JP2020053118A - 加熱装置および発熱体の加熱方法 - Google Patents

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Toshiyuki Samejima
俊之 鮫島
智由 宮▲崎▼
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智由 宮▲崎▼
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剛 小林
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Izumi Serizawa
和泉 芹澤
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Abstract

【課題】マイクロ波加熱装置において、発熱体の温度を精密にコントロールしながら短時間で被加熱物を加熱、昇温する。【解決手段】マイクロ波加熱装置100は、反射容器40内にマイクロ波を発振するマイクロ波発振機150を備え、発熱管20の管内には、カーボン粉粒体70Mからなるカーボン発熱材70が充填されるとともに、希ガスが封入される。そして、マイクロ波発振機150の電力を制御することによって、30(℃/sec)以上の昇温速度で発熱体を昇温させる。【選択図】図3

Description

本発明は、マイクロ波を用いた加熱装置に関し、特に、マイクロ波を吸収して発熱する発熱体の温度調整に関する。
金属やセラミックスなどを焼成する炉として、マイクロ波を利用した焼成炉が知られている。そこでは、断熱材からなる容器の内壁に、マイクロ波を吸収して発熱する発熱体を塗布する。そして、容器内に金属粉末あるいはセラミック粉末を含有する被加熱物を設置し、電子レンジ内に容器を所定時間入れて焼成する(特許文献1参照)。発熱体としては、例えば、耐熱性の高い2種類の炭化ケイ素粉末と、水ガラス、粘土物質などの耐熱性材とを混合したものが使用される。
特開2001−284039号公報
発熱体の加熱処理時間を短縮することが被加熱物の短時間による高速焼成をもたらすことから、マイクロ波を利用して熱源となる発熱体をできる限り高速昇温させることが必要となる。しかしながら、容器内壁に発熱体を塗布する上記マイクロ波加熱装置では、電気抵抗が大きいケイ素が発熱体に含まれるため、今まで以上の高速昇温を実現することが難しい。また、短時間の高速焼成を実現するためには、発熱体を高速昇温させながら、温度の乱れなく発熱体の温度を所望する温度へ到達させる必要もある。
したがって、精密に温度コントロールしながら発熱体の高速昇温を実現可能な加熱装置および加熱方法が求められる。
本発明の加熱装置は、マイクロ波を吸収して発熱するカーボンを含む発熱材と、マイクロ波を透過し、発熱材が内部に配置される容器とを有する発熱体と、発熱体の温度を測定する温度測定部とを備える。例えば、カーボン粉粒体の発熱材が容器内に充填可能である。この場合、発熱材の全体厚さおよび粉粒体の充填率の少なくとも一方が、粒子間の熱伝導による昇温よりもマイクロ波吸収による昇温が支配的となるように、定められる。また、発熱材に対して不活性な流体を容器内に封入することもできる。
本発明では、加熱装置が、30(℃/sec)以上の昇温速度で発熱体を昇温させ、発熱体の温度を目標温度に合わせて維持するように、測定された温度に基づいてマイクロ波を発熱体に照射する。ここでの30(℃/sec)以上の昇温速度とは、温度が上昇している過程で一時的に測定される昇温速度を示し、昇温速度がほぼ一定で温度上昇している期間の昇温速度を表す。
例えば加熱装置は、発熱体を、30(℃/sec)以上の昇温速度で目標温度付近の温度まで昇温させ、その後、漸近的に目標温度へ近づくように発熱体を昇温させることが可能である。一方、加熱装置は、発熱体を、30(℃/sec)以上の降温速度で降温させることも可能である。
加熱装置は、発熱体へマイクロ波を照射するマグネトロンと、マグネトロンの電力を制御する制御部とを備える構成にすることができる。制御部が、マグネトロンの電力を制御することによって、30(℃/sec)以上の昇温速度で発熱体を昇温させることができる。例えば、マグネトロンへの電力が100W以上であり、目標温度を800℃以上に定める。
制御部は、駆動開始から目標付近温度到達までマグネトロンの電力を徐々に増加させていくことができる。そして、発熱体の目標付近温度到達に応じて電力を下げ、電力の増減を複数回繰り返す温度制御を行えばよい。一方、制御部は、30(℃/sec)以上の降温速度で発熱体を降温させるとき、電力を徐々に下げればよい。
本発明の他の態様である加熱方法は、マイクロ波を吸収して発熱するカーボンを含む発熱材と、マイクロ波を透過して発熱材を収容する容器とを備えた発熱体に対し、マイクロ波を照射する加熱方法であって、発熱体の温度を測定し、30(℃/sec)以上の昇温速度で発熱体を昇温させ、発熱体の温度を目標温度に合わせ、そして発熱体の温度を目標温度で維持するように、測定された温度に基づいてマイクロ波を発熱体へ照射する。
本発明によれば、短時間で発熱体を所望する温度まで昇温させ、被加熱物を加熱することができる。
マイクロ波加熱装置の概略的構成図である。 第1の実施形態である発熱管の概略的断面図である。 第2の実施形態であるマイクロ波加熱装置の概略的構成図である。 マイクロ波加熱に伴うマイクロ波発振機の電力を時間経過とともに示したグラフである。 マイクロ波加熱に伴う発熱体の温度を時間経過とともに示したグラフである。 発熱体の温度制御に関する制御ブロック図である。
以下では、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、第1の実施形態であるマイクロ波加熱装置の概略的構成図である。図2は、発熱管の概略的断面図である。
マイクロ波多重反射型加熱装置(マイクロ波焼成炉ともいう。以下では、「マイクロ波加熱装置」と称す)10は、マイクロ波を利用して被加熱物を加熱、焼成あるいは乾燥する装置であり、耐熱性のある矩形状のマイクロ波反射容器(以下、反射容器という)40を備える。反射容器40の異なる側面にはマイクロ波発振機(マグネトロン)50が装着されており、反射容器内の発熱管20に向けてマイクロ波が発振される。
反射容器40の空間領域40Mにおける中央部には、発熱管20が支持部材(図示せず)によって設置されており、その傍には、被加熱物30が保持部材(図示せず)によって保持されている。被加熱物としては、例えば、セラミックス、半導体、有機物である。さらに、マイクロ波加熱装置10は、マイクロ波発振機50を制御可能な電源回路(図示せず)と、発熱管20の温度を測定するサーモメータ(放射温度計)(図示せず)を備え、電源回路は、サーモメータによって検出される発熱管20の温度に基づいてマイクロ波発振機50を制御する。
図2に示すように、発熱管(以下、発熱体ともいう)20は、発熱材を配置する容器であり、ここでは、一方の端部に導入管22が形成された密閉性のある有底管状容器で構成され、マイクロ波を透過する石英材によって加熱成形されている。ただし、容器構成はこれに限らず、例えば軸長さに対して内径が大きい円板状容器にしてもよい。発熱管20内には、カーボン発熱材70が発熱管20内部全体をほぼ満たすように充填されている。
カーボン発熱材70は、ここでは流動可能なカーボン粉粒体70Mで構成されている。カーボン粉粒体70Mは、塊状のカーボン素材を粉砕することで得られ、いわゆる粗砕あるいは中砕によって、所定の粒径をもつ粒子の集合体であるカーボン粉粒体70Mを生成する。
カーボン粉粒体70Mの各粒子は不規則な凹凸表面を有するため、カーボン粉粒体70Mを発熱管20内に入れたとき、粒子間に隙間が生じる。粒子間の隙間はカーボン発熱材70全体に存在する。発熱管20の内径、カーボン粉粒体70Mの充填率は、後述するように、マイクロ波吸収による発熱が支配的となるように定められている。
図2に示すように、カーボン発熱材70と発熱管内面20Uの鉛直方向に沿った上端面との間には、管軸方向全体に渡って希ガスで満たされた空間領域Sが形成されている。ただし、図2では空間領域Sのサイズを誇張して描いているため、カーボン粉粒体70Mから構成されるカーボン発熱材70の全体厚さは発熱管20の内径と略等しい。また、発熱管20の端部に形成された導入管22の内部には、カーボン粉粒体70Mを充填させておらず、希ガスで満たされた空間領域が形成されている。
カーボン発熱材70を除く発熱管20内の残余の空間領域は、希ガスによって満たされている。ここでは、ヘリウム、ネオン、アルゴン、キセノンのいずれかのガス、あるいはこれら二種類以上のガスが封入されている。希ガスは、カーボン発熱材70に対して不活性であり、石英ガラスから成る発熱管20に対しても不活性である。
粒子間に隙間のあるカーボン粉粒体70Mおよび希ガスを気密封入した発熱管20に対してマイクロ波を照射すると、マイクロ波がカーボン粉粒体70M全体に対して到達する。特に、発熱管20の中心(軸)付近にあるカーボン粉粒体にも到達する。
その結果、短時間で高温状態に到達することができる。特に、希ガスが発熱管20内に封入されることによって、カーボン粉粒体70Mが大気中の酸素との反応により二酸化炭素化して減量し充填量が少なくなることを防止できる。
カーボン粉粒体70Mが発熱すると、中心付近のカーボン粉粒体70Mで発生する熱が発熱管20外部へ放出される。その結果、発熱管20全体としての熱放射が高まり、被加熱物を短時間で高温状態に到達させることができる。
発熱管20の内径、カーボン粉粒体70Mの充填率は、マイクロ波に照射されるカーボン発熱材70の表面積を増やすことで、短時間による昇温を実現するように定められている。発熱管20の内径が小さすぎるとカーボン粉粒体70Mの量が少なくなり、発熱効果が小さくなる。一方、発熱管20の内径(カーボン発熱材70の全体厚さ)が大きすぎると、発熱管20の中心付近までマイクロ波が届かず、熱伝導による昇温が支配的となって短時間で高温状態にならない。例えば、発熱管20の内径として、1mm〜100mmに設定することが可能である。
カーボン粉粒体70Mの充填率が小さすぎると、充填量の少なさによって熱放射が低下するとともに、発熱管20内でのカーボン粉粒体70Mの径方向あるいは軸方向の偏りによって不均一な高温状態となり、発熱管20への負荷が大きくなる。一方、充填率が大き過ぎると、発熱管20の中心付近へマイクロ波が届きにくくなり、短時間での高温状態への到達が難しい。充填率は、ここでは0.05〜0.2の範囲に定められている。ただし、充填率は、発熱管20内の空間体積に対するカーボン粉粒体70Mの体積割合を表す。
希ガス、カーボン発熱材70を封入した発熱管20は、以下のように製造することができる。マイクロ波を透過する石英材を加熱して一端に導入管を設けた有底筒状容器に対し、マイクロ波を吸収して発熱するカーボン材(カーボン粉粒体)を導入管から容器内に充填する。その後、カーボン材に対して不活性である希ガスを、所定範囲となるように導入管から封入する。例えば、1kPa〜40kPaの範囲に定められる。そして、導入管を加熱軟化させて封止することで容器を密閉する。
希ガスの封入ガス圧は容器の耐圧特性と気圧がガスの絶対温度に比例する関係から決めることができる。例えば、最初常温300Kの発熱管をマイクロ波加熱して2000Kの高温度に上げ、そのときの発熱管内の圧力が大気圧と同じにする設計条件のときは、発熱管の常温でのガス圧力は15.195kPaとなる。また、常温300Kの発熱管をマイクロ波加熱して800Kの中温度に上げ、そのときの発熱管内の圧力が大気圧と同じにする設計条件のときは、発熱管の常温でのガス圧力を37.988kPaと大きくすることができる。
このように本実施形態のマイクロ波加熱装置は、気密性のある石英製の発熱管20と、発熱管20を格納する反射容器40と、反射容器40内にマイクロ波を発振するマイクロ波発振機50とを備え、発熱管20の管内には、カーボン粉粒体70Mからなるカーボン発熱材70が充填されるとともに、希ガスが封入されている。
このような構成により、発熱管20が短時間で昇温し、被加熱物30を高速加熱、焼成することが可能となる。また、従来の電気炉などと比べて消費電力の低減をもたらす。また、熱源となる発熱管20を容易に交換する構成が可能となり、メンテナンスが簡素化する。
上述したマイクロ波加熱装置(マイクロ波焼成炉)では、矩形状の反射容器が採用されているが、円筒状や略球状であってもよい。また、反射容器内では発熱体である発熱管20の傍に被加熱物を配置する構成であるが、発熱管20に囲われた状態で被加熱物を設置する構成にしてもよい。例えば、複数の発熱管20に囲まれたマッフル炉として構成することが可能である。あるいは、他の熱処理装置の熱源としても使用可能である。
カーボン発熱材の構成としては、塊状カーボン発熱部材を代わりに適用することも可能であり、例えば、カーボン板を軸方向に並べた塊状カーボン発熱部材を配置することが可能である。また、発熱管内に流入した気体(希ガス)を送ってカーボン発熱材によって加熱し、昇温された気体を放出するように構成することも可能である。さらに、中空円筒状(二重管構造)の発熱管に対し、その中空部に被加熱物を配置して加熱することも可能である。
発熱管の素材は石英以外でもよく、マイクロ波を透過し、希ガスなどの気体に反応しなければよい。さらに、希ガス以外の気体であって、マイクロ波に不活性な流体を適用してもよい。容器内に含まれるガスとしては、カーボン発熱材に対して不活性なガスで満たさず、一部活性なガスが含まれるように構成してもよい。
次に、図3〜5を用いて、第2の実施形態であるマイクロ波加熱装置について説明する。第2の実施形態では、発熱体の昇温および降温を制御する。
図3は、第2の実施形態であるマイクロ波加熱装置の概略的ブロック図である。
マイクロ波加熱装置100は、第1の実施形態と同様、反射容器40が被加熱材30、カーボン粉粒体70Mが封入される発熱管(発熱体)20を収容し、マイクロ波発振機150が発熱体20に対してマイクロ波を照射する。マイクロ波発振機150は、電源部86によって駆動し、ACトランス88と接続されている。
温度計(温度測定部)90は、ここでは放射温度計が用いられ、発熱体20の表面温度を所定時間間隔(例えば数ミリsec)で測定する。温度計コントローラ92は、測定された温度を電圧に変換して電圧データをコントローラ84へ送る。コントローラ(制御部)84は、温度電圧変換データを基に、マイクロ波発振機150の駆動電圧を制御する信号を電源部86に送ることによって、マイクロ波発振機150のマイクロ波出力を制御する。発熱体20は、この駆動電圧制御によって昇温および降温制御される。
操作部82は、オペレータが発熱体の温度を設定するときに操作され、操作信号がコントローラ84へ送られる。ここでは、800℃以上の温度を設定することが可能である。
図4は、マイクロ波加熱に伴うマイクロ波発振機150の駆動電力を時間経過とともに示したグラフである。図5は、マイクロ波加熱に伴う発熱体の温度を時間経過とともに示したグラフである。なお、図5では、マイクロ波発振機150がON状態になる前に数ミリボルト出力によって温度が先に上昇している。
目標温度T0(ここでは1100℃)がオペレータによって設定されると、目標温度T0に応じたコントローラ84は、電源部86を制御してマイクロ波発振機150への電力を徐々に増加させる。図4に示すように、駆動開始から所定期間V1の間、電力の増加率は略一定である。この所定期間V1では、発熱体20の昇温速度(℃/sec)が略一定であり、30(℃/sec)以上の昇温速度で発熱体20の温度が上昇していく(図5のL1参照)。
発熱体20の温度が目標温度T0に近い温度T1(目標付近温度)に達すると、コントローラ84は、電力を低下させ、電力の増減を繰り返す電圧制御が行われる(図4の期間V2参照)。その結果、目標付近温度T1における電力が最大電力となり、これ以降、これより低い電力による電力制御が行われる。
電力が増減している間、発熱体20の温度は期間V1と比べて緩やかな昇温速度で上昇し、漸近的に目標温度T0へ近づく(図5のL2参照)。発熱体20の温度が目標温度T0に到達すると、発熱体20の温度がその目標温度T0で維持されるように、電力を制御する。
発熱体20を降温させる場合、電力を徐々に低下させていく(図4の期間V3参照)。これにより、発熱体20は、略一定の降温速度(℃/sec)で低下していく。ここでは、30(℃/sec)以上の降温速度で温度低下していくように、電力を低下させていく。電力の低下率が略一定となることで、降温速度も略一定となる(図5のL3参照)。
図6は、発熱体20の温度制御に関する制御ブロック図である。
操作部82では、目標温度(以下では、目標温度を“TT”とする)、その目標温度TTの維持時間TK、昇温率(昇温速度)TI、降温率(降温速度)TDが、オペレータによって設定される。放射温度計で測定された温度Tは、温度計コントローラ92において電圧TVに変換され、コントローラ84へ送られる。
コントローラ84は、温度と駆動電圧との関係を制御するPID制御(図示せず)を実行する温度調節器84Aを備えている。温度調節器84Aは、コントローラ84に入力された温度(以下、目標温度という)の駆動電圧(以下、目標駆動電圧という)と所定時間間隔で測定される発熱体20の温度に応じた駆動電圧(以下、測定駆動電圧という)との差に基づき、駆動電圧制御信号である電源制御電圧MVを決定する。コントローラ84は、決定された電源制御電圧MVを電源部86へ送る。電源部86は、コントローラ84の制御によって駆動電圧QVをマイクロ秒で変化させていく。
PID制御について具体的に述べると、P(比例定数)を用いて、現在温度と目標温度の差(目標駆動電圧と測定駆動電圧との差)に応じて出力(駆動電圧)を変化させる。また、P(比例定数)とともにI(積分定数)を用いて蓄熱容量を計算し、オーバーシュートとハンチングを抑える。外乱による急激な温度変化に対しては、D(微分定数)により駆動電圧を補正する。電源部86は、駆動電圧QVに応じた電力(W)をマイクロ波発振機150へ出力する。なお、温度調節器84Aは、最適な温度制御を行うため、事前のオートチューニングによってPIDの最適な定数を検出している。
発熱体20を昇温させる時間帯では、温度調節器84Aは、目標温度TTと昇温率TIに基づいてPID制御を行う。温度調節器84Aは、電源部86に対する電源制御電圧MVを決定し、コントローラ84は、電源部86はマイクロ波発振機150に対して駆動電圧QV(電力)を変えていく。P(比例定数)は、設定された昇温率TIに応じて定められる。
昇温した発熱体20の温度を維持する時間帯では、温度調節器84Aは、目標温度TTと温度維持時間TKに基づいてPID制御を行う。そして発熱体20を降温させる時間帯では、降温率TDに基づいてPID制御を行う。
このように本実施形態によれば、マイクロ波発振機150の電力を制御することによって、発熱体20の昇温過程および降温過程において精密な温度コントロールを実現することができる。その結果、被加熱物に対する加熱も精密に行うことが可能となる。
発熱体の昇温率は、カーボン粉粒体70Mの質量に依存し、質量が大きいと比例制御だけでは精密な温度制御が難しい。一方で、カーボン粉粒体70Mの放熱は早い。本実施形態では、加熱対象物であるカーボン粉粒体70Mの特性に応じて、温度調節器84AによるPID制御を行う。これにより、オーバーシュート、ハンチングを抑え、目標温度付近で漸近的に発熱体20の温度を上昇させることができるため、急激な昇温にも関わらず、意図しない温度の上下変化といった乱れもなく目標温度に効率よく到達することができる。
また、駆動開始後、マイクロ波発振機150の電力を徐々に増加させていくことで、マイクロ波の吸収が安定した一定時間経過後に最大電力となり、反射波の発生を減少させ、マイクロ波発振機150の破損などを防ぐことができる。逆に、マイクロ波発振機150の電力を徐々に低下させていくことで、30(℃/sec)以上の降温速度で発熱体20の温度を下げることができる。
以下、第2の実施形態に相当する実施例について説明する。
実施例は、第2の実施形態に相当するマイクロ波加熱装置であり、外径6mm、内径4mm、管長60mmの発熱管に対し、充填率0.08でカーボン粉粒体を充填し、希ガスを1.4kPaで封入した。そして、球状の反射容器内で2.45GHzのマイクロ波を照射し、目標温度1100℃に設定して加熱実験を行った。加熱実験においては、実施形態同様にコントローラによって温度制御を行い、発熱管の表面温度測定には、測定波長900nmの放射温度計を用いた。
実験の結果、図5同様の曲線を描いた温度変化を確認することができ、発熱管20が30(℃/s)以上の昇温速度で昇温していることが分かった。また、目標温度付近で漸近的に温度が上昇し、目標温度到達後も図5のように目標温度を維持することが確認された。
20 発熱管(発熱体)
30 被加熱物
40 反射容器
70 カーボン発熱材(発熱材)
70M カーボン粉粒体
84 コントローラ
90 温度計
100 マイクロ波加熱装置
150 マイクロ波発振機(マグネトロン)

Claims (11)

  1. マイクロ波を吸収して発熱するカーボンを含む発熱材と、マイクロ波を透過し、前記発熱材が内部に配置される容器とを有する発熱体と、
    前記発熱体の温度を測定する温度測定部とを備え、
    30(℃/sec)以上の昇温速度で前記発熱体を昇温させ、前記発熱体の温度を目標温度に合わせて維持するように、測定された温度に基づいてマイクロ波を前記発熱体に照射することを特徴とする加熱装置。
  2. 前記発熱体を、30(℃/sec)以上の昇温速度で目標温度付近の温度まで昇温させ、その後、漸近的に目標温度へ近づくように前記発熱体を昇温させることを特徴とする請求項1に記載の加熱装置。
  3. 前記発熱体を、30(℃/sec)以上の降温速度で降温させることを特徴とする請求項1または2に記載の加熱装置。
  4. 前記発熱体へマイクロ波を照射するマグネトロンと、
    前記マグネトロンの電力を制御する制御部とをさらに備え、
    前記制御部が、前記マグネトロンの電力を制御することによって、30(℃/sec)以上の昇温速度で前記発熱体を昇温させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の加熱装置。
  5. 前記制御部が、駆動開始から目標付近温度到達まで前記マグネトロンの電力を徐々に増加させていくことを特徴とする請求項4に記載の加熱装置。
  6. 前記制御部が、前記発熱体の目標付近温度到達に応じて電力を下げ、電力の増減を複数回繰り返すことを特徴とする請求項5に記載の加熱装置。
  7. 前記制御部が、30(℃/sec)以上の降温速度で前記発熱体を降温させるとき、電力を徐々に下げていくことを特徴とする請求項4乃至6のいずれかに記載の加熱装置。
  8. 前記マグネトロンへの電力が100W以上であり、
    目標温度が800℃以上であることを特徴とする請求項4乃至7のいずれかに記載の加熱装置。
  9. 前記発熱材はカーボンを含む粉粒体からなり、
    前記発熱材の全体厚さおよび前記粉粒体の充填率の少なくとも一方が、粒子間の熱伝導による昇温よりもマイクロ波吸収による昇温が支配的となるように、定められていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の加熱装置。
  10. 前記発熱材に対して不活性な流体が、前記容器内に封入されることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の加熱装置。
  11. マイクロ波を吸収して発熱するカーボンを含む発熱材と、マイクロ波を透過して前記発熱材を収容する容器とを備えた発熱体に対し、マイクロ波を照射する加熱方法であって、
    前記発熱体の温度を測定し、
    30(℃/sec)以上の昇温速度で前記発熱体を昇温させ、前記発熱体の温度を目標温度に合わせ、そして前記発熱体の温度を目標温度で維持するように、測定された温度に基づいてマイクロ波を前記発熱体へ照射することを特徴とする加熱方法。
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たった25分で1400℃に高速加熱!レンジで金属が溶かせる電子レンジるつぼ | 注目製品 | イプロスもの, JPN7023002136, 21 October 2015 (2015-10-21), ISSN: 0005073136 *

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