JP2020055833A - ヒトセクレトグロビンタンパク質の修飾および新規組成物 - Google Patents

ヒトセクレトグロビンタンパク質の修飾および新規組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】酸化的または酵素的に修飾された合成セクレトグロビンを含む組成物を提供することである。【解決手段】純粋なタンパク質をインビトロで化学的に修飾することにより、組換えヒトCC10タンパク質の新規組成物が生成された。化学的に修飾されたrhCC10のアイソフォームを含有するいくつかの新規合成調製物が、活性酸素種および活性窒素種を利用するプロセスにより生成された。これらの調製物は、非修飾タンパク質と比較して増強されるかまたは変化した生物学的特性で特徴付けられる、rhCC10の新規アイソフォームを含有する。新規アイソフォームを含有する調製物は、血液または尿由来の天然のCC10タンパク質の天然に存在するアイソフォームを同定し、特徴付け、最終的に、患者疾患状態を判定するための新規のCC10に基づくバイオマーカーを測定するための標準として用いられ得る。これらの調製物はまた、非修飾タンパク質で有効に治療されない、呼吸器の状態、自己免疫の状態、炎症の状態、および他の医学的状態を治療するために用いられ得る。【選択図】なし

Description

本発明の分野は、非修飾バージョンと比較して変化した特性または増強された特性を有する、合成セクレトグロビンの化学的または酵素的に修飾された調製物に関する。より詳細には、活性酸素種(ROS)、活性窒素種(RNS)、酵素により触媒される修飾、例えば、ミエロペルオキシダーゼおよび過酸化水素、またはトランスグルタミナーゼにより触媒される修飾を用いた組換えヒトセクレトグロビンタンパク質の修飾に関する。本発明は更に、修飾セクレトグロビンの新規アイソフォームの特性決定、セクレトグロビンを修飾する最適化プロセス、およびセクレトグロビンアイソフォームの単離に関する。本明細書の用語「アイソフォーム」は、1つ以上の化学的に修飾されたアミノ酸を含有する、少なくとも60アミノ酸長の未変化のモノマーを含有する、セクレトグロビンまたはCC10モノマー、ダイマー、または他のマルチマー複合体を指す。本発明は、1つ以上のアミノ酸の化学修飾または酵素修飾による、セクレトグロビンの生物学的活性の変化、構造上の配置の変更、または生化学的特性の変更に更に関する。本発明は、ROS、RNS、および酵素により触媒されるアミノ酸修飾での化学修飾を通じて、rhCC10の抗ウイルス活性を増強することに更に関する。本発明は、ROS、RNS、および酵素により触媒されるアミノ酸修飾での化学修飾を通じて、rhCC10による好中球遊走の阻害を増強することに更に関する。
セクレトグロビンは、ジスルフィドダイマー、テトラマーおよびより高級のマルチマーを形成する4つのヘリックス束モノマーを含む、構造上関連するタンパク質のファミリーである。8つの公知のヒトセクレトグロビンが存在し(図1)、クララ細胞10kDaタンパク質(CC10)は、ウテログロビン、クララ細胞16kDaタンパク質(CC16)、クララ細胞分泌タンパク質(CCSP)、ブラストキニン、尿タンパク質1、およびセクレトグロビン1A1(SCGB1A1)としても知られ、最も大量であり、ファミリーの周知のメンバーである。セクレトグロビンおよびCC10は、全ての脊椎動物に存在すると考えられる。CC10について知られていることに基づき、セクレトグロビンは、免疫応答を制御する際に役割を果たすと考えられているが、CC10を含むこれらのタンパク質の生理的役割および特定のメカニズムは未知のままである。
哺乳動物におけるCC10の主要な供給源は、肺上皮および気管上皮、特に、非線毛性細気管支気道上皮細胞(主に、クララ細胞)であり、成人の肺の細胞外液中の最も大量の局所産生されたタンパク質である。CC10は、鼻の上皮でも分泌される。CC10は、血清および尿にも存在し、肺の供給源に大部分由来する。CC10は、生殖組織(子宮、精嚢)、外分泌腺(前立腺、乳腺、膵臓)、内分泌腺(甲状腺、下垂体、副腎、および卵巣)により、並びに胸腺および脾臓によっても産生される(Mukherjee, 1999、Mukherjee, 2007)。in vivoでのヒトCC10の主要な回収可能な形態は、ホモダイマーであり、等電点4.7〜4.8を有する2つの同一の70アミノ酸モノマーを含む。その分子量は15.8kDaであるが、SDS−PAGE上で見かけの分子量10〜12kDaに移動する。天然のホモダイマーにおいて、モノマーは、一方のN末端がもう一方のC末端に隣接して逆平行配置で配列され、一方のモノマーのCys3ともう一方のモノマーのCys69の間の2つのジスルフィド結合により結び付けられる(Mukherjee, 1999)。
タンパク質のアミノ酸残基を修飾する多くの化学プロセスおよび酵素プロセスが存在する。セクレトグロビンは、哺乳動物細胞における分泌プロセスの不可欠な部分である、N末端シグナルペプチドの切断を受ける。しかし、これらは、グリコシル化されないか、または脂質付加されないことが知られている。しかしながら、セクレトグロビンは、細胞外環境では、炎症反応中に全ての他のタンパク質に影響する同一のプロセスを受ける。天然のCC10は、in vivoで化学的に修飾され、天然のCC10の新規形態は、患者試料で同定されており、正常なヒト由来の試料中には存在しない(Lindhal, 1999、Ramsay, 2001、Ariaz-Martinez, 2012)。新規形態は、進行中または急性炎症により特徴付けられる呼吸状態を有する患者由来の気道ライニング流体(ALF)試料でのみ同定されたので、修飾は、炎症プロセスにより引き起こされると推定される。CC10への修飾は、炎症反応により生じた活性酸素種との反応の結果であると推測されるが、修飾の性質は現在分かっていない。更に、天然のCC10への酸化修飾は、その抗炎症活性および免疫調節機能を障害し、これにより、呼吸促迫症を経験する未熟児での慢性肺疾患の発症に関与する、タンパク質に対する損傷を表すと思われる(Ramsay, 2001)。
合成CC10タンパク質は、組換え法または化学合成法により作製され得る(Barnes, 1996、Mantile, 1993、Nicolas, 2005)。CC10は、セクレトグロビンとまとめて呼ばれる構造上関連するタンパク質のファミリーの最も周知のメンバーである(Klug, 2000)。8つのヒトセクレトグロビンの成熟型分泌配列のアミノ酸配列を図1に示す。N末端は、共通シグナルペプチド切断部位に基づく予測であり、天然のタンパク質のN末端の配列決定により確認されてはいない。全てのセクレトグロビンは、保存された4つのヘリックス束二次構造を共有し、それ故に、同様の生理学的機能を媒介すると一般的に考えられる。
活性酸素種(ROS)および活性窒素種(RNS)は、加齢および疾患と関連する慢性炎症プロセスの一部として、または感染症および他の急性侵襲、例えば、煙吸引と闘うための重篤な炎症反応の結果として生じる。タンパク質酸化をin vivoで媒介する、従来のROSおよびRNS化学的試薬は、過酸化水素(H)、Fe2+、Cu1+、グルタチオン、HOCl、HOBr、、およびONOO-を含む。ROSおよびRNSは、ミエロペルオキシダーゼ、キサンチン酸化酵素、およびP−450酵素などの酵素活性並びに活性化食細胞の酸化的バースト活性の結果として、in vivoで合成されるか、または放出され得る。過酸化脂質、例えば、4−ヒドロキシ−2−トランス−ノネナール(HNE)、(MDA)、およびアクロレインは、同じく高度に反応性であり、タンパク質との付加物を形成することができる、ROSおよびRNSの脂質との反応の産物である。オゾンおよび紫外線、並びにOの存在下でのγ線照射およびミトコンドリアの電子伝達系漏れ(electron transport chain leakage)も、タンパク質酸化を引き起こす。
ROSおよびRNSは、核酸、脂質(膜および界面活性剤のリン脂質を含む)、およびタンパク質を含む本質的な生物学的成分を、病原体と宿主の両方で破壊し、最初の感染症または炎症反応の他の原因より生命を危うくし得る重大な組織損傷をしばしば引き起こす、無差別な化学反応剤である。例えば、急性呼吸促迫症候群(ARDS)は、感染症を引き起こす病原体が抗菌剤を用いて制御された後でさえ、ROSおよびRNSの放出を生じ、肺機能を損なう肺の組織損傷に起因する40〜60%の死亡率を典型的には有する、急性肺感染症(肺炎)によりしばしば引き起こされる。
いくつかの種類の酸化タンパク質修飾が存在し、そのうち最も一般的なものは、システイン(Cys)間のジスルフィド結合、S−チオレーション、およびメチオニン(Met)スルホキシドが形成される、硫黄酸化である。タンパク質カルボニル基も、アミノ酸側鎖が、アルデヒドおよびケトン、特に、リシン(Lys)、アルギニン(Arg)、およびプロリン(Pro)に変換される、一般的な酸化修飾である。脂肪族アミノ酸は、そのヒドロ(ペルオ)キシ誘導体に変換されてもよい。クロラミンおよび脱アミノが生じてもよい。特定のアミノ酸が他のアミノ酸に、例えば、ヒスチジン(His)がアスパラギン(Asn)に変換されてもよく、一方、他のものが、脂質過酸化反応付加物、アミノ酸酸化付加物(例えば、p−ヒドロキシフェニルアセトアルデヒド)、およびグリコシド化付加物(例えば、カルボキシメチルリシン)を形成してもよい。ROSおよびRNSへの曝露の結果として、肉眼的なタンパク質レベルで、架橋結合、凝集、およびペプチド結合切断が生じることがある。
in vivoでROSおよびRNSによりいくつかの生理的酸化産物に修飾される12種のアミノ酸を表1に示す。一般的に、アミノ酸のシステイン(Cys)およびメチオニン(Met)は、酸化の影響を最も受けやすく、他のアミノ酸の酸化とは異なり、MetおよびCysの酸化は可逆である(メチオニンスルホキシド還元酵素およびグルタチオンおよびチオレドキシン酸化還元系)(Stadtman, 2002)。
Figure 2020055833
セクレトグロビンの修飾はまた、MPOなどの酵素により生成されたROSおよびRNSの下流作用によってのみでなく、トランスグルタミナーゼ酵素(TG)によって、酵素的に媒介されてもよい。TGは天然に遍在し、微生物から哺乳動物までの全ての形態の生命で見られる。TGは、細胞外基質合成、好中球および単球接着および運動、受容体エンドサイトーシス、飲作用、抗原取り込みおよび処理、血液凝固、G−タンパク質シグナル伝達、並びにアポトーシスを含む、哺乳動物におけるいくつかの細胞間プロセスおよび細胞内プロセスに必須である(Lorand, 2003にて概説される)。TGは、少なくとも1つの主要な酵素活性、1つのタンパク質のグルタミン残基がアシル供与体として役立ち、第2のタンパク質のリシン残基がアシル受容体として役立つ、古典的なトランスグルタミナーゼ活性を媒介する、多機能酵素である。TGは、タンパク質の脱アミド化およびエステル化、並びにシステイン残基間のジスルフィド結合の生成および転位も媒介する。これらの活性のうち、エネルギーを必要とするものはなく、唯一の必須の補助因子はカルシウムである。
トランスグルタミナーゼは、炎症および免疫、詳細には、TG2または組織トランスグルタミナーゼにおいて重要な役割を果たす。トランスグルタミナーゼは主として細胞質に存在するが、酵素の一部は細胞表面の膜と結合しており、フィブロネクチンの共受容体であることが知られている。TGは、膜の特定の脂質部分にタンパク質を架橋結合させて、これにより、皮膚の構造タンパク質の足場に脂質バリアが生成されることを可能にすることが示されている(Lesort, 2000、Nemes, 1999)。より最近、ウイルス感染におけるTGの新たに生じた役割が認知された(Jeon, 2006にて概説される)。細胞内TG2は、通常、不活性化状態で存在し、ウイルス感染から生じた酸化ストレスおよびカルシウム動員により活性化される。活性化細胞内TG2は、ウイルスタンパク質の直接的修飾/不活性化、並びにウイルスの侵入、複製、アセンブリー、または輸送に必要な細胞のタンパク質の修飾を介して、その抗ウイルス活性を媒介する。CC10は、TG2の基質であることが既に示されている(Mukherjee, 1988)。CC10は、他のCC10分子にTG2により架橋結合されて、共有結合したマルチマーおよび凝集物を形成し、これは、SDS−PAGEゲルおよびウエスタンブロットにて観察される。しかしながら、CC10または他のセクレトグロビンの他のTGにより媒介された反応産物で特性決定されたものはない。
前述のものは、本発明により達成される目的の非限定的なリストを提供する。
本発明の主な目的は、酸化的または酵素的に修飾された合成セクレトグロビン(組換え的または化学的方法により作製されたかには関わらない)を含む、組成物である。
本発明の更なる目的は、酸化的または酵素的に修飾された合成CC10(組換え的または化学的方法により作製されたかには関わらない)を含む、組成物である。
本発明の更なる目的は、酸化的または酵素的に修飾された合成SCGB3A2(組換え的または化学的方法により作製されたかには関わらない)を含む、組成物である。
本発明の更なる目的は、酸化的または酵素的に修飾された合成SCGB3A1(組換え的または化学的方法により作製されたかには関わらない)を含む、組成物である。
本発明の更なる目的は、酸化的または酵素的に修飾された合成SCGB2A1(組換え的または化学的方法により作製されたかには関わらない)を含む、組成物である。
本発明の更なる目的は、酸化的または酵素的に修飾された合成SCGB2A2(組換え的または化学的方法により作製されたかには関わらない)を含む、組成物である。
本発明の更なる目的は、酸化的または酵素的に修飾された合成SCGB1D1(組換え的または化学的方法により作製されたかには関わらない)を含む、組成物である。
本発明の更なる目的は、酸化的または酵素的に修飾された合成SCGB1D2(組換え的または化学的方法により作製されたかには関わらない)を含む、組成物である。
本発明の更なる目的は、酸化的または酵素的に修飾された合成SCGB1D4(組換え的または化学的方法により作製されたかには関わらない)を含む、組成物である。
本発明の更なる目的は、1つ以上のメチオニンスルホキシドを含有する修飾された合成セクレトグロビンを含む、組成物である。
本発明の更なる目的は、1つ以上のシステイングルタチオレートを含有する修飾された合成セクレトグロビンを含む、組成物である。
本発明の更なる目的は、1つ以上のHNE−システインを含有する修飾された合成セクレトグロビンを含む、組成物である。
本発明の更なる目的は、1つ以上のニトロチロシンを含有する修飾された合成セクレトグロビンを含む、組成物である。
本発明の更なる目的は、1つ以上のジ−チロシンを含有する修飾された合成セクレトグロビンを含む、組成物である。
本発明の更なる目的は、1つ以上のカルボニル基を含有する修飾された合成セクレトグロビンを含む、組成物である。
本発明の更なる目的は、メチオニンスルホキシド、ニトロチロシン、またはジチロシンからなる群より選択される2つ以上の修飾アミノ酸の組合せを含有する修飾された合成セクレトグロビンを含む、組成物である。
本発明の更なる目的は、1つ以上のクロロチロシンを含有する修飾された合成セクレトグロビンを含む、組成物である。
本発明の更なる目的は、1つ以上のヒドロキシプロリン、ピロリドン、またはグルタミン酸セミアルデヒドを含有する修飾された合成セクレトグロビンを含む、組成物である。
本発明の更なる目的は、1つ以上の2−アミノ−3−ケト酪酸を含有する修飾された合成セクレトグロビンを含む、組成物である。
本発明の更なる目的は、1つ以上のクロラミンを含有する修飾された合成セクレトグロビンを含む、組成物である。
本発明の更なる目的は、1つ以上のα−アミノアジピン酸セミアルデヒド、クロラミン、MDA−Lys、HNE−Lys、アクロレイン−Lys、カルボキシメチルリシン、またはpHA−Lysを含有する修飾された合成セクレトグロビンを含む、組成物である。
本発明の更なる目的は、1つ以上のヒドロキシトリプトファン、ニトロトリプトファン、またはキヌレニンを含有する修飾された合成セクレトグロビンを含む、組成物である。
本発明の更なる目的は、1つ以上のバリンまたはロイシンペルオキシドを含有する修飾された合成セクレトグロビンを含む、組成物である。
本発明の更なる目的は、1つ以上のシュウ酸またはピルビン酸を含有する修飾された合成セクレトグロビンを含む、組成物である。
本発明の更なる目的は、1つ以上のヒドロキシフェニルアラニンを含有する修飾された合成セクレトグロビンを含む、組成物である。
本発明の更なる目的は、1つ以上のグルタミン酸セミアルデヒドを含有する修飾された合成セクレトグロビンを含む、組成物である。
本発明の更なる目的は、1つ以上の2−オキソヒスチジンまたはHNE−Hisを含有する修飾された合成セクレトグロビンを含む、組成物である。
本発明の更なる目的は、非修飾合成セクレトグロビンと酸化的または酵素的に修飾合成セクレトグロビンの組合せを含有する、組成物であり、ここで、非修飾調製物と修飾調製物は、同一のセクレトグロビンである。
本発明の更なる目的は、非修飾合成セクレトグロビンと酸化的または酵素的に修飾合成セクレトグロビンの組合せを含有する、組成物であり、ここで、非修飾調製物と修飾調製物は、同一のセクレトグロビンではない。
本発明の更なる目的は、2つ以上の酸化的または酵素的に修飾された合成セクレトグロビンの組合せを含有する、組成物であり、ここで、非修飾調製物と修飾調製物は、同一のセクレトグロビンである。
本発明の更なる目的は、2つ以上の酸化的または酵素的に修飾された合成セクレトグロビンの組合せを含有する、組成物であり、ここで、非修飾調製物と修飾調製物は、同一のセクレトグロビンではない。
本発明の更なる目的は、1つ以上の非修飾合成セクレトグロビンと1つ以上の酸化的または酵素的に修飾合成セクレトグロビンの組合せを含有する、組成物であり、ここで、非修飾調製物と修飾調製物は、同一のセクレトグロビンである。
本発明の更なる目的は、1つ以上の非修飾合成セクレトグロビンと1つ以上の酸化的または酵素的に修飾合成セクレトグロビンの組合せを含有する、組成物であり、ここで、非修飾調製物と修飾調製物は、同一のセクレトグロビンではない。
本発明の第2の目的は、治療剤として用いられ得る修飾された合成セクレトグロビンを含有する、医薬組成物である。
本発明の更なる目的は、治療剤として用いられ得る2つ以上の修飾された合成セクレトグロビンの組合せを含有する、医薬組成物である。
本発明の更なる目的は、治療剤として用いられ得る非修飾合成セクレトグロビンと修飾合成セクレトグロビンの組合せを含有する、医薬組成物である。
修飾された合成セクレトグロビンを炎症状態またはウイルス感染症を有する患者に投与することが、本発明の更なる目的である。
修飾された合成セクレトグロビンを、呼吸器系疾患若しくは状態、自己免疫疾患若しくは状態、線維化状態、代謝性疾患、感染性疾患、または任意の急性若しくは慢性炎症状態若しくは疾患を有する患者に投与することが、本発明の更なる目的である。
修飾された合成セクレトグロビンを、投与すべき修飾合成セクレトグロビンに対応する天然のセクレトグロビンアイソフォームの不足により特徴付けられる任意の状態を有する患者に投与することが、本発明の更なる目的である。
修飾された合成セクレトグロビンを投与して、基礎にある慢性疾患または状態を有する患者における基礎にある状態の重度の悪化を治療または予防することが、本発明の更なる目的である。
修飾された合成CC10を炎症状態またはウイルス感染症を有する患者に投与することが、本発明の更なる目的である。
修飾された合成CC10を、呼吸器系疾患若しくは状態、自己免疫疾患若しくは状態、線維化状態、代謝性疾患、感染性疾患、または任意の急性若しくは慢性炎症状態若しくは疾患を有する患者に投与することが、本発明の更なる目的である。
修飾された合成CC10を、投与すべき修飾合成CC10に対応する天然のCC10アイソフォームの不足により特徴付けられる任意の状態を有する患者に投与することが、本発明の更なる目的である。
修飾された合成CC10を投与して、基礎にある慢性疾患または状態を有する患者における基礎にある状態の重度な悪化を治療または予防することが、本発明の更なる目的である。
患者試料を評価するための診断アッセイを開発するために用いられ得る修飾された合成セクレトグロビンを用いることが、本発明の別の目的である。
修飾された合成セクレトグロビンを、患者試料を評価するための診断アッセイで用いられ得る標準として用いることが、本発明の更なる目的である。
患者試料を評価するための診断アッセイを開発するために用いられ得る修飾合成CC10を用いることが、本発明の更なる目的である。
修飾された合成CC10を、患者試料を評価するための診断アッセイで用いられ得る標準として用いることが、本発明の更なる目的である。
修飾された合成セクレトグロビンを、生物学的供給源、例えば、血液、尿、または組織由来の修飾天然セクレトグロビンの精製を可能にする標準として用いることが、本発明の更なる目的である。
修飾された合成セクレトグロビンを、生物学的供給源、例えば、血液、尿、または組織由来の修飾天然セクレトグロビンを精製するためのプロセスの開発を可能にする標準として用いることが、本発明の更なる目的である。
修飾された合成セクレトグロビンを、生物学的供給源、例えば、血液、尿、または組織由来の修飾天然セクレトグロビンを精製するためのプロセスをモニターするための標準として用いることが、本発明の更なる目的である。
修飾された合成セクレトグロビンを、生物学的供給源、例えば、血液、尿、または組織から精製された、修飾天然セクレトグロビンの質を制御するための標準として用いることが、本発明の更なる目的である。
本発明の更なる目的は、化学的酸化を用いて、非修飾合成セクレトグロビンを修飾合成セクレトグロビンに変換する、プロセスである。
本発明の更なる目的は、活性酸素種(ROS)を用いて、非修飾合成セクレトグロビンを修飾合成セクレトグロビンに変換する、プロセスである。
本発明の更なる目的は、活性窒素種(RNS)を用いて、非修飾合成セクレトグロビンを修飾合成セクレトグロビンに変換する、プロセスである。
本発明の更なる目的は、次亜塩素酸ナトリウム(NaOCl)を用いて、非修飾合成セクレトグロビンを修飾合成セクレトグロビンに変換する、プロセスである。
本発明の更なる目的は、次亜塩素酸塩(HOCl)を用いて、非修飾合成セクレトグロビンを修飾合成セクレトグロビンに変換する、プロセスである。
本発明の更なる目的は、メタクロロ過安息香酸(mCPBA)を用いて、非修飾合成セクレトグロビンを修飾合成セクレトグロビンに変換する、プロセスである。
本発明の更なる目的は、過酸化水素(H)を用いて、非修飾合成セクレトグロビンを修飾合成セクレトグロビンに変換する、プロセスである。
本発明の更なる目的は、酵素を用いて、非修飾合成セクレトグロビンを修飾合成セクレトグロビンに変換する、プロセスである。
本発明の更なる目的は、ミエロペルオキシダーゼを用いて、非修飾合成セクレトグロビンを修飾合成セクレトグロビンに変換する、プロセスである。
本発明の更なる目的は、トランスグルタミナーゼを用いて、非修飾合成セクレトグロビンを修飾合成セクレトグロビンに変換する、プロセスである。
本発明の更なる目的は、トランスグルタミナーゼを用いて、標識、化学物質、脂質、またはペプチド部分を非修飾合成セクレトグロビンに結合させる、プロセスである。
本発明は、非修飾バージョンと比較して生物学的特性または生化学的特性を変化させるかまたは増強するための、合成セクレトグロビンの化学修飾および/または酵素修飾に関する。化学試薬、例えば、活性酸素種(ROS)、および活性窒素種(RNS)、または酵素、例えば、ミエロペルオキシダーゼまたはトランスグルタミナーゼを用いて、アミノ酸修飾が達成される。脂質および他の部分のセクレトグロビンへの付加は、TGによっても媒介される。本発明は、アミノ酸修飾を達成するための化学物質または酵素により媒介されるプロセスの最適化、並びに修飾セクレトグロビンの混合物の生化学的および物理的特徴付け、および個々のセクレトグロビンアイソフォームの単離および特徴付けに更に関する。用語「アイソフォーム」は、本明細書で、セクレトグロビンモノマー、ダイマー、または少なくとも60アミノ酸長のモノマー単位を含有する他のマルチマー複合体を指すが、好ましくは、図1に示されるアミノ酸配列と少なくとも75%同一であり、1つ以上の化学的に修飾されたアミノ酸を含有する全長モノマーを指す。ウイルスの複製の阻害、および好中球走化性の阻害を含むが、これに限定されない、生物学的特性は、化学的に修飾されたセクレトグロビン混合物およびアイソフォームにて変化または増強され得る。
セクレトグロビンのアミノ酸配列の図である。8つのヒトセクレトグロビンのモノマー形態のアミノ酸配列が示される。全ての配列は、Genebankから取得され、翻訳産物のシグナルペプチドは、それぞれのモノマーの予測されるN末端を示すために取り除かれた。全てのセクレトグロビンは、保存された4つのヘリックス束二次構造を共有し、ホモダイマー、ヘテロダイマー、テトラマー、および多量のマルチマーを形成する。 NaOClと反応したrhCC10のHPLCパターンの図である。非修飾rhCC10および増加量のNaOCl酸化剤の当量と反応させたrhCC10の調製物は、C−18カラムを用いた逆層HPLCにより分析される。矢印は、反応混合物中の非修飾rhCC10ピークを指す。示されるそれぞれのHPLC実行について、タンパク質約25mcgが添加された。 rhCC10 NaOCl反応物のSDS−PAGEの図である。10〜20%トリシンSDS−PAGEゲルが用いられた。増加量のNaOClで修飾されたrhCC10の調製物;それぞれのレーンについて、酸化剤の当量数が示される。それぞれタンパク質約5mcgを含有する全ての試料は、ゲル添加に先立ち、SDS添加液中の1mM DTTで還元され、65℃まで15分間加熱された。 rhCC10 NaOCl反応物の等電点電気泳動(IEF)の図である。IEFゲルは、pH範囲3〜7をカバーした。増加量のNaOClで修飾されたrhCC10の調製物;それぞれのレーンについて、酸化剤の当量数が示される。全ての試料は、タンパク質約25mcgを含有する。試料は、ゲル添加に先立ち、還元されず、SDSに曝露されるか、または加熱された。 抗rhCC10抗体を用いたrhCC10 NaOCl反応物のIEFゲルのウエスタンブロットの図である。IEFゲルは、pH範囲3〜7をカバーし、PVDFメンブレンにブロットされ、次に、タンパク質Aで精製された、非修飾rhCC10を抗原として用いて調製されたウサギポリクローナル抗体でプローブされた。NaOCl反応条件で修飾されたrhCC10の調製物は、レーンの記載に示される。全ての試料は、タンパク質約25mcgを含有する。試料は、ゲル添加に先立ち、還元されず、SDSに曝露されるか、または加熱された。 抗DNP抗体を用いた、DNPHで処理されたrhCC10 NaOCl反応物のウエスタンブロットの図である。10〜20%トリシンSDS−PAGEゲルは、修飾rhCC10調製物にて実行された。NaOCl反応産物は、MPOおよびmCPBA反応産物と並行して実行された。ゲルはPVDFにブロットされ、次に、ウサギポリクローナル抗DNP抗体(市販)でプローブされた。試料は、添加に先立ち、還元されないが、SDS PAGE添加液と混合され、65℃まで15分間加熱された。非修飾rhCC10、並びにMPOおよびmCPBA反応産物は、用いられた条件下で、抗体により認識されなかった。NaOCl反応産物のみが、検出可能なDNPを含有し、これは、これらの調製物におけるカルボニル基の存在を示していた。 mCPBA酸化産物のHPLC分析の図である。非修飾rhCC10および増加した当量数のmCPBA酸化剤と反応させたrhCC10の調製物が、C−18カラムを用いた逆層HPLCにより分析された。矢印は、反応混合物中の非修飾rhCC10ピークを指す。示されたそれぞれのHPLC実行について、それぞれの試料中のタンパク質約25mcgが添加された。 rhCC10 mCPBA反応物の等電点電気泳動の図である。IEFゲルは、pH範囲3〜7をカバーした。増加量のmCPBAで修飾されたrhCC10の調製物;それぞれのレーンについて、酸化剤の当量数が示され、2点の異なる温度が試験された。全ての試料は、タンパク質約25mcgを含有する。試料は、ゲル添加に先立ち、還元されず、SDSに曝露されるか、または加熱された。 抗rhCC10抗体を用いた、rhCC10 mCPBA反応物のIEFゲルのウエスタンブロットの図である。IEFゲルは、pH範囲3〜7をカバーし、PVDFメンブレンにブロットされ、次に、タンパク質Aで精製された、rhCC10に対して生じたウサギポリクローナル抗体でプローブされた。増加量のmCPBAで修飾されたrhCC10の調製物;それぞれのレーンについて、酸化剤の当量数が示され、2点の異なる温度が試験された。全ての試料は、タンパク質約25mcgを含有する。試料は、ゲル添加に先立ち、還元されず、SDSに曝露されるか、または加熱された。 更なる条件のrhCC10 mCPBA反応物の等電点電気泳動の図である。IEFゲルは、pH範囲3〜7をカバーした。CaClの存在下、およびはるかに多い酸化剤当量数の比較を含む、更なる条件下でのmCPBAで修飾されたrhCC10の調製物。全ての試料は、タンパク質約25mcgを含有する。試料は、ゲル添加に先立ち、還元されず、SDSに曝露されるか、または加熱された。 mCPBA反応産物、CC10アイソフォームの精製および質量スペクトル分析の図である。C−18 RP−HPLCを用いて、mCBPA反応混合物由来の異なるピークとして表される、8つの個々のCC10アイソフォームのそれぞれを分離させた。この実施例において、3番のピークが回収され、純度を推定するためにHPLCにて再実行され、次に、質量スペクトル分析(エレクトロスプレーイオン化方法)にかけられた。矢印は、この実施例で精製されたピークを指す。全ての試料は、タンパク質約25mcgを含有する。ESI−MS分析の結果は、パネルDに示される。 MPO−H反応の最適化、CaClの作用の図である。反応をモニターするために、2mM CaClあり、またはなしでのMPO−H反応がC−18 RP−HPLCを用いて比較された。全ての反応は、暗所で、クエン酸緩衝液中、pH5.0、50酸化剤当量のHを用いて、37℃で合計60分間行われた。矢印は、非修飾rhCC10に対応するピークを指す。全ての試料は、タンパク質約25mcgを含有する。 MPO−H酸化産物のHPLC分析の図である。2mM CaClとのMPO−H反応は、C−18 RP−HPLCを用いて、増加量のMPOおよびHでモニターされた。全ての反応は、暗所で、クエン酸緩衝液中、pH5.0、50酸化剤当量のHを用いて、37℃で合計30分間行われた。矢印は、非修飾rhCC10に対応するピークを指す。全ての試料は、タンパク質約25mcgを含有する。 rhCC10 MPOおよびH反応物の等電点電気泳動の図である。IEFゲルは、pH範囲3〜7をカバーした。増加量のMPOで修飾されたrhCC10の調製物。全ての反応は、暗所で、クエン酸緩衝液中、pH5.0、50酸化剤当量のHを用いて、37℃で1時間または24時間行われた。全ての試料は、タンパク質約25mcgを含有する。試料は、ゲル添加に先立ち、還元されず、SDSに曝露されるか、または加熱された。 抗rhCC10抗体を用いたrhCC10 MPOおよびH反応物のIEFゲルのウエスタンブロットの図である。IEFゲルは、pH範囲3〜7をカバーし、PVDFメンブレンにブロットされ、次に、タンパク質Aで精製された、rhCC10に対して生じたウサギポリクローナル抗体でプローブされた。増加量のMPOで修飾されたrhCC10の調製物。全ての反応は、暗所で、クエン酸緩衝液中、pH5.0、50酸化剤当量のHを用いて、37℃で1時間または24時間行われた。全ての試料は、タンパク質約25mcgを含有する。試料は、ゲル添加に先立ち、還元されず、SDSに曝露されるか、または加熱された。 MPO−H反応由来のCC10アイソフォームの精製および質量スペクトル分析の図である。C−18 RP−HPLCを用いて、MPO−H反応混合物由来の異なるピークとして表され、9〜17の番号を付けられた、8つの個々のCC10アイソフォームのそれぞれを分離させた。この実施例において、10番のピークが回収され、純度を推定するためにHPLCにて再実行され、次に、質量スペクトル分析(エレクトロスプレーイオン化方法)にかけられた。矢印は、この実施例で精製されたピークを指す。全ての試料は、タンパク質約25mcgを含有する。ESI−MS分析の結果は、パネルDに示される。 ペルオキシ亜硝酸酸化産物のHPLC分析の図である。rhCC10のペルオキシ亜硝酸との反応は、C−18 RP−HPLCを用いて、増加数の酸化剤当量でモニターされた。反応は、水中、室温、暗所で1時間行われた。矢印は、非修飾rhCC10に対応するピークを指す。全ての試料は、タンパク質約25mcgを含有する。 rhCC10のペルオキシ亜硝酸により媒介される酸化に対するpHおよびCaClの作用の図である。CaClの存在下および不存下、並びに異なるpHでのrhCC10のペルオキシ亜硝酸との反応は、C−18 RP−HPLCを用いて、増加数の当量数の酸化剤でモニターされた。反応は、酸化剤10当量を用いて、室温、暗所で1時間行われた。矢印は、非修飾rhCC10に対応するピークを指す。全ての試料は、タンパク質約25mcgを含有する。 ペルオキシ亜硝酸反応産物のウエスタンブロット分析の図である。10〜20%トリシンSDS−PAGEゲルは、修飾rhCC10調製物にて実行された。ゲルはPVDFにブロットされ、次に、ウサギポリクローナル抗ニトロチロシン抗体(市販)でプローブされた。タンパク質10mcgを含有する試料は、添加に先立ち、還元されないが、SDS PAGE添加液と混合され、65℃まで15分間加熱された。非修飾rhCC10は、抗体により認識されなかった。 rhCC10タンパク質で検出された、ROSおよびRNSのセクレトグロビン反応産物の図である。rhCC10で観察された酸化修飾反応産物;酸素のメチオニンへの付加、ニトロ基のチロシンへの付加、DNPHとの反応性の高いカルボニル基の形成の概要図。 トランスグルタミナーゼによるrhCC10の修飾の図である。TG2および4.5mMカルシウムを、2つの異なるビオチン化アミン化合物と一緒に用いた、rhCC10のin vitro反応のウエスタンブロット。反応は、25mM Tris/150mM NaCl中、pH8.0、1.5mM DTTで、TG2酵素5マイクロ単位を用いて、37℃で60分間行われた。反応は、10〜20%SDS−PAGEトリシンゲルにて実行され、PVDFメンブレンにブロットされ、ビオチンを認識するストレプトアビジン−HRP結合体でプローブされた。全てのレーンは、ジスルフィド結合を取り除くための還元剤を含有する。 修飾rhCC10による、ウイルスの複製の増強された阻害の図である。2つの株のインフルエンザによる感染ありおよびなし、並びに1mg/mlの非修飾rhCC10および修飾rhCC10の存在下での細胞の生存を示すニュートラルレッドアッセイ。 修飾rhCC10による好中球走化性の増強された阻害の図である。100mcg/mlの非修飾rhCC10(CC10-A)、NaOClで修飾されたrhCC10(CC10-B)、およびmCBPAで修飾されたrhCC10(CC10-C)の存在下で分化させた、遊走し分化したPLB−985細胞の蛍光測定値。
ROS、RNS、および酵素活性、例えば、MPOおよびTG2によるセクレトグロビンの修飾は、詳細に研究されていない。先行する報告は、天然のCC10が、in vivoで、例えば、呼吸促迫症における急性炎症反応中に修飾され、抗CC10抗体との交差反応性、および非修飾CC10(pI約4.8)と異なる等電点によりこれまでに同定され、生物学的体液試料中の優勢形態である、新規アイソフォームを生じることを示唆する。CC10は、in vitroで組織トランスグルタミナーゼの基質であることも報告されている。マルチマーを安定化させ、中心の疎水性空洞へのアクセスを制御する際のCys残基の役割以外に、任意のセクレトグロビン中の任意のアミノ酸の酸化の公知の生理学的役割はない。Cys残基およびMet残基の可逆的酸化は、CC10および他のセクレトグロビンが、有害なROSを局所環境から除去することができ、これにより、炎症反応中に組織を温存する、保護的生理機序であると、本発明者らは考えている。セクレトグロビン中のCys残基およびMet残基の酸化状態は、生化学的特性および生物学的特性に影響するが、機能の喪失を生じるタンパク質損傷を表さず、むしろ酸化されたセクレトグロビンの特性および機能が調節されると、本発明者らは更に考えている。同様に、他のセクレトグロビンアミノ酸、例えば、チロシン、リシン、グルタミン、バリン、ロイシン、フェニルアラニン、グルタミン酸、アルギニン、スレオニン、プロリン、ヒスチジン、およびトリプトファンの酸化修飾および/または酵素修飾は、タンパク質損傷を表さないが、むしろ異なる活性または増強された活性を可能にする生化学的特性および生物学的特性を調節する。
公知の、特定のROS、RNS、およびMPOにより媒介されるアミノ酸修飾の大部分は、タンパク質損傷および機能の喪失と関連する。酸化されたタンパク質の蓄積は、疾患および加齢プロセスと関連する(Berlett and Stadtman, 1997)。しかしながら、可逆的酸化の認知は、タンパク質機能を修飾する制御機序として登場し、タンパク質を不活性化する損傷の形態であるだけではない。全ての8つのヒトセクレトグロビンは、N末端およびC末端の保存されたシステイン間のジスルフィド結合が、ホモダイマーおよびヘテロダイマー、テトラマー、並びにより多量のマルチマーを安定化する、天然で酸化された状態に典型的に存在すると考えられているCys残基を含有する。セクレトグロビン、詳細には、呼吸性セクレトグロビン、CC10、SCGB3A1、およびSCGB3A2中の全てのシステインは、酸化、および分子間または分子内ジスルフィド結合の形成の影響を潜在的に受けやすい。CC10中のN末端のCysとC末端のCysの間のジスルフィド結合は、そうでなければダイマーをモノマーに分離する条件、例えば、非還元SDS−PAGE条件下で、ホモダイマーを確かに安定化する。同様に、SCGB3A2の内部のCys(図1に示される配列のCys60)は、ホモダイマーをin vitroで安定化する。CC10またはSCGB3A2のダイマー対モノマーまたは他のマルチマーに帰する機能性は特にない。しかしながら、CC10とSCGB3A2の両方が、酸化剤を必要とすることなく、自発的にin vitroでホモダイマーを形成するので、ダイマー以外の形態の生化学的特性または生物学的活性の違いを評価することは可能ではなかった。これらのホモダイマーは、in vitroで非常に安定であるが、任意の所定の水性環境におけるモノマーとダイマーの間の平衡が存在し、ダイマーに対してより高い割合のモノマーおよび/またはテトラマーに有利である緩衝液の条件を変更することが可能である。ダイマーは、ヒトおよび動物に投与された最初の形態であるにも関わらず、多数の還元可能な形態および還元不可能な形態が、生物学的体液から回収され得る(Antico, 2006)。生理的に、肺におけるin vivoグルタチオン酸化還元系は、呼吸性セクレトグロビン、および肺で見られ得る他のセクレトグロビン中のジスルフィド結合の可逆的酸化を恐らく媒介する。
CC10の生理学的役割は、中心の疎水性空洞に取り込まれ、結合し、これにより、局所組織環境から取り除かれ得る毒性またはそうでなければ有害な疎水性部分の除去であると提案されている(Peter, 1992、Hard, 1995、Umland, 1992、1994)。それぞれのCC10ダイマー中のモノマー成分のCys残基(Cys3とCys69)間のジスルフィド結合は、疎水性部分が中心の疎水性空洞に入り、次に、それをここにトラップすることを可能にするジスルフィド結合を形成し、壊すためのCys残基の可逆的酸化により開き、閉じるゲートの様に振る舞うと考えられる。いくつかの研究は、ダイマー内部での推定in vivoCC10リガンドの強力な結合、例えば、ポリ塩化ビフェニルとプロゲステロン、および特定の残基、例えば、Phe6およびTyr21が、リガンド結合を安定化させることが報告されている(Callebaut, 2000)。
全てのセクレトグロビンは、酸化および酵素アミノ酸修飾の影響を受けやすいアミノ酸を有意な割合で含有する。CC10のそれぞれ70アミノ酸モノマーは、表1に挙げられた、ROSおよびRNSが関与する生理学的プロセスにより酸化され得る合計42個のアミノ酸(70個の中から、>50%)を含有しており、多数のROSおよびRNS反応産物、akaアイソフォームの可能性を開く。TGはまた、セクレトグロビンを他のタンパク質に架橋するだけでなく、そのグルタミン、リシン、およびシステイン残基を介して脂質または他の部分をセクレトグロビンに結合させるために用いられ得る。以下の実施例で説明される通り、これはrhCC10での場合であることを、本発明者らはここで見出し、ここで、酸化修飾および酵素修飾により、単離され、特性決定し得る複数のアイソフォームが生じる。酸化修飾rhCC10を含有する調製物はウイルスの複製および好中球走化性の阻害の増強も媒介し、既存の非修飾CC10薬物調製物に対する有意な改善を表す。更に、生物学的試料に含有されるか、またはこれから単離されるCC10アイソフォームを判定するための標準としての、in vitroでの修飾rhCC10調製物の使用は、慢性疾患および急性状態における肺の状態のバイオマーカーとしての天然のCC10アイソフォームの評価を可能にする。従って、酸化または酵素アミノ酸修飾の不存下で、セクレトグロビンは、特定の細胞種に対する作用を有し得ないが、修飾が、細胞表面受容体、細胞シグナル分子、脂質、リガンド、構造タンパク質、または他の細胞間成分若しくは細胞外成分への結合を可能にするか、または無効にするので、修飾後に異なる作用を有する。それ故、セクレトグロビンの生化学的特性および生物学的特性に対する酸化および/または酵素アミノ酸修飾の作用は、非修飾調製物を用いては従来可能でなかった、薬理作用を媒介する際の修飾セクレトグロビンの使用、並びに癌、呼吸器系疾患、自己免疫疾患、急性または慢性感染症、アレルギー、代謝性疾患、心血管疾患、血液障害、および煙、化学的汚染物質、毒物または他の侵襲への曝露を有する患者を含むが、これらに限定されない、様々な患者における疾患状態のバイオマーカーとして、天然のセクレトグロビンの新規アイソフォームを評価するための標準としての使用の新規可能性を広げる。
実施例1.ROS、次亜塩素酸ナトリウム(NaOCl)によるrhCC10の化学修飾
NaOCl(9.2μL、水中の0.05%溶液、62.1nmol、5当量)を、10mMリン酸緩衝液、pH7.4または純粋な水中のタンパク質(0.2mg、12.42nmol)の溶液に加えること、少しの間混合すること、および氷上で15分間、暗所でインキュベーションすることにより、それぞれの反応を約4℃(氷上)で開始した(全容積0.2mL)。L−メチオニン(9.3μL、水中の10mM、93.15nmol)を加えることにより、反応をクエンチし、次に、20分間インキュベーションし、室温まで温めた。
1〜100の範囲の酸化剤の当量数(「酸化剤当量」)を用いて、いくつかの反応を行った。rhCC10の酸化をHPLCを用いてモニターし、ここで、図2に示す通り、新規の修飾したアイソフォームは、新規HPLCピークとして出現し、修飾していないrhCC10より早く溶出した。反応物をSpeedvacにより濃縮し、次に、水に再懸濁した。それぞれの試料約25μgを、Agilent 1100システムのHPLCカラム(VYDAC Polymeric C18カラム300Å、5μm、2.1mm×250mm、カタログ番号218TP52)に、以下の通りの移動層、A、水、B、95%アセトニトリルおよび5%水(共に、0.1%TFAを含有する)を用いて、流速0.3mL/分で注入した。214nmでのUV吸収により、出力をモニターした。
NaOClの酸化剤当量数が増加するにつれ、rhCC10アイソフォームの数並びにピークの高さが増大し、これは、反応が進行するにつれ、それぞれのアイソフォームの量が増大することを示した。酸化剤20当量で、HPLCは、修飾していないrhCC10の本質的に全てが消失し、修飾したアイソフォームのみが残ることを示す。図3に示す通り、還元条件下でのこれらの調製物のSDS−PAGEは、予測したモノマータンパク質(6kDa)を示したが、ダイマー(約12kDa)、テトラマー(約24kDa)、ヘキサマー(約32kDa)、およびより多量のマルチマーのバンドが残っていることも示した。これは、CC10により形成したテトラマーの第1の報告であり、トランスグルタミナーゼ活性の不存下での還元SDS−PAGE条件に安定である。モノマーの存在および優勢は、rhCC10のアミノ酸配列が大部分未変化であることを示す。100の酸化剤当量でさえ、SDS−PAGE上のかすかなCC10モノマー、ダイマー、テトラマー、およびより多量のマルチマーバンドが存在するが、高い酸化剤当量ではタンパク質の大部分が消失し、破壊されるようである。
修飾rhCC10および非修飾rhCC10のC−18カラムとの相互作用は、タンパク質とクロマトグラフィー樹脂の間の疎水性相互作用を反映する。修飾アイソフォームは、非修飾rhCC10より早く溶出し、これは、修飾タンパク質の表面のアミノ酸残基が、非修飾タンパク質より疎水性でないことを示している。表面疎水性パターンの変化は、表面電荷の変化と恐らく対応し、そしてこれを等電点により測定し得る。図4に示す通り、pH3〜7の等電点電気泳動ゲルを用いた等電点電気泳動により、試料を分析した。4.5未満のより酸性のアイソフォームへのpIの進行性のシフトが存在する。2当量および5当量との反応においてpI約5.5のバンドも存在し、これは、20当量で見えなくなり、反応中間体を表し得る。図5に示す通り、IEFゲルのウエスタンブロットによるこれらの反応物の分析は、4.5未満の全ての酸性NaOClアイソフォームが、ウサギポリクローナル抗rhCC10抗体により認識されるが、テトラマーは、ポリクローナル抗rhCC10抗体により認識されないことを示す。
反応性のカルボニル基の検出により、rhCC10の化学反応および修飾の程度を推定し得る。図6に示す通り、カルボニル基を、ジニトロフェニルヒドラゾン基(DNP)を加える2,4−ジニトロフェニルヒドラジン(DNPH)で標識すること、次に、反応産物を抗DNP抗体を用いたウエスタンブロットにより分析することにより、ROSと反応したrhCC10試料におけるカルボニル基の存在を検出し得る。修飾していないCC10中のモノマーおよびテトラマーのベースラインシグナル(レーン8)が存在し、そしてこれは、反応に用いたROSの種類に関わらず、全ての他の試料で超過する。それ故、全てのROS反応は、カルボニル基を含有するいくつかの種を生じた。修飾していないダイマー、およびMPOおよびmCPBAで修飾した調製物中のダイマーは、反応性を示さず、バックグラウンドを阻害さえした(レーン2、3、および8におけるダイマー位置の「ゴーストバンド」を参照)。NaOCl反応においてrhCC10濃度と緩衝液の組合せ作用であるように思われる。レーン4におけるシグナル強度は、レーン5より10倍を超えて高く、現在のタンパク質において2倍の差により予測したもの以上である。これは、反応を水中で行うとき、より高いrhCC10濃度が、低い濃度より広範な反応をもたらすことを示唆する。レーン4および7におけるシグナル強度は、レーン7が半分のタンパク質を含有するにも関わらず、同等であり、これは、反応が、水中より10mMリン酸緩衝液、pH7.4中でより効率的であることを示している。同量のタンパク質が存在するにも関わらず、レーン6におけるシグナル強度は、レーン7におけるものよりずっと低い。これらの知見は、緩衝液の存在下で、rhCC10濃度がより低いとき、NaOCl反応がより効率的であることを示している。それ故、反応効率に対するrhCC10濃度の作用は、水中対緩衝液中で反対である。これらの差は、NaOClでのrhCC10の化学修飾のプロセスをどのように最適化するかを説明する。例えば、CC10のNaOClにより媒介される化学修飾の最適化プロセスは、低い強度のリン酸緩衝液の存在下、中性pHでのより低濃度のrhCC10の使用に関係するだろう。
実施例2:ROS、mCPBAによるrhCC10の化学修飾
メタクロロ過安息香酸(mCPBA)(6.21μL、水中の2mM、12.42nmol、2当量)を一度で水中のタンパク質(0.1mg、6.21nmol)の溶液に24℃で加えること、および15分間、暗所で、時々撹拌しながらインキュベーションすることにより、それぞれの反応を約24℃(室温)で開始した(全容積0.2mL)。L−メチオニン(1.8μL、水中の10mM、18.6nmol)の添加により、反応を停止させ、24℃で20分間インキュベーションした。2〜100の範囲にあるmCPBAの酸化剤当量を用いて、いくつかの反応を行った。
HPLCを用いて、rhCC10の酸化をモニターした。反応物をSpeedvacにて濃縮し、次に、水に再懸濁した。NaOCl反応と同様に、それぞれの試料約25μgをHPLCに注入した。図7に示す通り、新規の修飾したアイソフォームが新規HPLCピークとして出現し、修飾していないrhCC10より早く溶出した。図8に示す、mCPBA反応物の等電点電気泳動により、pI4.5〜5.2の範囲(4.6、4.7、4.9、5.1、5.2)の新規アイソフォーム、5.3(約5.5、約5.8)より上の2つのアイソフォーム、および4.5未満(約4.3)の1つのアイソフォームの集団を含む、複数の新規アイソフォームを生成したことが明らかになった。これらの更なる8つのバンドは、pI4.8の多数のバンド、および約4.65での少数のバンドを有する元々の修飾していないrhCC10と異なった。反応の最適化における重要なパラメーターは温度である。反応温度、4℃対21℃は、生成物、またはそれぞれの生成物の見かけの割合に影響しなかった。図9に示す、IEFゲルのウエスタンブロットは、これらのアイソフォームの大部分は、rhCC10に対して生じたウサギポリクローナル抗体により認識されることを示した。しかしながら、NaOCl反応により生成したテトラマー形態と同様に、pI4.3のバンドは、抗rhCC10抗体により認識されず、これは、mCPBA10当量を用いたとき、タンパク質の構造が劇的に変化することを示唆している。4.8の主要な免疫反応性のバンド下のアイソフォームも、IEFゲルにおける染色強度に基づき予測されるものより、小さいシグナルを示した。反応条件の更なる分析は、CaClの存在が、mCPBAによるrhCC10の修飾を防ぎ得ること(図10、レーン2)、mCPBA100当量が、より酸性のアイソフォーム(pI4.0、4.3、4.5、レーン4)のみを残して、元々の修飾していないタンパク質の全てを完全に除去すること、および反応をあまりに長く実行した場合、rhCC10を壊すこと(レーン3)を示した。
図11に示す通り、mCPBA反応で生成したCC10アイソフォームを更に特徴付けるために、8つの別々の主要なHPLCピーク(1〜8と番号を付けられた)のそれぞれのタンパク質試料を回収し、Speedvacを用いて濃縮し、1つのピーク、例えば、ピーク3を表すための繰返しHPLCにより検証した。次に、試料を、それぞれのアイソフォームの分子量を得るためのエレクトロスプレー質量分析(ESI-MS)により分析した。表2は、個々のHPLCピークに含有されるアイソフォームのMS分析の結果を示す。全てのCC10アイソフォームは、修飾していない形態より大きな分子量(MW)を有し、MW16,110ダルトン(Da)を有する。酸素の添加により16Daが加わった。mCPBA反応は、他のアミノ酸を修飾する前に、メチオニン残基を酸化した。8つのうち5つのピークの平均質量を、16の倍数により増大させる(例えば、ピーク2、4、5、6、および8)ので、これは明らかである。ピーク3は、16の倍数でさえ増大せず、このピークは、酸素の平均数が5.25であるか、または酸素の単純な添加より複雑な修飾を表し得るダイマーを含む。ピーク1および7は、使用可能な質量スペクトルを生じなかった。
Figure 2020055833
実施例3:ROS、ミエロペルオキシダーゼ酵素(MPO)および過酸化水素(H)によるrhCC10の化学修飾
HPLCを用いて、MPOおよびHによるrhCC10の修飾をモニターした。任意のCC10修飾が観察される前に、rhCC10のMPO−Hとの反応は、広範な最適化を必要とした。リン酸緩衝食塩水(PBS)、pH7.4中、塩化カルシウム(CaCl)の不存下で行った最初の反応は不成功であった。新規HPLCピークの数および高さの非常にわずかな増大が、リン酸緩衝液中、中性pH、増加量のMPOおよびHで達成された。しかしながら、図12に示す通り、クエン酸緩衝液を用いてpHを5まで下げること、およびCaClの添加は、新規HPLCピークとして検出可能なCC10反応産物を劇的に増大した。カルシウムを加え、pHを最適化したら、MPOおよびH酸化剤当量の量を再度最適化し、純粋なMPO濃度およびH濃度を示す再生成可能なHPLCピークパターン、および時間依存性のピーク発達を観察した。簡単に言うと、2mM CaCl中のタンパク質(0.1mg、6.21nmol)の溶液、および10mM クエン酸緩衝液(pH5)を、37℃で30分間インキュベーションした。MPO(2.5μL、水中の10μg/mL、25ng)およびH(1.55μL、水中の100mM、155.25nmol、25当量)を加えることにより、反応を37℃で開始し、37℃で30分間、暗所で時々撹拌しながらインキュベーションした。MPO(25ng)およびH(1.55μL)溶液の別のアリコートを加え、同じ温度で更に30分間、撹拌しながらインキュベーションした(全容積0.2mL)。L−メチオニン(4.66μL、水中の0.1M、0.466μmol)の添加により、反応を停止させ、37℃で30分間インキュベーションした。NaOClおよびmCPBA反応と同様に、反応物をSpeedvacにて典型的に濃縮し、次に、水に再懸濁し、それぞれの試料約25μgをHPLCに注入した。図13に示す通り、修飾したアイソフォームは、新規HPLCピークとして出現し、修飾していないrhCC10より早く溶出する。
図14に示す、MPOおよびH反応物の等電点電気泳動は、5.5のアイソフォームおよび4.7未満の1つ以上のアイソフォームを含む、変化した等電点を有する2つのアイソフォームのみを生成したことを明らかにした。修飾していないCC10は、IEFゲルにおいて4.8の多数のバンドおよび4.7の少数のバンドとして時に出現する(それぞれ、恐らくダイマーおよびモノマー)。少数のバンドを失わないように、ゲルに、それぞれの調製物25mcgを添加した。それ故、HPLCにより観察した複数のピーク(n=8)は、IEF上の新規バンド数(n≧2)と一致しない。これは、HPLCにより疎水性相互作用に基づき分離した、顕著には、少なくとも6つのアイソフォームが、修飾していないCC10と同一の表面電荷を保持することを示す。図15に示す、同一のIEFゲルのウエスタンブロットは、これらのpI4.8のアイソフォームが、修飾していないrhCC10に対して生じたウサギポリクローナル抗体により認識されることを示した。
図16に示す通り、MPO−H反応で生成したCC10アイソフォームを更に特徴付けるために、8つの主要な分離可能なHPLCピーク(9〜17の番号を付けられた)のそれぞれのタンパク質試料を回収し、Speedvacを用いて濃縮し、1つのピーク、例えば、ピーク10を表すための繰返しHPLCにより検証した。次に、試料をエレクトロスプレー質量分析(ESI-MS)により分析して、それぞれのアイソフォームについての分子量を得た。表3は、MS分析の結果を示す。全てのCC10アイソフォームは、MW16,110ダルトン(Da)を有する、修飾していない形態より大きい分子量(MW)を有していた。mCPBAアイソフォームとは対照的に、MPO−Hアイソフォームはいずれも、16の倍数である分子量の増大(例えば、酸素の簡単な添加)を示さなかった。試験した条件下での修飾は、酸素、塩素、または他の付加物の添加、並びにカルボニル基の形成のいくつかの組合せを含み得る。
Figure 2020055833
実施例4:RNS、ペルオキシ亜硝酸によるrhCC10の化学修飾
HPLCを用いて、ペルオキシ亜硝酸によるrhCC10の修飾をモニターした。市販ペルオキシ亜硝酸試薬(10〜100当量)をタンパク質0.1mgに加えること(全反応容積0.2mL)、簡単に撹拌すること、および1時間、暗所でインキュベーションすることにより、それぞれの反応を約23℃(室温)で開始した。反応物をSpeedvacにて典型的に濃縮し、次に、水に再懸濁し、他の反応と同様に、それぞれの試料約25μgをHPLCに注入した。図17に示す通り、修飾したアイソフォームは、新規HPLCピークとして出現し、修飾していないrhCC10より早く、および遅くの両方で溶出した。修飾していないCC10と同一の保持時間で溶出するピークに加えて、10当量を用いて4つの新たな主要なピークが明らかである。20当量を超える使用は、ピークの喪失を生じ、修飾していないCC10より若干早く溶出するポイントで中心にある、長い隆起に広がる。この広範な隆起パターンは、膨大な数の修飾およびアイソフォームが生成されることを示す。HPLCピークの分解の喪失を仮定すると、10当量が更なる実験で用いる最大値であった。図18に示す通り、3〜6の範囲のpH(10mMクエン酸緩衝液)で、2mM CaClあり、およびなしで、更なる最適化を行った。MPO−HおよびmCPBAと対照的に、カルシウムおよびpHが、反応に対して有意な作用を有する場合、ペルオキシ亜硝酸反応産物への明らかな影響はなかった。
それぞれのCC10モノマーは1つのチロシンを含有し、これらの結果が示すものは、RNSの存在下でのニトロ化の影響を受けやすい。ペルオキシ亜硝酸との反応が進むにつれ、分子間の結合は、ジチロシン複合体を異なるモノマー中に形成し得る。図19のSDS−PAGEのウエスタンブロットにより示される通り、ペルオキシ亜硝酸反応により生成されたアイソフォームは、より巨大な共有結合した複合体を有する大部分未変化のCC10であった。CC10ペルオキシ亜硝酸反応を、非還元条件下、1〜10%SDS−PAGEトリシンゲルにて実行し、PVDFメンブレンにブロットし、4%無脂肪乳でブロッキングし、ウサギポリクローナル抗ニトロチロシン抗体でプローブした。ブロットは、免疫反応性のCC10ダイマー、テトラマー、およびより大きい分子量の複合体の「スメア」を示し、これは、CC10モノマー中のチロシン残基が、修飾の影響を受けやすいことを証明している。チロシンのニトロ化は、ダイマーまたはテトラマー安定性を壊さない。このパターンは、チロシンニトロ化が、ジチロシンとジスルフィド結合の両方により一緒に恐らく結合した、巨大な複合体の形成を好むが、ジ−チロシン形成の不存下では簡単なジスルフィド結合の転位(rearrangement)により達成される、熱力学的に好ましいマルチマーの異なるセットは生成しないことを更に示す。
実施例5:トランスグルタミナーゼによるCC10の修飾
CC10は、組織トランスグルタミナーゼ(別名: TG2)のin vitro基質であることが示され(Manjunath, 1984)、それ自体、および他のタンパク質にグルタミン残基およびリシン残基を介して架橋結合する。アシル供与体/アミン受容体としてのウテログロビン中のグルタミンの有効性の決定を、2つの異なるモノアミン基に結合したビオチンを用いて行った。精製したモルモット肝臓トランスグルタミナーゼおよびモノアミン−ビオチン試薬、5−(ビオチンアミド)ペンチルアミンおよび(+)−ビオチニル−3,6−ジオキサオクタンジアミンを、販売元から購入した。25mM Tris/150mM NaCl、pH8.0中、1.5mM DTTで反応を行った。適応可能な場合、CaClを終濃度4.5mMで用いた。カルシウムは、グルタミン残基とリシン残基との架橋結合に必要なTG補助因子である。カルシウムおよび還元剤の不存下で、TG2は、還元剤で還元され得るマルチマーの「ラダー」の形成をもたらす、CC10中のジスルフィド結合の転位を媒介する(示していない)。対象のタンパク質およびアミンを、緩衝液中、カルシウムありまたはなしで、アッセイ容積0.1mLに合わせた。試料を、37℃で30分間プレインキュベーションし、その後、トランスグルタミナーゼを添加した。終濃度50mMのEDTAを、試料にカルシウムなしで加え、これは陰性対照の役割を果たす。プレインキュベーション後、トランスグルタミナーゼ5μUをそれぞれの試験管に加え、反応を37℃で60分間進めた。60分後、EDTA(50mM)を、カルシウムを含有する試験管に加えて、反応を止めた。SDS試料緩衝液100μLおよび還元剤(1mM DTT)をそれぞれの反応に加え、次に、95℃で10分間加熱し、その後、SDS−PAGEゲルにて分離させた。ゲルを、PVDFメンブレンにブロットした。5% BSA(2マイクロンのメンブレンを通して濾過した)を用いて、室温で1時間、ブロッキングを行った。インキュベーション間に、PBS−Tween(0.4%)で洗浄を行った。ストレプトアビジン−アルカリホスファターゼ結合体とインキュベーションすることにより、標識したタンパク質のビオチン基を検出した。図21に示す通り、比色分析試薬(NBT/BCIP)で可視化を行った。結果は、CC10中のグルタミンおよびリシンが、TG2反応のアシル供与体とアシル受容体の両方であることを示す。反応はカルシウム依存性であり、キレート剤でのカルシウムの除去により無効にされる。高分子量のバンドは、1つの複合体当たり少なくとも1つのグルタミン−アミンビオチンアミンと架橋結合したCC10を表す(1つのモノマーをビオチンタグで標識し、かつ少なくとも1つの他のモノマーに架橋結合させるように)ので、還元可能でない高分子量のバンドは、CC10が少なくとも2つの反応性のグルタミンとリシン対を含有することを示す。これは、1級アミン基を含有する部分、例えば、標識、化学物質、脂質、およびペプチドをrhCC10にTG2を用いてカルシウムおよび還元剤の存在下で加え得る一方、スルフィドリル基を含有する他の部分をrhCC10にTGを用いて還元剤の不存下で加え得ることも説明する。
実施例6:修飾していないrhCC10と比較した、修飾したrhCC10によるin vitroでのインフルエンザの複製の増強された阻害
rhCC10の活性に対する修飾の作用を決定するために、rhCC10反応物の等しいアリコートをNaOCl、mCPBA、MPOおよびH、およびペルオキシ亜硝酸と合わせることにより、修飾したrhCC10の1つの統合を作製した。それぞれの反応物由来の全てのHPLCピークを統合で表す。修飾したrhCC10調製物および修飾していないrhCC10調製物を、利用可能な試料で可能な最高濃度で、MEM溶液中8つの半対数希釈液に希釈した。それぞれの希釈液を、80〜100%コンフルエントなMDCK細胞を有する96ウェルプレートの5ウェルに加えた。それぞれの希釈液の3つのウェルをウイルス(H1H1またはH5N1)で感染させ、2つのウェルを毒性対照として未感染のまま残した。それぞれのウイルスについての感染効率(MOI)は、0.1〜1.0の間である。培地は、10U/mLトリプシンを有するMEM溶液であった。処理していないウイルス対照ウェルが最大細胞変性効果(CPE)に達した後、次に、プレートをニュートラルレッド染料で約2時間染色し、次に、上清の染料をウェルから取り除き、取り込まれた染料を、50:50のSorensenクエン酸緩衝液/エタノールに抽出し、次に、540nmでの光学濃度を分光光度計で読み取った。ニュートラルレッド染料を生細胞に取り込ませ、ウイルス感染後に残る細胞の測定値として用いた。結果を図22に示す。驚くべきことに、修飾したrhCC10調製物は、通常、酸化タンパク質修飾の結果である機能の喪失よりむしろ、2つの株のインフルエンザに対して増強された抗ウイルス活性を示した。
実施例7:修飾していないrhCC10と比較して、修飾したrhCC10によるin vitroでの好中球走化性の増強された阻害
ヒトPLB−985細胞は、本質的に成熟ヒト好中球にin vitroで分化し得る未成熟の骨髄性白血病細胞株である(Pedruzzi, 2002)。次に、分化したPLB−985細胞を、好中球機能アッセイ、例えば、fMLPを含む、様々な刺激に応答した走化性において、抹消血液から単離した実際のヒト好中球の代替として用い得る。fMLPは、細菌のみにより産生されるホルミル化ペプチド(Met、Leu、Pro)であり、fMLPの供給源に対する濃度勾配に沿って、好中球の遊走を含む、強力な抗炎症反応を誘発する、身体に対する細菌の過剰成長のシグナルである。修飾していないrhCC10と修飾したrhCC10の両方を、このモデルにおいて分化したPLB−985(dPLB-985)の阻害剤として評価した。
10%FBS、100U/mlペニシリン、および100μg/mlストレプトマイシンを含有するRPMI1640培地で、37℃、加湿雰囲気、5%COにて、細胞を成長させた。それぞれの実験の前に、成熟好中球表現型への分化を誘導するために、300μΜジブチリル環状AMPを添加した培地にて3日間、PLB−985細胞を培養した。10%FBSを含有するRPMI−1640(RPMI/FBS)(フェノールレッドを含まない)に10細胞/mlで、分化したPLB−985細胞を再懸濁した。5μg/mlカルセイン−アセトキシメチルエステルと、37℃で30分間、暗所で、一定に撹拌しながら、細胞をプレインキュベーションした。次に、細胞を洗浄し、RPMI/FBSに2×10細胞/mlに再懸濁した。dPLB−985細胞を、100mcg/ml rhCC10調製物と、37℃で60分間、またはPBS(50%)とインキュベーションした。96ウェルのChemoTX使い捨て走化性システム(Neuro Probe)を用いて、細胞遊走をモニターした。10-8MのfMLP32μlで、下のチャンバーのプレートのウェルを充填した。ポリカーボネートフィルター(3μΜ)をプレート上につけ、dPLB−985細胞(30μl、60,000細胞/ウェル)をフィルター上に置き、37℃で120分間、5%COの存在下、暗所で遊走させた。フィルターをティッシュで優しく拭うことにより、遊走しなかった細胞を取り除いた。
それぞれ、485および530nmの励起波長および放出波長を用いて、マイクロプレート蛍光リーダーでフィルター中の細胞の蛍光を測定した。ボトムチャンバーに置くことにより、既知の数のdPLB−985からの蛍光を得て、標準曲線を作成した(図23、パネルB)。図23は、修飾していないrhCC10(CC10-A)は、fMLPに応答して好中球遊走をわずかに阻害する一方、NaOClにより修飾したrhCC10(CC10-B)とmCPBAにより修飾したrhCC10(CC10-C)は共に、好中球遊走を有意に高い程度まで阻害することを示す。これらの反応が、より頻繁には酸化修飾の結果である、機能のより典型的な喪失を引き起こすよりむしろ、rhCC10活性を増強することを発見したことは、驚くべきことであった。
定義
セクレトグロビン。保存された4つのヘリックス束モチーフを有し、大きさが約50〜100のアミノ酸長の範囲にある、CC10ファミリーにおけるヒトおよび非ヒトタンパク質を含む、一種のタンパク質。ヒトセクレトグロビンは図1に示される。
合成セクレトグロビン。化学的プロセスまたは組換えプロセスにより作製され、天然の供給源から単離されない、セクレトグロビン。
非修飾セクレトグロビンタンパク質。ホモダイマーおよびヘテロダイマーにおいてシステイン残基間の自然発生するジスルフィド結合以外に化学的または酵素的に修飾アミノ酸残基を含有しない、セクレトグロビンモノマー、ダイマー、または他のマルチマー。
非修飾CC10タンパク質。システイン残基間のジスルフィド結合以外に、化学的または酵素的に修飾アミノ酸残基を含有しない、CC10モノマー、ダイマー、または他のマルチマー。
修飾されたセクレトグロビン(又は修飾セクレトグロビン)。1つ以上の化学的または酵素的に修飾アミノ酸残基を含有する、セクレトグロビンモノマー、ダイマー、または他のマルチマー。
修飾された合成セクレトグロビン(又は修飾合成セクレトグロビン)。1つ以上の化学的または酵素的に修飾アミノ酸残基を含有する、合成セクレトグロビンモノマー、ダイマー、または他のマルチマー。
修飾されたCC10(又は修飾CC10)。1つ以上の化学的または酵素的に修飾アミノ酸残基を含有する、CC10モノマー、ダイマー、または他のマルチマー。
修飾された組換えヒトCC10(又は修飾組換えヒトCC10)。組換えDNA方法により作製され、1つ以上の化学的または酵素的に修飾アミノ酸残基を含有する、CC10モノマー。
修飾された合成CC10(又は修飾合成CC10)。1つ以上の化学的または酵素的に修飾アミノ酸残基を含有する、組換えDNA的または化学的ペプチド合成方法のいずれかにより作製された、CC10モノマー。
修飾アミノ酸残基。側鎖が、タンパク質の翻訳完了の際に本来存在する形態から修飾されている、タンパク質中のアミノ酸。タンパク質において見られる20種の天然の非修飾アミノ酸の化学構造は、任意の生化学の教科書で見られ得る。
カルボニル基。アミノ酸側鎖のアルデヒド基またはケトン基。
略語
CC10。クララ細胞10kDaタンパク質;CC16、CCSP、ウテログロビン、尿タンパク質1とも呼ばれる。
SCGB。セクレトグロビン。
RNS。活性窒素種。
ROS。活性酸素種。
MPO。ミエロペルオキシダーゼ酵素。
iNOS。細胞内一酸化窒素合成酵素。
mCPBA。メタクロロ過安息香酸。
DNP。2,4−ジニトロフェニルヒドラゾン。
DNPH。2,4−ジニトロフェニルヒドラジン。
HNE。4−ヒドロキシ−2−trans−ノネナール(HNE)、脂質過酸化産物。
MDA。マロンジアルデヒド。
本発明は、最も実際的かつ好ましい実施態様であると現在考えられるものに関連して記載される一方、本発明は、開示された実施態様に制限されないことではなく、対照的に、添付の請求項の精神および範囲内に含まれる、種々の改変および均等なアレンジメントをカバーすることが意図されていると理解されよう。

Claims (19)

  1. 1つ以上の修飾アミノ酸を有する化学的または酵素的に酸化された合成セクレトグロビンを含む、組成物。
  2. 前記化学的または酵素的に酸化された合成セクレトグロビンが、1つ以上のメチオニンスルホキシドを有する、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記化学的または酵素的に酸化された合成セクレトグロビンが、1つ以上のニトロチロシン、クロロチロシン、またはジチロシンを有する、請求項1に記載の組成物。
  4. 前記化学的または酵素的に酸化された合成セクレトグロビンが、1つ以上のシステイングルタチオレートまたはHNE−システインを有する、請求項1に記載の組成物。
  5. 前記化学的または酵素的に酸化された合成セクレトグロビンが、1つ以上のカルボニル基を有する、請求項1に記載の組成物。
  6. 前記化学的または酵素的に酸化された合成セクレトグロビンが、1つ以上のヒドロキシプロリンまたはピロリドンを有する、請求項1に記載の組成物。
  7. 前記化学的または酵素的に酸化された合成セクレトグロビンが、1つ以上のα−アミノアジピン酸セミアルデヒド、クロラミン、MDA−Lys、HNE−Lys、アクロレイン−Lys、カルボキシメチルリシン、またはpHA−Lysを有する、請求項1に記載の組成物。
  8. 前記化学的または酵素的に酸化された合成セクレトグロビンが、1つ以上の2−アミノ−3−ケト酪酸、クロラミン、ヒドロキシトリプトファン、ニトロトリプトファン、キヌレニン、バリン若しくはロイシンペルオキシド、シュウ酸若しくはピルビン酸、ヒドロキシフェニルアラニン、2−オキソヒスチジンまたはHNE−Hisを有する、請求項1に記載の組成物。
  9. 前記化学的または酵素的に酸化された合成セクレトグロビンが、グルタミンまたはリシン残基に結合した1つ以上の標識、化学物質、脂質、またはペプチドを有する、請求項1に記載の組成物。
  10. 1つ以上の修飾アミノ酸を有する化学的または酵素的に酸化された合成CC10を含む、組成物。
  11. 前記化学的または酵素的に酸化された合成CC10が、1つ以上のメチオニンスルホキシドを有する、請求項10に記載の組成物。
  12. 前記化学的または酵素的に酸化された合成CC10が、1つ以上のニトロチロシン、クロロチロシン、またはジチロシンを有する、請求項10に記載の組成物。
  13. 前記化学的または酵素的に酸化された合成CC10が、1つ以上のシステイングルタチオレートまたはHNE−システインを有する、請求項10に記載の組成物。
  14. 前記化学的または酵素的に酸化された合成CC10が、1つ以上のカルボニル基を有する、請求項10に記載の組成物。
  15. 前記化学的または酵素的に酸化された合成CC10が、1つ以上のヒドロキシプロリンまたはピロリドンを有する、請求項10に記載の組成物。
  16. 前記化学的または酵素的に酸化された合成CC10が、1つ以上のヒドロキシプロリンまたはピロリドンを有する、請求項10に記載の組成物。
  17. 前記化学的または酵素的に酸化された合成CC10が、1つ以上のα−アミノアジピン酸セミアルデヒド、クロラミン、MDA−Lys、HNE−Lys、アクロレイン−Lys、カルボキシメチルリシン、またはpHA−Lysを有する、請求項10に記載の組成物。
  18. 前記化学的または酵素的に酸化された合成CC10が、1つ以上の2−アミノ−3−ケト酪酸、クロラミン、バリン若しくはロイシンペルオキシド、シュウ酸若しくはピルビン酸、またはヒドロキシフェニルアラニンを有する、請求項10に記載の組成物。
  19. 前記化学的または酵素的に酸化された合成CC10が、グルタミンまたはリシン残基に結合した1つ以上の標識、化学物質、脂質、またはペプチドを有する、請求項10に記載の組成物。
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