JP2020050645A - 創傷治癒期間短縮剤及び創傷治癒期間短縮材料 - Google Patents

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裕子 丸山
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Abstract

【課題】組織の損傷に対して短期間で高い治癒性を得ることができる創傷治癒期間短縮剤及び創傷治癒期間短縮材料を提供する。【解決手段】グリセリンエステルを含む、創傷治癒期間短縮剤。【選択図】なし

Description

本発明は、創傷治癒期間短縮剤及び創傷治癒期間短縮材料に関する。
組織損傷の形態として、切創、裂創、割創、擦過傷、挫滅創、挫創、銃創、爆傷、電撃傷、刺創、杙創、咬創、熱傷、褥瘡、術創等がある。組織損傷が深部まで及ぶほど、治癒期間が長期化することが多い。
例えば、熱傷、切傷等の創傷の治療剤及び治療材料として、イサロパン(登録商標)、フィブラスト(登録商標)スプレー、キズパワーパッド(TM)等が市販されている(例えば、非特許文献1及び2参照)。イサロパンはアルクロキサが使用された化学品医薬品であり散剤タイプのものである。フィブラストスプレーは成長因子であるbFGF(トラフェルミン(遺伝子組換え))が使用されている医薬品であり、bFGFを溶解液に要時溶解させて用いるスプレー剤タイプのものである。
医薬品インタビューフォーム「イサロパン(登録商標)外用散6%」、2007年9月(改訂第4版) 医薬品インタビューフォーム「フィブラストスプレー500」、2016年9月(改訂第10版)
本発明の一形態は、組織の損傷に対して短期間で高い治癒性を得ることができる創傷治癒期間短縮剤及び創傷治癒期間短縮材料を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための具体的手段は以下の通りである。
<1> グリセリンエステルを含む、創傷治癒期間短縮剤。
<2> 組織の再生に用いられる<1>に記載の創傷治癒期間短縮剤。
<3> 前記グリセリンエステルがグリセリンモノステアレート及びグリセリンモノアラキジエートの少なくとも一方を含む、<1>または<2>のいずれかに記載の創傷治癒期間短縮剤。
<4> 前記グリセリンエステルを表皮下組織に徐放する徐放性担体を更に含む、<2>または<3>のいずれかに記載の創傷治癒期間短縮剤。
<5> <1>〜<4>のいずれか1項に記載の創傷治癒期間短縮剤と、樹脂と、を含み、繊維状又はフィルム状である、創傷治癒期間短縮材料。
<6> 前記創傷治癒期間短縮剤は前記樹脂に練りこまれてなる<5>に記載の創傷治癒期間短縮材料。
本発明の一形態によれば、グリセリンエステルからなる創傷治癒期間短縮剤または創傷治癒期間短縮材料を、組織の損傷に対して供することで良好な治癒を示し、治癒期間の短縮効果を得ることができる。
本開示において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
本開示中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
(組織損傷)
組織損傷の要因として、物理的、化学的、生物学的でもよく、意図の有無によらない。すなわち、物理的要因による切創、裂創、割創、擦過傷、挫滅創、挫創、銃創、爆傷、電撃創、刺創、杙創、咬創、熱傷、褥瘡、術創等のいずれでもよい。また化学的要因による酸、アルカリ等での損傷や、生物的要因による細菌、微生物等による損傷のいずれでもよい。皮膚、すなわち表皮、真皮、皮下組織等のいずれの組織損傷でもよい。
以下、本発明の具体的な実施形態について詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
〔創傷治癒期間短縮剤〕
本実施形態の創傷治癒期間短縮剤は、グリセリンエステルを含み、表皮下組織の再生に用いられる。グリセリンエステルを有効成分として含む創傷治癒期間短縮剤を用いることにより、物理的、化学的または生物学的な要因による組織の損傷に対して治療効果および治癒期間の短縮効果が得られる。
創傷治癒期間短縮剤を組織の損傷が存在する皮膚の部位に塗布する、あるいは、基材に塗布した創傷治癒期間短縮剤を組織の損傷が存在する皮膚の部位と接触させる等(以後、「創傷治癒期間短縮剤を組織の損傷が存在する皮膚の部位に処置する」ともいう)により、表皮下組織の損傷に対する治療効果および治癒期間の短縮効果が得られる。
(グリセリンエステル)
本実施形態の創傷治癒期間短縮剤は、有効成分としてグリセリンエステルを含む。グリセリンエステルとしては、グリセリンが有するヒドロキシ基のうち1つ〜3つが脂肪酸と反応して得られ、アシル基を1つ〜3つ有するモノグリセリンエステル、ジグリセリンが有するヒドロキシ基のうち1つ〜4つが脂肪酸と反応して得られ、アシル基を1つ〜4つ有するジグリセリンエステル等が挙げられる。
グリセリンエステルを形成する脂肪酸としては、炭素原子数8〜22の飽和脂肪酸、炭素原子数8〜22の不飽和脂肪酸等が挙げられ、好ましくは炭素原子数12〜22の飽和脂肪酸及び炭素原子数12〜22の不飽和脂肪酸であり、より好ましくは炭素原子数18〜22の飽和脂肪酸であり、特に好ましくは炭素原子数18〜20の飽和脂肪酸である。
また、アシル基(RC(=O)−)としては、炭素原子数8〜22のアシル基が挙げられ、好ましくは炭素原子数12〜22のアシル基、より好ましくは炭素原子数18〜22のアシル基、更に好ましくは炭素原子数18〜20のアシル基である。なお、アシル基における炭化水素部分(R)は、飽和であってもよく、不飽和であってもよいが、飽和であることが好ましい。また、少なくとも一部の水素原子が他の置換基、原子等に置換されていてもよい。
モノグリセリンエステルとしては、組織の損傷に対する治療効果および治癒期間の短縮効果の点から、アシル基を1つ有するグリセリンモノエステルを含むことが好ましい。また、ジグリセリンエステルとしては、組織の損傷に対する治療効果および治癒期間の短縮効果の点から、アシル基を1つ有するジグリセリンモノエステルを含むことが好ましい。
モノグリセリンエステルとしては、グリセリンモノステアレート(グリセリンモノステアリン酸エステル)、グリセリンモノアラキジエート(グリセリンモノアラキジン酸エステル)等を含むことが好ましく、ジグリセリンエステルとしては、ジグリセリンモノステアレート(ジグリセリンモノステアリン酸エステル)、ジグリセリンモノアラキジエート(ジグリセリンモノアラキジン酸エステル)等を含むことが好ましい。
本実施形態の創傷治癒期間短縮剤は、有効成分として2種以上のグリセリンエステルを含んでいてもよい。例えば、グリセリンエステルとしては、グリセリンモノステアレート又はグリセリンモノアラキジエートとともに別のグリセリンエステルを含んでいてもよく、ジグリセリンモノステアレート又はジグリセリンモノアラキジエートとともに別のグリセリンエステルを含んでいてもよい。
有効成分として2種以上のグリセリンエステルを含む場合、グリセリンモノステアレートとともにグリセリンモノアラキジエートを含む、あるいは、ジグリセリンモノステアレートとともにジグリセリンモノアラキジエートを含むことが好ましい。
有効成分として2種以上のグリセリンエステルを含む場合、グリセリンエステル100質量%に対するグリセリンモノステアレート又はグリセリンモノアラキジエートの含有率は、1質量%〜99.99質量%であることが好ましく、55質量%〜99.8質量%であることがより好ましく、60質量%〜99.7質量%であることが更に好ましく、65質量%〜99.6質量%であることが特に好ましい。
創傷治癒期間短縮剤におけるグリセリンエステルの含有率は、組織の損傷に対して治療効果を発揮するために必要な量が創傷治癒期間短縮剤に含まれていれば特に限定されず、創傷治癒期間短縮剤100質量%に対して0.01質量%〜99質量%であることが好ましく、0.1質量%〜50質量%であることがより好ましく、0.5質量%〜20質量%であることが更に好ましい。
また、組織の損傷部位に対して、グリセリンエステルを原末のまま、少量振りかけて使用することもできる。
本実施形態の創傷治癒期間短縮剤は、グリセリンエステルを組織に徐放する徐放性担体を備えていてもよい。徐放性担体は、グリセリンエステルを表皮下組織に徐放する性質とともに生体内で分解吸収される性質を有するものであってもよい。具体的には、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、乳酸とグルコール酸との共重合体、ポリ−ε−カプロラクトン、ε−カプロラクトンと乳酸又はグリコール酸との共重合体、ポリクエン酸、ポリリンゴ酸、ポリ−α−シアノアクリレート、ポリ−β−ヒドロキシ酪酸、ポリトリメチレンオキサレート、ポリテトラメチレンオキサレート、ポリオルソエステル、ポリオルソカーボネート、ポリエチレンカーボネート、ポリプロピレンカーボネート、ポリ−γ−ベンジル−L−グルタメート、ポリ−γ−メチル−L−グルタメート、ポリ−L−アラニン等の合成高分子、デンプン、アルギン酸、ヒアルロン酸、キチン、ペクチン酸及びその誘導体等の多糖、又はゼラチン、コラーゲン(コラーゲンのタイプ及びその抽出法はいずれでもよい)、アルブミン、フィブリン等のタンパク質などが挙げられる。
また、徐放性担体は、生体内で分解吸収される性質を有しないものであってもよい。具体的には、ポリプロピレンやポリエチレン等の熱可塑性樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂等であってもよく、これらに限定されない。
また、徐放性担体の形状としては、特に限定されず、例えば、フィルム状、シート状、繊維状等が挙げられる。
(その他の成分)
創傷治癒期間短縮剤は、必要に応じて、従来公知であるその他の成分を本発明の目的を損なわない範囲で含んでいてもよい。その他の成分としては、炭化水素油、エステル油、高級脂肪酸、シリコーン油、フッ素系油等の油性成分、有機酸、有機酸のアルカリ金属塩、無機酸、無機酸のアルカリ金属塩、界面活性剤、紫外線吸収剤、皮膚刺激緩和剤、水溶性溶剤、染料、香料、防腐剤、殺菌剤、保湿剤、皮膚収斂剤などを含んでいてもよい。
〔創傷治癒期間短縮材料〕
本実施形態の創傷治癒期間短縮材料は、前述の創傷治癒期間短縮剤と、樹脂と、を含み、繊維状又はフィルム状である。グリセリンエステルを有効成分として含む創傷治癒期間短縮材料を用いることにより、物理的又は化学的な要因による表皮下組織の損傷に対して治療効果が得られる。また、グリセリンエステルを有効成分として含む創傷治癒期間短縮材料を表皮下組織の損傷が存在する皮膚の部位に処置することにより、長時間にわたり表皮下組織の損傷に対する治療効果が得られる。
なお、前述の創傷治癒期間短縮剤と共通する事項についてはその説明を省略する。
創傷治癒期間短縮材料としては、特に限定されず、衛生材料、医療用製品、それらの素材等が挙げられる。また、創傷治癒期間短縮材料の使用形態は、創傷治癒期間短縮材料を表皮下組織の損傷が存在する皮膚の部位に接触させることができれば特に限定されない。例えば、創傷治癒期間短縮材料に粘着性又は接着性を付与し、創傷治癒期間短縮材料を表皮下組織の損傷が存在する皮膚の部位に直接貼り付けて使用してもよい。また、粘着性又は接着性を具備する基材の一部に創傷治癒期間短縮材料を貼り付け、創傷治癒期間短縮材料を貼り付けた面を前述の皮膚の部位に貼り付けて使用してもよい。
より具体的には、創傷治癒期間短縮材料としては、褥瘡防止又は褥瘡の症状改善に用いるための、シーツ、ベッドのマットレス生地、カバー(布団、枕等のカバー)、ベッドパッド、下着・Tシャツ、患者衣、検査着、パンツ;あかぎれ等の切創の防止又は症状改善に用いるための、手袋、靴下、包帯;口腔内で使用するための、歯肉充填材、根管充填材;などが挙げられる。
また、繊維状の創傷治癒期間短縮材料としては、不織布、織物、編物、固綿、抄紙等のシート形態をした繊維シート、合撚糸、組紐、ロープなどが挙げられる。不織布としては、スパンボンド不織布、スパンレース不織布、メルトプローン不織布等の各種の不織布が挙げられる。
不織布の製造方法としては、種々公知の方法、例えば湿式法(抄紙方式)、乾式法(エアレイ方式、カード方式)、メルトブロー法、スパンボンド法等が用いられる。本発明の目的を損なわない範囲で、通常抄紙にて用いられる分散剤、粘剤、紙力剤等の添加剤を必要に応じて配合してもよい。不織布繊維の形状としては丸形、角形、各種異形など種々公知の断面形状を取りうる。
本実施形態で用いる不織布としては、モノコンポーネント型でもよく、芯鞘型・分割型・海島型から選ばれる複合繊維でもよい。この場合、有効成分であるグリセリンエステルは複合繊維全体に含まれてもよいし、複合繊維を形成する一部の樹脂に含まれてもよい。
本実施形態で用いる不織布としては、2種類以上の繊維が混合されていてもよい。混合繊維の場合、有効成分であるグリセリンエステルは2種類以上の繊維全体に含まれてもよいし、一部の繊維にのみ含まれてもよい。
なお、創傷治癒期間短縮剤が樹脂に練りこまれてなる不織布状の創傷治癒期間短縮材料としては、例えば、熱可塑性樹脂ペレットにグリセリンエステルを添加して紡糸して製造すればよい。グリセリンエステルを高濃度で含む熱可塑性樹脂ペレット、いわゆるマスターバッチを使用すると、より均一に混合することができる。また、紡糸して得られた不織布の表面に創傷治癒期間短縮剤を塗布して創傷治癒期間短縮材料を製造してもよい。
また、創傷治癒期間短縮剤が樹脂に練りこまれてなるフィルム状の創傷治癒期間短縮材料としては、例えば、熱可塑性樹脂ペレットと、有効成分であるグリセリンエステルとを混合し、混合物を押出成形して製造すればよい。なお、フィルム状の創傷治癒期間短縮材料は、シート状の創傷治癒期間短縮材料も包含する概念である。
フィルム状の創傷治癒期間短縮材料の平均厚みは、特に限定されず、用途等に応じて適宜選択することができる。フィルム状の創傷治癒期間短縮材料の平均厚みは、経済性、取り扱い性等の点から、200nm〜10mmであることが好ましく、1μm〜10mmであることがより好ましく、10μm〜10mmであることが更に好ましい。
(樹脂)
本実施形態の創傷治癒期間短縮材料は、樹脂を含む。
また、創傷治癒期間短縮材料は、前述の創傷治癒期間短縮剤が樹脂に練りこまれてなるものであってもよい。
樹脂としては、繊維状又はフィルム状の創傷治癒期間短縮材料を生成しやすい点から、熱可塑性樹脂を使用することができる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、オレフィン系樹脂、ウレタン系樹脂、アミド系樹脂、エステル系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂及びカーボネート系樹脂からなる群より選択される少なくとも一つの樹脂が挙げられる。なお、これら熱可塑性樹脂は、1種単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
オレフィン系樹脂としては、特に限定されるものではなく、従来公知のものを用いることができる。なお、本開示における「オレフィン系樹脂」とは、オレフィンの単独重合体、2種以上のオレフィンの共重合体、2種以上のオレフィンからなるポリマーブレンド若しくはポリマーアロイ、又はオレフィンと他のモノマーとの共重合体を意味する。
オレフィン系樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン等のエチレン系重合体が挙げられる。また、オレフィン系樹脂としては、例えば、エチレンと、炭素数3〜12のα−オレフィン、スチレン、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、アイオノマー等の各種ビニル化合物と、の共重合体などのエチレン系重合体が挙げられる。
炭素数3〜12のα−オレフィンとしては、特に限定されず、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン等が挙げられる。
更に、オレフィン系樹脂としては、例えば、プロピレンの単独重合体、プロピレン系共重合体が挙げられる。プロピレン系共重合体としては、例えば、ブロック型のプロピレン/エチレン系共重合体、ランダム型のプロピレン/エチレン系共重合体、ブロック型のプロピレン/エチレン/ブチレン共重合体、ランダム型のプロピレン/エチレン/ブチレン共重合体等が挙げられる。
オレフィン系樹脂としては、他にも、ポリブテン、ポリメチルペンテン等の炭素数4以上のα−オレフィン重合体、環状オレフィン共重合体等を例として挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
ウレタン系樹脂としては、特に限定されるものではなく、従来公知のものを用いることができる。ウレタン系樹脂は、基本的には、ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物とを原料として重合付加反応により合成される。
ポリオール化合物としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、グリセリン等の多価アルコール;ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリエーテルポリオール;ポリエステルポリオールなどが挙げられる。
ポリイソシアネート化合物としては、特に限定されず、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート、又は、トリメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、エチレンジイソシアネート等の脂肪族イソシアネートが挙げられる。
アミド系樹脂としては、特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。アミド系樹脂は、ジアミン化合物とジカルボン酸化合物との重縮合、アミノカルボン酸化合物の重縮合、ラクタム類の開環重合等によって得ることができる。具体的なアミド系樹脂としては、例えば、6−ナイロン、6,6−ナイロン等が挙げられる。
ジアミン化合物としては、例えば、エチレンジアミン、1,2−プロパンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、ピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、4,4’−ジアミノフェニルエーテル、キシリレンジアミン等が挙げられる。
ジカルボン酸化合物としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、アセトンジカルボン酸、セバシン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、2−ブチルテレフタル酸、テトラクロロテレフタル酸、アセチレンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、ω−ポリ(エチレンオキシ)ジカルボン酸等が挙げられる。
アミノカルボン酸化合物としては、例えば、グリシン、アラニン、フェニルアラニン、ω−アミノヘキサン酸、ω−アミノデカン酸、ω−アミノウンデカン酸等が挙げられる。
ラクタム類としては、例えば、ω−カプロラクタム、アゼチジノン、ピロリドン等を例として挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
アミド系樹脂には、ポリアミド系エラストマーも含まれる。
本開示における「ポリアミド系エラストマー」とは、結晶性で融点の高いハードセグメントを形成するポリマーと非晶性でガラス転移温度の低いソフトセグメントを形成するポリマーとを有する共重合体からなり、ハードセグメントを形成するポリマーの主鎖にアミド結合(−CONH−)を有するものをいう。
ポリアミド系エラストマーとしては、例えば、少なくともポリアミドが結晶性で融点の高いハードセグメントを形成し、他のポリマー(例えば、ポリエステル、ポリエーテル等)が非晶性でガラス転移温度の低いソフトセグメントを形成しているものが挙げられる。具体的には、ポリアミド系エラストマーとしては、JIS K6418:2007に規定されるアミド系熱可塑性エラストマー(TPA)等を例として挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
エステル系樹脂としては、特に限定されるものではなく、従来公知のものを用いることができる。
エステル系樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリ乳酸等を例として挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
アクリル系樹脂としては、特に限定されるものではなく、従来公知のものを用いることができる。
アクリル系樹脂としては、例えば、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−ジメチルアミノエチル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−ジメチルアミノエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル等の各種アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸及びメタクリル酸エステル単量体の単重合体又は共重合体が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
スチレン系樹脂としては、特に限定されるものではなく、従来公知のものを用いることができる。
スチレン系樹脂としては、例えば、ポリスチレン、ポリ(α−メチルスチレン)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、スチレン系樹脂には、ポリスチレン系エラストマーも含まれる。ポリスチレン系エラストマーとしては、例えば、少なくともポリスチレンがハードセグメントを形成し、他のポリマー(例えば、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリエチレン、水添ポリブタジエン、水添ポリイソプレン等)が非晶性でガラス転移温度の低いソフトセグメントを形成しているものを例として挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
ポリスチレン系エラストマーとしては、具体的には、スチレン−ブタジエン系共重合体[SB(ポリスチレン−ポリブタジエン)、SBS(ポリスチレン−ポリ(ブチレン)ブロック−ポリスチレン)、SEBS(ポリスチレン−ポリ(エチレン/ブチレン)ブロック−ポリスチレン)]、スチレン−イソプレン系共重合体[SIS(ポリスチレン−ポリイソプレンブロック−ポリスチレン)]、スチレン−プロピレン系共重合体[SEP(ポリスチレン−(エチレン/プロピレン)ブロック)、SEPS(ポリスチレン−ポリ(エチレン/プロピレン)ブロック−ポリスチレン)、SEEPS(ポリスチレン−ポリ(エチレン−エチレン/プロピレン)ブロック−ポリスチレン)、SEB(ポリスチレン(エチレン/ブチレン)ブロック)]等を例として挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
カーボネート系樹脂としては、特に限定されるものではなく、従来公知のものを用いることができる。
カーボネート系樹脂としては、例えば、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン等を骨格中に有するものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
創傷治癒期間短縮材料におけるグリセリンエステルの含有率は、表皮下組織の損傷に対して治療効果を発揮するために必要な量が創傷治癒期間短縮材料に含まれていれば特に限定されず、樹脂100質量%に対して、0.01質量%〜100質量%であることが好ましく、0.1質量%〜420質量%であることがより好ましく、0.5質量%〜10質量%であることが更に好ましい。
また、創傷治癒期間短縮材料は、必要に応じて、従来公知であるその他の成分を本発明の目的を損なわない範囲で含んでいてもよい。その他の成分としては、上述した創傷治癒期間短縮剤に含まれ得るものと同様である。
(治療期間)
完治もしくは完治に近い状態まで治癒が進行する期間の短縮は、患者のQOL(Quality of Life)の向上に加え、処置回数の低減による、医師負担や医療費の削減にも寄与する。本技術を用いることにより、短期間で高い治癒性を得ることができる。
以下に実施例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって制限されるものではない。
(切開傷モデルの作製)
ブタ(LWD)雌11週齢の背部を剃毛後、皮下組織に至る長さ25mm、深さ8mmの切開傷を作製した。切開箇所を止血した後、切開傷に熱水を注入し20秒接触させた。その後、熱水を吸い取り、切開傷モデルを作製した。
[実施例1]
オレフィン系樹脂とC18モノグリセリンモノエステル(グリセリンモノステアレート)の組成物をスパンボンド法により溶融紡糸し、不織布を得た。前述の切開傷モデルの切開傷に不織布を載せ、不織布の上からサージカルテープを貼付した。
[実施例2]
オレフィン系樹脂とC20モノグリセリンモノエステル(グリセリンモノアラキジエート)の組成物をスパンボンド法により溶融紡糸して、不織布を得た。前述の切開傷モデルの切開傷に不織布を載せ、不織布の上からサージカルテープを貼付した。
[比較例1]
グリセリンエステルを加えなかった以外は実施例1と同様にして不織布を得て、切開傷に載せ、不織布の上からサージカルテープを貼付した。
[比較例2]
切開傷にサージカルテープのみを貼付した。
[比較例3]
市販の治療剤又は治療材料であるフィブラストスプレー(科研製薬株式会社製)を創部にスプレー後、ガーゼをあてサージカルテープを貼付した。
実施例1、2及び比較例1〜3について、処置8日後に、処置部位を、以下の表1に示す項目別臨床スコアの基準に従ってスコア化し、各スコアを合計した。また、処置8日後の剖検時に、処置部位を、以下の表2に示す剖検所見スコアの基準に従ってスコア化し、各スコアを合計した。項目別臨床スコア及び剖検所見スコアの評価は、n数を5で行い平均をとった。
結果を表3に示す。
表3中、スコアが小さいほど、創傷治癒期間が短縮されていることを示す。表3に示すように、グリセリンエステル、特にグリセリンモノステアレートやグリセリンモノアラキジエートを用いることにより、創傷治癒期間が短縮されていることが分かる。

Claims (6)

  1. グリセリンエステルを含む、創傷治癒期間短縮剤。
  2. 組織の再生に用いられる請求項1に記載の創傷治癒期間短縮剤。
  3. 前記グリセリンエステルがグリセリンモノステアレート及びグリセリンモノアラキジエートの少なくとも一方を含む、請求項1または請求項2のいずれかに記載の創傷治癒期間短縮剤。
  4. 前記グリセリンエステルを表皮下組織に徐放する徐放性担体を更に含む、請求項2または請求項3のいずれかに記載の創傷治癒期間短縮剤。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の創傷治癒期間短縮剤と、樹脂と、を含み、繊維状又はフィルム状である、創傷治癒期間短縮材料。
  6. 前記創傷治癒期間短縮剤は前記樹脂に練りこまれてなる請求項5に記載の創傷治癒期間短縮材料。
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