JP2020053285A - 輻射ヒーター及び輻射ヒーターシステム - Google Patents
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Abstract
Description
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る輻射ヒーター1を示す図である。
本実施形態に係る輻射ヒーター1は、例えば人体等の被加熱物を加熱するために用いられる。具体的には、例えば、パネルヒーター、床暖房、壁紙、炬燵等として用いられる。
図1に示すように、本実施形態に係る輻射ヒーター1は、収容部2と、輻射体3と、電源装置4と、を備える。
また、輻射体3の加熱方式を、他の輻射体に通電して輻射体3を加熱する間接抵抗加熱とする場合、輻射体3の材質は導電性や抵抗率を有するものに限定されず、樹脂等を輻射体3の材質として用いる事ができるため、後述の第1の凹凸構造31を輻射体3に容易に形成することができる。
輻射体3は、第1の凹凸構造31を表面に有する。これにより、輻射に指向性を持たせることができる。第1の凹凸構造31としては特に限定されず、例えば、キャビティ構造やMIM構造によって指向性を発揮できる。
より詳しくは、第1の凹凸構造31は例えば、図2Aに示すキャビティ構造である。キャビティ構造31は、孔311と、壁部312とを有し、電磁波は孔311の開口部から輻射される。この際に、開口部の形状に由来して、輻射体3が面する向きに対して数度の、比較的狭い角度範囲内の方向に電磁波が輻射される。
また第1の凹凸構造31は例えば、図2Bに示すMIM構造である。MIM構造は、基板313上に導電体層314、誘電体層315、導電体層不連続層316が基板側からこの順に形成される。この表面の光学構造に由来して、輻射体3が面する向きに対して約50°〜60°の、比較的広い角度範囲内の方向に電磁波が輻射される。
また、第1の凹凸構造31に由来する輻射が広い角度範囲への指向性を有する場合には、輻射を狭めて集中させるような第2の凹凸構造32を設けてもよい。このような場合には、輻射に係る電磁波の流束が集中することで、当該集中する方向における加熱効率が向上する。
電源装置4は、輻射体3に通電可能な装置であれば特に制限されない。また、電源装置4による加熱方式は輻射体3に直接通電して加熱する直接抵抗加熱を用いた加熱方式には限定されず、間接抵抗加熱を用いた加熱方式としてもよい。例えば、所望の指向性を備える輻射体3を既存のパネルヒーター等の輻射ヒーターに貼り付けることで輻射体3を加熱してもよい。
その他、電源装置4による誘導加熱や誘電加熱により輻射体3を加熱してもよい。
上述したように、輻射体3はその形状および表面に備える第1の凹凸構造31に由来して、指向性を有する。したがって、表面形状および第1の凹凸構造31を適切に設計し、組み合わせることで、この指向性を制御することができる。これにより、高効率に加熱あるいは広い空間範囲を加熱可能な輻射ヒーターを提供できる。さらに、暖房空間の温度分布が所望の状態になるように、均一化あるいは局在化させることができる。
本実施形態に係る輻射ヒーター1の輻射体3は、表面に形成されて赤外領域の波長の輻射を増幅する第1の凹凸構造31と、前記表面に形成されて第1の凹凸構造31よりも大きな第2の凹凸構造32と、を有する。本実施形態において第2の凹凸構造32は、山部と谷部が所定方向に交互に連続して配置された蛇腹構造33である。蛇腹構造33は、表面に第1の凹凸構造を有する複数の短冊状輻射体5が連なって構成される。輻射ヒーター1は、鉛直壁面に平行に設置され、水平方向に対向して輻射暖房を行う。
なお、短冊状輻射体5の連なり角を可変とするための機構については、これに限定されるものではない。
第1の凹凸構造31を表面に有する輻射体3の製造方法としては、特に制限されないが、例えばキャビティ構造であれば、フォトリソグラフィによる方法が挙げられる。フォトリソグラフィによるキャビティ構造の形成方法を以下に例示する。
次に、不要箇所のレジストを現像液により除去する。
次に、レジストが除去された箇所をドライエッチング、ウェットエッチング等によりエッチングする。この際のエッチング条件により、孔311の深さを調整できる。
エッチング後、基材上に残ったレジストを除去することにより、キャビティ構造が形成される。
続いて、レジストによって保護されておらず、露出している導電体層を湿式エッチングやドライエッチングにより除去する。
エッチング後、基材上に残ったレジストを除去することにより、導電体不連続層316が形成され、MIM構造を表面に有する輻射体3を製造できる。
続いて、パターン形成されたレジスト層の上から、全面に導電体層を形成する。
その後、レジスト層を溶剤で除去することで、レジスト層上の導電体も合わせて除去されることとなり、表面には導電体不連続層316が形成され、MIM構造を表面に有する輻射体3を製造できる。
図5は、本発明の第2実施形態に係る輻射ヒーター101の第2の凹凸構造132を示す図である。
本発明の第2実施形態に係る輻射ヒーター101は、第1実施形態に係る輻射ヒーター1と蛇腹構造133の構成が異なる。本実施形態の蛇腹構造133は、複数の山部および複数の谷部が2種類以上の異なる角度を有して構成される。若しくは、複数の山部が2種類以上の異なる高さを有して構成されてもよい。これにより、輻射に係る電磁波の流束分布をより細かく制御することができ、効率よく輻射暖房を行うことができる。
図6は、本発明の第3実施形態に係る輻射ヒーター201の第2の凹凸構造232を示す図である。
本発明の第3実施形態に係る輻射ヒーター201は、第1および第2実施形態に係る輻射ヒーター1,101と比較して、蛇腹構造233の構成が異なる。本実施形態の蛇腹構造233は、前記所定方向に直交する方向にも山部と谷部が交互に連続して配置されて構成される。具体的には、山部に略四角錐構造を有する。輻射範囲を鉛直方向だけでなく水平方向に関しても制御することができるため、輻射方向の自由度が向上する。なお図6においては凸型に形成される四角錐206を示しているが、四角錐206は凹型に形成されていてもよく、凸型の場合と同様に指向性の制御が可能である。
図7は、本発明の第4実施形態に係る輻射ヒーター301の第2の凹凸構造332を示す図である。
本発明の第4実施形態に係る輻射ヒーター301は、第1〜第3実施形態に係る輻射ヒーター1,101,201と比較して、蛇腹構造333の構成が異なる。本実施形態の蛇腹構造333は、第3実施形態に係る蛇腹構造233において、山部に略四角錐台構造を有する。3次元蛇腹構造に平面構造を組み合わせることで、指向性の調整の自由度を高めることができる。なお図7において四角錐台307は凸型に形成されるものを示しているが、凹型に形成されていてもよく、凸型の場合と同様に指向性の制御が可能である。
図8および図9は、本発明の第5実施形態に係る輻射ヒーター401の第2の凹凸構造432を示す図である。
本発明の第5実施形態に係る輻射ヒーター401は、第1〜第4実施形態に係る輻射ヒーター1,101,201,301と比較して、第2の凹凸構造432の構成が異なる。本実施形態の第2の凹凸構造432は、曲面を有して構成される。例えば凹型の球面や放物面などを使用することで、赤外線を集光することができる。これにより指向性をさらに高め、より高効率に輻射暖房を行うことができる。逆に、凸形の曲面を使用することで広範囲に赤外線を拡散させることも可能である。
次に、本発明の輻射ヒーターシステムの実施形態について説明する。図10は、本発明の輻射ヒーターシステム500の概要を示す図である。
本発明の輻射ヒーターシステム500は、輻射ヒーター501を有する加熱部と、加熱対象の位置を検出可能な位置センサを有する検出部511と、前記加熱部の位置および/又は向きを変更可能な駆動部512と、前記検出部で検出した情報に基づいて前記駆動部を制御することにより、前記加熱部の出力および指向性を制御する制御部513と、を備える。輻射ヒーター501は第1〜第5実施形態に準ずるものであり、指向性を制御可能である。また輻射ヒーターシステム500は、位置センサを複数設けることで位置情報を組み合わせて制御を行ってもよいし、位置情報に応じて複数の輻射ヒーター501を同時に制御してもよい。
これにより、第1の凹凸構造31および第2の凹凸構造32に由来する指向性を有するために、所望の方向に効率よく輻射を行うことができるほか、より遠くまで輻射熱を伝えることが可能である。
これにより、山部及び谷部を構成する複数の短冊状輻射体5の表面が、蛇腹の折れ目を境に異なる方向に対向することとなり、短冊状輻射体5が対向する方向に対して選択的に輻射を行うことができる。
これにより、輻射に係る赤外線の流束分布をより細かく制御することができ、効率よく輻射暖房を行うことができる。
これにより、輻射範囲を鉛直方向だけでなく水平方向に関しても制御することができるため、輻射方向の自由度が向上する。
これにより、輻射範囲を鉛直方向だけでなく水平方向に関しても制御しつつ、平面構造を組み合わせることで、指向性の調整の自由度を高めることができる。
凹型の球面や放物面などの球面を使用することで、放射する赤外線を集光することができる。これにより指向性をさらに高め、より高効率に輻射暖房を行うことができる。逆に、凸形の曲面を使用することで広範囲に赤外線を拡散させることも可能である。
これにより、用途や状況に応じて輻射の指向性を制御し、輻射ヒーターの可動域の範囲内で、用途や状況に応じて所望の箇所について加熱を行うことができる。なお第2の凹凸構造の位置および/又は向きを可変とする手段は、蛇腹構造を伸縮させることに限定されない。例えば、輻射体を自在に折り曲げることによって第2の凹凸構造の位置および/又は向きを変更してもよい。
これにより、位置センサによって検出した位置情報に対応して、輻射ヒーター501の指向性を制御して効率的なスポット暖房を行うことができる。また加熱部の出力の制御により、省エネルギー性や暖房使用者8の快適性および安全性が向上する。
2 収容部
3,103,203,303,403 輻射体
31 第1の凹凸構造
311 孔部
312 壁部
313 基板
314 導電体層
315 誘電体層
316 導電体層不連続層
32,132,232,332,432 第2の凹凸構造
33,133,233,333 蛇腹構造
4 電源装置
5,105,405 短冊状輻射体
206 四角錐
307 四角錐台
8 暖房使用者
9 ポール
10 引き上げ機
500 輻射ヒーターシステム
511 検出部
512 制御部
513 駆動部
Claims (11)
- 表面に形成されて赤外領域の波長の輻射を増幅する第1の凹凸構造と、前記表面に形成されて前記第1の凹凸構造よりも大きな第2の凹凸構造と、を有する輻射体を備える、輻射ヒーター。
- 前記第2の凹凸構造は、山部と谷部が所定方向に交互に連続して配置された蛇腹構造である、請求項1に記載の輻射ヒーター。
- 前記蛇腹構造は、複数の前記山部および複数の前記谷部が2種類以上の異なる角度を有して構成される、請求項2に記載の輻射ヒーター。
- 前記蛇腹構造は、複数の前記山部が2種類以上の異なる高さを有して構成される、請求項2または3に記載の輻射ヒーター。
- 前記蛇腹構造は、前記所定方向に直交する方向にも山部と谷部が交互に連続して配置されて構成される、請求項2〜5のいずれかに記載の輻射ヒーター。
- 前記山部および/又は谷部は、略四角錐形状または略四角錐台形状を有する、請求項5に記載の輻射ヒーター。
- 前記蛇腹構造は、前記山部の角度が可変である、請求項2〜6のいずれかに記載の輻射ヒーター。
- 前記山部の角度は、前記蛇腹構造を伸縮させることで変更可能とされる、請求項7に記載の輻射ヒーター。
- 前記第2の凹凸構造は、曲面を有して構成される、請求項1〜8のいずれかに記載の輻射ヒーター。
- 前記第2の凹凸構造の位置および/又は向きが可変である、請求項1〜9のいずれかに記載の輻射ヒーター。
- 請求項1〜10に記載の輻射ヒーターを有する加熱部と、
加熱対象の位置を検出可能な位置センサを有する検出部と、
前記加熱部の位置および/又は向きを変更可能な駆動部と、
前記検出部で検出した情報に基づいて前記駆動部を制御することにより、前記加熱部の出力および指向性を制御する制御部と、を備える、輻射ヒーターシステム。
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2018
- 2018-09-27 JP JP2018182322A patent/JP2020053285A/ja active Pending
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