JP2020053669A - 太陽電池、多接合型太陽電池、太陽電池モジュール及び太陽光発電システム - Google Patents

太陽電池、多接合型太陽電池、太陽電池モジュール及び太陽光発電システム Download PDF

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Abstract

【課題】実施形態は、変換効率を向上させた太陽電池、多接合型太陽電池、太陽電池モジュール及び太陽光発電システムを提供する。【解決手段】実施形態の太陽電池は、第1電極と、第2電極と、前記第1電極と前記第2電極の間に設けられる光電変換層と、を備える太陽電池であって、前記太陽電池の透過率を700〜1000nmの波長域で測定した際に前記透過率の平均が60%以上である。【選択図】 図1

Description

実施形態は太陽電池、多接合型太陽電池、太陽電池モジュール及び太陽光発電システムに関する。
高効率な太陽電池として多接合型(タンデム)太陽電池がある。タンデム太陽電池は、波長帯毎に分光感度が高いセルを用いることができるため、単接合よりも高効率化できる。またタンデム太陽電池のトップセルとして、安価な材料でかつバンドギャップが広い亜酸化銅化合物が期待されている。しかし、これまでに銅箔を酸化させて作製した亜酸化銅太陽電池で8%程度の効率が報告されているが理論限界効率に比べると低い。これは銅箔を酸化させたのち最表面の酸化銅などの異相をエッチングして取り除いているが完全に除去できないこと及びエッチング溶液の構成元素が残るなどの理由で良好なpn接合ができていないためと考えられる。また、この方法では0.1mm程度の厚さの箔を酸化させたのち20μm程度まで研磨する必要があり、大面積化が困難である。
一方、薄膜では液相中での反応を用いるなどの方法で作製した例があるが効率は最高でも4%程度である。その主たる原因は膜中に異相だけでなく溶液中に含まれる不純物が取り込まれ、それらが光励起キャリアの再結合中心になっているためと思われる。そのような薄膜では本来吸収しない600nm以上の波長の光も吸収してしまうためタンデム太陽電池のトップセルには使用できない。一般に不純物の混入が少ない薄膜を作製する方法としてスパッタリング法が良く知られておりこの方法で作製した報告例もあるが変換効率は1%以下であった。その原因は不純物の混入がなくても銅や酸化銅の異相が生じやすく純粋な亜酸化銅が容易に得られないためと考えられる。
Tadatsugu Minami et al. Applied Physics Express 9,052301(2016)
実施形態は、変換効率を向上させた太陽電池、多接合型太陽電池、太陽電池モジュール及び太陽光発電システムを提供する。
実施形態の太陽電池は、第1電極と、第2電極と、前記第1電極と前記第2電極の間に設けられる光電変換層と、を備える太陽電池であって、前記太陽電池の透過率を700〜1000nmの波長域で測定した際に前記透過率の平均が60%以上である。
第1の実施形態に係る太陽電池の断面概念図。 X線光電子分光分析法を用いた光電変換層の測定方法概略図。 第1の実施形態の太陽電池に係る製造方法のフローチャート。 第2の実施形態に係る多接合太陽電池の断面概念図。 第3の実施形態に係る太陽電池モジュールの概念図。 第3の実施形態に係る太陽電池モジュールの断面概念図。 第4の実施形態に係る太陽光発電システムの概念図。
(第1実施形態)
第1実施形態は、太陽電池に関する。図1に、第1実施形態の太陽電池100の概念図を示す。図1に示すように、本実施形態に係る太陽電池100は、基板1と、基板1上に第1電極2と、第1電極2上に光電変換層3と、光電変換層3上にn型層4と、n型層4上に第2電極5と、を備える。第1電極2と光電変換層3との間やn型層4と第2電極5との間には、図示しない中間層が含まれていてもよい。
(基板)
実施形態の基板1としては、白板ガラスを用いることが望ましく、石英、ソーダライムガラス、化学強化ガラスなどガラス全般、ステンレス(SUS)、W、Ta、Al、Ti又はCr等の金属板あるいはポリイミド、アクリル等の樹脂を用いることもできる。
(第1電極)
実施形態の第1電極2は、基板1と光電変換層3の間に存在する層である。図1では、第1電極2は、基板1と光電変換層3と直接接している。第1電極2としては、透明導電膜、金属膜と透明導電膜と金属膜を積層したものが好ましい。透明導電膜としては、酸化インジウムスズ(Indium Tin Oxide: ITO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(Al-doped Zinc Oxide: AZO)、ボロンドープ酸化亜鉛(Boron-doped Zinc Oxide: BZO)、ガリウムドープ酸化亜鉛(Gallium-doped Zinc Oxide: GZO)、フッ素ドープ酸化スズ(Fluorine-doped Tin Oxide: FTO)、アンチモンドープ酸化スズ(Antimony-doped Tin Oxide: ATO)、チタンドープ酸化インジウム(Titanium-doped Indium Oxide: ITiO)、酸化インジウム酸化亜鉛(Indium Zinc Oxide: IZO)や酸化インジウムガリウム亜鉛(Indium Gallium Zinc Oxide: IGZO)、タンタルドープ酸化スズ(Ta-doped Tin Oxide: SnO2:Ta)、ニオブドープ酸化スズ(Nb-doped Tin Oxide: SnO:Nb)、タングステンドープ酸化スズ(W-doped Tin Oxide: SnO:W)、モリブデンドープ酸化スズ(Mo-doped Tin Oxide: SnO:Mo)、フッ素ドープ酸化スズ(F-doped Tin Oxide:SnO2:F)、水素ドープ酸化インジウム(Hydrogen-doped Indium Oxide:IOH)など特に限定されない。
透明導電膜は、複数の膜を持つ積層膜であってもよく、上記酸化物の他に酸化スズなどの膜が積層膜に含まれていてもよい。酸化スズなどの膜へのドーパントとしては、In,Si,Ge,Ti,Cu,Sb,Nb,F,Ta,W,Mo,F,Clなど特に限定されない。金属膜としては、Mo、Au、Cu、Ag、Al、TaやWの膜など特に限定されない。
また、第1電極2は、透明導電膜上にドット状、ライン状もしくはメッシュ状の金属を設けた電極でもよい。このとき、ドット状、ライン状もしくはメッシュ状の金属は、透明導電膜と光電変換層3の間や透明導電膜の光電変換層3とは反対側に配置される。ドット状、ライン状もしくはメッシュ状の金属は、透明導電膜に対して開口率が50%以上であることが好ましい。ドット状、ライン状もしくはメッシュ状の金属は、Mo、Au、Cu、Ag、Al、TaやWなど特に限定されない。
また、第1電極2には透明導電膜に代えて、金属基板を用いてもよい。金属基板には例えばW、Cr、Ti、Ta、Al、SUS(例えばSUS430)などを用いることができる。この金属基板の上に、後述する光電変換層3を直接成膜しても良い。
実施形態の光電変換層3は、p型の化合物半導体層である。光電変換層3は第1電極2とn型の化合物半導体層4の間に存在する層である。なお以降はn型の化合物半導体層をn型層と称する。図1では、光電変換層3は、第1電極1とn型層4と直接接している。光電変換層3は、亜酸化銅を含む層である。亜酸化銅は、ノンドープあるいはドープされた亜酸化銅である。亜酸化銅の厚さは、典型的には、500nm以上0.3mm以下であるがこれに限定されない。亜酸化銅は、カルコパイライト構造を有する化合物と比べて安価であるため太陽電池100の低コスト化が可能である。また、亜酸化銅は、バンドギャップが約2.1eVでありワイドバンドギャップである。本実施形態に係る太陽電池100の光電変換層3のバンドギャップが広いと、Siなどのナローバンドギャップな光電変換層3を有する太陽電池をボトムセルとして用いて多接合化したときに、第1の実施形態に係る太陽電池100はボトムセル側での発電に寄与する波長の透過性が高いため、ボトムセル側での発電量が高いという点で、第1の実施形態に係る太陽電池100は好ましい。第1の実施形態に係る太陽電池100を多接合型の太陽電池として用いる場合、第1の実施形態に係る太陽電池100は、光入射側に設けられることが好ましい。
ここで、本実施形態にかかる太陽電池の備える光電変換層3の作製方法について説明する。
光電変換層3はスパッタリングを用い作製する。まず、Arと酸素の混合ガス中で純度が4N以上の無酸素銅のターゲットに高周波電源から例えばRF電力を供給することで亜酸化銅の薄膜が得ることができる。RF電源の代わりにDC電源など他の電力を供給しても構わない。このとき、電極、例えばスパッタする際の基板の上の少なくとも一部に酸化物が存在することで、亜酸化銅形成時の酸素と電極(成膜時の基板に相当)の反応を適度に抑制することができ、良好な結晶が得られやすい。例えば、透明導電性酸化物を用いると、電極として用いることができるため、構成が安易になる点で望ましい。そのため、電極の少なくとも一部には酸化物が存在するが好ましい。スパッタリングの際用いる電力は直流でも良い。尚、この際に基板を400℃以上700℃以下、好ましくは450℃以上550℃以下に加熱する。このようにして亜酸化銅薄膜を作製することができる。Arと酸素の流量比によっては銅や酸化銅などの異相が形成されることがあり、銅、酸化銅の形成を抑えるために例えば、Ar流量と酸素流量の比を調整する必要がある。なお、酸化銅とはCuOのことである。
なお、スパッタリングは減圧下での成膜なので、周りには酸素はほとんどなく、光電変換層3の成膜温度が高いと、金属は還元されやすくなる。そのため、亜酸化銅を作製するためには適度に酸化させる必要があるので、還元されやすい環境、つまり高温ほど酸化剤、つまり酸素を多くする必要がある。言い換えると温度が高い場合はより還元されやすい雰囲気下となるため酸素流量を多めにする必要がある。そのため、高い温度で光電変換層3を製膜する際には、酸素流量も上げることで、質の高い光電変換層3を得ることができる。
亜酸化銅を製膜する基板には、透過性を有するものを用いることが好ましい。透明性を有するものを用いることで、ワイドギャップであることを活かして亜酸化銅が吸収できない波長領域を光入射方向とは反対側で有効に使うことができるからである。
銅や酸化銅は本実施形態に係る太陽電池の備える光電変換層3では異相となるため、これら異相を低減した太陽電池を作製することで、太陽電池の効率を向上させることができる。
光電変換層3に含まれる異相は太陽電池の光電変換効率(変換効率とも称する)に大きく影響する。先述したように異相が存在することで、光励起キャリアの再結合中心となり変換効率を低下させることや、光電変換層3そのものの質を低下させることが挙げられる。これは銅由来のリーク等が生じ、フィルファクター(FF:形状因子)が悪くなるためである。酸化銅が含まれる場合は再結合を促進することなどによりセル特性全体に悪影響を及ぼすためである。また、意図しない波長域の光を吸収してしまうことにより、後述する多接合型太陽電池にした場合、ボトムセルの変換効率を低下させることにもつながる。
太陽電池の光電変換層3に存在する異相を測定するため、X線回折法で分析し、光電変換層3に異相が検出されない場合でも、高い変換効率が得られるとは限らない。これは、X線回折法では測定できない異相が存在するためである。そのため、太陽電池の透過率を測定することで精度高く光電変換層3に異相の存在を測定することができる。透過率は太陽電池に様々な波長の光を当て、透過した光の割合を測定する分析方法である。測定方法は詳しくは後述する。太陽電池の透過率は、異相が少ないほど高くなり、太陽電池の効率を向上させることができる。そのため、太陽電池の700〜1000nmの波長域における平均透過率が60%以上であることが好ましい。平均透過率がこの範囲にあることで、高い変換効率を達成できるためである。後述する多接合型太陽電池の場合、700〜1000nmの波長域がトップセルでよく透過されることで、ボトムセルでの光吸収を効率よく行うこともできる。また、より好ましくは70%以上である。平均透過率がこの範囲にあることで、より高い変換効率を達成することができるためである。700〜1000nmの波長域における平均透過率が60%未満であると、ボトムセルの発電量が減少し、全発電量が減少するため好ましくない。
ここで透過率の測定方法について説明する。透過率の測定には紫外可視近赤外分光法を用いる。装置は紫外可視近赤外分析光度計、例えば島津製作所型式:UV-3101PCを用い、積分球直前にサンプルを置き、目的の波長領域700〜1000nmの透過率を測定する。透過率の測定は、太陽電池の縦横それぞれ4等分にする。次にスクライブ部分を除き、光電変換層3が存在する部分のうち5カ所を測定点として選択し、それぞれの透過率を測定する。測定点での透過率は、700〜1000nmの範囲を1nm刻みで透過率を求め、平均する。その後これら5カ所の測定点での透過率を平均することで、測定対象の太陽電池の平均透過率を求めることができる。この測定点の選択には、太陽電池を縦横それぞれ4等分した線の交点から、測定対象の太陽電池の縦、横の長さに対して5%以内の範囲から選択する。なお、測定範囲はスクライブの間隔よりも狭い範囲で行う。
また、光電変換層3を透明電極上でなく、金属電極上に塗布した場合は、反射率を測定することで光電変換層3に存在する異相を評価することが可能である。これは、光電変換層3内部に異相が存在し該当域の光が吸収されると反射光が減少するためである。表面粗さが大きい場合は周囲に広がった反射光も考慮する必要がある。
本実施形態に係る太陽電池が備える光電変換層3の700〜1000nmの波長域での平均反射率は49%以上であることが好ましい。平均反射率がこの範囲にあることで、光電変換層3内部で該当する波長域の吸収が少なく膜質が良好となるためである。より好ましくは58%以上である。平均反射率が58%以上であることで、より膜質が良好となるためである。
反射率の測定には透過率の測定に用いた紫外可視近赤外分析光度計を用いる。入射角5度、反射角5度になるようにサンプルをセットし、目的の波長領域の反射率を評価する。反射率の測定方法も、透過率と同様に測定点を設定することで平均反射率を求めることができる。
第1の実施形態に係る太陽電池の備える光電変換層3の構成元素をX線光電子分光分析法(X−ray Photoelectron Spectroscopy;XPS)により測定すると、結合エネルギー値が930eV以上934eV以下の範囲に亜酸化銅のピークが存在する。XPSで光電変換層3を測定することにより得られる結合エネルギー値が930eV以上934eV以下の範囲に見られる亜酸化銅のピークは、金属銅を構成する0価の銅に由来すると考えられるCu(0)ピークと、亜酸化銅(酸化第一銅)を構成する1価の銅に由来すると考えられるCu(I)ピークと、酸化銅(酸化第二銅)を構成する2価の銅に由来するCu(II)ピークからなると考えられる。従って、異相が少ない光電変換層3をXPSで測定した場合、他のピークが現れず、亜酸化銅(酸化第一銅)に由来した(I)ピークが単一のピークとなった場合、ピークトップを中心にほぼ左右対称な形になる。
図2はX線光電子分光分析法を用いた光電変換層3の測定方法概略図である。図2を用いて説明すると、まず、第1の実施形態に係る太陽電池の備える光電変換層3をXPSで分析した際に、結合エネルギー値が930eV以上934eV以下の範囲に見られる亜酸化銅のピークにおいて、最も大きい値をとる点、つまり亜酸化銅のピークトップ6の値を調べる。このピークトップ6の値の2/3の値を通る水平直線7と亜酸化銅のピークとが交わる第1の交点8及び第2の交点9を調べる。さらにピークトップ6から前記水平直線7へおろした垂線10と前記水平直線7とが交わる第3の交点11を調べる。その後、第1の交点8及び第3の交点11の成す第1の長さ12と第2の交点9及び第3の交点11の成す第2の長さ13の差を調べる。第1の長さ12を便宜上L1とし、第2の長さ13を便宜上L2とする。この測定を、透過率を測定するのと同様に設定した測定点で行う。具体的に述べると、太陽電池の縦横それぞれ4等分にする。次にスクライブ部分を除き、光電変換層3が存在する部分のうち5カ所を測定点として選択し、それぞれをXPSで測定する。これら5カ所それぞれの測定点での第1の長さ(L1)と第2の長さ(L2)の差の割合(L1−L2の差の絶対値/L1とL2のいずれか長いほう)を求める。L1とL2のいずれか長いほう、とは、例えばL1とL2を比較し、L1の方が長い場合、L1を分母に用いることである。この求めた差の割合を平均することで、差の割合の平均を求めることができる。この測定点の選択には、太陽電池を縦横それぞれ4等分した線の交点から、測定対象の太陽電池の縦、横の長さに対して5%以内の範囲から選択する。なお、測定範囲はスクライブの間隔よりも狭い範囲で行う。異相が少ないほど第1の長さと第2の長さの差が小さくなる。
そのため、第1の交点8及び第3の交点11の成す第1の長さ12と第2の交点9及び第3の交点11の成す第2の長さ13の差の割合の平均が15%以下であれば、光電変換層3に含まれる異相が十分少ないことを意味することができる。そのため、光励起キャリアの再結合の中心となり変換効率を低下させることや、光電変換層3そのものの質の低下を防ぐことができ、太陽電池の効率を向上させることができる。さらに、第1の交点8及び第3の交点11の成す第1の長さ12と第2の交点9及び第3の交点11の成す第2の長さ13の差の割合の平均が10%以下の場合は、より光電変換層3に含まれる異相を少なくすることを示しているため、より太陽電池の効率を向上させることができる。
なお、上述のように光電変換層3についてXPSにより測定する際には、光電変換層3内部の状態を分析できるように、光電変換層3上のn型層や、その上にある後述する第2電極5を、Arイオンエッチング等により除去してから測定することが好ましい。
(n型層)
n型層4は、光電変換層3と第2電極5との間に存在する層である。図1では、n型層4は、光電変換層3と第2電極5と直接接している。
光電変換層3の上に作製するn型層4は、作製の際に過剰な酸素が存在しないことが望ましい。これは、n型層4に酸素が存在することで、亜酸化銅とn型層4の界面においてn型層4が含む酸素と亜酸化銅が反応し、酸化銅などの異相を生じることがある。この異相はn型層4に酸素が多く含まれているほど生じやすくなる。そのため、n型層4には作製の際に過剰な酸素が存在しないことが望ましい。n層はバッファー層などを含む複数の層から構成されていても良い。
n型層4の作製では、例えば、n型層4はZnOとGeOのスパッタリングターゲットをAr気流中でco-sputterすることで作製できる。
n型層4の厚さは、5nm以上100nm以下であることが好ましい。n型層4の厚さが5nm以下であるとn型層4のカバレッジが悪い場合にリーク電流が発生し、特性を低下させてしまう場合がある。n型層4の厚さが100nmを超えるとn型層4の過度の高抵抗化による特性低下や、透過率低下による短絡電流低下が起こる場合がある。従って、n型層4の厚さは10nm以上50nm以下がより好ましい。また、カバレッジの良い膜を実現するためにn型層4の表面粗さは5nm以下が好ましい。n型層の質が高い場合は200nm程度の膜厚でも動作する太陽電池が構成できる。
光電変換層3の伝導帯下端(Conduction Band Minimum: CBM)の位置(Ecp(eV))とn型層4の伝導帯下の位置(Ecn(eV))の差である伝導帯オフセット(ΔE=Ecp−Ecn)は、−0.2eV以上0.6eV以下(−0.2eV≦ΔE≦+0.6eV)であることが好ましい。伝導帯オフセットが0より大きいとpn接合界面の伝導帯が不連続となりスパイクが生じる。伝導帯オフセットが0より小さいとpn接合界面の伝導帯が不連続となりクリフが生じる。スパイク及びクリフはどちらも光生成電子の障壁となるため小さい方が好ましい。従って、伝導帯オフセットは、0.0eV以上0.4eV以下(0.0eV≦ΔE≦+0.4eV)であることがより好ましい。ただし、ギャップ内準位を利用して伝導する場合はこの限りではない。CBMの位置は、以下の手法を用いて見積もることができる。電子占有準位の評価法である光電子分光により価電子帯上端(Valence Band Maximum: VBM)を実測し、続いて既知のバンドギャップを仮定してCBMを算出する。しかしながら、実際のpn接合界面では、相互拡散や陽イオンの空孔発生など理想的な界面を維持していないため、バンドギャップが変化する可能性が高い。このため、CBMも直接的に光電子放出の逆過程を利用する逆光電子分光により評価することが好ましい。具体的には、太陽電池表面を低エネルギーイオンエッチングと正・逆光電子分光測定の繰り返しにより、pn接合界面の電子状態を評価できる。
(第2電極)
図1では、第2電極5は、n型層4と直接接している。第2電極5としては、透明導電膜が好ましい。透明導電膜は、第1電極2と同様の材料を用いることが好ましい。
太陽電池100の組成などは、X線光電子分光(X-ray Photoelectron Spectroscopy: XPS)及び二次イオン質量分析(Secondary Ion Mass Spectrometry; SIMS)によって求められる。また、各層の厚さや粒径は、太陽電池100の断面を10万倍で透過型電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope: TEM)による観察を行えばよい。表面粗さは原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscope; AFM)で観察を行えばよい。
(第3電極)
実施形態の第3電極は、光電変換素子100の電極であって、第2電極5の上の光吸収層3側とは反対側に形成された金属膜である。第3電極としては、NiやAl等の導電性の金属膜を用いることができる。第3電極の膜厚は、例えば、200nm以上2000nm以下である。また、第2電極5の抵抗値が低く、直列抵抗成分が無視できるほどの場合等には、第3電極を省いても構わない。
(反射防止膜)
実施形態の反射防止膜は、光吸収層3へ光を導入しやすくするための膜であって、第2電極5上又は第3電極上の光吸収層3側とは反対側に形成されている。反射防止膜としては、例えば、MgF2やSiO2を用いることが望ましい。なお、実施形態において、反射防止膜を省くことができる。各層の屈折率に応じて膜厚を調整する必要があるが、70〜130nm(好ましくは、80〜120nm)程度蒸着することが好ましい。
ここで、本実施形態にかかる太陽電池の作製方法について説明する。
(作製方法)
図3に、本実施形態に係る太陽電池の製造方法のフローチャートを示す。
基板1の上に第1電極22となる材料をスパッタなどで製膜する。(S1)。次に真空装置へ導入し、真空引きを行う(S2)。真空条件下で光電変換層3となる材料をスパッタなどで製膜する(S3)。光電変換層3を製膜後、n型層4を製膜する(S4)。その後、第2電極5となる材料をスパッタなどで製膜する(S5)。作製する際はスーパーストレート型でもサブストレート型でもよい。
n型層4の製造方法は、上記のみに限られない。例えば、CBD(Chemical Bath Deposition)、CVD(Chemical Vapor Deposition)、ALD(Atomic Layer Deposition)、塗布法、電析法などが挙げられる。
本実施形態に係る太陽電池は、第1電極と、第2電極と、第1電極と第2電極の間に設けられる光電変換層と、を備える太陽電池であって、太陽電池の透過率を700〜1000nmの波長域で測定した際に透過率の平均が60%以上である。そのため、光励起キャリアの再結合中心となり変換効率を低下させることや、光電変換層そのものの質を低下させることを防ぎ、高効率な太陽電池とすることができる。
(第2実施形態)
第2実施形態は、多接合型太陽電池に関する。図4に第2実施形態の多接合型太陽電池200の断面概念図を示す。図4の多接合型太陽電池200は、光入射側に第1実施形態の太陽電池(第1太陽電池)100と、第2太陽電池201を有する。第2太陽電池201の光電変換層3のバンドギャップは、第1実施形態の太陽電池100の光電変換層3よりも小さいバンドギャップを有する。なお、実施形態の多接合型太陽電池は、3以上の太陽電池を接合させた太陽電池も含まれる。
第1実施形態の太陽電池100の光電変換層3のバンドギャップが約2.0eVであるため、第2太陽電池201の光電変換層3のバンドギャップは、1.0eV以上1.4eV以下であることが好ましい。第2太陽電池201の光電変換層3としては、Inの含有比率が高いCIGS系、CIT系及びCdTe系、CuO系のうちのいずれか1種以上の化合物半導体層又は結晶シリコンであることが好ましい。
第1の実施形態に係る太陽電池を第1太陽電池とすることで、第1太陽電池での意図しない波長域の光を吸収してしまうことによりボトムセル(第2太陽電池)の変換効率を低下させることを防ぐことができるので、効率の良い多接合型太陽電池とすることができる。
(第3実施形態)
第3実施形態は、太陽電池モジュールに関する。図5に第3実施形態の太陽電池モジュール300の斜視概念図を示す。図5の太陽電池モジュール300は、第1太陽電池モジュール301と第2太陽電池モジュール302を積層した太陽電池モジュールである。第1太陽電池モジュール301は、光入射側であり、第1実施形態の太陽電池100を用いている。第2の太陽電池モジュール302には、第2太陽電池201を用いることが好ましい。
図6に太陽電池モジュール300の断面概念図を示す。図6では、第1太陽電池モジュール301の構造を詳細に示し、第2太陽電池モジュール302の構造は示していない。第2太陽電池モジュール302では、用いる太陽電池の光電変換層3などに応じて適宜、太陽電池モジュールの構造を選択する。図6の太陽電池モジュールは、複数の太陽電池100(太陽電池セル)が横方向に並んで電気的に直列に接続した破線で囲われたサブモジュール303が複数含まれ、複数のサブモジュール303が電気的に並列もしくは直列に接続している。
太陽電池100は、スクライブされていて、隣り合う太陽電池100は、上部側と第2電極55と下部側の第1電極22が接続している。第3実施形態の太陽電池100も第1実施形態の太陽電池100と同様に、基板1、第1電極22、光電変換層33、n型層44と第2電極55を有する。
モジュール毎に出力電圧が異なると電圧の低い部分に電流が逆流したり、余計な熱を発生させたりすることがあるためモジュールの出力低下につながる。
また、本願の太陽電池を用いると各波長帯に適した太陽電池を用いることができるため、単体で用いたときと比較して効率良く発電できるようになり、モジュールの全体の出力が増大するため望ましい。
モジュール全体の変換効率が高いと、照射された光エネルギーのうち、熱になるエネルギー割合を低くすることができる。そのためモジュール全体の温度が上昇による効率の低下を抑制することができる。
(第4実施形態)
第4実施形態は太陽光発電システムに関する。第3実施形態の太陽電池モジュール300は、第4実施形態の太陽光発電システムにおいて、発電を行う発電機として用いることができる。実施形態の太陽光発電システムは、太陽電池モジュールを用いて発電を行うものであって、具体的には、発電を行う太陽電池モジュールと、発電した電気を電力変換する手段と、発電した電気をためる蓄電手段又は発電した電気を消費する負荷とを有する。図7に実施形態の太陽光発電システム400の構成概念図を示す。図7の太陽光発電システムは、太陽電池モジュール401(300)と、コンバーター402と、蓄電池403と、負荷404とを有する。蓄電池403と負荷404は、どちらか一方を省略しても良い。負荷404は、蓄電池403に蓄えられた電気エネルギーを利用することもできる構成にしてもよい。コンバーター402は、DC−DCコンバーター、DC−ACコンバーター、AC−ACコンバーターなど変圧や直流交流変換などの電力変換を行う回路又は素子を含む装置である。コンバーター402の構成は、発電電圧、蓄電池403や負荷404の構成に応じて好適な構成を採用すればよい。
太陽電池モジュール300に含まれる受光したサブモジュール301に含まれる太陽電池セルが発電し、その電気エネルギーは、コンバーター402で変換され、蓄電池403で蓄えられるか、負荷404で消費される。太陽電池モジュール401には、太陽電池モジュール401を常に太陽に向けるための太陽光追尾駆動装置を設けたり、太陽光を集光する集光体を設けたり、発電効率を向上させるための装置等を付加することが好ましい。
太陽光発電システム400は、住居、商業施設や工場などの不動産に用いられたり、車両、航空機や電子機器などの動産に用いられたりすることが好ましい。実施形態の変換効率に優れた太陽電池を太陽電池モジュール401に用いることで、発電量の増加が期待される。
以下、実施例に基づき本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例]
トップセルを作製し、光透過率、XPS値、変換効率を測定する。
(実施例1)
白板ガラス基板上に、裏面側の第1電極としてITO透明導電膜、その上にSbドープしたSnO2透明導電膜を堆積する。透明な第1電極上に窒素及び酸素とアルゴンガスの割合(O2/(Ar+O2)比)が0.078の雰囲気中でスパッタリング法により450℃で加熱して亜酸化銅化合物を成膜する。その後、室温でスパッタリング法によりp−亜酸化銅層上にn型のZn0.8Ge0.2Oxを堆積し、その上に反射防止膜としてMgFを堆積する。この後表面側の第2電極としてAZO透明導電膜を堆積する。また表面側の第2電極堆積時には亜酸化銅の酸化を抑制するため室温で製膜する必要があるが、例えばAZOを用いる事により室温でも低抵抗な膜が得られる。AZOのターゲットは、ZnOに対してAlの割合が2wt%から3wt%程度が好ましいが素子に対して十分低い抵抗値かつ高い透過率であればこの限りではない。
平均透過率の測定は、次の通りである。
装置は紫外可視近赤外分析光度計(島津製作所 型式:UV-3101PC)を用いた。太陽電池の縦横それぞれ4等分にし、太陽電池を縦横それぞれ4等分した線の交点を5カ所選ぶ。それぞれの交点から、測定対象の太陽電池の縦、横の長さに対して5%以内の範囲から測定点を選択し、それぞれの透過率を700〜1000nmの範囲を1nm刻みで求め、平均した。こうして測定した5カ所の測定点の透過率から、太陽電池の平均透過率を求め、表1に記載した。
XPS値の測定は次のように行った。光電変換層のXPSによる元素分析は、まず、太陽電池からArイオンエッチングを用いて第2電極及びn型層を除去し、p型の半導体層を露出させた。次に、露出した光電変換層に対し、下記の装置及び測定条件を用いて測定した。使用機器は、島津製作所 AXIS Ultra DLDを用い、励起源としてmonochro(Al-Kα)(15kV×15mA)を用いた。測定の際のモードは、Analyser modeはSpectrum、Lens ModeはHybridとした。また光電子取出し角は45°で行い、取込領域を、Wide scanでは結合エネルギー値が0〜1200eVの範囲、Narrow scanでは亜酸化銅のメインピークが見えるCu2pの926~942 eVの範囲、C1sの278〜294eVの範囲で行った。またこの際の、Pass Energy はWide scanで160 eV、Narrow scanで10 eVで行った。測定は結合エネルギー値が0.1eV刻みになるよう測定した。帯電補正は、表面汚染炭化水素のC1sピークを284.8 eVとして行った。
この測定を光電変換層に対して5箇所行い、それぞれの差の平均を求めた。表1には差の割合の平均の範囲が10%以内であれば◎、差の割合の平均の範囲が15%以内であれば○とし、15%より大きい場合は×と表記した。
変換効率の測定方法は、以下の通りである。
AM1.5Gの光源を模擬したソーラーシミュレータを用い、その光源下で基準となるSiセルを用いて1sunになるように光量を調節する。気温は25℃。横軸を電圧、縦軸を電流密度とした際に、横軸と交わる点がVocとなり、電圧計でVocをカバーするような値(たとえば、1.6V)からJscが測定できる範囲(マイナス領域、たとえば−0.4V)まで電圧スイープを行い、その際の電流値を測定する。太陽電池の面積で除した値が電流密度(mA/cm)となり、印加電圧が0Vでの電流密度の値がJsc(短絡電流密度)となる。
効率ηはη=Voc×Jsc×FF/P×100
Pは入射パワー密度、AM1.5の疑似太陽光を基準太陽電池セルで校正する。
FFはFF=Vmpp×Jmpp/(Voc×Jsc)で求まる。Vmpp、JmppはV×Jの積が一番大きくなる点でのV、Jの値である。
これらの結果を表1に記載した。また、表2〜表4には実施例2〜24及び比較例6〜9の結果を記載した。表1〜表3には、実施例1を基準として、他の実施例及び比較例の太陽電池効率(FF)を算出した。
(実施例2〜実施例6)
酸素とアルゴンガスの割合を表1記載の通りとした以外、実施例1と同様に作製、測定した。
(比較例2)
n型層を堆積する際に酸素気流が存在し、ターゲットにZn+Geを用いた以外、実施例1と同様に作製、測定した。
(比較例3)
n型層を堆積する際にターゲットにZnO+Geを用いた以外、比較例2と同様に作製、測定した。
(比較例4)
n型層を堆積する際にターゲットにZn+GeO2を用いた以外、比較例2と同様に作製、測定した。
(実施例7〜10、比較例8、比較例9)
第1電極としてタングステン(W)を用い、酸素とアルゴンガスの割合を表2記載の通りとした以外、実施例1と同様に作製、測定した。
(実施例13)
亜酸化銅を製膜する際に400℃で行った以外実施例8と同様に作製、測定した。
(実施例14)
亜酸化銅化合物を製膜する際に600℃で行った以外実施例9と同様に作製、測定した。
(実施例15)
亜酸化銅化合物を製膜する際に400℃で行った以外実施例1と同様に作製、測定した。
(実施例16)
亜酸化銅化合物を製膜する際に600℃で行った以外実施例1と同様に作製、測定した。
(比較例6)
亜酸化銅化合物を製膜する際に350℃で行った以外実施例1と同様に作製、測定した。
(比較例7)
亜酸化銅化合物を製膜する際に750℃で行った以外実施例1と同様に作製、測定した。


表1〜3より、実施例1〜6と比較例2〜4を比較すると、太陽電池の透過率を700〜1000nmの波長域で測定した際の透過率の平均が60%以上であるであることで、優れた効率を達成することができることがわかる。さらに、平均透過率が70%であることでよりよい効率を達成することができる。
また、実施例7〜14と比較例8、比較例9を比較すると、太陽電池の透過率を700〜1000nmの波長域で測定した際の反射率の平均が49%以上であることでも優れた効率を達成することができることがわかる。
同じ温度で作製した太陽電池の場合、透明電極を用いた実施例1〜6までの方が、金属電極を用いた実施例7〜10よりも効率比が高かった。これは、第1電極上の少なくとも一部に酸化物が存在する方が、亜酸化銅形成時の酸素と電極の反応を適度に抑制することができるからである。
また、光電変換層に対してXPS分析を行い、光電変換層をXPSで分析した際に結合エネルギー値が930eV以上934eV以下の範囲に見られる亜酸化銅のピークにおいて、亜酸化銅のピークトップの値の2/3の値を通る水平直線と亜酸化銅のピークとが交わる第1の交点及び第2の交点があり、ピークトップからの水平直線へおろした垂線と水平直線とが交わる第3の交点があり、第1の交点及び第3の交点の成す第1の長さと第2の交点及び第3の交点の成す第2の長さの差の割合の平均が15%以下であることも、太陽電池の変換効率を向上させることができる。これは、光電変換層の内部に存在する異相が少ないため光励起キャリアの再結合の中心となり変換効率を低下させることを防ぎ、光電変換層の質を向上させることや、意図しない波長域の光を吸収してしまうことを防ぐことができるからである。そのため、光電変換層(p層、亜酸化銅)内部での短絡電流密度を向上させることができる。加えて、良好な界面が形成されることで、界面の欠陥準位が低減し、開放電圧を増大させることができる。更に、リーク成分が抑制されることや良質なコンタクトが形成されることにより形状因子も向上し、効率が向上させることができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態そのままに限定解釈されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成することができる。例えば、変形例の様に異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせても良い。
100…太陽電池(第1太陽電池、トップセル)、1…基板、2…第1電極、3…光電変換層、4…n型の化合物半導体層(n型層)、5…第2電極、200…多接合型太陽電池、201…第2太陽電池(ボトムセル)、300…太陽電池モジュール、301第1太陽電池モジュール、302…第2太陽電池モジュール、303…サブモジュール、400…太陽光発電システム、401…太陽電池モジュール、402…コンバーター、403…蓄電池、404…負荷

Claims (10)

  1. 第1電極と、
    第2電極と、
    前記第1電極と前記第2電極の間に設けられる光電変換層と、
    を備える太陽電池であって、
    前記太陽電池の透過率を700〜1000nmの波長域で測定した際に前記透過率の平均が60%以上である太陽電池。
  2. 前記透過率の平均が70%以上である請求項1記載の太陽電池。
  3. 第1電極と、
    第2電極と、
    前記第1電極と前記第2電極の間に設けられ光電変換層と、
    を備える太陽電池であって、
    前記太陽電池の反射率を700〜1000nmの波長域で測定した際に前記反射率の平均が49%以上である太陽電池。
  4. 前記反射率の平均が58%以上である請求項3記載の太陽電池。
  5. 前記光電変換層が亜酸化銅を含む、請求項1ないし4のいずれか一項に記載の太陽電池。
  6. 前記光電変換層をX線光電子分光分析法で分析した際に結合エネルギー値が930eV以上934eV以下の範囲に見られる亜酸化銅のピークにおいて、亜酸化銅のピークトップの値の2/3の値を通る水平直線と前記亜酸化銅のピークとが交わる第1の交点及び第2の交点があり、前記ピークトップからの前記水平直線へおろした垂線と前記水平直線とが交わる第3の交点があり、前記第1の交点及び前記第3の交点の成す第1の長さと前記第2の交点及び前記第3の交点の成す第2の長さの差の割合の平均が15%以下となる請求項1ないし5いずれか一項に記載の太陽電池。
  7. 前記長さの差の割合の平均が10%以下となる請求項6に記載の太陽電池。
  8. 請求項1ないし7のいずれか一項に記載の太陽電池を用いた多接合型太陽電池。
  9. 請求項1ないし7のいずれか一項に記載の太陽電池または請求項8に記載の多接合型太陽電池を用いた太陽電池モジュール。
  10. 請求項9項に記載の太陽電池モジュールを用いて太陽光発電を行う太陽光発電システム。
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