JP2020048666A - 封入式回胴遊技機 - Google Patents
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Abstract
Description
現状の回胴遊技機は、所定個数(通常、50枚)の遊技メダル(コイン)を投入し、これをクレジットとして記憶させ遊技を行うことが可能である。
一方、封入式の回胴遊技機では、遊技を行うためのコインを使用することなく、記憶されたコイン数が零にならない限り遊技を行うことができる。封入式の回胴遊技機は、言わばフルクレジットであり、コインを全く使用しない。記憶された持コイン数がクレジットと言うことができる。
この封入式の回胴遊技機は、コインを投入するときに使用されるセレクターやコインを払い出すためのホッパー等を必要とせず、部品点数を少なくし機械的構成を簡素化することが可能となる。
なお、持コイン数とは、遊技の用に供することができる規則上の遊技メダルの数をデータとして表したものである。
上記した従来(特許文献1)の封入式の弾球遊技機にあっても、同様に、主制御装置と枠制御装置とは双方向通信可能に接続された構成である。
ところが、こうした構成では、枠制御装置がICカードを挿入するカードユニット(以下、CRユニットという)とデータや信号を送受信可能であることから、カードユニットと枠制御装置を介して主制御装置に外部からアクセスされる虞が考えられる。
もし仮に、主制御装置に外部から不正にアクセスされてしまうと、該主制御装置が不正に操作されて、不正に利益を得る不正行為の問題が懸念される。
この課題は、封入式回胴遊技機にも当てはまる。
カードユニットから入力される遊技価値を持コイン数として記憶する枠制御基板と、遊技の進行を制御する主制御基板と、を備え、前記枠制御基板と前記主制御基板とを双方向通信可能に接続し、前記主制御基板に始動レバー(スイッチ)、回胴停止ボタン(スイッチ)及びベットスイッチとを接続し、前記枠制御基板に精算スイッチ(計数スイッチ)を接続した封入式回胴遊技機であって、
前記主制御基板には、
前記ベットスイッチが操作されるとベット数を示す信号を前記枠制御基板に送信するベット数送信手段と、
前記ベットスイッチが操作されると前記始動レバーの操作を有効とし、前記始動レバーの操作に起因して抽選を行う抽選手段と、
該抽選手段による抽選結果を前記枠制御基板に送信する抽選結果送信手段と、
前記枠制御基板には、
前記主制御基板から受信する前記ベットスイッチの操作に応じたベット数を前記持コイン数から減算し、前記主制御基板から受信する前記抽選結果に入賞が有るとき入賞に応じたコイン数を前記持コイン数に加算する持コイン数加減算手段と、
前記精算スイッチが操作されると、前記持コイン数を前記カードユニットに移動させると共に、前記主制御基板に遊技終了を示す信号を送信する遊技終了手段と、
を備えたことを特徴とする。
この結果、主制御基板と枠制御基板とが双方向通信可能に接続されていても、主制御基板が枠制御基板から受信する信号(データ)又はタイミング(受信期間)を限定することができ、主制御基板に対する不正行為を未然に防止する効果を発揮する。
また、請求項1に記載の封入式回胴遊技機は、持コイン数の管理を枠制御基板が一括管理することができるという優れた効果を有する。
尚、ベット数とは、規定数のことをいう。現状の規則では、「遊技メダル(コイン)にあっては3枚を超えるものではないこと」と規定されている。
現状では、始動レバーが操作されたタイミングに基づき抽選した結果が当選すれば内部当選とし、内部当選した状態で回胴停止ボタンの操作により予め定められた図柄を停止させることができれば入賞が成立する。内部当選した状態で回胴停止ボタンの操作により予め定められた図柄を停止させることができなければ、内部当選した状態が維持され、再び始動レバーが操作されることにより、回胴停止ボタンの操作を行うことが可能となる。
一般的に、内部当選していない状態では、回胴停止ボタンの操作により予め定められた図柄が揃うことはない。
例えば、始動レバーの操作により当否が決定され、この決定された当否結果に従って停止図柄も決定され、遊技者の停止ボタンの操作に関係なく決定された停止図柄で停止表示される構成でも良い。
また、始動レバーを操作することにより回胴停止ボタンの操作が有効となり、回胴停止ボタンを操作するタイミングに基づき抽選を行っても良い。この場合は、始動レバーは、回胴停止ボタンの操作を有効とするだけの機能となる。
要は、始動レバーの操作が、抽選の切っ掛けであれば良い。
図柄の組み合わせ結果は、加算されるべきコイン数(零も含む)又は入賞の種類(入賞無しも含む)を示すものなど、その態様は問わない。内部抽選の結果は、図柄の組み合わせ結果を送信する毎に送信しても良く、内部抽選の結果に変化があったときに送信しても良い。
前記主制御基板は、前記ベット数送信手段により前記ベット数を示す信号を送信した後から前記始動レバーが操作されるまでの間は、前記枠制御基板が前記ベット数を受信したことを示す信号のみを受信可能とした、
ことを特徴とする。
通常、応答信号は直ちに送信される。即ち、枠制御基板はベット数を受信すると、受信したことを知らせる応答信号(以下、「ベット数受信応答信号」とも言う。)を直ちに主制御基板に送信する。従って、請求項2に記載の封入式回胴遊技機はベット数受信応答信号を受信した後から始動レバーが操作されるまでの間は、枠制御基板からの受信を主制御基板は行わない。
この結果、ベット数受信応答信号を受信した後から始動レバーが操作されるまでの間に、カードユニット及び枠制御基板を介して外部から不正行為を行われることはない。
請求項2に記載の発明は、ベットスイッチが操作されてから始動レバーが操作されるまでの間、主制御基板は受信を禁止することになり、この間は主制御基板に対する不正行為を未然に防止する効果が期待される。
請求項2に記載の発明は、ベット数受信応答信号を受信後から始動レバーが操作されるまでの間は、主制御基板は枠制御基板から受信しない封入式回胴遊技機、と言い換えても良い。
持コイン数が受信したベット数未満の場合には、始動レバーの操作は有効とされない。
ここで、「ベット数送信手段によりベット数を示す信号を送信した後から始動レバーが操作されるまでの間」とは、少なくとも該期間であれば良く、延長することも可能である。このことは、他の請求項や実施例においても同様である。
従って、請求項3に記載の封入式回胴遊技機は抽選結果受信応答信号を受信した後からベットスイッチが再び操作されるまでの間、又は遊技終了を示す信号を受信するまでの間は、枠制御基板からの受信を主制御基板は行わない。
この結果、抽選結果受信応答信号を受信した後から、ベットスイッチが再び操作されるまでの間、又は遊技終了を示す信号を受信するまでの間は、カードユニット及び枠制御基板を介して外部から不正行為を行われることはない。
請求項3に記載の発明は、回胴停止ボタンが操作されてからベットスイッチが再度操作されるまでの間、又は遊技を終了させるまでの間、主制御基板は受信を禁止することになり、この間は主制御基板に対する不正行為を未然に防止する効果が期待される。
請求項3に記載の発明は、抽選結果受信応答信号を受信後からベットスイッチが再度操作されるまでの間、又は遊技を終了させるまでの間、主制御基板は枠制御基板から受信しない封入式回胴遊技機、と言い換えても良い。
ベット数受信応答信号は、主制御基板がベット数を送信すれば直ちに受信するのが通常なので、その後、主制御基板は受信を拒否することができる。
なお、請求項2に記載の封入式回胴遊技機は、枠制御基板がベット数を受信した後に直ちにベット数受信応答信号を送信できない場合に効果を発揮する。例えば、枠制御基板がビジー状態にあれば、直ちにベット数受信応答信号を送信できない。この場合、ベット数受信応答信号のみを主制御基板は受信可能とするので、主制御基板に対する不正行為は未然に防止される。
そこで、請求項5に記載の封入式回胴遊技機は、枠制御基板がベット数を示す信号を受信した後から抽選結果を示す信号を受信するまでの間は、精算スイッチの操作を有効としないのである。
従って、請求項5に記載の封入式回胴遊技機は、「請求項1乃至請求4項に記載の封入式回胴遊技機において、前記枠制御基板は、前記ベット数受信応答信号を送信した後から前記抽選結果を示す信号を受信するまでの間は、前記精算スイッチの操作を有効としない封入式回胴遊技機」と言い換えても良い。
ベット数受信応答信号は、枠制御基板が受信するベット数が持コイン数を超える場合には、出力されないからである。この場合には、その旨を知らせる処理が行われる。
本願発明は、精算スイッチ(計数スイッチ)を枠制御基板に接続するが、主制御基板に接続しても良い。
この場合には、精算スイッチが操作されると遊技終了となり、遊技終了を知らせる信号(遊技終了コマンド)が枠制御基板に送信される。遊技終了コマンドを受信した枠制御基板は、記憶する持コイン数をカードユニットに移動させる処理を行う。
下記に関連発明1〜5を示す。
下記関連発明に記載の用語は、本願発明に記載の用語が準用される。
カードユニットから入力される遊技価値を持コイン数として記憶する枠制御基板と、遊技の進行を制御する主制御基板と、を備え、前記枠制御基板と前記主制御基板とを双方向通信可能に接続し、前記主制御基板に始動レバー(スイッチ)、回胴停止ボタン(スイッチ)、ベットスイッチ及びと精算スイッチ(計数スイッチ)とを接続した封入式回胴遊技機であって、
前記主制御基板には、
前記ベットスイッチが操作されるとベット数を示す信号を前記枠制御基板に送信するベット数送信手段と、
前記ベットスイッチが操作されると前記始動レバーの操作を有効とし、前記始動レバーの操作に起因して抽選を行う抽選手段と、
該抽選手段による抽選結果を前記枠制御基板に送信する抽選結果送信手段と、
前記精算スイッチが操作されると、遊技終了を知らせる信号を前記枠制御基板に送信する遊技終了送信手段と、
前記枠制御基板には、
前記主制御基板から受信する前記ベットスイッチの操作に応じたベット数を前記持コイン数から減算し、前記主制御基板から受信する前記抽選結果に入賞が有るときの入賞に応じたコイン数を前記持コイン数に加算する持コイン数加減算手段と、
前記遊技終了を知らせる信号を受信すると、前記持コイン数を前記カードユニットに移動させる精算手段と、
を備えたことを特徴とする封入式回胴遊技機。
なお、本願発明においても、精算スイッチがオンすれば全ての持コイン数をカードユニットに移動させ、遊技終了信号を主制御基板に送信する構成を採用しても良い。
関連発明1に記載の封入式回胴遊技機において、
前記主制御基板は、前記ベット数送信手段により前記ベット数を示す信号を送信した後から前記始動レバーが操作されるまでの間は、前記制御基板が前記ベット数を受信したことを示す信号のみを受信可能とした、
ことを特徴とする封入式回胴遊技機。
関連発明2では、枠制御基板がベット数を受信したことを示す信号を主制御基板が1回受信すれば、その後は始動レバーが操作されるまでの間は主制御基板は受信しない。この受信しない期間は、始動レバーが操作された後の一定期間延長されても良い。
関連発明1又は関連発明2に記載の封入式回胴遊技機において、
前記主制御基板は、前記抽選結果送信手段により前記抽選結果を送信した後から前記ベットスイッチが再び操作されるまでの間、又は前記遊技終了を示す信号を送信するまでの間は、前記枠制御基板が前記抽選結果を受信したことを示す信号のみを受信可能とした、
ことを特徴とする封入式回胴遊技機。
関連発明1乃至関連発明3に記載の封入式回胴遊技機において、
前記主制御基板は、前記枠制御基板が前記ベット数を受信したことを示す信号を受信した後から前記始動レバーを操作したことに起因する遊技の結果が得られるまでの間は、前記枠制御基板からの送信を受け付けない、
ことを特徴とする封入式回胴遊技機。
関連発明1乃至関連発明4に記載の封入式回胴遊技機において、
前記主制御基板は、前記ベットスイッチが操作された後から前記始動レバーを操作したことに起因する遊技の結果が得られるまでの間は、前記精算スイッチの操作を有効としない、
ことを特徴とする封入式回胴遊技機。
〔全体の構成〕
図1に示すように、本実施形態の回胴遊技機1の前面には表示窓2(3×3の停止図柄の有効領域を表示可能とする)を備えた表示パネル3が設けられている。この回胴遊技機1は、実際のコイン(遊技メダル)を使用せず、データとしての持コイン数で遊技を行う封入式として構成されている。
なお、ベット機能は、いずれかの機構1個の構成でも良い。
回胴遊技機1の電気的接続は、図2に示す通りに構成されており、主制御装置40はCPU、ROM、RAM40a、入力ポート、出力ポート等を備えている。本実施例では、RAM40aのみ図示する。
なお、主制御装置40は、メイン制御基板とサブ制御基板とによって構成しても勿論よい。
本実施例では、少なくとも主制御装置40は枠制御装置50から、遊技の結果に影響を及ぼす虞のある情報又は遊技の性能に影響を与える情報(以下、これらの情報を「特定情報」という。)を受信できないよう構成されている。すなわち、主制御装置40から送信された情報を枠制御装置50が受信可能であるが、枠制御装置50から主制御装置40へは特定情報を送信不能に構成されている。これは、枠制御装置50が特定情報を送信できない構成、あるいは主制御装置40が特定情報を受信拒否する構成により具現化できる。例えば、プログラムにより特定情報であるか否かを判断し、特定情報であれば送信しない又は受信を拒否する等により具現化可能である。なお、少なくとも特定情報を受信不能とするので、特定情報以外の情報は受信可能でも良いし不可能でも良い。
なお、特定情報以外の情報も主制御装置40が受信できない構成の場合には、枠制御装置50から主制御装置40への信号出力は不能となる完全な一方向通信回路とすることが好適である。
本実施例では、枠制御装置50のRAM50aは不揮発性であり、停電時でも記憶保持される。RAM50aは、持コイン数を記憶するコイン数記憶領域と、持コイン数以外のデータを記憶する他記憶領域とを有する。他記憶領域は、主制御装置40から受信したデータ、検出したエラー情報等が記憶される。
一方、主制御装置40のRAM40aは揮発性であるが、バックアップ電源により停電時でも記憶保持される。このバックアップ電源は、主制御装置40以外から供給される。
なお、枠制御装置50のRAM50aのみを不揮発性としたが、主制御装置40のRAM40aも不揮発性としても良い。勿論、RAM40a及びRAM50aも揮発性としても良い。
また、枠制御装置50には持コイン数表示装置51が接続され、CRユニット56には、返却スイッチ69、貸出スイッチ68及び前述したユニット表示装置57が接続されている。
持コイン数表示装置51は、CRユニット56に接続しても良い。この場合、ユニット表示装置57の画面上に持コイン数を表示する構成が考えられる。本実施例では、返却スイッチ69及び貸出スイッチ68は、ユニット表示装置57のタッチパネルを用いる。尚、返却スイッチ69及び貸出スイッチ68を枠制御装置50に接続することも考えられる。
また、本実施例では、枠制御装置50が記憶しているコイン数データをICカードに移行させる計数スイッチ76が枠制御装置に接続されている。計数スイッチ76は、計数スイッチ76の操作時間又は操作量に応じて枠制御装置50が記憶しているコイン数データ(持コイン数)をICカードに移行させ、枠制御装置50が記憶するコイン数は移行させたコイン数だけ減算される。従って、コイン数データを全て移行させれば、RAM50aのコイン数記憶領域が記憶するコイン数は零になる。
なお、計数スイッチ76が操作されたとき、CRユニット56にICカードが挿入されていなければ、計数スイッチ76の操作は有効とならない。このとき、ICカードが挿入されていないことを示す警告音が出力される。
更に、枠制御装置50には、性能等表示装置78が接続されている。性能等表示装置78は、主制御装置40から受信するデータに基づき「役物比率」、「連続役物比率」又は「ベース」を表示するものである。役物比率とは、獲得するコイン数に対し役物の作動によるものの割合である。連続役物比率とは、獲得するコイン数に対し役物が連続して作動したものの割合である。ベースとは、遊技に使用したコイン数に対し役物の作動時以外に獲得したコイン数の割合である。この性能等表示装置78は、主制御装置40に接続しても良い。
設定変更スイッチ81は、設定キーが挿入される挿入口として構成されており、設定変更スイッチ81に挿入された設定キーを回転操作することで、操作状態がON状態又はOFF状態に切り替えられる。そして、設定変更スイッチ81及びクリアスイッチ82の操作状態を示す信号が、主制御装置40に送信される。また、設定値表示装置80は、例えば、8セグのLED等を備え、主制御装置40からの信号に応じて、パチンコ機1の設定値を表示するよう構成されている。
ここで、主制御装置40は、役抽選部を備え、役抽選部は、あらかじめ複数定められた役について当選か否かを決定する役抽選を行う。さらに具体的には、乱数発生部と、乱数抽出部と、抽選テーブルと、役抽選判定部等を備えている。
本実施例では、図2に示す電源基板85の電源スイッチ85aをオン操作するときに、クリアスイッチ82及び設定変更スイッチ81がオン状態であれば、前述の始動レバー8を操作したときに抽出される乱数値による当り(ボーナス)の当否(当選)確率を設定変更可能な構成となっている。この状態時には、設定値表示装置80には設定変更可能であることを示す初期設定画像が表示され、クリアスイッチ82を押下毎に設定値を変更することが可能である。初期設定画像が表示されたときには、主制御基板40のRAM40aに記憶されたデータが初期状態に設定される。このとき、枠制御装置50にRAMクリア信号が出力される。RAMクリア信号を受信すると、枠制御装置50は、RAM50aの他記憶領域に記憶されたデータを初期設定する。
具体的に説明すると、初期設定画面には当否確率が最も低い設定1(1/300)が表示され、その後、クリアスイッチ82を押下する毎に、設定2(1/290)、設定3(1/280)、設定4(1/270)、設定5(1/260)、設定6(1/250)が表示される。設定1〜6は低確率時の当否確率を示すが、高確率時の当選確率も設定1〜6に従って設定変更される。但し、高確率時の当選確率は、例えば1/50のように一定でも良い。尚、各設定の当否確率は一例であり、ARTの抽選確率も設定1〜6に従って設定変更する構成でも良い。
設定変更スイッチ81をオフの位置に切り替えると、RAM40aに記憶されたデータが初期設定された旨が表示され、表示されていた当否確率が新たな設定値に変更され、変更された設定及び/又は当否確率も表示される。
本実施例では、クリアスイッチ82をRAM40a及びRAM50aの他記憶領域の初期設定に使用する他、設定1〜6の設定(選択)にも使用するよう構成するが、設定1〜6の設定用に専用スイッチを設ける構成でも良い。
電源スイッチ85aをオンしたとき、設定変更スイッチ81がオフ状態でありクリアスイッチ82がオン状態であれば、主制御装置40のRAM40a及び枠制御装置50のRAM50aの他記憶領域に記憶されたデータが初期設定される。
電源スイッチ85aをオンしたとき、設定変更スイッチ81がオン状態でありクリアスイッチ82がオフ状態であれば、現在設定されている設定及び/又は当否確率を確認することができる。
次に図4及び図5に従ってレートの設定について説明する。
図4に示す「レート変更処理」はCRユニット56により定期的に実行され、「レート許可処理」は回胴遊技機1の枠制御装置50により定期的に実行される。
本実施例では、遊技者の操作に応じて、回胴遊技機1に併設されたCRユニット56でのコイン貸しのレートが設定される。
パチンコ機1及びCRユニット56への電源投入後には、表示装置57には図5(a)に示す画像が表示されている。
画面には、貸出スイッチ68に対応する画像68a、返却スイッチ69に対応する画像69a、レート設定スイッチ75に対応する画像75aが表示されている。前述したように、本実施例では表示装置57はタッチパネルとして構成され、各画像68a、69a、75aの表示領域を指でタッチすると各スイッチがオンするよう構成されている。尚、一例として、画面には、現在のレートが20円であり、貸出数表示57aには1回のコイン貸しにおける貸出数が示されている。
一方、枠制御装置50は、レートの変更が可能か否かの問合せ信号を受信すると、レート変更が可能か否かを判定する(S92)。
本実施例では、持コイン数が零である、当選遊技中でない、内部当選していない、高確率遊技中でない、ART遊技中でない、リプレイ遊技中でない、全てのリール4L、4C及び4Rが変動中でない(停止している)、又は始動レバー8が操作された直後でない、等が判断される。これは、レート変更前の遊技が終了していることを判断することを意味している。
持コイン数は遊技者が遊技をしていなければ、原則、零である。持コイン数が零でない遊技中にレートを変更したい場合には、計数スイッチ76を押下して持コイン数をCRユニット56に移動させれば良い。この処理を行ったときには、レート変更前のレートで移動した持コイン数が処理される。
この判断処理は、遊技を行うことができる持コイン数が存在する場合にレート変更を可能とすれば、貸出されたときの単価と相違することになるからである。また、レート変更前の遊技により得た当選や高確率状態等の遊技結果(成果)の価値を変化させないためである。例えば、低いレートで遊技を行い当選後にレートを高くすれば、当選により得られる金銭的価値が高く変化するからである。
レート変更が可能な状態と判断されれば(S92のYES)、枠制御装置50はCRユニット56にレート許可信号を出力する(S95)。
レート許可信号を受信したCRユニット56は、表示装置57の画面上に遊技球のレートを表示し、遊技者が選択したレートに設定処理を行う(S96)。
本実施形態では、図5(b)に示すように、コイン1枚の単価は、5円(画像75a−1)、10円(画像75a−2)、15円(画像75a−3)、20円(画像75a−4)から選択することが可能である。画像75a−1の表示領域をタッチすればコイン1枚の単価は5円、画像75a−2の表示領域をタッチすればコイン1枚の単価は10円、画像75a−3の表示領域をタッチすればコイン1枚の単価は15円、画像75a−4の表示領域をタッチすればコイン1枚の単価は20円、に設定変更することができる。このレートは一例であり、2円や30円のレートがあっても良い。
画像68aを一回タッチしときに貸し出される持コイン数を一定としない構成も可能である。例えば、画像68aを1回タッチすれば1500円に対応する持コイン数を貸し出す構成でも良い。この場合、レートが5円であれば画像68aが1回タッチすれば300枚の持コイン数、10円であれば150枚の持コイン数、15円であれば100枚の持コイン数、20円であれば75枚の持コイン数が貸し出される。
レートに応じた態様で行う各種演出は、ユニット表示装置57で行っても良い。この場合、持コインクリアスイッチ77を主制御装置40に接続すれば、主制御装置40から枠制御装置51にのみデータ(信号)を出力できる一方向通信が可能となる。
次に回胴遊技機1の動作を、主制御装置40が実行する処理に従って説明する。
なお、実施例におけるフローチャートは、処理の流れを示しており、CPUにより実行される処理は各ステップに必ずしも留まるものではない。例えば、処理中にフラグが立てられれば、フローチャートに示す最初の処理から実行されることなく、フラグに対応する処理の途中から実行されることもある。
そしてS102では、当該ゲームの進行に必要なコイン数がベットされたか否かを判定する(ベット数検出)。検出されればS103へ移行し、検出されなければ遊技進行処理を終了する。
このとき、主制御装置40は、検出されたベット数を枠制御装置50に出力する。枠制御装置50は、ベット数を示すデータを受信した旨を知らせる信号(ベット数受信応答信号)を主制御装置40に出力する。なお、枠制御基板50に記憶する持コイン数がベット数に満たないときには、その旨を知らせる信号が主制御装置40に出力される。このとき、警告音又はメッセージが出力される。警告音又はメッセージは、枠制御装置50又は主制御装置40が出力する。
S105では、左リール4L、中リール4C、及び右リール4Rを全て回動開始させる処理を実行する。回動しているリール4が全て定常回転したらS106へ移行する。
S106では、回転しているリール4に対応する停止ボタン9が操作されたか否かを判定し、全てのリール4が停止するまで待機する(S107)。なお、全てのリール4が停止したときの図柄の表示態様は、「停止ボタンの操作に伴う図柄の停止態様に対応する信号」として枠制御装置50に送信される。
内部当選状態では、遊技者が停止ボタン9を操作するタイミングに従って図柄が停止させられる。停止した図柄が予め定められた組合せであれば入賞が成立する。一方、予め定められた組み合わせでなければ入賞が成立せず、内部当選状態は維持され再びベットボタン7、始動レバー8、停止ボタン9の操作が遊技者により繰り返される遊技(ゲーム)が行われる。なお、入賞が成立するゲーム(遊技)は所定回数繰り返されて、内部当選状態は消滅する。所定回数は、当選役によって相違する。
遊技者が所定時間内に停止ボタン9を操作しなければ、各リール4は自動停止するが、入賞不成立の図柄の組合せとなる。
〔持コイン数加算処理〕
枠制御装置50は、まず、当選役に入賞して持コインを加算する信号を主制御装置40から受信したか否かを判定する(S201)。受信したらS202へ移行し、受信していなければ加算処理を終了する。
S202では、枠制御装置50において、「始動レバー8の操作に伴う役抽選の結果に対応する信号」が適切に受信されているか否かを判定する。受信されていればS203へ移行し、受信されていなければ加算処理を終了する。なお、「始動レバー8の操作に伴う役抽選の結果に対応する信号」が適切に受信されているか否かは、枠制御装置50において単に受信されているか否かのみではなく、S104における「始動レバー8の操作に伴う役抽選の結果に対応する信号」と、S107における「停止ボタン9の操作に伴う図柄の停止態様に対応する信号」とが適切に対応しているか否かも含めて判定される。
このように、枠制御装置50における持コイン数の加算処理に、主制御装置40からの各種信号を予め受信しているか否かを判定する処理を含めることで、枠制御装置50にのみ不正行為を行って持コイン数を不正に増加させるような行為を防止することができる。
〔持コイン数減算処理〕
ベットボタン7が操作されると、図8に示すように、主制御装置40はベット処理においていわゆる1枚ベットとして操作されたか(S301)、2枚ベットとして操作されたか(S302)、3枚ベットとして操作されたか(S303)を判定する。
この判定処理によるベット数は枠制御基板50に送信される。枠制御装置50は、持コイン数から受信したベット数を減算する(ステップS304〜S306)。
枠制御基板50は、ベット数を受信したことを知らせる応答信号を主制御基板40に送信する。応答信号を受信した主制御基板40は、ベット数指示ランプ72を点灯させる処理を行う(ステップS307〜S309)。
なお、枠制御装置50は、受信したベット数が記憶する持コイン数を超えていれば、減算処理することなく、その旨を知らせる信号を主制御装置40に送信する。主制御装置40は、持コイン数以下のベット数で遊技するよう警告音と共にメッセージを表示する処理、又は貸出スイッチ68を操作して持コイン数を増加させるよう警告音と共にメッセージを表示する処理を行う。この処理は、枠制御装置50で行っても良い。
〔通信処理〕
〔通信制限処理1〕
前述したように、主制御装置40はベットボタン7の操作を検出すると、検出したベット数を枠制御基板50に送信する。枠制御基板50はベット数を受信すると応答信号(ベット数受信応答信号)を主制御基板に送信する。この応答信号を受信すると、主制御基板40は始動レバー8の操作を有効とする。
主制御装置40は、ベット数を送信した後から始動レバー8が操作されるまでの間は(図9のステップ400〜S410、以下、「制限期間1」とも言う。)、枠制御基板50からのベット数受信応答信号のみを受信可能とし、これ以外の信号(データ)を受信拒否する(S420)。
制限期間1内では、ベット数受信応答信号を1回受信すれば、その後、一切の信号を受信しない。
前述したように、始動レバー8が操作され、停止ボタン9L、9C、9Rが操作されると遊技の結果が得られ、主制御装置40は遊技の結果を枠制御基板50に送信する。
ここで、主制御装置40は、遊技結果を送信した後から、ベットスイッチ7が再操作されるまで、又は枠制御装置50から遊技終了信号を受信するまでの間は(図10のステップS450〜S460、以下、「制限期間2」とも言う。)、遊技結果受信の応答信号のみを受信可能とする(ステップS470)。
制限期間2内では、遊技結果受信応答信号を1回受信すれば、その後、一切の信号を受信しない。
主制御装置40は、枠制御装置50からベット数受信応答信号を受信した後から、遊技の結果が得られるまでの間は(図11のステップS500〜S510、以下、「制限期間3」とも言う。)、枠制御基板50からの受信処理を行わない(ステップS520)。
枠制御装置50は、主制御装置40からベット数を受信した後から、主制御装置40から遊技の結果を受信するまでの間は(図12のステップS550〜S560、以下、「制限期間4」とも言う。)、計数スイッチ76の操作を有効としない(ステップS570)。
なお、ステップS550におけるベット数の受信処理は、有効なベット数を受信した場合であり、ベット数が持コイン数を超えている場合は含まれない。
この効果を発揮しながら、通信制限処理1〜3により、主制御装置40は枠制御装置50から受信できるデータ(信号)を制限することが可能となり、制限期間1〜3内においては、遊技の結果に影響を与える特定情報の受信を禁止することが可能となる。
この結果、主制御装置40と枠制御装置50との間が双方向通信であっても、主制御装置40に対する不正行為を行い難くする効果を有する。
これにより、遊技中に遊技終了信号を主制御装置40が受信する不合理を発生させない効果、遊技中に持コイン数をCRユニット56に移動させる弊害を未然に防止する効果を有する。
なお、前述した遊技機監視用の固有IDの照合処理は、回胴遊技機1に電源が投入された直後に実行することが考えられるが、遊技中に実行しても良い。しかし、通信制限処理1〜3内では固有IDの照合処理を禁止できるので、遊技中における主制御装置40の処理の負担を軽減化できる効果を有する。
この構成の場合、通信制限処理3では、ベット数受信応答信号を受信した後から「始動レバー8の操作に伴う役抽選の結果に対応する信号」を送信するまでの間、「始動レバー8の操作に伴う役抽選の結果に対応する信号」に対する応答信号を受信した後から遊技の結果を送信するまでの間は、主制御装置40は枠制御装置50からの受信を行わない構成とすることが考えられる。
なお、図4に示す「レート変更処理」を実行しない構成も当然に可能である。
次に第2実施例について説明する。
第2実施例は、第1実施例の図2に示す電気回路として図13の電気回路を用い、図10に示す処理として図14に示す処理及び図12に示す処理として図15に示す処理を実行するものであり、その他の構成及び処理は、第1実施例と同様である。
図13に示されるように、第2実施例では、計数スイッチ76は主制御装置40に接続される。従って、計数スイッチ76の操作は、主制御装置40により検出される。
遊技終了を示す信号を受信した枠制御装置50は、記憶する持コイン数をCRユニット56に移動させる処理を行う。
但し、第2実施例では、主制御装置40の処理の負担を軽減化するために、計数スイッチ76がオンすれば遊技終了とする。
第2実施例では、計数スイッチ76の操作を主制御装置40が検出されることから、図12に示す「通信制限処理2」の代わりに図14に示す「通信制限処理5」が実行される。
即ち、始動レバー8が操作され、停止ボタン9L、9C、9Rが操作されると遊技の結果が得られ、主制御装置40は遊技の結果を枠制御基板50に送信する。
ここで、主制御装置40は、遊技結果を送信した後から、ベットスイッチ7が再操作されるまで、又は枠制御装置50に遊技終了信号を送信するまでの間は(ステップS600〜S610、以下、「制限期間5」とも言う。)、遊技結果受信の応答信号のみを受信可能とする(ステップS620)。
制限期間5内では、遊技結果受信応答信号を1回受信すれば、その後、一切の信号を受信しない。
〔計数スイッチ76不能処理2〕
主制御装置40は、ベット数を枠制御装置50に送信した後から、遊技の結果が得られるまでの間は(ステップS650〜S660、以下、「制限期間6」とも言う。)、計数スイッチ76の操作を有効としない(ステップS670)。
なお、ステップS650におけるベット数の送信処理は、有効なベット数を送信した場合であり、ベット数が持コイン数を超えている場合は含まれない。
また、主制御装置40に計数スイッチ76が接続されていても、枠制御装置50が持コイン数を管理することができる。
なお、第2実施例においても、第1実施例の図9に示す「通信制限処理1」及び図11に示す「通信制限処理3」が実行される。
主制御装置40が主制御基板、CRユニット56がカードユニット、枠制御装置50が枠制御基板、始動レバー8が始動レバー(スイッチ)、停止ボタン9L〜9Rが回胴停止ボタン(スイッチ)、ベットボタン7がベットスイッチ、計数スイッチ76が精算スイッチの一例に該当する。
7 ベットボタン
8 始動レバー
9L、9C、9R 停止ボタン
40 主制御装置
50 枠制御装置
56 CRユニット(カードユニット)
69 返却スイッチ(持ち遊技媒体数返却スイッチ)
75 レート設定スイッチ
76 計数スイッチ(精算スイッチ)
77 持コインクリアスイッチ
81 設定変更スイッチ
82 クリアスイッチ
Claims (5)
- カードユニットから入力される遊技価値を持コイン数として記憶する枠制御基板と、遊技の進行を制御する主制御基板と、を備え、前記枠制御基板と前記主制御基板とを双方向通信可能に接続し、前記主制御基板に始動レバー(スイッチ)、回胴停止ボタン(スイッチ)及びベットスイッチとを接続し、前記枠制御基板に精算スイッチ(計数スイッチ)を接続した封入式回胴遊技機であって、
前記主制御基板には、
前記ベットスイッチが操作されるとベット数を示す信号を前記枠制御基板に送信するベット数送信手段と、
前記ベットスイッチが操作されると前記始動レバーの操作を有効とし、前記始動レバーの操作に起因して抽選を行う抽選手段と、
該抽選手段による抽選結果を前記枠制御基板に送信する抽選結果送信手段と、
前記枠制御基板には、
前記主制御基板から受信する前記ベットスイッチの操作に応じたベット数を前記持コイン数から減算し、前記主制御基板から受信する前記抽選結果に入賞が有るときの入賞に応じたコイン数を前記持コイン数に加算する持コイン数加減算手段と、
前記精算スイッチが操作されると、前記持コイン数を前記カードユニットに移動させると共に、前記主制御基板に遊技終了を示す信号を送信する遊技終了手段と、
を備えたことを特徴とする封入式回胴遊技機。 - 請求項1に記載の封入式回胴遊技機において、
前記主制御基板は、前記ベット数送信手段により前記ベット数を示す信号を送信した後から前記始動レバーが操作されるまでの間は、前記枠制御基板が前記ベット数を受信したことを示す信号のみを受信可能とした、
ことを特徴とする封入式回胴遊技機。 - 請求項1又は請求項2に記載の封入式回胴遊技機において、
前記主制御基板は、前記抽選結果送信手段により前記抽選結果を送信した後から前記ベットスイッチが再び操作されるまでの間、又は前記遊技終了を示す信号を受信するまでの間は、前記枠制御基板が前記抽選結果を受信したことを示す信号のみを受信可能とした、
ことを特徴とする封入式回胴遊技機。 - 請求項1乃至請求項3に記載の封入式回胴遊技機において、
前記主制御基板は、前記枠制御基板が前記ベット数を受信したことを示す信号を受信した後から前記始動レバーを操作したことに起因する遊技の結果が得られるまでの間は、前記枠制御基板からの送信を受け付けない、
ことを特徴とする封入式回胴遊技機。 - 請求項1乃至請求4項に記載の封入式回胴遊技機において、
前記枠制御基板は、前記ベット数を示す信号を受信した後から前記抽選結果を示す信号を受信するまでの間は、前記精算スイッチの操作を有効としない、
ことを特徴とする封入式回胴遊技機。
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