JP2020051789A - 地上波測位システム - Google Patents
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Abstract
【課題】 送信局が2局であっても測位可能とし、更に位相差が大きくなっても正確且つ迅速に検出して、精度の高い測位を行うことができる地上波測位システムを提供する。【解決手段】 主局(M1)が、電波時計信号に同期して測位信号を送信し、従局(S1)が、主局(M1)に同期して測位信号を送信し、受信局2が、主局(M1)からの測位信号と従局(S1)からの測位信号とを受信したタイミングの差分に基づいて第1の遅延差を求め、それに基づいて位相差を検出して、位相差から第1の双曲線を算出すると共に、主局(M1)からの測位信号を受信するタイミングの時刻と、実際に主局(M1)からの測位信号を受信した時点の電波時計信号の時刻情報との差分を第2の遅延差として求め、第2の遅延差から第2の双曲線を算出し、第1の双曲線と第2の双曲線の交点となる位置を検出する地上波測位システムとしている。【選択図】 図1
Description
本発明は、地上波を用いて、送信局と受信局の距離及び受信局の位置を算出する地上波測位システムに係り、特に送信局が2局であっても測位を行うことができると共に、測位の精度を向上させることができる地上波測位システムに関する。
[先行技術の説明:図6]
従来、地上波測位システムとして、双曲線航法(例えばデッカ航法)を用いたものがある。
双曲線航法は、3つ以上の送信局からの受信電波の到来遅延差に基づいて、2つ以上の双曲線を描き、その交点を受信局の位置(緯度、経度)として算出する方法である。到来遅延差は、受信信号の位相差として求めることがある。
従来、地上波測位システムとして、双曲線航法(例えばデッカ航法)を用いたものがある。
双曲線航法は、3つ以上の送信局からの受信電波の到来遅延差に基づいて、2つ以上の双曲線を描き、その交点を受信局の位置(緯度、経度)として算出する方法である。到来遅延差は、受信信号の位相差として求めることがある。
地上波測位システムの概要について図6を用いて説明する。図6は、地上波測位システムの構成例を示す模式説明図である。
図6の地上波測位システムは、送信局として、地上に設けられた固定局である主局(M1)と、従局(S1)及び従局(S2)とを備えており、船舶等に設けられた受信局10で各送信局からの信号を受信して測位を行う。つまり、受信局10は移動局となるものである。
図6の地上波測位システムは、送信局として、地上に設けられた固定局である主局(M1)と、従局(S1)及び従局(S2)とを備えており、船舶等に設けられた受信局10で各送信局からの信号を受信して測位を行う。つまり、受信局10は移動局となるものである。
送信局は、HF帯の地上波を用いてトーン信号を送信する。
主局(M1)がトーン信号を送信すると、従局(S1),従局(S2)はそれに同期してトーン信号を送信し、受信局10は各送信局からのトーン信号を受信する。
主局(M1)がトーン信号を送信すると、従局(S1),従局(S2)はそれに同期してトーン信号を送信し、受信局10は各送信局からのトーン信号を受信する。
[信号フォーマット:図7]
次に、地上波測位システムで用いられる信号フォーマットについて図7を用いて説明する。図7は、地上波測位システムで用いられる信号フォーマットの説明図である。
図7に示すように、周波数としてf1とf2とが用いられ、1フレーム(760msec)は、40msec×19スロットで構成される。
次に、地上波測位システムで用いられる信号フォーマットについて図7を用いて説明する。図7は、地上波測位システムで用いられる信号フォーマットの説明図である。
図7に示すように、周波数としてf1とf2とが用いられ、1フレーム(760msec)は、40msec×19スロットで構成される。
主局(M1)から周波数f1で送信される信号は、トリガ信号(T)、AFC用信号(A1)、データ(D)、AFC用信号(A2)で構成され、ガード信号(G)に続いて各送信局に割り当てられた送信スロット(S1〜S6)、ガード信号(G)が設けられている。
主局(M1)から周波数f2で送信される信号はf1の信号に同期し、ガード信号(G)、送信スロット(S1〜S6)、ガード信号(G)で構成される。
主局(M1)から周波数f2で送信される信号はf1の信号に同期し、ガード信号(G)、送信スロット(S1〜S6)、ガード信号(G)で構成される。
トリガ信号は、送信開始のトリガとなる基準信号である。
送信スロットは、各局に割り当てられたタイムスロットであり、ここでは、主局(M1)が送信スロットS1とS4、従局(S1)が送信スロットS2とS5、従局(S2)が送信スロットS3とS6を用いてトーン信号を送信する。
また、ガード信号の区間は、何も送信しない。
送信スロットは、各局に割り当てられたタイムスロットであり、ここでは、主局(M1)が送信スロットS1とS4、従局(S1)が送信スロットS2とS5、従局(S2)が送信スロットS3とS6を用いてトーン信号を送信する。
また、ガード信号の区間は、何も送信しない。
そして、主局(M1)が周波数f1を用いて図7(a)のT,A1,D,A2,G及びS1で示される信号を送信すると、従局(S1)及び従局(S2)は、主局(M1)からの信号を受信して、トリガ信号(T)によりタイミング同期、AFC用信号(A1,A2)により周波数補正、S1信号により位相補正を行い、周波数f1及びf2を用いて自己に割り当てられた送信スロットでトーン信号を送信する。
[送信信号と受信信号のイメージ:図8]
次に、従来の地上波測位システムにおける送信信号と受信信号について図8を用いて説明する。図8は、従来の地上波測位システムにおける送信信号と受信信号のイメージを示す説明図である。
図8では、(a)で送信局の送信信号のイメージを、(b)で受信局10(船)における受信信号のイメージを示している。
次に、従来の地上波測位システムにおける送信信号と受信信号について図8を用いて説明する。図8は、従来の地上波測位システムにおける送信信号と受信信号のイメージを示す説明図である。
図8では、(a)で送信局の送信信号のイメージを、(b)で受信局10(船)における受信信号のイメージを示している。
図8(a)に示すように、主局(M1)がトリガ信号等に続いてスロットS1でトーン信号を送信すると、従局(S1)はそれに同期してスロットS2でスロットS1の信号に連続するトーン信号を送信し、同様に従局(S2)はスロット3でスロットS2に連続するトーン信号を送信する。
各送信局からの送信信号は、位相が一致し、連続したトーン信号となる。
各送信局からの送信信号は、位相が一致し、連続したトーン信号となる。
図8(b)では、受信局10における受信の状態を示しており、ここでは主局(M1)からの信号を受信したタイミングを基準として示している。
具体的には、受信局10においては、主局(M1)からのトーン信号(S1)を受信すると、次のスロットで従局(S1)のトーン信号(S2)を受信するが、ここで、送信局(従局(S1))と受信局10との距離に応じて遅延が発生するため、図8(b)に示すように、スロットS1とスロットS2の受信信号は連続した信号とはならない。
具体的には、受信局10においては、主局(M1)からのトーン信号(S1)を受信すると、次のスロットで従局(S1)のトーン信号(S2)を受信するが、ここで、送信局(従局(S1))と受信局10との距離に応じて遅延が発生するため、図8(b)に示すように、スロットS1とスロットS2の受信信号は連続した信号とはならない。
つまり、スロットS1の受信信号に同期したトーン信号と比較すると、スロットS2における実際の受信信号は、距離に応じた位相差(位相ずれ)が発生している。
スロットS3でも同様に、主局(M1)の送信信号に同期した受信信号から、従局(S2)と受信局10との距離に応じた位相差が発生する。
スロットS3でも同様に、主局(M1)の送信信号に同期した受信信号から、従局(S2)と受信局10との距離に応じた位相差が発生する。
[位相ずれの検出例:図9]
ここで、位相ずれの検出例について図9を用いて説明する。図9は、位相ずれの検出例を示す説明図である。
スロットの初めと終わりにはレベル変化等があるため、検出対象外(ガード)とし、主局(M1)に同期した上段のトーン信号に対して、下段のトーン信号の位相ずれを検出する場合を考える。
ここで、位相ずれの検出例について図9を用いて説明する。図9は、位相ずれの検出例を示す説明図である。
スロットの初めと終わりにはレベル変化等があるため、検出対象外(ガード)とし、主局(M1)に同期した上段のトーン信号に対して、下段のトーン信号の位相ずれを検出する場合を考える。
図9に示すように、上段のAのピークが下段の(a)で受信された場合の位相のずれは180度(π)であり、更に1波長分遅延して(b)で受信されたとすると、位相のずれは540度(3π)となる。
しかしながら、ガード部分を除いた領域のみで検出すると、180度なのか540度なのかの区別は困難である。
このように、位相のずれが360度(2π)以上になった場合には、正確なずれを検出することはできない。
しかしながら、ガード部分を除いた領域のみで検出すると、180度なのか540度なのかの区別は困難である。
このように、位相のずれが360度(2π)以上になった場合には、正確なずれを検出することはできない。
[2つの周波数を用いた場合:図10]
そこで、従来の地上波測位システムでは、2つの周波数(f1,f2)を用いて360度を超える位相のずれを検出するようにしている。
図10は、2つの周波数を用いて位相ずれを検出する場合を示す説明図である。
図10に示すように、周波数f1とf2とを用いることにより、周波数f1だけでは区別できない位相ずれについても、周波数f2の位相を比較することで、図10の(0)〜(10)の範囲((10)は含まない)で位相のずれを検出することが可能となる。
但し、この方法でも、図10の(10)以上では判断がつかなくなってしまう。
そこで、従来の地上波測位システムでは、2つの周波数(f1,f2)を用いて360度を超える位相のずれを検出するようにしている。
図10は、2つの周波数を用いて位相ずれを検出する場合を示す説明図である。
図10に示すように、周波数f1とf2とを用いることにより、周波数f1だけでは区別できない位相ずれについても、周波数f2の位相を比較することで、図10の(0)〜(10)の範囲((10)は含まない)で位相のずれを検出することが可能となる。
但し、この方法でも、図10の(10)以上では判断がつかなくなってしまう。
[関連技術]
尚、地上波測位システムに関する従来の技術としては、特開2009−186241号公報「受信装置、測距システム、測位システム、コンピュータプログラム及び受信時点特定方法」(住友電気工業株式会社、特許文献1)、特表2014−513271号公報「無線トランスミッタからレシーバまでの距離を推定する方法、移動端末の位置を計算する方法、移動端末、及び、位置特定装置」(シズベル テクノロジー エス.アール.エル、特許文献2)、特開平5−142326号公報「測位装置」(古野電気株式会社、特許文献3)がある。
尚、地上波測位システムに関する従来の技術としては、特開2009−186241号公報「受信装置、測距システム、測位システム、コンピュータプログラム及び受信時点特定方法」(住友電気工業株式会社、特許文献1)、特表2014−513271号公報「無線トランスミッタからレシーバまでの距離を推定する方法、移動端末の位置を計算する方法、移動端末、及び、位置特定装置」(シズベル テクノロジー エス.アール.エル、特許文献2)、特開平5−142326号公報「測位装置」(古野電気株式会社、特許文献3)がある。
特許文献1には、受信装置が遅延信号を解析して推定し、送信信号に含まれる基準信号のレプリカ信号と、推定された遅延信号とに基づいて、遅延信号の影響が反映された基準信号を再現信号として出力し、受信信号と再現信号との相関を取って受信時点を特定することが記載されている。
特許文献2には、レシーバが、トランスミッタからの信号からそれぞれ異なる周波数を含む3つのトーンを抽出し、第1の周波数間隔がある2つのトーン間の第1の位相差と、第2の周波数間隔がある別のトーン間の第2の位相差とを計測し、第1の周波数間隔と第2の周波数間隔、第1の位相差及び第2の位相差に基づいてトランスミッタからの距離を計算することが記載されている。
特許文献3には、船舶等に搭載する主局と陸地等に固定する複数の従局とを用いて、複数回分の位置データの変化から主局の移動量データを求め、移動量データから主局の現在位置を測位時間間隔より短周期で求めることが記載されている。
しかしながら、従来の地上波測位システムでは、2つの周波数を用いた場合でも、遅延が大きくなると位相差を正確に検出することができず、測位結果に誤りを生じてしまうという問題点があった。
また、従来の地上波測位システムでは、最低3つの送信局(主局(M1),従局(S1),従局(S2))が必要であり、地理的条件などにより2つの従局を設置できない場合には、測位不能となってしまうという問題点があった。
本発明は上記実状に鑑みて為されたもので、送信局が主局と従局の2局であっても測位可能とし、更に位相差が大きくなっても正確且つ迅速に検出して、精度の高い測位を行うことができる地上波測位システムを提供することを目的とする。
上記従来例の問題点を解決するための本発明は、地上波を送信する送信局としての主局及び従局と、送信局からの地上波を受信して、双曲線航法で測位を行う受信局とを備えた地上波測位システムであって、主局が、電波時計信号に同期して測位信号を送信し、従局が、主局に同期して測位信号を送信し、受信局が、主局からの測位信号と従局からの測位信号とを受信したタイミングの差分に基づいて第1の遅延差を求め、第1の遅延差に基づいて位相差を検出して、位相差から第1の双曲線を算出すると共に、主局からの測位信号を受信するタイミングの時刻と、実際に主局からの測位信号を受信した時点の電波時計信号の時刻情報との差分を第2の遅延差として求め、第2の遅延差から第2の双曲線を算出し、第1の双曲線と第2の双曲線の交点となる位置を検出することを特徴としている。
また、本発明は、上記地上波測位システムにおいて、送信局が、パルス状の遅延時間検出信号を生成する信号生成部を備え、送信スロット内の特定のタイミングで遅延時間検出信号を送信すると共に、特定のタイミングに続く別のタイミングでCW信号を送信し、受信局が、主局及び従局からの遅延時間検出信号の受信タイミングに基づいて、第1の遅延差を検出する遅延時間検出部と、検出された第1の遅延差に対応するCW信号の1波長分を用いて位相差を検出する位相差検出部とを備えたことを特徴としている。
また、本発明は、上記地上波測位システムにおいて、遅延時間検出信号をインパルス応答信号とすることを特徴としている。
また、本発明は、上記地上波測位システムにおいて、インパルス応答信号は、CW信号に窓関数を乗算して生成することを特徴としている。
本発明によれば、地上波を送信する送信局としての主局及び従局と、送信局からの地上波を受信して、双曲線航法で測位を行う受信局とを備えた地上波測位システムであって、主局が、電波時計信号に同期して測位信号を送信し、従局が、主局に同期して測位信号を送信し、受信局が、主局からの測位信号と従局からの測位信号とを受信したタイミングの差分に基づいて第1の遅延差を求め、第1の遅延差に基づいて位相差を検出して、位相差から第1の双曲線を算出すると共に、主局からの測位信号を受信するタイミングの時刻と、実際に主局からの測位信号を受信した時点の電波時計信号の時刻情報との差分を第2の遅延差として求め、第2の遅延差から第2の双曲線を算出し、第1の双曲線と第2の双曲線の交点となる位置を検出する地上波測位システムとしているので、送信局が2局のみであっても測位可能として、地理的条件が厳しい地域であってもシステムを実現可能とすることができる効果がある。
また、本発明によれば送信局が、パルス状の遅延時間検出信号を生成する信号生成部を備え、送信スロット内の特定のタイミングで遅延時間検出信号を送信すると共に、特定のタイミングに続く別のタイミングでCW信号を送信し、受信局が、主局及び従局からの遅延時間検出信号の受信タイミングに基づいて、第1の遅延差を検出する遅延時間検出部と、検出された第1の遅延差に対応するCW信号の1波長分を用いて位相差を検出する位相差検出部とを備えた上記地上波測位システムとしているので、第1の遅延差の検出により位相差を360度以内に絞り込んでから、CW信号による精密な位相差の検出を行うことができ、測位の精度を向上させることができる効果がある。
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
[実施の形態の概要]
本発明の実施の形態に係る地上波測位システム(本測位システム)は、双曲線航法によって測位を行う地上波測位システムであって、受信局が、主局及び従局からの測位信号に基づいて第1の遅延差を求め、更に第1の遅延差から位相差を特定して第1の双曲線を算出すると共に、既存の電波時計送信局からの電波時刻信号と当該電波時計信号に同期して主局から送信された測位信号とを受信して、第2の遅延差を求め第2の双曲線を算出して、第1の双曲線と第2の双曲線との交点の位置を検出するようにしており、2つの送信局でも測位可能として、3つ目の送信局を設ける地理的条件が厳しい場所でも測位システムを実現できるものである。
[実施の形態の概要]
本発明の実施の形態に係る地上波測位システム(本測位システム)は、双曲線航法によって測位を行う地上波測位システムであって、受信局が、主局及び従局からの測位信号に基づいて第1の遅延差を求め、更に第1の遅延差から位相差を特定して第1の双曲線を算出すると共に、既存の電波時計送信局からの電波時刻信号と当該電波時計信号に同期して主局から送信された測位信号とを受信して、第2の遅延差を求め第2の双曲線を算出して、第1の双曲線と第2の双曲線との交点の位置を検出するようにしており、2つの送信局でも測位可能として、3つ目の送信局を設ける地理的条件が厳しい場所でも測位システムを実現できるものである。
また、本測位システムは、主局及び従局が、各スロットの前半でパルス状の遅延時間検出信号を出力し、後半で連続したCW(Continuous Wave;連続波)信号を送信し、受信局が、主局と従局からの遅延時間検出信号に基づいて第1の遅延差を検出し、CW信号を用いて第1の遅延差に対応する位相差を含む1波長分(位相差360度)の範囲について位相差を検出して、第1の双曲線を算出するようにしているので、遅延時間検出信号によって遅延時間を把握して位相差360度以内にまで絞りこんだ後、CW信号によって正確な位相差を検出することができ、大幅な信号フォーマットの変更を行うことなく位相差を精度よく求めることができ、正確な位置を算出することができるものである。
[本測位システムの概略構成:図1]
ここで、本測位システムの概略構成について図1を用いて説明する。図1は、本測位システムの概略説明図である。
図1に示すように、本測位システムは、地上に設けられた固定局である主局(M1)と、従局(S1)と、電波時計送信局3と、船舶等に搭載された受信局2とを備えている。主局(M1)、従局(S2)、電波時計送信局3の位置情報は受信局2において既知である。
ここで、本測位システムの概略構成について図1を用いて説明する。図1は、本測位システムの概略説明図である。
図1に示すように、本測位システムは、地上に設けられた固定局である主局(M1)と、従局(S1)と、電波時計送信局3と、船舶等に搭載された受信局2とを備えている。主局(M1)、従局(S2)、電波時計送信局3の位置情報は受信局2において既知である。
そして、本測位システムでは、図1に示すように、受信局2が、主局(M1)と従局(S2)から送信される測位信号を受信して、それらの遅延差(第1の遅延差)を求め、第1の遅延差に基づいて位相差を特定して、当該位相差に基づいて第1の双曲線を算出すると共に、電波時計送信局3からの時刻情報と主局(M1)からの測位信号との遅延差(第2の遅延差)を求め、第2の遅延差に基づいて第2の双曲線を算出して、双曲線航法によって受信局2の位置(緯度経度)を求めるものである。
特に、本測位システムでは、第1の遅延差を従来に比べて精度よく算出でき、また、2個の送信局で測位可能として、適用範囲を広くすることができるものとしている。
特に、本測位システムでは、第1の遅延差を従来に比べて精度よく算出でき、また、2個の送信局で測位可能として、適用範囲を広くすることができるものとしている。
本測位システムの各部について説明する。
電波時計送信局3は、日本標準時等の時刻信号を送信する送信局であり、例えばJJYとする。
主局(M1)は、電波時計送信局3に同期して測位信号を送信する。
具体的には、主局(M1)は、内部時刻をカウントする自走式の時刻カウンタを備えており、定期的に電波時計送信局3からの時刻信号を受信して、予め記憶されている補正値で補正して、時刻カウンタを更新する。
主局(M1)と電波時計送信局3との距離は既知の値であり、それに基づいて補正値が算出されている。これにより、主局(M1)の時刻カウンタの値は、電波時計送信局3の時刻情報に同期する。
そして、主局(M1)は、予め設定されたタイミング(時刻)で、特定フォーマットの測位信号を送信する。
電波時計送信局3は、日本標準時等の時刻信号を送信する送信局であり、例えばJJYとする。
主局(M1)は、電波時計送信局3に同期して測位信号を送信する。
具体的には、主局(M1)は、内部時刻をカウントする自走式の時刻カウンタを備えており、定期的に電波時計送信局3からの時刻信号を受信して、予め記憶されている補正値で補正して、時刻カウンタを更新する。
主局(M1)と電波時計送信局3との距離は既知の値であり、それに基づいて補正値が算出されている。これにより、主局(M1)の時刻カウンタの値は、電波時計送信局3の時刻情報に同期する。
そして、主局(M1)は、予め設定されたタイミング(時刻)で、特定フォーマットの測位信号を送信する。
本測位システムにおいては、測位信号の構成が従来とは異なっている。測位信号の構成については後述する。
また、本測位システムでは、図7に示した周波数f1のみを用いて、測位信号を送信するものとしているが、f1とf2の2種類の周波数を用いてもよい。
また、本測位システムでは、図7に示した周波数f1のみを用いて、測位信号を送信するものとしているが、f1とf2の2種類の周波数を用いてもよい。
従局(S2)は、従来と同様に、主局(M1)からの測位信号を受信して、トリガ信号に基づいてタイミングを検出し、主局(M1)に同期して送信スロットS2のタイミングで測位信号を送信する。
[本測位システムの動作概略:図1]
次に、本測位システムの動作概略について図1を用いて説明する。
主局(M1)からは、電波時計送信局3の電波時計信号に同期して測位信号が送信され、遅延時間T1で受信局2に受信される。
また、従局(S1)からは主局(M1)に同期したタイミングで測位信号が送信され、遅延時間T2で受信局2に受信される。
次に、本測位システムの動作概略について図1を用いて説明する。
主局(M1)からは、電波時計送信局3の電波時計信号に同期して測位信号が送信され、遅延時間T1で受信局2に受信される。
また、従局(S1)からは主局(M1)に同期したタイミングで測位信号が送信され、遅延時間T2で受信局2に受信される。
受信局2では、予め設定されている信号フォーマットのタイミング(図7参照)に基づいて、主局(M1)及び従局(S1)からの測位信号を実際に受信したタイミングを比較して従局(S1)の遅延時間を求め、更に、当該遅延時間から1波長分(位相差360度分)を位相差検出範囲として、主局(M1)に同期した信号からの位相のずれを算出して、第1の遅延差(ΔT1=T1−T2)とする。
そして、受信局2では、第1の遅延差ΔT1に基づいて主局(M1)と従局(S1)との位相差を検出し、当該位相差と、主局(M1)及び従局(S1)の位置に基づいて第1の双曲線を算出する。
そして、受信局2では、第1の遅延差ΔT1に基づいて主局(M1)と従局(S1)との位相差を検出し、当該位相差と、主局(M1)及び従局(S1)の位置に基づいて第1の双曲線を算出する。
一方、電波時計送信局3から送信された電波時計信号は、遅延時間Tdで受信局2に到達する。
また、上述したように主局(M1)から電波時計信号に同期して送信された測位信号は、遅延時間T1で受信局2に到達する。
受信局2において、主局(M1)からの測位信号を受信したタイミングで電波時計信号を読み取って、本来主局(M1)からの測位信号を受信するタイミングの時刻との差分を求めることにより、第2の遅延差ΔT2=Td−T1が算出される。
そして、算出されたΔT2と、主局(M1)及び電波時計送信局3の位置に基づいて第2の双曲線が特定される。
第1の双曲線と第2の双曲線との交点が、受信局2の位置となる。
このようにして、本測位システムの動作が行われる。
また、上述したように主局(M1)から電波時計信号に同期して送信された測位信号は、遅延時間T1で受信局2に到達する。
受信局2において、主局(M1)からの測位信号を受信したタイミングで電波時計信号を読み取って、本来主局(M1)からの測位信号を受信するタイミングの時刻との差分を求めることにより、第2の遅延差ΔT2=Td−T1が算出される。
そして、算出されたΔT2と、主局(M1)及び電波時計送信局3の位置に基づいて第2の双曲線が特定される。
第1の双曲線と第2の双曲線との交点が、受信局2の位置となる。
このようにして、本測位システムの動作が行われる。
[本測位システムの送信局と受信局の概略構成:図2]
次に、本測位システムにおける送信局と受信局の概略構成について図2を用いて説明する。図2は、本測位システムにおける送信局と受信局の概略構成を示す概略構成図である。
尚、本測位システムの送信局及び受信局は、本測位システムの特徴部分以外の構成として、従来の送信局及び受信局と同等の構成を備えているが、説明を簡単にするために図示は省略する。
また、送信局1は、主局(M1)、従局(S1)に相当し、受信局2は、船舶に設けられ、移動局となるものである。
次に、本測位システムにおける送信局と受信局の概略構成について図2を用いて説明する。図2は、本測位システムにおける送信局と受信局の概略構成を示す概略構成図である。
尚、本測位システムの送信局及び受信局は、本測位システムの特徴部分以外の構成として、従来の送信局及び受信局と同等の構成を備えているが、説明を簡単にするために図示は省略する。
また、送信局1は、主局(M1)、従局(S1)に相当し、受信局2は、船舶に設けられ、移動局となるものである。
送信局1は、本測位システムの特徴部分である信号生成部11と、従来と同様の送信部12とを備えている。
また、受信局2は、従来と同様の受信部21及び測位処理部24と、本測位システムの特徴部分である遅延時間検出部22及び位相差検出部23とを備えている。
そして、本測位システムは、送信局1からの送信信号のパターンを従来とは異なるものとして、位相のずれを精度よく求め、第1の遅延時間の算出をより正確に算出できるようにしている。
また、受信局2は、従来と同様の受信部21及び測位処理部24と、本測位システムの特徴部分である遅延時間検出部22及び位相差検出部23とを備えている。
そして、本測位システムは、送信局1からの送信信号のパターンを従来とは異なるものとして、位相のずれを精度よく求め、第1の遅延時間の算出をより正確に算出できるようにしている。
各部について説明する。
送信局1の信号生成部11は、送信信号を生成する。
特に、本測位システムの信号生成部11は、図7に示した送信スロットS1〜S6で送信する信号パターンとして、従来とは異なる信号パターンを生成する。
具体的には、1スロット分の送信信号として、パルス状の遅延時間検出信号と、連続したCW信号(トーン信号)とを生成する。信号生成部11で生成される信号パターンについては後述する。
送信部12は、信号生成部11で生成された信号パターンを無線信号として周波数f1で送信する。
送信局1の信号生成部11は、送信信号を生成する。
特に、本測位システムの信号生成部11は、図7に示した送信スロットS1〜S6で送信する信号パターンとして、従来とは異なる信号パターンを生成する。
具体的には、1スロット分の送信信号として、パルス状の遅延時間検出信号と、連続したCW信号(トーン信号)とを生成する。信号生成部11で生成される信号パターンについては後述する。
送信部12は、信号生成部11で生成された信号パターンを無線信号として周波数f1で送信する。
受信局2の受信部21は、無線信号を受信する。無線信号としては、主局(M1)及び従局(S1)からの測位信号と、電波時計送信局3からの電波時計信号がある。
遅延時間検出部22は、本測位システムの特徴部分であり、主局(M1)及び従局(S1)から受信した遅延時間検出信号に基づいて、従局(S1)の、主局(M1)に同期した信号からの遅延時間を検出し、位相差検出部23に第1の遅延差(ΔT1)を出力する。
遅延時間検出部22は、本測位システムの特徴部分であり、主局(M1)及び従局(S1)から受信した遅延時間検出信号に基づいて、従局(S1)の、主局(M1)に同期した信号からの遅延時間を検出し、位相差検出部23に第1の遅延差(ΔT1)を出力する。
遅延時間検出信号は既知のパルス状の信号であるため、主局(M1)に同期したスロットS2の先頭から従局(S1)からの遅延時間検出信号の受信までの時間を検出して、主局(M1)に同期している場合の遅延時間検出信号のタイミングと比較することで、従局(S1)の遅延時間(絶対的な遅延時間)を求めることが可能となる。
本測位システムでは、位相差検出部23における位相差の検出精度を向上させるために、遅延時間を利用している。
本測位システムでは、位相差検出部23における位相差の検出精度を向上させるために、遅延時間を利用している。
また、遅延時間検出部22は、主局(M1)からの測位信号を受信したタイミングで、電波時計信号の時刻(時刻情報)を読み取って、予定されている測位信号受信のタイミングとの差分を第2の遅延差(ΔT2)として求め、測位処理部24に出力する。
位相差検出部23は、従来と同様に、従局(S1)から受信したCW信号に基づいて、主局(M1)に同期した信号からの位相のずれ(位相差)を検出するものであるが、本測位システムの特徴として、遅延時間検出部22から入力された遅延時間に基づいて、当該遅延時間に対応する位相差近傍のCW信号の1波長分(位相差360度分)で位相のずれを検出する。
位相差検出部23におけるCW信号を用いた位相差の検出方法は従来と同様であるが、遅延時間が大きくて位相差が360度を越える場合であっても、検出範囲は位相差360度以内に限定されるため、正確な位相差を迅速に検出することができるものである。
測位処理部24は、従来と同様に、双曲線航法により、第1の遅延差ΔT1及び位相差検出部23で検出された位相差に基づいて、主局(M1)及び従局(S1)からの距離を求めて第1の双曲線を算出し、第2の遅延差ΔT2に基づいて、主局(M1)及び電波時計送信局3からの距離を求めて第2の双曲線を算出し、2つの双曲線から受信局2の位置を算出する。
[本測位システムの送信信号:図3]
まず、本測位システムの送信局1から送信される送信信号(測位信号)について図3を用いて説明する。図3は、本測位システムの測位信号を示す概略説明図である。
図3に示すように、従来の地上波測位システムでは、送信局1からの測位信号として、送信スロット(S1〜S6)の40msec全てを使って連続したCW信号(トーン信号)を送信していたが、本測位システムでは、スロットの前半の特定タイミングでパルス状の遅延時間検出信号を送信し、後半の20msecで連続したCW信号を送信する。
尚、図3では、周波数f1とf2の両方を示しているが、ここではf1のみを用いて送信する。
まず、本測位システムの送信局1から送信される送信信号(測位信号)について図3を用いて説明する。図3は、本測位システムの測位信号を示す概略説明図である。
図3に示すように、従来の地上波測位システムでは、送信局1からの測位信号として、送信スロット(S1〜S6)の40msec全てを使って連続したCW信号(トーン信号)を送信していたが、本測位システムでは、スロットの前半の特定タイミングでパルス状の遅延時間検出信号を送信し、後半の20msecで連続したCW信号を送信する。
尚、図3では、周波数f1とf2の両方を示しているが、ここではf1のみを用いて送信する。
[遅延時間検出信号の波形:図4]
次に、本測位システムで用いられる遅延時間検出信号の波形について図4を用いて説明する。図4は、本測位システムで用いられる遅延時間検出信号の波形の例を示す説明図である。
本測位システムでは、遅延時間検出信号として、インパルス応答波形信号を用いている。
具体的には、送信局1の信号生成部11において、f1のDW信号に窓関数(hann窓)を乗算することにより遅延時間検出信号を生成する。生成される遅延時間検出信号は、図4に示すようなパルス波形となる。
次に、本測位システムで用いられる遅延時間検出信号の波形について図4を用いて説明する。図4は、本測位システムで用いられる遅延時間検出信号の波形の例を示す説明図である。
本測位システムでは、遅延時間検出信号として、インパルス応答波形信号を用いている。
具体的には、送信局1の信号生成部11において、f1のDW信号に窓関数(hann窓)を乗算することにより遅延時間検出信号を生成する。生成される遅延時間検出信号は、図4に示すようなパルス波形となる。
そして、送信局1の信号生成部11は、遅延時間検出信号とCW信号とを組み合わせた測位信号を生成して、送信部12から所定のタイミングで生成して送信する。
所定のタイミングとは、主局(M1)では、電波時計信号に同期した特定のタイミング(時刻)であり、従局(S1)では、主局(M1)に同期した特定スロットのタイミングである。
所定のタイミングとは、主局(M1)では、電波時計信号に同期した特定のタイミング(時刻)であり、従局(S1)では、主局(M1)に同期した特定スロットのタイミングである。
[遅延時間検出の概念:図5]
ここで、本測位システムにおける遅延時間検出の概念について図5を用いて説明する。図5は、本測位システムにおける遅延時間を検出するイメージを示す図である。
図5に示すように、本測位システムでは、送信局1が、1スロット(40msec)の前半20msecの中ほどで遅延時間検出信号を送信し、後半20msecはCW信号を送信する。
ここで、本測位システムにおける遅延時間検出の概念について図5を用いて説明する。図5は、本測位システムにおける遅延時間を検出するイメージを示す図である。
図5に示すように、本測位システムでは、送信局1が、1スロット(40msec)の前半20msecの中ほどで遅延時間検出信号を送信し、後半20msecはCW信号を送信する。
まず、第1の遅延差ΔT1を求める方法について説明する。
受信局2では、主局(M1)からの信号を受信してスロットタイミングを認識し、従局(S1)のスロットにおいて受信した遅延時間検出信号のタイミングと、主局からの受信信号に同期した遅延のない場合のタイミングとを比較して、その時間的な差を従局(S1)からの測位信号の遅延時間として検出する。これが第1の遅延差ΔT1である。
受信局2では、主局(M1)からの信号を受信してスロットタイミングを認識し、従局(S1)のスロットにおいて受信した遅延時間検出信号のタイミングと、主局からの受信信号に同期した遅延のない場合のタイミングとを比較して、その時間的な差を従局(S1)からの測位信号の遅延時間として検出する。これが第1の遅延差ΔT1である。
尚、受信局2は、例えば、遅延時間検出信号の受信レベルのしきい値を記憶しており、測位信号の受信レベルが当該しきい値を超えた場合に遅延時間検出信号を受信したと判断する。
そのため、受信局2には、測位信号のスロットにおいて遅延時間検出信号の信号レベルがしきい値を超える周期的なタイミング(所定の受信タイミング,遅延時間検出信号を検出すべきタイミング)が予め記憶されており、このタイミングと実際に従局(S1)から受信したタイミング(実際に遅延時間検出信号を検出したタイミング)とを比較して、第1の遅延差ΔT1を求めるようにしている。
そのため、受信局2には、測位信号のスロットにおいて遅延時間検出信号の信号レベルがしきい値を超える周期的なタイミング(所定の受信タイミング,遅延時間検出信号を検出すべきタイミング)が予め記憶されており、このタイミングと実際に従局(S1)から受信したタイミング(実際に遅延時間検出信号を検出したタイミング)とを比較して、第1の遅延差ΔT1を求めるようにしている。
つまり、受信局2では、主局(M1)に同期している場合にパルスを検出する本来のタイミングと、実際に従局(S1)からのパルスを検出したタイミングとを比較して、その差分の時間を算出している。
更に、従来、CW信号を用いた位相差検出は、検出可能な範囲が狭く、それを超えると正確な位相差が求められなかったが、本測位システムでは、遅延時間を求めることで、CW信号を用いた位相差検出の範囲を絞り込むことができ、それによって、位相差の検出精度を向上させるものである。
次に、第2の遅延差ΔT2を求める方法について説明する。
本測位システムでは、主局(M1)から測位信号が出力される時刻は、予め決められている。そして、受信局2には、主局(M1)からの測位信号が送信される時刻に基づいて、各スロットにおいて遅延時間検出信号の受信レベルがしきい値を超える周期的なタイミング(時刻)が予め記憶されている。
つまり、受信局2では、主局(M1)からの測位信号が電波時計信号と同じ遅延(Td)であった場合に、遅延時間検出信号を検出する時刻(所定の受信時刻,遅延時間検出信号を検出すべき時刻)を予め記憶していることになる。
本測位システムでは、主局(M1)から測位信号が出力される時刻は、予め決められている。そして、受信局2には、主局(M1)からの測位信号が送信される時刻に基づいて、各スロットにおいて遅延時間検出信号の受信レベルがしきい値を超える周期的なタイミング(時刻)が予め記憶されている。
つまり、受信局2では、主局(M1)からの測位信号が電波時計信号と同じ遅延(Td)であった場合に、遅延時間検出信号を検出する時刻(所定の受信時刻,遅延時間検出信号を検出すべき時刻)を予め記憶していることになる。
そして、受信局2は、主局(M1)からの測位信号を受信して、受信レベルがしきい値を超えたタイミングで、電波時計信号の時刻情報を取得して、実際に遅延時間検出信号を検出した時刻と、上述した所定の受信時刻との差分を求めて、第2の遅延差ΔT2とする。
「所定の受信時刻」は、請求項に記載した「主局からの測位信号を受信するタイミングの時刻」に相当している。
「所定の受信時刻」は、請求項に記載した「主局からの測位信号を受信するタイミングの時刻」に相当している。
このように、第2の遅延差ΔT2を求める際には、受信局2は、主局(M1)の測位信号が電波時計信号と同等の遅延であった場合にパルスを検出する本来の時刻と、実際に主局(M1)からのパルスを検出した時刻とを比較して算出している。
尚、ここでは、主局(M1)からの測位信号と電波時計信号とに基づいて第2の双曲線を算出しているが、主局(M1)の代わりに従局(S1)を用いて、従局(S1)からの測位信号と電波時計信号とに基づいて算出してもよい。
この場合、受信局2は、遅延時間が電波時計信号と同等であった場合に、従局(S1)のスロットで遅延時間検出信号が検出される本来の時刻を記憶しておき、実際に従局(S1)からの測位信号を受信して遅延時間検出信号を検出した時刻とを比較する。
この場合、受信局2は、遅延時間が電波時計信号と同等であった場合に、従局(S1)のスロットで遅延時間検出信号が検出される本来の時刻を記憶しておき、実際に従局(S1)からの測位信号を受信して遅延時間検出信号を検出した時刻とを比較する。
[本測位システムにおける位相差の検出]
次に、受信局2の位相差検出部23における位相差の検出について説明する。
上述したように、本測位システムでは、主局(M1)と従局(S1)からの測位信号に基づいて従局(S1)の遅延時間(第1の遅延差ΔT1)を算出し、更に、CW信号を用いて位相差を算出することで、精度を向上させるようにしている。
位相差検出部23では、遅延時間検出部22で算出された遅延時間(第1の遅延差ΔT1)に対応する位相差近傍の1波長分(位相差360度分)で位相差を算出する。
具体的には、位相差検出部23は、当該遅延時間を中心とする1波長分を位相差検出範囲とし、当該検出範囲について主局に同期した信号からの位相のずれを算出する。
次に、受信局2の位相差検出部23における位相差の検出について説明する。
上述したように、本測位システムでは、主局(M1)と従局(S1)からの測位信号に基づいて従局(S1)の遅延時間(第1の遅延差ΔT1)を算出し、更に、CW信号を用いて位相差を算出することで、精度を向上させるようにしている。
位相差検出部23では、遅延時間検出部22で算出された遅延時間(第1の遅延差ΔT1)に対応する位相差近傍の1波長分(位相差360度分)で位相差を算出する。
具体的には、位相差検出部23は、当該遅延時間を中心とする1波長分を位相差検出範囲とし、当該検出範囲について主局に同期した信号からの位相のずれを算出する。
これにより、例えば、図9のように1周波数を用いた検出において360度を超える位相差があった場合でも、遅延時間に対応する位相差前後の1波長以内に絞り込めるため、位相差を正確に検出することができるものである。
つまり、本測位システムでは、第1の遅延差によって位相差を精度よく特定して、地上波測位システムの測位精度を向上させることができるものである。
つまり、本測位システムでは、第1の遅延差によって位相差を精度よく特定して、地上波測位システムの測位精度を向上させることができるものである。
[実施の形態の効果]
本発明の実施の形態に係る地上波測位システムによれば、受信局2が、主局(M1)及び従局(S1)からの測位信号に基づいて第1の遅延差ΔT1を求め、更に第1の遅延差ΔT1に基づいて位相差を特定し、当該位相差から第1の双曲線を算出すると共に、電波時計送信局3からの電波時刻信号と当該電波時計信号に同期して主局(M1)から送信された測位信号とを受信して、第2の遅延差ΔT2を求め、第2の遅延差ΔT2から第2の双曲線を算出して、第1の双曲線と第2の双曲線の交点の位置を検出するようにしており、2つの送信局でも測位可能として、3つ目の送信局を設ける地理的条件が厳しい場所でも測位システムを実現できる効果がある。
本発明の実施の形態に係る地上波測位システムによれば、受信局2が、主局(M1)及び従局(S1)からの測位信号に基づいて第1の遅延差ΔT1を求め、更に第1の遅延差ΔT1に基づいて位相差を特定し、当該位相差から第1の双曲線を算出すると共に、電波時計送信局3からの電波時刻信号と当該電波時計信号に同期して主局(M1)から送信された測位信号とを受信して、第2の遅延差ΔT2を求め、第2の遅延差ΔT2から第2の双曲線を算出して、第1の双曲線と第2の双曲線の交点の位置を検出するようにしており、2つの送信局でも測位可能として、3つ目の送信局を設ける地理的条件が厳しい場所でも測位システムを実現できる効果がある。
また、本測位システムによれば、送信局1(主局(M1)及び従局(S1))の信号生成部11が、1スロット内に、パルス波形の遅延時間検出信号とトーン信号とを含む信号パターンを生成し、受信局2の遅延時間検出部22が、遅延時間検出信号に基づいて遅延時間(第1の遅延差ΔT1)を検出し、位相差検出部23が、CW信号を用いて、当該第1の遅延差に対応する位相差を中心としてCW信号の1波長分で位相差を検出するようにしているので、第1の遅延差によって位相差の範囲を360度以内に絞り込んでからCW信号による位相差検出ができ、遅延が大きい場合であっても正確な位相差を検出して、測位の精度を向上させ、測位処理の時間を短縮することができる効果がある。
また、本測位システムによれば、1つの周波数で測位を行うようにしているので、送信部及び受信部の構成及び動作を簡易にできる効果がある。
本発明は、特に送信局が2局であっても測位を行うことができると共に、測位の精度を向上させることができる地上波測位システムに適している。
1…送信局、 2,10…受信局、 11…信号生成部、 12…送信部、 21…受信部、 22…遅延時間検出部、 23…位相差検出部、 24…測位処理部
Claims (4)
- 地上波を送信する送信局としての主局及び従局と、前記送信局からの地上波を受信して、双曲線航法で測位を行う受信局とを備えた地上波測位システムであって、
前記主局が、電波時計信号に同期して測位信号を送信し、
前記従局が、前記主局に同期して測位信号を送信し、
前記受信局が、前記主局からの測位信号と前記従局からの測位信号とを受信したタイミングの差分に基づいて第1の遅延差を求め、前記第1の遅延差に基づいて位相差を検出して、前記位相差から第1の双曲線を算出すると共に、前記主局からの測位信号を受信するタイミングの時刻と、実際に前記主局からの測位信号を受信した時点の前記電波時計信号の時刻情報との差分を第2の遅延差として求め、前記第2の遅延差から第2の双曲線を算出し、前記第1の双曲線と前記第2の双曲線の交点となる位置を検出することを特徴とする地上波測位システム。 - 送信局が、パルス状の遅延時間検出信号を生成する信号生成部を備え、送信スロット内の特定のタイミングで前記遅延時間検出信号を送信すると共に、前記特定のタイミングに続く別のタイミングでCW信号を送信し、
前記受信局が、前記主局及び前記従局からの遅延時間検出信号の受信タイミングに基づいて、第1の遅延差を検出する遅延時間検出部と、前記検出された第1の遅延差に対応するCW信号の1波長分を用いて位相差を検出する位相差検出部とを備えたことを特徴とする請求項1記載の地上波測位システム。 - 遅延時間検出信号をインパルス応答信号とすることを特徴とする請求項1又は2記載の地上波測位システム。
- インパルス応答信号は、CW信号に窓関数を乗算して生成することを特徴とする請求項3記載の地上波測位システム。
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20220602 |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20221122 |