最初に、本発明の実施形態の内容を列記して説明する。
(1)本発明の実施の形態に係る電力線通信システムは、複数の子装置と、自己のネットワークにおける前記子装置と電力線を介して通信可能な複数の親装置とを備え、前記親装置である要求元親装置は、他の前記親装置である要求先親装置の前記ネットワークに関するネットワーク情報を要求する旨の要求情報を送信し、前記要求先親装置は、前記要求元親装置から前記要求情報を受信して、自己の前記ネットワーク情報を前記要求元親装置へ送信し、前記要求元親装置は、前記要求先親装置から受信した前記ネットワーク情報に基づいて、前記子装置の自己の前記ネットワークへの参入の可否を判断する。
このように、他の親装置のネットワーク情報を取得して自己のネットワークへの子装置の参入の可否を判断する構成により、たとえば子装置の設置に誤りがあった場合において、当該子装置が通信接続すべきでない親装置に通信接続した状態、または親装置に通信接続できない状態が継続することを防ぐことができる。したがって、柔軟でより安定したシステム運用を実現することができる。
(2)好ましくは、前記要求元親装置は、自己の前記ネットワークへの参入を要求した前記子装置であって前記参入を許可しない前記子装置の識別情報を前記要求情報に含めて送信し、前記要求先親装置は、前記識別情報を有する前記子装置が自己の前記ネットワークへの参入が許可される前記子装置である場合に、自己の前記ネットワーク情報を前記要求元親装置へ送信する。
このような構成により、要求元親装置において必要なネットワーク情報を選択的に取得することができるため、ネットワークにおいて伝送されるデータの量を低減させることができる。
(3)好ましくは、前記要求元親装置は、前記要求先親装置から受信した前記ネットワーク情報の一部または全部である参入情報を自己の前記ネットワークにおける前記子装置へ送信し、前記子装置は、前記要求元親装置から受信した前記参入情報に基づいて、前記要求先親装置のネットワークへ参入するための処理を行う。
このような構成により、ある親装置の属するネットワークへ参入済みの子装置が、より良い通信状態となる他の親装置を新たに選択することができる。
(4)本発明の実施の形態に係る親装置は、自己のネットワークにおける1または複数の子装置と電力線を介して通信可能な親装置であって、前記子装置と前記電力線を介して通信する電力線通信部と、処理部とを備え、前記処理部は、他の前記親装置である要求先親装置の前記ネットワークに関するネットワーク情報を要求する旨の要求情報を送信し、前記処理部は、前記要求先親装置から受信した前記ネットワーク情報に基づいて、前記子装置の自己の前記ネットワークへの参入の可否を判断する。
このように、他の親装置のネットワーク情報を取得して自己のネットワークへの子装置の参入の可否を判断する構成により、たとえば子装置の設置に誤りがあった場合において、当該子装置が通信接続すべきでない親装置に通信接続した状態、または親装置に通信接続できない状態が継続することを防ぐことができる。したがって、柔軟でより安定したシステム運用を実現することができる。
(5)本発明の実施の形態に係る親装置は、自己のネットワークにおける1または複数の子装置と電力線を介して通信可能な親装置であって、前記子装置と前記電力線を介して通信する電力線通信部と、処理部とを備え、前記処理部は、他の前記親装置である要求元親装置から自己の前記ネットワークに関するネットワーク情報を要求する旨の要求情報を受信して、自己の前記ネットワーク情報を前記要求元親装置へ送信する。
このように、他の親装置のネットワーク情報を取得して自己のネットワークへの子装置の参入の可否を判断する構成により、たとえば子装置の設置に誤りがあった場合において、当該子装置が通信接続すべきでない親装置に通信接続した状態、または親装置に通信接続できない状態が継続することを防ぐことができる。したがって、柔軟でより安定したシステム運用を実現することができる。
(6)本発明の実施の形態に係る通信制御方法は、複数の子装置と、自己のネットワークにおける前記子装置と電力線を介して通信可能な複数の親装置とを備える電力線通信システムにおける通信制御方法であって、前記親装置である要求元親装置が、他の前記親装置である要求先親装置の前記ネットワークに関するネットワーク情報を要求する旨の要求情報を送信するステップと、前記要求先親装置が、前記要求元親装置から前記要求情報を受信するステップと、前記要求先親装置が、自己の前記ネットワーク情報を前記要求元親装置へ送信するステップと、前記要求元親装置が、前記要求先親装置から受信した前記ネットワーク情報に基づいて、前記子装置の自己の前記ネットワークへの参入の可否を判断するステップとを含む。
このように、他の親装置のネットワーク情報を取得して自己のネットワークへの子装置の参入の可否を判断する構成により、たとえば子装置の設置に誤りがあった場合において、当該子装置が通信接続すべきでない親装置に通信接続した状態、または親装置に通信接続できない状態が継続することを防ぐことができる。したがって、柔軟でより安定したシステム運用を実現することができる。
(7)本発明の実施の形態に係る通信制御方法は、自己のネットワークにおける1または複数の子装置と電力線を介して通信可能な親装置における通信制御方法であって、他の前記親装置である要求先親装置の前記ネットワークに関するネットワーク情報を要求する旨の要求情報を送信するステップと、前記要求先親装置から受信した前記ネットワーク情報に基づいて、前記子装置の自己の前記ネットワークへの参入の可否を判断するステップとを含む。
このように、他の親装置のネットワーク情報を取得して自己のネットワークへの子装置の参入の可否を判断する構成により、たとえば子装置の設置に誤りがあった場合において、当該子装置が通信接続すべきでない親装置に通信接続した状態、または親装置に通信接続できない状態が継続することを防ぐことができる。したがって、柔軟でより安定したシステム運用を実現することができる。
(8)本発明の実施の形態に係る通信制御方法は、自己のネットワークにおける1または複数の子装置と電力線を介して通信可能な親装置における通信制御方法であって、他の前記親装置である要求元親装置から自己の前記ネットワークに関するネットワーク情報を要求する旨の要求情報を受信するステップと、自己の前記ネットワーク情報を前記要求元親装置へ送信するステップとを含む。
このように、他の親装置のネットワーク情報を取得して自己のネットワークへの子装置の参入の可否を判断する構成により、たとえば子装置の設置に誤りがあった場合において、当該子装置が通信接続すべきでない親装置に通信接続した状態、または親装置に通信接続できない状態が継続することを防ぐことができる。したがって、柔軟でより安定したシステム運用を実現することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。また、以下に記載する実施の形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
<第1の実施の形態>
[構成および基本動作]
図1は、本発明の実施の形態に係る電力線通信システムの構成を示す図である。
図1を参照して、電力線通信システム301は、複数のスマートメータ101と、複数のコンセントレータ102と、サーバ103とを備える。サーバ103は、たとえばヘッドエンドである。
なお、電力線通信システム301は、複数のスマートメータ101を備える構成に限らず、1つのスマートメータ101を備える構成であってもよい。また、電力線通信システム301は、1つのサーバ103を備える構成に限らず、複数のサーバ103を備える構成であってもよい。
電力線通信システム301は、たとえば集合住宅151において用いられる。各スマートメータ101は、電力線161を介してコンセントレータ102に接続されている。具体的には、電力線161は、たとえば、集合住宅151において上下階の縦方向に複数系統が配設されており、階ごとにスマートメータ101が接続されている。
スマートメータ101およびコンセントレータ102は、電力線161を介して通信可能である。スマートメータ101およびコンセントレータ102は、たとえば、電力線161を用いた電力線通信により、各種情報をやり取りする。
スマートメータ101は、電力線通信における子機であり、コンセントレータ102は、当該電力線通信における親機である。スマートメータ101は、子装置の一例であり、以下、スマートメータ101を、単に子装置101とも称する。コンセントレータ102は、親装置の一例であり、以下、単に親装置102とも称する。
子装置101は、通信機能付きの電力計量器である。子装置101は、計測対象とする家庭または事業所において消費される電力を示す電力情報をたとえば30分ごとに定期的に取得し、取得した電力情報を親装置102へ送信する。
また、子装置101は、他の子装置101を介して親装置102と通信することが可能である。すなわち、子装置101は、他の子装置101と親装置102との通信を中継する機能を有する。
具体的には、子装置101は、取得した電力情報を他の子装置101を介さずに親装置102へ直接送信する場合もあるし、また、取得した電力情報を1または複数の他の子装置101を介して親装置102へ送信する場合もある。
親装置102およびサーバ103は、有線通信または無線通信により、インターネット10経由で各種情報をやり取りする。
親装置102は、各子装置101から電力情報を受信する。親装置102は、各子装置101から電力情報を受信し、受信した電力情報を集約してサーバ103へ送信するか、または受信した電力情報を個別にサーバ103へ送信する。
サーバ103は、たとえば電力料金情報を親装置102へ送信する。親装置102は、サーバ103から電力料金情報を受信すると、受信した電力料金情報を子装置101へ送信する。
子装置101は、親装置102から電力料金情報を受信すると、受信した電力料金情報をたとえば図示しないHEMS(Home Energy Management System)等の他の装置へ送信する。
親装置102および子装置101間の通信、ならびに各子装置101間の通信は、たとえばG3−PLC Alliance、”Narrowband OFDM PLC specifications for G3−PLC networks”、G3−PLC Alliance、2014年10月(非特許文献1)に記載のG3−PLC規格に従って行われる。
また、たとえば、子装置101、親装置102およびサーバ103間で送受信される情報は、所定の方式に従い暗号化および復号化される。
図2は、本発明の実施の形態に係る電力線通信システムにおける各機器および配線状態の一例を示す図である。図2では、集合住宅151における2系統の電力線161A,161Bを代表的に示す。
図2を参照して、電力系統171からたとえば6.6kVの三相交流電力が集合住宅151に供給される。電力系統171からの交流電力は、たとえばトランス104A,104Bにより200Vの単相三線式の交流電力に変換されて各階に供給される。
電力線161Aには、トランス104A、および親装置102である親装置102Aが接続されている。また、電力線161Aには、たとえば、子装置101である50台の子装置101Aが接続されている。
電力線161Bには、トランス104B、および親装置102である親装置102Bが接続されている。また、電力線161Bには、たとえば、子装置101である50台の子装置101Bが接続されている。
なお、電力線161Aには、49台以下または51台以上の子装置101Aが接続されてもよい。また、電力線161Bには、49台以下または51台以上の子装置101Bが接続されてもよい。また、電力線通信システム301は、親装置102A,102Bを備える構成に限らず、3つ以上の親装置102を備える構成であってもよい。
以下、トランス104A,104Bの各々を、トランス104とも称する。電力線161A,161Bの各々を電力線161とも称する。
子装置101は、装置固有の識別子の一例として、たとえば、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)によって標準化された方法に従って、MAC(Media Access Control)アドレスに基づいて自動的に生成されたEUI−64(64−Bit Extended Unique Identifier)を有する。MACアドレスおよびEUI−64は、たとえば装置の製造時に設定される。
具体的には、50台の子装置101Aは、それぞれEUI−A001〜EUI−A050のEUI−64を有する。50台の子装置101Bは、それぞれEUI−B001〜EUI−B050のEUI−64を有する。
[ネットワークトポロジ]
図3は、本発明の実施の形態に係る電力線通信システムにおけるネットワークトポロジの一例を示す図である。
図3を参照して、親装置102および子装置101は、ネットワーク識別子として、たとえばPAN_ID(Personal Area Network Identification)を有する。各親装置102は、異なるPAN_IDを有する。
親装置102は、たとえば、1または複数の子装置101を管理し、管理対象の子装置101と認証情報および電力情報等のやり取りを行う。
子装置101は、電力情報の送信先となる親装置102と通信接続を確立する。具体的には、EUI−A001,EUI−A002,EUI−A003のEUI−64を有する各子装置101A(以下、子装置101A−1,101A−2,101A−3とも称する。)は、親装置102の管理下にない場合、たとえば親装置102Aと通信接続を確立する。
親装置102A、および親装置102Aの管理下にある子装置101A−1,101A−2,101A−3のPAN_IDは、たとえば「0001」である。
同様に、図示しないEUI−A004〜EUI−A050のEUI−64を有する子装置101AのPAN_IDは、「0001」である。
親装置102A、およびEUI−A001〜EUI−A050のEUI−64を有する子装置101Aは、PA(Personal Area)ネットワークNWAを形成する。
同様に、親装置102Bは、EUI−B001〜EUI−B050のEUI−64を有する子装置101Bを管理する。親装置102B、および親装置102Bの管理下にある各子装置101BのPAN_IDは、たとえば「0002」である。
親装置102B、およびEUI−B001〜EUI−B050のEUI−64を有する子装置101Bは、PAネットワークNWBを形成する。
すなわち、親装置102および子装置101がどのPAネットワークに通信接続されているかは、PAN_IDに基づいて判別することが可能である。
親装置102A,102Bが既にPAネットワークを構築している場合において、たとえば子装置101A−1は、電源がオンされて動作を開始すると、電力情報の送信先となる親装置102Aと通信を開始するための参入処理を行う。
より詳細には、子装置101A−1は、たとえば、自己が有するEUI−A001およびPAN_ID「0001」を含む接続要求、具体的にはJoiningを親装置102Aへ送信する。
親装置102Aは、子装置101A−1から接続要求を受信し、受信した接続要求に含まれるPAN_IDと自己のPAN_IDとが一致することを確認すると、子装置101A−1のPAネットワークNWAへの参入を許可し、子装置101A−1を管理すると判断する。
そして、接続要求に含まれるEUI−A001を用いて子装置101A−1および親装置102A間で認証情報のやり取りが行われ、親装置102Aは、子装置101A−1の認証処理に成功した場合、認証成功を示す認証応答を子装置101A−1へ送信する。
これにより、子装置101A−1および親装置102A間において通信接続が確立する。
そして、子装置101A−1は、親装置102Aから送信された認証応答を受信し、たとえば30分ごとに電力情報を親装置102Aへ送信する。
一方、親装置102Aは、子装置101A−1の認証処理に失敗した場合、認証失敗を示す失敗通知を子装置101A−1へ送信する。
[課題]
ある親装置に、当該親装置と異なるPAネットワークに属する子装置が、当該親装置が接続されている電力線に接続される場合がある。
図4は、本発明の実施の形態に係る電力線通信システムにおいて、子装置が誤接続された配線状態の一例を示す図である。
図4を参照して、電力線161Bに接続されて親装置102Bと通信接続を確立すべき子装置101B−3が、電力線161Aに接続されているものとする。
この場合、子装置101B−3は、電源がオンされて動作を開始すると、電力情報の送信先となる親装置102Bと通信を開始するための参入処理を行う。
しかしながら、子装置101B−3および親装置102B間にはトランス104A,104Bが接続されているため、子装置101B−3および親装置102B間を伝送される信号は、大幅に減衰する。
このため、親装置102Bは、参入処理において子装置101B−3から送信された接続要求を、電力線161A、トランス104A、電力系統171、トランス104B、および電力線161B経由で受信できない場合がある。
また、親装置102Bが、子装置101B−3から送信された接続要求を受信して子装置101B−3の認証処理に成功した場合においても、子装置101B−3および親装置102間の通信が不安定になる場合がある。
これに対して、本発明の実施の形態に係る電力線通信システムでは、以下のような構成および動作により、上記課題を解決する。
上記のような、親装置102Bが子装置101B−3からの接続要求を受信できない場合、子装置101B−3は、たとえば、親装置102B以外の自己と通信可能な親装置102を探索する。
より詳細には、子装置101B−3は、たとえば、送信した接続要求に対する親装置102Bからの認証応答または失敗通知を確認できない場合、親装置102B以外の自己と通信可能な親装置102を探索するためのビーコンリクエストをブロードキャストする。
親装置102Aは、子装置101B−3からビーコンリクエストを受信すると、受信したビーコンリクエストに対するビーコン応答を作成し、作成したビーコン応答を子装置101B−3へ送信する。
子装置101B−3は、たとえば、親装置102Aからのビーコン応答を受信し、受信したビーコン応答に基づいて、親装置102AのPAネットワークNWAへの参入を要求する接続要求を親装置102Aへ送信する。
当該接続要求には、識別情報として子装置101B−3のEUI−64であるEUI−B003と、子装置101B−3の有するPAN_ID「0002」とが含まれる。
電力線通信システム301では、たとえばイーサネット(登録商標)通信用のケーブル(以下、イーサネットケーブルとも称する。)181を用いて、親装置102Aおよび親装置102Bが接続される。
親装置102Aは、たとえば、子装置101B−3から送信された接続要求を受信した場合、受信した接続要求に含まれるPAN_IDと自己のPAN_IDとが一致しないため、子装置101B−3の認証処理に失敗し、認証失敗を示す失敗通知を子装置101B−3へ送信する。
この場合、親装置102Aである要求元親装置は、他の親装置102である要求先親装置のPAネットワークに関するネットワーク情報を要求する旨の要求情報を送信する。
たとえば、親装置102Aは、自己のPAネットワークへの参入を要求した子装置101であって参入を許可しない子装置101の識別情報、たとえばEUI−64を要求情報に含めて送信する。
[親装置の構成]
図5は、本発明の実施の形態に係る電力線通信システムにおける親装置の構成を示す図である。
図5を参照して、親装置102は、電力線通信部21と、親装置間通信部22と、記憶部24と、処理部25とを備える。
電力線通信部21は、子装置101と電力線161を介して通信する。親装置間通信部22は、イーサネットケーブル181等、電力線と異なる伝送路を用いて他の親装置102と通信する。
以下、親装置102Aが備える電力線通信部21、親装置間通信部22、記憶部24および処理部25を、それぞれ、電力線通信部21A、親装置間通信部22A、記憶部24Aおよび処理部25Aとも称し、親装置102Bが備える電力線通信部21、親装置間通信部22、記憶部24および処理部25を、それぞれ、電力線通信部21B、親装置間通信部22B、記憶部24Bおよび処理部25Bとも称する。
親装置102Aにおいて、処理部25Aは、他の親装置102である要求先親装置すなわち親装置102BのPAネットワークに関するネットワーク情報を要求する旨の要求情報を送信する。
より詳細には、電力線通信部21Aは、子装置101B−3から送信された接続要求を受信し、受信した接続要求を処理部25Aへ出力する。
処理部25Aは、電力線通信部21Aから受けた接続要求に含まれるPAN_IDと自己の親装置102AのPAN_IDとが一致しない場合、当該接続要求に含まれるEUI−64すなわちEUI−B003を取得する。
そして、処理部25Aは、親装置102BのPAネットワークNWBに関するネットワーク情報を要求する旨の要求情報を作成し、作成した要求情報にEUI−B003を含めて、当該要求情報を親装置間通信部22Aへ出力する。
親装置間通信部22Aは、処理部25Aから受けた要求情報をイーサネットケーブル181を介して親装置102Bへ送信する。
なお、処理部25Aは、当該要求情報を電力線通信部21A、電力線161A、トランス104A、電力系統171、トランス104B、および電力線161Bを介して親装置102Bへ送信してもよい。
要求先親装置である親装置102Bは、要求元親装置から要求情報を受信する。より詳細には、親装置102Bにおける処理部25Bは、イーサネットケーブル181および親装置間通信部22を介して、他の親装置102である要求元親装置から自己のPAネットワークNWBに関するネットワーク情報を要求する旨の要求情報を受信し、受信した要求情報に含まれるEUI−B003を取得する。
具体的には、親装置102Bにおける親装置間通信部22Bは、親装置102Aから送信された要求情報を受信し、受信した要求情報を処理部25Bへ出力する。
処理部25Bは、親装置間通信部22Bから受けた要求情報に含まれるEUI−B003を取得する。
親装置102Bは、自己のPAネットワークNWBに関するネットワーク情報NIBを保持している。より詳細には、親装置102Bにおける処理部25Bは、自己のPAネットワークNWBに関するネットワーク情報NIBを作成または更新して記憶部24Bに保存する。
図6は、本発明の実施の形態に係る電力線通信システムにおけるネットワーク情報の一例を示す図である。
図6を参照して、ネットワーク情報NIBは、親装置102Bの有するPAN_IDと、PAネットワークNWBへの参入を許可すべき各子装置101のEUI−64とを含む。
たとえば、親装置102Bにおけるネットワーク情報NIBは、親装置102の有するPAN_ID「0002」と、親装置102の管理下にある子装置101B−1〜101B−3のEUI−64であるEUI−B001〜EUI−B003を含む。
再び図5を参照して、処理部25Bは、記憶部24Bからネットワーク情報NIBを取得し、要求元親装置からの要求情報に含まれる識別情報と、取得したネットワーク情報NIBに含まれる識別情報とを確認する。
具体的には、処理部25Bは、取得したEUI−B003がネットワーク情報NIBに含まれているか否かを判断する。
要求先親装置である親装置102Bは、受信した要求情報に従って、自己のネットワーク情報NIBを要求元親装置へ送信する。
たとえば、親装置102Bは、要求情報に含まれる識別情報を有する子装置101が自己のPAネットワークNWBへの参入が許可される子装置101である場合に、自己のネットワーク情報NIBを親装置102Aへ送信する。
より詳細には、処理部25Bは、EUI−B003がネットワーク情報NIBに含まれている場合、取得したネットワーク情報NIBを親装置間通信部22Bおよびイーサネットケーブル181を介して要求元親装置である親装置102Aへ送信する。
具体的には、処理部25Bは、EUI−B003がネットワーク情報NIBに含まれている場合、取得したネットワーク情報NIBを親装置間通信部22Bへ出力する。
親装置間通信部22Bは、処理部25Bから受けたネットワーク情報NIBをイーサネットケーブル181を介して親装置102Aへ送信する。
一方、処理部25Bは、EUI−B003がネットワーク情報NIBに含まれていない場合、自己のネットワーク情報NIBを親装置102Aへ送信しない。
なお、処理部25Bは、ネットワーク情報NIBを電力線通信部21B、電力線161B、トランス104B、電力系統171、トランス104A、および電力線161Aを介して要求元親装置へ送信してもよい。
要求元親装置である親装置102Aは、親装置102Bから送信されたネットワーク情報NIBを受信する。より詳細には、親装置102Aにおける処理部25Aは、親装置102Bから送信されたネットワーク情報NIBを、イーサネットケーブル181および親装置間通信部22Aを介して受信し、受信したネットワーク情報NIBを記憶部24Aに保存する。
要求元親装置である親装置102Aは、要求先親装置から受信したネットワーク情報に基づいて、子装置101の自己のPAネットワークNWAへの参入の可否を判断する。
より詳細には、親装置102Aにおける処理部25Aは、要求先親装置からイーサネットケーブル181および親装置間通信部22A経由で受信したネットワーク情報NIBに基づいて、子装置101の自己のPAネットワークNWAへの参入の可否を判断する。
具体的には、処理部25Aは、たとえば、受信した子装置101B−3からの接続要求に含まれる識別情報すなわちEUI−B003と、記憶部24に保存されたネットワーク情報NIBに含まれる識別情報とを照合することにより、子装置101B−3が親装置102Bの管理下にある子装置101であることを確認する。
そして、処理部25Aは、当該接続要求に含まれるEUI−B003が、記憶部24に保存されたネットワーク情報NIBに含まれる場合、子装置101B−3の自己のPAネットワークNWAへの参入を許可し、子装置101B−3を管理すると判断する。
そして、当該接続要求に含まれるEUI−B003を用いて子装置101B−3および親装置102A間で認証情報のやり取りが行われ、処理部25Aは、子装置101B−3の認証処理に成功した場合、認証成功を示す認証応答を電力線通信部21Aおよび電力線161Aを介して子装置101B−3へ送信する。
これにより、親装置102Aは、子装置101B−3から送信された電力情報を受信することができる。
また、親装置102Aは、自己のPAネットワークNWAに関するネットワーク情報NIAを記憶部24に保存している。
処理部25Aは、記憶部24Aに保存されているネットワーク情報NIAに子装置101B−3のEUI−64であるEUI−B003を追加することにより、ネットワーク情報NIAを更新する。
図7は、本発明の実施の形態に係る電力線通信システムにおける、更新後のネットワーク情報の一例を示す図である。
図7を参照して、親装置102Aにおける更新後のネットワーク情報NIAは、親装置102の有するPAN_ID「0001」と、親装置102の管理下にある子装置101A−1〜101A−3,101B−3のEUI−64であるEUI−A001〜EUI−A003,EUI−B003を含む。
。
再び図5を参照して、一方、処理部25Aは、受信した接続要求に含まれるEUI−B003が、記憶部24に保存されたネットワーク情報NIBに含まれない場合、子装置101B−3の認証処理に失敗したと判断し、認証失敗を示す失敗通知を電力線通信部21Aおよび電力線161Aを介して子装置101B−3へ送信する。
なお、電力線通信システム301は、要求先親装置が2つ以上存在する構成であってもよい。この場合、要求元親装置は、たとえば、各要求先親装置へ要求情報を別個に送信してもよいし、要求情報を各要求先親装置へ一度に送信してもよい。
[動作の流れ]
電力線通信システム301における各装置は、メモリを含むコンピュータを備え、当該コンピュータにおけるCPU等の演算処理部は、以下のシーケンス図またはフローチャートの各ステップの一部または全部を含むプログラムを当該メモリからそれぞれ読み出して実行する。これら複数の装置のプログラムは、それぞれ、外部からインストールすることができる。これら複数の装置のプログラムは、それぞれ、記録媒体に格納された状態で流通する。
図8は、本発明の実施の形態に係る電力線通信システムにおける子装置が行う通信経路選択のシーケンスを示す図である。図8は、3つの親装置102A,102B,102Cと、電力線161Bに接続されるべき子装置101であって電力線161Aに接続されている子装置101との動作を代表的に示す。
図8を参照して、まず、子装置101は、接続要求を親装置102Bへ送信する。ここでは、親装置102Bは、接続要求を受信することができないものとする(ステップS101)。
次に、子装置101は、送信した接続要求に対する親装置102Bからの応答を受信できない場合、ビーコンリクエストをブロードキャストすることにより、自己と接続可能な他の親装置102を探索する(ステップS102)。
次に、親装置102Aは、子装置101から送信されたビーコンリクエストを受信し(ステップS103)、受信したビーコンリクエストに対するビーコン応答を子装置101へ送信する(ステップS104)。
次に、子装置101は、親装置102Aから送信されたビーコン応答を受信して、親装置102Aと通信可能であることを確認し、自己の親装置102AのPAネットワークNWAへの参入を要求するための、識別情報を含む接続要求を親装置102Aへ送信する(ステップS105)。
次に、親装置102Aは、子装置101から送信された接続要求を受信すると、受信した接続要求に含まれるPAN_IDと自己のPAN_IDとが一致しないため、子装置101を認証しない(ステップS106)。
次に、親装置102Aは、当該接続要求に含まれる子装置101の識別情報を取得する(ステップS107)。
次に、親装置102Aは、取得した識別情報を、親装置102BにおけるPAネットワークに関するネットワーク情報NIBを要求する旨の要求情報に含めて、当該要求情報を親装置102Bへ送信する(ステップS108)。
また、親装置102Aは、取得した識別情報を、親装置102CにおけるPAネットワークに関するネットワーク情報NICを要求する旨の要求情報に含めて、当該要求情報を親装置102Cへ送信する(ステップS109)。
次に、親装置102Bは、親装置102Aから送信された要求情報を受信し、受信した要求情報に含まれる識別情報を取得する(ステップS110)。
また、親装置102Cは、親装置102Aから送信された要求情報を受信し、受信した要求情報に含まれる識別情報を取得する(ステップS111)。
次に、親装置102Bは、取得した識別情報と、自己の保持するネットワーク情報NIBに含まれる識別情報とを照合する(ステップS112)。
また、親装置102Cは、取得した識別情報と、自己の保持するネットワーク情報NICに含まれる識別情報とを照合する(ステップS113)。
次に、親装置102Bは、取得した識別情報が自己のネットワーク情報NIBに含まれているため、自己の保持するネットワーク情報NIBを親装置102Aへ送信する(ステップS114)。
一方、親装置102Cは、取得した識別情報が自己のネットワーク情報NICに含まれていないため、ネットワーク情報NICを親装置102Aへ送信しない(ステップS115)。
次に、親装置102Aは、親装置102Bから送信されたネットワーク情報NIBを受信し、受信したネットワーク情報NIBを保持する(ステップS116)。
次に、親装置102Aは、保持したネットワーク情報NIBに基づいて、子装置101の自己のPAネットワークNWAへの参入の可否を判断する(ステップS117)。
次に、親装置102Aは、子装置101の識別情報がネットワーク情報NIBに含まれていることから、子装置101の自己のPAネットワークNWAへの参入を許可し、子装置101を管理すると判断する(ステップS118)。
そして、親装置102Aは、子装置101と認証情報のやり取りを行い、子装置101の認証成功を示す認証応答を子装置101へ送信する(ステップS119)。
次に、親装置102Aは、自己の保持するネットワーク情報NIAに当該子装置101の識別情報を追加することにより、ネットワーク情報NIAを更新する(ステップS120)。
次に、子装置101は、親装置102Aからの認証応答の受信後、たとえば30分ごとに電力情報を親装置102Aへ送信する(ステップS121)。
図9は、本発明の実施の形態に係る電力線通信システムにおける要求元親装置が新たな子装置の自己のPAネットワークへの参入を許可する際の動作手順を定めたフローチャートである。
図9を参照して、まず、要求元親装置における処理部25は、子装置101から送信された接続要求を受信し(ステップS201)、受信した接続要求の送信元の子装置101の認証処理に成功した場合(ステップS202でNO)、認証応答を当該子装置101へ送信する(ステップS208)。
一方、要求元親装置における処理部25は、受信した接続要求の送信元の子装置101の認証処理に失敗した場合(ステップS202でYES)、接続要求に含まれる子装置101の識別情報を取得する(ステップS203)。
次に、要求元親装置における処理部25は、取得した識別情報を含む、他の親装置102である要求先親装置のPAネットワークに関するネットワーク情報を要求する旨の要求情報を親装置間通信部22およびイーサネットケーブル181経由で他の親装置102へ送信し(ステップS204)、要求先親装置からのネットワーク情報を待ち受ける(ステップS205)。
要求元親装置における処理部25は、要求先親装置から送信された要求先親装置のPAネットワークに関するネットワーク情報をイーサネットケーブル181および親装置間通信部22経由で受信した場合(ステップS205でYES)、受信したネットワーク情報を保持する(ステップS206)。
次に、要求元親装置における処理部25は、保持したネットワーク情報に基づいて、取得した子装置101の識別情報と、保持したネットワーク情報に含まれる識別情報とを照合することにより、自己のPAネットワークNWAへの当該子装置101の参入の可否を判断する(ステップS207)。
要求元親装置における処理部25は、取得した子装置101の識別情報が、保持したネットワーク情報に含まれる場合(ステップS207でYES)、自己のPAネットワークへの当該子装置101の参入を許可して子装置101を管理すると判断し、当該子装置101と認証情報のやり取りを行い、当該子装置101の認証成功を示す認証応答を電力線通信部21を介して当該子装置101へ送信する(ステップS208)。
一方、要求元親装置における処理部25は、取得した子装置101の識別情報が、保持したネットワーク情報に含まれない場合(ステップS207でNO)、自己のPAネットワークへの当該子装置101の参入を拒否し、当該子装置101の認証失敗を示す失敗通知を電力線通信部21を介して当該子装置101へ送信する(ステップS209)。
図10は、本発明の実施の形態に係る電力線通信システムにおける要求先親装置がネットワーク情報を要求元親装置へ送信する際の動作手順を定めたフローチャートである。
図10を参照して、まず、要求先親装置における処理部25は、要求元親装置から送信された要求情報を、イーサネットケーブル181および親装置間通信部22経由で受信した場合(ステップS301でYES)、受信した要求情報に含まれる識別情報を取得する(ステップS302)。
次に、要求先親装置における処理部25は、記憶部24から自己のPAネットワークに関するネットワーク情報を取得する(ステップS303)。
次に、要求先親装置における処理部25は、取得した識別情報が当該ネットワーク情報に含まれる場合(ステップS304でYES)、当該ネットワーク情報を親装置間通信部22およびイーサネットケーブル181経由で要求元親装置へ送信する(ステップS305)。そして、要求先親装置における処理部25は、新たな要求情報を受信するまで待機する(ステップS301でNO)。
一方、要求先親装置における処理部25は、取得した識別情報が当該ネットワーク情報に含まれない場合(ステップS304でNO)、当該ネットワーク情報を要求元親装置へ送信することなく、新たな要求情報を受信するまで待機する(ステップS301でNO)。
[変形例]
親装置102は、定期的または不定期に、他の親装置102のPAネットワークに関するネットワーク情報を要求する。
より詳細には、図4に示す親装置102Aは、たとえば、子装置101との通信接続の確立後、親装置102BのPAネットワークNWBに関するネットワーク情報NIBを要求する旨の要求情報を送信する。
親装置102Bは、親装置102Aから送信された要求情報を受信し、受信した要求情報に従って、自己が保持するネットワーク情報NIBを親装置102Aへ送信する。
親装置102Aは、親装置102Bから送信されたネットワーク情報NIBを受信する。より詳細には、親装置102Aにおける処理部25Aは、親装置102Bから送信されたネットワーク情報NIBを、イーサネットケーブル181および親装置間通信部22Aを介して受信し、受信したネットワーク情報NIBを記憶部24Aに保存する。
また、親装置102Bは、たとえば、各子装置101との通信接続の確立後、親装置102AのPAネットワークNWAに関するネットワーク情報NIAを要求する旨の要求情報を送信する。
親装置102Aは、親装置102Bから送信された要求情報を受信し、受信した要求情報に従って、自己が保持するネットワーク情報NIAを親装置102Bへ送信する。
親装置102Bは、親装置102Aから送信されたネットワーク情報NIAを受信する。より詳細には、親装置102Bにおける処理部25Bは、親装置102Aから送信されたネットワーク情報NIAを、イーサネットケーブル181および親装置間通信部22Bを介して受信し、受信したネットワーク情報NIBを記憶部24Bに保存する。
また、たとえば、要求元親装置は、要求先親装置から受信したネットワーク情報の一部を自己のPAネットワークにおける子装置101へ送信する。
より詳細には、図4に示す親装置102Aにおける処理部25Aは、たとえば、記憶部24Aに保存したネットワーク情報NIBの一部であるPAN_ID「0002」を取得する。
また、処理部25Aは、記憶部24Aに保存されているネットワーク情報NIAを参照することにより、当該ネットワーク情報NIAに含まれる各EUI−64を取得する。
そして、処理部25Aは、取得したPAN_ID「0002」を、電力線通信部21Aおよび電力線161Aを介して、取得した各EUI−64を有する子装置101へ送信する。
具体的には、処理部25Aは、取得したPAN_ID「0002」を、電力線通信部21Aおよび電力線161Aを介してEUI−A001〜EUI−A003をそれぞれ有する101A−1〜101A−3へ一度に、または別個に送信する。
同様に、親装置102Bにおける処理部25Bは、たとえば、記憶部24Bに保存したネットワーク情報NIAの一部であるPAN_ID「0001」を取得する。
また、処理部25Bは、記憶部24Bに保存されているネットワーク情報NIBを参照することにより、当該ネットワーク情報NIBに含まれる各EUI−64を取得する。
そして、処理部25Bは、取得したPAN_ID「0001」を、電力線通信部21Bおよび電力線161Bを介して取得した各EUI−64を有する子装置101へ送信する。
具体的には、処理部25Bは、取得したPAN_ID「0001」を、電力線通信部21Bおよび電力線161Bを介してEUI−B001〜EUI−B003をそれぞれ有する101B−1〜101B−3へ一度に、または別個に送信する。
なお、要求元親装置は、要求先親装置から受信したネットワーク情報の全部を自己のPAネットワークにおける子装置101へ送信してもよい。
ここで、電力線161Bに接続されて親装置102Bと通信接続を確立すべき子装置101B−3が電力線161Aに接続され、親装置102Bにおいて、子装置101B−3から30分ごとに送信される電力情報のうちの一部の電力情報を受信することができない状況を想定する。
子装置101B−3は、たとえば、送信した電力情報に対するACKが受信できない場合、または、当該ACKを受信した回数が送信した電力情報の回数より少ない場合、他の親装置102のPAネットワークへ参入を試みる。
たとえば、子装置101B−3は、要求元親装置から受信したネットワーク情報の一部または全部である参入情報に基づいて、要求先親装置のPAネットワークへ参入するための処理を行う。
たとえば、子装置101B−3は、親装置102Bから送信されたネットワーク情報NIAの一部または全部である参入情報を電力線161B、トランス104B、電力系統171、トランス104Aおよび電力線161A経由で受信して保持する。
子装置101B−3は、保持した参入情報を参照することにより、自己がPAネットワークNWAへ参入可能であることを確認する。
そして、子装置101B−3は、保持した参入情報に基づいて、PAネットワークNWAへ参入するための処理を行う。
より詳細には、子装置101B−3は、たとえば、保持した参入情報に基づいて、親装置102AのPAネットワークNWAへの参入を要求するための接続要求を親装置102Aへ送信する。
当該接続要求には、識別情報として自己のEUI−64であるEUI−B003と、参入情報の示すPAN_ID「0001」とが含まれる。
親装置102Aは、子装置101B−3から送信された接続要求を受信し、受信した接続要求に含まれるPAN_IDと自己のPAN_IDとが一致することを確認すると、子装置101B−3を管理すると判断する。
そして、当該接続要求に含まれるEUI−B003を用いて子装置101B−3および親装置102A間で認証情報のやり取りが行われ、親装置102Aは、子装置101B−3の認証処理に成功した場合、認証成功を示す認証応答を子装置101B−3へ送信する。
また、親装置102Aは、保持するネットワーク情報NIAにEUI−B003を追加することにより、ネットワーク情報NIAを更新する。
一方、親装置102Aは、子装置101B−3の認証処理に失敗した場合、認証失敗を示す失敗通知を子装置101B−3へ送信する。
図11は、本発明の実施の形態に係る電力線通信システムの変形例において、親装置が、自己の管理下の子装置が参入可能な他のPAネットワークを当該子装置へ通知するシーケンスを示す図である。
図11は、2つの親装置102A,102Bと、電力線161Bに接続されるべき子装置101であって電力線161Aに接続されている子装置101との動作を代表的に示す。
図11を参照して、まず、親装置102Aは、たとえば、親装置102BのPAネットワークNWBに関するネットワーク情報NIBを要求する旨の要求情報を親装置102Bへ送信する(ステップS401)。
次に、親装置102Bは、親装置102Aから送信された要求情報を受信して、自己が保持するネットワーク情報NIBを親装置102Aへ送信する(ステップS402)。
次に、親装置102Aは、親装置102Bから送信されたネットワーク情報NIBを受信して保持する(ステップS403)。
次に、親装置102Bは、たとえば、親装置102AのPAネットワークNWAに関するネットワーク情報NIAを要求する旨の要求情報を親装置102Aへ送信する(ステップS404)。
次に、親装置102Aは、親装置102Aから送信された要求情報を受信して、自己が保持するネットワーク情報NIAを親装置102Bへ送信する(ステップS405)。
次に、親装置102Bは、親装置102Aから送信されたネットワーク情報NIAを受信して保持する(ステップS406)。
次に、親装置102Bは、保持したネットワーク情報NIAの一部または全部である参入情報を子装置101へ送信する(ステップS407)。
次に、子装置101は、親装置102Bから送信された参入情報を受信して保持する(ステップS408)。
次に、子装置101は、たとえば、電力情報を親装置102Bへ送信する(ステップS409)。
次に、子装置101は、たとえば、送信した電力情報に対するACKが受信できない、または、当該ACKを受信した回数が送信した電力情報の回数より少ない等の親装置102Bとの通信状態の不良を検知する(ステップS410)。
次に、子装置101は、保持した参入情報を参照することにより、自己がPAネットワークNWAへ参入可能であることを確認し、PAネットワークNWAへの自己の参入を要求するための接続要求を、PAネットワークNWAを管理する親装置102Aへ送信する(ステップS411)。
次に、親装置102Aは、子装置101から送信された接続要求を受信して子装置101の自己のPAネットワークNWAへの参入を許可し、子装置101を管理すると判断する(ステップS412)。
そして、親装置102Aは、当該子装置101と認証情報のやり取りを行い、子装置101の認証成功を示す認証応答を子装置101へ送信する(ステップS413)。
次に、子装置101は、親装置102Aからの認証応答の受信後、たとえば30分ごとに電力情報を親装置102Aへ送信する(ステップS414)。
なお、ステップS401〜S403とステップS404〜S406との順番は、上記に限らず入れ替えてもよいし、並行して行ってもよい。
電力線通信システム301の変形例において、親装置102は、図8〜図10を用いて説明した動作と同様に、自己の属するPAネットワークと異なるPAネットワークに属する子装置101から接続要求を受信した場合、他の親装置102から受信したネットワーク情報に基づいて、当該子装置101の自己の属するPAネットワークへの参入の可否を判断してもよい。
ところで、電力情報通信システムにおいて、たとえば端末装置が誤った電力線に接続された場合においても、測定した消費電力量等を電力会社等のサーバへ送信可能となるような、柔軟でより安定したシステム運用を実現する技術が望まれる。
そこで、本発明の実施の形態に係る電力線通信システムでは、親装置102である要求元親装置は、他の親装置102である要求先親装置のPAネットワークに関するネットワーク情報を要求する旨の要求情報を送信する。要求先親装置は、要求元親装置から要求情報を受信して、自己のネットワーク情報を要求元親装置へ送信する。要求元親装置は、要求先親装置から受信したネットワーク情報に基づいて、子装置101の自己のPAネットワークへの参入の可否を判断する。
このように、他の親装置102のネットワーク情報を取得して自己のPAネットワークへの子装置101の参入の可否を判断する構成により、たとえば子装置101の設置に誤りがあった場合において、当該子装置101が通信接続すべきでない親装置102に通信接続した状態、または親装置102に通信接続できない状態が継続することを防ぐことができる。
したがって、本発明の実施の形態に係る電力線通信システムでは、柔軟でより安定したシステム運用を実現することができる。
また、本発明の実施の形態に係る電力線通信システムでは、要求元親装置は、自己のPAネットワークへの参入を要求した子装置101であって参入を許可しない子装置101の識別情報を要求情報に含めて送信する。要求先親装置は、当該識別情報を有する子装置101が自己のPAネットワークへの参入が許可される子装置101である場合に、自己のネットワーク情報を要求元親装置へ送信する。
このような構成により、要求元親装置において必要なネットワーク情報を選択的に取得することができるため、ネットワークにおいて伝送されるデータの量を低減させることができる。
また、本発明の実施の形態に係る電力線通信システムでは、要求元親装置は、要求先親装置から受信したネットワーク情報の一部または全部である参入情報を自己のPAネットワークにおける子装置101へ送信する。子装置101は、要求元親装置から受信した参入情報に基づいて、要求先親装置のPAネットワークへ参入するための処理を行う。
このような構成により、ある親装置102の属するネットワークへ参入済みの子装置101が、より良い通信状態となる他の親装置102を新たに選択することができる。
また、本発明の実施の形態に係る親装置では、電力線通信部21は、子装置101と電力線161を介して通信する。処理部25は、他の親装置102である要求先親装置のPAネットワークに関するネットワーク情報を要求する旨の要求情報を送信する。処理部25は、要求先親装置から受信したネットワーク情報に基づいて、子装置101の自己のPAネットワークへの参入の可否を判断する。
このように、他の親装置102のネットワーク情報を取得して自己のPAネットワークへの子装置101の参入の可否を判断する構成により、たとえば子装置101の設置に誤りがあった場合において、当該子装置101が通信接続すべきでない親装置102に通信接続した状態、または親装置102に通信接続できない状態が継続することを防ぐことができる。
したがって、本発明の実施の形態に係る親装置では、柔軟でより安定したシステム運用を実現することができる。
また、本発明の実施の形態に係る親装置では、電力線通信部21は、子装置101と電力線161を介して通信する。処理部25は、他の親装置102である要求元親装置から自己のPAネットワークに関するネットワーク情報を要求する旨の要求情報を受信して、自己のネットワーク情報を要求元親装置へ送信する。
このように、他の親装置102のネットワーク情報を取得して自己のPAネットワークへの子装置101の参入の可否を判断する構成により、たとえば子装置101の設置に誤りがあった場合において、当該子装置101が通信接続すべきでない親装置102に通信接続した状態、または親装置102に通信接続できない状態が継続することを防ぐことができる。
したがって、本発明の実施の形態に係る親装置では、柔軟でより安定したシステム運用を実現することができる。
また、本発明の実施の形態に係る電力線通信システムにおける通信制御方法では、まず、親装置102である要求元親装置が、他の親装置102である要求先親装置のPAネットワークに関するネットワーク情報を要求する旨の要求情報を送信する。次に、要求先親装置が、要求元親装置から要求情報を受信する。次に、要求先親装置が、自己のネットワーク情報を要求元親装置へ送信する。次に、要求元親装置が、要求先親装置から受信したネットワーク情報に基づいて、子装置101の自己のPAネットワークへの参入の可否を判断する。
このように、他の親装置102のネットワーク情報を取得して自己のPAネットワークへの子装置101の参入の可否を判断する構成により、たとえば子装置101の設置に誤りがあった場合において、当該子装置101が通信接続すべきでない親装置102に通信接続した状態、または親装置102に通信接続できない状態が継続することを防ぐことができる。
したがって、本発明の実施の形態に係る電力線通信システムにおける通信制御方法では、柔軟でより安定したシステム運用を実現することができる。
また、本発明の実施の形態に係る親装置における通信制御方法では、まず、他の親装置102である要求先親装置のPAネットワークに関するネットワーク情報を要求する旨の要求情報を送信する。次に、要求先親装置から受信したネットワーク情報に基づいて、子装置101の自己のネットワークへの参入の可否を判断する。
このように、他の親装置102のネットワーク情報を取得して自己のPAネットワークへの子装置101の参入の可否を判断する構成により、たとえば子装置101の設置に誤りがあった場合において、当該子装置101が通信接続すべきでない親装置102に通信接続した状態、または親装置102に通信接続できない状態が継続することを防ぐことができる。
したがって、本発明の実施の形態に係る親装置における通信制御方法では、柔軟でより安定したシステム運用を実現することができる。
また、本発明の実施の形態に係る親装置における通信制御方法では、まず、他の親装置102である要求元親装置から自己のPAネットワークに関するネットワーク情報を要求する旨の要求情報を受信する。次に、自己のネットワーク情報を要求元親装置へ送信する。
このように、他の親装置102のネットワーク情報を取得して自己のPAネットワークへの子装置101の参入の可否を判断する構成により、たとえば子装置101の設置に誤りがあった場合において、当該子装置101が通信接続すべきでない親装置102に通信接続した状態、または親装置102に通信接続できない状態が継続することを防ぐことができる。
したがって、本発明の実施の形態に係る親装置における通信制御方法では、柔軟でより安定したシステム運用を実現することができる。
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
以上の説明は、以下に付記する特徴を含む。
[付記1]
複数の子装置と、
自己のネットワークにおける前記子装置と電力線を介して通信可能な複数の親装置とを備え、
前記親装置である要求元親装置は、他の前記親装置である要求先親装置の前記ネットワークに関するネットワーク情報を要求する旨の要求情報を送信し、
前記要求先親装置は、前記要求元親装置から前記要求情報を受信して、自己の前記ネットワーク情報を前記要求元親装置へ送信し、
前記要求元親装置は、前記要求先親装置から受信した前記ネットワーク情報に基づいて、前記子装置の自己の前記ネットワークへの参入の可否を判断し、
前記ネットワーク情報は、ネットワーク識別子と、対応の前記ネットワークへの参入を許可すべき1または複数の前記子装置の識別情報とを含み、
前記親装置は、前記電力線と異なる伝送路を用いて他の前記親装置と通信する親装置間通信部を備える、電力線通信システム。
[付記2]
自己のネットワークにおける1または複数の子装置と電力線を介して通信可能な親装置であって、
前記子装置と前記電力線を介して通信する電力線通信部と、
処理部とを備え、
前記処理部は、他の前記親装置である要求先親装置の前記ネットワークに関するネットワーク情報を要求する旨の要求情報を送信し、
前記処理部は、前記要求先親装置から受信した前記ネットワーク情報に基づいて、前記子装置の自己の前記ネットワークへの参入の可否を判断し、
前記ネットワーク情報は、ネットワーク識別子と、対応の前記ネットワークへの参入を許可すべき1または複数の前記子装置の識別情報とを含み、
前記親装置は、前記電力線と異なる伝送路を用いて他の前記親装置と通信する親装置間通信部を備える、親装置。
[付記3]
自己のネットワークにおける1または複数の子装置と電力線を介して通信可能な親装置であって、
前記子装置と前記電力線を介して通信する電力線通信部と、
処理部とを備え、
前記処理部は、他の前記親装置である要求元親装置から自己の前記ネットワークに関するネットワーク情報を要求する旨の要求情報を受信して、自己の前記ネットワーク情報を前記要求元親装置へ送信し、
前記ネットワーク情報は、ネットワーク識別子と、対応の前記ネットワークへの参入を許可すべき1または複数の前記子装置の識別情報とを含み、
前記親装置は、前記電力線と異なる伝送路を用いて他の前記親装置と通信する親装置間通信部を備える、親装置。