JP2020052287A - 車両用表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】見易い表示態様を容易に実現可能な車両用表示装置を提供する。【解決手段】車両用表示装置は、表示を実施する第1表示部11及び第2表示部21と、第1表示部11における表示態様を変更する仰俯角を調整する第1仰俯角調整機構31と、第2表示部21における表示態様を変更する仰俯角を調整する第2仰俯角調整機構41と、第1仰俯角調整機構31と第2仰俯角調整機構41とを連動して作動させる連動部51と、を備える。【選択図】図3
Description
この明細書による開示は、車両用表示装置に関する。
従来、車両に用いられる車両用表示装置が知られている。特許文献1に開示の装置は、使用者の眼の位置を推定し、眼の位置からメータパネル上の目視可能範囲を推定し、目視可能範囲に納まるように画像情報を表示するようになっている。
しかしながら、特許文献1では、メータパネルは固定されているため、表示の位置ないし向きは変更されない。このため、使用者の身長等によっては、メータパネルを視認するための最適な位置に対して、眼の位置が上下にずれている場合があり、表示が目視可能範囲に見えていたとしても、表示内容を確認し辛い場合があった。
開示される目的のひとつは、見易い表示態様を容易に実現可能な車両用表示装置を提供することにある。
ここに開示された態様は、車両に用いられる車両用表示装置であって、
表示を実施する第1表示部(11)及び第2表示部(21)と、
第1表示部における表示態様を変更する仰俯角を調整する第1仰俯角調整機構(31)と、
第2表示部における表示態様を変更する仰俯角を調整する第2仰俯角調整機構(41)と、
第1仰俯角調整機構と第2仰俯角調整機構とを連動して作動させる連動部(51)と、を備える。
表示を実施する第1表示部(11)及び第2表示部(21)と、
第1表示部における表示態様を変更する仰俯角を調整する第1仰俯角調整機構(31)と、
第2表示部における表示態様を変更する仰俯角を調整する第2仰俯角調整機構(41)と、
第1仰俯角調整機構と第2仰俯角調整機構とを連動して作動させる連動部(51)と、を備える。
このような態様によると、連動部が第1仰俯角調整機構と第2仰俯角調整機構とを連動させて作動させる。そうすると、第1仰俯角調整機構を用いた第1表示部における仰俯角の変更と、第2仰俯角調整機構を用いた第2表示部における仰俯角の変更とが、一度になされる。故に、使用者の身長等に対応して、両表示部における表示の位置又は向きを見易く調整することができ、さらにその調整を表示部毎ではなく一度に実施できるので、使用者が感じる煩わしさを軽減することができる。
なお、括弧内の符号は、後述する実施形態の部分との対応関係を例示的に示すものであって、技術的範囲を限定することを意図するものではない。
一実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
本開示の第1実施形態による車両用表示装置100は、図1に示すように、車両に用いられ、当該車両のインストルメントパネル1に搭載されている。車両用表示装置100は、ステアリング操作装置6等と共に、車両用コックピットシステム5を構成している。車両用表示装置100は、インストルメントパネル1のうち、車両用コックピットシステム5の使用者としての運転者が着座する運転席と前後に対向する運転席対向部に設置されている。
本開示の第1実施形態による車両用表示装置100は、図1に示すように、車両に用いられ、当該車両のインストルメントパネル1に搭載されている。車両用表示装置100は、ステアリング操作装置6等と共に、車両用コックピットシステム5を構成している。車両用表示装置100は、インストルメントパネル1のうち、車両用コックピットシステム5の使用者としての運転者が着座する運転席と前後に対向する運転席対向部に設置されている。
なお、本実施形態において、上、下、前、後、左及び右の方向は、水平面上の車両を基準として定義される。
図2にも示すように、ステアリング操作装置6は、車両を操舵するステアリングシステムにおいて、運転者に回転操作される操作部を構成している。ステアリング操作装置6は、ステアリングシャフト7及び円環状のステアリングホイール8を有している。ステアリングホイール8は、車両において運転席対向部と運転席の背もたれとの間に配置されている。ステアリングシャフト7は、ステアリングホイール8よりも前方、すなわち運転者を基準にしたステアリングホイール8の奥側に、運転者から視認できないように配置されている。
ステアリング操作装置6では、例えばステアリングシャフト7にチルト機構7aが形成されている。チルト機構7aを用いてステアリングシャフト7のチルト角が変更されることにより、ステアリングホイール8の高さ位置を上下に調整可能となっている。本実施形態では、調整されたステアリングホイール8の高さ位置を、調整高さと称する。
また、運転席の上方には、運転者の眼の位置の空間分布を統計的に表したアイレンジに基づいて、アイリプスELが仮想的な楕円体状に設定されている。
また、インストルメントパネル1よりも上方には、車両のウインドシールド2が配置されている。車両のウインドシールド2は、例えばガラスないしは合成樹脂により透光性の板状に形成され、インストルメントパネル1よりも上方に配置されている。ウインドシールド2は、前方から後方へ向かう程、インストルメントパネル1とは離間するように傾斜して配置されている。
車両用表示装置100は、ステアリングシャフト7よりも上方に配置されている。本実施形態の車両用表示装置100は、表示態様が互いに異なる第1表示部11及び第2表示部21を備えている。具体的に、第1表示部11は実像RIを表示し、第2表示部21は虚像VIを表示するようになっている。車両用表示装置100は、遮光性を有する中空箱状のケース体10を有し、第2表示部21及び後述する連動部51は、運転者から視認されないように、ケース体10(図1も参照)の内部空間に隠されている一方、第1表示部11の画像表示パネル12は、ケース体10の外部に配置されている。
第1表示部11は、いわゆるグラフィックメータであり、表示体としての画像表示パネル12を有している。より詳細に、本実施形態の画像表示パネル12は、軽量であり、薄板状に形成されたELパネルとなっている。画像表示パネル12は、実像RIを表示する表示面として、エレクトロルミネッセンスを用いて自発光可能な画素を例えば2次元に配列した表示画面13を有している。
画像表示パネル12は、第2表示部21よりも後方において、すなわち運転者を基準とした第2表示部21よりも手前側において、表示画面13を座席側を向くように露出させて配置されている。これにより、運転者は、ステアリングホイール8のやや上方かつ奥側に、表示画面13を視認することができるようになっている。
このような第1表示部11に対応して、図3にも示すように、第1仰俯角調整機構31が設けられている。第1仰俯角調整機構31は、画像表示パネル12を回動させる第1回動部32を有している。第1回動部32は、画像表示パネル12の側方、例えば左方に、突出するように形成された第1回転軸33を有している。第1回転軸33は、水平面に沿うように、より詳細には左右方向に延伸するように軸状に形成され、画像表示パネル12に対して直結されている。第1回転軸33は、ケース体10等に形成された支持部によって、画像表示パネル12と共に回動可能に支持されている。したがって、第1仰俯角調整機構31は、第1回転軸33の位相に応じて画像表示パネル12の仰俯角を変更することが可能となっている。
画像表示パネル12の仰俯角の変更に伴って、表示画面13の向きが変更されるようになっている。第1表示部11では、表示態様としての表示画面13の向きが変更されることとなる。
具体的に、表示画面13は、その法線方向に最も強い強度で表示光を射出する。したがって、運転者の眼の位置が、表示画面13の正面に位置すると、実像RIの輝度が最も高くなり、実像RIのコントラストも高くなるので、実像表示が見易くなる。しかしながら、運転者の眼の位置が、表示画面13に対して斜め方向に位置すると、輝度及びコントラストが低下すると共に、運転者の視野角全体に対して表示画面13が占める角度の割合が小さくなるので、実像表示は見辛くなる。
図2,3に示すように、第2表示部21は、いわゆるヘッドアップディスプレイであり、表示器22、平面鏡23及び凹面鏡24等により構成されている。表示器22、平面鏡23及び凹面鏡24は、ケース体10の内部空間に収容されている。
表示器22は、虚像VIとして結像されることとなる画像を表示する。表示器22としては、透過型又は反射型の液晶素子を用いて画像を表示する液晶表示器、エレクトロルミネッセンスを用いて自発光するEL表示器、レーザスキャナ方式の表示器、DMD(Digital Micromirror Device)を用いたDLP(Digital Light Processing;登録商標)方式の表示器等を採用することができる。表示器22は、ケース体10の内部空間において、凹面鏡24よりも後側かつ下側の領域に配置されている。
平面鏡23は、例えば合成樹脂ないしはガラスからなる基材の表面に、アルミニウム等の金属を蒸着させることにより、反射面23aを形成した反射鏡である。反射面23aは、滑らかな平面状に形成されている。平面鏡23は、ケース体10の内部空間において、凹面鏡24よりも後側かつ上側の領域に配置されている。このため、第1表示部11の画像表示パネル12にケース体10の遮光壁を挟んで近接した位置に、平面鏡23は配置されている。表示器22から平面鏡23に入射した画像の表示光は、反射面23aにより凹面鏡24へ向けて反射される。
凹面鏡24は、例えば合成樹脂ないしはガラスからなる基材の表面に、アルミニウム等の金属を蒸着させることにより、反射面24aを形成した反射鏡である。反射面24aは、中央部が凹む凹状に湾曲することで、滑らかな凹面状に形成されている。凹面鏡24は、ケース体10の内部空間において表示器22ないし平面鏡23よりも前側の領域に配置されている。
平面鏡23から凹面鏡24に入射した表示光は、反射面24aにより、ウインドシールド2へ向けて反射される。より詳細には、ケース体10において上部に開口するように設けられた窓部10aを介して、表示光がケース体10の外部へと射出されることで、当該表示光をウインドシールド2へ到達させることができる。
そして、ウインドシールド2において滑らかな平面状又は滑らかな凹面状の投影部2aに、画像の表示光が投影される。投影部2aにて反射される表示光が、車両の室内に設定された視認領域EBに到達することにより、視認領域EBに眼が位置する運転者が表示光を虚像VIとして知覚する。
ここで、視認領域EBは、第2表示部21により表示される虚像VIが所定の輝度で視認できるような領域であり、アイボックスとも称される。視認領域EBは、典型的には、上述のアイリプスELと重なるように設定される。
投影部2aは、第1表示部11の画像表示パネル12よりも前方かつ上方に設定されるので、運転者は、第1表示部11による実像表示に対して、上側かつ奥側に、第2表示部21による虚像表示を視認することができる。すなわち、第1表示部11による実像RIと第2表示部21による虚像VIとが、互いに上下にずれつつ、前後するように、それぞれ表示される。
このような第2表示部21に対応して、第2仰俯角調整機構41が設けられている。第2仰俯角調整機構41は、凹面鏡24を回動させる第2回動部42を有している。第2回動部42は、凹面鏡24の側方、例えば左方に、突出するように形成された第2回転軸43を有している。第2回転軸43は、水平面に沿うように、より詳細には左右方向に延伸するように軸状に形成され、凹面鏡24に対して直結されている。第2回転軸43は、例えばケース体10に形成された支持部によって、凹面鏡24と共に回動可能に支持されている。したがって、第2仰俯角調整機構41は、第2回転軸43の位相に応じて凹面鏡24の仰俯角を変更することが可能となっている。
ここで、凹面鏡24は、表示器22から射出された表示光を投影部2aへ向けて偏向し、虚像VIの表示位置を変更する光偏向体として機能している。こうした凹面鏡24の仰俯角の変更に伴って、表示光の投影部2aへの反射方向が変更される。当該反射方向の変更によって、当該投影部2aを挟んで視認領域EBとは反対側に浮かんで表示される虚像VIの表示位置が上下するようになっている。第2表示部21では、表示態様としての虚像VIの表示位置が変更されることとなる。
また、本実施形態では、ウインドシールド2が上述のように傾斜していることもあり、図2に示すように、虚像VIの表示位置の上方への移動に伴って、アイリプスELに対する視認領域EBの相対位置が下方へ移動する。また、虚像VIの表示位置の下方への移動に伴って、アイリプスELに対する視認領域EBの相対位置が上方へ移動する。
図3に示すように、第1仰俯角調整機構31と、第2仰俯角調整機構41とは、連動部51によって連動して作動されるようになっている。本実施形態において連動部51は、第1仰俯角調整機構31と、第2仰俯角調整機構41とを、機械的に連結している。連動部51は、第1回動部32と第2回動部42との間で、回転を伝達可能に形成されている。
具体的に、連動部51は、中継軸52、第1ベルト54、第2ベルト55、電動モータ56、及びモータ制御部58を有している。中継軸52は、水平面に沿うように、より詳細には左右方向に延伸するように軸状に形成されている。このため本実施形態では、第1回転軸33、中継軸52、及び第2回転軸43が実質的に平行に配置されている。
中継軸52は、第1回転軸33と第2回転軸43との間で回転を中継する。まず、第1回転軸33と中継軸52との間では、第1ベルト54が第1回転軸33と中継軸52とを連結している。すなわち、第1回転軸33に形成された円筒部34と、中継軸52に形成された円筒部44とに、円環帯状の第1ベルト54が張架されている。
中継軸52と第2回転軸43との間では、第2ベルト55が中継軸52と第2回転軸43とを連結している。すなわち、中継軸52に形成された円筒部53のうち第1ベルト54とは左右方向にずれた部位と、第2回転軸43の端部に形成された円筒部44とに、円環帯状の第2ベルト55が張架されている。ここで、第2ベルト55は、両円筒部53,44間に交差部55aを設けるように張架されていることにより、中継軸52と第2回転軸43と間で回転方向を逆方向にして伝達する逆回転機構として機能している。なお、第2ベルト55に代えて、第1ベルト54に交差部55aを設けるようにしてもよい。
中継軸52は、第1回転軸33と第2回転軸43とを直線的に結ぶ仮想線上を避けて、例えば第1回転軸33及び第2回転軸43よりも下方に配置されている。これにより、第1回転軸33と第2回転軸43とを結ぶ仮想線上に、第2表示部21の構成要素(例えば表示器等)を、連動部51との干渉を回避して配置することが可能となる。
各円筒部34の径は、第1回転軸33と第2回転軸43との間に適切な回転比を実現すべく設定される。例えば本実施形態では、凹面鏡24の角度変更に対して表示光は、入射角及び反射角の合計分、反射方向を変えるので、凹面鏡24の仰俯角の変更角度に対して、画像表示パネル12の仰俯角の変更角度を相対的に小さくすることが好適である。このため、第2回転軸43の円筒部44の径と比較して、中継軸52の円筒部53の径及び第1回転軸33の円筒部34の径を大きく設定している。すなわち、第2回転軸43の回転に対して、第1回転軸33の回転を減速させている。
電動モータ56は、第2回転軸43を挿通した状態で、凹面鏡24と円筒部44において第2ベルト55が架けられた部位との間に配置された両軸モータであって、入力されるパルス信号に同期して第2回転軸43を回動駆動するステッピングモータである。
電動モータ56が第2回転軸43を回動駆動すると、第2ベルト55、中継軸52、第1ベルト54、第1回転軸33へと回転が伝達される。この結果、第1回転軸33、中継軸52、及び第2回転軸43が一度に回動される。
図4に示すように、電動モータ56へ入力されるパルス信号は、車両用表示装置100に設けられたモータ制御部58から出力される。モータ制御部58は、少なくとも1つのプロセッサ、メモリ及び入出力インターフェースを含む電子回路として構成されている。プロセッサは、メモリに記憶されているコンピュータプログラムを実行する演算回路である。メモリは、例えば半導体メモリ等によって提供され、プロセッサによって読み取り可能なコンピュータプログラム及びデータを非一時的に格納するための非一時的実体的記憶媒体である。
モータ制御部58は、ステアリング操作装置6と通信可能となっていることにより、ステアリングシャフト7のチルト角を取得可能となっている。そして、モータ制御部58は、ステアリングシャフト7のチルト角が変更されると、電動モータ56へパルス信号を出力する。
一般的に、ステアリングホイール8の位置は、運転者の身長の高低に関連付けられる。運転者の身長が基準身長(例えば平均身長)よりも高ければ、ステアリングホイール8の調整高さは、調整範囲の中点である基準高さよりも上側に調整される場合が多い。また、運転者の身長が基準身長よりも低ければ、ステアリングホイール8の調整高さは、基準高さよりも下側に調整される場合が多い。
一方で、運転者の身長の高低は、運転者の眼の位置にも関連付けられる。運転者の身長が基準身長よりも高ければ、運転者の眼の位置はアイリプスELの中心よりも上側に位置すると推定され、運転者の基準身長よりも低ければ、運転者の眼の位置はアイリプスELの中心よりも下側に位置すると推定される。
このため、モータ制御部58は、ステアリングホイール8の調整高さに基づいて、運転者の眼の位置を推定し、当該推定位置に応じて、電動モータ56を介した連動部51による連動的作動を制御する。あるいは、モータ制御部58は、予めメモリ装置に記憶されたステアリングホイール8の調整高さと運転者の眼の推定位置との関係を示すデータを参照し、当該推定位置に応じて、電動モータ56を介した連動部51による連動的作動を制御する。
例えばステアリングホイール8の調整高さが下方に変更されると、現在の第1表示部11の表示態様及び現在の第2表示部21の表示態様に最適な眼の位置に対して、現在の運転者の眼の位置が低くなっていることが推定される。このため、モータ制御部58は、第1表示部11の表示態様及び第2表示部21の表示態様が、現在の運転者の眼の位置に対して最適となるように、電動モータ56を制御する。
こうした制御により、第2回転軸43は、車両の左側からみて反時計回りに回動駆動される。したがって、反射面24aが変更前よりも上向きとなるように(すなわち凹面鏡24が寝るように)、第2表示部21の凹面鏡24の仰俯角が変更される。反射面24aが変更前よりも上向きとなると、投影部2aにおける投影位置がより前方にずれ、虚像VIの表示位置が上方へずれる。これと共に、視認領域EBの位置は下方へずれる。
したがって、身長が低く、眼の位置が低い運転者にとっては、虚像VIの表示位置が上方へ移動することにより、画像表示パネル12の奥に虚像VIが隠れることが抑制される。さらには、視認領域EBの位置が下方へずれるので、視認領域EB内に眼を入れることが容易となり、虚像VIを適切な輝度で視認することができる。
第2回転軸43が反時計回りに回動駆動されると、逆回転機構として機能する第2ベルト55を介して中継軸52は時計回りに回動駆動される。中継軸52が時計回りに回動されると、第1ベルト54を介して第1回転軸33も時計回りに回動駆動される。したがって、表示画面13が変更前よりも下向きとなるように、第1表示部11の画像表示パネル12の仰俯角が変更される。
したがって、身長が低く、眼の位置がより下方に位置する運転者にとっては、表示画面13が眼に対してより正面に近い向きとなることにより、実像RIが見易くなる。
また例えば、ステアリングホイール8の調整高さが上方に変更されると、現在の第1表示部11の表示態様及び現在の第2表示部21の表示態様に最適な眼の位置に対して、現在の運転者の眼の位置が高くなっていることが推定される。このため、モータ制御部58は、第1表示部11の表示態様及び第2表示部21の表示態様が、現在の運転者の眼の位置に対して最適となるように、電動モータ56を制御する。
こうした制御により、第2回転軸43は、車両の左側からみて時計回りに回動駆動される。したがって、反射面24aが変更前よりも下向きとなるように(すなわち凹面鏡24が起きるように)、第2表示部21の凹面鏡24の仰俯角が変更される。反射面24aが変更前よりも下向きとなると、投影部2aにおける投影位置がより後方にずれ、虚像VIの表示位置が下方へずれる。これと共に、視認領域EBの位置は上方へずれる。
したがって、身長が低く、眼の位置が高い運転者にとっては、虚像VIの表示位置が下方へ移動することにより、虚像VIがウインドシールド2の前景の視認を邪魔することが抑制される。さらには、視認領域EBの位置が上方へずれるので、視認領域EB内に眼を入れることが容易となり、虚像VIを適切な輝度で視認することができる。
第2回転軸43が時計回りに回動駆動されると、逆回転機構として機能する第2ベルト55を介して中継軸52は反時計回りに回動駆動される。中継軸52が反時計回りに回動されると、第1ベルト54を介して第1回転軸33も反時計回りに回動駆動される。したがって、表示画面13が変更前よりも上向きとなるように、第1表示部11の画像表示パネル12の仰俯角が変更される。
したがって、身長が高く、眼の位置がより上方に位置する運転者にとっては、表示画面13が眼に対してより正面に近い向きとなることにより、実像RIが見易くなる。また、この場合、ステアリングホイール8が調整前よりも上方に迫り出しているが、表示画面13が上向きとなることで、ステアリングホイール8の位置が表示画面13の正面に対して下方にずれた位置となる。したがって、実像表示の視認に際してステアリングホイール8が邪魔になり難い。
(作用効果)
以上説明した第1実施形態の作用効果を以下に改めて説明する。
以上説明した第1実施形態の作用効果を以下に改めて説明する。
第1実施形態によると、連動部51が第1仰俯角調整機構31と第2仰俯角調整機構41とを連動させて作動させる。そうすると、第1仰俯角調整機構31を用いた第1表示部11における仰俯角の変更と、第2仰俯角調整機構41を用いた第2表示部21における仰俯角の変更とが、一度になされる。故に、使用者の身長等に対応して、両表示部11,21における表示の位置又は向きを見易く調整することができ、さらにその調整を表示部11,21毎ではなく一度に実施できるので、使用者としての運転者が感じる煩わしさを軽減することができる。
また、第1実施形態によると、第1表示部11が実像RIを表示し、第2表示部21が虚像VIを表示するので、使用者は、実像表示の特性に基づいた表示の見易さ及び虚像表示の特性に基づいた表示の見易さをそれぞれ享受することができる。
また、第1実施形態によると、第1仰俯角調整機構31において、第1回動部32が表示体としての画像表示パネル12を回動させて当該画像表示パネル12の仰俯角が変更される。これにより、画像表示パネル12の表示画面13の向きが変更される。表示画面13の向きを運転者が見易い向きに変更可能となったので、表示画面13に表示される実像RIにおいて高い視認性を発揮することができる。これと共に、第2仰俯角調整機構41において、第2回動部42が光偏光体としての凹面鏡24を回動させて当該凹面鏡24の仰俯角が変更される。これにより、虚像VIの表示位置が上下される。虚像VIの表示位置を運転者が見易い位置に変更可能となったので、投影部2aに投影される虚像VIにおいて高い視認性を発揮することができる。本実施形態では、このように特性及び機構が異なる2つの表示部11,21を、一度に調整するので、使用者が感じる煩わしさを軽減することができる。
また、第1実施形態によると、連動部51は、虚像VIの表示位置を上方に移動させると共に、表示画面13の向きを下向きに変更する。このようにすると、身長が低く、眼の位置がより下方に位置する使用者に対して、両表示部11,21を、一度に調整して、見易くすることができる。
また、第1実施形態によると、連動部51は、虚像VIの表示位置を下方に移動させると共に、表示画面13の向きを上向きに変更する。このようにすると、身長が高く、眼の位置がより上方に位置する使用者に対して、両表示部11,21を、一度に調整して、見易くすることができる。
また、第1実施形態によると、連動部51は、第1回動部32と、第2回動部42との間で、回転を伝達可能に形成されている。このような回転の伝達によって、使用者に煩わしさを監視させることを抑制して、両表示部11,21を一度に調整して、見易くすることができる。
また、第1実施形態によると、連動部51は、第1回動部32と、第2回動部42との間で、回転を逆回転にして伝達可能に形成されている。互いに逆回転の調整を個別にする作業は、非直感的であり、調整の間違いを誘発し易いものであるが、回転を逆回転にして伝達する連動部51によって、調整の間違いが発生することを抑制しつつ、両表示部11,21を一度に調整することができる。
また、第1実施形態によると、第1回転軸33と第2回転軸43との間に回転を中継する中継軸52が設けられている。第1回転軸33と第2回転軸43とを直結することが回避できるので、表示部11,21と連動部51とが干渉し難い配置を容易に実現でき、第1表示部11及び第2表示部21の配置レイアウトの自由度が上がる。したがって、見易い表示態様の実現性を高めることができる。さらには、第1ベルト54が第1回転軸33と中継軸52とを連結して回転を伝達し、第2ベルト55が中継軸52と第2回転軸43とを連結して回転を伝達するので、回転の伝達時の遅延が抑制され、略同時に両仰俯角を変更することができる。故に、使用者が感じる煩わしさを軽減することができる。
また、第1実施形態によると、電動モータ56が、第2回転軸43を回動駆動することにより、第1回転軸33、中継軸52、及び第2回転軸43を一度に回動させる。1つの動力で第1回転軸33、中継軸52及び第2回転軸43が回動されて、第1仰俯角調整機構31と第2仰俯角調整機構41との連動的作動を安定的に実施することができる。
また、第1実施形態によると、第1仰俯角調整機構31と第2仰俯角調整機構41との連動的作動は、使用者の眼の高さの推定位置に応じたものとなっている。したがって、使用者が自分の眼の位置に対して見易い表示態様となるように適宜調整する作業の発生を抑制することができるので、使用者が感じる煩わしさを軽減することができる。
また、第1実施形態によると、第1仰俯角調整機構31と第2仰俯角調整機構41との連動的作動は、ステアリングの調整高さに応じたものとなっている。ステアリングの調整高さは、これを操作する使用者の身長に関係することが多いので、当該身長に合わせた表示態様への調整を、連動部51によって実施することができる。故に、使用者が自分の眼の位置に対して見易い表示態様となるように適宜調整する作業の発生を抑制することができるので、使用者が感じる煩わしさを軽減することができる。
(他の実施形態)
以上、一実施形態について説明したが、本開示は、当該実施形態に限定して解釈されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態に適用することができる。
以上、一実施形態について説明したが、本開示は、当該実施形態に限定して解釈されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態に適用することができる。
具体的に変形例1としては、第2表示部21の画像が投影される投影部2aは、ウインドシールド2に設けられていなくてもよい。例えば図5に示すように、車両と別体であり、インストルメントパネル1の上部から起立するように設けられた板状のコンバイナ92に、投影部2aが設定されていてもよい。図5の例では、平面鏡23の仰俯角が変更されるようになっている。コンバイナ92は、可動することによって、インストルメントパネル1内に格納可能に構成されていてもよい。
変形例2としては、電動モータ56は、第2回転軸43を回動駆動させるものではなく、第1回転軸33又は中継軸52を回動駆動させるものであってもよい。
変形例3としては、連動部51は、中継軸52を設けずに、第1回転軸33と第2回転軸43とを直接ベルトで連結したものであってもよい。
変形例4としては、連動部51において、第1仰俯角調整機構31と、第2仰俯角調整機構41とを、機械的に連結する構造は、ベルト以外のギヤないしチェーン等により実現することができる。
変形例5としては、連動部51に電動モータ56が設けられていなくてもよい。例えば、ステアリングシャフト7のチルト機構7aと、連動部51とを機械的に連結する構造が採用されていてもよい。そして、チルト機構7aから機械的に伝達された動力によって、連動部51が第1仰俯角調整機構31と第2仰俯角調整機構41とを両方作動させるようにしてもよい。
変形例6としては、連動部51は、第1仰俯角調整機構31と、第2仰俯角調整機構41とを、機械的に連結するものでなくてもよい。例えば、第1仰俯角調整機構31を作動させる電動モータと、第2仰俯角調整機構41を作動させる電動モータとを、個別に設けてもよい。そして、連動部51においてモータ制御部58が両モータに一度に電気的な信号を送り、第1仰俯角調整機構31と第2仰俯角調整機構41と連動して作動させるものであってもよい。
変形例7としては、連動部51は、ステアリングの調整高さに応じて、第1仰俯角調整機構31と第2仰俯角調整機構41とを連動して作動させるものでなくてもよい。例えば、車両に搭載されたドライバステータスモニタにより運転者の眼の位置を検出し、連動部51は、検出された眼の位置に応じて、第1仰俯角調整機構31と第2仰俯角調整機構41とを連動して作動させることができる。また例えば、車両ないし車両用表示装置100に操作スイッチを設けられた操作スイッチが手動操作されると、連動部51が第1仰俯角調整機構31と第2仰俯角調整機構41とを連動して作動させるようにしてもよい。モータ制御部58と連携する操作スイッチは、機械式のスイッチでもよい。モータ制御部58と連携する操作スイッチは、カーナビゲーション装置等の画面上に表示されるタッチパネル式のスイッチでもよい。
変形例8としては、エンジンスイッチがオフ状態になった場合に、連動部51は、第1表示部11の画像表示パネル12がケース体10の窓部10aを覆うように移動するようにしてもよい。この例では、画像表示パネル12が防塵カバーとして機能する。
変形例9としては、インストルメントパネル1等に日照センサを配置して、太陽光等の外光を検出するようにしてもよい。そして、日照センサが外光が第1表示部11の画像表示パネル12に照射されている状態を検出した場合に、画像表示パネル12の向きが運転者にとって見易いように変更されるようにしてもよい。
変形例10としては、第1表示部11の画像表示パネル12に、ELパネルに代えて、液晶パネルが設けられた液晶ディスプレイが採用されてもよい。
変形例11としては、第1表示部11の画像表示パネル12に代えて、文字板に形成された指標を、実体物の指針が指示する機械式メータが採用されてもよい。この場合、文字板の表面が表示体の表示面に相当する。すなわち、第1仰俯角調整機構31は、文字板の表面の向きを変更するように、機械式メータ全体の仰俯角を変更することができる。
変形例12としては、第1表示部11及び第2表示部21の両方が実像を表示するようにしてもよい。また、第1表示部11及び第2表示部21とは別の表示部が追加されてもよい。
100 車両用表示装置、11 第1表示部、21 第2表示部、31 第1仰俯角調整機構、41 第2仰俯角調整機構、51 連動部
Claims (12)
- 車両に用いられる車両用表示装置であって、
表示を実施する第1表示部(11)及び第2表示部(21)と、
前記第1表示部における表示態様を変更する仰俯角を、調整する第1仰俯角調整機構(31)と、
前記第2表示部における表示態様を変更する仰俯角を、調整する第2仰俯角調整機構(41)と、
前記第1仰俯角調整機構と前記第2仰俯角調整機構とを連動して作動させる連動部(51)と、を備える車両用表示装置。 - 前記第1表示部は、実像(RI)を表示し、前記第2表示部は、虚像(VI)を表示する請求項1に記載の車両用表示装置。
- 前記第1表示部は、前記実像を表示する表示面(13)が設けられた表示体(12)を有し、
前記第1仰俯角調整機構は、前記表示面の向きを変更するように、前記表示体を回動させて前記表示体の仰俯角を変更する第1回動部(32)を有し、
前記第2表示部は、表示光を発する表示器(22)と、前記表示器から射出された前記表示光を投影部(2a)へ向けて偏向することにより、前記虚像を表示する光偏向体(24)を有し、
前記第2仰俯角調整機構は、前記投影部に投影される前記虚像の表示位置を上下させるように、前記光偏向体を回動させて前記光偏向体の仰俯角を変更する第2回動部(42)を有する請求項2に記載の車両用表示装置。 - 前記連動部は、前記虚像の表示位置を上方に移動させると共に、前記表示面の向きを下向きに変更する請求項3に記載の車両用表示装置。
- 前記連動部は、前記虚像の表示位置を下方に移動させると共に、前記表示面の向きを上向きに変更する請求項3又は4に記載の車両用表示装置。
- 前記連動部は、前記第1回動部と、前記第2回動部との間で、回転を伝達可能に形成されている請求項3から5のいずれか1項に記載の車両用表示装置。
- 前記連動部は、前記第1回動部と、前記第2回動部との間で、回転を逆回転にして伝達可能に形成されている請求項3から6のいずれか1項に記載の車両用表示装置。
- 前記連動部は、前記第2回動部の回転に対して、前記第1回動部の回転を減速させている請求項6又は7に記載の車両用表示装置。
- 前記第1回動部は、水平面に沿うように延伸する軸状に形成され、前記表示体に対して直結された第1回転軸(33)を有し、
前記第2回動部は、水平面に沿うように延伸する軸状に形成され、前記光偏向体に対して直結された第2回転軸(43)を有し、
前記連動部は、
軸状に形成され、前記第1回転軸と前記第2回転軸との間で、回転を中継する中継軸(52)と、
前記第1回転軸と前記中継軸とを連結して回転を伝達する第1ベルト(54)と、
前記中継軸と前記第2回転軸とを連結して回転を伝達する第2ベルト(55)と、を有する請求項3から8のいずれか1項に記載の車両用表示装置。 - 前記連動部は、前記第1回転軸、前記中継軸及び前記第2回転軸のうちいずれかを回動駆動することにより、前記第1回転軸、前記中継軸、及び前記第2回転軸を一度に回動させる電動モータ(56)を、さらに有する請求項9に記載の車両用表示装置。
- 前記連動部は、使用者の眼の高さの推定位置に応じて、前記第1仰俯角調整機構と前記第2仰俯角調整機構とを連動して作動させる請求項1から10のいずれか1項に記載の車両用表示装置。
- 前記連動部は、使用者が操作する前記車両のステアリングの調整高さに応じて、前記第1仰俯角調整機構と前記第2仰俯角調整機構とを連動して作動させる請求項1から11のいずれか1項に記載の車両用表示装置。
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JP2018182656A JP2020052287A (ja) | 2018-09-27 | 2018-09-27 | 車両用表示装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2018182656A JP2020052287A (ja) | 2018-09-27 | 2018-09-27 | 車両用表示装置 |
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JP2020052287A true JP2020052287A (ja) | 2020-04-02 |
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Family Applications (1)
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JP2018182656A Pending JP2020052287A (ja) | 2018-09-27 | 2018-09-27 | 車両用表示装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2020052287A (ja) |
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2018
- 2018-09-27 JP JP2018182656A patent/JP2020052287A/ja active Pending
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