JP2020054931A - 構造物及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い光触媒活性を有する構造物及びその製造方法の提供。【解決手段】第1の結晶構造を有する第1の金属化合物1と、第1の金属化合物1の表面に位置し、第1の結晶構造と異なる第2の結晶構造を有する第2の金属化合物層2と、を備え、第2の金属化合物層2は、厚さが10nm以下であり、表面に第2の金属化合物層2を有する第1の金属化合物1は、時間分解分光測定において第1の波数未満の波数範囲に吸収ピークを有する構造物100。第2の結晶構造がアモルファス構造であり、第1の金属化合物1が光触媒である構造物。【選択図】図1

Description

本発明は、光触媒活性を有する構造物及びその製造方法に関する。
酸化チタン(TiO)は、励起光を照射することにより光触媒活性を発現することが知られている。酸化チタンをはじめとする金属酸化物や金属酸窒化物、金属窒化物、金属硫化物などの光触媒活性を有する金属化合物は、様々な分野において用いられている。
このような金属化合物の表面には、酸素欠陥や窒素欠陥、硫黄欠陥、金属欠損、金属挿入欠陥などが存在する。欠陥の周辺にある原子は、励起された電子や正孔などの光励起キャリアーを捕捉し、電子と正孔が有する反応活性を低下させる。また、電子と正孔との再結合速度が速くなることで、光触媒活性が低下するという問題がある。
光触媒活性を向上するために種々の提案がなされており、例えば特許文献1には、水分解用光電極において、n型半導体を含む光触媒層の表面に、p型半導体を含む被覆層を設けた電極とすることで、オンセットポテンシャルを向上させることが記載されている。
特許文献2には、半導体の表面に2種類の異なるナノクラスターを担持させることにより、顕著な光触媒作用を発現する光触媒材料とすることが記載されている。
特開2015−200016号公報 特開2013−237022号公報
しかし、特許文献1に記載の光電極や特許文献2に記載の光触媒材料において、光触媒活性にさらなる改善の余地がある。
そこで、本発明は、高い光触媒活性を有する構造物及びその製造方法を提供することを目的とする。
一の実施形態に係る構造物は、第1の結晶構造を有する第1の金属化合物と、前記第1の金属化合物の表面に位置し、前記第1の結晶構造と異なる第2の結晶構造を有する第2の金属化合物層と、を備え、前記第2の金属化合物層は、厚さが10nm以下であり、表面に前記第2の金属化合物層を有する前記第1の金属化合物は、時間分解分光測定において第1の波数未満の波数範囲に吸収ピークを有することを特徴とする。
また、一の実施形態に係る構造物の製造方法は、第1の結晶構造を有する第1の金属化合物の表面に、前記第1の結晶構造と異なる第2の結晶構造を有する第2の金属化合物層を形成する工程を備え、表面に前記第2の金属化合物層を有する前記第1の金属化合物は、時間分解分光測定において第1の波数未満の波数範囲に吸収ピークを有し、前記第2の金属化合物層は、原子層堆積装置により厚さが10nm以下となるように形成されることを特徴とする。
以上のように、一の実施形態に係る構造物及びその製造方法によれば、光触媒活性を向上することができる。
第1の実施形態に係る構造物100の概略構成を示す断面図である。 第1の実施形態に係る金属化合物1のエネルギーバンドを示す模式図である。 第1の実施形態に係る構造物100の一例を示す模式図である。 第1の実施形態に係る構造物100の一例を示す模式図である。 実験例1に係る酸化チタン電極201を示す模式図である。 実験例1に係る酸化チタン電極101を示す模式図である。 実験例1に係るルチル型酸化チタン電極101a〜101i及び201aの水の分解活性を示すグラフである。 実験例1に係るアナターゼ型酸化チタン電極101j〜101r及び201bの水の分解活性を示すグラフである。 実験例2に係る酸化タングステン電極202を示す模式図である。 実験例2に係る酸化タングステン電極102を示す模式図である。 実験例2に係る酸化タングステン電極102a〜102f及び202の水の分解活性を示すグラフである。 実験例2に係る酸化タングステン電極102g〜102l及び202の水の分解活性を示すグラフである。 実験例3に係る酸化チタン構造物203を示す模式図である。 実験例3に係る酸化チタン構造物103を示す模式図である。 実験例3に係る酸化チタン構造物103及び203の有機物分解活性を示すグラフである。 実験例4に係るルチル型酸化チタン104及び204の発光スペクトルを示す図である。 時間分解分光測定について説明する図である。 時間分解分光測定について説明する図である。 時間分解分光測定について説明する図である。 実験例5に係るルチル型酸化チタン205の過渡吸収スペクトルを示す図である。 実験例5に係るルチル型酸化チタン105の過渡吸収スペクトルを示す図である。 実験例5に係るルチル型酸化チタン105の過渡吸収強度を示すグラフである。 実験例6に係るアナターゼ型酸化チタン206の過渡吸収スペクトルを示す図である。 実験例6に係るアナターゼ型酸化チタン106の過渡吸収スペクトルを示す図である。 比較例に係るルチル型酸化チタン電極107a及び207aの水の分解活性を示すグラフである。 比較例に係るアナターゼ型酸化チタン電極107b及び207bの水の分解活性を示すグラフである。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
[第1の実施形態]
図1〜4を参照して、第1の実施形態に係る構造物100について説明する。図1は、第1の実施形態に係る構造物100の概略構成を示す断面図である。図2は、本実施形態に係る金属化合物1のエネルギーバンドを示す模式図である。図3及び図4は、本実施形態に係る構造物100の一例を示す模式図である。
図1の右側に示すように、本実施形態に係る構造物100は、金属化合物1(第1の金属化合物)及び金属化合物1の表面に配置された被覆層2(第2の金属化合物層)を備える。
金属化合物1としては、励起光(紫外線、可視光、又は近赤外線)の照射により光触媒活性を発現するものを使用することができ、例えば酸化チタン(TiO)や酸化タングステン(WO)、酸化タンタル(Ta)、酸化ガリウム(Ga)などの金属酸化物、窒化タンタル(TaN)や窒化ガリウム(GaN)などの金属窒化物、酸窒化タンタル(TaON)やランタンチタン酸窒化物(LaTiON)などの金属酸窒化物、硫化亜鉛(ZnS)や硫化カドミウム(CdS)、硫化水銀(HgS)、硫化モリブデン(MoS)などの金属硫化物、SmTiなどの金属酸硫化物等の金属化合物が挙げられる。これらの金属化合物のうち、1種を単独で用いることも、2種以上を併用して2種以上の金属元素を有する複合金属化合物とすることもできる。なお、金属化合物1の結晶構造は、アモルファス構造以外の構造である。
図1の左側や図3に示すように、金属化合物1の表面構造は均一ではなく、酸素欠陥や窒素欠陥、硫黄欠陥、金属欠損、金属挿入欠陥等の表面欠陥が存在する。図2に示すように、金属化合物1にバンドギャップ以上の光エネルギー(hν)を照射すると、励起された電子eは価電子帯VBから伝導帯CBに移動するが、その後数ピコ秒のうちに、表面欠陥によるトラップ準位TBにトラップされる。この表面欠陥によるトラップ準位TBが深いことにより、金属化合物1の光触媒活性が落ちてしまう。以下、トラップ準位TBにトラップされた電子を「トラップ電子」ということがある。
金属化合物1の形状や大きさとして特に限定はなく、層状、粒子状、柱状など、任意の形状とすることができる。なお、図示は省略しているが、金属化合物1は、石英ガラス基板、FTOガラス基板、CaF基板等の各種基板や、その他の支持体上に設けられていてもよい。
被覆層2は、金属化合物1の表面欠陥を埋めるように原子層堆積装置(Atomic Layer Deposition(ALD)装置)を用いて堆積された層であり、構造物100の最外部に位置する。被覆層2は、金属化合物1の結晶構造と異なる結晶構造の金属化合物から構成される。被覆層2の結晶構造として、アモルファス構造が最も好ましい。
被覆層2を構成する金属化合物として、金属化合物1と同様のものを使用することができ、例えば酸化チタン(TiO)や酸化タングステン(WO)、酸化タンタル(Ta)、酸化ガリウム(Ga)などの金属酸化物、窒化タンタル(TaN)や窒化ガリウム(GaN)などの金属窒化物、酸窒化タンタル(TaON)やランタンチタン酸窒化物(LaTiON)などの金属酸窒化物、硫化亜鉛(ZnS)や硫化カドミウム(CdS)、硫化水銀(HgS)、硫化モリブデン(MoS)などの金属硫化物、SmTiなどの金属酸硫化物等の金属化合物が挙げられる。これらの金属化合物うち、1種を単独で用いることも、2種以上を併用して2種以上の金属元素を有する複合金属化合物とすることもできる。
被覆層2の厚さは0.1nm〜10nmであり、0.2nm〜7nmであることがより好ましい。被覆層2の厚さが0.1nmより小さい、あるいは10nmより大きいと、光触媒活性を向上させることができないため好ましくない。なお、本実施形態において、被覆層2は金属化合物1と同様の金属化合物から構成されるが、その厚さが0.1nm〜10nmであることにより、光触媒活性を有しない。
図3において、金属化合物1がルチル型又はアナターゼ型酸化チタンであり、被覆層2がアモルファス酸化チタンである例を示している。また、図4において、金属化合物1がルチル型又はアナターゼ型酸化チタンであり、被覆層2がアモルファス酸化ガリウム及びアモルファス酸化タンタルである例を示している。このように、金属化合物1の表面に配置される被覆層2は、当該金属化合物1と異なる結晶構造を有し、且つ当該金属化合物1と同一又は異なる組成の金属化合物とすることができる。また、図4に示す例のように、異なる組成の複数の金属化合物を用いて、被覆層2として、2種以上の金属元素を有する複合金属化合物とすることができる。なお、図3及び図4において、金属化合物1及び被覆層2の結晶構造(原子配置)は模式的に示したものであり、実際のものとは異なっている場合がある。
本実施形態に係る金属化合物1は、時間分解分光測定による過渡吸収スペクトルにおいて、7000cm−1(第1の波数)以上の波数範囲に吸収ピークを有する。また、金属化合物1の表面に被覆層2を有する構造物100は、時間分解分光測定による過渡吸収スペクトルにおいて、7000cm−1(第1の波数)未満の波数範囲に吸収ピークを有する。このように、構造物100の過渡吸収スペクトルは、金属化合物1のみの過渡吸収スペクトルと比較して、より低波数側に吸収ピークを有する。また、構造物100の過渡吸収スペクトルは、金属化合物1の過渡吸収スペクトルと比較して、低波数側において吸収強度が大きくなる。
金属化合物1が例えばルチル型酸化チタンである場合、励起光により励起したときの発光スペクトルにおいて、発光ピークを700nm以上の波長域(第1の波長域)に有する。また、金属化合物1の表面に被覆層2を有する構造物100は、発光ピークを700nm未満の波長域(第2の波長域)に有し、且つ700nm未満の波長域における発光強度が、700nm未満の波長域における金属化合物1の発光強度よりも大きい。このように、構造物100の発光スペクトルは、金属化合物1のみの発光スペクトルと比較して、ある波長より短波長側の波長域(第2の波長域)に発光ピークを有する。また、構造物100の発光強度は、金属化合物1の発光強度と比較して、ある波長より短波長側の波長域(第2の波長域)において大きくなる。
本実施形態に係る構造物100は、光触媒材料としてあらゆる分野における各種用途に用いることができ、例えば、光触媒電極、金属酸化物薄膜透明電極、色素増感太陽電池、ペロブスカイト太陽電池、防曇・防汚材料、抗菌材料等に応用することができる。
[製造方法]
次に、第1の実施形態に係る構造物100の製造方法について説明する。本実施形態に係る構造物100の製造方法は、図1に示すように、表面欠陥を有する金属化合物1の表面に、原子層堆積装置(ALD装置)を用いて、厚さが0.1nm〜10nmとなるように被覆層2を形成する工程を有する。
原子層堆積装置は、原子層毎の成膜を可能とするため、非常に薄い膜を形成する場合に適している。原子層堆積法(ALD法)は一般に、2種類以上のガス状の原料を反応室に交互に供給し、膜形成面で化学反応を起こして成膜する方法であり、1サイクルで原子層相当レベルの厚みを高精度に形成することができる。原子層堆積装置として、公知の装置を用いることができる。
原子層堆積装置による被覆層2の形成は、80℃〜400℃の条件下で行われることが好ましく、80℃〜300℃がより好ましい。
なお、金属化合物1の表面に被覆層2を形成する工程の前に、金属化合物1を、FTOガラス基板やCaF基板等の各種支持体上に固定する工程を有していてもよい。支持体上に金属化合物1を固定する方法として特に限定はなく、金属化合物1の粉末を塗布して焼結する方法など、任意の方法を採用することができる。
また、金属化合物1の表面に被覆層2を形成する工程の前に、前処理として金属化合物1の表面をUV(紫外線)オゾン処理する工程を有していてもよい。UVオゾン処理の条件は特に制限されないが、供給される酸素の流量は1〜10ml/minが好ましい。また、処理時間は、3〜20分間が好ましい。また、照射されるUVの波長領域は、185nm〜254nmが好ましく、出力は20〜45Wが好ましく、照射強度は2000〜3500μW/cmが好ましい。
また、被覆層2を形成した後、必要に応じて、アニール処理工程を実施してもよい。アニール処理の条件は特に制限されないが、加熱温度は100℃〜800℃が好ましく、100℃〜500℃がより好ましい。また、加熱時間は0.25時間〜1.5時間が好ましく、0.5時間〜1時間がより好ましい。なお、アニール処理の方法は特に制限されず、公知のオーブンなどを使用できる。
[実施例]
以下、図5A〜図21を参照して、実験例1〜6に基づき、従来例及び本発明に係る構造物について具体的に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。
<実験例1>
(酸化チタン電極における水の分解活性)
図5A〜図7を参照して、実験例1に係る酸化チタン電極の水の分解活性について説明する。
図5Aは、従来例に係る酸化チタン電極201を示す模式図である。図5Bは、表面に被覆層21を有する酸化チタン電極101を示す模式図である。図5Aに示すように、酸化チタン電極201は、FTOガラス基板31上に酸化チタン層11を有する電極である。ここで、図5Aにおいて図示は省略しているが、酸化チタン電極201として、酸化チタン層11がルチル型酸化チタン層であるものを酸化チタン電極201a、酸化チタン層がアナターゼ型酸化チタン層であるものを酸化チタン電極201bとする。
図5Bに示すように、酸化チタン電極101は、図5Aに示した酸化チタン電極201の酸化チタン層11の表面に被覆層としてのアモルファス酸化チタン層21を形成して得られる電極である。アモルファス酸化チタン層21は、電子層堆積装置(Cambridge Nanotech社製、Savannah G2 S100)を用いて100℃の温度条件下において形成した。ここで、図5Bにおいて図示は省略しているが、酸化チタン電極201aの表面に、厚さ1nm、2nm、3nm、4nm、5nm、6nm、7nm、10nm又は20nmのアモルファス酸化チタン層21をそれぞれ形成し、酸化チタン電極101a〜101iとした。また、酸化チタン電極201bの表面に、厚さ1nm、2nm、3nm、4nm、5nm、6nm、7nm、10nm又は20nmのアモルファス酸化チタン層21をそれぞれ形成し、酸化チタン電極101j〜101rとした。
酸化チタン電極101a〜101r、201a及び201bのそれぞれについて、基準電極として銀/塩化銀電極、電解液として0.1MのNaSO水溶液を用い、LEDランプ(Thorlabs社製、M375L3)を用いて375nmの紫外線を照射して(200mW/cm)水の分解を行い、電流密度を測定して水の分解活性について評価を行った。電流密度の測定は、ポテンショ・ガルバノスタット(東方技研社製、PS−14)を用いて行った。結果を図6及び7に示す。
図6は、酸化チタン層11がルチル型である酸化チタン電極101a〜101i及び201aの水の分解活性を示すグラフである。図7は、酸化チタン層11がアナターゼ型である酸化チタン電極101j〜101r及び201bの水の分解活性を示すグラフである。なお、図6及び7において、水の分解活性の差異を明瞭にするため、ベースラインをずらして図示している。
図6に示すように、酸化チタン電極201aによる水の分解で生じた電流密度は、基準電圧約1.0Vにおいて0.2mA/cmである。また、酸化チタン電極101a〜101hによる水の分解で生じた電流密度は、基準電圧約1.0Vにおいてそれぞれ0.3mA/cm〜14mA/cmである。また、酸化チタン電極101iによる水の分解で生じた電流密度は、基準電圧約1.0Vにおいて0.1mA/cm以下である。図6に示すように、水の分解活性は、アモルファス酸化チタン層21の厚さが4nm〜5nmである場合において最大となることがわかる。
また、図7に示すように、酸化チタン電極201bによる水の分解で生じた電流密度は、基準電圧約1.0Vにおいて0.3mA/cmである。また、酸化チタン電極101j〜101qによる水の分解で生じた電流密度は、基準電圧約1.0Vにおいてそれぞれ1.1mA/cm〜7.5mA/cmである。また、酸化チタン電極101rによる水の分解で生じた電流密度は、基準電圧約1.0Vにおいて0.5mA/cmである。図7に示すように、水の分解活性は、アモルファス酸化チタン層21の厚さが5nmである場合において最大となることがわかる。
このように、厚さ1nm〜10nmの被覆層21を有するルチル型酸化チタン電極101a〜101h及びアナターゼ型酸化チタン電極101j〜101qは、酸化チタン電極201a及び201b、厚さ20nmの被覆層21を有する酸化チタン電極101i及び101rと比較して、水の分解によって生じる電流密度が大きくなることがわかる。
<実験例2>
(酸化タングステン電極における水の分解活性)
図8A〜図10を参照して、実験例2に係る酸化タングステン電極の水の分解活性について説明する。
図8Aは、従来例に係る酸化タングステン電極202を示す模式図である。図8Bは、表面に被覆層22を有する酸化タングステン電極102を示す模式図である。酸化タングステン電極202は、FTOガラス基板32上に酸化タングステン層12を有する。
図8Bに示す酸化タングステン電極102は、図8Aに示した酸化タングステン電極202の酸化タングステン層12の表面に被覆層22を形成した電極である。被覆層22は、電子層堆積装置(ALD)(Cambridge Nanotech社製、Savannah G2 S100)を用いて100℃の温度条件下において形成した。ここで、図8Bにおいて図示は省略しているが、酸化タングステン電極202の表面に、厚さ0.2nm、0.4nm、0.6nm、0.8nm、1nm又は2nmのアモルファス酸化チタンを被覆層22としてそれぞれ形成し、酸化タングステン電極102a〜102fとした。また、酸化タングステン電極202の表面に、厚さ0.2nm、0.4nm、0.6nm、0.8nm、1nm又は2nmのアモルファス酸化タンタルを被覆層22としてそれぞれ形成し、酸化タングステン電極102g〜102lとした。
酸化タングステン電極102a〜102l及び202のそれぞれについて、基準電極として銀/塩化銀電極、電解液として0.1MのNaSO水溶液を用い、LEDランプ(Thorlabs社製、M375L3)を用いて455nmの可視光を照射して(200mW/cm)水の分解を行い、電流密度を測定して水の分解活性について評価を行った。電流密度の測定は、ポテンショ・ガルバノスタット(東方技研社製、PS−14)を用いて行った。結果を図9及び10に示す。
図9は、被覆層22がアモルファス酸化チタンである場合の水の分解活性を示すグラフである。図10は、被覆層22がアモルファス酸化タンタルである場合の水の分解活性を示すグラフである。なお、図9及び10において、水の分解活性の差異を明瞭にするため、ベースラインをずらして図示している。
図9及び10に示すように、酸化タングステン電極202による水の分解で生じた電流密度は、基準電圧約1.0Vにおいて0.8mA/cmである。また、図9に示すように、酸化タングステン電極102b〜102eによる水の分解で生じた電流密度は、基準電圧約1.0Vにおいて1.5mA/cm〜3.8mA/cmである。また、酸化タングステン電極102a及び102fによる水の分解で生じた電流密度は、基準電圧約1.0Vにおいてそれぞれ0.6mA/cm、0.2mA/cmである。図9及び図10に示すように、酸化タングステン電極における水の分解活性は、被覆層22の厚さが1nmである場合において最大となることがわかる。
図9に示すように、厚さ0.4nm〜1nmのアモルファス酸化チタン層を有する酸化タングステン電極102b〜102eは、酸化タングステン電極202、厚さ0.2nm、2nmのアモルファス酸化チタン層を有する酸化タングステン電極102a及び102fと比較して、水の分解によって生じる電流密度が大きくなることがわかる。
また、図10に示すように、このように、厚さ0.4nm〜2nmのアモルファス酸化タンタル層を有する酸化タングステン電極102h〜102lは、酸化タングステン電極202、及び厚さ0.2nmのアモルファス酸化タンタル層を有する酸化タングステン電極102gと比較して、水の分解によって生じる電流密度が大きくなることがわかる。
<実験例3>
(酸化チタン構造物における有機物分解活性)
図11A〜図12を参照して、実験例3に係る酸化チタン構造物の有機物分解性について説明する。
図11Aは、従来例に係る酸化チタン構造物203を示す模式図である。図11Bは、表面にアモルファス酸化チタン層23を有する酸化チタン構造物103を示す模式図である。図12は、酸化チタン構造物103及び203における酢酸分解時間と二酸化炭素生成量との関係を示すグラフである。
図11Aに示す酸化チタン構造物203は、FTOガラス基板33上にアナターゼ型酸化チタンの粒子を塗布して固定、焼結させることによりアナターゼ型酸化チタン薄膜23を形成して得られる。図11Bに示す酸化チタン構造物103は、図11Aに示したアナターゼ型酸化チタン薄膜13上に、電子層堆積装置(ALD)(Cambridge Nanotech社製、Savannah G2 S100)を用いてアモルファス酸化チタン層23を形成したものである。アモルファス酸化チタン層23の厚さは0.1nmとした。
酸化チタン構造物103、203それぞれについて、酢酸雰囲気下において、LEDランプ(Thorlabs社製、M375L3)を用いて375nmの紫外線を照射して(200mW/cm)酢酸の分解を行い、二酸化炭素の生成量を測定した。二酸化炭素生成量の測定は、マイクロGC(アジレント・テクノロジー社製、490−GC)を用いて行った。結果を図12に示す。
図12のグラフにおいて、丸で示したプロットは、酸化チタン構造物103による酢酸の分解によって生じた二酸化炭素の生成量を示し、四角で示したプロットは、酸化チタン構造物203による酢酸の分解によって生じた二酸化炭素の生成量を示す。
図12に示すように、酸化チタン構造物103による酢酸の分解で生じた二酸化炭素発生量は、分解開始から15分経過後において約3μモルであり、酸化チタン構造物203の約2倍である。このように、アモルファス酸化チタン層23を有する酸化チタン構造物103は、酸化チタン構造物203と比較して、酢酸の分解速度が大きくなることがわかる。
<実験例4>
(発光スペクトルの測定)
一般に、光触媒として用いられる金属化合物のトラップ準位は、発光スペクトル測定を行い、トラップに捕捉されたキャリアーの再結合による発光ピークの位置により見積もることができる。金属化合物の発光スペクトルにおいて、700nm以上の長波長側に現れる発光ピークは、深いトラップ準位に落ち込んだトラップ電子に由来する。また、700nm未満の短波長側に現れる発光ピークは、浅いトラップ準位に落ち込んだトラップ電子又は自由電子に由来する。従って、発光スペクトル測定における発光ピークが700nm未満の波長領域にある場合、光触媒活性が高いといえる。
図13を参照して、実験例4に係る構造物の光触媒活性を発光スペクトルにより評価した例について説明する。図示は省略しているが、従来例として粉末状のルチル型酸化チタン204を用意した。また、ルチル型酸化チタン204の表面に原子層堆積装置を用いて厚さ2nmのアモルファス酸化チタン層を形成し、ルチル型酸化チタン104を作成した。ルチル型酸化チタン104及び204に半導体レーザー(Toptica Photonics社製、iBeam smart:5mW、ビーム径3ミリ)を用いて375nmの紫外線を照射して励起し、分光器(Acton社製、SP2300)及びCCD検出器(Princeton Instruments社製、PIXIS:100F)を用いて発光スペクトルを測定した。結果を図13に示す。
図13は、ルチル型酸化チタン104及び204の発光スペクトルを示す図である。図13において、ルチル型酸化チタン204の発光スペクトルを実線で示し、ルチル型酸化チタン104の発光スペクトルを点線で示した。
図13に示すように、ルチル型酸化チタンの表面にアモルファス酸化チタン層を形成することで、発光ピークの位置が840nmから500nmにシフトしたことがわかる。700nm未満の波長領域における発光強度について、ルチル型酸化チタン204と比較してルチル型酸化チタン104の方が大きくなっている。このように、浅いトラップ準位に落ち込んだトラップ電子又は自由電子が増加したことが確認でき、光触媒活性が向上したことがわかる。
<実験例5>
(ルチル型酸化チタンにおける時間分解分光測定)
図14〜16を参照して、時間分解分光測定による過渡吸収スペクトルについて説明する。図14は、ある金属化合物の電子のエネルギー準位を示す模式図である。図15及び16は、ある金属化合物における過渡吸収スペクトルの各ピークの意味を説明するための図である。
上述のように、金属化合物1の表面に被覆層2を設けることで、光励起電子や正孔を捕捉する欠陥構造が変化し、欠陥準位の深さが浅くなることで電子と正孔の反応性が上がるので、光触媒活性が向上する。欠陥準位が浅くなったことを確認するためには、バンドギャップをパルスレーザーで励起し、可視光〜遠赤外領域、又はマイクロ波領域の過渡吸収を測定すればよい。
図14及び15に示すように、例えば伝導帯CB中の自由電子(Free e)は、中赤外からマイクロ波領域に強い吸収を与える。一方、深い欠陥準位に捕捉された電子(trapped e)や正孔(trapped h)は、可視光〜近赤外領域に吸収を与える。従って、電子を捕捉するトラップ準位TBが浅くなれば、トラップ電子が与える吸収波長は長波長側にシフトする。
また、図16に示すように、再結合が抑制されると、吸収強度が増加する。よって、過渡吸収スペクトルを測定し、吸収波長の変化や固定波長における吸収強度の変化を観察することで、光触媒活性を評価することができる。
次に、図17及び18を参照して、実験例5に係る酸化チタン構造物の過渡吸収スペクトルについて説明する。
まず、CaF基板上にルチル型酸化チタンの薄膜を形成し、従来例に係るルチル型酸化チタン構造物205とした。また、ルチル型酸化チタン205の表面に、厚さ2nmのアモルファス酸化チタン層を原子層堆積装置(Cambridge Nanotech社製、Savannah G2 S100)により形成し、ルチル型酸化チタン構造物105とした。ルチル型酸化チタン構造物105及び205にレーザーパルスを照射してバンドギャップを励起し、時間分解分光測定を行い、可視光〜遠赤外領域、マイクロ波領域の過渡吸収スペクトルを得た。時間分解分光測定は、公知の装置、方法により行った(Akira Yamakata, Junie Jhon M. Vequizo, and Hironori Matsunaga (2015). Distinctive Behavior of Photogenerated Electrons and Holes in Anatase and Rutile TiO Powders, J. Phys. Chem. C 119, 24538−24545)。結果を図17及び図18に示す。
図17は、ルチル型酸化チタン205の時間分解分光測定における過渡吸収スペクトルを示す図である。図18は、ルチル型酸化チタン構造物105の時間分解分光測定における過渡吸収スペクトルを示す図である。図19は、波数2000cm−1及び6000cm−1における吸収強度と、ルチル型酸化チタン構造物105のアモルファス酸化チタン層の膜厚との関係を示すグラフである。
図17に示すように、ルチル型酸化チタン構造物205は、波数約7000cm−1よりも短波長側において、正孔による吸収ピークa、トラップ電子による過渡吸収ピークbを有する。一方、表面にアモルファス酸化チタン層を有するルチル型酸化チタン105は、図18に示すように、波数約6000cm−1において、反応性の高い電子による過渡吸収ピークcを有し、ルチル型酸化チタンのみの場合と比較して、長波長側にピークの位置がシフトしていることがわかる。このことから、アモルファス酸化チタン層を形成することにより、電子のトラップ準位が浅くなり、光触媒活性が向上したことがわかる。
また、ルチル型酸化チタンの表面に、厚さ1nm、2nm、3nm、10nm、20nmのアモルファス酸化チタン層をそれぞれ形成した構造物を作成し、過渡吸収スペクトルを測定した。波数2000cm−1及び6000cm−1における吸収強度を図19に示す。
図19に示すように、波数2000cm−1における吸収強度は、アモルファス酸化チタン層の厚さが10nmの場合に最大となることがわかる。また、波数6000cm−1における吸収強度は、アモルファス酸化チタン層の厚さが3nmの場合に最大となることがわかる。
<実験例6>
(アナターゼ型酸化チタンにおける時間分解分光測定)
図20及び21を参照して、実験例6に係る酸化チタン構造物の過渡吸収スペクトルについて説明する。
まず、CaF基板上にアナターゼ型酸化チタンの薄膜を形成し、従来例に係るアナターゼ型酸化チタン構造物206とした。また、アナターゼ型酸化チタン206の表面に、厚さ2nmのアモルファス酸化チタン層を原子層堆積装置により形成し、アナターゼ型酸化チタン構造物106とした。アナターゼ型酸化チタン構造物106及び206について、実験例5と同様にして時間分解分光測定を行い、過渡吸収スペクトルを得た。
図20は、アナターゼ型酸化チタン構造物206の時間分解分光測定における過渡吸収スペクトルを示す図である。図21は、アナターゼ型酸化チタン構造物106の時間分解分光測定における過渡吸収スペクトルを示す図である。
図20に示すように、アナターゼ型酸化チタン206は、波数約3000cm−1よりも長波長側において自由電子又は浅くトラップされたトラップ電子による過渡吸収ピークを有する。一方、図21に示すように、表面にアモルファス酸化チタン層を有するアナターゼ型酸化チタン構造物106は、吸収ピークの位置に変化はないが、アナターゼ型酸化チタン構造物206と比較して、吸収強度が増加していることがわかる。よって、アナターゼ型酸化チタンの表面にアモルファス酸化チタン層を形成することによって、反応活性が高い電子の数が増加することがわかる。
[比較例]
次に、図22及び23を参照して、比較例に係る構造物の製造方法について説明する。比較例に係る構造物の製造方法は、第1の実施形態に係る構造物100の製造方法と比較して、被覆層の形成方法が異なっている。第1の実施形態に係る構造物100において、被覆層2は、原子層堆積装置を用いて形成されるのに対し、比較例に係る構造物においては、ゾルゲル法により被覆層が形成される。
<実験例7>
(ゾルゲル法による被覆層の形成)
FTOガラス基板上にルチル型酸化チタン及びアナターゼ型酸化チタンを固定し、ルチル型酸化チタン電極207a及びアナターゼ型酸化チタン電極207bを得た。それぞれ酸化チタン濃度に換算して200g/Lのイソプロピルアルコール分散液100mLを調整した。別に、酸化チタン濃度に換算して10g/Lのチタンテトライソプロポキシド・イソプロピルアルコール分散液を調整し、先の酸化チタンのイソプロピルアルコール分散液に添加し、2時間撹拌後、純水を0.225g添加し、30分熟成後、溶剤を蒸発させ、アモルファス表面処理されたルチル型酸化チタン電極107a及びアナターゼ型酸化チタン電極107bを得た。このようにして得られたアモルファス表面処理酸化チタン電極107a及び107bにおける被覆層の厚さは、それぞれ90nm及び50nmであった。
アモルファス表面処理されたルチル型酸化チタン電極107a及びアナターゼ型酸化チタン電極107bについて、実験例1と同様にして、水の分解活性を測定した。結果を図22及び23に示す。図22は、アモルファス表面処理されたルチル型酸化チタン107aにおける水の分解活性を示すグラフであり、図23は、アモルファス表面処理されたアナターゼ型酸化チタン107bにおける水の分解活性を示すグラフである。図22及び23において、アモルファス表面処理していない酸化チタン電極207a及び207bの水の分解活性を実線、アモルファス表面処理された酸化チタン電極107a及107bの水の分解活性を破線で示した。
図22及び23に示すように、上述のアモルファス表面処理方法で得られた酸化チタン電極107a及107bは、被覆層を有しない酸化チタン電極207a及び207bと比較して、水の分解活性が低いことがわかる。よって、実験例1、2、及び7の結果から、被覆層をゾルゲル法により形成して得られた構造物と比較して、原子層堆積装置により被覆層を形成した構造物は、水の分解活性が高く、光触媒活性が高いといえる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施の形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施の形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
100・・・構造物
1、11、12、13・・・金属化合物
2、21、22、23・・・被覆層
31、32、33・・・FTOガラス基板

Claims (9)

  1. 第1の結晶構造を有する第1の金属化合物と、
    前記第1の金属化合物の表面に位置し、前記第1の結晶構造と異なる第2の結晶構造を有する第2の金属化合物層と、
    を備え、
    前記第2の金属化合物層は、厚さが10nm以下であり、
    表面に前記第2の金属化合物層を有する前記第1の金属化合物は、時間分解分光測定において第1の波数未満の波数範囲に吸収ピークを有する
    ことを特徴とする構造物。
  2. 前記第1の金属化合物は、励起光により励起したときの発光スペクトルの発光ピークを第1の波長域に有し、
    表面に前記第2の金属化合物層を有する前記第1の金属化合物は、前記発光スペクトルの発光ピークを前記第1の波長域よりも小さい第2の波長域に有し、且つ前記第2の波長域における前記第2の金属化合物層の発光強度が、前記第2の波長域における前記第1の金属化合物の発光強度よりも大きいことを特徴とする請求項1記載の構造物。
  3. 前記第2の結晶構造がアモルファス構造であることを特徴とする請求項1又は2記載の構造物。
  4. 前記第1の金属化合物が光触媒であることを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項記載の構造物。
  5. 前記第1の金属化合物及び前記第2の金属化合物が金属酸化物、金属窒化物、金属酸窒化物、金属硫化物及び金属酸硫化物のいずれかであることを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項記載の構造物。
  6. 第1の結晶構造を有する第1の金属化合物の表面に、前記第1の結晶構造と異なる第2の結晶構造を有する第2の金属化合物層を形成する工程を備え、
    表面に前記第2の金属化合物層を有する前記第1の金属化合物は、時間分解分光測定において第1の波数未満の波数範囲に吸収ピークを有し、
    前記第2の金属化合物層は、原子層堆積装置により厚さが10nm以下となるように形成される
    ことを特徴とする構造物の製造方法。
  7. 前記第1の金属化合物は、励起光により励起したときの発光スペクトルの発光ピークを第1の波長域に有し、
    表面に前記第2の金属化合物層を有する前記第1の金属化合物は、前記発光スペクトルの発光ピークを前記第1の波長域よりも小さい第2の波長域に有し、且つ前記第2の波長域における前記第2の金属化合物層の発光強度が、前記第2の波長域における前記第1の金属化合物の発光強度よりも大きいことを特徴とする請求項6記載の構造物の製造方法。
  8. 前記第2の結晶構造がアモルファス構造であることを特徴とする請求項6又は7記載の構造物の製造方法。
  9. 前記第1の金属化合物が光触媒であることを特徴とする請求項6乃至8いずれか1項記載の構造物の製造方法。
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