JP2020048400A - フィルタ回路の短絡検知装置 - Google Patents

フィルタ回路の短絡検知装置 Download PDF

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Abstract

【課題】フィルタ部品の端子間短絡の検知精度に貢献することを課題とする。【解決手段】インバータU1,U2出力側のフィルタ回路Fを構成している各フィルタ部品(例えばリアクトルL,コンデンサC,抵抗器R等)の端子間短絡を、電流検出部51,偏差演算部52,短絡判定部53を備えた短絡検知装置により検知する。電流検出部51は、フィルタ回路F10から出力されたフィルタ回路出力電流Ioutを、電流センサ等を介して検出する。偏差演算部52は、電流検出部51で検出した電流検出値と、インバータ制御部UによるインバータユニットU1,U2の出力制御に係る電流指令値と、の偏差を導出する。そして、短絡判定部53は、偏差演算部52により導出した偏差の時間に対する変動特性に基づいて、フィルタ回路Fを構成している各フィルタ部品の端子間短絡の有無を判定する。【選択図】図1

Description

本発明は、例えば種々の設備に適用可能なフィルタ回路の短絡検知装置の技術に係るものである。
種々の設備(例えば高周波電源設備)で適用されている電力変換装置は、例えばインバータやフィルタ回路等を備え、直流電力をインバータにより交流電力に変換して給電対象負荷(例えば共振負荷回路)に給電できるように構成されたものがある。
フィルタ回路は、例えばリアクトル,コンデンサ,抵抗器等の種々の電気部品(以下、単にフィルタ部品と適宜称する)を適宜適用した構成が挙げられる。
また、電力変換装置の稼働状況等を適宜監視できる構成にして、当該電力変換装置の安全性,信頼性等を保持することが望ましい。例えば、インバータからフィルタ回路へ入力されるフィルタ回路入力電流(インバータ出力電流等)を検出し、当該フィルタ回路入力電流が過電流状態であると判定した場合にインバータを適宜制御する構成が知られている(例えば特許文献1,2)。
特開2006−5989号公報 特開2017−200255号公報
前述のようにフィルタ回路入力電流の検出により過電流状態の有無を判定する手法の場合、例えばフィルタ部品の端子間短絡が存在している状態であっても、当該フィルタ回路入力電流の検出値において変化が現れない限り、当該端子間短絡の検知できないおそれがある。
このような端子間短絡により短絡電流が流れ続けると、例えばフィルタ回路(各フィルタ部品等)の故障や損傷等の現象を引き起こす可能性がある。
本発明は、かかる技術的課題を鑑みてなされたものであって、フィルタ部品の端子間短絡の検知精度に貢献する技術を提供することにある。
この発明の一態様は、インバータ出力側のフィルタ回路から出力されるフィルタ回路出力電流を検出するフィルタ回路出力電流検出部と、フィルタ回路出力電流検出部で検出した電流検出値と、インバータの出力制御に係る電流指令値と、の偏差を導出する偏差演算部と、偏差演算部により導出した偏差の時間に対する変動特性に基づいて、フィルタ回路を構成している複数個の電気部品における端子間短絡の有無を判定する短絡判定部と、を備えたことを特徴とするフィルタ回路の短絡検知装置である。
また、他の態様は、インバータ出力側のフィルタ回路から出力されるフィルタ回路出力電圧を検出するフィルタ回路出力電圧検出部と、フィルタ回路出力電圧検出部で検出した電圧検出値と、インバータの出力制御に係る電圧指令値と、の偏差を導出する偏差演算部と、偏差演算部により導出した偏差の時間に対する変動特性に基づいて、フィルタ回路を構成している複数個の電気部品における端子間短絡の有無を判定する短絡判定部と、を備えたことを特徴とするフィルタ回路の短絡検知装置である。
また、他の態様は、インバータ出力側のフィルタ回路から出力されるフィルタ回路出力電力を検出するフィルタ回路出力電力検出部と、フィルタ回路出力電力検出部で検出した電力検出値と、インバータの出力制御に係る電力指令値と、の偏差を導出する偏差演算部と、偏差演算部により導出した偏差の時間に対する変動特性に基づいて、フィルタ回路を構成している複数個の電気部品における端子間短絡の有無を判定する短絡判定部と、を備えたことを特徴とするフィルタ回路の短絡検知装置である。
また、他の態様は、インバータ出力側のフィルタ回路から出力されるフィルタ回路出力電流を検出するフィルタ回路出力電流検出部と、インバータ出力側のフィルタ回路から出力されるフィルタ回路出力電圧を検出するフィルタ回路出力電圧検出部と、インバータ入力側に入力される直流電流を検出するインバータ入力電流検出部と、インバータ入力側に入力される直流電圧を検出するインバータ入力電圧検出部と、フィルタ回路出力電流検出部の電流検出値およびフィルタ回路出力電圧検出部の電圧検出値によるフィルタ回路出力有効電力と、インバータ入力電流検出部の電流検出値およびインバータ入力電圧検出部の電圧検出値によるインバータ入力有効電力と、の偏差を導出する偏差演算部と、偏差演算部により導出した偏差の時間変化に対する変動特性に基づいて、フィルタ回路を構成している複数個の電気部品における端子間短絡の有無を判定する短絡判定部と、を備えたことを特徴とするフィルタ回路の短絡検知装置である。
また、他の態様は、インバータ出力側のフィルタ回路から出力されるフィルタ回路出力電流を検出するフィルタ回路出力電流検出部と、インバータ出力側のフィルタ回路から出力されるフィルタ回路出力電圧を検出するフィルタ回路出力電圧検出部と、インバータからフィルタ回路に入力されるフィルタ回路入力電流を検出するフィルタ回路入力電流検出部と、インバータからフィルタ回路に入力されるフィルタ回路入力電圧を検出するフィルタ回路入力電圧検出部と、フィルタ回路出力電流検出部の電流検出値およびフィルタ回路出力電圧検出部の電圧検出値によるフィルタ回路出力有効電力と、フィルタ回路入力電流検出部の電流検出値およびフィルタ回路入力電圧検出部の電圧検出値によるフィルタ回路入力有効電力と、の偏差を導出する偏差演算部と、偏差演算部により導出した偏差の時間変化に対する変動特性に基づいて、フィルタ回路を構成している複数個の電気部品における端子間短絡の有無を判定する短絡判定部と、を備えたことを特徴とするフィルタ回路の短絡検知装置である。
また、他の態様は、インバータ出力側のフィルタ回路から出力されるフィルタ回路出力電流を検出するフィルタ回路出力電流検出部と、インバータ出力側のフィルタ回路から出力されるフィルタ回路出力電圧を検出するフィルタ回路出力電圧検出部と、インバータからフィルタ回路に入力されるフィルタ回路入力電流を検出するフィルタ回路入力電流検出部と、インバータからフィルタ回路に入力されるフィルタ回路入力電圧を検出するフィルタ回路入力電圧検出部と、フィルタ回路出力電流検出部およびフィルタ回路入力電流検出部の各電流検出値の偏差を演算する電流偏差演算部と、フィルタ回路出力電圧検出部およびフィルタ回路入力電圧検出部の各電圧検出値の偏差を演算する電圧偏差演算部と、電流偏差演算部および電圧偏差演算部の各偏差の時間変化に対する変動特性に基づいて、フィルタ回路を構成している複数個の電気部品における端子間短絡の有無を判定する短絡判定部と、を備えたことを特徴とするフィルタ回路の短絡検知装置である。
前述の短絡判定部は、変動特性において、偏差が所定の偏差閾値の範囲外の状態である閾値範囲外期間を導出して、端子間短絡の有無を判定するものであっても良い。
また、短絡判定部は、変動特性において、偏差が所定の偏差閾値の範囲内の状態である閾値範囲内期間を導出して、端子間短絡の有無を判定するものであっても良い。
また、インバータからフィルタ回路に入力されるフィルタ回路入力電流もしくはフィルタ回路入力電圧の周波数成分を検出、または当該フィルタ回路から出力されるフィルタ回路出力電流もしくはフィルタ回路出力電圧の周波数成分を検出する周波数成分検出部と、周波数成分検出部で検出した周波数成分における高調波成分の含有率を導出する含有率導出部と、含有率導出部により導出した含有率に基づいて、フィルタ回路の直列部を構成しているリアクトルの端子間短絡の有無を判定する短絡判定部と、を備えたものであっても良い。
以上示したように本発明によれば、フィルタ部品の端子間短絡の検知精度に貢献可能となる。
本実施形態による短絡検知装置の適用例を示す電力変換装置1Aの概略説明図。 本実施形態による短絡検知装置の適用例を示す電力変換装置1Bの概略説明図。 本実施形態による短絡検知装置の適用例を示す電力変換装置1Cの概略説明図。 フィルタ回路Fの構成例を示す回路構成図((A)は並列部Fpにおけるフィルタ部品が1個の場合、(B)は当該フィルタ部品が複数個の場合)。 短絡検知装置5の変形例である短絡検知装置6,7の概略構成図。 インバータ制御部Uによる出力制御の制御構成例を示す概略説明図。 電流検出部51による電流検出値の時間に対する変動特性の一例を示す特性図(正常時) 電流検出部51による電流検出値の時間に対する変動特性の一例を示す特性図(異常時) 短絡判定部53,63,73の動作例を示すフローチャート。 フィルタ回路FのリアクトルL1,L2が正常時,異常時の場合のフィルタゲイン特性の一例を示す特性図。 実施例2による短絡検知装置8の概略構成図。 短絡判定部83の動作例を示すフローチャート。 実施例3による短絡検知装置9aの概略構成図。 実施例3によるフィルタ回路出力有効電力Poutおよびインバータ入力有効電力Pdcの時間に対する変動特性の一例を示す特性図(正常時)。 実施例3によるフィルタ回路出力有効電力Poutおよびインバータ入力有効電力Pdcの時間に対する変動特性の一例を示す特性図(異常時)。 実施例4による短絡検知装置9bの概略構成図。 実施例4によるフィルタ回路出力有効電力Poutおよびインバータ出力有効電力Pinvの時間に対する変動特性の一例を示す特性図(異常時)。 実施例5による短絡検知装置9cの概略構成図。 実施例5による偏差ΔI,ΔVの時間に対する変動特性の一例を示す特性図(異常時)。 実施例5によるフィルタ回路の端子間短絡の一例(Sh1,Sh2)を示す概略説明図。 短絡判定部92cの動作例を示すフローチャート。
本発明の実施形態におけるフィルタ回路の短絡検知装置は、単にフィルタ回路入力電流(インバータ出力電流等)の過電流状態を検出する構成(以下、単に従来構成と適宜称する)とは全く異なるものである。
すなわち、フィルタ回路出力(出力電流,出力電圧,出力電力,有効電力等)と、インバータにおける検出可能な各種状態(インバータ入出力や制御指令状態)のうち当該フィルタ回路出力と比較可能な対象(端子間短絡の検知において適用可能な対象;以下、単に比較可能対象と適宜称する)と、を比較し、その比較結果に基づいて、当該フィルタ回路を構成するフィルタ部品の端子間短絡を検知する構成である。
具体的な構成としては、フィルタ回路出力と、インバータ出力制御に係る指令値(電流指令値,電圧指令値,電力指令値)と、の偏差の変動特性に基づいて、端子間短絡を検知する構成が挙げられる。
また、他の具体的な構成としては、フィルタ回路出力のうち有効電力と、インバータ入力(または出力)のうち有効電力と、における偏差の変動特性に基づいて、端子間短絡を検知する構成も挙げられる。
さらに、他の具体的な構成としては、フィルタ回路出力のうち出力電流,出力電圧と、インバータ出力のうち出力電流,出力電力と、における各偏差の変動特性に基づいて、端子間短絡を検知する構成も挙げられる。
例えば従来構成の場合、電力変換装置のフィルタ部品において端子間短絡が存在している場合であっても、フィルタ回路入力電流等において変化が生じていない状態であれば、当該端子間短絡を検知することは困難である。
このような場合、電力変換装置は、当該端子間短絡に起因する故障や損傷等の現象を引き起こす可能性がある。また、当該電力変換装置のユーザは、前述のような端子間短絡や現象を、例えば当該端子間短絡のアークによる発煙や発火等が起こるまで気付かないおそれもある。
一方、本実施形態の短絡検知装置によれば、例えばフィルタ回路入力電流において変化が生じていなくても、フィルタ回路出力と比較可能対象との比較結果に基づいて、端子間短絡を容易に検知することができる。これにより、当該端子間短絡に起因する電力変換装置の故障や損傷等の抑制に貢献可能となる。また、電力変換装置の安全性,信頼性等を保持することにも貢献可能となる。また、ユーザは、前述のような端子間短絡や当該端子間短絡による現象を容易に知ることも可能となる。
本実施形態のフィルタ回路の短絡検知装置は、前述のように、フィルタ回路出力と比較可能対象との比較結果に基づいて端子間短絡を検知できる構成であれば、種々の分野(例えば高周波電源設備で適用されているインバータ制御技術,フィルタ回路技術,短絡検知技術等の分野)の技術常識を適宜適用して設計することが可能であり、その一例として以下に示すものが挙げられる。
≪実施例1≫
<実施例1による短絡検知装置の適用例>
図1,図2,図3は、それぞれ実施例1による短絡検知装置5の適用例を示すものであって、複数個(図1では2個)のインバータユニットU1,U2が並列接続された電力変換装置1A,1B,1Cの概略説明図である。
まず、図1の電力変換装置1Aは、入力変圧器Ti側で絶縁された構成の一例を示すものである。この電力変換装置1Aの入力変圧器Tiは、電源1に接続される一次巻線10と、複数個(図1では後述のインバータユニットU1,U2に合わせて2個)の二次巻線21,22と、を備えており、電源1からの電圧を変圧して各二次巻線21,22側に出力できる構成となっている。
電源1から二次巻線21,22側に出力された交流電圧は、それぞれ交流−直流変換手段31,32により直流電圧Vdc1,Vdc2に変換されて、インバータユニットU1,U2に入力される。図1のインバータユニットU1,U2の場合、配線U0を介して互いに接続された構成となっている。
インバータ制御部Uは、インバータユニットU1,U2を構成しているスイッチングデバイス(図示省略)に係る制御信号を適宜出力するものであって、当該インバータユニットU1,U2をそれぞれ出力制御(フィルタ回路入力電流Iinv,フィルタ回路入力電圧Vinv,フィルタ回路入力電力等を制御)できるように構成されたものである。
インバータユニットU1,U2の出力側には、フィルタ回路F10が接続されており、当該インバータユニットU1,U2から出力されたフィルタ回路入力電流(インバータ出力電流)Iinvが入力される。このフィルタ回路F10において、フィルタ回路入力電流Iinvから所望の周波数成分が抽出(不要なノイズ成分が除去)されて、当該周波数成分が出力変圧器(図示省略)を介して共振負荷回路等の負荷4に供給される。
短絡検知装置5は、フィルタ回路F10を構成している各フィルタ部品(例えば後述のリアクトルL,コンデンサC,抵抗器R等)の端子間短絡を検知するものであり、電流検出部51,偏差演算部52,短絡判定部53を備えた構成となっている。電流検出部51は、フィルタ回路F10から出力されたフィルタ回路出力電流Ioutを、図外の電流センサ等を介して検出するものである。
偏差演算部52は、電流検出部51で検出した電流検出値(具体的にはフィルタ回路出力電流Ioutの実効値)と、インバータ制御部UによるインバータユニットU1,U2の出力制御に係る電流指令値と、の偏差を導出するものである。そして、短絡判定部53は、偏差演算部52により導出した偏差の時間に対する変動特性(詳細を後述する)に基づいて、フィルタ回路F10を構成している各フィルタ部品の端子間短絡の有無を判定するものである。
図2の電力変換装置1Bは、出力変圧器To側で絶縁された構成の一例を示すものである。なお、図1に示すものと同様のものには同一符号を付する等により、その詳細な説明を適宜省略する。
図2の電力変換装置1Bの入力変圧器Tiは、電源1に接続される一次巻線10と、二次巻線20と、を備えており、電源1からの電圧を変圧して二次巻線20側に出力できる構成となっている。電源1から二次巻線20側に出力された交流電圧は、交流−直流変換手段31,32により直流電圧Vdc1,Vdc2に変換されて、それぞれインバータユニットU1,U2に入力される。
インバータユニットU1,U2の出力側には、フィルタ回路F11,F12がそれぞれ接続されており、当該インバータユニットU1,U2から出力されたフィルタ回路入力電流(インバータ出力電流)Iinv1,Iinv2がそれぞれ入力される。これらフィルタ回路F11,F12において、フィルタ回路入力電流Iinv1,Iinv2から所望の周波数成分(フィルタ回路出力電流Iout)がそれぞれ抽出され、出力変圧器Toを介して共振負荷回路等の負荷4に供給される。
そして、短絡検知装置5により、フィルタ回路F10,F11を構成している各フィルタ部品の端子間短絡を検知する構成となっている。
図3の電力変換装置1Cは、図2の電力変換装置1Bと略同様の構成であって、出力変圧器To1側で絶縁された構成の一例を示すものである。なお、図2に示すものと同様のものには同一符号を付する等により、その詳細な説明を適宜省略する。
図3の電力変換装置1Cは、出力変圧器To1において、一次側コイルに合わせて複数個の二次側コイルを有し、当該各二次側コイルが互いに直列接続された構成となっている。この出力変圧器To1においても、電力変換装置1Bの出力変圧器Toと同様の機能を果たし、フィルタ回路F11,F12で抽出された所望の周波数成分(フィルタ回路出力電流Iout)が、当該出力変圧器To1を介して共振負荷回路等の負荷4に供給されることとなる。
そして、短絡検知装置5により、フィルタ回路F10,F11を構成している各フィルタ部品の端子間短絡を検知する構成となっている。
<フィルタ回路F10,F11,F12の構成例>
フィルタ回路F10,F11,F12(以下、単にフィルタ回路Fと適宜称する)においては、インバータ出力電流Iinvから所望の周波数成分を抽出できる構成であれば、種々の態様を適用することが可能であり、特に限定されるものではない。
具体例としては、例えば図4(A),(B)に示すように、リアクトルL(図4中では3つのリアクトルL1,L2,L0),コンデンサC(図4中では3つのコンデンサC1,C2,C0),抵抗器R等のフィルタ部品を適宜組み合わせて、直列部Fdと並列部Fpとを有するように構成されたバンドパスフィルタ構造が挙げられる。
なお、フィルタ回路Fは、図1〜図3に示す構成に限定されるものではなく、適宜設計変更しても良い。その一例としては、フィルタ回路Fを出力変圧器の二次側に適宜配置した構成(図2,図3の場合、出力変圧器To,To1と負荷4との間に配置した構成)が挙げられる。
<実施例1による短絡検知装置の変形例>
図1〜図3に示した短絡検知装置5は、フィルタ回路出力電流Ioutを検出してフィルタ回路Fの各フィルタ部品の端子間短絡の有無を判定する構成であるが、当該短絡検知装置5の替わりに、例えば図5(A)に示すようにフィルタ回路出力電圧Voutを検出することが可能な短絡検知装置6や、図5(B)に示すようにフィルタ回路出力電力を検出することが可能な短絡検知装置7を、適用しても良い。
図5(A)の短絡検知装置6は、電圧検出部61,偏差演算部62,短絡判定部63を備えた構成となっている。電圧検出部61は、フィルタ回路Fから出力されたフィルタ回路出力電圧Voutを、図外の電圧センサ等を介して検出するものである。
偏差演算部62は、電圧検出部61で検出した電圧検出値(具体的にはフィルタ回路出力電圧Voutの実効値)と、インバータ制御部UによるインバータユニットU1,U2の出力制御に係る電圧指令値と、の偏差を導出するものである。そして、短絡判定部63は、偏差演算部62により導出した偏差の時間に対する変動特性に基づいて、フィルタ回路Fを構成している各フィルタ部品の端子間短絡の有無を判定するものである。
図5(B)の短絡検知装置7は、電力検出部71,偏差演算部72,短絡判定部73を備えた構成となっている。電力検出部71は、フィルタ回路Fから出力されたフィルタ回路出力電力を、図外の電力センサ等を介して検出するものである。
偏差演算部72は、電力検出部71で検出した電力検出値と、インバータ制御部UによるインバータユニットU1,U2の出力制御に係る電力指令値と、の偏差を導出するものである。そして、短絡判定部73は、偏差演算部72により導出した偏差の時間に対する変動特性に基づいて、フィルタ回路Fを構成している各フィルタ部品の端子間短絡の有無を判定するものである。
<インバータ制御部Uの構成例>
インバータ制御部Uにおいては、インバータユニットU1,U2を構成しているスイッチングデバイスに係る制御信号を適宜出力して当該インバータユニットU1,U2をそれぞれ出力制御できる構成であれば良く、種々の態様を適用することが可能であり、特に限定されるものではない。
具体例として、例えばインバータ出力電流を一定制御し、短絡検知装置5によりフィルタ回路出力電流Ioutを検出する場合には、図6に示すような構成のインバータ制御部Uを適用することが挙げられる。図6において、加算部Uaは、図外の電流センサ等を介して検出したフィルタ回路出力電流Ioutの電流検出値(電流検出部51で検出した電流検出値と同じ)と、当該電流検出値に係る目標値と、の偏差を算出するものである。
PID演算部Ubは、加算部Uaで得た偏差に基づいてPID演算を行い、電流指令値を導出するものである。そして、PWM変調器Ucは、PID演算部Ubで得た電流指令値に基づいてPWM変調制御を行い、インバータユニットU1,U2を構成しているスイッチングデバイスに対してインバータ制御信号を適宜出力するものである。
なお、例えばインバータ出力電圧(またはインバータ出力電力)を一定制御し、短絡検知装置6(または7)によりフィルタ回路出力電圧Vout(またはフィルタ回路出力電力)を検出する場合においても、図6と同様の構成(例えば電圧指令値または電力指令値を導出してインバータ制御信号を適宜出力できるようにした構成)のインバータ制御部Uを適用することが挙げられる。
<実施例1による短絡検知装置の短絡検知例>
次に、短絡検知装置5を適宜動作させた場合について、偏差演算部52により導出した偏差の時間に対する変動特性、および短絡判定部53による端子間短絡の有無の判定例を説明する。なお、図1〜図6に示すものと同様のものには同一符号を適用する等により、その詳細な説明を適宜省略する。
電流検出部51により検出される電流検出値は、インバータ制御部Uの電流指令値に追従するように変動する。これにより、偏差演算部52により導出される偏差においては、フィルタ回路Fのフィルタ部品が正常な状態であって端子間短絡が無い場合(以下、単に正常時と適宜称する)、例えば図7のような時間に対する変動特性を示すこととなる。
この図7によると、電流検出値が、所定の偏差閾値の上限値と下限値との間の範囲(以下、単に偏差閾値範囲と適宜称する)内で、電流指令値に追従して変動していることが読み取れる。時間t1,t2付近においては、電流検出値が偏差閾値範囲外に逸脱した状態の期間(以下、単に閾値範囲外期間と適宜称する)が存在しているものの、当該閾値範囲外期間が比較的短いことが読み取れる。
また、当該逸脱後においては、当該電流検出値が偏差閾値範囲内に速やかに収束した状態になり、当該偏差閾値範囲内に留まっている期間(以下、単に閾値範囲内期間と適宜称する)が継続していることが読み取れる。
一方、フィルタ回路Fのフィルタ部品に端子間短絡が存在している場合(以下、単に異常時と適宜称する)、例えば図8のような時間に対する変動特性を示すこととなる。この図8によると、比較的長い閾値範囲外期間が多く存在し、当該電流検出値が偏差閾値範囲内に収束できない状態になっていることが読み取れる。また、電流検出値において、偏差閾値の上限値と下限値を交互に逸脱(偏差閾値範囲外に逸脱)する閾値範囲外期間も多く存在し、それぞれ比較的短い期間であるものの、当該電流検出値が偏差閾値範囲内に収束できない状態になっていることが読み取れる。
図7,図8のように、端子間短絡の有無(異常時または正常時)によって偏差の時間に対する変動特性が異なる現象としては、以下に示す内容が考えられる。まず、例えば端子間短絡の発生後に当該端子間短絡による電流検出値の変化(影響)が出現するまでの期間(以下、単に端子間短絡由来期間と適宜称する)は、インバータ制御部Uによる制御周期や、インバータユニットU1,U2の出力周波数と比較すると、比較的短く、下記式(1)が成り立つ。
(端子間短絡由来期間)<<(インバータ制御部Uによる制御周期)≦(インバータユニットU1,U2の出力周波数) ……(1)
すなわち、異常時においては、インバータ制御部Uのインバータ制御対象(フィルタ回路入力電流Iinv,フィルタ回路入力電圧Vinv,フィルタ回路入力電力)のリプルが、正常時と比較して大きくなってしまうことが読み取れる。
以上示したことから、実施例1の短絡検知装置5〜7の短絡判定部53,63,73において、偏差の時間に対する変動特性に基づいて適宜分析(例えば、閾値範囲内期間や閾値範囲外期間に着目して分析)することにより、端子間短絡の有無を判定できることが判る。
短絡判定部53,63,73による判定結果は、適宜利用することが可能である。例えば、当該判定結果を図外の記録装置等に適宜記録したり、図外の出力装置(例えば、ディスプレイ,プリンタ,スピーカ,ランプ等)により適宜出力(例えば、端子間短絡が存在しているものと判定した結果を、後述の出力処理ステップS12cにより出力)することが挙げられる。これにより、当該判定結果を電力変換装置1A〜1Cのユーザに認識させることも可能となる。
<実施例1による短絡判定部の動作例>
短絡判定部53,63,73においては、種々の態様を適用することが可能であり、前述したように偏差の時間に対する変動特性に基づいて適宜分析でき、端子間短絡の有無を適宜判定できる構成であれば良い。その一例としては、例えば図9に示すフローチャートのような各種処理ステップによる処理動作を周期的に実行可能な装置(カウンタ等)を適用する構成が挙げられる。
図9においては、まず変動特性判定処理ステップS10により、偏差演算部52により導出した偏差が偏差閾値範囲内であるか偏差閾値範囲外であるかを判定する。この変動特性判定処理ステップS10において、偏差が偏差閾値範囲内であると判定された場合には、クリアカウント処理ステップS11aに移行して、クリアカウント値が一つ加算される。一方、当該偏差が偏差閾値範囲外であると判定された場合には、セットカウント処理ステップS12aに移行し、セットカウント値が一つ加算され、クリアカウント値がリセットされる。
カウントアップ判定ステップS11bは、クリアカウント処理ステップS11a後のクリアカウント値が所定の設定値を超過しているかどうかを判定するものである。このカウントアップ判定ステップS11bにおいて、クリアカウント値が所定の設定値の範囲内であると判定された場合には、処理動作が終了する。一方、クリアカウント値が所定の設定値を超過(すなわち、閾値範囲内期間が積算されて設定値を超過)していると判定された場合には、リセット処理ステップS11cに移行して、セットカウント値がリセットされた後、処理動作が終了する。
カウントアップ判定ステップS12bは、セットカウント処理ステップS12a後のセットカウント値が所定の設定値を超過しているかどうかが判定される。このカウントアップ判定ステップS12bにおいて、セットカウント値が所定の設定値の範囲内であると判定された場合には、処理動作が終了する。一方、クリアカウント値が所定の設定値を超過(すなわち、閾値範囲外期間が積算されて設定値を超過)していると判定(すなわち、端子間短絡が存在している判定)された場合には、出力処理ステップS12cに移行して当該判定結果を出力装置により出力(例えばユーザが認識できるように出力)し、セットカウント値がリセットされた後、処理動作が終了する。
以上のような実施例1によれば、例えばフィルタ回路Fへのインバータ出力電流Iinvにおいて変化が生じていなくても、端子間短絡を容易に検知することができ、当該端子間短絡に起因する電力変換装置の故障や損傷等の抑制に貢献可能となる。また、ユーザは、前述のような端子間短絡や当該端子間短絡による現象を容易に知ることも可能となる。
≪実施例2≫
<実施例2による短絡検知装置の構成例>
次に、実施例2による短絡検知装置を説明する。なお、図1〜図9に示すものと同様のものには、同一符号を適用する等により、その詳細な説明を適宜省略する。
フィルタ回路Fから出力されるフィルタ回路出力電流Ioutやフィルタ回路出力電圧Voutの周波数成分においては、フィルタ回路Fのフィルタ部品が正常時の場合、主に所望の周波数成分で占められている。
例えば、フィルタ回路が図4に示すようなバンドパスフィルタ構造の場合には、当該フィルタ回路Fから出力される周波数成分において、主に基本波成分で占められていることになる。この場合、図4のフィルタ回路Fの直列部Fdにおいて、共振点fk、リアクトルL1,L2の電圧VLk、コンデンサC1,C2の電圧VCkは、それぞれ下記式(2),(3),(4)に示すとおりとなる。
Figure 2020048400
Figure 2020048400
Figure 2020048400
一方、フィルタ回路Fのフィルタ部品のうちリアクトルL1,L2が異常時の場合(L値=0の場合)の共振点fsにおいては、下記式(5)に示すとおりとなる。
Figure 2020048400
すなわち、前述のようにリアクトルL1,L2が異常時の場合には、基本波成分ゲインが減少し、フィルタ回路Fによる高調波成分ゲインが増加(例えば、基本波成分に近い3次,5次の高調波成分が増加)してしまい、図10に示すフィルタゲイン特性のような現象が発生することとなる。この図10のような現象は、フィルタ回路入力電流Iinvやフィルタ回路入力電圧Vinvの周波数成分においても、同様に発生することとなる。
図11に示す短絡検知装置8は、以上のような現象を踏まえたものであって、周波数成分検出部81,含有率導出部82,短絡判定部83を備えた構成であり、電力変換装置1A〜1Cにおいて短絡検知装置5〜7の替わりに適用可能なものである。
周波数成分検出部81は、フィルタ回路出力電流Ioutもしくはフィルタ回路出力電圧Voutの周波数成分、またはフィルタ回路入力電流Iinvもしくはフィルタ回路入力電圧Vinvの周波数成分を、図外の所望のセンサ等(電流センサ,電圧センサ等)を介して検出するものである。
含有率導出部82は、周波数成分検出部81で検出した周波数成分における高調波成分の含有率を導出するものである。短絡判定部83は、含有率導出部82により導出した含有率に基づいて、フィルタ回路Fの直列部Fdを構成しているリアクトルL1,L2の端子間短絡の有無を判定するものである。
<実施例2による短絡判定部の動作例>
短絡判定部83においては、種々の態様を適用することが可能であり、前述したように周波数成分における高調波成分の含有率を導出して、リアクトルL1,L2の端子間短絡の有無を適宜判定できる構成であれば良い。その一例としては、例えば図12に示すフローチャートのような各種処理ステップによる処理動作を周期的に実行可能な装置を適用する構成が挙げられる。
図12においては、まずフーリエ変換処理ステップS21により、周波数成分検出部81で検出した周波数成分においてフーリエ変換(例えば、高速フーリエ変換,離散フーリエ変換)する。その後、含有率判定ステップS22により、フーリエ変換処理ステップS21によるフーリエ変換結果において、下記式(6)によって算出される高調波成分含有率が所定の設定値を超過しているかどうかが判定される。この含有率判定ステップS22において高調波成分含有率が所定の設定値の範囲内であると判定された場合には、処理動作が終了する。一方、高調波成分含有率が所定の設定値を超過していると判定(すなわち、端子間短絡が存在している判定)された場合には、出力処理ステップS23に移行して当該判定結果を出力装置により出力(例えばユーザが認識できるように出力)し、処理動作が終了する。
以上のような実施例2によれば、例えばフィルタ回路Fへのインバータ出力電流Iinvにおいて変化が生じていなくても、リアクトルL1,L2の端子間短絡を容易に検知することができ、当該端子間短絡に起因する電力変換装置の故障や損傷等の抑制に貢献可能となる。また、ユーザは、前述のような端子間短絡や当該端子間短絡による現象を容易に知ることも可能となる。
なお、本実施例2の短絡検知装置8においては、例えば電力変換装置1A〜1Cにおいて短絡検知装置5〜7と併用することも可能である。この場合、フィルタ回路Fのフィルタ部品の端子間短絡において多面的な検知ができ、検知精度の更なる向上に貢献できる可能性がある。
≪実施例3≫
実施例1では、電力変換装置1A〜1Cに短絡検知装置5〜7を適宜適用した場合について説明したが、当該短絡検知装置5〜7を適用する替わりに、フィルタ回路出力のうちの有効電力と、インバータ入力のうちの有効電力と、における偏差の変動特性に基づいて端子間短絡を検知できる構成を適用することも可能である。
なお、実施例1,2と同様のものには、例えば当該実施例1,2の各図の同一符号を適用する等により、その詳細な説明を適宜省略する。
<実施例3による短絡検知装置の構成例>
図13は、実施例3による短絡検知装置9aの構成を示すものであり、電流検出部51,51d、電圧検出部61,61d、偏差演算部91a、短絡判定部92aを備えた構成となっている。
電流検出部51dは、交流−直流変換手段31,32とインバータユニットU1,U2との間である直流部(以下、単に直流部と適宜称する)の直流電流(インバータユニットU1,U2の入力側に入力される直流電流)Idc1,Idc2を、図外の電流センサ等を介して検出するものである。
電圧検出部61dは、直流部の直流電圧(インバータユニットU1,U2の入力側に入力される直流電圧)Vdc1,Vdc2を、図外の電圧センサ等を介して検出するものである。
偏差演算部91aは、電流検出部51の電流検出値および電圧検出部61の電圧検出値による有効電力(フィルタ回路F出力側の有効電力;以下、単にフィルタ回路出力有効電力と適宜称する)Poutと、電流検出部51dの電流検出値および電圧検出部61dの電圧検出値による有効電力(インバータユニットU1,U2入力側の有効電力;以下、単にインバータ入力有効電力と適宜称する)Pdcと、の偏差を導出するものである。
そして、短絡判定部92aは、偏差演算部91aにより導出した偏差の時間に対する変動特性に基づいて、フィルタ回路Fを構成している各フィルタ部品の端子間短絡の有無を判定するものである。
<実施例3による短絡検知装置の短絡検知例>
次に、短絡検知装置9aを適宜動作させた場合について、偏差演算部91aにより導出した偏差の時間に対する変動特性、および短絡判定部92aによる端子間短絡の有無の判定例を説明する。
まず、フィルタ回路出力有効電力Poutは、フィルタ回路Fが正常時の場合、インバータ入力有効電力Pdcと同様の値が得られ、例えば図14に示すような時間に対する変動特性を示すこととなる。すなわち、偏差演算部91aにより導出される偏差(図14中では、特性線PdcおよびPoutの両者間)が無い状態(または僅差の状態)となる。
一方、フィルタ回路Fが異常時の場合、例えば図15のような時間に対する変動特性を示すこととなる。この図15によると、フィルタ回路出力有効電力Poutが、インバータ入力有効電力Pdcよりも低い値となり、偏差演算部91aにより導出される偏差が正常時の場合よりも大きくなっていることが読み取れる。
図14,図15のように、端子間短絡の有無(異常時または正常時)によって偏差の時間に対する変動特性が異なる現象としては、以下に示す内容が考えられる。
フィルタ回路出力有効電力Poutにおいては、フィルタ回路Fが正常時であってもフィルタ部品等に由来する損失(例えば、部品損失,導体損失,その他による損失;以下、単に正常時由来損失と適宜称する)が発生し得るが、当該フィルタ部品の端子間短絡によりアークが発生して継続すると、当該アークによる損失(以下、単に異常時由来損失と適宜称する)も生じることとなる。例えば、アークの抵抗値が1Ωの場合、100A通電時のフィルタ回路出力有効電力Poutの損失は10kwにもなることが考えられる。
したがって、フィルタ回路Fが異常時の場合、偏差演算部91aにより導出される偏差は、正常時由来損失と異常時由来損失の総和の分に応じて変化することとなる。
以上示したことから、実施例3の短絡検知装置9aの短絡判定部92aにおいて、偏差の時間に対する変動特性に基づいて適宜分析することにより、端子間短絡の有無を判定できることが判る。
例えば、短絡判定部92aに対し、偏差演算部91aにより導出される偏差の所定の偏差閾値範囲を設定(例えば、正常時由来損失が生じている場合の偏差を上限値として設定)し、当該閾値を超えた場合に端子間短絡が発生しているものと判定できるようにすることが挙げられる。
短絡判定部92aによる判定結果も、実施例1で示したように適宜利用することが可能であり、当該判定結果を図外の記録装置等に適宜記録したり、図外の出力装置により適宜出力することにより、当該判定結果を電力変換装置1A〜1Cのユーザに認識させることが挙げられる。
<実施例3による短絡判定部の動作例>
短絡判定部92aにおいても、実施例1と同様に種々の態様を適用することが可能であり、前述したように偏差の時間に対する変動特性に基づいて適宜分析でき、端子間短絡の有無を適宜判定できる構成であれば良い。
その一例としても、実施例1と同様に、図9に示すフローチャートのような各種処理ステップによる処理動作を周期的に実行可能な装置(カウンタ等)を適用する構成が挙げられる。例えば、短絡判定部92aの場合は、変動特性判定処理ステップS10において、偏差演算部91aにより導出した偏差が偏差閾値範囲内であるか偏差閾値範囲外であるかを判定することとなる。その他の各処理ステップS11a〜S11c,S12a〜S12cにおいては、実施例1で説明したものと同様であるため、その詳細な説明は省略する。
以上のような実施例3によれば、例えばフィルタ回路Fへのインバータ出力電流Iinvにおいて変化が生じていなくても、端子間短絡を容易に検知することができ、当該端子間短絡に起因する電力変換装置の故障や損傷等の抑制に貢献可能となる。また、ユーザは、前述のような端子間短絡や当該端子間短絡による現象を容易に知ることも可能となる。
また、実施例2の短絡検知装置8を併用することも可能であり、この場合、フィルタ回路Fのフィルタ部品の端子間短絡において多面的な検知ができ、検知精度の更なる向上に貢献できる可能性がある。
≪実施例4≫
<実施例4による短絡検知装置の構成例>
図16は、実施例4による短絡検知装置9bの構成を示すものであって、電力変換装置1A〜1Cにおいて短絡検知装置5〜7の替わりに適宜適用可能なものである。なお、実施例1〜3と同様のものには、例えば当該実施例1〜3の各図の同一符号を適用する等により、その詳細な説明を適宜省略する。
図16の短絡検知装置9bでは、電流検出部51,51i、電圧検出部61,61i、偏差演算部91b、短絡判定部92bを備えた構成となっている。
電流検出部51iは、インバータユニットU1,U2からフィルタ回路Fに入力されるフィルタ回路入力電流Iinv(Iinv1,Iinv2)を、図外の電流センサ等を介して検出するものである。
電圧検出部61iは、インバータユニットU1,U2からフィルタ回路Fに入力されるフィルタ回路入力電圧Vinv(Vinv1,Vinv2)を、図外の電圧センサ等を介して検出するものである。
偏差演算部91bは、電流検出部51の電流検出値および電圧検出部61の電圧検出値によるフィルタ回路出力有効電力Poutと、電流検出部51iの電流検出値および電圧検出部61iの電圧検出値による有効電力(インバータユニットU1,U2出力側の有効電力;以下、単にインバータ出力有効電力と適宜称する)Pinvと、の偏差を導出するものである。
そして、短絡判定部92bは、偏差演算部91bにより導出した偏差の時間に対する変動特性に基づいて、フィルタ回路Fを構成している各フィルタ部品の端子間短絡の有無を判定するものである。
<実施例4による短絡検知装置の短絡検知例>
次に、短絡検知装置9bを適宜動作させた場合について、偏差演算部91bにより導出した偏差の時間に対する変動特性、および短絡判定部92bによる端子間短絡の有無の判定例を説明する。
まず、フィルタ回路出力有効電力Poutは、フィルタ回路Fが正常時の場合、インバータ出力有効電力Pinvと同様の値が得られ、例えば図14と同様の時間に対する変動特性を示すこととなる(インバータ出力有効電力Pinvが図14中の特性線Pdcに相当)。すなわち、偏差演算部91bにより導出される偏差(図14中では、特性線PdcおよびPoutの両者間に相当)が無い状態(または僅差の状態)となる。
一方、フィルタ回路Fが異常時の場合、例えば図17のような時間に対する変動特性を示すこととなる。この図17によると、フィルタ回路出力有効電力Poutが、インバータ出力有効電力Pinvよりも低い値となり、偏差演算部91bにより導出される偏差(図17中では、特性線PinvおよびPoutの両者間)が正常時の場合よりも大きくなっていることが読み取れる。そして、このように端子間短絡の有無(異常時または正常時)によって偏差の時間に対する変動特性が異なる現象は、実施例3に示した現象と同様であることが読み取れる。
したがって、フィルタ回路Fが異常時の場合、偏差演算部91bにより導出される偏差は、正常時由来損失と異常時由来損失の総和の分に応じて変化することとなる。
以上示したことから、実施例4の短絡検知装置9bの短絡判定部92bにおいて、偏差の時間に対する変動特性に基づいて適宜分析することにより、端子間短絡の有無を判定できることが判る。
例えば、短絡判定部92bに対し、偏差演算部91bにより導出される偏差の所定の偏差閾値範囲を設定(例えば、異常時由来損失は無く、正常時由来損失のみが生じている場合の偏差を上限値として設定)し、当該閾値を超えた場合に端子間短絡が発生しているものと判定できるようにすることが挙げられる。
短絡判定部92bによる判定結果も、実施例1,3で示したように適宜利用することが可能であり、当該判定結果を図外の記録装置等に適宜記録したり、図外の出力装置により適宜出力することにより、当該判定結果を電力変換装置1A〜1Cのユーザに認識させることが挙げられる。
<実施例4による短絡判定部の動作例>
短絡判定部92bにおいても、実施例1,3と同様に種々の態様を適用することが可能であり、前述したように偏差の時間に対する変動特性に基づいて適宜分析でき、端子間短絡の有無を適宜判定できる構成であれば良い。
その一例としても、実施例1,3と同様に、図9に示すフローチャートのような各種処理ステップによる処理動作を周期的に実行可能な装置(カウンタ等)を適用する構成が挙げられる。例えば、短絡判定部92bの場合は、変動特性判定処理ステップS10において、偏差演算部91bにより導出した偏差が偏差閾値範囲内であるか偏差閾値範囲外であるかを判定することとなる。その他の各処理ステップS11a〜S11c,S12a〜S12cにおいては、実施例1,3で説明したものと同様であるため、その詳細な説明は省略する。
以上のような実施例4によれば、例えばフィルタ回路Fへのインバータ出力電流Iinvにおいて変化が生じていなくても、端子間短絡を容易に検知することができ、当該端子間短絡に起因する電力変換装置の故障や損傷等の抑制に貢献可能となる。また、ユーザは、前述のような端子間短絡や当該端子間短絡による現象を容易に知ることも可能となる。
また、実施例2の短絡検知装置8を併用することも可能であり、この場合、フィルタ回路Fのフィルタ部品の端子間短絡において多面的な検知ができ、検知精度の更なる向上に貢献できる可能性がある。
≪実施例5≫
<実施例5による短絡検知装置の構成例>
図18は、実施例5による短絡検知装置9cの構成を示すものであって、電力変換装置1A〜1Cにおいて短絡検知装置5〜7の替わりに適宜適用可能なものである。なお、実施例1〜4と同様のものには、例えば当該実施例1〜4の各図の同一符号を適用する等により、その詳細な説明を適宜省略する。
図18の短絡検知装置9cでは、電流検出部51,51i、電圧検出部61,61i、偏差演算部91c,91d、短絡判定部92cを備えた構成となっている。
偏差演算部91cは、電流検出部51,51iの各電流検出値の偏差ΔIを導出するものである。偏差演算部91dは、電圧検出部61,61iの各電圧検出値の偏差ΔVを演算するものである。偏差演算部91c,91dによる偏差ΔI,ΔVの各演算においては、種々の態様を適用することが可能であるが、例えば下記式(6),(7)のように出力変圧器ToやTo1の巻き線比Nを反映させたものを適用しても良い。
ΔI=|Iinv(またはIinv1,Iinv2)−Iout| ……(6)
ΔV=|Vinv(またはVinv1,Vinv2)−Vout| ……(7)
そして、短絡判定部92cは、偏差演算部91c,91dにより導出した各偏差ΔI,ΔVの時間に対する変動特性に基づいて、フィルタ回路Fを構成している各フィルタ部品の端子間短絡の有無を判定するものである。
<実施例5による短絡検知装置の短絡検知例>
次に、短絡検知装置9cを適宜動作させた場合について、偏差演算部91c,91dにより導出した各偏差の時間に対する変動特性、および短絡判定部92cによる端子間短絡の有無の判定例を説明する。
偏差ΔI,ΔVは、フィルタ回路Fが正常時の場合、殆ど無い状態(変動も無い状態;例えば後述図19の特性線ΔI)となる。一方、フィルタ回路Fが異常時の場合、例えば図19のような時間に対する変動特性を示すこととなる。この図19によると、偏差ΔIが殆ど無い状態であるものの、偏差ΔVが比較的大きい値で変動していることが読み取れる。
図19のように、端子間短絡の有無(異常時または正常時)によって偏差ΔIの時間に対する変動特性が異なる現象としては、以下に示す内容が考えられる。
例えば図20に示すようにフィルタ部品(リアクトルLs1,Ls2、コンデンサCs1,Cs2等)を有したフィルタ回路において、符号Sh1,Sh2で示すような端子間短絡が発生して異常時の場合、当該端子間短絡Sh1,Sh2によって分流現象が生じることが考えられる。
端子間短絡Sh2に着目すると、例えばリアクトルLs2には電流ILsが流れ、端子間短絡Sh2には電流Iarkが流れることになるが、後段のコンデンサCs2が正常時であれば、当該コンデンサCs2には電流ILs,Iarkの総量である電流IFが流れることになる。
これにより、短絡検知装置9cの偏差演算部91cによって導出される偏差ΔIは、変動の無い特性線ΔIのような変動特性を示すこととなる。しかし、端子間短絡Sh2の抵抗値は不安定であるため、偏差演算部91dによって導出される偏差ΔVにおいては、比較的大きい値で変動する特性線ΔVのような変動特性を示すこととなる。
以上示したことから、実施例5の短絡検知装置9cの短絡判定部92cにおいて、偏差ΔI,ΔVの時間に対する変動特性に基づいて適宜分析することにより、端子間短絡の有無を判定できることが判る。
例えば、短絡判定部92cに対し、偏差演算部91c,91dにより導出される各偏差ΔI,ΔVの所定の偏差閾値範囲をそれぞれ設定(例えば、図20のフィルタ回路において端子間短絡Sh1,Sh2が無い場合の偏差ΔI,ΔVを上限値として設定)し、当該閾値を超えた場合に端子間短絡が発生しているものと判定できるようにすることが挙げられる。
短絡判定部92cによる判定結果も、実施例1,3,4で示したように適宜利用することが可能であり、当該判定結果を図外の記録装置等に適宜記録したり、図外の出力装置により適宜出力することにより、当該判定結果を電力変換装置1A〜1Cのユーザに認識させることが挙げられる。
<実施例5による短絡判定部の動作例>
短絡判定部92cにおいては、種々の態様を適用することが可能であり、前述したように偏差の時間に対する変動特性に基づいて適宜分析でき、端子間短絡の有無を適宜判定できる構成であれば良い。その一例としては、例えば図21に示すフローチャートのような各種処理ステップによる処理動作を周期的に実行可能な装置(カウンタ等)を適用する構成が挙げられる。
図21においては、まず変動特性判定処理ステップS20aにより、偏差演算部91cにより導出した偏差ΔIが偏差閾値範囲内であるか偏差閾値範囲外であるかを判定する。この変動特性判定処理ステップS20aにおいて、偏差ΔIが偏差閾値範囲内であると判定された場合には、変動特性判定処理ステップS20bに移行し、偏差演算部91dにより導出した偏差ΔVが偏差閾値範囲内であるか偏差閾値範囲外であるかを判定する。
一方、変動特性判定処理ステップS20aにおいて偏差ΔIが偏差閾値範囲外であると判定された場合には、クリアカウント処理ステップS23aに移行して、クリアカウント値が一つ加算される。
変動特性判定処理ステップS20bは、変動特性判定処理ステップS20a後において、偏差演算部91dにより導出した偏差ΔVが偏差閾値範囲内であるか偏差閾値範囲外であるかを判定する。この変動特性判定処理ステップS20bにおいて、偏差ΔVが偏差閾値範囲内であると判定された場合には、クリアカウント処理ステップS21aに移行して、クリアカウント値が一つ加算される。
一方、変動特性判定処理ステップS20bにおいて偏差ΔVが偏差閾値範囲外であると判定された場合には、セットカウント処理ステップS22aに移行し、セットカウント値が一つ加算され、クリアカウント値がリセットされる。
カウントアップ判定ステップS21b,23bは、それぞれクリアカウント処理ステップS21a,23a後のクリアカウント値が所定の設定値を超過しているかどうかを判定するものである。このカウントアップ判定ステップS21b,23bにおいて、クリアカウント値が所定の設定値の範囲内であると判定された場合には、それぞれ処理動作が終了する。
一方、カウントアップ判定ステップS21b,23bにおいてクリアカウント値が所定の設定値を超過(すなわち、閾値範囲内期間が積算されて設定値を超過)していると判定された場合には、それぞれリセット処理ステップS21c,23cに移行して、セットカウント値がリセットされた後、処理動作が終了する。
カウントアップ判定ステップS22bは、セットカウント処理ステップS22a後のセットカウント値が所定の設定値を超過しているかどうかが判定される。このカウントアップ判定ステップS22bにおいて、セットカウント値が所定の設定値の範囲内であると判定された場合には、処理動作が終了する。一方、クリアカウント値が所定の設定値を超過(すなわち、閾値範囲外期間が積算されて設定値を超過)していると判定(すなわち、端子間短絡が存在している判定)された場合には、出力処理ステップS22cに移行して当該判定結果を出力装置により出力(例えばユーザが認識できるように出力)し、セットカウント値がリセットされた後、処理動作が終了する。
以上のような実施例5によれば、例えばフィルタ回路Fへのインバータ出力電流Iinvにおいて変化が生じていなくても、端子間短絡を容易に検知することができ、当該端子間短絡に起因する電力変換装置の故障や損傷等の抑制に貢献可能となる。また、ユーザは、前述のような端子間短絡や当該端子間短絡による現象を容易に知ることも可能となる。
また、実施例2の短絡検知装置8を併用することも可能であり、この場合、フィルタ回路Fのフィルタ部品の端子間短絡において多面的な検知ができ、検知精度の更なる向上に貢献できる可能性がある。
以上、本発明において、記載された具体例に対してのみ詳細に説明したが、本発明の技術思想の範囲で多彩な変更等が可能であることは、当業者にとって明白なことであり、このような変更等が特許請求の範囲に属することは当然のことである。
1A,1B,1C…電力変換装置
5,6,7,8,9a,9b,9c…短絡検知装置
51,51d,51i…電流検出部
61,61d,61i…電圧検出部
71…電力検出部
52,62,72,91a,91b,91c,91d…偏差演算部
53,63,73,83,92a,92b,92c…短絡判定部
81…周波数成分検出部
82…含有率導出部
F(F10,F11,F12)…フィルタ回路
U1,U2…インバータユニット

Claims (9)

  1. インバータ出力側のフィルタ回路から出力されるフィルタ回路出力電流を検出するフィルタ回路出力電流検出部と、
    フィルタ回路出力電流検出部で検出した電流検出値と、インバータの出力制御に係る電流指令値と、の偏差を導出する偏差演算部と、
    偏差演算部により導出した偏差の時間に対する変動特性に基づいて、フィルタ回路を構成している複数個の電気部品における端子間短絡の有無を判定する短絡判定部と、
    を備えたことを特徴とするフィルタ回路の短絡検知装置。
  2. インバータ出力側のフィルタ回路から出力されるフィルタ回路出力電圧を検出するフィルタ回路出力電圧検出部と、
    フィルタ回路出力電圧検出部で検出した電圧検出値と、インバータの出力制御に係る電圧指令値と、の偏差を導出する偏差演算部と、
    偏差演算部により導出した偏差の時間に対する変動特性に基づいて、フィルタ回路を構成している複数個の電気部品における端子間短絡の有無を判定する短絡判定部と、
    を備えたことを特徴とするフィルタ回路の短絡検知装置。
  3. インバータ出力側のフィルタ回路から出力されるフィルタ回路出力電力を検出するフィルタ回路出力電力検出部と、
    フィルタ回路出力電力検出部で検出した電力検出値と、インバータの出力制御に係る電力指令値と、の偏差を導出する偏差演算部と、
    偏差演算部により導出した偏差の時間に対する変動特性に基づいて、フィルタ回路を構成している複数個の電気部品における端子間短絡の有無を判定する短絡判定部と、
    を備えたことを特徴とするフィルタ回路の短絡検知装置。
  4. インバータ出力側のフィルタ回路から出力されるフィルタ回路出力電流を検出するフィルタ回路出力電流検出部と、
    インバータ出力側のフィルタ回路から出力されるフィルタ回路出力電圧を検出するフィルタ回路出力電圧検出部と、
    インバータ入力側に入力される直流電流を検出するインバータ入力電流検出部と、
    インバータ入力側に入力される直流電圧を検出するインバータ入力電圧検出部と、
    フィルタ回路出力電流検出部の電流検出値およびフィルタ回路出力電圧検出部の電圧検出値によるフィルタ回路出力有効電力と、インバータ入力電流検出部の電流検出値およびインバータ入力電圧検出部の電圧検出値によるインバータ入力有効電力と、の偏差を導出する偏差演算部と、
    偏差演算部により導出した偏差の時間変化に対する変動特性に基づいて、フィルタ回路を構成している複数個の電気部品における端子間短絡の有無を判定する短絡判定部と、
    を備えたことを特徴とするフィルタ回路の短絡検知装置。
  5. インバータ出力側のフィルタ回路から出力されるフィルタ回路出力電流を検出するフィルタ回路出力電流検出部と、
    インバータ出力側のフィルタ回路から出力されるフィルタ回路出力電圧を検出するフィルタ回路出力電圧検出部と、
    インバータからフィルタ回路に入力されるフィルタ回路入力電流を検出するフィルタ回路入力電流検出部と、
    インバータからフィルタ回路に入力されるフィルタ回路入力電圧を検出するフィルタ回路入力電圧検出部と、
    フィルタ回路出力電流検出部の電流検出値およびフィルタ回路出力電圧検出部の電圧検出値によるフィルタ回路出力有効電力と、フィルタ回路入力電流検出部の電流検出値およびフィルタ回路入力電圧検出部の電圧検出値によるフィルタ回路入力有効電力と、の偏差を導出する偏差演算部と、
    偏差演算部により導出した偏差の時間変化に対する変動特性に基づいて、フィルタ回路を構成している複数個の電気部品における端子間短絡の有無を判定する短絡判定部と、
    を備えたことを特徴とするフィルタ回路の短絡検知装置。
  6. インバータ出力側のフィルタ回路から出力されるフィルタ回路出力電流を検出するフィルタ回路出力電流検出部と、
    インバータ出力側のフィルタ回路から出力されるフィルタ回路出力電圧を検出するフィルタ回路出力電圧検出部と、
    インバータからフィルタ回路に入力されるフィルタ回路入力電流を検出するフィルタ回路入力電流検出部と、
    インバータからフィルタ回路に入力されるフィルタ回路入力電圧を検出するフィルタ回路入力電圧検出部と、
    フィルタ回路出力電流検出部およびフィルタ回路入力電流検出部の各電流検出値の偏差を演算する電流偏差演算部と、
    フィルタ回路出力電圧検出部およびフィルタ回路入力電圧検出部の各電圧検出値の偏差を演算する電圧偏差演算部と、
    電流偏差演算部および電圧偏差演算部の各偏差の時間変化に対する変動特性に基づいて、フィルタ回路を構成している複数個の電気部品における端子間短絡の有無を判定する短絡判定部と、
    を備えたことを特徴とするフィルタ回路の短絡検知装置。
  7. 短絡判定部は、変動特性において、偏差が所定の偏差閾値の範囲外の状態である閾値範囲外期間を導出して、端子間短絡の有無を判定することを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載のフィルタ回路の短絡検知装置。
  8. 短絡判定部は、変動特性において、偏差が所定の偏差閾値の範囲内の状態である閾値範囲内期間を導出して、端子間短絡の有無を判定することを特徴とする請求項7記載のフィルタ回路の短絡検知装置。
  9. インバータからフィルタ回路に入力されるフィルタ回路入力電流もしくはフィルタ回路入力電圧の周波数成分を検出、または当該フィルタ回路から出力されるフィルタ回路出力電流もしくはフィルタ回路出力電圧の周波数成分を検出する周波数成分検出部と、
    周波数成分検出部で検出した周波数成分における高調波成分の含有率を導出する含有率導出部と、
    含有率導出部により導出した含有率に基づいて、フィルタ回路の直列部を構成しているリアクトルの端子間短絡の有無を判定する短絡判定部と、
    を備えたことを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載のフィルタ回路の短絡検知装置。
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