JP2020053249A - 燃料電池システム - Google Patents

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雄也 草野
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Abstract

【課題】燃料電池スタックから排出されるカソード排出ガスに含有される水蒸気を効率的に活用して、カソード供給ガスの冷却を効率良く行うこと。【解決手段】燃料電池スタック、カソードガス供給装置、及びコンプレッサによって圧縮された後であって燃料電池スタックに供給される前のカソード供給ガスを冷却するためのカソード供給ガス冷却装置を備えている燃料電池システムであって、カソード供給ガス冷却装置が、インタクーラ及び吸湿器を備えており、吸湿器が、燃料電池スタックから排出されるカソード排出ガスに含有される水蒸気を吸湿性液体に吸収させ、インタクーラが、その第一内部流路を流れるカソード供給ガスを、その第二内部流路を流れる吸湿性液体からの水蒸気の気化潜熱によって冷却する、燃料電池システム。【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池システムに関する。
燃料電池は、電気的に接続された2つの電極に、それぞれ、水素ガスのような燃料ガス(アノード供給ガス)と酸素のような酸化剤ガス(カソード供給ガス)を供給し、電気化学的に燃料の酸化を起こさせることで、化学エネルギーを直接電気エネルギーに変換する。この燃料電池は、通常、電解質膜を一対の電極で挟持した膜電極接合体を基本構造とする単セルを複数積層して構成されている。中でも、電解質膜として固体高分子電解質膜を用いた固体高分子電解質型燃料電池は、小型化が容易であること、低い温度で作動すること、などの利点があることから、特に携帯用、移動体用電源として注目されている。
燃料電池において、水素が供給されたアノード(燃料極)では下記(1)式の反応が進行する。
→ 2H + 2e ・・・(1)
上記(1)式で生じる電子(e)は、外部回路を経由し、外部の負荷で仕事をした後、カソード(酸化剤極)に到達する。他方で、上記(1)式で生じたプロトン(H)は、水と水和した状態で、電気浸透により電解質膜内をアノード側からカソード側に移動する。
一方、カソードでは下記(2)式の反応が進行する。
2H + 1/2O + 2e → HO ・・・(2)
したがって、電池全体では下記(3)に示す化学反応が進行し、起電力が生じて外部負荷に対して電気的仕事がなされる。
+ 1/2O → HO ・・・(3)
このような燃料電池は、固定式の電源として用いられるだけでなく、電気自動車の動力源として用いられている。
ここで、従来のガソリン自動車では、エンジンの発熱量の8割程度を排気ガスとして放出することができたため、ラジエタによって冷却する必要があるのは、残りの2割程度であった。一方で、上記のような燃料電池を用いる自動車においては、排気ガス分が水及び水蒸気のみからなるため、ほぼすべての発熱をラジエタによって冷却しなければならない。これは、ラジエタサイズの大型化などをもたらし、コスト面だけではなくフロントボディの意匠的制約が大きくなるなどの問題を生じる。
燃料電池においては、カソード供給ガス(空気)を効率よく燃料電池スタックに供給するために、コンプレッサなどを用いてカソード供給ガスが圧縮されることがある。この圧縮によってカソード供給ガスが高温となるため、インタクーラなどによって、これを冷却する必要がある。この冷却が十分に行われないと、燃料電池スタックに比較的高温のカソード供給ガスが供給されることとなり、燃料電池スタック自体の冷却に必要な負荷が増大し、燃料電池システム全体の冷却性能の低下につながる。また、圧縮されたカソード供給ガスは電解質膜の耐熱温度を超えているため、この耐熱温度以下にカソード供給ガスを冷却する必要がある。
カソード供給ガスの冷却に関して、下記のように様々な方式が検討されている。
例えば、特許文献1は、冷却手段を備えている燃料電池用圧縮空気供給装置を開示している。当該文献によれば、この冷却手段は、燃料電池から排出されたガスと燃料電池に供給される圧縮空気とを熱交換し、圧縮空気を冷却する。
また、特許文献2は、燃料電池スタックのカソード出口から排出されるカソード排出ガスを水分供給源とする加湿器によって、燃料電池スタックのカソード入口に供給されるカソード供給ガスを加湿する燃料電池システムを開示している。当該文献によれば、カソード排出ガスを冷却するインタクーラが、カソード出口と加湿器とを連結するカソード排出ガス配管に設置される。
また、特許文献3において開示されている燃料電池システムでは、燃料電池スタックで生成された水を捕捉する捕捉部材が、圧縮機によって圧縮された空気と熱交換可能な位置に配置される。当該文献では、熱交換によって捕捉部材から蒸発する水の蒸発潜熱を利用して、圧縮機から吐出される空気を冷却することが記載されている。
特開2002−56865号公報 特開2011−49131号公報 特開2018−55931号公報
上記のように、カソード供給ガスの冷却に際して、燃料電池スタックからのカソード排出ガスを利用する技術が開発されてきた。特に、燃料電池スタックからカソード排出ガスと共に排出される水を水蒸気に変えてその気化潜熱を利用することで、冷却効率を高めることが可能となる。しかしながら、排出される水が、カソード排出ガスに含有される水蒸気の状態である場合には、潜熱冷却に必要な液体水を確保することができず、潜熱冷却を行うことができない。
本開示に係る発明は、このような観点から、燃料電池スタックから排出されるカソード排出ガスに含有される水蒸気を効率的に活用して、カソード供給ガスの冷却を効率良く行うことを目的とする。
本開示は、以下の手段によって上記の目的を達成するものである。
燃料電池スタック、カソード供給ガスを圧縮して前記燃料電池スタックに供給するコンプレッサを有しているカソードガス供給装置、及び、前記コンプレッサによって圧縮された後であって前記燃料電池スタックに供給される前の前記カソード供給ガスを冷却するためのカソード供給ガス冷却装置、を備えている燃料電池システムであって、
前記カソード供給ガス冷却装置が、インタクーラ、及び吸湿器を備えており、
前記吸湿器が、水蒸気を吸収する吸湿性液体を有しており、
前記吸湿器が、前記燃料電池スタックから排出されるカソード排出ガスに含有される水蒸気を、前記吸湿性液体に吸収させ、
前記インタクーラが、前記コンプレッサによって圧縮された後であって前記燃料電池スタックに供給される前の前記カソード供給ガスが流入する第一内部流路、及び前記水蒸気を吸収した前記吸湿性液体が流入する第二内部流路を有する熱交換器であり、それによって前記第一内部流路を流れる前記カソード供給ガスを、前記第二内部流路を流れる前記吸湿性液体からの水蒸気の気化潜熱によって冷却する、
燃料電池システム。
本開示によれば、燃料電池スタックから排出されるカソード排出ガスに含有される水蒸気を効率的に活用して、カソード供給ガスの冷却を効率良く行うことができる。
図1は、本開示に係る燃料電池システムの概略的な構成図である。 図2は、1つの実施形態に係る吸湿器の断面図を概略的に示したものである。 図3は、1つの実施形態に係るインタクーラの内部を示す概略的な断面図である。 図4は、冷却対象に適用される吸湿性液体の量が沸騰性能に及ぼす影響を評価した結果である。 図5は、吸湿性液体としてのトリエチレングリコール(TEG)の水蒸気吸脱着特性を評価した結果である。 図6は、吸湿性液体としての1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムクロリド([Hmim]Cl)の水蒸気吸脱着特性を評価した結果である。 図7は、吸湿性液体としての1−メチル−3−オクチルイミダゾリウムクロリド([Omim]Cl)の水蒸気吸脱着特性を評価した結果である。
以下、図面を参照して本開示に係る燃料電池システムの実施形態について詳細に説明する。本開示は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本開示の要旨の範囲内で種々変形して実施できる。図面に示されている形態は、本開示の例示であり、本開示を限定するものではない。なお、以下の説明では、同様な構成要素には同一の参照番号を付す。
本開示の燃料電池システムは、
燃料電池スタック、カソード供給ガスを圧縮して燃料電池スタックに供給するコンプレッサを有しているカソードガス供給装置、及び、コンプレッサによって圧縮された後であって燃料電池スタックに供給される前のカソード供給ガスを冷却するためのカソード供給ガス冷却装置、を備えており、
カソード供給ガス冷却装置が、インタクーラ、及び吸湿器を備えており、
吸湿器が、水蒸気を吸収する吸湿性液体を有しており、
吸湿器が、燃料電池スタックから排出されるカソード排出ガスに含有される水蒸気を、吸湿性液体に吸収させ、
インタクーラが、コンプレッサによって圧縮された後であって燃料電池スタックに供給される前のカソード供給ガスが流入する第一内部流路、及び水蒸気を吸収した吸湿性液体が流入する第二内部流路を有する熱交換器であり、それによって第一内部流路を流れるカソード供給ガスを、第二内部流路を流れる吸湿性液体からの水蒸気の気化潜熱によって、冷却する。
上述のように、燃料電池システムにおけるカソード供給ガスの冷却を行う上では、燃料電池スタックからのカソード排出ガスを冷却に利用することが、効率性の観点などから有用である。特に、カソード排出ガスに含まれる水を冷却対象からの熱によって水蒸気に変えることで、気化潜熱を利用した冷却を行うことができる。しかしならが、排出される水が水蒸気の状態である場合には、潜熱冷却に必要な液体水を確保することができず、潜熱冷却を行うことが困難になるおそれがある。
本件発明者らは、燃料電池スタックから排出される水のうち、気化した水蒸気に着目して、本開示の燃料電池システムを開発した。すなわち、本開示の1つの実施形態では、燃料電池スタックから排出される水蒸気を、吸湿性液体によって吸収する。そして、カソード供給ガスが流れている流路などの冷却対象からの熱によって、吸湿性液体に吸収された水を水蒸気に変え、そのときの気化潜熱を利用して、カソード供給ガスの冷却を行う。
すなわち、本開示の燃料電池システムによれば、燃料電池スタックから排出される液状の水だけではなく、水蒸気も潜熱冷却に利用することが可能となる。これにより、例えば水蒸気を冷却に使用せずに系外に放出する場合と比較して、カソード供給ガスの冷却効率を高めることができる。また、相変化を伴わずに水蒸気をそのまま冷却に利用する場合と比較しても、気体ではなく液体の状態で熱交換を行うことによって、カソード供給ガスの冷却効率を高めることができる。
さらに、本開示の燃料電池システムによれば、燃料電池スタックが高負荷にある場合でも、冷却に用いる水を確保することが可能となる。すなわち、低速から高速走行の場合には、燃料電池スタックからの生成水量と潜熱冷却に必要な液体水量とのバランスが保たれているが、燃料電池スタックが高温である場合には、燃料電池スタック内部を流れる空気も高温となり、飽和水蒸気量が上昇してしまう。この場合には、発電量の増加に伴って電気化学反応によって水が大量に生成したとしても、生成した液体水の大部分が、水蒸気となってしまう。本開示の燃料電池システムによれば、そのような場合、例えば山道におけるトレーラ牽引時などの超高負荷の場合であっても、水蒸気となった水を吸湿性液体によって吸収することができるため、潜熱冷却に使用することのできる水を確保することが可能となる。
したがって、本開示の燃料電池システムによれば、例えば、液体水が豊富なときにタンク等に液体水を貯めて置いて不足時にこれを利用する方法と比較して、タンク容量の大型化及びロバスト性の問題などの懸念がなくなる。また、凝縮器等によって高温の水蒸気を強制的に冷却し凝縮させる場合と比較して、ラジエタの必要性及び装置の大型化が生じない。
以上のように、本開示の燃料電池システムによれば、燃料電池スタックから排出されるカソード排出ガスに含有される水蒸気を効率的に活用して、カソード供給ガスの冷却を効率良く行うことができる。
図1は、本開示の1つの実施形態に係る燃料電池システム100の概略的な構成図である。
≪燃料電池システム≫
本開示の燃料電池システムは、燃料電池スタック10、カソード供給ガスを圧縮して燃料電池スタック10に供給するコンプレッサ23を有しているカソードガス供給装置20、及び、コンプレッサ23によって圧縮された後であって燃料電池スタック10に供給される前のカソード供給ガスを冷却するためのカソード供給ガス冷却装置50を備えている。なお図1では、燃料電池スタック10に対してアノード供給ガスの供給を行うためのアノードガス供給装置、燃料電池スタック10を冷却する冷媒(例えばロングライフクーラント(LLC))を循環させるための冷媒循環装置、電子制御ユニット、及び、燃料電池スタック10の出力端子に電気的に接続される各種の電装部品については、本発明の主要部分ではないため図示を省略している。
図1の実施形態では、アノード供給ガスとして水素を使用し、カソード供給ガスとして空気を使用している。
〈カソード供給ガス冷却装置〉
本開示のカソード供給ガス冷却装置は、インタクーラ、及び吸湿器を備えている。図1において、吸湿器70及びインタクーラ60は、吸湿性液体第一配管51及び吸湿性液体第二配管52によって、互いに接続されている。
(吸湿器)
本開示の吸湿器は、水蒸気を吸収する吸湿性液体を備えている。吸湿器において、燃料電池スタックから排出されるカソード排出ガスに含有される水蒸気が、吸湿性液体に吸収される。
図1の実施形態では、吸湿器70が、カソード排出ガス入口部71、カソード排出ガス出口部72、含水吸湿性液体出口部73、及び吸湿性液体入口部75を備えている。
カソード排出ガスは、燃料電池スタック10内における電気化学反応に使用されなかった余剰の酸素、窒素等の不活性ガス、及び電気化学反応によって生じた水分(液体水及び水蒸気)を含んでいる。
図1の実施形態では、このカソード排出ガスが、カソード排出ガス入口部71を介して、吸湿器70に送られる。そして、吸湿器70において、カソード排出ガスに含まれている水蒸気、及び随意に液体水が、吸湿性液体に吸収される。
図1の実施形態では、水蒸気、及び随意に液体水、を吸収した吸湿性液体が、吸湿器70の含水吸湿性液体出口部73から排出され、水蒸気が除却された高温のカソード排出ガスが、吸湿器70のカソード排出ガス出口部72から排出される。一方で、後述するインタクーラ60から供給される、水を除却された吸湿性液体が、吸湿性液体第二配管52を通って、吸湿器70の吸湿性液体入口部75を介して、吸湿器70に供給される。
図2は、1つの実施形態に係る吸湿器70の断面図を概略的に示したものである。図2に示すように、カソード排出ガス排出通路24の上流側排出配管24aによってカソード排出ガス入口部71を通じて供給されるカソード排出ガス2bが、吸湿器70において、吸湿性液体2aを通過する。当該通過は、図2に示すように、例えばバブリングによって行われることが望ましく、そのようにして、カソード排出ガスと吸湿性液体が激しく攪拌混合され、吸湿性液体への水蒸気の確実な吸収が確保される。
(吸湿性液体)
吸湿性液体は、水蒸気を吸収する。吸湿性液体は、吸湿器において、燃料電池スタックから排出されるカソード排出ガスに含有される水蒸気を吸収する。
吸湿性液体は、水蒸気を吸収することができる液体状のものであれば特に限定されないが、沸点が高く、蒸気圧が低い液体が好ましい。吸湿性液体としては、イオン液体、グリコール類、塩溶液、硫酸、砂糖水溶液等を挙げることができる。グリコール類としては、例えば、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、及びテトラエチレングリコールを挙げることができる。塩溶液としては、塩化ナトリウム水溶液、塩化リチウム水溶液等を挙げることができる。イオン液体としては、例えば、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムクロリド、及び1−メチル−3−オクチルイミダゾリウムクロリドを挙げることができる。
吸湿性液体として上記のイオン液体を使用した場合には、これらの蒸気圧が非常に小さいことに起因して、高温における吸湿性液体の損失が小さくなり、又は実質的にゼロになる。吸湿性液体は、吸湿器とインタクーラとの間を循環する間に高温にさらされるため、高温時に蒸発しない特性を有していることが、特に好ましい。
本開示の1つの実施形態では、吸湿性液体は、水蒸気の吸収及び脱着を繰り返しながら、吸湿器とインタクーラの間を循環する。具体的には、吸湿性液体は、吸湿器70においてカソード排出ガスに含まれる水蒸気を吸収し、吸湿性液体第一配管51を介してインタクーラ60に送られる。そして、インタクーラ60における潜熱冷却によって、少なくとも部分的に水を失った吸湿性液体が、吸湿性液体第二配管52を介して吸湿器70に送られ、吸湿器70において水蒸気を吸収する。
(インタクーラ)
本開示のインタクーラは、コンプレッサによって圧縮された後であって燃料電池スタックに供給される前のカソード供給ガスが流入する第一内部流路、及び水蒸気を吸収した吸湿性液体が流入する第二内部流路を有する熱交換器であり、それによって第一内部流路を流れるカソード供給ガスを、第二内部流路を流れる吸湿性液体からの水蒸気の気化潜熱によって冷却する。
本開示の1つの実施形態に係るインタクーラ60は、コンプレッサ23によって圧縮されて高温になったカソード供給ガス(以下「圧縮カソード供給ガス」という。)及び水蒸気を吸収した吸湿性液体が供給されるように構成されており、かつ、供給された吸湿性液体に含まれている水の気化潜熱によって圧縮カソード供給ガスを冷却するように構成されている熱交換器である。このような熱交換器としては、例えば蒸発器が挙げられる。
図1の実施形態では、インタクーラ60が、圧縮カソード供給ガス入口部61、圧縮カソード供給ガス出口部62、並びに、圧縮カソード供給ガス入口部61及び圧縮カソード供給ガス出口部62を連通している第一内部流路63を備えており、かつ、含水吸湿性液体入口部64、吸湿性液体出口部65、並びに、含水吸湿性液体入口部64及び吸湿性液体出口部65を連通している第二内部流路66を備えており、さらに、潜熱冷却により生じた水蒸気を排出するための水蒸気排出管54を備えている。
図3は、本開示の1つの実施形態に係るインタクーラ60の内部を示す概略的な断面図である。
図3に示すように、インタクーラ60の内部には、隔壁67によって仕切られた第一内部流路63及び第二内部流路66が形成されており、第一内部流路63を流れる圧縮カソード供給ガスの熱を、隔壁67を介して、第二内部流路66内の吸湿性液体3aに吸収されている水に伝えることができるようになっている。
1つの実施形態によれば、第一内部流路63及び第二内部流路66は、第一内部流路63を流れる圧縮カソード供給ガスとの熱交換によって第二内部流路66内に生じた水蒸気3cが、第一内部流路63に流入しないように、それぞれが独立した流路となっている。すなわち、第二内部流路66内に生じた水蒸気3cが、インタクーラ60の内部で圧縮カソード供給ガスの加湿に使用されることなく、水蒸気排出管54を通じて、インタクーラ60の外部に排出されるようになっている。
これにより、カソード供給ガスの供給を受ける燃料電池スタック10の温度が上昇しにくくなり、燃料電池スタック10を冷却するための負荷が低減されるという効果がもたらされ、その結果として、燃料電池システム全体としての冷却性能の低下がさらに抑制される。また、圧縮されることにより電解質膜の耐熱温度を超えたカソード供給ガスの温度を、この耐熱温度以下に冷却することができる。
ただし、第二内部流路66内に生じた水蒸気の少なくとも一部が、圧縮カソード供給ガスの加湿に用いられるようにしてもよい。
図3では、第一内部流路63及び第二内部流路66は、それぞれ平行に紙面左右方向に延びる直線形状とされている。しかしながら、第一内部流路63及び第二内部流路66の流路形状は、圧縮カソード供給ガスと水との間で熱交換ができる形状であれば特に限られるものではなく、例えばU字形状としても良い。
第一内部流路63は、圧縮カソード供給ガス入口部61(図1参照)からインタクーラ60の内部に流入した圧縮カソード供給ガスが実質的に均等に分配されて流入するようになっており、図3に示す例では、紙面左から右に向かって、圧縮カソード供給ガスが第一内部流路63を流れている。
第二内部流路66は、含水吸湿性液体入口部64(図1参照)からインタクーラ60の内部に流入した吸湿性液体3aが実質的に均等に分配されて供給されるようになっている。吸湿性液体3aは、紙面右から左に向かって、第二内部流路66内を流れている(矢印参照)。第二内部流路66に流入した吸湿性液体3aに吸収されている水が、隔壁67を介した圧縮カソード供給ガスとの熱交換によって気化して水蒸気3cとなる。この水蒸気3cが、図3に示す例では、紙面右から左に向かって第二内部流路66を流れ、水蒸気排出管54から排出されるようになっている。図3では、圧縮カソード供給ガスと水蒸気3c及び吸湿性液体3aとが、インタクーラ60の内部で対向するように流れているが、この態様に限らず、それぞれ同じ向きに流れるようにしてもよい。
ここで、第二内部流路66における吸湿性液体3aは、できる限り少ない量で、かつ、第二内部流路66に面している隔壁67の表面を覆うために十分な量で供給されることが望ましい。
図4は、冷却対象に適用される吸湿性液体の量が沸騰性能に及ぼす影響を小型評価試験器によって評価した結果であり、吸湿性液体として1−メチル−3−オクチルイミダゾリウムクロリドを使用したものである。この実験結果において見られるように、吸湿性液体が大量にあるような状況下での沸騰(「プール沸騰」)では、冷却対象の温度上昇が顕著となり、また、吸湿性液体自体の温度上昇に熱が利用され、冷却効率が低下する。これに対して、吸湿性液体が少量であり、熱交換表面を薄く覆っている状態下の沸騰(「蒸発」)では、冷却対象の温度上昇が抑制されており、吸湿性液体自体の温度上昇も起こりにくく、冷却効率が高い。したがって、水の気化による潜熱を有効に利用するためには、水を吸収した吸湿性液体が、冷却対象の表面において薄膜状で存在していることが、望ましい。
論理によって限定する意図はないが、本開示に係るインタクーラ60による圧縮カソード供給ガスの冷却についてのメカニズムを説明すると、以下のようになる。すなわち、圧縮カソード供給ガスが第一内部流路63内を流れると、圧縮カソード供給ガスの熱が隔壁67に伝達され、隔壁67の温度が上昇する。そして、隔壁67の温度が第二内部流路66内を流れる吸湿性液体3aに吸収されている水に伝わり、水が気化する。このときの気化潜熱によって、隔壁67の温度上昇を或る一定の温度までに抑えることができる。すなわち、隔壁67の温度を圧縮カソード供給ガスよりも低い温度、具体的には吸湿性液体3aから水が気化する温度近傍の温度に維持することができる。そのため、圧縮カソード供給ガスと隔壁67との温度差を一定の温度差に維持することができ、圧縮カソード供給ガスの熱を継続的に効率良く隔壁67に伝達して圧縮カソード供給ガスを冷却することができると考えられる。
1つの実施形態で、例えば、第一内部流路63に流入する圧縮カソード供給ガスの温度がおよそ300℃であり、第二内部流路66内を流れる吸湿性液体3aに含まれる水が気化する温度がおよそ100℃であるとすると、この実施形態では、インタクーラ60によって、第一内部流路63に流入した圧縮カソード供給ガスの温度をおよそ100℃まで低下させて、圧縮カソード供給ガス出口部62から流出させることができる。
(吸湿性液体第一配管)
吸湿性液体第一配管51は、一端が吸湿器70の含水吸湿性液体出口部73に接続されており、他端がインタクーラ60の含水吸湿性液体入口部64に接続されている配管である。吸湿器70において水蒸気を吸収した吸湿性液体が、この吸湿性液体第一配管51を流れ、インタクーラ60の含水吸湿性液体入口部64を介して、インタクーラ60内の第二内部流路66に流入する。
(吸湿性液体第二配管)
吸湿性液体第二配管52は、一端がインタクーラ60の吸湿性液体出口部65に接続されており、他端が吸湿器70の吸湿性液体入口部75に接続されている配管である。インタクーラ60内での圧縮カソード供給ガスとの熱交換を経て水を除却された吸湿性液体が、吸湿性液体第二配管52を通って、吸湿器70の吸湿性液体入口部75から吸湿器70内に供給される。1つの実施形態によれば、吸湿性液体第二配管52内の吸湿性液体は、水をほとんど含んでいないか、又は実質的に水を全く含んでいない。
(水蒸気排出管)
水蒸気排出管54は、一端がインタクーラ60の水蒸気出口部68に接続されており、他端が大気に開口している配管である。インタクーラ60内での圧縮カソード供給ガスとの熱交換によって生じた第二内部流路66内の水蒸気が、水蒸気排出管54を介して、燃料電池システム100の系外(本実施形態では大気)に排出される。
〈カソードガス供給装置〉
カソードガス供給装置20は、カソード供給ガス供給通路21、エアクリーナ22、及びコンプレッサ23を備えている。以下、エアクリーナ22側を上流と定義して、カソードガス供給装置20の各構成部品の詳細について説明する。
(カソード供給ガス供給通路)
カソード供給ガス供給通路21は、燃料電池スタック10に供給するカソード供給ガスとしての空気が流れる通路である。カソード供給ガス供給通路21は、上流側供給配管21a及び下流側供給配管21bを備えている。
(上流側供給配管)
上流側供給配管21aは、一端がエアクリーナ22に接続されており、他端が前述のインタクーラ60の圧縮カソード供給ガス入口部61に接続されている配管である。下流側供給配管21bは、一端が前述のインタクーラ60の圧縮カソード供給ガス出口部62に接続されており、他端が燃料電池スタック10のカソード供給ガス入口部11に接続されている配管である。
(エアクリーナ)
エアクリーナ22は、大気中に配置されており、上流側供給配管21aに吸入される空気中の異物を取り除く役割を果たす。
(コンプレッサ)
コンプレッサ23は、例えば遠心式又は軸流式のターボコンプレッサであってよく、上流側供給配管21aに設けられている。コンプレッサ23は、エアクリーナ22を介して上流側供給配管21aに吸入された空気を圧縮して吐出する。
〈カソード排出ガス排出通路〉
カソード排出ガス排出通路24は、燃料電池スタック10から排出されたカソード排出ガスが流れる通路である。カソード排出ガス排出通路24は、上流側排出配管24a及び下流側排出配管24bを備えている。
上流側排出配管24aは、一端が燃料電池スタック10のカソード排出ガス出口部12に接続されており、他端が前述の吸湿器70のカソード排出ガス入口部71に接続されている配管である。下流側排出配管24bは、一端が前述の吸湿器70のカソード排出ガス出口部72に接続されており、他端が大気に開口している配管である。
〈燃料電池スタック〉
燃料電池スタック10は、電解質膜を一対の電極で挟持した膜電極接合体を基本構造とする単セルが複数積層されたものであり、各単セルが、電気的に直列に接続されている。燃料電池スタック10は、例えば、水素を含有するアノード供給ガス、及び酸素を含有するカソード供給ガスの供給を受けて発電し、発電した電力を、例えば車両を駆動するために必要なモータなどの各種の電装部品に、供給することができる。
≪水蒸気吸脱着特性評価試験≫
吸湿性液体としての各種試薬について、水蒸気吸脱着特性を調べた。具体的には、以下の表1に示す各種試薬に関して、水蒸気吸脱着等温線測定を行った。測定装置としてはBELSORP−max(マイクロトラックベル)を使用した。20℃において、相対湿度0〜85%における各試薬の水蒸気吸脱着量を測定した。本測定における水蒸気吸脱着量が高いほど、効率よく水蒸気を吸収できることを示している。
結果を、以下の表1及び図5〜図7に示す。

・トリエチレングリコール:東京化成工業、純度99.0%以上
・1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムクロリド:東京化成工業、純度98.0%以上
・1−メチル−3−オクチルイミダゾリウムクロリド:東京化成工業、純度98.0%以上
図5〜図7は、それぞれ、吸湿性液体としてのトリエチレングリコール(TEG)、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムクロリド([Hmim]Cl)、及び1−メチル−3−オクチルイミダゾリウムクロリド([Omim]Cl)の水蒸気吸脱着特性評価の結果を示している。
上記評価結果により、燃料電池スタックのカソード排出ガスで想定される範囲にある相対湿度80%において、試薬1gあたりの水蒸気吸着量が、0.58〜0.69gであることが分かった。
≪水蒸気放出時の吸湿性液体損失評価≫
吸湿性液体に吸収された水が蒸発するときの吸湿性液体の損失量を評価するために、加熱後にどれだけの吸湿性液体が蒸発するかを調べた。具体的には、以下の表2に示す各試薬約90mgを秤量し、それぞれの試薬を、9mlバイアルに入れた。そして、蓋をせずに、これらのバイアルを乾燥機に置き、100℃で12時間にわたって加熱して、加熱前後での重量の変化を調べた。
上記結果により、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムクロリド及び1−メチル−3−オクチルイミダゾリウムクロリドの場合には、加熱前後で比較した場合に、重量変化が見られないことが分かった。また、トリエチレングリコールの場合には、加熱後に、加熱前と比較して11%の重量が減少していたことが分かった。
したがって、システムの長期間の運用という観点からは、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムクロリド及び1−メチル−3−オクチルイミダゾリウムクロリドが特に有用であることが、示された。
2a、3a 吸湿性液体
2b カソード排出ガス
3c 水蒸気
10 燃料電池スタック
11 カソード供給ガス入口部
12 カソード排出ガス出口部
20 カソードガス供給装置
21 カソード供給ガス供給通路
21a 上流側供給配管
21b 下流側供給配管
22 エアクリーナ
23 コンプレッサ
24 カソード排出ガス排出通路
24a 上流側排出配管
24b 下流側排出配管
50 カソード供給ガス冷却装置
51 吸湿性液体第一配管
52 吸湿性液体第二配管
54 水蒸気排出管
60 インタクーラ
61 圧縮カソード供給ガス入口部
62 圧縮カソード供給ガス出口部
63 第一内部流路
64 含水吸湿性液体入口部
65 吸湿性液体出口部
66 第二内部流路
67 隔壁
68 水蒸気出口部
70 吸湿器
71 カソード排出ガス入口部
72 カソード排出ガス出口部
73 含水吸湿性液体出口部
75 吸湿性液体入口部
100 燃料電池システム

Claims (1)

  1. 燃料電池スタック、カソード供給ガスを圧縮して前記燃料電池スタックに供給するコンプレッサを有しているカソードガス供給装置、及び、前記コンプレッサによって圧縮された後であって前記燃料電池スタックに供給される前の前記カソード供給ガスを冷却するためのカソード供給ガス冷却装置、を備えている燃料電池システムであって、
    前記カソード供給ガス冷却装置が、インタクーラ及び吸湿器を備えており、
    前記吸湿器が、水蒸気を吸収する吸湿性液体を有しており、
    前記吸湿器が、前記燃料電池スタックから排出されるカソード排出ガスに含有される水蒸気を、前記吸湿性液体に吸収させ、
    前記インタクーラが、前記コンプレッサによって圧縮された後であって前記燃料電池スタックに供給される前の前記カソード供給ガスが流入する第一内部流路、及び前記水蒸気を吸収した前記吸湿性液体が流入する第二内部流路を有する熱交換器であり、それによって前記第一内部流路を流れる前記カソード供給ガスを、前記第二内部流路を流れる前記吸湿性液体からの水蒸気の気化潜熱によって冷却する、
    燃料電池システム。
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