JP2020053285A - 輻射ヒーター及び輻射ヒーターシステム - Google Patents

輻射ヒーター及び輻射ヒーターシステム Download PDF

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Shoichiro Suga
彰一郎 菅
尚久 太田
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尚久 太田
松田 宏
Hiroshi Matsuda
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Abstract

【課題】輻射の指向性を制御することで、高効率に加熱あるいは広い空間範囲を加熱できる輻射ヒーターを提供する。【解決手段】表面に形成されて赤外領域の波長の輻射を増幅する第1の凹凸構造と、表面に形成されて第1の凹凸構造よりも大きな第2の凹凸構造と、を有する輻射体を備える、輻射ヒーター1である。これにより、第1の凹凸構造に由来する指向性と合わせ、第2の凹凸構造によって輻射熱の指向性を制御することで、高効率に加熱あるいは広い空間範囲を加熱できる。さらに輻射ヒーターを有する加熱部と、加熱対象の位置を検出可能な位置センサを有する検出部と、加熱部の位置および/又は向きを変更可能な駆動部と、検出部で検出した情報に基づいて駆動部を制御することにより、加熱部の出力および指向性を制御する制御部と、を備える、輻射ヒーターシステムを提供する。【選択図】図1

Description

本発明は、輻射ヒーター及び輻射ヒーターシステムに関する。
従来、輻射により被加熱物を加熱する輻射ヒーターに関し、輻射される赤外線の波長を制御し、人体等の被加熱物に吸収されやすい特定波長の赤外線を輻射の主波長とするとともに、輻射される赤外線の指向性を高め、被加熱物に向けて選択的に加熱を行うことで、輻射ヒーターの効率を向上させる技術が提案されている。
上記のような輻射ヒーターとしては、例えば、特定波長に対して透過率の高い材料によって構成されるほか、輻射体の表面に微細な光学構造を設け、放射・反射する赤外線に指向性を付与した輻射ヒーターが提案されている(例えば、特許文献1および2を参照)。
特開2017−096516号公報 特開2017−174609号公報
しかしながら、特許文献1および2に記載された輻射ヒーターによって輻射の効率を高めたとしても、例えば様々に変化する姿勢をとる人体を加熱したいときには大型のヒーターが必要となり、高コスト化は避けられない。しかも、そのような大型のヒーターを既設の住設機器に組み込むことは困難である。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、輻射の指向性を制御することにより、高効率に加熱あるいは広い空間範囲を加熱可能な輻射ヒーターを提供することを目的とする。さらに、暖房空間の温度分布が所望の状態になるように、均一化あるいは局在化させる制御を行うことができる。
上記目的を達成するため、本発明は、表面に形成されて赤外領域の波長の輻射を増幅する第1の凹凸構造(例えば、後述の第1の凹凸構造31)と、前記表面に形成されて前記第1の凹凸構造よりも大きな第2の凹凸構造(例えば、後述の第2の凹凸構造32)と、を有する輻射体(例えば、後述の輻射体3)を備える、輻射ヒーター(例えば、後述の輻射ヒーター1)を提供する。
前記第2の凹凸構造は、山部と谷部が所定方向に交互に連続して配置された蛇腹構造(例えば、後述の蛇腹構造33)であってもよい。
前記蛇腹構造は、複数の前記山部および複数の前記谷部が2種類以上の異なる角度を有して構成されることが好ましい。
前記蛇腹構造は、複数の前記山部が2種類以上の異なる高さを有して構成されてもよい。
前記蛇腹構造は、前記所定方向に直交する方向にも山部と谷部が交互に連続して配置されて構成されてもよい。
前記山部および/又は谷部は、略四角錐形状(例えば、後述の四角錐206)または略四角錐台形状(例えば、後述の四角錐台307)を有していてもよい。
前記蛇腹構造は、前記山部の角度が可変であることが好ましい。
前記山部の角度は、前記蛇腹構造を伸縮させることで変更可能とされてもよい。
前記第2の凹凸構造は、曲面を有して構成されてもよい。
前記第2の凹凸構造は、位置および/又は向きが可変であることが好ましい。
また本発明は、加熱対象の位置を検出可能な位置センサを有する検出部と、前記加熱部の位置および/又は向きを変更可能な駆動部と、前記検出部で検出した情報に基づいて前記駆動部を制御することにより、前記加熱部の出力および指向性を制御する制御部と、を備える、輻射ヒーターシステムを提供する。
さらに本発明は、前記山部の角度が可変である蛇腹構造を備える輻射ヒーターを有する加熱部(例えば、後述の加熱部501)と、加熱対象の位置を検出可能な位置センサを有する検出部(例えば、後述の検出部511)と、前記輻射ヒーターの蛇腹構造を伸縮させることで前記山部の角度を変更可能な駆動部(例えば、後述の駆動部513)と、前記検出部で検出した情報に基づいて前記駆動部を制御することにより、前記加熱部の出力および指向性を制御する制御部(例えば、後述の検出部512)と、を備える、輻射ヒーターシステム(例えば、後述の輻射ヒーターシステム500)を提供する。
本発明によれば、輻射の指向性を制御することにより、高効率に加熱あるいは広い空間範囲を加熱可能な輻射ヒーターを提供できる。さらに、暖房空間の温度分布が所望の状態になるように、均一化あるいは局在化させる制御を行うことができる。
本発明の第1実施形態に係る輻射ヒーター1を示す図である。 本発明の実施形態に係るキャビティ構造を示す図である。 本発明の実施形態に係るMIM構造を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る輻射ヒーター1の使用例を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る輻射ヒーター1の輻射制御機構の一例を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る輻射ヒーター101の第2の凹凸構造132を示す図である。 本発明の第3実施形態に係る輻射ヒーター201の第2の凹凸構造232を示す図である。 本発明の第4実施形態に係る輻射ヒーター301の第2の凹凸構造332を示す図である。 本発明の第5実施形態に係る輻射ヒーター401の第2の凹凸構造432の一例を示す図である。 本発明の第5実施形態に係る輻射ヒーター401の第2の凹凸構造432の一例を示す図である。 本発明の輻射ヒーターシステム500の概要を示す図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されない。
<輻射ヒーター>
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る輻射ヒーター1を示す図である。
本実施形態に係る輻射ヒーター1は、例えば人体等の被加熱物を加熱するために用いられる。具体的には、例えば、パネルヒーター、床暖房、壁紙、炬燵等として用いられる。
図1に示すように、本実施形態に係る輻射ヒーター1は、収容部2と、輻射体3と、電源装置4と、を備える。
収容部2は、輻射体3を収容可能な構造を有する。収容部2の材質や形状については特に制限されないが、加熱される輻射体3を収容するため、金属や耐熱性樹脂等、一定の耐熱性を有する材質により構成されることが好ましい。収容部2は、床暖房や壁暖房のように建物の一部であってもよいし、独立した筐体であってもよい。
輻射体3は、後述する電源装置4により直接あるいは間接に通電加熱されることで一定の波長領域を有する赤外線(電磁波)を輻射する。該赤外線が被加熱物に吸収されることで被加熱物が加熱される。被加熱物としては、例えば人体が挙げられる。
輻射体3の材質としては、特に制限されず、一定の耐熱性を有する材質であればよい。このような材質としては、例えば、金属、セラミックス、耐熱性樹脂等が挙げられる。但し、輻射体3の加熱方式を、輻射体3に直接通電して加熱する直接抵抗加熱とする場合、輻射体3としては一定の導電性及び抵抗率を有する金属やセラミックスを用いることが好ましい。輻射体3の加熱方式として直接抵抗加熱を用いる場合、高い加熱効率が得られる。
また、輻射体3の加熱方式を、他の輻射体に通電して輻射体3を加熱する間接抵抗加熱とする場合、輻射体3の材質は導電性や抵抗率を有するものに限定されず、樹脂等を輻射体3の材質として用いる事ができるため、後述の第1の凹凸構造31を輻射体3に容易に形成することができる。
図2は、本発明の第1実施形態に係る第1の凹凸構造31を示す図である。
輻射体3は、第1の凹凸構造31を表面に有する。これにより、輻射に指向性を持たせることができる。第1の凹凸構造31としては特に限定されず、例えば、キャビティ構造やMIM構造によって指向性を発揮できる。
より詳しくは、第1の凹凸構造31は例えば、図2Aに示すキャビティ構造である。キャビティ構造31は、孔311と、壁部312とを有し、電磁波は孔311の開口部から輻射される。この際に、開口部の形状に由来して、輻射体3が面する向きに対して数度の、比較的狭い角度範囲内の方向に電磁波が輻射される。
また第1の凹凸構造31は例えば、図2Bに示すMIM構造である。MIM構造は、基板313上に導電体層314、誘電体層315、導電体層不連続層316が基板側からこの順に形成される。この表面の光学構造に由来して、輻射体3が面する向きに対して約50°〜60°の、比較的広い角度範囲内の方向に電磁波が輻射される。
また、輻射体3の形状により、輻射の指向性を制御することができる。すなわち、第1の凹凸構造31が所望の方向を向くような第2の凹凸構造32を設けることで、その方向に向けて輻射を行うことができる。また輻射体3の加熱方式を他の輻射体により加熱する間接抵抗加熱とする場合には、輻射体3をシート状とし、所望の指向性に対応する形状とした他の輻射体と組み合わせて用いることができる。これにより、表面への第1の凹凸構造の形成および所望の形状への加工を容易に両立させることができる。
第1の凹凸構造31および第2の凹凸構造32のない輻射ヒーターでは単に輻射体から放射状に輻射されるのに対し、本実施形態に係る輻射ヒーター1は第1の凹凸構造31および第2の凹凸構造32に由来する指向性を有するために、所望の方向に効率よく輻射を行うことができるほか、より遠くまで輻射熱を伝えることが可能である。
また、第1の凹凸構造31に由来する輻射が広い角度範囲への指向性を有する場合には、輻射を狭めて集中させるような第2の凹凸構造32を設けてもよい。このような場合には、輻射に係る電磁波の流束が集中することで、当該集中する方向における加熱効率が向上する。
電源装置4は、輻射体3に通電する装置である。電源装置4によって通電された輻射体3は、内部抵抗によりジュール熱を発生し加熱され、一定温度に達すると一定の波長領域を有する赤外線(電磁波)を輻射する。
電源装置4は、輻射体3に通電可能な装置であれば特に制限されない。また、電源装置4による加熱方式は輻射体3に直接通電して加熱する直接抵抗加熱を用いた加熱方式には限定されず、間接抵抗加熱を用いた加熱方式としてもよい。例えば、所望の指向性を備える輻射体3を既存のパネルヒーター等の輻射ヒーターに貼り付けることで輻射体3を加熱してもよい。
その他、電源装置4による誘導加熱や誘電加熱により輻射体3を加熱してもよい。
[指向性の制御]
上述したように、輻射体3はその形状および表面に備える第1の凹凸構造31に由来して、指向性を有する。したがって、表面形状および第1の凹凸構造31を適切に設計し、組み合わせることで、この指向性を制御することができる。これにより、高効率に加熱あるいは広い空間範囲を加熱可能な輻射ヒーターを提供できる。さらに、暖房空間の温度分布が所望の状態になるように、均一化あるいは局在化させることができる。
以下に、本実施形態に係る輻射ヒーター1について、図を参照しながら具体的に説明する。
図3は、本発明の第1実施形態に係る輻射ヒーター1の使用例を示す図である。
本実施形態に係る輻射ヒーター1の輻射体3は、表面に形成されて赤外領域の波長の輻射を増幅する第1の凹凸構造31と、前記表面に形成されて第1の凹凸構造31よりも大きな第2の凹凸構造32と、を有する。本実施形態において第2の凹凸構造32は、山部と谷部が所定方向に交互に連続して配置された蛇腹構造33である。蛇腹構造33は、表面に第1の凹凸構造を有する複数の短冊状輻射体5が連なって構成される。輻射ヒーター1は、鉛直壁面に平行に設置され、水平方向に対向して輻射暖房を行う。
輻射体3が表面に第1の凹凸構造31を有することによって、第1の凹凸構造31による輻射の指向性に由来して、輻射体3から一定の角度範囲内の方向に向けて輻射を行うことができるため、暖房効率が向上する。加えて輻射体3が蛇腹構造33を形成していることで、複数の短冊状輻射体5の表面が、蛇腹の折れ目を境に異なる方向に対向することとなる。これにより、短冊状輻射体5が対向する方向に対して選択的に輻射を行うことができる。
輻射ヒーター1が所望の方向に選択的に輻射暖房を行えることで、例えば図3のように、人体の縦長形状に対応して加熱を行うことができる。すなわち、輻射ヒーター1を鉛直方向に蛇腹を連ねて設置した場合、輻射ヒーター1の鉛直方向幅以上の高さに対応して加熱を行うことができる。広範囲を加熱するための大型のヒーターを製造する場合と比べ、取扱いが容易であるほか、コストの削減が可能である。
また、短冊状輻射体5の連なり角を変更することで、第2の凹凸構造32の位置および/又は向きは、可変とされる。これにより、用途や状況に応じて輻射の指向性を制御し、輻射ヒーター1の可動域の範囲内で、用途や状況に応じて所望の箇所について加熱を行うことができる。例えば、立位、座位に応じて加熱範囲を変更することが可能である。
図4は、本発明の第1実施形態に係る輻射ヒーター1の輻射制御機構の一例を示す図である。表面に輻射体3が貼り付けられた蛇腹状のシートの上端にポールが取り付けられており、引き上げ機によってポールを上下させることで、シートを伸縮させて蛇腹の角度を変えることができる。これにより、加熱範囲を制御することができる。
なお、短冊状輻射体5の連なり角を可変とするための機構については、これに限定されるものではない。
[輻射体3の製造方法]
第1の凹凸構造31を表面に有する輻射体3の製造方法としては、特に制限されないが、例えばキャビティ構造であれば、フォトリソグラフィによる方法が挙げられる。フォトリソグラフィによるキャビティ構造の形成方法を以下に例示する。
まず、輻射体3の基材表面に感光物質(レジスト)をスピンコート等により均一に塗布し、乾燥させた後、孔311の開口部形状に対応する所望のパターンで露光するパターニングを行う。
次に、不要箇所のレジストを現像液により除去する。
次に、レジストが除去された箇所をドライエッチング、ウェットエッチング等によりエッチングする。この際のエッチング条件により、孔311の深さを調整できる。
エッチング後、基材上に残ったレジストを除去することにより、キャビティ構造が形成される。
上記工程後、必要に応じてスパッタリング法等により、輻射体3の表面を金属で被覆する。以上により、キャビティ構造を表面に有する輻射体3を製造できる。
また、MIM構造であれば、例えば除去法やリフトオフ法によって製造することができる。除去法やリフトオフ法によるMIM構造の形成方法を以下に例示する。
除去法においては、スパッタリング法等によって誘電体層315の上に導電体層を成膜したのち、さらにその上にレジストを塗布し、フォトマスク等を用いて所望のパターンで露光するパターニングを行う。
続いて、レジストによって保護されておらず、露出している導電体層を湿式エッチングやドライエッチングにより除去する。
エッチング後、基材上に残ったレジストを除去することにより、導電体不連続層316が形成され、MIM構造を表面に有する輻射体3を製造できる。
リフトオフ法においては、まずスパッタリング法等によって誘電体層315の上にレジストを塗布し、フォトマスク等を用いて所望のパターンで露光するパターニングを行う。
続いて、パターン形成されたレジスト層の上から、全面に導電体層を形成する。
その後、レジスト層を溶剤で除去することで、レジスト層上の導電体も合わせて除去されることとなり、表面には導電体不連続層316が形成され、MIM構造を表面に有する輻射体3を製造できる。
上記のようにして第1の凹凸構造31を表面に有する輻射体3を製造することができるが、製法はこれに限定されるものではなく、例えば印刷や転写を行うことにより第1の凹凸構造31が形成されてもよい。また、例えば蛇腹構造33の折り目上など、ヒーターの指向性制御が困難あるいは効果が小さい場所においては第1の凹凸構造31を形成しなくともよく、これにより製造コストの低減や生産工程の短縮がされる。
以下に説明する本発明の第2〜第5実施形態に係る輻射ヒーターは、第1実施形態において指向性をさらに制御する具体的な実施形態の例を開示するものである。
(第2実施形態)
図5は、本発明の第2実施形態に係る輻射ヒーター101の第2の凹凸構造132を示す図である。
本発明の第2実施形態に係る輻射ヒーター101は、第1実施形態に係る輻射ヒーター1と蛇腹構造133の構成が異なる。本実施形態の蛇腹構造133は、複数の山部および複数の谷部が2種類以上の異なる角度を有して構成される。若しくは、複数の山部が2種類以上の異なる高さを有して構成されてもよい。これにより、輻射に係る電磁波の流束分布をより細かく制御することができ、効率よく輻射暖房を行うことができる。
輻射体103は鉛直方向に関し、短冊状輻射体105の連なり角が中央部でより鈍角になり、両端側でより鋭角になる。これにより、中央部の短冊状輻射体105は両端側と比較して輻射の水平方向成分が大きくなるため、図3に示す人体の腹部のあたりを重点的に暖めることができる。なお、蛇腹の連なり角は用途や周囲の環境に応じて適宜変更してもよく、例えば足元を重点的に暖めるように赤外線の輻射を制御する構成であってもよい。
(第3実施形態)
図6は、本発明の第3実施形態に係る輻射ヒーター201の第2の凹凸構造232を示す図である。
本発明の第3実施形態に係る輻射ヒーター201は、第1および第2実施形態に係る輻射ヒーター1,101と比較して、蛇腹構造233の構成が異なる。本実施形態の蛇腹構造233は、前記所定方向に直交する方向にも山部と谷部が交互に連続して配置されて構成される。具体的には、山部に略四角錐構造を有する。輻射範囲を鉛直方向だけでなく水平方向に関しても制御することができるため、輻射方向の自由度が向上する。なお図6においては凸型に形成される四角錐206を示しているが、四角錐206は凹型に形成されていてもよく、凸型の場合と同様に指向性の制御が可能である。
これにより例えば、ヒーター201の正面に位置しない物体など、ヒーター201を設置した居室空間の所望の方向に輻射することができる。さらに、ヒーター201一台のみで居室空間を広範囲にわたって暖めることも可能である。また、第2の凹凸構造232が水平方向にも可変となるため、輻射方向の自由度が大きく向上する。
(第4実施形態)
図7は、本発明の第4実施形態に係る輻射ヒーター301の第2の凹凸構造332を示す図である。
本発明の第4実施形態に係る輻射ヒーター301は、第1〜第3実施形態に係る輻射ヒーター1,101,201と比較して、蛇腹構造333の構成が異なる。本実施形態の蛇腹構造333は、第3実施形態に係る蛇腹構造233において、山部に略四角錐台構造を有する。3次元蛇腹構造に平面構造を組み合わせることで、指向性の調整の自由度を高めることができる。なお図7において四角錐台307は凸型に形成されるものを示しているが、凹型に形成されていてもよく、凸型の場合と同様に指向性の制御が可能である。
これにより、輻射体303の正面方向への輻射を確保しつつ、その周囲方向へも輻射を行うことができる。また平面構造と3次元蛇腹構造の面積比を調節することによって、各方向への輻射に係る電磁波の流束分布を制御することができ、用途や周囲の環境等に応じて加熱箇所を設計できる。
(第5実施形態)
図8および図9は、本発明の第5実施形態に係る輻射ヒーター401の第2の凹凸構造432を示す図である。
本発明の第5実施形態に係る輻射ヒーター401は、第1〜第4実施形態に係る輻射ヒーター1,101,201,301と比較して、第2の凹凸構造432の構成が異なる。本実施形態の第2の凹凸構造432は、曲面を有して構成される。例えば凹型の球面や放物面などを使用することで、赤外線を集光することができる。これにより指向性をさらに高め、より高効率に輻射暖房を行うことができる。逆に、凸形の曲面を使用することで広範囲に赤外線を拡散させることも可能である。
図8に示すような半円筒状の凹面を有する短冊状輻射体405を連ねることで、鉛直方向の赤外線を集光することができる。また、図9に示すような凹型の半球面構造を有して構成されることで、鉛直および水平方向の赤外線を集光することができる。
<輻射ヒーターシステム>
次に、本発明の輻射ヒーターシステムの実施形態について説明する。図10は、本発明の輻射ヒーターシステム500の概要を示す図である。
本発明の輻射ヒーターシステム500は、輻射ヒーター501を有する加熱部と、加熱対象の位置を検出可能な位置センサを有する検出部511と、前記加熱部の位置および/又は向きを変更可能な駆動部512と、前記検出部で検出した情報に基づいて前記駆動部を制御することにより、前記加熱部の出力および指向性を制御する制御部513と、を備える。輻射ヒーター501は第1〜第5実施形態に準ずるものであり、指向性を制御可能である。また輻射ヒーターシステム500は、位置センサを複数設けることで位置情報を組み合わせて制御を行ってもよいし、位置情報に応じて複数の輻射ヒーター501を同時に制御してもよい。
これにより、位置センサによって検出した位置情報に対応して、輻射ヒーター501の指向性を制御して効率的なスポット暖房を行うことができる。また加熱部の出力の制御も可能であり、人体を検出した時のみに輻射ヒーター501が稼動するため省エネルギーであるほか、人体と輻射ヒーター501との距離に応じて出力を制御することで、暖房使用者8の快適性や安全性が向上する。
本実施形態は効率的なスポット暖房を行えるため、空調暖房がなされない空間において特に有効であり、例えば冬場に室温が低くなりがちな脱衣所において有効である。輻射ヒーター501を天井、壁面、床面あるいは洗面台等に取り付けることができ、脱衣時や洗面台の使用時等、位置センサにより検出した位置に応じてスポット暖房を行うことで、暖房使用者8が快適に使用することができる。
本実施形態はさらに、熱対流の制御がしにくい廊下や開放空間においても有効である。空間の空気を暖める空調暖房に対し、輻射暖房は加熱対象を輻射伝熱により直接加熱できるため、空調暖房が開放空間にて十分に機能できないのに対し、輻射暖房は開放空間においてもその機能を損なわない。そのため、例えば日本家屋における縁側のような空間においても効率的に作用することができる。
また本実施形態は、同一室内にいる複数の個人に合わせて、各人に適した出力で暖房を行うことができる。例えば、立位であったり調理等の動作を行っている個人に向けては弱い出力で、座位または伏位であったり静止状態にある個人に対しては強い出力で輻射することで、個々人に適した暖房を行うことができる。
以上、本発明の輻射ヒーターおよび輻射ヒーターシステムによれば、以下のような効果を奏する。
本発明の第1実施形態に係る輻射ヒーター1は、表面に形成されて赤外領域の波長の輻射を増幅する第1の凹凸構造と、前記表面に形成されて前記第1の凹凸構造よりも大きな第2の凹凸構造と、を有する輻射体を備える。
これにより、第1の凹凸構造31および第2の凹凸構造32に由来する指向性を有するために、所望の方向に効率よく輻射を行うことができるほか、より遠くまで輻射熱を伝えることが可能である。
また、第1実施形態において、前記第2の凹凸構造は、山部と谷部が所定方向に交互に連続して配置された蛇腹構造である。
これにより、山部及び谷部を構成する複数の短冊状輻射体5の表面が、蛇腹の折れ目を境に異なる方向に対向することとなり、短冊状輻射体5が対向する方向に対して選択的に輻射を行うことができる。
また、本発明の第2実施形態に係る輻射ヒーター101において、前記蛇腹構造は、複数の前記山部および複数の前記谷部が2種類以上の異なる角度を有して構成されるか、複数の前記山部が2種類以上の異なる高さを有して構成される。
これにより、輻射に係る赤外線の流束分布をより細かく制御することができ、効率よく輻射暖房を行うことができる。
また、本発明の第3実施形態に係る輻射ヒーター201において、前記蛇腹構造は、前記所定方向に直交する方向にも山部と谷部が交互に連続して配置されて構成される。
これにより、輻射範囲を鉛直方向だけでなく水平方向に関しても制御することができるため、輻射方向の自由度が向上する。
また、本発明の第4実施形態に係る輻射ヒーター301において、前記山部および/又は谷部は、略四角錐形状または略四角錐台形状を有する。
これにより、輻射範囲を鉛直方向だけでなく水平方向に関しても制御しつつ、平面構造を組み合わせることで、指向性の調整の自由度を高めることができる。
また、本発明の第5実施形態に係る輻射ヒーター401において、第2の凹凸構造は曲面を有して構成される。
凹型の球面や放物面などの球面を使用することで、放射する赤外線を集光することができる。これにより指向性をさらに高め、より高効率に輻射暖房を行うことができる。逆に、凸形の曲面を使用することで広範囲に赤外線を拡散させることも可能である。
また、第1実施形態において、前記蛇腹構造を伸縮させることによって、前記山部の角度が可変とされる。
これにより、用途や状況に応じて輻射の指向性を制御し、輻射ヒーターの可動域の範囲内で、用途や状況に応じて所望の箇所について加熱を行うことができる。なお第2の凹凸構造の位置および/又は向きを可変とする手段は、蛇腹構造を伸縮させることに限定されない。例えば、輻射体を自在に折り曲げることによって第2の凹凸構造の位置および/又は向きを変更してもよい。
また、本発明の輻射ヒーターシステム500は、上記いずれかの輻射ヒーターを有する加熱部と、加熱対象の位置を検出可能な位置センサを有する検出部と、前記加熱部の位置および/又は向きを変更可能な駆動部と、前記検出部で検出した情報に基づいて前記駆動部を制御することにより、前記加熱部の出力および指向性を制御する制御部と、を備える。
これにより、位置センサによって検出した位置情報に対応して、輻射ヒーター501の指向性を制御して効率的なスポット暖房を行うことができる。また加熱部の出力の制御により、省エネルギー性や暖房使用者8の快適性および安全性が向上する。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良は本発明に含まれる。
例えば、上記実施形態においては、輻射ヒーター1を、電源装置4によって輻射体3に直接又は間接に通電等して加熱するものとして説明したが、本発明において輻射体の加熱方式は電気を加熱源とするものには限定されず、燃料を加熱源とするものであってもよい。例えば、燃料によって加熱した流体等により輻射を行う床暖房や壁暖房等を、本発明に係る輻射体を備えるものとして構成してもよい。
また、上記実施形態においては、輻射ヒーター1を壁面に据え付ける壁暖房等のように、輻射体3の収容部2は建物等に固定されたものとして説明したが、これに限定されない。例えば、輻射体3の収容部2は箱状の本体部を有するものであり、独立した筐体を構成するヒーターであってもよい。
また、本実施形態においては、第1の凹凸構造を有する輻射体3の製造方法を、フォトリソグラフィを用いた方法や除去法、リフトオフ法として説明したが、これに限定されない。第1の凹凸構造を有する輻射体の製造方法としては、輻射体表面に微細パターンを形成できる公知の方法を用いる事ができる。例えば、ナノインプリント法やモールドを用いた射出成型等により、第1の凹凸構造を輻射体表面に形成してもよい。
1,101,201,301,401,501 輻射ヒーター
2 収容部
3,103,203,303,403 輻射体
31 第1の凹凸構造
311 孔部
312 壁部
313 基板
314 導電体層
315 誘電体層
316 導電体層不連続層
32,132,232,332,432 第2の凹凸構造
33,133,233,333 蛇腹構造
4 電源装置
5,105,405 短冊状輻射体
206 四角錐
307 四角錐台
8 暖房使用者
9 ポール
10 引き上げ機
500 輻射ヒーターシステム
511 検出部
512 制御部
513 駆動部

Claims (11)

  1. 表面に形成されて赤外領域の波長の輻射を増幅する第1の凹凸構造と、前記表面に形成されて前記第1の凹凸構造よりも大きな第2の凹凸構造と、を有する輻射体を備える、輻射ヒーター。
  2. 前記第2の凹凸構造は、山部と谷部が所定方向に交互に連続して配置された蛇腹構造である、請求項1に記載の輻射ヒーター。
  3. 前記蛇腹構造は、複数の前記山部および複数の前記谷部が2種類以上の異なる角度を有して構成される、請求項2に記載の輻射ヒーター。
  4. 前記蛇腹構造は、複数の前記山部が2種類以上の異なる高さを有して構成される、請求項2または3に記載の輻射ヒーター。
  5. 前記蛇腹構造は、前記所定方向に直交する方向にも山部と谷部が交互に連続して配置されて構成される、請求項2〜5のいずれかに記載の輻射ヒーター。
  6. 前記山部および/又は谷部は、略四角錐形状または略四角錐台形状を有する、請求項5に記載の輻射ヒーター。
  7. 前記蛇腹構造は、前記山部の角度が可変である、請求項2〜6のいずれかに記載の輻射ヒーター。
  8. 前記山部の角度は、前記蛇腹構造を伸縮させることで変更可能とされる、請求項7に記載の輻射ヒーター。
  9. 前記第2の凹凸構造は、曲面を有して構成される、請求項1〜8のいずれかに記載の輻射ヒーター。
  10. 前記第2の凹凸構造の位置および/又は向きが可変である、請求項1〜9のいずれかに記載の輻射ヒーター。
  11. 請求項1〜10に記載の輻射ヒーターを有する加熱部と、
    加熱対象の位置を検出可能な位置センサを有する検出部と、
    前記加熱部の位置および/又は向きを変更可能な駆動部と、
    前記検出部で検出した情報に基づいて前記駆動部を制御することにより、前記加熱部の出力および指向性を制御する制御部と、を備える、輻射ヒーターシステム。
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