JP2020049743A - 射出成形機 - Google Patents

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Abstract

【課題】支持部材の一部の温度上昇による伸びと支持部材の他の一部の温度上昇による伸びとを相殺でき、プラテンの鉛直方向中心位置の変位を制限できる、技術を提供する。【解決手段】固定金型が取り付けられる固定プラテンと、可動金型が取り付けられる可動プラテンと、前記可動プラテンを基準として前記固定プラテンとは反対側に配置され、前記固定プラテンとタイバーを介して連結されるリヤプラテンと、型開閉方向視で、前記固定プラテン、前記可動プラテンおよび前記リヤプラテンから選ばれる少なくとも1つのプラテンの横側面の鉛直方向中央部を支持する支持部材とを備え、前記支持部材は、鉛直方向に延びる支柱部、および前記支柱部の上端部と前記プラテンの前記横側面の鉛直方向中央部とを接続する中間部とを有し、前記中間部は、前記支柱部の上端部よりも下方に、前記支柱部に対し熱膨張によって下方に変位する変位部を有する、射出成形機。【選択図】図3

Description

本発明は、射出成形機に関する。
特許文献1に記載の射出成形機は、タイバーによって連結された固定プラテン及びバックプラテンと、それらのプラテン間で移動する可動プラテンとを機台上に備える。固定プラテン、可動プラテンおよびバックプラテンは、それらのプラテンの鉛直方向の略中心高さ位置で支持部材によって両側から対称に支持される。
固定プラテンには固定金型が取り付けられ、可動プラテンには可動金型が取り付けられる。固定金型と可動金型とで金型装置が構成される。一方、バックプラテンには駆動装置が取り付けられる。駆動装置は、可動プラテンを固定プラテンに対して進退させることにより金型装置の型閉、型締および型開を行うものであり、油圧式あるいは電動式の装置である。
固定金型の熱は、固定プラテンおよび支持部材を介して機台に放出される。また、可動金型の熱は、可動プラテンおよび支持部材を介して機台に放出される。同様に、駆動装置の熱は、バックプラテンおよび支持部材を介して機台に放出される。機台を、型締装置フレームとも呼ぶ。
特開2010−89295号公報 特開2009−101528号公報
支持部材は、型開閉方向視で、プラテンの横側面の鉛直方向中央部を支持する。プラテンの横側面の鉛直方向中央部がプラテンにおける熱の流出口になるので、プラテンの温度分布が上下対称になり、プラテンの傾きを抑制することができる。
支持部材は、プラテンからの熱を型締装置フレームに伝達する通路であるので、プラテンからの熱によって鉛直方向に伸びる。その結果、プラテンの鉛直方向中心位置が型締装置フレームに対し鉛直方向上方に変位するという問題があった。
プラテンの鉛直方向中心位置の変位は、ガイドピンとガイドブッシュとの位置ズレ、または型締力のバランスの変化などを生じさせ得る。なお、ガイドピンとガイドブッシュは、固定金型と可動金型との位置合わせに用いられるものである。
支持部材の温度上昇による伸びを制限すべく、特許文献1では支持部材をインバーと呼ばれる鉄ニッケル合金によって形成することが提案されている。インバーは、一般的な鉄鋼材料に比べ、熱膨張率を1/10程度に低減できる反面、高価であるという問題がある。
また、支持部材の温度上昇による伸びを制限すべく、特許文献2では支持部材の温度を制御することが提案されている。支持部材の温度制御には温調器が必要であるので、型締装置の構造が複雑になるという問題がある。また、制御が煩雑である。
本発明の一態様は、支持部材の一部の温度上昇による伸びと支持部材の他の一部の温度上昇による伸びとを相殺でき、プラテンの鉛直方向中心位置の変位を制限できる、技術を提供する。
本発明の一態様に係る射出成形機は、
固定金型が取り付けられる固定プラテンと、
可動金型が取り付けられる可動プラテンと、
前記可動プラテンを基準として前記固定プラテンとは反対側に配置され、前記固定プラテンとタイバーを介して連結されるリヤプラテンと、
型開閉方向視で、前記固定プラテン、前記可動プラテンおよび前記リヤプラテンから選ばれる少なくとも1つのプラテンの横側面の鉛直方向中央部を支持する支持部材とを備え、
前記支持部材は、鉛直方向に延びる支柱部、および前記支柱部の上端部と前記プラテンの前記横側面の鉛直方向中央部とを接続する中間部とを有し、
前記中間部は、前記支柱部の上端部よりも下方に、前記支柱部に対し熱膨張によって下方に変位する変位部を有する。
本発明の一態様によれば、支持部材の一部の温度上昇による伸びと支持部材の他の一部の温度上昇による伸びとを相殺でき、プラテンの鉛直方向中心位置の変位を制限できる。
図1は、一実施形態に係る射出成形機の型開完了時の状態を示す図である。 図2は、一実施形態に係る射出成形機の型締時の状態を示す図である。 図3は、一実施形態に係る固定プラテンと固定プラテン用支持部材とを型開閉方向から見た図である。 図4は、図3に示す固定プラテンおよび固定プラテン用支持部材の温度分布と、固定プラテン用支持部材の形状との関係の一例を示す図である。 図5は、第1変形例に係る固定プラテンと固定プラテン用支持部材とを型開閉方向から見た図である。 図6は、図5に示す固定プラテンおよび固定プラテン用支持部材の温度分布と、固定プラテン用支持部材の形状との関係の解析例を示す図である。 図7は、第2変形例に係る固定プラテンと固定プラテン用支持部材とを型開閉方向から見た図である。 図8は、図7に示す固定プラテンおよび固定プラテン用支持部材の温度分布と、固定プラテン用支持部材の形状との関係の解析例を示す図である。 図9は、第3変形例に係る固定プラテンと固定プラテン用支持部材とを型開閉方向から見た図である。 図10は、一実施形態に係る可動プラテンと可動プラテン用支持部材とを型開閉方向から見た図である。 図11は、一実施形態に係るトグルサポートとトグルサポート用支持部材とを型開閉方向から見た図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。各図面において同一の又は対応する構成には同一の又は対応する符号を付し、説明を省略することがある。
(射出成形機)
図1は、一実施形態に係る射出成形機の型開完了時の状態を示す図である。図2は、一実施形態に係る射出成形機の型締時の状態を示す図である。図1〜図2において、X軸方向、Y軸方向およびZ軸方向は互いに垂直な方向である。X軸方向およびY軸方向は水平方向を表し、Z軸方向は鉛直方向を表す。型締装置100が横型である場合、X軸方向は型開閉方向であり、Y軸方向は射出成形機10の幅方向である。Y軸方向負側を操作側と呼び、Y軸方向正側を反操作側と呼ぶ。
図1〜図2に示すように、射出成形機10は、型締装置100と、エジェクタ装置200と、射出装置300と、移動装置400と、制御装置700と、フレーム900とを有する。フレーム900は、型締装置フレーム910と、射出装置フレーム920とを含む。型締装置フレーム910および射出装置フレーム920は、それぞれ、レベリングアジャスタ930を介して床2に設置される。射出装置フレーム920の内部空間に、制御装置700が配置される。以下、射出成形機10の各構成要素について説明する。
(型締装置)
型締装置100の説明では、型閉時の可動プラテン120の移動方向(例えばX軸正方向)を前方とし、型開時の可動プラテン120の移動方向(例えばX軸負方向)を後方として説明する。
型締装置100は、金型装置800の型閉、昇圧、型締、脱圧および型開を行う。金型装置800は、固定金型810と可動金型820とを含む。
型締装置100は例えば横型であって、型開閉方向が水平方向である。型締装置100は、固定プラテン110、可動プラテン120、トグルサポート130、タイバー140、トグル機構150、型締モータ160、運動変換機構170、および型厚調整機構180を有する。
固定プラテン110は、型締装置フレーム910に対し固定される。固定プラテン110における可動プラテン120との対向面に固定金型810が取付けられる。
可動プラテン120は、型締装置フレーム910に対し型開閉方向に移動自在に配置される。型締装置フレーム910上には、可動プラテン120を案内するガイド101が敷設される。可動プラテン120における固定プラテン110との対向面に可動金型820が取付けられる。固定プラテン110に対し可動プラテン120を進退させることにより、金型装置800の型閉、昇圧、型締、脱圧、および型開が行われる。
トグルサポート130は、固定プラテン110と間隔をおいて配設され、型締装置フレーム910上に型開閉方向に移動自在に載置される。尚、トグルサポート130は、型締装置フレーム910上に敷設されるガイドに沿って移動自在に配置されてもよい。トグルサポート130のガイドは、可動プラテン120のガイド101と共通のものでもよい。
尚、本実施形態では、固定プラテン110が型締装置フレーム910に対し固定され、トグルサポート130が型締装置フレーム910に対し型開閉方向に移動自在に配置されるが、トグルサポート130が型締装置フレーム910に対し固定され、固定プラテン110が型締装置フレーム910に対し型開閉方向に移動自在に配置されてもよい。
タイバー140は、固定プラテン110とトグルサポート130とを型開閉方向に間隔Lをおいて連結する。タイバー140は、複数本(例えば4本)用いられてよい。複数本のタイバー140は、型開閉方向に平行に配置され、型締力に応じて伸びる。少なくとも1本のタイバー140には、タイバー140の歪を検出するタイバー歪検出器141が設けられてよい。タイバー歪検出器141は、その検出結果を示す信号を制御装置700に送る。タイバー歪検出器141の検出結果は、型締力の検出などに用いられる。
尚、本実施形態では、型締力を検出する型締力検出器として、タイバー歪検出器141が用いられるが、本発明はこれに限定されない。型締力検出器は、歪ゲージ式に限定されず、圧電式、容量式、油圧式、電磁式などでもよく、その取付け位置もタイバー140に限定されない。
トグル機構150は、可動プラテン120とトグルサポート130との間に配置され、トグルサポート130に対し可動プラテン120を型開閉方向に移動させる。トグル機構150は、クロスヘッド151、一対のリンク群などで構成される。一対のリンク群は、それぞれ、ピンなどで屈伸自在に連結される第1リンク152と第2リンク153とを有する。第1リンク152は可動プラテン120に対しピンなどで揺動自在に取付けられる。第2リンク153はトグルサポート130に対しピンなどで揺動自在に取付けられる。第2リンク153は、第3リンク154を介してクロスヘッド151に取付けられる。トグルサポート130に対しクロスヘッド151を進退させると、第1リンク152と第2リンク153とが屈伸し、トグルサポート130に対し可動プラテン120が進退する。
尚、トグル機構150の構成は、図1および図2に示す構成に限定されない。例えば図1および図2では、各リンク群の節点の数が5つであるが、4つでもよく、第3リンク154の一端部が、第1リンク152と第2リンク153との節点に結合されてもよい。
型締モータ160は、トグルサポート130に取付けられており、トグル機構150を作動させる。型締モータ160は、トグルサポート130に対しクロスヘッド151を進退させることにより、第1リンク152と第2リンク153とを屈伸させ、トグルサポート130に対し可動プラテン120を進退させる。型締モータ160は、運動変換機構170に直結されるが、ベルトやプーリなどを介して運動変換機構170に連結されてもよい。
運動変換機構170は、型締モータ160の回転運動をクロスヘッド151の直線運動に変換する。運動変換機構170は、ねじ軸と、ねじ軸に螺合するねじナットとを含む。ねじ軸と、ねじナットとの間には、ボールまたはローラが介在してよい。
型締装置100は、制御装置700による制御下で、型閉工程、昇圧工程、型締工程、脱圧工程、および型開工程などを行う。
型閉工程では、型締モータ160を駆動してクロスヘッド151を設定移動速度で型閉完了位置まで前進させることにより、可動プラテン120を前進させ、可動金型820を固定金型810にタッチさせる。クロスヘッド151の位置や移動速度は、例えば型締モータエンコーダ161などを用いて検出する。型締モータエンコーダ161は、型締モータ160の回転を検出し、その検出結果を示す信号を制御装置700に送る。
尚、クロスヘッド151の位置を検出するクロスヘッド位置検出器、およびクロスヘッド151の移動速度を検出するクロスヘッド移動速度検出器は、型締モータエンコーダ161に限定されず、一般的なものを使用できる。また、可動プラテン120の位置を検出する可動プラテン位置検出器、および可動プラテン120の移動速度を検出する可動プラテン移動速度検出器は、型締モータエンコーダ161に限定されず、一般的なものを使用できる。
昇圧工程では、型締モータ160をさらに駆動してクロスヘッド151を型閉完了位置から型締位置までさらに前進させることで型締力を生じさせる。
型締工程では、型締モータ160を駆動して、クロスヘッド151の位置を型締位置に維持する。型締工程では、昇圧工程で発生させた型締力が維持される。型締工程では、可動金型820と固定金型810との間にキャビティ空間801(図2参照)が形成され、射出装置300がキャビティ空間801に液状の成形材料を充填する。充填された成形材料が固化されることで、成形品が得られる。
キャビティ空間801の数は、1つでもよいし、複数でもよい。後者の場合、複数の成形品が同時に得られる。キャビティ空間801の一部にインサート材が配置され、キャビティ空間801の他の一部に成形材料が充填されてもよい。インサート材と成形材料とが一体化した成形品が得られる。
脱圧工程では、型締モータ160を駆動してクロスヘッド151を型締位置から型開開始位置まで後退させることにより、可動プラテン120を後退させ、型締力を減少させる。型開開始位置と、型閉完了位置とは、同じ位置であってよい。
型開工程では、型締モータ160を駆動してクロスヘッド151を設定移動速度で型開開始位置から型開完了位置まで後退させることにより、可動プラテン120を後退させ、可動金型820を固定金型810から離間させる。その後、エジェクタ装置200が可動金型820から成形品を突き出す。
型閉工程、昇圧工程および型締工程における設定条件は、一連の設定条件として、まとめて設定される。例えば、型閉工程および昇圧工程におけるクロスヘッド151の移動速度や位置(型閉開始位置、移動速度切換位置、型閉完了位置、および型締位置を含む)、型締力は、一連の設定条件として、まとめて設定される。型閉開始位置、移動速度切換位置、型閉完了位置、および型締位置は、後側から前方に向けてこの順で並び、移動速度が設定される区間の始点や終点を表す。区間毎に、移動速度が設定される。移動速度切換位置は、1つでもよいし、複数でもよい。移動速度切換位置は、設定されなくてもよい。型締位置と型締力とは、いずれか一方のみが設定されてもよい。
脱圧工程および型開工程における設定条件も同様に設定される。例えば、脱圧工程および型開工程におけるクロスヘッド151の移動速度や位置(型開開始位置、移動速度切換位置、および型開完了位置)は、一連の設定条件として、まとめて設定される。型開開始位置、移動速度切換位置、および型開完了位置は、前側から後方に向けて、この順で並び、移動速度が設定される区間の始点や終点を表す。区間毎に、移動速度が設定される。移動速度切換位置は、1つでもよいし、複数でもよい。移動速度切換位置は、設定されなくてもよい。型開開始位置と型閉完了位置とは同じ位置であってよい。また、型開完了位置と型閉開始位置とは同じ位置であってよい。
尚、クロスヘッド151の移動速度や位置などの代わりに、可動プラテン120の移動速度や位置などが設定されてもよい。また、クロスヘッドの位置(例えば型締位置)や可動プラテンの位置の代わりに、型締力が設定されてもよい。
ところで、トグル機構150は、型締モータ160の駆動力を増幅して可動プラテン120に伝える。その増幅倍率は、トグル倍率とも呼ばれる。トグル倍率は、第1リンク152と第2リンク153とのなす角θ(以下、「リンク角度θ」とも呼ぶ)に応じて変化する。リンク角度θは、クロスヘッド151の位置から求められる。リンク角度θが180°のとき、トグル倍率が最大になる。
金型装置800の交換や金型装置800の温度変化などにより金型装置800の厚さが変化した場合、型締時に所定の型締力が得られるように、型厚調整が行われる。型厚調整では、例えば可動金型820が固定金型810にタッチする型タッチの時点でトグル機構150のリンク角度θが所定の角度になるように、固定プラテン110とトグルサポート130との間隔Lを調整する。
型締装置100は、型厚調整機構180を有する。型厚調整機構180は、固定プラテン110とトグルサポート130との間隔Lを調整することで、型厚調整を行う。なお、型厚調整のタイミングは、例えば成形サイクル終了から次の成形サイクル開始までの間に行われる。型厚調整機構180は、例えば、タイバー140の後端部に形成されるねじ軸181と、トグルサポート130に回転自在に且つ進退不能に保持されるねじナット182と、ねじ軸181に螺合するねじナット182を回転させる型厚調整モータ183とを有する。
ねじ軸181およびねじナット182は、タイバー140ごとに設けられる。型厚調整モータ183の回転駆動力は、回転駆動力伝達部185を介して複数のねじナット182に伝達されてよい。複数のねじナット182を同期して回転できる。尚、回転駆動力伝達部185の伝達経路を変更することで、複数のねじナット182を個別に回転することも可能である。
回転駆動力伝達部185は、例えば歯車などで構成される。この場合、各ねじナット182の外周に受動歯車が形成され、型厚調整モータ183の出力軸には駆動歯車が取付けられ、複数の受動歯車および駆動歯車と噛み合う中間歯車がトグルサポート130の中央部に回転自在に保持される。尚、回転駆動力伝達部185は、歯車の代わりに、ベルトやプーリなどで構成されてもよい。
型厚調整機構180の動作は、制御装置700によって制御される。制御装置700は、型厚調整モータ183を駆動して、ねじナット182を回転させる。その結果、トグルサポート130のタイバー140に対する位置が調整され、固定プラテン110とトグルサポート130との間隔Lが調整される。尚、複数の型厚調整機構が組合わせて用いられてもよい。
間隔Lは、型厚調整モータエンコーダ184を用いて検出する。型厚調整モータエンコーダ184は、型厚調整モータ183の回転量や回転方向を検出し、その検出結果を示す信号を制御装置700に送る。型厚調整モータエンコーダ184の検出結果は、トグルサポート130の位置や間隔Lの監視や制御に用いられる。尚、トグルサポート130の位置を検出するトグルサポート位置検出器、および間隔Lを検出する間隔検出器は、型厚調整モータエンコーダ184に限定されず、一般的なものを使用できる。
尚、本実施形態の型締装置100は、型開閉方向が水平方向である横型であるが、型開閉方向が上下方向である竪型でもよい。
尚、本実施形態の型締装置100は、駆動源として、型締モータ160を有するが、型締モータ160の代わりに、油圧シリンダを有してもよい。また、型締装置100は、型開閉用にリニアモータを有し、型締用に電磁石を有してもよい。
(エジェクタ装置)
エジェクタ装置200の説明では、型締装置100の説明と同様に、型閉時の可動プラテン120の移動方向(例えばX軸正方向)を前方とし、型開時の可動プラテン120の移動方向(例えばX軸負方向)を後方として説明する。
エジェクタ装置200は、可動プラテン120に取り付けられ、可動プラテン120と共に進退する。エジェクタ装置200は、金型装置800から成形品を突き出すエジェクタロッド210と、エジェクタロッド210をX軸方向に移動させる駆動機構220とを有する。
エジェクタロッド210は、可動プラテン120の貫通穴に進退自在に配置される。エジェクタロッド210の前端部は、可動金型820の内部に進退自在に配置される可動部材830と接触する。エジェクタロッド210の前端部は、可動部材830と連結されていても、連結されていなくてもよい。
駆動機構220は、例えば、エジェクタモータと、エジェクタモータの回転運動をエジェクタロッド210の直線運動に変換する運動変換機構とを有する。運動変換機構は、ねじ軸と、ねじ軸に螺合するねじナットとを含む。ねじ軸と、ねじナットとの間には、ボールまたはローラが介在してよい。
エジェクタ装置200は、制御装置700による制御下で、突き出し工程を行う。突き出し工程では、エジェクタロッド210を設定移動速度で待機位置から突き出し位置まで前進させることにより、可動部材830を前進させ、成形品を突き出す。その後、エジェクタモータを駆動してエジェクタロッド210を設定移動速度で後退させ、可動部材830を元の待機位置まで後退させる。
エジェクタロッド210の位置や移動速度は、例えばエジェクタモータエンコーダを用いて検出する。エジェクタモータエンコーダは、エジェクタモータの回転を検出し、その検出結果を示す信号を制御装置700に送る。尚、エジェクタロッド210の位置を検出するエジェクタロッド位置検出器、およびエジェクタロッド210の移動速度を検出するエジェクタロッド移動速度検出器は、エジェクタモータエンコーダに限定されず、一般的なものを使用できる。
(射出装置)
射出装置300の説明では、型締装置100の説明やエジェクタ装置200の説明とは異なり、充填時のスクリュ330の移動方向(例えばX軸負方向)を前方とし、計量時のスクリュ330の移動方向(例えばX軸正方向)を後方として説明する。
射出装置300はスライドベース301に設置され、スライドベース301は射出装置フレーム920に対し進退自在に配置される。射出装置300は、金型装置800に対し進退自在に配置される。射出装置300は、金型装置800にタッチし、金型装置800内のキャビティ空間801に成形材料を充填する。射出装置300は、例えば、シリンダ310、ノズル320、スクリュ330、計量モータ340、射出モータ350、圧力検出器360などを有する。
シリンダ310は、供給口311から内部に供給された成形材料を加熱する。成形材料は、例えば樹脂などを含む。成形材料は、例えばペレット状に形成され、固体の状態で供給口311に供給される。供給口311はシリンダ310の後部に形成される。シリンダ310の後部の外周には、水冷シリンダなどの冷却器312が設けられる。冷却器312よりも前方において、シリンダ310の外周には、バンドヒータなどの加熱器313と温度検出器314とが設けられる。
シリンダ310は、シリンダ310の軸方向(例えばX軸方向)に複数のゾーンに区分される。複数のゾーンのそれぞれに加熱器313と温度検出器314とが設けられる。複数のゾーンのそれぞれに設定温度が設定され、温度検出器314の検出温度が設定温度になるように、制御装置700が加熱器313を制御する。
ノズル320は、シリンダ310の前端部に設けられ、金型装置800に対し押し付けられる。ノズル320の外周には、加熱器313と温度検出器314とが設けられる。ノズル320の検出温度が設定温度になるように、制御装置700が加熱器313を制御する。
スクリュ330は、シリンダ310内に回転自在に且つ進退自在に配置される。スクリュ330を回転させると、スクリュ330の螺旋状の溝に沿って成形材料が前方に送られる。成形材料は、前方に送られながら、シリンダ310からの熱によって徐々に溶融される。液状の成形材料がスクリュ330の前方に送られシリンダ310の前部に蓄積されるにつれ、スクリュ330が後退させられる。その後、スクリュ330を前進させると、スクリュ330前方に蓄積された液状の成形材料がノズル320から射出され、金型装置800内に充填される。
スクリュ330の前部には、スクリュ330を前方に押すときにスクリュ330の前方から後方に向かう成形材料の逆流を防止する逆流防止弁として、逆流防止リング331が進退自在に取付けられる。
逆流防止リング331は、スクリュ330を前進させるときに、スクリュ330前方の成形材料の圧力によって後方に押され、成形材料の流路を塞ぐ閉塞位置(図2参照)までスクリュ330に対し相対的に後退する。これにより、スクリュ330前方に蓄積された成形材料が後方に逆流するのを防止する。
一方、逆流防止リング331は、スクリュ330を回転させるときに、スクリュ330の螺旋状の溝に沿って前方に送られる成形材料の圧力によって前方に押され、成形材料の流路を開放する開放位置(図1参照)までスクリュ330に対し相対的に前進する。これにより、スクリュ330の前方に成形材料が送られる。
逆流防止リング331は、スクリュ330と共に回転する共回りタイプと、スクリュ330と共に回転しない非共回りタイプのいずれでもよい。
尚、射出装置300は、スクリュ330に対し逆流防止リング331を開放位置と閉塞位置との間で進退させる駆動源を有していてもよい。
計量モータ340は、スクリュ330を回転させる。スクリュ330を回転させる駆動源は、計量モータ340には限定されず、例えば油圧ポンプなどでもよい。
射出モータ350は、スクリュ330を進退させる。射出モータ350とスクリュ330との間には、射出モータ350の回転運動をスクリュ330の直線運動に変換する運動変換機構などが設けられる。運動変換機構は、例えばねじ軸と、ねじ軸に螺合するねじナットとを有する。ねじ軸とねじナットの間には、ボールやローラなどが設けられてよい。スクリュ330を進退させる駆動源は、射出モータ350には限定されず、例えば油圧シリンダなどでもよい。
圧力検出器360は、射出モータ350とスクリュ330との間で伝達される圧力を検出する。圧力検出器360は、射出モータ350とスクリュ330との間の圧力の伝達経路に設けられ、圧力検出器360に作用する圧力を検出する。
圧力検出器360は、その検出結果を示す信号を制御装置700に送る。圧力検出器360の検出結果は、スクリュ330が成形材料から受ける圧力、スクリュ330に対する背圧、スクリュ330から成形材料に作用する圧力などの制御や監視に用いられる。
射出装置300は、制御装置700による制御下で、計量工程、充填工程および保圧工程などを行う。充填工程と保圧工程とをまとめて射出工程とも呼ぶ。
計量工程では、計量モータ340を駆動してスクリュ330を設定回転速度で回転させ、スクリュ330の螺旋状の溝に沿って成形材料を前方に送る。これに伴い、成形材料が徐々に溶融される。液状の成形材料がスクリュ330の前方に送られシリンダ310の前部に蓄積されるにつれ、スクリュ330が後退させられる。スクリュ330の回転速度は、例えば計量モータエンコーダ341を用いて検出する。計量モータエンコーダ341は、計量モータ340の回転を検出し、その検出結果を示す信号を制御装置700に送る。尚、スクリュ330の回転速度を検出するスクリュ回転速度検出器は、計量モータエンコーダ341に限定されず、一般的なものを使用できる。
計量工程では、スクリュ330の急激な後退を制限すべく、射出モータ350を駆動してスクリュ330に対して設定背圧を加えてよい。スクリュ330に対する背圧は、例えば圧力検出器360を用いて検出する。圧力検出器360は、その検出結果を示す信号を制御装置700に送る。スクリュ330が計量完了位置まで後退し、スクリュ330の前方に所定量の成形材料が蓄積されると、計量工程が完了する。
計量工程におけるスクリュ330の位置および回転速度は、一連の設定条件として、まとめて設定される。例えば、計量開始位置、回転速度切換位置および計量完了位置が設定される。これらの位置は、前側から後方に向けてこの順で並び、回転速度が設定される区間の始点や終点を表す。区間毎に、回転速度が設定される。回転速度切換位置は、1つでもよいし、複数でもよい。回転速度切換位置は、設定されなくてもよい。また、区間毎に背圧が設定される。
充填工程では、射出モータ350を駆動してスクリュ330を設定移動速度で前進させ、スクリュ330の前方に蓄積された液状の成形材料を金型装置800内のキャビティ空間801に充填させる。スクリュ330の位置や移動速度は、例えば射出モータエンコーダ351を用いて検出する。射出モータエンコーダ351は、射出モータ350の回転を検出し、その検出結果を示す信号を制御装置700に送る。スクリュ330の位置が設定位置に達すると、充填工程から保圧工程への切換(所謂、V/P切換)が行われる。V/P切換が行われる位置をV/P切換位置とも呼ぶ。スクリュ330の設定移動速度は、スクリュ330の位置や時間などに応じて変更されてもよい。
充填工程におけるスクリュ330の位置および移動速度は、一連の設定条件として、まとめて設定される。例えば、充填開始位置(「射出開始位置」とも呼ぶ。)、移動速度切換位置およびV/P切換位置が設定される。これらの位置は、後側から前方に向けてこの順で並び、移動速度が設定される区間の始点や終点を表す。区間毎に、移動速度が設定される。移動速度切換位置は、1つでもよいし、複数でもよい。移動速度切換位置は、設定されなくてもよい。
スクリュ330の移動速度が設定される区間毎に、スクリュ330の圧力の上限値が設定される。スクリュ330の圧力は、圧力検出器360によって検出される。圧力検出器360の検出値が設定圧力以下である場合、スクリュ330は設定移動速度で前進される。一方、圧力検出器360の検出値が設定圧力を超える場合、金型保護を目的として、圧力検出器360の検出値が設定圧力以下となるように、スクリュ330は設定移動速度よりも遅い移動速度で前進される。
尚、充填工程においてスクリュ330の位置がV/P切換位置に達した後、V/P切換位置にスクリュ330を一時停止させ、その後にV/P切換が行われてもよい。V/P切換の直前において、スクリュ330の停止の代わりに、スクリュ330の微速前進または微速後退が行われてもよい。また、スクリュ330の位置を検出するスクリュ位置検出器、およびスクリュ330の移動速度を検出するスクリュ移動速度検出器は、射出モータエンコーダ351に限定されず、一般的なものを使用できる。
保圧工程では、射出モータ350を駆動してスクリュ330を前方に押し、スクリュ330の前端部における成形材料の圧力(以下、「保持圧力」とも呼ぶ。)を設定圧に保ち、シリンダ310内に残る成形材料を金型装置800に向けて押す。金型装置800内での冷却収縮による不足分の成形材料を補充できる。保持圧力は、例えば圧力検出器360を用いて検出する。圧力検出器360は、その検出結果を示す信号を制御装置700に送る。保持圧力の設定値は、保圧工程の開始からの経過時間などに応じて変更されてもよい。保圧工程における保持圧力および保持圧力を保持する保持時間は、それぞれ複数設定されてよく、一連の設定条件として、まとめて設定されてよい。
保圧工程では金型装置800内のキャビティ空間801の成形材料が徐々に冷却され、保圧工程完了時にはキャビティ空間801の入口が固化した成形材料で塞がれる。この状態はゲートシールと呼ばれ、キャビティ空間801からの成形材料の逆流が防止される。保圧工程後、冷却工程が開始される。冷却工程では、キャビティ空間801内の成形材料の固化が行われる。成形サイクル時間の短縮を目的として、冷却工程中に計量工程が行われてよい。
尚、本実施形態の射出装置300は、インライン・スクリュ方式であるが、プリプラ方式などでもよい。プリプラ方式の射出装置は、可塑化シリンダ内で溶融された成形材料を射出シリンダに供給し、射出シリンダから金型装置内に成形材料を射出する。可塑化シリンダ内には、スクリュが回転自在に且つ進退不能に配置され、またはスクリュが回転自在に且つ進退自在に配置される。一方、射出シリンダ内には、プランジャが進退自在に配置される。
また、本実施形態の射出装置300は、シリンダ310の軸方向が水平方向である横型であるが、シリンダ310の軸方向が上下方向である竪型であってもよい。竪型の射出装置300と組み合わされる型締装置は、竪型でも横型でもよい。同様に、横型の射出装置300と組み合わされる型締装置は、横型でも竪型でもよい。
(移動装置)
移動装置400の説明では、射出装置300の説明と同様に、充填時のスクリュ330の移動方向(例えばX軸負方向)を前方とし、計量時のスクリュ330の移動方向(例えばX軸正方向)を後方として説明する。
移動装置400は、金型装置800に対し射出装置300を進退させる。また、移動装置400は、金型装置800に対しノズル320を押し付け、ノズルタッチ圧力を生じさせる。移動装置400は、液圧ポンプ410、駆動源としてのモータ420、液圧アクチュエータとしての液圧シリンダ430などを含む。
液圧ポンプ410は、第1ポート411と、第2ポート412とを有する。液圧ポンプ410は、両方向回転可能なポンプであり、モータ420の回転方向を切換えることにより、第1ポート411および第2ポート412のいずれか一方から作動液(例えば油)を吸入し他方から吐出して液圧を発生させる。尚、液圧ポンプ410はタンクから作動液を吸引して第1ポート411および第2ポート412のいずれか一方から作動液を吐出することもできる。
モータ420は、液圧ポンプ410を作動させる。モータ420は、制御装置700からの制御信号に応じた回転方向および回転トルクで液圧ポンプ410を駆動する。モータ420は、電動モータであってよく、電動サーボモータであってよい。
液圧シリンダ430は、シリンダ本体431、ピストン432、およびピストンロッド433を有する。シリンダ本体431は、射出装置300に対して固定される。ピストン432は、シリンダ本体431の内部を、第1室としての前室435と、第2室としての後室436とに区画する。ピストンロッド433は、固定プラテン110に対して固定される。
液圧シリンダ430の前室435は、第1流路401を介して、液圧ポンプ410の第1ポート411と接続される。第1ポート411から吐出された作動液が第1流路401を介して前室435に供給されることで、射出装置300が前方に押される。射出装置300が前進され、ノズル320が固定金型810に押し付けられる。前室435は、液圧ポンプ410から供給される作動液の圧力によってノズル320のノズルタッチ圧力を生じさせる圧力室として機能する。
一方、液圧シリンダ430の後室436は、第2流路402を介して液圧ポンプ410の第2ポート412と接続される。第2ポート412から吐出された作動液が第2流路402を介して液圧シリンダ430の後室436に供給されることで、射出装置300が後方に押される。射出装置300が後退され、ノズル320が固定金型810から離間される。
尚、本実施形態では移動装置400は液圧シリンダ430を含むが、本発明はこれに限定されない。例えば、液圧シリンダ430の代わりに、電動モータと、その電動モータの回転運動を射出装置300の直線運動に変換する運動変換機構とが用いられてもよい。
(制御装置)
制御装置700は、例えばコンピュータで構成され、図1〜図2に示すようにCPU(Central Processing Unit)701と、メモリなどの記憶媒体702と、入力インターフェース703と、出力インターフェース704とを有する。制御装置700は、記憶媒体702に記憶されたプログラムをCPU701に実行させることにより、各種の制御を行う。また、制御装置700は、入力インターフェース703で外部からの信号を受信し、出力インターフェース704で外部に信号を送信する。
制御装置700は、計量工程、型閉工程、昇圧工程、型締工程、充填工程、保圧工程、冷却工程、脱圧工程、型開工程、および突き出し工程などを繰り返し行うことにより、成形品を繰り返し製造する。成形品を得るための一連の動作、例えば計量工程の開始から次の計量工程の開始までの動作を「ショット」または「成形サイクル」とも呼ぶ。また、1回のショットに要する時間を「成形サイクル時間」または「サイクル時間」とも呼ぶ。
一回の成形サイクルは、例えば、計量工程、型閉工程、昇圧工程、型締工程、充填工程、保圧工程、冷却工程、脱圧工程、型開工程、および突き出し工程をこの順で有する。ここでの順番は、各工程の開始の順番である。充填工程、保圧工程、および冷却工程は、型締工程の間に行われる。型締工程の開始は充填工程の開始と一致してもよい。脱圧工程の終了は型開工程の開始と一致する。
尚、成形サイクル時間の短縮を目的として、同時に複数の工程を行ってもよい。例えば、計量工程は、前回の成形サイクルの冷却工程中に行われてもよく、型締工程の間に行われてよい。この場合、型閉工程が成形サイクルの最初に行われることとしてもよい。また、充填工程は、型閉工程中に開始されてもよい。また、突き出し工程は、型開工程中に開始されてもよい。ノズル320の流路を開閉する開閉弁が設けられる場合、型開工程は、計量工程中に開始されてもよい。計量工程中に型開工程が開始されても、開閉弁がノズル320の流路を閉じていれば、ノズル320から成形材料が漏れないからである。
尚、一回の成形サイクルは、計量工程、型閉工程、昇圧工程、型締工程、充填工程、保圧工程、冷却工程、脱圧工程、型開工程、および突き出し工程以外の工程を有してもよい。
例えば、保圧工程の完了後、計量工程の開始前に、スクリュ330を予め設定された計量開始位置まで後退させる計量前サックバック工程が行われてもよい。計量工程の開始前にスクリュ330の前方に蓄積された成形材料の圧力を低減でき、計量工程の開始時のスクリュ330の急激な後退を防止できる。
また、計量工程の完了後、充填工程の開始前に、スクリュ330を予め設定された充填開始位置(「射出開始位置」とも呼ぶ。)まで後退させる計量後サックバック工程が行われてもよい。充填工程の開始前にスクリュ330の前方に蓄積された成形材料の圧力を低減でき、充填工程の開始前のノズル320からの成形材料の漏出を防止できる。
制御装置700は、操作装置750や表示装置760と接続されている。操作装置750は、ユーザによる入力操作を受け付け、入力操作に応じた信号を制御装置700に出力する。表示装置760は、制御装置700による制御下で、操作装置750における入力操作に応じた表示画面を表示する。
表示画面は、射出成形機10の設定などに用いられる。表示画面は、複数用意され、切換えて表示されたり、重ねて表示されたりする。ユーザは、表示装置760で表示される表示画面を見ながら、操作装置750を操作することにより射出成形機10の設定(設定値の入力を含む)などを行う。
操作装置750および表示装置760は、例えばタッチパネルで構成され、一体化されてよい。尚、本実施形態の操作装置750および表示装置760は、一体化されているが、独立に設けられてもよい。また、操作装置750は、複数設けられてもよい。操作装置750および表示装置760は、型締装置100(より詳細には固定プラテン110)のY軸方向負側に配置される。Y軸方向負側を操作側と呼び、Y軸方向正側を反操作側と呼ぶ。
(固定プラテンと固定プラテン用支持部材)
図3は、一実施形態に係る固定プラテンと固定プラテン用支持部材とを型開閉方向から見た図である。固定プラテン110と固定プラテン用支持部材510とは、固定プラテン110の幅方向中心線L1を対称中心として、線対称に形成される。そこで、図3では、固定プラテン110の幅方向中心線L1から図3中右側の部分(操作側の部分)を図示し、図3中左側の部分(反操作側の部分)の図示を省略する。
ここで、固定プラテン110の幅方向(Y軸方向)の中心位置を通り鉛直方向(Z軸方向)に延びる仮想線を、固定プラテン110の幅方向中心線L1と呼ぶ。また、固定プラテン110の鉛直方向の中心位置を通り幅方向に延びる仮想線を、固定プラテン110の鉛直方向中心線L2と呼ぶ。型開閉方向は、X軸方向である。型開閉方向を前後方向とも呼ぶ。X軸方向正側が前方で、X軸方向負側が後方である。X軸方向と、Y軸方向と、Z軸方向とは、互いに垂直な方向である。
固定プラテン110は、固定金型810(図1等参照)が取り付けられる固定プラテン本体部111と、固定プラテン本体部111の横側面112の鉛直方向中央部に形成される耳部116とを有する。
固定プラテン本体部111は、型開閉方向視において矩形状の外形を有する。固定プラテン本体部111の後端面の四隅には、固定プラテン本体部111を前後方向に貫通するタイバー取付穴113が形成される。タイバー取付穴113には、タイバー140の前端部が挿通される。固定プラテン本体部111の後端面の中央部には、固定プラテン本体部111を前後方向に貫通するノズル挿入穴114が形成される。ノズル挿入穴114には射出装置300のノズル320が挿入され、ノズル320が固定金型810にタッチされる。
耳部116は、固定プラテン本体部111の横側面112の鉛直方向中央部に形成される。耳部116の下端面は、例えば水平面であり、固定プラテン用支持部材510の水平面に載置される。耳部116の下端面は、例えば固定プラテン110の鉛直方向中心線L2と同じ高さに配置される。
固定プラテン用支持部材510は、型開閉方向視で、固定プラテン110の横側面112の鉛直方向中央部を支持する。固定プラテン用支持部材510は固定プラテン110を型締装置フレーム910から浮かして支持するので、固定プラテン110の下端面は固定プラテン110からの熱の流出口にはならない。固定プラテン110の横側面112の鉛直方向中央部が固定プラテン110における熱の流出口になるので、固定プラテン110の温度分布が上下対称になり、固定プラテン110の傾きを抑制することができる。
固定プラテン用支持部材510は、例えば、鉛直方向に延びる支柱部511、および支柱部511の上端部と固定プラテン110の横側面112の鉛直方向中央部とを接続する中間部512とを有する。中間部512は、支柱部511の上端部よりも下方に、支柱部511に対し熱膨張によって下方に変位する変位部を有する。変位部は、例えば後述の鉛直部514である。
支柱部511は、固定プラテン110を型締装置フレーム910から浮かして支持する目的で、固定プラテン110の下端面よりも下方に、下端面を有する。支柱部511の下端面は、型締装置フレーム910に対しボルトなどで固定される。
支柱部511は、鉛直部514の鉛直方向寸法を長くする目的で、固定プラテン110の鉛直方向中心線L2よりも上方に、上端面を有する。支柱部511の上端面は、耳部116の下端面よりも上方に配置される。
尚、支柱部511の上端面は、耳部116の下端面よりも下方に配置されてもよい。この場合も、中間部512が支柱部511の上端面から耳部116の下端面に至る途中で鉛直部514を有することは、可能である。
中間部512は、支柱部511の上端面から、耳部116の下端面に至る。中間部512は、支柱部511の上端面において、支柱部511と一体化される。また、中間部512は、耳部116の下端面において、耳部116と一体化される。
例えば、中間部512は、支柱部511の上端部から固定プラテン110の横側面112に向けて水平に延びる第1水平部513と、第1水平部513の先端部から下方に延びる鉛直部514とを有する。また、中間部512は、鉛直部514の下端部から固定プラテン110の横側面112に向けて水平に延びる第2水平部515を有する。
第1水平部513は、支柱部511の上端面に載置され、支柱部511とボルト518によって締結される。例えば、第1水平部513には第1水平部513を鉛直方向に貫通するストレート穴が形成され、このストレート穴にボルト518が挿通される。一方、支柱部511の上端面にはボルト穴が形成され、このボルト穴にボルト518がねじ込まれる。
鉛直部514は、支柱部511と固定プラテン110の耳部116との間に配置される。鉛直部514は、耳部116との間に隙間を形成してよい。鉛直部514は、耳部116によって横から拘束されないので、温度上昇によって鉛直方向に真っ直ぐ伸びることができる。鉛直部514の伸びが耳部116によって妨げられないので、鉛直部514の伸び代が大きい。
尚、鉛直部514は、耳部116と滑り接触してもよい。この場合も、鉛直部514は、耳部116によって横から拘束されないので、温度上昇によって鉛直方向に真っ直ぐ伸びることができる。但し、鉛直部514が耳部116によって横から拘束されたとしても、鉛直部514が温度上昇によって鉛直方向に伸びること自体は可能である。
鉛直部514と支柱部511とは、接触してよい。鉛直部514は支柱部511と滑り接触するスライド面516を有し、支柱部511は鉛直部514と滑り接触するスライド面517を有する。鉛直部514のスライド面516と、支柱部511のスライド面517とは、例えば固定プラテン110の幅方向に対し垂直な平坦面である。これらのスライド面516、517は、相対的に鉛直方向に変位することができる限り、曲面であってもよい。
尚、鉛直部514と支柱部511とは接触しなくてもよく、鉛直部514と支柱部511との間には隙間が形成されてもよい。隙間が形成される場合も、鉛直部514と支柱部511とは、相対的に鉛直方向に変位することができる。また、隙間が形成される場合、摩擦抵抗がないので、変位が生じやすい。
第2水平部515は、固定プラテン110の耳部116が載置されるものであり、耳部116とボルト519によって締結される。第2水平部515には第2水平部515を鉛直方向に貫通するストレート穴が形成され、このストレート穴にボルト519が挿通される。一方、耳部116の下端面にはボルト穴が形成され、このボルト穴にボルト519がねじ込まれる。
尚、ストレート穴とボルト穴との配置は逆でもよい。具体的には、固定プラテン110の耳部116には耳部116を鉛直方向に貫通するストレート穴が形成され、このストレート穴にボルト519が挿通されてもよい。また、第2水平部515の上端面にはボルト穴が形成され、このボルト穴にボルト519がねじ込まれてもよい。
尚、固定プラテン110と、固定プラテン用支持部材510とは、本実施形態では別々に鋳造されボルト519によって締結されるが、一体に鋳造されてもよい。また、固定プラテン用支持部材510の支柱部511と、固定プラテン用支持部材510の中間部512とは、本実施形態では別々に鋳造されボルト518によって締結されるが、一体に鋳造されてもよい。
ところで、固定金型810の熱は、固定プラテン110、固定プラテン用支持部材510の中間部512、固定プラテン用支持部材510の支柱部511を介して、型締装置フレーム910に伝達される。固定金型810が熱源である。
支柱部511は、固定金型810からの熱によって加熱されるので、温度上昇によって鉛直方向に伸びる。このとき、支柱部511の下端面は変位せずに、支柱部511の上端面が上方に変位する。支柱部511の下端面が変位しないのは、支柱部511の下端面は型締装置フレーム910に対しボルトなどで固定されるからである。
中間部512の鉛直部514も、支柱部511と同様に、固定金型810からの熱によって加熱されるので、温度上昇によって鉛直方向に伸びる。鉛直部514は支柱部511よりも熱源に近いので、鉛直部514の温度は支柱部511の温度よりも高くなる。それゆえ、鉛直部514の単位長さ当たりの伸び量は、支柱部511の単位長さ当たりの伸び量よりも大きくなる。従って、鉛直部514のスライド面516の鉛直方向寸法は、支柱部511のスライド面517の鉛直方向寸法よりも大きくなる。
このとき、鉛直部514のスライド面516の上端縁516aは、支柱部511のスライド面517の上端縁517aに対し、鉛直方向に変位しない。第1水平部513の下端面と支柱部511の上端面とが密着され、一体化しているからである。一方、鉛直部514のスライド面516の下端縁516bは、支柱部511のスライド面517の下端縁517bに対し、鉛直方向下方に変位する。
支柱部511の温度上昇による伸びと、鉛直部514の温度上昇による伸びとを相殺でき、固定プラテン110の鉛直方向中心位置の変位を制限できる。その結果、ガイドピンとガイドブッシュとの位置ズレ、および型締力のバランスの変化を制限できる。尚、ガイドピンとガイドブッシュは、固定金型810と可動金型820との位置合わせに用いられるものである。例えば、固定金型810にガイドピンが形成され、可動金型820にガイドブッシュが形成される。または、固定金型810にガイドブッシュが形成され、可動金型820にガイドピンが形成される。いずれにしろ、型閉完了時にガイドピンはガイドブッシュの内部に配置され、型開完了時にガイドピンはガイドブッシュの外部に配置される。
以上説明したように、固定金型810の熱は、中間部512を通り、支柱部511に伝達される。中間部512は、支柱部511よりも熱源に近い。それゆえ、中間部512の温度は、支柱部511の温度よりも高い。従って、中間部512の変位は、支柱部511の変位よりも大きい。よって、支柱部511の温度上昇による伸びの一部を、中間部512の温度上昇による伸びと相殺できる。よって、支柱部511の変位による固定プラテン110の鉛直方向中心位置の変位を制限できる。
本実施形態によれば、固定プラテン110の鉛直方向中心位置の変位を制限する目的で、固定プラテン用支持部材510の一部の温度上昇による伸びと、固定プラテン用支持部材510の他の一部の温度上昇による伸びとを相殺する。よって、インバーなどの高価な特殊合金を使用しないので、固定プラテン用支持部材510の材料コストを低減できる。また、固定プラテン用支持部材510の温度を調節する温調器が不要であるので、型締装置100の構造が単純になる。さらに、温調の制御が不要であるので、制御装置700の処理負荷が小さい。
尚、本発明の技術を、(1)インバーなどの高価な特殊合金を使用する技術、および(2)温調器を使用する技術の少なくとも1つの技術と組合わせて使用することは、当然に可能である。固定プラテン110の鉛直方向中心位置の変位をさらに制限する場合に、有効である。
中間部512は、支柱部511よりも線膨張係数の大きい材料で形成されてもよい。中間部512の鉛直部514と支柱部511との変位を同じ程度得る場合、鉛直方向寸法の短い鉛直部514を利用でき、ひいては鉛直方向寸法の短い支柱部511を利用できる。よって、固定プラテン用支持部材510の材料コストを低減できる。一方、鉛直部514の鉛直方向寸法を変更することなく、鉛直部514の材料として線膨張係数の大きい材料を選べば、変位の程度を大きくでき、固定プラテン110の鉛直方向位置の変位をより制限できる。中間部512の材料と、支柱部511の材料とは、例えば一般的な鉄鋼材料の中で選択される。
図4は、図3に示す固定プラテンおよび固定プラテン用支持部材の温度分布と、固定プラテン用支持部材の形状との関係の解析例を示す図である。固定プラテンの解析モデルとしては、解析を容易にすべく、タイバー取付穴113およびノズル挿入穴114の無いモデルを用いた。図4において、固定プラテン用支持部材510の温度分布に起因する変形を誇張して示す。
支柱部511における中間部512からの熱の流入口は、2箇所であって、中間部512の第1水平部513に接する上端面と、中間部512の鉛直部514に接するスライド面517とである。中間部512の熱は、支柱部511の上端面と、支柱部511のスライド面517との2箇所から、支柱部511に流入する。それゆえ、支柱部511の上端部における等温線TLが傾く。尚、等温線TLは仮想線である。
支柱部511の上端部における等温線TLは、図4に示すように、支柱部511のスライド面517から幅方向(Y軸方向)に離れるほど、鉛直方向上方(Z軸方向正側)に変位するように傾く。スライド面517から幅方向に離れるほど、スライド面517からの入熱量が減るからである。
支柱部511の上端部における等温線TLが傾くので、支柱部511の上端部の温度分布に従って支柱部511の上端部が曲げ変形され、支柱部511の上端面が傾く。支柱部511の上端面は、固定プラテン110の横側面112に近づくほど上方に傾く。この傾きによって固定プラテン110の耳部116が僅かに持ち上げられ、固定プラテン110の鉛直方向中心位置が上方に変位してしまう。
そこで、下記第1変形例に係る固定プラテン用支持部材510は、固定プラテン110の鉛直方向中心位置の上方への変位をより制限すべく、支柱部511の上端部における等温線TLの傾きを水平に近づける温度分布調節部540を有する(図5参照)。
図5は、第1変形例に係る固定プラテンと固定プラテン用支持部材とを型開閉方向から見た図である。図6は、図5に示す固定プラテンおよび固定プラテン用支持部材の温度分布と、固定プラテン用支持部材の形状との関係の解析例を示す図である。
本変形例の温度分布調節部540は、中間部512の鉛直部514と支柱部511との間に、鉛直部514から支柱部511への熱伝達を制限する断熱層541を含む。鉛直部514と支柱部511との間には、断熱層541を配置する目的で、隙間が形成される。断熱層541は、鉛直部514から支柱部511への熱伝達を制限すべく、鉛直部514よりも熱伝導率の低い材料で形成される。断熱層541としては、例えば空気層が用いられる。
尚、断熱層541として、本実施形態では空気層が用いられるが、固体層が用いられてもよい。固体層としては、例えば樹脂プレートなどが用いられる。樹脂プレートは、鉛直部514に固定され支柱部511と滑り接触してもよいし、支柱部511に固定され鉛直部514と滑り接触してもよい。
断熱層541が配置されることにより、支柱部511における中間部512からの熱の流入口が主に1箇所に絞られる。中間部512の熱は、主に支柱部511の上端面の1箇所から支柱部511に流入する。それゆえ、断熱層541がない場合に比べて、支柱部511の上端部における等温線TLが水平に近づく。その結果、支柱部511の上端面を水平面に近づけることができ、固定プラテン110の鉛直方向中心位置の上方への変位を制限できる。
図7は、第2変形例に係る固定プラテンと固定プラテン用支持部材とを型開閉方向から見た図である。図8は、図7に示す固定プラテンおよび固定プラテン用支持部材の温度分布と、固定プラテン用支持部材の形状との関係の解析例を示す図である。
本変形例の温度分布調節部540は、固定プラテン110からの熱を中間部512を介して支柱部511に伝達することにより、支柱部511の上方から支柱部511に流入する単位時間当たりの熱量(単位:W/s)を増加させる熱伝達部542を含む。熱伝達部542は、例えば、固定プラテン110からの熱を中間部512の第1水平部513を介して支柱部511に伝達することにより、第1水平部513から支柱部511に流入する単位時間当たりの熱量を増加させる。
熱伝達部542は、例えば、第1水平部513と鉛直部514との角部から、固定プラテン110の横側面112に向けて水平に延びており、固定プラテン110の耳部116の上方において固定プラテン110の横側面112と接触する。熱伝達部542は、固定プラテン110の横側面112に滑り接触してよい。熱伝達部542が固定プラテン110によって横から拘束されないので、熱伝達部542と固定プラテン110とが相対的に鉛直方向に変位することができる。尚、熱伝達部542は、本実施形態では固定プラテン110に滑り接触するが、固定プラテン110に固定されてもよい。
熱伝達部542は、本実施形態では中間部512と一体に鋳造されるが、中間部512とは別に鋳造され中間部512とボルトなどで連結されてもよい。また、熱伝達部542は、本実施形態では第1水平部513と鉛直部514との角部から、固定プラテン110の横側面112に向けて水平に延びるが、本発明はこれに限定されない。熱伝達部542は、第1水平部513から鉛直方向上方に延び、途中から固定プラテン110の横側面112に向けて水平に延びてもよい。
中間部512の熱は、支柱部511の上端面と、支柱部511のスライド面517との2箇所から、支柱部511に流入する。熱伝達部542が配置されることにより、支柱部511の上方から支柱部511に流入する単位時間当たりの熱量が増える。熱伝達部542がない場合に比べて、支柱部511の上端面から支柱部511に流入する熱の割合が増えるので、支柱部511の上端部における等温線TLが水平に近づく。その結果、支柱部511の上端面を水平面に近づけることができ、固定プラテン110の鉛直方向中心位置の上方への変位を制限できる。
尚、温度分布調節部540は、上記第1変形例では断熱層541を含み、上記第2変形例では熱伝達部542を含むが、本発明はこれに限定されない。図9に示すように、温度分布調節部540は、中間部512の鉛直部514と支柱部511との接触面積を低減する凹凸部543を含んでもよい。
凹凸部543は、凹部544と凸部545とで構成される。複数の凹部544の間に凸部545が形成されてもよいし、複数の凸部545の間に凹部544が形成されてもよい。凸部545は、マトリックス状に配置されてもよいし、ストライプ状に配置されてもよい。
凹部544は、例えば鉛直部514のスライド面516に形成され、支柱部511のスライド面517と接触しない。一方、凸部545は、例えば、鉛直部514のスライド面516に形成され、支柱部511のスライド面517と接触する。その接触は、点接触、線接触、面接触のいずれでもよい。
尚、本変形例の凹凸部543は鉛直部514のスライド面516に形成されるが、本発明はこれに限定されない。凹凸部543は、支柱部511のスライド面517に形成されてもよいし、両方のスライド面516、517に形成されてもよい。
凹凸部543は、中間部512の鉛直部514と支柱部511との接触面積を低減することにより、鉛直部514から支柱部511への熱伝達を制限する。その結果、中間部512の熱は、主に支柱部511の上端面の1箇所から支柱部511に流入する。それゆえ、凹凸部543がない場合に比べて、支柱部511の上端部における等温線TLが水平に近づく。その結果、支柱部511の上端面を水平面に近づけることができ、固定プラテン110の鉛直方向中心位置の上方への変位を制限できる。
尚、上記第1変形例では断熱層541が単独で用いられ、上記第2変形例では熱伝達部542が単独で用いられ、上記第3変形例では凹凸部543が単独で用いられるが、本発明はこれに限定されない。断熱層541、熱伝達部542および凹凸部543のうちの複数の技術が任意の組合わせで用いられてもよい。
(可動プラテンと可動プラテン用支持部材)
上記実施形態では固定プラテンと固定プラテン用支持部材とについて説明したが、可動プラテンと可動プラテン用支持部材も同様に構成されてよい。可動プラテン用支持部材の一部の温度上昇による伸びと、可動プラテン用支持部材の他の一部の温度上昇による伸びとを相殺でき、可動プラテン120の鉛直方向中心位置の変位を制限できる。その結果、ガイドピンとガイドブッシュとの位置ズレ、および型締力のバランスの変化を制限できる。以下、相違点について主に説明する。
図10は、一実施形態に係る可動プラテンと可動プラテン用支持部材とを型開閉方向から見た図である。可動プラテン120と可動プラテン用支持部材520とは、可動プラテン120の幅方向中心線L3を対称中心として、線対称に形成される。そこで、図10では、可動プラテン120の幅方向中心線L3から図10中右側の部分(操作側の部分)を図示し、図10中左側の部分(反操作側の部分)の図示を省略する。
ここで、可動プラテン120の幅方向(Y軸方向)の中心位置を通り鉛直方向(Z軸方向)に延びる仮想線を、可動プラテン120の幅方向中心線L3と呼ぶ。また、可動プラテン120の鉛直方向の中心位置を通り幅方向に延びる仮想線を、可動プラテン120の鉛直方向中心線L4と呼ぶ。型開閉方向は、X軸方向である。型開閉方向を前後方向とも呼ぶ。X軸方向正側が前方で、X軸方向負側が後方である。X軸方向と、Y軸方向と、Z軸方向とは、互いに垂直な方向である。
可動プラテン120は、可動金型820(図1等参照)が取り付けられる可動プラテン本体部121と、可動プラテン本体部121の横側面122の鉛直方向中央部に形成される耳部126とを有する。
可動プラテン本体部121は、型開閉方向視において矩形状の外形を有する。可動プラテン本体部121の後端面の四隅には、可動プラテン本体部121を前後方向に貫通するタイバー挿通穴123が形成される。タイバー挿通穴123には、タイバー140が挿通される。タイバー挿通穴123の代わりに切欠きが形成されてもよい。可動プラテン本体部121の後端面の幅方向中央部には、上下一対のリンク取付部124が設けられる。上下一対のリンク取付部124のそれぞれには、ピン125を介して第1リンク152(図1等参照)が揺動自在に取り付けられる。
耳部126は、可動プラテン本体部121の横側面122の鉛直方向中央部に形成される。耳部126の下端面は、例えば水平面であり、可動プラテン用支持部材520の水平面に載置される。耳部126の下端面は、例えば可動プラテン120の鉛直方向中心線L4と同じ高さに配置される。
可動プラテン用支持部材520は、型開閉方向視で、可動プラテン120の横側面122の鉛直方向中央部を支持する。可動プラテン用支持部材520は可動プラテン120を型締装置フレーム910から浮かして支持するので、可動プラテン120の下端面は可動プラテン120からの熱の流出口にはならない。可動プラテン120の横側面122の鉛直方向中央部が可動プラテン120における熱の流出口になるので、可動プラテン120の温度分布が上下対称になり、可動プラテン120の傾きを抑制することができる。
可動プラテン用支持部材520は、例えば、鉛直方向に延びる支柱部521、および支柱部521の上端部と可動プラテン120の横側面122の鉛直方向中央部とを接続する中間部522とを有する。中間部522は、支柱部521の上端部よりも下方に、支柱部521に対し熱膨張によって下方に変位する変位部を有する。変位部は、例えば後述の鉛直部524である。
支柱部521は、可動プラテン120を型締装置フレーム910から浮かして支持する目的で、可動プラテン120の下端面よりも下方に、下端面を有する。支柱部521の下端面は、スライダ102に対しボルトなどで固定される。スライダ102は型開閉方向に延びるガイド101に沿って移動するものであり、ガイド101は型締装置フレーム910上に敷設される。
中間部522は、支柱部521の上端部から可動プラテン120の横側面122に向けて水平に延びる第1水平部523と、第1水平部523の先端部から下方に延びる鉛直部524とを有する。また、中間部522は、鉛直部524の下端部から可動プラテン120の横側面122に向けて水平に延びる第2水平部525を有する。
鉛直部524は、支柱部521と可動プラテン120の耳部126との間に配置される。鉛直部524は、耳部126との間に隙間を形成してよい。鉛直部524は、耳部126によって横から拘束されないので、温度上昇によって鉛直方向に真っ直ぐ伸びることができる。鉛直部524の伸びが耳部126によって妨げられないので、鉛直部524の伸び代が大きい。
尚、鉛直部524は、耳部126と滑り接触してもよい。この場合も、鉛直部524は、耳部126によって横から拘束されないので、温度上昇によって鉛直方向に真っ直ぐ伸びることができる。但し、鉛直部524が耳部126によって横から拘束されたとしても、鉛直部524が温度上昇によって鉛直方向に伸びること自体は可能である。
鉛直部524と支柱部521とは、接触してよい。鉛直部524は支柱部521と滑り接触するスライド面526を有し、支柱部521は鉛直部524と滑り接触するスライド面527を有する。
尚、鉛直部524と支柱部521とは接触しなくてもよく、鉛直部524と支柱部521との間には隙間が形成されてもよい。隙間が形成される場合も、鉛直部524と支柱部521とは、相対的に鉛直方向に変位することができる。また、隙間が形成される場合、摩擦抵抗がないので、変位が生じやすい。
尚、可動プラテン120と、可動プラテン用支持部材520とは、本実施形態では別々に鋳造されボルト529によって締結されるが、一体に鋳造されてもよい。また、可動プラテン用支持部材520の支柱部521と、可動プラテン用支持部材520の中間部522とは、本実施形態では別々に鋳造されボルト528によって締結されるが、一体に鋳造されてもよい。
ところで、可動金型820の熱は、可動プラテン120、可動プラテン用支持部材520の中間部522、可動プラテン用支持部材520の支柱部521を介して、型締装置フレーム910に伝達される。可動金型820が熱源である。
支柱部521は、可動金型820からの熱によって加熱されるので、温度上昇によって鉛直方向に伸びる。このとき、支柱部521の下端面は変位せずに、支柱部521の上端面が上方に変位する。支柱部521の下端面が変位しないのは、支柱部521の下端面はスライダ102に対しボルトなどで固定されるからである。
中間部522の鉛直部524も、支柱部521と同様に、可動金型820からの熱によって加熱されるので、温度上昇によって鉛直方向に伸びる。鉛直部524は支柱部521よりも熱源に近いので、鉛直部524の温度は支柱部521の温度よりも高くなる。それゆえ、鉛直部524の単位長さ当たりの伸び量は、支柱部521の単位長さ当たりの伸び量よりも大きくなる。従って、鉛直部524のスライド面526の鉛直方向寸法は、支柱部521のスライド面527の鉛直方向寸法よりも大きくなる。
このとき、鉛直部524のスライド面526の上端縁526aは、支柱部521のスライド面527の上端縁527aに対し、鉛直方向に変位しない。第1水平部523の下端面と支柱部521の上端面とが密着され、一体化しているからである。一方、鉛直部524のスライド面526の下端縁526bは、支柱部521のスライド面527の下端縁527bに対し、鉛直方向下方に変位する。
支柱部521の温度上昇による伸びと、鉛直部524の温度上昇による伸びとを相殺でき、可動プラテン120の鉛直方向中心位置の変位を制限できる。その結果、ガイドピンとガイドブッシュとの位置ズレ、および型締力のバランスの変化を制限できる。
以上説明したように、可動金型820の熱は、中間部522を通り、支柱部521に伝達される。中間部522は、支柱部521よりも熱源に近い。それゆえ、中間部522の温度は、支柱部521の温度よりも高い。従って、中間部522の変位は、支柱部521の変位よりも大きい。よって、支柱部521の温度上昇による伸びの一部を、中間部522の温度上昇による伸びと相殺できる。よって、支柱部521の変位による可動プラテン120の鉛直方向中心位置の変位を制限できる。
本実施形態によれば、可動プラテン120の鉛直方向中心位置の変位を制限する目的で、可動プラテン用支持部材520の一部の温度上昇による伸びと、可動プラテン用支持部材520の他の一部の温度上昇による伸びとを相殺する。よって、インバーなどの高価な特殊合金を使用しないので、可動プラテン用支持部材520の材料コストを低減できる。また、可動プラテン用支持部材520の温度を調節する温調器が不要であるので、型締装置100の構造が単純になる。さらに、温調の制御が不要であるので、制御装置700の処理負荷が小さい。
尚、本発明の技術を、(1)インバーなどの高価な特殊合金を使用する技術、および(2)温調器を使用する技術の少なくとも1つの技術と組合わせて使用することは、当然に可能である。可動プラテン120の鉛直方向中心位置の変位をさらに制限する場合に、有効である。
中間部522は、支柱部521よりも線膨張係数の大きい材料で形成されてもよい。中間部522の鉛直部524と支柱部521との変位を同じ程度得る場合、鉛直方向寸法の短い鉛直部524を利用でき、ひいては鉛直方向寸法の短い支柱部521を利用できる。よって、可動プラテン用支持部材520の材料コストを低減できる。一方、鉛直部524の鉛直方向寸法を変更することなく、鉛直部524の材料として線膨張係数の大きい材料を選べば、変位の程度を大きくでき、可動プラテン120の鉛直方向位置の変位をより制限できる。中間部522の材料と、支柱部521の材料とは、例えば一般的な鉄鋼材料の中で選択される。
尚、可動プラテン用支持部材520は、固定プラテン用支持部材510と同様に、温度分布調節部540を有してもよい。
(リヤプラテンとリヤプラテン用支持部材)
上記実施形態では固定プラテンと固定プラテン用支持部材とについて説明したが、リヤプラテンとリヤプラテン用支持部材も同様に構成されてよい。リヤプラテン用支持部材の一部の温度上昇による伸びと、リヤプラテン用支持部材の他の一部の温度上昇による伸びとを相殺でき、リヤプラテンの鉛直方向中心位置の変位を制限できる。その結果、型締力のバランスの変化を制限できる。
リヤプラテンは、可動プラテン120を基準として固定プラテン110とは反対側に配置され、固定プラテン110とタイバー140を介して連結される。リヤプラテンには、固定プラテン110に対し可動プラテン120を進退させる駆動装置が取り付けられる。駆動装置は、トグル機構150および型締モータ160を含む。駆動装置がトグル式である場合、リヤプラテンはトグルサポート130である。
以下、相違点について主に説明する。尚、可動プラテン120を進退させる駆動装置は、トグル式には限定されず、油圧式、電動式、電磁石式などであってもよい。それゆえ、リヤプラテンは、トグルサポート130には限定されない。駆動装置の型式に関係なく、型締力のバランスの変化を制限できる。
図11は、一実施形態に係るトグルサポートとトグルサポート用支持部材とを型開閉方向から見た図である。トグルサポート130とトグルサポート用支持部材530とは、トグルサポート130の幅方向中心線L5を対称中心として、線対称に形成される。そこで、図11では、トグルサポート130の幅方向中心線L5から図11中右側の部分(反操作側の部分)を図示し、図11中左側の部分(操作側の部分)の図示を省略する。
ここで、トグルサポート130の幅方向(Y軸方向)の中心位置を通り鉛直方向(Z軸方向)に延びる仮想線を、トグルサポート130の幅方向中心線L5と呼ぶ。また、トグルサポート130の鉛直方向の中心位置を通り幅方向に延びる仮想線を、トグルサポート130の鉛直方向中心線L6と呼ぶ。型開閉方向は、X軸方向である。型開閉方向を前後方向とも呼ぶ。X軸方向正側が前方で、X軸方向負側が後方である。X軸方向と、Y軸方向と、Z軸方向とは、互いに垂直な方向である。
トグルサポート130は、トグル機構150および型締モータ160が取り付けられるトグルサポート本体部131と、トグルサポート本体部131の横側面132の鉛直方向中央部に形成される耳部136とを有する。
トグルサポート本体部131は、型開閉方向視において矩形状の外形を有する。トグルサポート本体部131の前端面の四隅には、トグルサポート本体部131を前後方向に貫通するタイバー取付穴133が形成される。タイバー取付穴133には、タイバー140の後端部が挿通される。トグルサポート本体部131の前端面の幅方向中央部には、上下一対のリンク取付部134が設けられる。上下一対のリンク取付部134のそれぞれには、ピン135を介して第2リンク153(図1等参照)が揺動自在に取り付けられる。
耳部136は、トグルサポート本体部131の横側面132の鉛直方向中央部に形成される。耳部136の下端面は、例えば水平面であり、トグルサポート用支持部材530の水平面に載置される。耳部136の下端面は、例えばトグルサポート130の鉛直方向中心線L6と同じ高さに配置される。
トグルサポート用支持部材530は、型開閉方向視で、トグルサポート130の横側面132の鉛直方向中央部を支持する。トグルサポート用支持部材530はトグルサポート130を型締装置フレーム910から浮かして支持するので、トグルサポート130の下端面はトグルサポート130からの熱の流出口にはならない。トグルサポート130の横側面132の鉛直方向中央部がトグルサポート130における熱の流出口になるので、トグルサポート130の温度分布が上下対称になり、トグルサポート130の傾きを抑制することができる。
トグルサポート用支持部材530は、例えば、鉛直方向に延びる支柱部531、および支柱部531の上端部とトグルサポート130の横側面132の鉛直方向中央部とを接続する中間部532とを有する。中間部532は、支柱部531の上端部よりも下方に、支柱部531に対し熱膨張によって下方に変位する変位部を有する。変位部は、例えば後述の鉛直部534である。
支柱部531は、トグルサポート130を型締装置フレーム910から浮かして支持する目的で、トグルサポート130の下端面よりも下方に、下端面を有する。支柱部531の下端面は、型締装置フレーム910上に型開閉方向に移動自在に載置される。尚、支柱部531の下端面は、型締装置フレーム910上に敷設されるガイドに沿って移動するスライダに対しボルトなどで固定されてもよい。
中間部532は、支柱部531の上端部からトグルサポート130の横側面132に向けて水平に延びる第1水平部533と、第1水平部533の先端部から下方に延びる鉛直部534とを有する。また、中間部532は、鉛直部534の下端部からトグルサポート130の横側面132に向けて水平に延びる第2水平部535を有する。
鉛直部534は、支柱部531とトグルサポート130の耳部136との間に配置される。鉛直部534は、耳部136との間に隙間を形成してよい。鉛直部534は、耳部136によって横から拘束されないので、温度上昇によって鉛直方向に真っ直ぐ伸びることができる。鉛直部534の伸びが耳部136によって妨げられないので、鉛直部534の伸び代が大きい。
尚、鉛直部534は、耳部136と滑り接触してもよい。この場合も、鉛直部534は、耳部136によって横から拘束されないので、温度上昇によって鉛直方向に真っ直ぐ伸びることができる。但し、鉛直部534が耳部136によって横から拘束されたとしても、鉛直部534が温度上昇によって鉛直方向に伸びること自体は可能である。
鉛直部534と支柱部531とは、接触してよい。鉛直部534は支柱部531と滑り接触するスライド面536を有し、支柱部531は鉛直部534と滑り接触するスライド面537を有する。
尚、鉛直部534と支柱部531とは接触しなくてもよく、鉛直部534と支柱部531との間には隙間が形成されてもよい。隙間が形成される場合も、鉛直部534と支柱部531とは、相対的に鉛直方向に変位することができる。また、隙間が形成される場合、摩擦抵抗がないので、変位が生じやすい。
尚、トグルサポート130と、トグルサポート用支持部材530とは、本実施形態では別々に鋳造されボルト539によって締結されるが、一体に鋳造されてもよい。また、トグルサポート用支持部材530の支柱部531と、トグルサポート用支持部材530の中間部532とは、本実施形態では別々に鋳造されボルト538によって締結されるが、一体に鋳造されてもよい。
ところで、型締モータ160の熱は、トグルサポート130、トグルサポート用支持部材530の中間部532、トグルサポート用支持部材530の支柱部531を介して、型締装置フレーム910に伝達される。型締モータ160が熱源である。
支柱部531は、型締モータ160からの熱によって加熱されるので、温度上昇によって鉛直方向に伸びる。このとき、支柱部531の下端面は変位せずに、支柱部531の上端面が上方に変位する。支柱部531の下端面が変位しないのは、支柱部531の下端面は型締装置フレーム910上に載置されるからである。
中間部532の鉛直部534も、支柱部531と同様に、型締モータ160からの熱によって加熱されるので、温度上昇によって鉛直方向に伸びる。鉛直部534は支柱部531よりも熱源に近いので、鉛直部534の温度は支柱部531の温度よりも高くなる。それゆえ、鉛直部534の単位長さ当たりの伸び量は、支柱部531の単位長さ当たりの伸び量よりも大きくなる。従って、鉛直部534のスライド面536の鉛直方向寸法は、支柱部531のスライド面537の鉛直方向寸法よりも大きくなる。
このとき、鉛直部534のスライド面536の上端縁536aは、支柱部531のスライド面537の上端縁537aに対し、鉛直方向に変位しない。第1水平部533の下端面と支柱部531の上端面とが密着され、一体化しているからである。一方、鉛直部534のスライド面536の下端縁536bは、支柱部531のスライド面537の下端縁537bに対し、鉛直方向下方に変位する。
支柱部531の温度上昇による伸びと、鉛直部534の温度上昇による伸びとを相殺でき、トグルサポート130の鉛直方向中心位置の変位を制限できる。その結果、型締力のバランスの変化を制限できる。
以上説明したように、型締モータ160の熱は、中間部532を通り、支柱部531に伝達される。中間部532は、支柱部531よりも熱源に近い。それゆえ、中間部532の温度は、支柱部531の温度よりも高い。従って、中間部532の変位は、支柱部531の変位よりも大きい。よって、支柱部531の温度上昇による伸びの一部を、中間部532の温度上昇による伸びと相殺できる。よって、支柱部531の変位によるトグルサポート130の鉛直方向中心位置の変位を制限できる。
本実施形態によれば、トグルサポート130の鉛直方向中心位置の変位を制限する目的で、トグルサポート用支持部材530の一部の温度上昇による伸びと、トグルサポート用支持部材530の他の一部の温度上昇による伸びとを相殺する。よって、インバーなどの高価な特殊合金を使用しないので、トグルサポート用支持部材530の材料コストを低減できる。また、トグルサポート用支持部材530の温度を調節する温調器が不要であるので、型締装置100の構造が単純になる。さらに、温調の制御が不要であるので、制御装置700の処理負荷が小さい。
尚、本発明の技術を、(1)インバーなどの高価な特殊合金を使用する技術、および(2)温調器を使用する技術の少なくとも1つの技術と組合わせて使用することは、当然に可能である。トグルサポート130の鉛直方向中心位置の変位をさらに制限する場合に、有効である。
中間部532は、支柱部531よりも線膨張係数の大きい材料で形成されてもよい。中間部532の鉛直部534と支柱部531との変位を同じ程度得る場合、鉛直方向寸法の短い鉛直部534を利用でき、ひいては鉛直方向寸法の短い支柱部531を利用できる。よって、トグルサポート用支持部材530の材料コストを低減できる。一方、鉛直部534の鉛直方向寸法を変更することなく、鉛直部534の材料として線膨張係数の大きい材料を選べば、変位の程度を大きくでき、トグルサポート130の鉛直方向位置の変位をより制限できる。中間部532の材料と、支柱部531の材料とは、例えば一般的な鉄鋼材料の中で選択される。
尚、トグルサポート用支持部材530は、固定プラテン用支持部材510と同様に、温度分布調節部540を有してもよい。
(変形例等)
以上、射出成形機の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態などに限定されない。特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更、修正、置換、付加、削除、および組合わせが可能である。それらについても当然に本発明の技術的範囲に属する。
10 射出成形機
100 型締装置
110 固定プラテン
120 可動プラテン
130 トグルサポート(リヤプラテン)
510 固定プラテン用支持部材
511 支柱部
512 中間部
513 第1水平部
514 鉛直部(変位部)
515 第2水平部
520 可動プラテン用支持部材
521 支柱部
522 中間部
523 第1水平部
524 鉛直部(変位部)
525 第2水平部
530 トグルサポート用支持部材
531 支柱部
532 中間部
533 第1水平部
534 鉛直部(変位部)
535 第2水平部
540 温度分布調節部
541 断熱層
542 熱伝達部
543 凹凸部

Claims (7)

  1. 固定金型が取り付けられる固定プラテンと、
    可動金型が取り付けられる可動プラテンと、
    前記可動プラテンを基準として前記固定プラテンとは反対側に配置され、前記固定プラテンとタイバーを介して連結されるリヤプラテンと、
    型開閉方向視で、前記固定プラテン、前記可動プラテンおよび前記リヤプラテンから選ばれる少なくとも1つのプラテンの横側面の鉛直方向中央部を支持する支持部材とを備え、
    前記支持部材は、鉛直方向に延びる支柱部、および前記支柱部の上端部と前記プラテンの前記横側面の鉛直方向中央部とを接続する中間部を有し、
    前記中間部は、前記支柱部の上端部よりも下方に、前記支柱部に対し熱膨張によって下方に変位する変位部を有する、射出成形機。
  2. 前記支持部材は、前記支柱部の上端部における等温線の傾きを水平に近づける温度分布調節部を有する、請求項1に記載の射出成形機。
  3. 前記温度分布調節部は、前記中間部の前記変位部と前記支柱部との隙間に、前記変位部から前記支柱部への熱伝達を制限する断熱層を含む、請求項2に記載の射出成形機。
  4. 前記温度分布調節部は、前記中間部の前記変位部と前記支柱部との接触面積を低減する凹凸部を含む、請求項2または3に記載の射出成形機。
  5. 前記温度分布調節部は、前記プラテンからの熱を前記中間部を介して前記支柱部に伝達することにより、前記支柱部の上方から前記支柱部に流入する単位時間当たりの熱量を増加させる熱伝達部を含む、請求項2〜4のいずれか1項に記載の射出成形機。
  6. 前記中間部は、前記支柱部の上端部から前記プラテンの前記横側面に向けて水平に延びる第1水平部と、前記第1水平部の先端部から下方に延びる鉛直部と、前記鉛直部の下端部から前記プラテンの前記横側面に向けて水平に延びる第2水平部とを有し、
    前記鉛直部が、前記変位部である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の射出成形機。
  7. 前記中間部は、前記支柱部よりも、線膨張係数の大きい材料で形成される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の射出成形機。
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