JP2020050395A - 試料容器及びこれを用いた凍結保存器 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な構造でありながら、生体試料の昇温や表面汚染の防止を図れ、安定した状態で搬送可能な試料容器及びこれを用いた凍結保存器を提供する。【解決手段】極低温液化ガスにより搬送容器内を極低温の気相雰囲気に保持する凍結保存器において、搬送容器内に格納される試料容器13は、上部に開口19aを有する断熱性の容器本体19と、開口を覆う蓋体20と、該蓋体の天板部20aを上下方向に貫通して容器本体の内部と外部とを熱的に結合する熱誘導軸21と、該熱誘導軸の下端部に設けられ、生体試料を封入した封入容器22を収納するための収納部23とを備えている。【選択図】図2
Description
本発明は、試料容器及びこれを用いた凍結保存器に関し、詳しくは、採取した生体試料の凍結状態を維持したまま搬送することができる試料容器及びこれを用いた凍結保存器に関する。
近年、生体試料を病院、研究機関、大学間などで搬送するケースが増えてきている。このような外部の施設から搬送されてきた生体試料を、別施設の内部に運び込む方法として、断熱構造の容器内に生体試料と共に液体窒素を含浸させた含浸材を収納し、極低温の気相雰囲気中で生体試料を凍結させる凍結保存器が用いられている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、上述の特許文献1に記載された凍結保存器は、大型になると比較的に重量があることから、クリーンベンチに直接運び込むことができない。そのため、外部施設から搬送されてきた生体試料を容器から取り出してクリーンベンチに運び込む必要があるが、その際に、大気曝露による生体試料の昇温や表面汚染などに起因して生体試料の保存環境や作業環境の悪化を招くおそれがある。また、クリーンベンチ内で生体試料を分注した後に外部施設へ搬送する際にも同様の問題が生じることとなる。
そこで本発明は、簡単な構造でありながら、生体試料の昇温や表面汚染の防止を図れ、安定した状態で搬送可能な試料容器及びこれを用いた凍結保存器を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明の試料容器は、上部に開口を有する断熱性の容器本体と、前記開口を覆う蓋体と、該蓋体の天板部を上下方向に貫通して前記容器本体の内部と外部とを熱的に結合する熱誘導軸と、該熱誘導軸の下端部に設けられ、生体試料を封入した封入容器を収納するための収納部とを備えていることを特徴としている。
また、前記試料容器は、前記熱誘導軸の上端部に前記容器本体の内部と外部との熱的な結合を促す熱誘導促進部材を着脱可能に設けており、前記熱誘導促進部材は、前記蓋体の天板部よりも大きな外径を有する円板状の板材からなり、中央に前記熱誘導軸の上端部に螺合可能なねじ山部が設けられ、前記熱誘導軸に螺合させた装着状態で、前記天板部の外面に近接した位置に固定されていることを特徴としている。さらに、前記収納部は、前記封入容器が挿入可能な複数の凹部を備えたブロック体で形成されていることを特徴としている。
また、本発明の凍結保存器は、上部に開閉可能な試料容器出入口を有する断熱性の搬送容器と、前記試料容器出入口から前記搬送容器内に格納される断熱性の試料容器と、前記搬送容器内に充填される極低温液化ガスの含浸材とを備え、前記含浸材に含浸された前記極低温液化ガスにより前記搬送容器内を極低温の気相雰囲気に保持する凍結保存器において、前記試料容器は、上部に開口を有する断熱性の容器本体と、前記開口を覆う蓋体と、該蓋体の天板部を上下方向に貫通して前記容器本体の内部と外部とを熱的に結合する熱誘導軸と、該熱誘導軸の下端部に設けられ、生体試料を封入した封入容器を収納するための収納部とを備えていることを特徴としている。
本発明によれば、試料容器が容器本体に装着される蓋体の天板部を貫通して容器本体の内部と外部とを熱的に結合する熱誘導軸を備えているので、クリーンベンチ内で封入容器に分注した生体試料を搬送容器に移し、さらに極低温下で凍結保存させるといった一連の作業が無菌環境を維持したまま効率よく安定して行え、大気曝露による生体試料の昇温や表面汚染の発生を効果的に防止することができる。また、熱誘導軸に着脱可能な熱誘導促進部材を備えているので、生体試料を試料容器に収納した状態のまま速やかに凍結させることができる。その上、搬送容器から取り出す際には、試料容器から熱誘導促進部材を取り外すだけで生体試料の昇温を抑えることが可能となり、別容器への移し替えや、これに伴い冷媒を準備するなどの特別な措置を必要とせず、使い勝手を良好にすることができる。
図1乃至図3は、本発明の試料容器及びこれを用いた凍結保存器の一形態例を示すものである。凍結保存器11は、図1に示すように、上部に開閉可能な試料容器出入口12aを有する断熱性の搬送容器12と、試料容器出入口12aから搬送容器12内に格納される断熱性の試料容器13と、搬送容器12内に充填される極低温液化ガス、例えば液体窒素の含浸材14とを備え、含浸材14に含浸された極低温液化ガスにより搬送容器12内を極低温の気相雰囲気に保持するものである。
搬送容器12は、外槽15と内槽16との間に断熱層を形成した金属製の断熱容器であり、内槽16は、試料容器13を出し入れ可能に格納する円筒状の内槽本体16aと、該内槽本体16aの上部に上方が縮径した円錐部16bを介して連設されたネック部16cとを有して形成されている。外槽15は、断熱層を介して内槽本体16a及び円錐部16bを収容する円筒部15aと、ネック部16cを収容する上方が縮径した円錐部15bとを有して形成され、該円錐部15bの上端部とネック部16cの上端部とが溶着されて外槽15と内槽16とが一体的に形成されている。また、試料容器出入口12aには外蓋12bが取り付けられ、外槽15の円錐部15bには凍結保存器11を持ち運ぶ際に使用するハンドル12cが設けられている。
内槽16の内部は、試料容器出入口12aの直下領域であって、試料容器13が位置する内槽本体16a内の格納領域16dと、試料容器13を格納領域16dから試料容器出入口12aにもたらすことにより、試料容器出入口12aから出し入れするための出し入れ領域16eとを有している。そして、含浸材14は、格納領域16d及び出し入れ領域16eを除く充填領域16fに充填されている。含浸材14には極低温液化ガスが含浸され、格納領域16d及び出し入れ領域16eを含む内槽16の内部領域を極低温の気相雰囲気に保持する。
試料容器13は、図2及び図3に示すように、外槽17と内槽18との間に断熱層を形成した金属製の断熱容器であり、各槽17,18の上端部を互いに溶着して形成した開口19aを有する筒状の容器本体19と、開口19aを覆う樹脂材料からなるキャップ状の蓋体20と、該蓋体20の天板部20aを上下方向に貫通して容器本体19の内部と外部とを熱的に結合する熱誘導軸21と、該熱誘導軸21の下端部に設けられ、生体試料を封入した封入容器22を収納するための収納部23とを有して形成されている。封入容器22は、有底筒状の樹脂製バイアルであって開口部に着脱可能なキャップ22aを有している。
熱誘導軸21は、軸方向の複数箇所にねじ加工が施された金属製の中実丸棒からなり、上端部には六角形状のフランジ部21aが設けられている。この熱誘導軸21は、蓋体20の天板部20a中央に設けた凹部20bの丸孔20cに挿通され、シール部材24による密封作用を働かせながら、フランジ部21aを凹部20bに係合させた位置にナット25で固定されている。また、熱誘導軸21の下端部には前記収納部23が螺着されている。収納部23は、金属製の円柱ブロック体からなり、封入容器22を挿入して熱誘導軸21の周囲に保持可能な複数の凹部23aが設けられている。このように、蓋体20を開口19aに装着した状態では、蓋体20の雌ねじ部20dが容器本体19の雄ねじ部19bに螺合することにより、開口19aの周縁部と蓋体20の内面とがシール部材26を介して当接して圧装着され、互いの境界部に密着して密封作用を働かせている。
また、試料容器13には、熱誘導軸21の上端部に容器本体19の内部と外部との熱的な結合を促す熱誘導促進部材27を着脱可能に設けている。熱誘導促進部材27は、金属製の円板状の板材からなり、前記搬送容器12内の出し入れ領域16eを通過可能な大きさの限度で蓋体20の天板部20aよりも大きな外径を有し、中央には熱誘導軸21の上端部に軸方向に螺合可能なねじ山を有した突部27aが設けられ、熱誘導軸21に螺合させて蓋体20の天板部20a外面に近接した装着位置に固定されている。すなわち、熱誘導促進部材27は、その外径の大きさが装着位置において指先の着脱動作を妨げず、かつ、装着した状態で試料容器13の出し入れを可能にするように考慮され、蓋体20の天板部20aよりも僅かに大きく設定されている。また、円板状の周縁部には滑り止めの溝加工が施されている。
このように形成された凍結保存器11を使用して生体試料を搬送する際には、まず、搬送容器12から試料容器13を取り出した状態で、搬送容器12内を極低温液化ガスによる極低温の気相雰囲気に保持させる。続いて、クリーンベンチ内に持ち運んだ試料容器13の容器本体19から蓋体20を熱誘導促進部材27と一体で取り外した状態とし、生体試料を封入した封入容器22を収納部23に収納するとともに、収納部23を容器本体19内に挿入して再び蓋体20を装着する。最後に、試料容器13をクリーンベンチの外に出して搬送容器12に移し替えることにより、外部施設へ搬送可能な状態となる。
このとき、搬送容器12内に格納された試料容器13は、極低温液化ガスの冷熱を熱誘導促進部材27から熱誘導軸21に伝達して収納部23を冷却させる。そして、収納部23から封入容器22内に伝達された冷熱によって生体試料が凍結される。すなわち、熱誘導促進部材27、熱誘導軸21、収納部23の各部材が一体で熱伝達経路を形成することにより、容器本体19の内部が、外部と熱的に結合された極低温の環境となる。そして、凍結保存された生体試料は、トラックなどの輸送手段により輸送され、別施設の内部に運び込まれる。ここで、試料容器13は、搬送容器12から取り出された直後に、蓋体20から熱誘導促進部材27が取り外されるが、開封は行われずに、この状態のままクリーンベンチに持ち込まれる。
このように、試料容器13が容器本体19に装着される蓋体20の天板部20aを貫通して容器本体19の内部と外部とを熱的に結合する熱誘導軸21を備えているので、クリーンベンチ内で封入容器22に分注した生体試料を搬送容器12に移し、さらに極低温下で凍結保存させるといった一連の作業が無菌環境を維持したまま効率よく安定して行え、大気曝露による生体試料の昇温や表面汚染の発生を効果的に防止することができる。また、熱誘導軸21に着脱可能な熱誘導促進部材27を備えているので、生体試料を試料容器13に収納した状態のまま速やかに凍結させることができる。その上、搬送容器12から取り出す際には、試料容器13から熱誘導促進部材27を取り外すだけで生体試料の昇温を抑えることが可能となり、別容器への移し替えや、これに伴い冷媒を準備するなどの特別な措置を必要とせず、使い勝手を良好にすることができる。
特に、熱誘導促進部材27を着脱容易な大きさの円板状に形成しているので、搬送先の施設において搬送容器12から取り出された試料容器13は、速やかに熱誘導促進部材27が取り外されて、その熱伝達機能を抑制させることから、大気の熱を容器内部に伝えてしまうといった不具合がなくなる。しかも、収納部23が熱容量の大きいブロック体で形成されているので、生体試料の凍結状態を安定して維持することができる。
なお、本発明の試料容器及びこれを用いた凍結保存器は、前記形態例に限定されるものでなく、熱誘導軸は、外径や長さを試料容器の構造や封入容器の配置などに対応して適宜に変更することができる。また、熱誘導促進部材は、円板形状に限定されず、一定の表面積を有して熱誘導軸に着脱可能であれば形状は任意である。さらに、収納部は、封入容器を定位置に支持可能であればブロック体以外で形成することもできる。加えて、各材料は、伝熱性、断熱性、強度、成形性などを考慮して選定することができ、特に限定されるものではない。
11…凍結保存器、12…搬送容器、12a…試料容器出入口、12b…外蓋、12c…ハンドル、13…試料容器、14…含浸材、15…外槽、15a…円筒部、15b…円錐部、16…内槽、16a…内槽本体、16b…円錐部、16c…ネック部、16d…格納領域、16e…出し入れ領域、16f…充填領域、17…外槽、18…内槽、19…容器本体、19a…開口、19b…雄ねじ部、20…蓋体、20a…天板部、20b…凹部、20c…丸孔、20d…雌ねじ部、21…熱誘導軸、21a…フランジ部、22…封入容器、22a…キャップ、23…収納部、23a…凹部、24…シール部材、25…ナット、26…シール部材、27…熱誘導促進部材、27a…突部
Claims (5)
- 上部に開口を有する断熱性の容器本体と、前記開口を覆う蓋体と、該蓋体の天板部を上下方向に貫通して前記容器本体の内部と外部とを熱的に結合する熱誘導軸と、該熱誘導軸の下端部に設けられ、生体試料を封入した封入容器を収納するための収納部とを備えている試料容器。
- 前記熱誘導軸の上端部に前記容器本体の内部と外部との熱的な結合を促す熱誘導促進部材を着脱可能に設けていることを特徴とする請求項1記載の試料容器。
- 前記熱誘導促進部材は、前記蓋体の天板部よりも大きな外径を有する円板状の板材からなり、中央に前記熱誘導軸の上端部に螺合可能なねじ山部が設けられ、前記熱誘導軸に螺合させた装着状態で、前記天板部の外面に近接した位置に固定されていることを特徴とする請求項2記載の試料容器。
- 前記収納部は、前記封入容器が挿入可能な複数の凹部を備えたブロック体で形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の試料容器。
- 上部に開閉可能な試料容器出入口を有する断熱性の搬送容器と、前記試料容器出入口から前記搬送容器内に格納される断熱性の試料容器と、前記搬送容器内に充填される極低温液化ガスの含浸材とを備え、前記含浸材に含浸された前記極低温液化ガスにより前記搬送容器内を極低温の気相雰囲気に保持する凍結保存器において、前記試料容器は、上部に開口を有する断熱性の容器本体と、前記開口を覆う蓋体と、該蓋体の天板部を上下方向に貫通して前記容器本体の内部と外部とを熱的に結合する熱誘導軸と、該熱誘導軸の下端部に設けられ、生体試料を封入した封入容器を収納するための収納部とを備えていることを特徴とする凍結保存器。
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