本発明に係る一実施形態の紙葉類処理装置を図面を参照して以下に説明する。図1〜図3に示す本実施形態に係る紙葉類処理装置1は、紙葉類Sとして主に紙幣を分類処理するものであり、投入された紙葉類Sを、計数対象である計数対象紙葉類と計数対象ではないリジェクト紙葉類とに分類し、計数対象紙葉類を更に種類別に計数して種類別に収容し、計数結果と収容先とを関連付けて表示するものである。以下の説明において、「前」は操作者側、「後」は操作者とは反対側、「右」は操作者から見て右側、「左」は操作者から見て左側である。
第1実施形態の紙葉類処理装置1は、計数ユニット2と収容ユニット3とが組み合わせられて構成されている。ここでは、1台の計数ユニット2に1台の収容ユニット3を組み合わせる場合を例にとり説明するが、1台の計数ユニット2に対し複数台の収容ユニット3を連設することも可能となっている。
図1,図3に示すように、計数ユニット2は、その右側面側の下部に設けられて右側面及び前面に亘って計数ユニット2外、即ち紙葉類処理装置1外に常時開口する受入部11と、同じく右側面側の上部に設けられて右側面及び前面に亘って計数ユニット2外、即ち紙葉類処理装置1外に常時開口するリジェクト部13とを有している。リジェクト部13及び受入部11は、前後方向及び左右方向の位置を重ね合わせて上下に並んで配置されている。
図2に示すように、受入部11には、複数枚の紙葉類Sが長辺部を前後に沿わせ、短辺部を左右に沿わせて上下方向に集積された状態でセットされることになる。受入部11は、このようにセットされた集積状態の紙葉類Sを最下のものから一枚ずつ分離し繰り出して紙葉類処理装置1内に取り込む。受入部11から繰り出される紙葉類Sは、その短辺部の延在方向に沿って移動する。
計数ユニット2の内部には、受入部11から繰り出された紙葉類Sを搬送する計数ユニット内搬送構成部21と、計数ユニット内搬送構成部21で搬送中の紙葉類Sを識別しつつ計数する識別部22とが設けられている。計数ユニット内搬送構成部21で搬送される紙葉類Sは、その短辺部の延在方向に沿って移動する。識別部22は、計数ユニット内搬送構成部21の受入部11側の端部位置に設けられて、受入部11が繰り出す紙葉類Sの搬送状態を検出する検出部23と、計数ユニット内搬送構成部21の検出部23よりも下流側に設けられて紙葉類Sの搬送状態以外の金種等の種類の識別を行う識別本体部24とを有している。
計数ユニット内搬送構成部21は、受入部11から計数ユニット2の左側面に向けて延出する左方延出部21aと、左方延出部21aの左側面近傍の端部から上方に延出する上方延出部21bと、上方延出部21bの上端部から計数ユニット2の左側面に向け延出して左側面に開口する左方延出部21cと、上方延出部21bの識別部22よりも上側から分岐し、計数ユニット2の右側面に向け延出してリジェクト部13に繋がる分岐延出部21eとを有している。計数ユニット内搬送構成部21には、鉛直方向に沿う上方延出部21bに識別部22が設けられている。
収容ユニット3の内部には、計数ユニット2の左方延出部21cに接続され、左方延出部21cから繰り出された紙葉類Sを搬送する収容ユニット内搬送構成部27が設けられている。収容ユニット内搬送構成部27で搬送される紙葉類Sも、その短辺部の延在方向に沿って移動する。
収容ユニット内搬送構成部27は、収容ユニット3の右側面の上部に開口し、収容ユニット3の左側面に向け水平且つ直線状に延出して、左側面の上部に開口する連結搬送構成部27Aと、連結搬送構成部27Aの左側部分から下側に分岐する分岐搬送構成部27Bとを有している。連結搬送構成部27Aと分岐搬送構成部27Bとは、それぞれ個別の駆動モータを有しており、独立して駆動可能となっている。1台の計数ユニット2に対し収容ユニット3が複数台連設される場合は、これらを左右方向に並べて連結し、複数台の収容ユニット3の隣り合うもの同士が連結搬送構成部27Aを接続させて連結される。
分岐搬送構成部27Bは、連結搬送構成部27Aの左側から分岐して鉛直下方に延出する縦搬送部27Baと、1つが縦搬送部27Baの下端位置から収容ユニット3の右側面に向けて延出し、また複数が縦搬送部27Baの中間位置から分岐して収容ユニット3の右側面に向けて延出する、複数具体的には4つの分岐搬送部27Bbとを有している。4つの分岐搬送部27Bbには、それぞれ、紙葉類Sを集積させて収容する収容部14が接続されている。よって、収容ユニット3には、複数、具体的には4個の収容部14が設けられている。
図1,図3に示すように、収容部14は、いずれも、収容ユニット3のユニット本体91の前面92、即ち紙葉類処理装置1の装置本体95の前面96に設けられた開口部15を有しており、それぞれの開口部15において、収容ユニット3外、即ち紙葉類処理装置1外に常時開口している。収容ユニット3のユニット本体91の前面92、即ち紙葉類処理装置1の装置本体95の前面96には、収容部14のそれぞれと高さを合わせて左横に、高さの合う収容部14の紙葉類Sの集積枚数等の状態を表示する状態表示部28が設けられている。
収容ユニット3に設けられた複数の収容部14は、前後方向及び左右方向の位置を重ね合わせて上下方向(高さ方向)に所定の間隔をあけて並んで配置されている。複数の収容部14は、計数ユニット2に設けられた受入部11及びリジェクト部13とも、前後方向の位置を重ね合わせている。
図2に示すように、互いに接続された計数ユニット内搬送構成部21と収容ユニット内搬送構成部27とが、受入部11から繰り出された紙葉類Sを搬送する搬送部30を構成している。搬送部30は、その搬送中に紙葉類Sが識別部22で識別されると、識別部22よりも下流側の部分が識別部22の識別結果に基づいて紙葉類Sを、リジェクト部13及び複数の収容部14のうちの一つに択一的に振り分ける。
紙葉類処理装置1において、リジェクト部13及び複数の収容部14は、識別部22の識別結果に基づいて紙葉類Sを分類して紙葉類処理装置1外に取り出し可能に収容する。図1,図3に示すように、複数の収容部14では、紙葉類処理装置1の装置本体95の前面96に設けられた開口部15から紙葉類処理装置1の前方に紙葉類Sが引き抜かれる。
図2に示すように、リジェクト部13は、受入部11で紙葉類処理装置1内に取り込まれた紙葉類Sのうち、識別部22で計数対象紙葉類以外のリジェクト紙葉類と識別された紙葉類Sを集積させて紙葉類処理装置1外に取り出し可能に収容するものである。リジェクト部13は、計数ユニット内搬送構成部21から紙葉類Sが繰り出されることになり、このように繰り出された紙葉類Sを繰り出し順(言い換えれば受入部11の取り込み順)に下から上に集積させる。紙葉類Sは、計数ユニット内搬送構成部21の分岐延出部21eからリジェクト部13に繰り出されると、リジェクト部13内で、長辺部を前後に沿わせ、短辺部を左右に沿わせて下から上に集積される。
複数の収容部14は、受入部11で紙葉類処理装置1内に取り込まれた紙葉類Sのうち、識別部22で計数対象紙葉類と識別されて種類別に計数された紙葉類Sを種類別に集積させて紙葉類処理装置1外に取り出し可能に収容するものである。複数の収容部14は、いずれも、収容ユニット内搬送構成部27から紙葉類Sが繰り出されることになり、このように繰り出された紙葉類Sを繰り出し順(言い換えれば受入部11の取り込み順)に右下から左上の方向に集積させる。
図1,図3に示すように、紙葉類処理装置1の計数ユニット2の前面には、操作入力を受け付けると共に情報表示を行う操作表示部31が設けられている。また、図2に示すように、計数ユニット2の内部には、計数ユニット2及び計数ユニット2に連結された収容ユニット3の各部を制御する制御部32と、識別の基準となるマスタデータや識別計数結果のデータ等を記憶する記憶部33とが設けられている。
計数ユニット2に設けられた受入部11は、上述したように紙葉類処理装置1の右側面側に右側方及び前方に常時開口するように設けられている。受入部11は、水平に対して若干左下がりに傾斜して配置される底部40と、底部40の左端位置から底部40に対して垂直をなして上方に延出する壁部41と、底部40の後端縁部から鉛直上方に延出する壁部43とを有している。底部40及び壁部41は前後方向に広がっており、壁部43は鉛直方向及び左右方向に広がっている。底部40と壁部41と壁部43とは互いに垂直に配置されている。受入部11には、紙葉類Sが、壁部41に一方の長辺部を、壁部43に一方の短辺部を、それぞれ当接させるようにして、底部40上に集積状態でセットされる。受入部11は、底部40の上方に設けられて壁部41に沿って昇降するビルプレス45を有しており、ビルプレス45は、底部40上に載置された紙葉類Sを底部40に向けて押圧する。
受入部11は、底部40上にセットされた紙葉類Sのうちの最下の紙葉類Sを左方の計数ユニット内搬送構成部21に向けて蹴り出す蹴出ローラ51と、蹴出ローラ51で蹴り出された紙葉類Sを紙葉類処理装置1の内部に取り込んで計数ユニット内搬送構成部21に受け渡す取込ローラ52と、取込ローラ52で取り込む紙葉類Sを一枚ずつに分離する分離ローラ53とを有している。蹴出ローラ51、取込ローラ52及び分離ローラ53が、受入部11にセットされた紙葉類Sを一枚ずつ分離して紙葉類処理装置1の内部に取り込む取込部55を構成している。
上記した識別部22の検出部23は、計数ユニット内搬送構成部21の左方延出部21aにおける受入部11の近傍位置に配置されており、紙葉類Sの受入部11からの繰り出しの有無及び紙葉類Sの搬送状態を検出する。検出部23は、紙葉類Sの光透過率或いは物理的厚さから重送の有無を検出し、紙葉類Sの長辺部方向両側のそれぞれの検知タイミングのずれから斜行の有無を検出し、隣り合う紙葉類Sのそれぞれの検知タイミングの間隔からニアフィードの有無を検出する。検出部23で、重送、斜行及びニアフィードのいずれも無いことが検出された紙葉類Sは、言い換えれば、検出部23で正常搬送であることが検出された紙葉類Sになる。
識別部22の識別本体部24は、紙葉類Sの可視光照射時及び紫外線照射時の画像を検出すると共に、それぞれを基準データと比較して、一致すると判定できる基準データの種類を、紙葉類Sの種類と特定する。このように種類が特定された紙葉類Sは、識別異常なしの紙葉類Sとなる。一方、一致すると判定できる基準データがない場合、識別異常ありの紙葉類Sと特定する。
計数ユニット2に設けられたリジェクト部13は、水平に対して若干左下がりに傾斜して配置される底部60と、底部60の左端位置から底部60に略垂直をなして上方に延出する壁部61と、底部60の後端縁部から鉛直上方に延出する壁部63とを有している。底部60及び壁部61は前後方向に広がっており、壁部63は鉛直方向及び左右方向に広がっている。
壁部61の上部には、計数ユニット内搬送構成部21の分岐延出部21eの端末位置の近傍に設けられて分岐延出部21eで搬送されてきた紙葉類Sを繰り出して底部60に集積させる羽根車65が設けられている。羽根車65は、分岐延出部21eで搬送されてきた紙葉類Sを羽根と羽根との間に挟んで共に回転し、この紙葉類Sが壁部61に当接して羽根と羽根との間から抜け出すと、この紙葉類Sを羽根で底部60側、即ち下方に押す。
図示は略すが、リジェクト部13には、リジェクト部13内の紙葉類Sの有無を検知する紙葉類有無検知センサと、この紙葉類有無センサの検知結果に基づいて点灯状態が切り替えられる有無表示照明とが設けられている。有無表示照明は、リジェクト部13内に紙葉類Sがあることが紙葉類有無検知センサで検知されている状態では点灯し、リジェクト部13内に紙葉類Sがないことが紙葉類有無検知センサで検知されている状態では消灯する。また、有無表示照明は、例えばリジェクト部13内に紙葉類Sがフル状態になると点滅する。
有無表示照明は、例えば、底部60に、計数ユニット2、即ち紙葉類処理装置1の前面位置及び右側面位置で外に向け発光するように設けられている。羽根車65で繰り出された紙葉類Sを案内して底部60に集積させる図1,図3に示すカバー66に有無表示照明を設けても良い。その場合、カバーを透明材料で形成し、カバー66の全体を光らせるようにしても良い。
収容ユニット3に設けられた複数の収容部14は、いずれも同様の構成であり、紙葉類処理装置1の装置本体95の前面96に開口する上記した開口部15と、水平に対し右下がりに傾斜する収容底部70と、収容底部70の後側で広がる収容奥壁部73とを有している。収容底部70は、その上方に向く上面71が右下がりに傾斜して前後方向に広がっている。収容奥壁部73は、その前方に向く奥壁面74が鉛直方向及び左右方向に広がっており、言い換えれば前後方向に対し直交するように広がっている。
収容ユニット3は、収容部14のそれぞれの内側に配置される摺動ステージ部81を有している。摺動ステージ部81は、図3の上から1個目、3個目及び4個目の摺動ステージ部81に示すように全体が収容部14内に配置される後退端位置と、図3の上から2個目の摺動ステージ部81に示すように、収容部14の開口部15から一部突出する前進端位置との間で、収容部14に対し摺動可能に設けられている。摺動ステージ部81は、後退端位置にある状態が紙葉類Sを受け入れる待機状態であり、前進端位置にある状態が収容している紙葉類Sを前方に押し出す押し出し状態となる。
収容ユニット3は、複数の収容部14および複数の状態表示部28を含むユニット本体91に対し、複数の摺動ステージ部81が摺動可能となっている。このユニット本体91の前方に向く前面92に、複数の収容部14の開口部15が配置されており、複数の状態表示部28は、このユニット本体91の前面92の一部を構成する。収容ユニット3のユニット本体91と計数ユニット2とが、紙葉類処理装置1の装置本体95を構成している。ユニット本体91の前面92は、装置本体95の前方に向く前面96の一部を構成している。よって、複数の摺動ステージ部81は、装置本体95に対しても摺動可能となっており、複数の収容部14の開口部15は、装置本体95の前面96に配置され、複数の状態表示部28は、装置本体95の前面96の一部を構成する。
摺動ステージ部81は、収容底部70の右端位置から水平に対し右上がりに延出する支持ステージ82と、支持ステージ82の後側で広がる押出ステージ85とを有している。支持ステージ82は収容底部70側に向く支持面83が右上がりに傾斜して前後方向に広がっている。押出ステージ85は、その前方に向く前面である押出面86が、支持ステージ82の後側で鉛直方向及び左右方向に広がっており、言い換えれば前後方向に対し直交するように広がっている。収容底部70の上面71及び支持ステージ82の支持面83に対し、収容奥壁部73の奥壁面74及び押出ステージ85の押出面86は略直交するように広がっている。摺動ステージ部81は、待機状態にあるとき、押出ステージ85の押出面86が収容奥壁部73の奥壁面74と略面一に配置されている。
図2に示すように、分岐搬送構成部27Bの各分岐搬送部27Bbの末端位置には、対応する収容部14内に紙葉類Sを繰り出す羽根車75が設けられている。羽根車75には、多数の羽根が周方向に所定の間隔で周方向同側に延出するように設けられている。羽根車75は、支持ステージ82と対向する側が上から下に移動するように回転することになり、支持ステージ82と対向する側の羽根は、支持ステージ82と対向する際に固定端が下側に自由端が上側に位置するように延びている。
羽根車75は、分岐搬送構成部27Bの縦搬送部27Ba及び4つの分岐搬送部27Bbのうちの対応するもので搬送されてきた紙葉類Sを羽根と羽根との間に挟んで紙葉類Sと共に回転し、この紙葉類Sが収容底部70の上面71に当接して羽根と羽根との間から抜け出すと、この紙葉類Sを羽根で支持ステージ82側に押す。このとき、紙葉類Sは、短辺部を上下に沿わせて収容底部70の上面71に下端の長辺部で当接して支持されると共に、この上面71にガイドされて支持ステージ82の支持面83側に移動し、支持ステージ82の支持面83に厚さ方向一側の面が重なって支持されることになる。次に繰り出される紙葉類Sは、同様にして、短辺部を上下に沿わせて収容底部70の上面71に下端の長辺部で当接して支持されると共に、この上面にガイドされて支持ステージ82の支持面83側に移動し、既に支持ステージ82に支持されている紙葉類Sの厚さ方向他側の面に、厚さ方向一側の面が重なって支持される。このようにして、紙葉類Sが厚さ方向に順に集積されて、支持ステージ82の支持面83に載置される。複数の収容部14のそれぞれにも、リジェクト部13と同様の紙葉類有無センサ及び有無表示照明が設けられている。収容部14の有無表示照明は、例えば、収容底部70に、収容ユニット3即ち紙葉類処理装置1の前面位置で外に向け発光するように設けられている。
摺動ステージ部81は、待機状態で収容部14に繰り出された紙葉類Sを支持ステージ82で支持することになるが、収容部14に繰り出されて支持ステージ82が支持する紙葉類Sの集積枚数が増えていくと、図1の上から2個目の収容部14に示すように、支持ステージ82が紙葉類Sの集積枚数に応じた角度で揺動する。
また、収容部14に繰り出された紙葉類Sを使用者に受け取らせる場合、図3の上から2個目の収容部14に示すように、摺動ステージ部81が、待機状態から前進して収容している紙葉類Sを支持ステージ82及び押出ステージ85で収容部14の開口部15よりも前方に一部突出させる。
収容ユニット3は、状態表示部28の左側に、前開閉カバー111を有している。前開閉カバー111は、収容ユニット3のユニット本体91に対して鉛直軸回りに回動可能に支持されている。前開閉カバー111は、閉状態で前方に向く前面112を有する前板部113と、閉状態で左方に向く側面115を有する側板部116とを有している。閉状態で、側板部116は、前板部113の左端縁部から後方に延出する。前開閉カバー111は、閉状態にあるとき、その前面112がユニット本体91の前面112と略面一状となる。前開閉カバー111の側板部116には、前開閉カバー111を開く際に、利用者の指が掛けられる前開閉カバー取手部118が、閉状態にあるときの後部に側面115から凹んで設けられている。前開閉カバー111は、状態表示部28側、即ち閉状態での右側の端縁部に回動中心を有しており、手動により、この回動中心を中心に前方且つ右方に回動させられて開状態となる。
収容ユニット3には、前開閉カバー111で開閉される位置、言い換えれば、閉状態の前開閉カバー111で覆われ、前開閉カバー111が開状態になると前方に向けて露出する部分に、図2に示す搬送部30の縦搬送部27Baが配置されている。言い換えれば、搬送部30の縦搬送部27Baは、その前部が前開閉カバー111で開閉される。
図4〜図7は、図3に示すユニット本体91からカバー類を除いたユニット本体主体部121と、ユニット本体主体部121とは別体、言い換えればユニット本体91とは別体の着脱搬送ガイド部122(搬送ガイド部)とを示すものである。ユニット本体主体部121には、上述した収容部14、摺動ステージ部81及び複数の状態表示部28等が設けられている。ユニット本体主体部121の状態表示部28の左側に着脱搬送ガイド部122が設けられている。
着脱搬送ガイド部122は、図7に示すように、ユニット本体主体部121から前方に抜き出し可能となっている。言い換えれば、着脱搬送ガイド部122は、ユニット本体91から前方に抜き出し可能であり、更に言い換えれば、装置本体95から前方に抜き出し可能である。よって、着脱搬送ガイド部122は、ユニット本体主体部121を含む装置本体95に対し着脱式となっている。ユニット本体主体部121には、着脱搬送ガイド部122が前方から差し込まれて配置される搬送ガイド部配置スペース124が設けられている。
ユニット本体主体部121は、着脱搬送ガイド部122が搬送ガイド部配置スペース124に差し込まれてセットされた状態で、着脱搬送ガイド部122と対向する位置に、搬送本体部131を有している。搬送本体部131は、着脱搬送ガイド部122とで図2に示す搬送部30の縦搬送部27Baを構成する。図7に示すように、搬送本体部131は、ユニット本体主体部121において位置固定であり、着脱搬送ガイド部122のように着脱式とはなっていない。着脱搬送ガイド部122は、図4,図5に示すように、搬送ガイド部配置スペース124に差し込まれてユニット本体主体部121にセットされた状態が、搬送本体部131とで紙葉類Sを搬送可能な搬送可能状態である。
搬送本体部131には、着脱搬送ガイド部122を、搬送可能状態で搬送ガイド部配置スペース124から抜き出し不可にロックする前部ロック部141(ロック部)が設けられている。前部ロック部141は、着脱搬送ガイド部122の前面の上下を係止する複数、具体的には2つの上部係止部142及び下部係止部143と、上部係止部142と下部係止部143との間に設けられた解除操作部150とを有している。
解除操作部150は、上部係止部142と下部係止部143との間に設けられたレバー支持部材151と、図8,図9に示すように、レバー支持部材151に上下方向に延びるように支持されたレバー回動軸152と、レバー回動軸152に、これを中心に回動可能に設けられた開放レバー153と、開放レバー153の回動を付勢する捻りバネ154とを有している。
図10に示す上部係止部142及び図11に示す下部係止部143は、着脱搬送ガイド部122の前端部を係止して、その前方及び右方への移動を規制する。図10に示すように、開放レバー153は、一対の係合爪157を有しており、これら係合爪157が、着脱搬送ガイド部122の前面に形成された一対の係合穴158に係合することで、図8に示すように着脱搬送ガイド部122の前部を係止して、その左方への移動を規制する。
図7に示すように、搬送本体部131は、第1搬送面部171を有しており、この第1搬送面部171は、左方に向いて搬送ガイド部配置スペース124に面している。第1搬送面部171は、図2に示す縦搬送部27Baの右側部分を構成する。
ユニット本体主体部121は、搬送本体部131の第1搬送面部171に対向して搬送ガイド部配置スペース124に面する内壁面173(ガイド面)を有するユニット側板部172を有している。
図12〜図14に示すように、搬送本体部131は、第1搬送面部171を構成する合成樹脂製の第1縦搬送ガイド板部175と、第1搬送面部171を構成する複数の第1搬送ローラ部176とを有している。第1縦搬送ガイド板部175は、全体的には、左右方向に対し直交する方向に略平板状をなすように広がっている。図14に示すように、第1搬送ローラ部176は、高さを合わせた2つのローラ177を有しており、第1縦搬送ガイド板部175から一部突出して第1搬送面部171を構成する。図12に示すように、このような第1搬送ローラ部176が上下に複数、具体的には11個設けられている。第1搬送ローラ部176は、図示略の駆動モータに駆動されて回転する。
また、搬送本体部131は、各分岐搬送部27Bbを構成する複数の合成樹脂製の分岐搬送ガイド板部181と、各分岐搬送部27Bbを構成する複数の分岐搬送ローラ部182とを有している。さらに、搬送本体部131は、縦搬送部27Baから各分岐搬送部27Bbに紙葉類Sを案内する揺動可能な振分ゲート部材183を分岐搬送部27Bbと同数、即ち4つ有している。振分ゲート部材183は、上下方向(高さ方向)に所定の間隔をあけて設けられている。振分ゲート部材183は、第1縦搬送ガイド板部175から一部突出して第1搬送面部171の一部を構成する。振分ゲート部材183は、図12〜図14に示す揺動位置にあるとき、第1搬送面部171において最も突出する部位となる。振分ゲート部材183は、揺動位置にあるとき、縦搬送部27Baから対応する分岐搬送部27Bbに紙葉類Sを取り込む一方、突出量を減らす基本位置にあるとき、縦搬送部27Baから対応する分岐搬送部27Bbに紙葉類Sを取り込まない。振分ゲート部材183は、揺動位置にある状態が待機状態となっている。
第1搬送面部171は、主に第1縦搬送ガイド板部175で構成されている。第1搬送面部171は、全体的には、左右方向に対し直交する方向に平面状に広がっており、前後方向及び上下方向に広がっている。第1搬送面部171に沿う方向は、上下方向及び前後方向であり、第1搬送面部171に直交する方向は左右方向になっている。左右方向は、第1搬送面部171に交差する方向に含まれる。
着脱搬送ガイド部122は、図12,図13に示すように搬送可能状態にあるとき、搬送本体部131の第1搬送面部171に対向する第2搬送面部191を有している。第2搬送面部191は、図2に示す縦搬送部27Baの左側部分を構成する。図12,図13に示すように、第2搬送面部191は、主に合成樹脂により成形された第2縦搬送ガイド板部192で構成されている。着脱搬送ガイド部122が搬送可能状態にあるとき、第2縦搬送ガイド板部192は、全体的には、左右方向に対し直交する方向に略平板状をなすように広がっている。
第2搬送面部191は、主に第2縦搬送ガイド板部192で構成されている。よって、搬送可能状態にあるときの着脱搬送ガイド部122の第2搬送面部191も、第1搬送面部171と同様、全体的には、左右方向に対し直交する方向に平面状に広がっており、前後方向及び上下方向に広がっている。着脱搬送ガイド部122が搬送可能状態にあるとき、その第2搬送面部191に沿う方向は、上下方向及び前後方向であり、第2搬送面部191に直交する方向は左右方向になっている。左右方向は第2搬送面部191に交差する方向に含まれる。
第2縦搬送ガイド板部192には、各振分ゲート部材183に対向する位置に、図13に示すように、揺動位置にある対応する振分ゲート部材183が入り込む凹状ガイド板部193が設けられている。これらの凹状ガイド板部193は、第2搬送面部191のうちの最も右側にある先端面部194よりも左側に凹んでいる。凹状ガイド板部193は、搬送可能状態にある着脱搬送ガイド部122の最も搬送本体部131側の先端面部194よりも第2搬送面部191とは反対側に凹んでいる。そして、搬送本体部131の揺動位置にある振分ゲート部材183は、搬送可能状態にある着脱搬送ガイド部122の凹状ガイド板部193に入り込んでいる。
着脱搬送ガイド部122は、その後部に、先端面部194を一部構成する後壁板部197を有している。後壁板部197は、着脱搬送ガイド部122が搬送可能状態にあるとき、前後方向に直交して広がり、上下方向に延在している。後壁板部197は、凹状ガイド板部193の位置にも形成されており、凹状ガイド板部193よりも搬送本体部131側に突出している。よって、搬送可能状態にある着脱搬送ガイド部122と搬送本体部131とは、後壁板部197と揺動位置にある振分ゲート部材183とが第1搬送面部171と交差する方向において位置を重ね合わせている。また、このとき、後壁板部197は振分ゲート部材183よりも後側にある。
図15,図16に示すように、着脱搬送ガイド部122は、相対移動可能なガイド本体201及びロック体202と、これらを付勢する圧縮バネ203(バネ手段)とを有している。
ガイド本体201は、上記した第2搬送面部191を構成するもので、図17に示すように、上記した凹状ガイド板部193を含む第2縦搬送ガイド板部192、後壁板部197及び前壁板部198を有する合成樹脂製のガイド本体ベース部材211を有している。また、ガイド本体201は、図15,図16に示すように、ガイド本体ベース部材211に相対移動可能に支持された複数の第2搬送ローラ部212を有している。図17に示すように、ガイド本体ベース部材211の前壁板部198は、後壁板部197と同様であり、後壁板部197と対をなして第2縦搬送ガイド板部192の後壁板部197とは反対側の端縁部に設けられている。図15,図16に示すように、後壁板部197は、ガイド本体201における後端部となり、図16に示すように、前壁板部198は、ガイド本体201における前端部となる。
第2搬送ローラ部212は、高さを合わせた2つのローラ213を有しており、ガイド本体ベース部材211と共に第2搬送面部191を構成する。このような第2搬送ローラ部212が上下に複数、具体的には10個設けられている。
第2搬送ローラ部212は、第2搬送面部191に対し交差する方向に移動可能となるようにガイド本体ベース部材211に設けられており、ガイド本体201は、これら第2搬送ローラ部212を、付勢する板状のテンション部材215(付勢手段)を有している。第2搬送ローラ部212は、何れも、テンション部材215の付勢力でガイド本体ベース部材211よりも第2搬送面部191側に一部突出するように付勢されている。言い換えれば、テンション部材215は、第2搬送ローラ部212を第2搬送面部191の裏側から表側に向かって付勢する。テンション部材215は、全部で14個設けられている。ガイド本体201は、ガイド本体ベース部材211に取り付けられた複数、具体的には8個の光学センサ用プリズム217を有している。光学センサ用プリズム217は、搬送部30の縦搬送部27Baで搬送中の紙葉類Sを検出する光学センサの一部を構成する。
第2搬送ローラ部212は、図13に示すように、着脱搬送ガイド部122が搬送可能状態にあるとき、搬送本体部131の第1搬送ローラ部176と一対一で高さを合わせることになり、高さ位置が合う第1搬送ローラ部176と当接する。このとき、全ての第2搬送ローラ部212は、高さ位置が合う第1搬送ローラ部176でガイド本体ベース部材211内への進入量を増やす方向に押されることになる。これにより、着脱搬送ガイド部122が搬送可能状態にあるとき、ガイド本体ベース部材211と全ての第2搬送ローラ部212との間に設けられた、図15,図16に示すテンション部材215が弾性変形する。この状態では、全てのテンション部材215が、着脱搬送ガイド部122を、搬送本体部131から、その第1搬送面部171に交差して離れる方向に付勢することになる。
図13に示すように、第1搬送ローラ部176が、図示略の駆動モータに駆動されて回転すると、第1搬送ローラ部176に接触する第2搬送ローラ部212と、第1搬送ローラ部176に接触する紙葉類Sに接触する第2搬送ローラ部212とが連れ回りで回転する。この状態で、第1搬送ローラ部176及び第2搬送ローラ部212が、第1縦搬送ガイド板部175及び第2縦搬送ガイド板部192の間にある紙葉類Sを、第1縦搬送ガイド板部175及び第2縦搬送ガイド板部192の間で移動させる。言い換えれば、第1縦搬送ガイド板部175及び第2縦搬送ガイド板部192は、第1搬送ローラ部176及び第2搬送ローラ部212で移動させられる紙葉類Sを案内する。
よって、着脱搬送ガイド部122が搬送可能状態にあるとき、搬送本体部131の、第1縦搬送ガイド板部175及び複数の第1搬送ローラ部176で形成される第1搬送面部171と、第1搬送面部171に対向する、第2縦搬送ガイド板部192及び複数の第2搬送ローラ部212で形成される着脱搬送ガイド部122の第2搬送面部191とが、互いの間で紙葉類Sを搬送可能となる。着脱搬送ガイド部122が搬送可能状態にあるとき、第1搬送面部171を有する搬送本体部131と、第2搬送面部191を有する着脱搬送ガイド部122とが、搬送部30の縦搬送部27Baを構成する。
図16に示すように、ガイド本体ベース部材211は、全体として長方形状をなしている。ガイド本体ベース部材211は、着脱搬送ガイド部122が搬送可能状態にあるとき、上下方向に長辺方向を沿わせ、前後方向に短辺方向を沿わせる。第2縦搬送ガイド板部192の第2搬送面部191とは反対の裏面側に、ロック体202のガイド軸205を支持するガイド軸支持部221が形成されている。
図17に示すように、ガイド軸支持部221は、第2縦搬送ガイド板部192から突出するように形成された複数、具体的には2つの環状の中間ガイド軸挿入部222と、後壁板部197及び前壁板部198に形成された複数、具体的には2つの環状の端側ガイド軸挿入部223と、第2縦搬送ガイド板部192から突出するように形成された複数、具体的には4つのガイド軸受部224とを有している。これらは、1つの端側ガイド軸挿入部223、1つのガイド軸受部224、1つの中間ガイド軸挿入部222、2つのガイド軸受部224、1つの中間ガイド軸挿入部222、1つのガイド軸受部224、1つの端側ガイド軸挿入部223の順に並べられている。
図15,図16に示すロック体202のガイド軸205は、図17に示す2つの中間ガイド軸挿入部222及び2つの端側ガイド軸挿入部223に挿入され、4つのガイド軸受部224で受けられることによって、径方向の移動が規制され、軸方向にのみ移動可能となる。図15,図16に示すように、ガイド本体ベース部材211には、このようなガイド軸支持部221が、ガイド本体ベース部材211の長手方向に間隔をあけて、複数、具体的には3箇所設けられている。ガイド軸支持部221は、ガイド本体ベース部材211の上部及び下部と、上下方向の中央よりも上部寄りとに設けられている。
ガイド本体ベース部材211には、その長辺方向の両端部であって短辺方向の同じ側の端部に、長辺方向に沿って外方に突出する一対の上部突出部231及び下部突出部232が形成されている。一対の上部突出部231及び下部突出部232は、ガイド本体ベース部材211の短辺方向に対し直交して広がっており、図18,図19に示すように、第2搬送面部191の裏側に若干ずれて設けられている。
図16に示すように、一対の上部突出部231及び下部突出部232は、後壁板部197及び前壁板部198のうちの一方である後壁板部197の位置に設けられている。言い換えれば、ガイド本体ベース部材211には、上下方向(高さ方向)の先端位置であり、且つ、後側に、上下合わせて2つの上部突出部231及び下部突出部232が設けられている。上部突出部231及び下部突出部232は、後壁板部197と共にガイド本体201における後端部となる。
ガイド本体ベース部材211の上部突出部231及び下部突出部232を除く部分がベース部材本体部235となっており、上部突出部231及び下部突出部232は、このベース部材本体部235から相反する方向に突出している。上部突出部231は、ベース部材本体部235の上端面236よりも上方に、下部突出部232は、ベース部材本体部235の下端面237よりも下方に、それぞれ突出している。
ロック体202は、各ガイド軸支持部221に支持される複数、具体的には3本のガイド軸205と、3本のガイド軸205の軸方向の一端部を連結して、これらを一体に固定するガイド軸連結フレーム241と、3本のガイド軸205の軸方向の他端側の中間部を連結して、これらを一体に固定する摺動フレーム242とを有している。ガイド軸連結フレーム241は、3本のガイド軸205を、上部突出部231及び下部突出部232から遠い側の端側ガイド軸挿入部223よりも、外側で連結させている。
3本のガイド軸205は、それぞれ対応するガイド軸支持部221に支持されることで、第2搬送面部191と平行な同一平面内に配置されることになり、よって、これらを結ぶガイド軸連結フレーム241及び摺動フレーム242は、第2搬送面部191と平行をなして直線状に延びる。ガイド軸連結フレーム241及び摺動フレーム242は、ガイド本体ベース部材211の長辺方向、即ち3本のガイド軸205に直交する方向に延びている。3本のガイド軸205は、前後方向及び左右方向の位置を揃えて上下方向(高さ方向)に所定の間隔をあけて設けられている。
ガイド軸連結フレーム241及び摺動フレーム242は、3本のガイド軸205に固定されて一体化されている。ガイド軸連結フレーム241、摺動フレーム242及び3本のガイド軸205を有するロック体202は、3本のガイド軸205を軸方向に移動可能に支持する3つのガイド軸支持部221を有するガイド本体201に対して摺動可能となる。ガイド本体201は、第2搬送面部191が3本のガイド軸205と平行になる。よって、ロック体202は、ガイド本体201に対し、その第2搬送面部191に沿う方向に移動可能となる。
3本のガイド軸205は、ガイド軸支持部221に支持される円柱状の主軸部246と、軸方向の一端部に設けられた先細のテーパ状の先端軸部247とを有している。3本のガイド軸205は、先端軸部247を摺動フレーム242よりもガイド軸連結フレーム241とは反対側に配置している。3本のガイド軸205は、それぞれの先端軸部247が全て軸方向の位置を揃えてロック体202の後端位置に設けられている。
ガイド軸連結フレーム241は、板金部品であり、3本のガイド軸205の先端軸部247とは反対側の端部に固定されて3本のガイド軸205に対し直交するように広がる平板状の連結フレーム前板部251と、連結フレーム前板部251の第2搬送面部191とは反対側の端縁部から3本のガイド軸205の先端軸部247側に向け、3本のガイド軸205と平行に広がるように延出する連結フレーム側板部252とを有している。連結フレーム側板部252は3本のガイド軸205から等距離の位置に3本のガイド軸205と平行に配置されている。連結フレーム前板部251及び連結フレーム側板部252は、3本のガイド軸205を結ぶ方向に延びている。
連結フレーム前板部251は、その前面がロック体202及び着脱搬送ガイド部122の前面を構成することになり、図8〜図10に示すように、この連結フレーム前板部251の長手方向の中央位置に、上記した開放レバー153の一対の係合爪157に係合する一対の係合穴158が形成されている。また、図10に示す上部係止部142及び図11に示す下部係止部143は、ガイド軸連結フレーム241の連結フレーム前板部251を係止する。
図15,図16に示す圧縮バネ203は、コイルバネであり、複数、具体的には2つ設けられている。2つの圧縮バネ203は、3本のガイド軸205のうちの両側2本のガイド軸205に設けられている。圧縮バネ203は、対応するガイド軸205を内側に挿通させており、図16に示すように、前壁板部198に設けられた端側ガイド軸挿入部223の内側に挿通されている。圧縮バネ203は、一端部が、ガイド本体ベース部材211の複数のガイド軸受部224のうちの前壁板部198に最も近い側のガイド軸受部224に固定されており、他端部がガイド軸連結フレーム241の連結フレーム前板部251に固定されている。言い換えれば、2つの圧縮バネ203は、3本のガイド軸205のうちの上下方向の先端位置に配設される2本のガイド軸205の前部に設けられている。2つの圧縮バネ203は、3本のガイド軸205の軸方向においてロック体202をその連結フレーム前板部251がガイド本体201から離れる方向に付勢する。
図16に示すように2つの圧縮バネ203が伸び切った自然状態にあるときのロック体202のガイド本体201に対する位置が基本位置であり、ロック体202は、2つの圧縮バネ203を縮めながら、その連結フレーム前板部251をガイド本体201に近づけるように移動する。言い換えれば、2つの圧縮バネ203は、ガイド本体201に対しロック体202を基本位置に位置するように付勢する。ロック体202は、基本位置にあるとき、3本のガイド軸205の全体を、ガイド本体201の後壁板部197よりも前壁板部198側に位置させている。言い換えれば、ロック体202は、基本位置にあるとき、その全体が、ガイド本体201の後壁板部197よりも前壁板部198側に位置している。
ロック体202は、図15に示すように、2つの圧縮バネ203が縮長させられると、3本のガイド軸205の先端軸部247側をガイド本体201の後壁板部197よりも前壁板部198とは反対側に突出させることになる。即ち、ロック体202は、2つの圧縮バネ203が縮長させられると、3本のガイド軸205の先端軸部247側をガイド本体201からその後端部よりも後方に突出させる。ロック体202は、3本のガイド軸205の先端軸部247をガイド本体201から所定量突出させる位置がロック位置となっている。ロック体202は、ガイド本体201に対し、第2搬送面部191に沿う方向に、少なくとも基本位置とロック位置との間で移動可能となっている。
摺動フレーム242は、板金部品であり、両端2本のガイド軸205の主軸部246に固定される複数、具体的には2つの端側固定板部261と、中間の1本のガイド軸205の主軸部246に固定される中間固定板部262と、両側の端側固定板部261及び中間固定板部262のガイド軸連結フレーム241側の端縁部から3本のガイド軸205とは反対側に延出する平板状の中間板部263と、中間板部263の3本のガイド軸205とは反対側の端縁部からガイド軸連結フレーム241側に広がる平板状の摺動板部264とを有している。中間固定板部262は、3本のガイド軸205を結ぶ方向の長さが両側の端側固定板部261よりも長くなっている。中間板部263は、3本のガイド軸205に垂直に広がる。摺動板部264は、3本のガイド軸205から等距離の位置に3本のガイド軸205と平行に配置されている。中間板部263及び摺動板部264は、3本のガイド軸205を結ぶ方向に延びている。摺動板部264は、端側固定板部261及び中間固定板部262とは反対側に向く摺動面266を有している。摺動面266も、3本のガイド軸205と平行に配置されている。摺動面266は、第2縦搬送ガイド板部192とは反対側に向いている。
ロック体202は、摺動フレーム242の中間固定板部262の長手方向両端部に固定される複数、具体的には2つのマグネット部271を有している。言い換えれば、2つのマグネット部271は、前後方向及び左右方向の位置を合わせて摺動フレーム242の上下に所定の間隔をあけて配設されている。
マグネット部271は、図20に示すように、非磁性体からなり両側にマグネット部ネジ止め用孔部273が形成された取付台部274と、取付台部274の中央に設けられた永久磁石である磁性体エリア276とからなる長方体の金属部材であるマグネット部本体277と、磁性体エリア276を覆うように、図21に示すようにマグネット部本体277の中央に全周にわたって巻き付けられた低摩擦係数で摺動性の高い高分子シート281とからなっている。
マグネット部271は、マグネット部ネジ止め用孔部273に挿入される、図15,図16に示すネジ285で摺動フレーム242の中間固定板部262の摺動板部264側に固定される。2つのマグネット部271は、中間固定板部262に固定された状態で、それぞれの中間固定板部262とは反対側の端面である高分子シート281からなる吸着摺動面282が、摺動フレーム242の摺動板部264の中間固定板部262とは反対側の端面である摺動面266と面一となる。なお、高分子樹脂シートの吸着摺動面282が、摺動板部264の摺動面266よりも、若干、摺動板部264の板厚方向で中間固定板部262とは反対側に位置していても良い。2つのマグネット部271の吸着摺動面282及び摺動板部264の摺動面266は、第2搬送面部191に沿って広がっており、第2搬送面部191とは反対側に向いている。
なお、以上の着脱搬送ガイド部122には、給電を受ける電気部品が一切設けられていない。即ち、着脱搬送ガイド部122には、搬送本体部131を含むユニット本体91から延びる配線は一切ない。
図7に示すように、ユニット本体主体部121の搬送ガイド部配置スペース124に、着脱搬送ガイド部122をセットする場合、図1,図3に示す前開閉カバー111を開いた状態で、図7に示すように、着脱搬送ガイド部122を、一対の上部突出部231及び下部突出部232を上下及び後方にして、ユニット本体主体部121の搬送ガイド部配置スペース124に、前部ロック部141を避けて挿入することになる。なお、搬送ガイド部配置スペース124は、これ以外の向きでの着脱搬送ガイド部122の挿入を物理的に阻止するようになっている。
搬送ガイド部配置スペース124を形成する搬送本体部131の下端部には、図22,図23に示すように、前後方向に延びる下部スライド部材291が設けられている。下部スライド部材291には、上記のように搬送ガイド部配置スペース124に挿入された着脱搬送ガイド部122の下部の下部突出部232を摺動させる底側スライド面部292が設けられている。底側スライド面部292は、上を向き水平に広がって前後方向に延びていて、その上を下部突出部232の下端縁部が摺動する。また、搬送本体部131の下部には、着脱搬送ガイド部122の下部の下部突出部232の右側面を案内する下側スライド面部293が設けられている。さらに、搬送本体部131の下部には、下側スライド面部293の上端縁部から底側スライド面部292とは反対側に、底側スライド面部292と平行に広がるセット面部294が設けられている。
このセット面部294には、図23に示すように、搬送可能状態にある着脱搬送ガイド部122のガイド本体201のベース部材本体部235が下端面237において載置されることになる。
図24,図25に示すように、搬送本体部131の下部には、セット面部294よりも後側に、ベース部材本体部235がセット面部294に配置される際に、ベース部材本体部235から突出する下部突出部232が入り込む下部係合凹部295が形成されている。下部係合凹部295は、下部スライド部材291の後部位置に形成されている。下部突出部232は、下側スライド面部293で案内され、底側スライド面部292上を摺動して前後方向に移動することになり、後端位置において右方に移動して下部係合凹部295に入り込む。
また、図22,図23に示すように、搬送本体部131の上部には、前後方向に延びる上部スライド部材311が設けられている。上部スライド部材311には、着脱搬送ガイド部122の上部突出部231の搬送ガイド部配置スペース124への挿入時における右側面を案内する上側スライド面部312が設けられている。上側スライド面部312は、下側スライド面部293と同一平面に配置されている。図23に示すように、搬送本体部131の上部には、セット面部294と前後方向及び左右方向の位置を合わせて水平に広がるカバー面部313が設けられている。
このカバー面部313には、搬送可能状態にある着脱搬送ガイド部122のガイド本体201のベース部材本体部235が、その上端面236の前後方向及び左右方向の位置を重ね合わせることになる。言い換えれば、カバー面部313は、搬送可能状態にある着脱搬送ガイド部122のガイド本体201のベース部材本体部235を上側で覆う。
搬送本体部131の上部には、カバー面部313よりも後側に、ベース部材本体部235の上端面236がカバー面部313と前後方向及び左右方向の位置を重ね合わせる際に、ベース部材本体部235から突出する上部の上部突出部231が入り込む上部係合凹部315が形成されている。上部係合凹部315は、上部スライド部材311の後部に形成されている。上部突出部231は、上側スライド面部312で案内されて前後方向に移動することになり、後端位置において右方に移動して上部係合凹部315に入り込む。
上部係合凹部315は、下部係合凹部295と前後方向及び左右方向の位置を合わせている。下部係合凹部295及び上部係合凹部315は、搬送ガイド部配置スペース124に開口している。搬送本体部131の下部係合凹部295、上部係合凹部315、セット面部294及びカバー面部313と、着脱搬送ガイド部122の上部突出部231、下部突出部232及びベース部材本体部235とが、搬送可能状態にある着脱搬送ガイド部122の第1搬送面部171に沿う方向の移動を規制し、第1搬送面部171に交差する方向の移動を許容する第1規制部321を構成している。よって、第1規制部321は、着脱搬送ガイド部122のガイド本体201と搬送本体部131とに設けられている。第1規制部321は、搬送可能状態にある着脱搬送ガイド部122の前方への移動、即ち引き出しを規制する。
ここで、着脱搬送ガイド部122を搬送ガイド部配置スペース124に挿入し、その下部の下部突出部232を底側スライド面部292に載置させると、着脱搬送ガイド部122は、2つのマグネット部271の吸着摺動面282と摺動フレーム242の摺動板部264の摺動面266とが、ユニット側板部172の、第1搬送面部171に対向する内壁面173にほぼ隙間なく対向する。この内壁面173は、第1搬送面部171に沿って広がっている。ユニット側板部172は鋼板製であるため、2つのマグネット部271が磁性体エリア276の吸着力で、吸着摺動面282においてユニット側板部172の内壁面173に吸着する。
なお、吸着摺動面282は、低摩擦係数で摺動性の高い高分子シート281からなっているため、ユニット側板部172の内壁面173に吸着しつつ円滑に摺動可能である。言い換えれば、2つのマグネット部271は、磁性体エリア276がマグネット部271をユニット側板部172の内壁面173に吸着させることになり、このように吸着させた状態でも、高分子シート281が、ユニット側板部172の内壁面173に対する摺動性を確保する。よって、ユニット側板部172の内壁面173は、着脱搬送ガイド部122を摺動させて移動を案内することになり、着脱搬送ガイド部122は、第1搬送面部171に沿って広がる内壁面173に摺動可能に吸着するマグネット部271を有している。着脱搬送ガイド部122の2つのマグネット部271の吸着摺動面282と摺動フレーム242の摺動面266とが内壁面173を摺動する。
ユニット側板部172の内壁面173には、図6に示すように、複数、具体的には2つのスロープ部材331が前後方向及び左右方向の位置を合わせ上下に所定の間隔をあけて取り付けられている。
図26に示すように、スロープ部材331は、部材固定板部332と、部材固定板部332の一縁部から部材固定板部332の板厚方向に立ち上がる部材立上板部333と、部材立上板部333の部材固定板部332とは反対側の端縁部から部材固定板部332と平行に、部材固定板部332とは反対方向に広がる平板状の部材最上板部334と、部材最上板部334の部材立上板部333とは反対側の端縁部から部材最上板部334の板厚方向において部材固定板部332の方向に斜めに広がるスロープ板部335(スロープ部)とを有している。
スロープ板部335は、部材最上板部334から部材最上板部334の板厚方向に離れるほど、部材最上板部334の広がる方向において部材固定板部332から離れるように部材最上板部334に対し傾斜している。部材最上板部334は板厚方向の部材固定板部332とは反対側の面が最上面部341となっており、スロープ板部335は、板厚方向の部材固定板部332とは反対側の面がスロープ面部342となっていて、これら最上面部341及びスロープ面部342は繋がっている。スロープ面部342も、最上面部341から部材最上板部334の板厚方向に離れるほど、最上面部341の広がる方向において部材固定板部332から離れるように最上面部341に対し傾斜している。
部材固定板部332には、2つの位置決め部351と、これらの間のスロープ部材ネジ止め用孔部352とが形成されている。スロープ部材331は、部材固定板部332においてユニット側板部172の内壁面173に固定される。その際に、図6に示すように、2つの位置決め部351が、ユニット側板部172に形成された位置決め用穴部353に嵌合されることになり、この状態でスロープ部材ネジ止め用孔部352に挿入されるネジ345でユニット側板部172に固定される。ユニット側板部172には、その際にスロープ板部335が挿入されるスロープ板部挿入スリット347が形成されている。
スロープ部材331は、このようにユニット側板部172に取り付けられた状態で、図28に示すように、スロープ板部335が前端に配置される。スロープ板部335は、前に向くスロープ面部342が、ユニット側板部172の内壁面173から右方向に延出することになり、右側ほど、即ち部材最上板部334側ほど後側に位置するように、ユニット側板部172の内壁面173に対し傾斜する。部材最上板部334は、ユニット側板部172とは反対側の最上面部341がユニット側板部172の内壁面173と平行をなしており、言い換えれば、左右方向に対し直交して広がっている。
図27に示すように、ガイド本体201に対しロック体202が基本位置にある状態で、着脱搬送ガイド部122を搬送ガイド部配置スペース124に挿入し、その下部の下部突出部232を底側スライド面部292に載置させると、下部突出部232は、下側スライド面部293でユニット側板部172の内壁面173から離れる方向、即ち右方向の移動が規制されることになる。また、上部の上部突出部231は、上側スライド面部312でユニット側板部172の内壁面173から離れる方向、即ち右方向の移動が規制されることになる。
この状態で、着脱搬送ガイド部122を搬送ガイド部配置スペース124に更に挿入すると、着脱搬送ガイド部122は、2つのマグネット部271の吸着摺動面282と摺動フレーム242の摺動面266とがユニット側板部172の内壁面173にほぼ隙間なく対向することから、図28に示すように、吸着摺動面282及び摺動面266でユニット側板部172の内壁面173に接触し、2つのマグネット部271がユニット側板部172の内壁面173を吸着することになる。この状態でも、下部突出部232は底側スライド面部292に載置された状態にある。
この状態で、上部突出部231を上側スライド面部312でガイドし、下部突出部232を下側スライド面部293でガイドしつつ底側スライド面部292に摺接させながら、図29に示すように、着脱搬送ガイド部122を搬送ガイド部配置スペース124に更に挿入する。このとき、第1搬送面部171の揺動位置にある振分ゲート部材183から、着脱搬送ガイド部122の第2搬送面部191が全面的に離れており、着脱搬送ガイド部122は、第1搬送面部171に干渉することなく後方に移動する。
そして、着脱搬送ガイド部122は、その後端であるガイド本体201の後壁板部197が、図30に示すように、ユニット本体主体部121の搬送ガイド部配置スペース124に面する搬送本体部131の前方に向く板金面である当接面362に近づき、その後、当接面362に当接する。この状態で、ガイド本体201は、上部突出部231が、搬送本体部131の上部係合凹部315と上下方向及び前後方向の位置が合ってその左側に位置し、下部突出部232が、下部係合凹部295と上下方向及び前後方向の位置が合ってその左側に位置する。また、この状態で、ベース部材本体部235の下端面237は、搬送本体部131のセット面部294と上下方向及び前後方向の位置が合ってその左側に位置し、ベース部材本体部235の上端面236は、搬送本体部131のカバー面部313と上下方向及び前後方向の位置が合ってその左側に位置する。この状態で、ロック体202の摺動フレーム242は、スロープ部材331のスロープ面部342に当接する直前の状態にある。
この状態から、着脱搬送ガイド部122の停止しているガイド本体201に対し、相対移動可能なロック体202を圧縮バネ203の付勢力に抗して搬送ガイド部配置スペース124に更に押し込むと、ロック体202の摺動フレーム242が中間板部263と摺動板部264との境界の角部で、スロープ部材331のスロープ面部342に当接する。そして、ロック体202を更に押し込むと、ロック体202がスロープ面部342で案内されて、マグネット部271の吸着力に抗してユニット側板部172の内壁面173から離れる方向、即ち、第1搬送面部171に交差する方向であって第1搬送面部171に近づく方向に移動する。
このとき、当接面362に当接して押し込みが規制されていたガイド本体201は、当接面362に当接した状態のまま、ロック体202と共に第1搬送面部171に交差する方向であって第1搬送面部171に近づく方向に移動する。すると、ガイド本体201は、テンション部材215の付勢力でガイド本体ベース部材211に対し第1搬送面部171側に最も近づいている複数の第2搬送ローラ部212が、移動の初期に搬送本体部131の複数の第1搬送ローラ部176に一対一で対応して当接することになる。よって、ガイド本体201がロック体202と共に第1搬送面部171に近づく方向に移動すると、テンション部材215が弾性変形して付勢力を発生させることになり、この付勢力に抗して、ガイド本体ベース部材211が第1搬送面部171に近づく方向に移動する。言い換えれば、スロープ部材331のスロープ板部335は、着脱搬送ガイド部122が搬送可能状態に向けて第1搬送面部171に沿う方向に移動させられると、テンション部材215の付勢力に抗して、着脱搬送ガイド部122を第1搬送面部171に交差する方向に案内して第1搬送面部171に近づける。そして、ロック体202がその摺動板部264の摺動面266でスロープ部材331の最上面部341に乗り上げる。
このようにして、ロック体202と共にガイド本体201が、ユニット側板部172の内壁面173から離れる方向、即ち、第1搬送面部171に交差する方向であって第1搬送面部171に近づく右方向に移動する。その結果、ガイド本体201は、上部突出部231が搬送本体部131の上部係合凹部315に、下部突出部232が搬送本体部131の下部係合凹部295に、それぞれ入り込む。すると、上部突出部231及び下部突出部232が、上部係合凹部315及び下部係合凹部295に対し左右方向の位置も合う状態になる。加えて、ベース部材本体部235が下端面237において搬送本体部131のセット面部294に載置されてセット面部294に対し左右方向の位置が合う状態になり、上端面236において搬送本体部131のカバー面部313に対し左右方向の位置が合う状態になる。この状態で、ガイド本体201は、搬送本体部131の第1搬送面部171を構成する振分ゲート部材183と第1搬送面部171に直交する方向の位置が重なり合う。
この状態で、着脱搬送ガイド部122は、スロープ部材331によって後部の左右方向の移動、即ち第1搬送面部171に交差する方向の移動が規制された状態になる。
また、この状態で、搬送本体部131のユニット後板部361には、ロック体202の3本のガイド軸205の先端軸部247のそれぞれと上下方向及び左右方向の位置を合わせて対向する位置に、図31に示す係合孔371が形成されている。係合孔371は、複数、具体的にはガイド軸205と同数である3箇所形成されている。摺動板部264の摺動面266でスロープ部材331の最上面部341に乗り上げた状態のロック体202を、更に搬送ガイド部配置スペース124に押し込むと、図31に示すように、ロック体202の3本のガイド軸205が、搬送本体部131の3箇所の係合孔371に、先端軸部247から入り込み主軸部246で嵌合する。これにより、着脱搬送ガイド部122は、後部の左右方向の移動、即ち第1搬送面部171に交差する方向の移動が規制された状態になる。
よって、着脱搬送ガイド部122の摺動フレーム242及びスロープ部材331と、着脱搬送ガイド部122の3本のガイド軸205及び搬送本体部131の3箇所の係合孔371とが、着脱搬送ガイド部122の第1搬送面部171に交差する方向の移動を規制する後側第2規制部381を構成している。
尚、3本あるガイド軸205が係留する3つの係合孔371は、上下方向(高さ方向)の一番上側にある係合孔371が真円となっており、着脱搬送ガイド部122の位置を決めるための基準となる。従ってこれに係留することになる最も上側のガイド軸205は、位置決め用のピンとして機能する。他の2つの係合孔371は上下方向が少し長い楕円形状を成している。これにより、部品精度や組立による寸法の誤差を吸収できるように設けられている。
ロック体202の3本のガイド軸205が、搬送本体部131の3箇所の係合孔371に嵌合すると、図31,図32に示すように、ロック体202が摺動板部264の摺動面266でスロープ部材331の部材最上板部334に乗り上げた状態となり、着脱搬送ガイド部122は、ロック体202がロック位置に位置し、ガイド軸連結フレーム241の連結フレーム前板部251の前後方向の位置が、前部ロック部141の開放レバー153に係合可能な位置になる。なお、このとき、着脱搬送ガイド部122は、後部の左側への移動がスロープ部材331によって規制されるものの、前部は左側への若干の移動が可能となっている。よって、テンション部材215の付勢力によって、着脱搬送ガイド部122は、図10,図11に示すように、前部のガイド軸連結フレーム241が前部ロック部141の上部係止部142、下部係止部143及び解除操作部150との干渉を避けるように斜めとなる。
そして、この状態で、着脱搬送ガイド部122のガイド軸連結フレーム241を、テンション部材215の付勢力に抗して、図8に示すように右側、即ち第1搬送面部171に交差する方向に移動させて第1搬送面部171に近づけると、連結フレーム前板部251が、開放レバー153の一対の係合爪157に当接し、これを捻りバネ154の付勢力に抗して回動させながら、図10に示す上部係止部142及び図11に示す下部係止部143に係合する。これと同時に、開放レバー153が捻りバネ154の付勢力で回動して図8に示すように一対の係合爪157を一対の係合穴158に係合させる。
すると、図4に示すように、前部ロック部141は、一対の上部係止部142及び下部係止部143がロック体202の右方及び前方への移動を規制することになり、開放レバー153がロック体202の左方への移動を規制する。このようにして、前部ロック部141は、ロック体202をロック位置にロックする。これにより、着脱搬送ガイド部122が搬送本体部131に対して正規位置に固定される。このとき、第1搬送面部171の振分ゲート部材183は、先端面部194よりも着脱搬送ガイド部122内に入り込むことになる。
よって、前部ロック部141と連結フレーム前板部251の一対の係合穴158とが、着脱搬送ガイド部122の第1搬送面部171に交差する方向の移動を規制する前側第2規制部382を構成している。前側第2規制部382は、ロック体202及び搬送本体部131に設けられ、ロック体202がロック位置にあるとき着脱搬送ガイド部122の第1搬送面部171に交差する方向の移動を規制することになる。
以上のようにして、着脱搬送ガイド部122は、搬送本体部131とで紙葉類Sを搬送可能な搬送可能状態になる。第1規制部321は、搬送可能状態にある着脱搬送ガイド部122の第1搬送面部171に沿う方向の移動を規制し、第1搬送面部171に交差する方向の移動を許容することになり、後側第2規制部381及び前側第2規制部382が、搬送可能状態にある着脱搬送ガイド部122の第1搬送面部171に交差する方向の移動を規制する。これにより、着脱搬送ガイド部122は、搬送本体部131に対し位置決めされた状態になる。第1規制部321、後側第2規制部381及び前側第2規制部382が、着脱搬送ガイド部122を搬送可能状態でロックするロック機構385を構成している。ロック機構385は、着脱式の着脱搬送ガイド部122を搬送本体部131に対して固定又は解放するための開放レバー153を有している。
紙葉類Sの計数作動途中に、搬送部30に紙葉類Sの搬送ジャム等のトラブルが生じると、制御部32は、搬送駆動を停止する。そして、搬送部30上に紙葉類Sが残留していることを検知センサが検知した場合には、操作表示部31に残留場所を表示するとともに、ユーザーに向け、搬送部30上に残留している紙葉類Sを取り除くように促す。ここで、搬送部30の縦搬送部27Baに紙葉類Sの搬送ジャム等のトラブルが生じると、先ず、制御部32は、縦搬送部27Baに残留している紙葉類Sを取り除くための手順を操作表示部31に表示する。すると、作業者は、手順に従って、前開閉カバー111を開いて、着脱搬送ガイド部122をユニット本体91の搬送ガイド部配置スペース124から抜き出すことになり、言い換えれば、装置本体95から抜き出すことになる。
その場合、まず、作業者は、前部ロック部141の開放レバー153を捻りバネ154の付勢力に抗して手前に引いて回動させる。すると、着脱搬送ガイド部122は、ガイド軸連結フレーム241の中央部分の2箇所の係合穴158で係合していた開放レバー153の2個の係合爪157が外れる。即ちロック機構385の前側第2規制部382のロックが外れることになる。
すると、複数のテンション部材215の付勢力で、着脱搬送ガイド部122は、前部が左側、即ち第1搬送面部171に交差する方向に移動して第1搬送面部171から離れる。このとき、着脱搬送ガイド部122の前部のガイド軸連結フレーム241は、2箇所の係合穴158が開放レバー153の2個の係合爪157から左方に離れ、上部係止部142及び下部係止部143からも左方に離れる。即ち、前部ロック部141と連結フレーム前板部251の一対の係合穴158とからなる前側第2規制部382による、着脱搬送ガイド部122の第1搬送面部171に交差する前方への移動規制を解除する。このとき、着脱搬送ガイド部122の後部は、摺動フレーム242がスロープ部材331の部材最上板部334に乗り上げており、3つのガイド軸205が搬送本体部131の3箇所の係合孔371に係合しているため、左側、即ち第1搬送面部171に交差する方向への移動は規制されている。即ち、摺動フレーム242、スロープ部材331、3つのガイド軸205及び3箇所の係合孔371からなる後側第2規制部381が、着脱搬送ガイド部122の第1搬送面部171に交差する方向の移動を規制している。よって、着脱搬送ガイド部122は、テンション部材215の付勢力によって、第1搬送面部171に対し前部側のみが離れるように傾斜することになる。
着脱搬送ガイド部122は、テンション部材215の付勢力によって、前部が第1搬送面部171から離れると、前部のガイド軸連結フレーム241が前部ロック部141から離れることになり、ロック位置にあったロック体202の前方への移動が許容される状態になる。このため、ロック体202が前後方向に移動可能な状態となって圧縮バネ203の付勢力でガイド本体201に対して前方に移動する。
その際に、ロック体202は、テンション部材215の付勢力によって、摺動フレーム242に押し付けられて移動することになり、摺動板部264の摺動面266をスロープ部材331の最上面部341に当接させた状態で摺動し、その途中で、図33に示すように、3つのガイド軸205が搬送本体部131の3箇所の係合孔371から抜け出すことになる。
更に、ロック体202が圧縮バネ203の付勢力でガイド本体201に対して前方に移動すると、ロック体202は、テンション部材215の付勢力によって、中間板部263と摺動板部264との角部をスロープ部材331のスロープ面部342に摺接させながらユニット側板部172の内壁面173に近づく。言い換えれば、ロック体202の後部が左側、即ち第1搬送面部171に交差する方向に移動して第1搬送面部171から離れる。すると、ロック体202と共にガイド本体201の後部が左側、即ち第1搬送面部171に交差する方向に移動して第1搬送面部171から離れる。
以上のようにして、3つのガイド軸205と搬送本体部131の3箇所の係合孔371と摺動フレーム242とスロープ部材331とで構成される後側第2規制部381による着脱搬送ガイド部122の第1搬送面部171に交差する方向の移動規制が解除されると共に、ガイド本体201の後部に設けられた上部突出部231及び下部突出部232が、搬送本体部131の上部係合凹部315及び下部係合凹部295から抜け出して、上部係合凹部315及び下部係合凹部295に対し左方にずれる状態になり、ベース部材本体部235の下端面237が搬送本体部131のセット面部294に対し左方にずれる状態になって、ベース部材本体部235の上端面236が搬送本体部131のカバー面部313に対し左方にずれる状態になる。そして、下部の下部突出部232が底側スライド面部292に載置される。よって、上部突出部231、下部突出部232、上部係合凹部315、下部係合凹部295、ベース部材本体部235の上端面236、下端面237、搬送本体部131のセット面部294及びカバー面部313で構成される第1規制部321は、着脱搬送ガイド部122の第1搬送面部171に沿う方向の移動の規制を解除することになる。
それと共に、図34に示すように、2つのマグネット部271の吸着摺動面282と摺動フレーム242の摺動面266とがユニット側板部172の内壁面173に接触し、2つのマグネット部271がユニット側板部172の内壁面173を吸着することになる。この状態で、ガイド本体201は、搬送本体部131の第1搬送面部171を構成する振分ゲート部材183から第1搬送面部171に直交する方向に完全に離れる。
即ち、この状態では、着脱搬送ガイド部122の第2搬送面部191は、搬送本体部131の第1搬送面部171と完全に離隔した状態となる。このため、着脱搬送ガイド部122を前方へ、部品等が干渉することなく引き出し可能となる。なお、マグネット部271がユニット側板部172の内壁面173に張り付くことにより、着脱搬送ガイド部122の上下にある上部突出部231及び下部突出部232が、搬送本体部131側にある下部係合凹部295及び上部係合凹部315に再び嵌まることを回避する。
その後、ロック体202が、圧縮バネ203の付勢力でガイド本体201に対して基本位置になると、作業者は、着脱搬送ガイド部122を搬送ガイド部配置スペース124から更に手動で前方に引き出す。すると、底側スライド面部292に載置されたガイド本体201の下部突出部232が、下側スライド面部293でユニット側板部172の内壁面173から離れる方向、即ち右方向の移動が規制される状態になり、また、上部突出部231が、上側スライド面部312でユニット側板部172の内壁面173から離れる方向、即ち右方向の移動が規制されることになる。
このような状態で、着脱搬送ガイド部122を搬送ガイド部配置スペース124から引き出すことで、着脱搬送ガイド部122は、2つのマグネット部271がユニット側板部172の内壁面173を吸着した状態で、第1搬送面部171の広がる方向である前方に摺動することになり、搬送本体部131の第1搬送面部171から第1搬送面部171の広がる方向に沿って離間する。
このように、着脱搬送ガイド部122は、搬送本体部131とで紙葉類Sを搬送可能な搬送可能状態から第1搬送面部171に交差する方向に移動した後、第1搬送面部171に沿う方向に摺動して、第1搬送面部171から離間する。そして、着脱搬送ガイド部122は、最終的に、2つのマグネット部271がユニット側板部172の内壁面173から離れ、搬送ガイド部配置スペース124から抜き出されることになる。即ち、着脱搬送ガイド部122は、第1搬送面部171の広がる方向に移動して、搬送本体部131から離間しつつ搬送本体部131を含む装置本体95から抜き出される。
よって、搬送部30の縦搬送部27Baに紙葉類Sのジャム等が生じると、作業者は、前開閉カバー111を開けた後、前部ロック部141の開放レバー153を捻りバネ154の付勢力に抗して回動させるというワンタッチの操作を行う。すると、着脱搬送ガイド部122が、テンション部材215の付勢力によって、前部が左側に移動すると共に、圧縮バネ203の付勢力によって、ロック体202が前方に移動して搬送ガイド部配置スペース124から前方に突出する。その際に、ロック体202が、圧縮バネ203の付勢力及びスロープ部材331の案内で、前方に移動しながら、着脱搬送ガイド部122の後部を、テンション部材215の付勢力で左側に移動させて、基本位置に戻る。
その後、作業者は、着脱搬送ガイド部122のロック体202のガイド軸連結フレーム241を把持して着脱搬送ガイド部122を前方に引けば、着脱搬送ガイド部122を搬送ガイド部配置スペース124から抜き出すことができる。すなわち、作業者は、前部ロック部141の開放レバー153を開作動させて、着脱搬送ガイド部122を搬送ガイド部配置スペース124から引き出すという2アクションで、着脱搬送ガイド部122を搬送ガイド部配置スペース124から抜き出すことができる。
作業者は、着脱搬送ガイド部122を搬送ガイド部配置スペース124から抜き出すことにより、着脱搬送ガイド部122の紙葉類Sを容易に取り除くことができ、空いた搬送ガイド部配置スペース124を介して搬送本体部131の紙葉類Sを容易に取り除くことができる。
作業者は、着脱搬送ガイド部122及び搬送本体部131から紙葉類Sを取り除く等してジャム処理が終了したら、着脱搬送ガイド部122を上下左右の向きを合わせて正しい方向で搬送ガイド部配置スペース124に挿入する。このとき、上下左右の向きを合わせないと搬送ガイド部配置スペース124の入口で部材の干渉が起こり物理的に挿入ができない構造となっている。着脱搬送ガイド部122を上下左右の向きを合わせて正しい方向で搬送ガイド部配置スペース124に挿入する。その際に、作業者は、ロック体202のガイド軸連結フレーム241を把持して着脱搬送ガイド部122を、搬送ガイド部配置スペース124に挿入する。
すると、その初期に、着脱搬送ガイド部122のガイド本体201が、下部突出部232を搬送本体部131の底側スライド面部292に載置させることになり、その後、着脱搬送ガイド部122のロック体202に設けられているマグネット部271が、その高分子シート281において、ユニット側板部172の内壁面173に張り付く。このとき、着脱搬送ガイド部122は、下部突出部232が下側スライド面部293で右方向の移動が規制され、上部突出部231が上側スライド面部312で右方向の移動が規制されることになる。この状態では、着脱搬送ガイド部122の第2搬送面部191と搬送本体部131の第1搬送面部171とは十分な間隔をあけた状態を維持できるため、部品干渉を生じることなく、着脱搬送ガイド部122が搬送ガイド部配置スペース124内へ進入していく。これにより、振分ゲート部材183の状態に拘わらずに着脱搬送ガイド部122を搬送ガイド部配置スペース124内へ挿入することができる。
このような状態で、着脱搬送ガイド部122を搬送ガイド部配置スペース124に更に挿入すると、着脱搬送ガイド部122は、その先頭部分であるガイド本体201の後壁板部197が、搬送本体部131の当接面362に当接する。すると、着脱搬送ガイド部122は、ガイド本体201が、それ以上、後方へ進めない状態となる。
この状態で、作業者が、ロック体202を搬送ガイド部配置スペース124に押し込むと、着脱搬送ガイド部122は、ガイド本体201はその位置を維持したまま、ロック体202のみが後方に移動する。すると、ロック体202は、その摺動フレーム242が中間板部263と摺動板部264との境界の角部で、スロープ部材331のスロープ面部342に当接し、スロープ面部342で案内されて最上面部341側に向け登っていき、マグネット部271の吸着力に抗してユニット側板部172の内壁面173から離れる右方に移動して、スロープ部材331の最上面部341に到達する。すると、搬送本体部131の当接面362に当接しているガイド本体201も右方に移動し、そのガイド本体201に形成された上部突出部231及び下部突出部232が搬送本体部131の上部係合凹部315及び下部係合凹部295に入り込み、ベース部材本体部235の下端面237が搬送本体部131のセット面部294に載置された状態になる。
そして、作業者が、ロック体202を更に搬送ガイド部配置スペース124に押し込むと、ロック体202の3本のガイド軸205が、搬送本体部131の3箇所の係合孔371に嵌合する。ここまで押し込むと、ロック体202はロック位置に位置し、ガイド軸連結フレーム241の連結フレーム前板部251が前部ロック部141に係合可能な位置になる。よって、この状態で、作業者は、着脱搬送ガイド部122のガイド軸連結フレーム241を、右側に移動させて、連結フレーム前板部251を上部係止部142及び下部係止部143に係合させると共に、連結フレーム前板部251の係合穴158に開放レバー153の係合爪157を係合させる。このようにして、着脱搬送ガイド部122は、搬送本体部131とで紙葉類Sを搬送可能な搬送可能状態になる。
以上のようにして、着脱搬送ガイド部122が搬送本体部131に対し正規位置に固定されて搬送可能状態になると、ユーザーは前開閉カバー111を閉じてジャム処理作業を終了する。
即ち、作業者は、着脱搬送ガイド部122及び搬送本体部131から紙葉類Sを取り除き、ロック体202のガイド軸連結フレーム241を把持して着脱搬送ガイド部122を、搬送ガイド部配置スペース124に挿入し、圧縮バネ203の付勢力及びテンション部材215の付勢力に抗して押し込むと、着脱搬送ガイド部122が、スロープ部材331の案内で後部を右側にずらしながら、上部突出部231及び下部突出部232を搬送本体部131の上部係合凹部315及び下部係合凹部295に入り込ませた後、3本のガイド軸205を、3箇所の係合孔371に嵌合させる。その後、作業者は、ロック体202のガイド軸連結フレーム241を右に移動させて、上部係止部142、下部係止部143及び開放レバー153に係合させる。すると、ロック機構385が、着脱搬送ガイド部122をロックする。すなわち、作業者は、着脱搬送ガイド部122を、ガイド軸連結フレーム241を持って搬送ガイド部配置スペース124に押し込んだ後、ガイド軸連結フレーム241を右側に移動させるというワンアクションで着脱搬送ガイド部122を搬送本体部131に対しロックすることができる。
以上に述べた実施形態の紙葉類処理装置1によれば、搬送本体部131の第1搬送面部171に対向し第1搬送面部171との間で紙葉類Sを搬送可能な第2搬送面部191を有する着脱搬送ガイド部122が、搬送本体部131とで紙葉類Sを搬送可能な搬送可能状態から第1搬送面部171に沿う方向に移動して第1搬送面部171から離間する。これにより、搬送本体部131及び着脱搬送ガイド部122からなる搬送部30を開放可能としてもレイアウト的な制約を受けにくくなる。即ち、搬送部30の周囲に開放スペースがない場合であっても、搬送部30を形成している第1搬送面部171及び第2搬送面部191のうちの片方の第2搬送面部191が設けられた着脱搬送ガイド部122を着脱式にして第1搬送面部171に沿って移動させれば装置本体95から外部へ取り出せるため、ジャム排除のためのスペースを確保できると共に、容易にジャム排除を行うことが可能となる。
例えば、紙葉類処理装置1が、図35に示すように、計数ユニット2に収容ユニット3が複数並設される場合に、計数ユニット2から最も遠い位置に配置される収容ユニット3以外の収容ユニット3は、その計数ユニット2とは反対側に収容ユニット3が配置されるため、計数ユニット2とは反対側に縦搬送部27Baを開放することができない。このような場合に、紙葉類処理装置1から前方に着脱搬送ガイド部122を抜き出すことで、縦搬送部27Baを開放することができる。
また、着脱搬送ガイド部122は、搬送可能状態から第1搬送面部171に交差する方向に移動した後、第1搬送面部171に沿う方向に移動して第1搬送面部171から離間するため、第1搬送面部171からこれに交差する方向に離れた後に、第1搬送面部171に沿う方向に移動する。このため、搬送可能状態にある着脱搬送ガイド部122と搬送本体部131とに、第1搬送面部171と交差する方向において位置が重なり合う部品があっても、着脱搬送ガイド部122が、第1搬送面部171に沿う方向に移動可能となる。具体的には、振分ゲート部材183の開閉状態に拘わらずに着脱搬送ガイド部122を装置本体95から外部へ取り出すことができ、また装置本体95内へセットすることができる。
また、着脱搬送ガイド部122を搬送可能状態でロックするロック機構385のロックを解除すると、テンション部材215が、着脱搬送ガイド部122を第1搬送面部171に交差する方向に移動させる。これにより、簡素な構成で、着脱搬送ガイド部122を第1搬送面部171に交差する方向に移動させることができる。
また、ロック機構385は、第1規制部321が、搬送可能状態にある着脱搬送ガイド部122の第1搬送面部171に沿う方向の移動を規制することになり、後側第2規制部381及び前側第2規制部382が、搬送可能状態にある着脱搬送ガイド部122の第1搬送面部171に交差する方向の移動を規制することになる。そして、前側第2規制部382及び後側第2規制部381による着脱搬送ガイド部122の移動規制を解除すると、テンション部材215が、着脱搬送ガイド部122を、第1規制部321により移動が許容されている第1搬送面部171に交差する方向に移動させることになる。これにより、着脱搬送ガイド部122を、第1規制部321による第1搬送面部171に沿う方向の移動規制が解除された状態にすることができて、着脱搬送ガイド部122が第1搬送面部171に沿う方向に移動可能となる。よって、構成を簡素化することができる。
また、ロック機構385は、着脱搬送ガイド部122のガイド本体201及び搬送本体部131に設けられた第1規制部321が、搬送可能状態にある着脱搬送ガイド部122のガイド本体201の第1搬送面部171に沿う方向の移動を規制することになり、着脱搬送ガイド部122のロック体202及び搬送本体部131に設けられた後側第2規制部381及び前側第2規制部382が、ロック位置にあると、搬送可能状態にある着脱搬送ガイド部122のロック体202の第1搬送面部171に交差する方向の移動を規制することになって、前部ロック部141がロック体202をこのロック位置にロックすることになる。そして、ロック位置にあるロック体202の前部ロック部141によるロックを解除すると、圧縮バネ203がロック体202を基本位置に移動させることになり、着脱搬送ガイド部122の第1搬送面部171に交差する方向の移動規制を解除する。すると、テンション部材215が、着脱搬送ガイド部122を、第1規制部321により移動が許容されている第1搬送面部171に交差する方向に移動させることになる。これにより、着脱搬送ガイド部122を、第1規制部321による第1搬送面部171に沿う方向の移動規制が解除された状態にすることができて、着脱搬送ガイド部122が第1搬送面部171に沿う方向に移動可能となる。よって、構成を更に簡素化することができる。
また、着脱搬送ガイド部122を搬送可能状態に向けて第1搬送面部171に沿う方向に移動させると、スロープ板部335が、着脱搬送ガイド部122をテンション部材215の付勢力に抗して第1搬送面部171に交差する方向に案内する。これにより、着脱搬送ガイド部122を、第1搬送面部171に沿う方向に移動させる力を利用して、テンション部材215の付勢力に抗して第1搬送面部171に交差する方向に移動させることができる。
また、着脱搬送ガイド部122が、第1搬送面部171に沿って広がる内壁面173に摺動可能に吸着するマグネット部271を有するため、着脱搬送ガイド部122を第1搬送面部171に沿って容易に移動させることができる。具体的に、着脱搬送ガイド部122は、高分子シート281で周囲を囲まれた状態のマグネット部271を有しており、着脱搬送ガイド部122のロック解除時には、着脱搬送ガイド部122が有するテンション部材215が着脱搬送ガイド部122を搬送本体部131から分離する方向へ移動させると、マグネット部271がユニット側板部172の内壁面173に接することになる。これにより、着脱搬送ガイド部122のユニット側板部172の内壁面173への密着度を高めたままで、摺動しやすさも確保することができる。よって、ロック解除後、確実に着脱搬送ガイド部122と搬送本体部131との隙間を確保できるため、部品(ローラ、搬送ゲートなど)と干渉することなく、着脱搬送ガイド部122の装置本体95から外部への取り出しが可能となる。またこのとき、高分子シート281がユニット側板部172の内壁面173と摺動しながら着脱搬送ガイド部122が装置本体95の外部へ取り出される。したがって、より確実に着脱搬送ガイド部122を装置本体95から外部へ取り出すことができる。
また、マグネット部271がユニット側板部172の内壁面173に張り付きながら摺動していくことに加え、着脱搬送ガイド部122の上下に配設されている上部突出部231及び下部突出部232が、搬送本体部131側に配設されている上部スライド部材311及び下部スライド部材291に摺動しながら、着脱搬送ガイド部122が装置本体95の内部に挿入される、ないしは、装置本体95の外部へ引き出される構成となっているため、着脱搬送ガイド部122の着脱の際に、搬送本体部131側の第1搬送ローラ部176や振分ゲート部材183などの部品と干渉することを回避しながら着脱できる。
また、着脱搬送ガイド部122には、給電を受ける電気部品が設けられていないため、搬送本体部131側とを結ぶ電気配線がなくなる。よって、搬送可能状態にある着脱搬送ガイド部122を搬送本体部131から離す際に電気配線を外す必要がなくなる。また、着脱搬送ガイド部122を搬送可能状態に戻す際に、電気配線を接続する必要がなくなり、電気配線の取り回しに注意する必要性も減る。
また、着脱搬送ガイド部122は、第1搬送面部171の広がる方向に移動して、第1搬送面部171から離間しつつ搬送本体部131を含む装置本体95から抜き出されるため、着脱搬送ガイド部122及び搬送本体部131をより大きく開放することができる。
また、着脱搬送ガイド部122が有するガイド軸205が位置決めピンとして働き、装置本体95側に設けられた係合孔371に係合することにより、着脱搬送ガイド部122を装置本体95内の正規の位置に固定することができる。
また、着脱搬送ガイド部122を簡単な操作で、ロック解除と施錠ができる。
以上の実施形態においては、縦搬送部27Baに本発明を適用する場合を例にとり説明したが、縦搬送部に限らず水平搬送部や傾斜した搬送部でも適用が可能であり、搬送部を形成している2つの第1搬送面部及び第2搬送面部のうちの一方を構成する着脱搬送ガイド部を着脱式とすることにより、特に搬送部を開くスペースが著しく限られる場合であっても、ジャム排除等の保守作業が可能となる。