JP2020150797A - 生体試料凍結保存用チューブ - Google Patents
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Abstract
Description
なお、以下に説明する実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。すなわち、以下に説明する部材の形状、寸法、配置等については、本発明の趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
また、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、重複する説明は適宜省略する。なお、いずれの図面についても、便宜上、符号を付していない(省略している)箇所がある。
まず、本実施形態に係る生体試料凍結保存用チューブの概要について、図1から図5の符号を参照して説明する。
なお、図1は、本実施形態に係る生体試料凍結保存用チューブ(チューブ本体がキャップにより閉鎖されていない状態)を示す模式的な正面図/断面図(上側が正面図、下側が断面図)である。また、図2から図5は、それぞれ本実施形態に係る生体試料凍結保存用チューブの、チューブ本体における下端部(閉鎖底部、スカート部および側壁本体部の一部)を示した模式的な拡大断面図である。
そして、上端部に開口部3を有し、下端部に閉鎖底部5を有するチューブ本体1と、開口部3を閉鎖するキャップ11とを備え、閉鎖底部5の少なくとも一部が、チューブ本体1の側壁7よりも肉薄構造である。
また、本実施形態において「恒温装置」とは、一定の温度(温度範囲)を保持するように制御することができる金属製などの恒温部を備え、生体試料が凍結保存されたチューブ容器にその外側から熱を伝導することが可能な装置を意味し、例えば、恒温水槽や恒温ブロックなどの装置が例示される。
本実施形態に係る生体試料凍結保存用チューブの全体構成について、図1を参照して詳細に説明する。
また、本実施形態に係る生体試料凍結保存用チューブにおける「閉鎖底部5」とは、チューブ本体1の下端部において、チューブ本体1の内径が下側に向かって縮径がはじまる位置から閉鎖された部分までの一連の縮径している壁部分である。例えば、チューブ本体1が円筒状である場合、下端部においてこの円筒の内径よりも縮径した壁部分が閉鎖底部5である。図1から図5に示す実施形態においては、チューブ本体1の下端部において、側壁7と垂直に示された直線より下側の、縮径している壁部分が閉鎖底部5である。なお、下端部外(チューブ本体1の下側1/3を超える位置)から内径の縮径がはじまっているチューブ本体1においては、後述するスカート部4を除く下端部全体の壁部分が閉鎖底部5となる。さらに、本実施形態に係る生体試料凍結保存用チューブにおける「側壁7」とは、チューブ本体1における閉鎖底部5を除く壁部分であり、後述するスカート部4も、この側壁7の一部である。なお、本実施形態においては、このスカート部4が縮径したものは包含されない。
さらに、本実施形態に係る生体試料凍結保存用チューブの閉鎖底部5における「肉薄構造」とは、比較対象部分である側壁7の肉厚よりも1/2未満の肉厚である構造を意味する。なお、側壁7の肉厚とは、チューブ本体1の中央部あるいは下端部近傍における側壁7の肉厚であり、局所的に肉薄となっている部分の肉厚は除外される。
ここで、本実施形態に係る生体試料凍結保存用チューブにおいては、閉鎖底部5における肉薄構造の成形性などを考慮して、チューブ本体1とキャップ11がそれぞれ異なる種類の材料により構成されていても良い。例えば、チューブ本体1がPP樹脂により形成されており、キャップ11はPE樹脂により形成されている構成などであっても良い。また、チューブ本体1の閉鎖底部5だけが他の部位とは異なる種類の材料により構成されていても良い。
また、キャップ11は、チューブ本体1に装着して開口部3を閉鎖するために、チューブ本体1の開口部3と装着できる形状および大きさを有する必要がある。さらに、このキャップ11は、図1に示すような、チューブ本体1と分離できる構成であっても良く、あるいは、ヒンジ部などの接続部材によってチューブ本体1と接続されて一体となった構成であっても良い。
ここで、本実施形態に係る生体試料凍結保存用チューブは、生体試料を封入することから、チューブ本体1およびキャップ11がγ線や電子線などにより滅菌された滅菌チューブであるのが好ましい。なお、チューブ本体1の容量は使用目的などに応じて任意に選択が可能であり、特段限定されるものではない。
本実施形態に係る生体試料凍結保存用チューブの閉鎖底部5の構成について、図1から図5を参照して詳細に説明する。
例えば、上端部に開口部3を有し、下端部に閉鎖底部5を有するチューブ本体1と、開口部3を閉鎖するキャップ11とを備え、閉鎖底部5の頂部6に、チューブ本体1の側壁7よりも肉薄構造であり且つ凹形状である凹状嵌合部9が形成されている生体試料凍結保存用チューブと、温度を一定に保つことができる恒温部21を有し、この恒温部21に、生体試料凍結保存用チューブの凹状嵌合部9と嵌合する凸形状である凸状嵌合部23が形成されている恒温装置と、を備えるセットであっても良い。
このような生体試料の凍結保存および解凍セットは、生体試料凍結保存用チューブと恒温部との嵌合が予め定められた形状により極めて容易となるため、恒温装置による生体試料凍結保存用チューブへの効率的な熱伝導を容易に達成することができ、凍結保存された生体試料の迅速な解凍が可能となる。
本実施形態に係る生体試料凍結保存用チューブのさらなる変形例について説明する。
例えば、閉鎖底部5の頂部6は側壁7(スカート部4を含む)と同じ肉厚であり、閉鎖底部5における頂部6以外の領域が全て側壁7よりも肉薄構造である構成などが例示される。
しかしながら、本発明に係る生体試料凍結保存用チューブは、閉鎖底部5において肉薄構造領域を有しているため、仮に、この肉薄構造領域に射出成形のゲートがあって、樹脂流れやゲート残りが発生したとしても、側壁7よりも肉薄構造である肉薄構造領域では外部から生体試料への効率的な熱伝導が可能であるため、上記したような問題は発生し難い。
また、本実施形態に係る生体試料凍結保存用チューブは、チューブ本体1やキャップ11を、同じ材料を用いて一括して成形する場合には、金型を用いた射出成形などにより成形を行うことができるが、一方で、例えばチューブ本体1の一部(例えば閉鎖底部5など)を異なる材料を用いて形成する場合には、別途形成した閉鎖底部5とチューブ本体1の一部とを熱融着等により接合させる方法などにより成形を行うこともできる。
(1)生体試料を封入して凍結保存するためのチューブであって、上端部に開口部を有し、下端部に閉鎖底部を有するチューブ本体と、前記開口部を閉鎖するキャップとを備え、前記閉鎖底部の少なくとも一部が、前記チューブ本体の側壁よりも肉薄構造である、生体試料凍結保存用チューブ。
(2)前記閉鎖底部の全体が、前記チューブ本体の前記側壁よりも肉薄構造である、(1)に記載の生体試料凍結保存用チューブ。
(3)前記閉鎖底部の頂部に、前記チューブ本体の前記側壁よりも肉薄構造であり且つ凹形状である凹状嵌合部が形成されている、(1)または(2)に記載の生体試料凍結保存用チューブ。
(4)前記チューブ本体の前記閉鎖底部を有する前記下端部に、前記チューブ本体の前記側壁が延在して前記閉鎖底部を覆うように形成されたスカート部を有し、前記スカート部が前記閉鎖底部の前記肉薄構造よりも肉厚である、(1)〜(3)のいずれか1つに記載の生体試料凍結保存用チューブ。
(5)前記閉鎖底部の頂部に、前記チューブ本体の前記側壁よりも肉薄構造である平坦部を有し、前記平坦部の厚みが均一である、(1)〜(4)のいずれか1つに記載の生体試料凍結保存用チューブ。
(6)前記チューブ本体がポリプロピレン樹脂を用いて作製されたものであり、前記閉鎖底部の前記肉薄構造が0.5mm以上1.0mm以下の厚さである、(1)〜(5)のいずれか1つに記載の生体試料凍結保存用チューブ。
(7)上端部に開口部を有し、下端部に閉鎖底部を有するチューブ本体と、前記開口部を閉鎖するキャップとを備え、前記閉鎖底部の頂部に、前記チューブ本体の側壁よりも肉薄構造であり且つ凹形状である凹状嵌合部が形成されている生体試料凍結保存用チューブと、温度を一定に保つことができる恒温部を有し、前記恒温部に、前記生体試料凍結保存用チューブの前記凹状嵌合部と嵌合する凸形状である凸状嵌合部が形成されている恒温装置と、を備える生体試料の凍結保存および解凍セット。
3 開口部
4 スカート部
5 閉鎖底部
6 頂部
7 側壁
9 凹状嵌合部
10 突起部
11 キャップ
21 恒温部
23 凸状嵌合部
Claims (7)
- 生体試料を封入して凍結保存するためのチューブであって、
上端部に開口部を有し、下端部に閉鎖底部を有するチューブ本体と、前記開口部を閉鎖するキャップとを備え、
前記閉鎖底部の少なくとも一部が、前記チューブ本体の側壁よりも肉薄構造である、
生体試料凍結保存用チューブ。 - 前記閉鎖底部の全体が、前記チューブ本体の前記側壁よりも肉薄構造である、請求項1に記載の生体試料凍結保存用チューブ。
- 前記閉鎖底部の頂部に、前記チューブ本体の前記側壁よりも肉薄構造であり且つ凹形状である凹状嵌合部が形成されている、請求項1または2に記載の生体試料凍結保存用チューブ。
- 前記チューブ本体の前記閉鎖底部を有する前記下端部に、前記チューブ本体の前記側壁が延在して前記閉鎖底部を覆うように形成されたスカート部を有し、前記スカート部が前記閉鎖底部の前記肉薄構造よりも肉厚である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の生体試料凍結保存用チューブ。
- 前記閉鎖底部の頂部に、前記チューブ本体の前記側壁よりも肉薄構造である平坦部を有し、前記平坦部の厚みが均一である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の生体試料凍結保存用チューブ。
- 前記チューブ本体がポリプロピレン樹脂を用いて作製されたものであり、前記閉鎖底部の前記肉薄構造が0.5mm以上1.0mm以下の厚さである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の生体試料凍結保存用チューブ。
- 上端部に開口部を有し、下端部に閉鎖底部を有するチューブ本体と、前記開口部を閉鎖するキャップとを備え、前記閉鎖底部の頂部に、前記チューブ本体の側壁よりも肉薄構造であり且つ凹形状である凹状嵌合部が形成されている生体試料凍結保存用チューブと、
温度を一定に保つことができる恒温部を有し、前記恒温部に、前記生体試料凍結保存用チューブの前記凹状嵌合部と嵌合する凸形状である凸状嵌合部が形成されている恒温装置と、
を備える生体試料の凍結保存および解凍セット。
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