、オリーブ油、ひまわり油、パーム核油、椿油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、桐油等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
オイルを含有する場合、オイルの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは3質量部以上、より好ましくは7質量部以上であり、また、好ましくは30質量部以下、より好ましくは15質量部以下である。
上記ゴム組成物は、老化防止剤を含んでもよい。
老化防止剤としては、例えば、フェニル−α−ナフチルアミン等のナフチルアミン系老化防止剤;オクチル化ジフェニルアミン、4,4′−ビス(α,α′−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン等のジフェニルアミン系老化防止剤;N−イソプロピル−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン等のp−フェニレンジアミン系老化防止剤;2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリンの重合物等のキノリン系老化防止剤;2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、スチレン化フェノール等のモノフェノール系老化防止剤;テトラキス−[メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン等のビス、トリス、ポリフェノール系老化防止剤等が挙げられる。市販品としては、精工化学(株)、住友化学(株)、大内新興化学工業(株)、フレクシス社等の製品を使用できる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。なかでも、p−フェニレンジアミン系老化防止剤、キノリン系老化防止剤が好ましい。
老化防止剤を含有する場合、老化防止剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは4質量部以上、更に好ましくは5.5質量部以上であり、また、好ましくは10質量部以下、より好ましくは8質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
上記ゴム組成物は、ステアリン酸を含有してもよい。
ステアリン酸としては、従来公知のものを使用でき、市販品としては、日油(株)、NOF社、花王(株)、富士フイルム和光純薬(株)、千葉脂肪酸(株)等の製品を使用できる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ステアリン酸を含有する場合、ステアリン酸の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは2質量部以上であり、また、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
上記ゴム組成物は、酸化亜鉛を含有してもよい。
酸化亜鉛としては、従来公知のものを使用でき、市販品としては、三井金属鉱業(株)、東邦亜鉛(株)、ハクスイテック(株)、正同化学工業(株)、堺化学工業(株)等の製品を使用できる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
酸化亜鉛を含有する場合、酸化亜鉛の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは4質量部以上であり、また、好ましくは10質量部以下、より好ましくは6質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
上記ゴム組成物は硫黄を含有してもよい。
硫黄としては、ゴム工業において一般的に用いられる粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄、可溶性硫黄等が挙げられる。市販品としては、鶴見化学工業(株)、軽井沢硫黄(株)、四国化成工業(株)、フレクシス社、日本乾溜工業(株)、細井化学工業(株)等の製品を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
硫黄を含有する場合、硫黄の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは2質量部以上であり、また、好ましくは6質量部以下、より好ましくは4質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
上記ゴム組成物は、加硫促進剤を含有してもよい。
加硫促進剤としては、2−メルカプトベンゾチアゾール、ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド等のチアゾール系加硫促進剤;テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)、テトラベンジルチウラムジスルフィド(TBzTD)、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド(TOT−N)等のチウラム系加硫促進剤;N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド(CBS)、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(TBBS)、N−オキシエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−オキシエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N′−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド等のスルフェンアミド系加硫促進剤;ジフェニルグアニジン、ジオルトトリルグアニジン、オルトトリルビグアニジン等のグアニジン系加硫促進剤を挙げることができる。市販品としては、住友化学(株)、大内新興化学工業(株)等の製品を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、スルフェンアミド系加硫促進剤、チアゾール系加硫促進剤が好ましい。
加硫促進剤を含有する場合、加硫促進剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上であり、また、好ましくは8質量部以下、より好ましくは5質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
上記ゴム組成物には、前記成分の他、タイヤ工業において一般的に用いられている添加剤、例えば、有機過酸化物;炭酸カルシウム、タルク、アルミナ、クレー、水酸化アルミニウム、マイカ等の充填剤;等を更に配合してもよい。これらの添加剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、0.1〜200質量部が好ましい。
上記ゴム組成物は、例えば、前記各成分をオープンロール、バンバリーミキサー等のゴム混練装置を用いて混練し、その後加硫する方法等により製造できる。
混練条件としては、加硫剤及び加硫促進剤以外の添加剤を混練するベース練り工程では、混練温度は、通常100〜180℃、好ましくは120〜170℃である。加硫剤、加硫促進剤を混練する仕上げ練り工程では、混練温度は、通常120℃以下、好ましくは85〜110℃である。また、加硫剤、加硫促進剤を混練した組成物は、通常、プレス加硫等の加硫処理が施される。加硫温度としては、通常140〜190℃、好ましくは150〜185℃である。加硫時間は、通常5〜15分である。
上記ゴム組成物は、サイドウォールに好適に用いられるが、サイドウォール以外の部材、例えば、トレッド(キャップトレッド)、ベーストレッド、アンダートレッド、クリンチエイペックス、ビードエイペックス、ブレーカークッションゴム、カーカスコード被覆用ゴム、インスレーション、チェーファー、インナーライナー等や、ランフラットタイヤのサイド補強層に用いてもよい。
本発明の空気入りタイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法で製造される。
すなわち、前記成分を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でトレッドなどの各タイヤ部材の形状にあわせて押出し加工し、他のタイヤ部材とともに、タイヤ成型機上にて通常の方法で成形することにより、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することによりタイヤを得る。
上記空気入りタイヤは、乗用車用タイヤ、トラック・バス用タイヤ、二輪車用タイヤ、高性能タイヤ等に使用可能であり、特に、トラック・バス用タイヤとして好適に使用できる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下、製造例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
フィールドラテックス:ムヒバラテックス社から入手したフィールドラテックス
エマールE−27C(界面活性剤):花王(株)製のエマールE−27C(ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、有効成分27質量%)
NaOH:富士フイルム和光純薬工業(株)製のNaOH
Wingstay L(老化防止剤):ELIOKEM社製のWingstay L(ρ−クレゾールとジシクロペンタジエンとの縮合物をブチル化した化合物)
エマルビンW(界面活性剤):LANXESS社製のエマルビンW(芳香族ポリグリコールエーテル)
タモールNN9104(界面活性剤):BASF社製のタモールNN9104(ナフタレンスルホン酸/ホルムアルデヒドのナトリウム塩)
Van gel B(界面活性剤):Vanderbilt社製のVan gel B(マグネシウムアルミニウムシリケートの水和物)
(老化防止剤分散体の調製)
水 462.5gにエマルビンW 12.5g、タモールNN9104 12.5g、Van gel B 12.5g、Wingstay L 500g(合計1000g)をボールミルで16時間混合し、老化防止剤分散体を調製した。
(製造例1)
フィールドラテックスの固形分濃度(DRC)を30%(w/v)に調整した後、該ラテックス1000gに、10%エマールE−27C水溶液25gと25%NaOH水溶液60gを加え、室温(23℃)で24時間ケン化反応を行い、ケン化天然ゴムラテックスを得た。次いで、老化防止剤分散体6gを添加し、2時間撹拌した後、更に水を添加してゴム濃度15%(w/v)となるまで希釈した。次いで、ゆっくり撹拌しながらギ酸を添加してpHを4.0に調整した後、カチオン系高分子凝集剤を添加し、2分間撹拌し、凝集させた。これにより得られた凝集物(凝集ゴム)の直径は0.5〜5mm程度であった。得られた凝集物を取り出し、2質量%の炭酸ナトリウム水溶液1000mlに、常温(23℃)で4時間浸漬した後、ゴムを取出した。これに、水2000mlを加えて2分間撹拌し、極力水を取り除く作業を7回繰り返した。その後、水500mlを添加し、pH4になるまで2質量%ギ酸を添加し、15分間放置した。更に、水を極力取り除き、再度水を添加して2分間撹拌する作業を3回繰返した後、水しぼりロールで水を絞ってシート状にした後、90℃で4時間乾燥して固形ゴム(改質天然ゴムA)を得た。
(製造例2)
市販のハイアンモニアラテックス〔マレイシアのムヒバラテックス社製、固形ゴム分62.0%〕を、0.12%のナフテン酸ソーダ水溶液で希釈して、固形ゴム分を10%にし、更にリン酸二水素ナトリウムを添加してpHを9.2に調整した。そしてゴム分10gに対して、蛋白質分解酵素(アルカラーゼ2.0M)を0.87gの割合で添加し、更にpHを9.2に再調整した後、37℃で24時間維持した。
次に、酵素処理を完了したラテックスに、ノニオン系界面活性剤〔花王社製の商品名エマルゲン810〕の1%水溶液を加えてゴム分濃度を8%に調整し、11,000rpmの回転速度で30分間遠心分離した。次に、遠心分離により生じたクリーム状留分を、上記エマルゲン810の1%水溶液に分散して、ゴム分濃度が8%になるように調整した後、再度、11,000rpmの回転速度で30分間遠心分離した。この操作を2回繰り返した後、得られたクリーム状留分を蒸留水に分散して、固形ゴム分60%の脱蛋白天然ゴムラテックスを調製した。
このラテックスに2質量%ギ酸をpH4になるまで添加し、更にカチオン系高分子凝集剤を添加して0.5〜5mmのゴム粒を得た。これの水を極力取り除き、水をゴム分10gに対して50g添加の上、2質量%ギ酸をpH3になるまで添加した。30分後ゴムを引き上げ、クレーパーでシート化した後、90℃で4時間乾燥し、固形ゴム(改質天然ゴムB)を得た。
(製造例3)
フィールドラテックスに水を添加してDRC15%(w/v)となるまで希釈した後、ゆっくり撹拌しながらギ酸を添加してpHを4.0〜4.5に調整し、凝集した。凝集したゴムを粉砕し、水1000mlで洗浄を繰り返し、その後、110℃で120分間乾燥して固形ゴム(改質天然ゴムC)を得た。
前記で得られた改質天然ゴムについて、下記により、評価し、結果を表1に示した。pH、窒素含有量、ゲル含有率は、改質天然ゴムA、Bのみ測定した。
<ゴムのpHの測定>
得られたゴム5gを3辺の合計が5mm以下(約1〜2×約1〜2×約1〜2(mm))に切断して100mlビーカーに入れ、常温(23℃)の蒸留水50mlを加えて2分間で90℃に昇温し、その後90℃に保つように調整しながらマイクロ波(300W)を13分(合計15分)照射した。次いで、浸漬水をアイスバスで冷却して25℃とした後、pHメーターを用いて、浸漬水のpHを測定した。
<窒素含有量の測定>
(アセトン抽出(試験片の作製))
各固形ゴムを1mm角に細断したサンプルを約0.5g用意した。サンプルをアセトン50g中に浸漬して、室温(25℃)で48時間後にゴムを取出し、乾燥させ、各試験片(老化防止剤抽出済み)を得た。
(測定)
得られた試験片の窒素含有量を以下の方法で測定した。
窒素含有量は、微量窒素炭素測定装置「SUMIGRAPH NC95A((株)住化分析センター製)」を用いて、上記で得られたアセトン抽出処理済みの各試験片を分解、ガス化し、そのガスをガスクロマトグラフ「GC−8A((株)島津製作所製)」で分析して窒素含有量を定量した。
<リン含有量の測定>
ICP発光分析装置(P−4010、(株)日立製作所製)を使用してリン含有量を求めた。
<ゲル含有率の測定>
1mm×1mmに切断した生ゴムのサンプル約70mgを正確に計り、これに35mLのトルエンを加え1週間冷暗所に静置した。次いで、遠心分離に付してトルエンに不溶のゲル分を沈殿させ上澄みの可溶分を除去し、ゲル分のみをメタノールで固めた後、乾燥し質量を測定した。次の式によりゲル含有率(質量%)を求めた。
ゲル含有率(質量%)=[乾燥後の質量mg/最初のサンプル質量mg]×100
Figure 2020055979
実施例及び比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
NR1:TSR20(リン含有量:572ppm)
NR2:TSS8(リン含有量:500ppmを超える)
改質天然ゴムA:製造例1
改質天然ゴムB:製造例2
改質天然ゴムC:製造例3
BR:宇部興産(株)製のBR150B(シス含量:98質量%)
カーボンブラック:三菱化学(株)製のダイアブラックN550(NSA:42m/g)
ワックス:日本精蝋(株)製のオゾエース0355
老化防止剤6C:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C(N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)
老化防止剤RD:大内新興化学工業(株)製のノクラック224(2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体)
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の酸化亜鉛2種
ステアリン酸:日油(株)製のビーズステアリン酸つばき
オイル:出光興産(株)製のダイアナプロセスNH−70S
香料1:小川香料(株)製のセダー油(主成分:セドレン、セドロール、セドレノール)
香料2:小川香料(株)製のジャスモン酸メチル
香料3:小川香料(株)製のジヒドロジャスモン酸メチル
香料4:小川香料(株)製のアニス油(主成分:アネトール)
香料5:曽田香料(株)製のストロベリーオイル(主成分:プロピレングリコール)
硫黄:鶴見化学工業(株)製の粉末硫黄(5%オイル含有)
加硫促進剤NS:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(TBBS))
加硫促進剤CZ:大内新興化学工業(株)製のノクセラーCZ(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド(CBS))
加硫促進剤DM:大内新興化学工業(株)製のノクセラーDM(ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド)
(実施例及び比較例)
表2に示す配合内容に従い、(株)神戸製鋼所製の1.7Lバンバリーミキサーを用いて、硫黄及び加硫促進剤以外の材料を150℃の条件下で5分間混練りし、混練り物を得た。次に、得られた混練り物に硫黄及び加硫促進剤を添加し、オープンロールを用いて、80℃の条件下で5分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。
得られた未加硫ゴム組成物をサイドウォールの形状に成形し、他のタイヤ部材とともに貼り合わせて未加硫タイヤを形成し、150℃の条件下で12分間加硫し、試験用タイヤ(サイズ:195/65R15)を製造した。
得られた未加硫ゴム組成物及び試験用タイヤを用いて下記評価を行った。結果を表2に示す。
(臭気評価指数)
各未加硫ゴム組成物を170℃×12分間加硫して得た加硫サンプル(厚さ2mm、縦横150mm)を、ポリエチレン袋に入れ、24時間後の臭い強度を評価した。評価は、臭い強度を、6段階臭気強度表示法に基づき、下記6段階(0〜5)でランク付けし、モニター3名の平均値を採用した。
強度0:無臭
強度1:やっと感知できる臭い
強度2:弱い臭い
強度3:楽に感知できる臭い
強度4:強い臭い
強度5:強烈な臭い
(加工性指数)
各未加硫ゴム組成物について、JIS K6300(1994)に従って、100℃にてムーニー粘度を測定し、比較例2を100として指数表示した。指数が小さいほどムーニー粘度が低く、加工性に優れることを示す。
(低燃費性指数)
転がり抵抗試験機を用い、各試験用タイヤを、リム(15×6JJ)、内圧(230kPa)、荷重(3.43kN)、速度(80km/h)で走行させたときの転がり抵抗を測定し、比較例2を100とした時の指数で表示した。指数が大きいほど、転がり抵抗が小さく、低燃費性に優れることを示す。
Figure 2020055979
表2より、所定量の天然ゴムと、セドレン、セドロール、セドレノール、ジャスモン酸メチル、ジヒドロジャスモン酸メチル及びアネトールからなる群より選択される少なくとも1種の香料とを含有する実施例は、臭気が顕著に抑制されるとともに、加工性も改善された。

Claims (5)

  1. ゴム成分と、セドレン、セドロール、セドレノール、ジャスモン酸メチル、ジヒドロジャスモン酸メチル及びアネトールからなる群より選択される少なくとも1種の香料とを含有し、
    前記ゴム成分100質量%中、天然ゴムの含有量が40質量%以上であるタイヤ用ゴム組成物。
  2. スルフェンアミド系加硫促進剤及び/又はチアゾール系加硫促進剤を含有する請求項1記載のタイヤ用ゴム組成物。
  3. 硫黄を含有する請求項1又は2記載のタイヤ用ゴム組成物。
  4. 前記天然ゴムが、リン含有量が500ppm以下の改質天然ゴムである請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤ。
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