JP2020047536A - 密閉型電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】バラツキなく低い内圧で作動する防爆弁を有する密閉型電池を提供する。【解決手段】開口を有する有底円筒形の電池缶100と、前記電池缶に収容される電極体と、前記電池缶の前記開口を塞ぐ封口板300と、を具備し、前記封口板は、前記電池缶の外側を向く第1主面300Xと、前記第1主面とは反対側の第2主面300Yと、を有し、前記第1主面には、円弧状の第1溝301が形成されており、前記第2主面には、前記第1溝に対応するように配置される円弧状の第2溝302が形成されており、前記第1溝および前記第2溝の中心角は、それぞれ180°以上、300°以下であり、前記封口板の径方向に沿って切断された断面において、前記第1溝の第1底部の長さL1は、前記第2溝の第2底部の長さL2より小さい、密閉型電池。【選択図】図3

Description

本発明は、電池缶と、電池缶に収容された電極体と、電池缶の開口を塞ぐ封口板とを具備する密閉型電池に関する。
異常な充放電や火中への投下等の誤使用時、密閉型電池の内部でガスが発生して、内圧が上昇する場合がある。このときの安全装置として、密閉型電池には、通常、防爆弁が設けられている。防爆弁が開くことにより、電池の破裂や膨れが抑制される。防爆弁は、例えば、電池缶を封口する封口板の一部をプレス加工して形成される薄肉部である。
特許文献1は、薄肉部を、内角が90°〜150°の円弧状に形成することを開示している。さらに、特許文献1は、封口板の内側の面に2回のプレス加工を施して、薄肉部を階段状にすることを提案している。
特開2005−235531号公報
特許文献1のように、内角が90°〜150°の薄肉部を形成すると、防爆機能が作動したときの開口面積が小さくなる。よって、内容物の飛び出しが抑制される。一方、作動圧は高くなる。また、薄肉部が階段状であると、内圧が上昇した時に薄肉部にかかる応力が集中し難くなるため、作動圧のバラツキが大きくなり易い。
本発明の一局面は、開口を有する有底円筒形の電池缶と、前記電池缶に収容される電極体と、前記電池缶の前記開口を塞ぐ封口板と、を具備し、前記封口板は、前記電池缶の外側を向く第1主面と、前記第1主面とは反対側の第2主面と、を有し、前記第1主面には、円弧状の第1溝が形成されており、前記第2主面には、前記第1溝に対応するように配置される円弧状の第2溝が形成されており、前記第1溝および前記第2溝の中心角は、それぞれ180°以上、300°以下であり、前記封口板の径方向に沿って切断された断面において、前記第1溝の第1底部の長さL1は、前記第2溝の第2底部の長さL2より小さい、密閉型電池に関する。
本発明によれば、バラツキなく低い内圧で作動する防爆弁を有する密閉型電池を提供できる。
本発明の一実施形態に係る封口板を第1主面側から見た上面模式図である。 本発明の一実施形態に係る封口板を第2主面側から見た上面模式図である。 本発明の一実施形態に係る電池の要部の断面模式図である。 密閉型電池の内圧が高まったときの様子を、密閉型電池の要部の断面で示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る第1溝を拡大した断面模式図である。 本発明の他の実施形態に係る第1溝を拡大した断面模式図である。 本発明のさらに他の実施形態に係る第1溝を拡大した断面模式図である。 本発明の一実施形態に係る第2溝を拡大した断面模式図である。 第1実施形態に係る封口板の要部を拡大した断面模式図である。 第2実施形態に係る封口板の要部を拡大した断面模式図である。 第3実施形態に係る封口板の要部を拡大した断面模式図である。 第4実施形態に係る封口板の要部を拡大した断面模式図である。 第5実施形態に係る封口板の要部を拡大した断面模式図である。 本発明の一実施形態に係る電池の縦断面模式図である。 比較例7〜10で作製された封口板の要部を拡大した断面模式図である。
本実施形態に係る密閉型電池は、開口を有する有底円筒形の電池缶と、電池缶に収容される電極体と、電池缶の開口を塞ぐ封口板と、を具備する。封口板は、電池缶の外側を向く第1主面と、第1主面とは反対側の第2主面と、を有し、第1主面には、円弧状の第1溝が形成されており、第2主面には、第1溝に対応するように配置される円弧状の第2溝が形成されている。第1溝および第2溝の中心角は、それぞれ180°以上、300°以下である。封口板の径方向に沿って切断された断面において、第1溝の第1底部の長さL1は、第2溝の第2底部の長さL2より小さい。
以下、本発明の実施形態に係る密閉型電池(以下、単に電池と称する場合がある。)について、適宜図面を参照しながら具体的に説明するが、本発明は、これに限定されるものではない。図示例において、同じ機能を有する部材には、同じ符号を付している。
図1は、封口板を第1主面側から見た上面模式図であり、図2は、封口板を第2主面側から見た上面模式図である。図1および図2では、便宜的に、第1溝301、第2溝302およびガスケット310にハッチングを付している。
封口板には、円弧状に薄肉部が形成されている。薄肉部は、第1主面300Xおよび第2主面300Yに形成された溝によって構成される。第1主面300Xには第1溝301が形成されており、第2主面300Yには、第1溝301に対応するように第2溝302が形成されている。
第1溝301と第2溝302とが対応するように形成されているとは、封口板を、例えば第1主面300Xの法線方向から見たとき、第1溝301の少なくとも一部(好ましくは全部)が第2溝302に重複することをいう。
本実施形態では、第1溝301および第2溝302の中心角(以下、ベント角と称す場合がある。)を、それぞれ180°以上、300°以下にする。ベント角は、防爆機能が作動する際の内圧(作動圧)に影響する。それぞれのベント角が180°以上であれば、作動圧が低くなり易い。そのため、内容物の飛散も抑制される。それぞれのベント角が300°以下であれば、封口板の第1溝301を延長してできる円で囲まれた部分が、内圧によって完全に分離することが抑制される。
各ベント角は、200°以上であってよく、270°以下であってよい。第1溝301および第2溝302のベント角は、同じであってよく、それぞれ異なっていてもよい。第1溝301のベント角が第2溝302のベント角より小さいと、応力が第1溝301により集中し易くなるため、作動圧はより小さくなり易い。
第1溝301のベント角(第1ベント角X)は、封口板の中心Cと第1溝301の一方の最端部とを結ぶ線分S11と、封口板の中心Cと第1溝301の他方の最端部とを結ぶ線分S12とが成す大きい方の角度である。線分S11およびS12は、第1ベント角Xが最も大きくなるように引けばよい。
第2溝302のベント角(第2ベント角Y)は、同様に、封口板300の中心Cと第2溝302の一方の最端部とを結ぶ線分S21と、封口板300の中心Cと第2溝302の他方の最端部とを結ぶ線分S22とが成す大きい方の角度である。線分S21およびS22は、第2ベント角Yが最も大きくなるように引けばよい。
内容物の飛散防止の観点から、作動圧は、2.5MPa以下であってよく、2MPa以下であってよい。本実施形態によれば、作動圧が多少バラつく場合にも、作動圧はこの範囲に含まれ得る。
図3は、本実施形態に係る電池の要部の断面模式図である。
封口板300は、電池缶100の開口近傍に固定され、開口を塞いでいる。封口板300は、電池缶の外側を向く第1主面300Xと、第1主面300Xとは反対側の第2主面300Yと、を備え、中央に貫通孔S(図1参照)を備えるドーナツ状である。封口板300の中央にある貫通孔Sには、絶縁性のガスケット310およびワッシャ320を介して、先端部分がつぶされた外部端子330が固定されている。外部端子330には、電極体を構成する正極または負極から導出された内部リード線210の端部が接続されている。以下、封口板300と、ガスケット310と、ワッシャ320と、外部端子330と、により構成された部材を封口体と称する場合がある。ただし、封口板300および封口体の形状はこれに限定されない。
図4は、密閉型電池の内圧が高まったときの様子を、密閉型電池の要部の断面で示す説明図である。
電池の内圧が上昇すると、封口板300が外方に向けて盛り上がる方向に圧力がかかる。このとき、電池缶100の内側を向く第2主面300Yに形成された第2溝302には、圧縮応力が集中してかかる。一方、電池缶の外側を向く第1主面300Xに形成された第1溝301には、引っ張り応力が発生する。薄肉部にこれら相反する二つの応力がかかることにより、薄肉部の破断が生じ、防爆機能が作動して内圧が低減する。
本実施形態では、封口板300の径方向に沿って切断された断面から見たとき、第1溝301の底部(第1底部)の長さL1を、第2溝302の底部(第2底部)の長さL2より小さくする。これにより、引張り応力は、第1溝301の狭い第1底部により集中し易くなる。そのため、封口板300は薄肉部で速やかに破断されて、作動圧のバラツキが小さくなる。このように、ベント角を特定の範囲にするとともに、第1底部を狭くすることにより、防爆機能は、低い作動圧でバラツキなく作動する。
長さL1の長さL2に対する割合は100%未満である。長さL1の長さL2に対する割合は、50%以下であってよい。バラツキがさらに小さくなる点で、長さL1の長さL2に対する割合は30%以下であってよく、15%以下であってよく、10%以下であってよい。長さL1の長さL2に対する割合は、0.5%以上であってよい。長さL1の長さL2に対する割合は、0.5%以上、15%以下が好ましく、0.5%以上、10%以下が好ましい。
長さL1は、例えば、0.01mm以上であってよく、0.03mm以上であってよい。長さL1が0.01mmである第1底部は、点状であり得る。長さL1は、例えば、0.5mm以下であってよい。長さL1は、0.03mm以上、0.5mm以下が好ましい。長さL2は、例えば、0.3mm以上であってよく、1.5mm以下であってよい。長さL1およびL2が小さいほど、内圧上昇時に薄肉部にかかる応力は集中し易くなる。
溝の底部とは、溝の一番深い部分である。具体的には、封口板300の径方向に沿って切断された断面において、溝の内壁の接線を引いたとき、当該接線と、当該溝が形成されている主面とが成す鋭角θが20°以下である領域が、当該溝の底部である。第1底部の形状は、直線状であり得、円弧状であり得、点状であり得る。加工性の観点から、第1底部の形状は直線状であってよく、円弧状であってよい。第2底部の形状は、直線状であり得、円弧状であり得る。圧縮応力が集中し易い点で、第2底部の形状は直線状であってよい。
図5A〜図5Cは、本実施形態に係る第1溝を拡大した断面模式図である。図5A〜図5Cでは、便宜的に、第1溝301の断面に相当する領域にのみハッチングを付している。
図5Aに示すように、第1溝301が平坦で、第1主面300Xと略平行な領域を備える場合、第1底部3011は当該領域であり、その領域の第1主面300X方向の長さが第1底部3011の長さL1である。
図5Bに示すように、第1溝301が、平坦であるが、第1主面300Xとの成す鋭角θが0°より大きく、20°以下である領域を備える場合、第1底部3011は当該領域であり、その領域の第1主面300X方向の長さが第1底部3011の長さL1である。
図5Cに示すように、第1溝301が、曲面の領域を備える場合も同様に、第1溝の内壁の接線と第1主面300Xとが成す鋭角θが20°以下である領域が、第1底部3011であり、その領域の第1主面300X方向の長さが第1底部3011の長さL1である。
より具体的には、第1溝301における第1底部3011は、以下のようにして決定できる。まず、第1溝301の内壁の接線を、第1溝301の内壁と第1主面300Xとの2つの交点の一方(交点301a)から、他方の交点(交点301b)まで引いていく。内壁上に、接線と第1主面300Xとが成す鋭角θが20°以上あるいは20°以下の境界となる境界点が2つある場合、この2つの境界点に挟まれた領域を、第1底部3011とする。上記2つの境界点から、それぞれ第1主面300Xに垂直に交わる直線を引き、この直線間の距離を、第1底部3011の長さL1とする。
上記境界点が3つ以上ある場合、最も端にある境界点同士に挟まれた領域を、第1底部3011とすればよい。境界点が1つである場合、その境界点が第1底部3011である。
第1溝301の内壁のうち、第1底部3011以外の領域は、第1側面部3012または第1側面部3013である。封口板300の外周側にある第1側面部3012は、交点301bと、上記境界点の内、交点301bに最も近い境界点とを結ぶ領域である。第1側面部3012の傾斜角度θ12(図5A参照)は、交点301bと交点301bに最も近い境界点とを結ぶ直線と、第1主面300Xとの成す角度として求めてもよい。封口板300の内周側にある第1側面部3013は、交点301aと、上記境界点の内、交点301aに最も近い境界点とを結ぶ領域である。第1側面部3013の傾斜角度θ13(図5A参照)は、交点301aと交点301aに最も近い境界点とを結ぶ直線と、第1主面300Xとの成す角度として求めてもよい。
図6は、本実施形態に係る第2溝を拡大した断面模式図である。図6では、便宜的に、第2溝302の断面に相当する領域にのみハッチングを付している。
第2底部3021も、同様にして決定できる。つまり、第2溝302の内壁の接線を引いたとき、当該接線と第2主面300Yとが成す鋭角θが20°以下である領域が、第2底部3021である。その領域の第2主面300Y方向の長さが、第2底部の長さL2である。第2溝302の内壁のうち、第2底部3021以外の領域(第2側面部3022および3023)も、同様にして決定できる。これらの傾斜角度(θ22およびθ23)も同様にして決定できる。
長さL1は、異なる3つの断面を用いて測定された第1底部3011の長さの平均値である。長さL2も同様にして求められる。
封口板300の径方向に沿って切断された断面において、第1溝301の断面積は、第2溝302の断面積より小さくてもよい。これにより、引張り応力は、第1溝301にさらに集中しやすくなる。第1溝301の断面積は、上記2つの交点301aおよび301bを結ぶ直線と、第1溝301の内壁と、により囲まれた領域の面積である。第2溝302の断面積は、同様に、第2主面300Yとの2つの交点(302aおよび302b)を結ぶ直線と、第2溝302の内壁と、により囲まれた領域の面積である。断面積は、異なる3つの断面を用いて測定された断面積の平均値である。
第1溝301の断面積の第2溝302の断面積に対する割合は、100%未満である。第1溝301の断面積の第2溝の302の断面積に対する割合は、50%以下であってよい。バラツキがさらに小さくなる点で、第1溝301の断面積の第2溝の302の断面積に対する割合は30%以下であってよく、15%以下であってよく、10%以下であってよい。第1溝301の断面積の第2溝の302の断面積に対する割合は0.5%以上であってよい。
第1溝301および第2溝302の深さは特に限定されない。
第1溝301の深さD1および第2溝302の深さD2は、薄肉部の厚みDmが、封口板300の厚みDの5%以上、30%以下になるように設定してもよい。薄肉部の厚みDmが上記範囲であれば、封口板300の強度を維持しながら、防爆機能を発揮することが容易である。深さD1およびD2は、それぞれ独立して封口板300の厚みDの20%以上であってよく、30%以上であってよい。深さD1およびD2は、それぞれ独立して封口板300の厚みDの80%以下であってよく、70%以下であってよい。
具体的には、薄肉部の厚みDmが、例えば、0.03mm以上、0.1mm以下になるように、深さD1およびD2を設定してもよい。封口板300の厚みDが0.3mmの場合、深さD1および深さD2は、それぞれ独立して0.1mm以上であってよく、0.2mm以下であってよい。薄肉部の厚みDmは、例えば、封口板300の厚みDから、深さD1および深さD2を引いた数値である。
深さD1およびD2は、同じであってもよく、互いに異なっていてもよい。引張り応力がより集中し易くなる点で、深さD2はD1より大きくてよい。加工性の観点から、深さD1とD2とは同じであってよい。
第1溝301の深さD1は、上記の交点301aと301bとを結ぶ直線から第1底部3011にまで垂直に引いた線分の最大の長さである。第2溝302の深さD2は、同様に、上記の交点302aと302bとを結ぶ直線から、第2底部3021にまで垂直に引いた線分の最大の長さである。深さD1およびD2は、異なる3つの断面を用いて測定された深さの平均値である。
第1溝301の見かけの幅W1(交点301aと301bとを結ぶ直線の長さ)は特に限定されない。加工性の観点から、見かけの幅W1は、第1底部3011の長さL1以上であってよく、長さL1より大きくてよい。第2溝302の見かけの幅W2も同様に、特に限定されない。加工性の観点から、見かけの幅W2は、第2底部3021の長さL2以上であってよく、長さL2より大きくてよい。見かけの幅W1およびW2は、異なる3つの断面を用いて測定された見かけの幅の平均値である。
第1溝301および第2溝302の配置は、対応している限り特に限定されない。各溝の配置は、封口板300の半径、封口板300の中央に形成される貫通孔Sの半径等に応じて、適宜設定すればよい。例えば、第1主面300Xをその法線方向から見たとき、第1底部3011の中心C1が、封口板300の外縁から、封口板300の半径rの25%から70%までの領域にあってよい(図1参照)。第2溝302も同様に、第2主面300Yをその法線方向から見たとき、第2底部3021の中心C2が、封口板300の外縁から、封口板300の半径rの25%から70%までの領域に配置されるように、形成されてよい(図2参照)。
防爆機能の観点から、第1主面300Xをその法線方向から見たとき、第1底部3011の全部が、第2底部3021に重複していることが好ましい。第1底部3011の中心C1と第2底部3021の中心C2とは、重複してもよいし、重複していなくてもよい。
第1底部3011の中心C1は、以下のように決定できる。まず、上記の第1底部3011と第1側面部との2つの境界点から、それぞれ第1主面300Xに垂直に交わる直線を引き、この直線を最短で繋ぐ線分を決める。この線分の中点を通り、第1主面300Xに垂直に交わる直線CL1と、第1底部3011との交点が中心C1である(図5A参照)。第2底部3021の中心C2も、同様に決定できる。
第1溝301および第2溝302の断面形状は特に限定されない。断面形状は、封口板300の径方向に沿って切断された断面における、各溝の形状である。
第2溝302の断面形状は、圧縮応力が集中し易くなる点で、平坦な第2底部3021と、第2底部3021と第2主面300Yとを繋ぐ2つの相対する第2側面部3022および3023と、を有してもよい。
封口板300の外周側にある第2側面部3022と第2主面300Yとの成す角度θ22は、特に限定されない。封口板300の内周側にある第2側面部3023と第2主面300Yとの成す角度θ23も、特に限定されない。角度θ22および角度θ23は、第2底部3021の長さL2および第2溝302の見かけの幅W2に応じて、適宜設定すればよい。角度θ22および角度θ23は、例えば、45°以上、90°以下であってよく、50°以上、90°未満であってよい。角度θ22および角度θ23は、同じであってもよく、互いに異なっていてもよい。
図13のように、封口板の電池缶の内側を向く面に形成される溝の底部が2段プレス等により階段状になっていると、当該溝の底部の面積が広くなって、結果的に薄肉部の面積が大きくなる。そのため、圧縮応力は、当該溝で分散されてしまい、作動圧のバラツキが生じ易くなる。図13では、便宜的にハッチングを省略している。
以下に、第1溝301の断面形状の例を示す。
[第1実施形態]
図7は、第1実施形態に係る封口板300の要部を拡大した断面模式図である。図7〜図11では、便宜的にハッチングを省略している。
本実施形態において、第1溝301は、平坦な第1底部3011と、第1底部3011と第1主面300Xとを繋ぐ第1側面部3012および3013と、を有している。第2溝302も同様に、平坦な第2底部3021と、第2底部3021と第2主面300Yとを繋ぐ第2側面部3022および3023と、を有している。
ここで、封口板の電池缶の外側を向く面に形成される溝の底部が2段プレス等により階段状になっていると、当該底部の面積が広くなって、引張り応力は当該底部で分散される。そのため、溝は、比較的大きな内圧にも耐えることができる、言い換えれば、作動圧が大きくなる。さらに、引張り応力は、階段状の底部に不均一に分散される。より大きく引張り応力が作用する場所によって、溝が耐えられる内圧は異なる。そのため、作動圧はバラツキ易い。
本実施形態では、第1溝301の第1底部3011が狭小かつ平坦であるため、作動圧のバラツキが小さい。つまり、防爆機能は、所定の作動圧で高い確実性で発揮される。第2底部3021も平坦であるため、これらの効果はさらに得易くなる。
封口板300を第1主面300Xの法線方向から見たとき、第1溝301は、すべて第2溝302に重複している。第1底部3011の中心C1と第2底部3021の中心C2とは重複する。第1溝301および第2溝302のベント角は同じであり、第1底部3011の中心線と第2底部3021の中心線とは一致する。角度θ12および角度θ13は、60°以上、90°未満であり、同じである。
[第2実施形態]
図8は、第2実施形態に係る封口板300の要部を拡大した断面模式図である。
本実施形態において、第1溝301は、平坦な第1底部3011と、第1底部3011と第1主面300Xとを繋ぐ第1側面部3012および3013と、を有している。2つの側面部3012および3013は、互いに異なる傾斜角で底部3011と第1主面300Xとを繋いでいる。本実施形態は、角度θ12と角度θ13とが互いに異なること以外、第1実施形態と同様の構成を備える。
角度θ12と角度θ13とが互いに異なることにより、プレス加工に使用される金型の摩耗は抑制され易くなる。角度θ12は、角度θ13より大きくてよい。この場合、角度θ12は、60°以上、90°以下であってよい。角度θ13は、30°以上、80°以下であってよい。また、角度θ12は、角度θ13より小さくてよい。この場合、角度θ12は、30°以上、80°以下であってよい。角度θ13は、60°以上、90°以下であってよい。
[第3実施形態]
図9は、第3実施形態に係る封口板300の要部を拡大した断面模式図である。
本実施形態は、第1溝301が、円弧状の第1底部3011を有していること以外、第1実施形態と同様の構成を備える。この場合、引張り応力はさらに第1底部3011に集中し易くなる。加えて、このような溝は、プレス加工により形成され易い。また、プレス加工に使用される金型も劣化し難い。
円弧状の第1底部3011の曲率半径は特に限定されず、例えば、0.01mm以上、1mm以下であってよい。
[第4実施形態]
図10は、第4実施形態に係る封口板300の要部を拡大した断面模式図である。
本実施形態において、第1底部3011は2つの第1側面部の交点である。つまり、上記境界点は1つのみであり、第1底部3011の長さL1は非常に短い。長さL1は、例えば、0.01mmである。これ以外、本実施形態は第1実施形態と同様の構成を備える。この場合、引張り応力は、第3実施形態よりさらに第1底部3011に集中し易くなる。
本実施形態において、角度θ12および角度θ13は90°未満であり、例えば、30°以上、80°以下であってよい。
[第5実施形態]
図11は、第5実施形態に係る封口板300の要部を拡大した断面模式図である。
本実施形態は、第1底部3011の中心C1と第2底部3021の中心C2とが、重複しないこと以外、第1実施形態と同様の構成を備える。
第1底部3011の中心C1は、第2底部3021の中心C2より、封口板300の中心Cに近くてもよい。この場合、引張り応力は、さらに第1底部3011に集中し易くなる。
中心C1と中心C2とのズレ量は特に限定されず、第1溝301と第2溝302とが対応する範囲であればよい。中心C1と中心C2とは、第1底部3011が第2底部3021に重複する程度にずれていてもよい。
図12は、密閉型電池の一例の縦断面模式図である。
電池10は、有底円筒形の電池缶100と、電池缶100に収容された円筒型の電極体200と、電池缶100の開口を塞ぐ封口板300と、を具備する。封口板300は、例えばレーザ溶接により、電池缶100の開口近傍に固定されている。封口板300は、電池缶100の開口近傍にかしめられていてもよい。
電池缶100および封口板300の材質は特に限定されず、鉄、および/または鉄合金(ステンレス鋼を含む)、アルミニウム、アルミニウム合金(マンガン、銅などの他の金属を微量含有する合金など)、などが例示できる。
次に、リチウム一次電池を例に、電極体200の構成について例示的に説明する。
円筒型の電極体200は捲回型であり、正極201と負極202とをセパレータ203を介して渦巻状に捲回することにより構成されている。正極201および負極202の一方(図示例では、正極201)には内部リード線210が接続されている。内部リード線210は、外部端子330に溶接等により接続される。正極201および負極202の他方(図示例では、負極202)には、別の内部リード線220が接続されている。内部リード線220は、電池缶100の内面に溶接等により接続される。
電極体200は、電解質(図示せず)とともに、電池缶100の内部に収納されている。内部短絡防止のために、電極体200の上部および下部には、それぞれ上部絶縁板230Aおよび下部絶縁板230Bが配置されている。
(正極)
正極は正極活物質を含み、正極活物質として二酸化マンガンを用いることができる。正極は、例えば、正極集電体と、正極集電体に付着している正極合剤層とを具備する。正極合剤層は、正極活物質の他に、フッ素樹脂などの樹脂材料を結着剤として含み得る。正極合剤層は、炭素材料などの導電性材料を導電剤として含んでもよい。正極集電体は、例えばステンレス鋼製のエキスパンドメタル、ネット、パンチングメタルなどである。
(負極)
負極は負極活物質を含み、負極活物質として金属リチウムまたはリチウム合金を用いることができる。金属リチウムまたはリチウム合金は、例えば、長尺のシート状に押し出し成形され、負極として用いられる。リチウム合金としては、Li−Al、Li−Sn、Li−Ni−Si、Li−Pbなどの合金が用いられるが、Li−Al合金が好ましい。リチウム合金に含まれるリチウム以外の金属元素の含有量は、放電容量の確保や内部抵抗の安定化の観点から、0.1質量%以上5質量%以下とすることが好ましい。
(セパレータ)
セパレータとしては、樹脂製の微多孔膜や不織布が好ましく用いられる。セパレータの材料(樹脂)としては、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリアミドイミドなどが好ましい。
(電解質)
電解質にはリチウム塩を溶解させた非水溶媒を用い得る。非水溶媒は、特に限定されるものではないが、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、γ−ブチロラクトンなどを使用することができる。リチウム塩としては、ホウフッ化リチウム、六フッ化リン酸リチウム、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド、リチウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドなどを用いることができる。
以下、本発明を実施例および比較例に基づいて具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
《実施例1》
(1)封口体の作製
図7に示す封口板(直径17mm)を作製した。
すなわち、封口板300(SUS316L製)の第1主面300Xに、平坦な第1底部3011と第1側面部3012および3013とを有し、第1ベント角Xが180°である第1溝301を、プレス加工により形成した。第1溝301の中心C1は、封口板300の外周から6mmの位置にある。第1底部3011の長さL1は0.1mmであり、見かけの幅W1は0.2mmであり、深さD1は0.1mmである。角度θ12およびθ13は、ともに63°である。
封口板300の第2主面300Yに、平坦な第2底部3021と第2側面部3022および3023とを有し、第2ベント角Yが180°の第2溝302を、プレス加工により形成した。第2溝302の中心C2は、封口板300の外周から6mmの位置にある。第2底部3021の長さL2は0.35mmであり、見かけの幅W2は0.5mmであり、深さD2は0.1mmである。角度θ22およびθ23は、ともに53°である。薄肉部の厚みDmは、0.05mmである。第1底部3011の中心C1と第2底部3021の中心C2とは重複している。
封口板300の中央に、直径約3mmの貫通孔を形成した。この貫通孔に、絶縁性のガスケット310およびワッシャ320を介して外部端子330を固定し、封口体を得た。
(2)正極の作製
正極活物質である電解二酸化マンガン92質量部に、導電剤であるケッチェンブラック3.5質量部と、結着剤であるポリテトラフルオロエチレン4.5質量部と、適量の純水と、を加えて混錬し、湿潤状態の正極合剤を調製した。
次に、湿潤状態の正極合剤を、ステンレス鋼製のエキスパンドメタルからなる正極集電体に塗布して、正極前駆体を作製した。その後、正極前駆体を、乾燥させ、ロールプレスにより圧延し、所定寸法に裁断し、帯状の正極を得た。
(3)負極の作製
シート状のLi−Al合金(Al含有量:0.3質量%)を、所定寸法に裁断し、帯状の負極を得た。
(4)電極群の作製
正極の一部から正極合剤を剥がして正極集電体を露出させ、その露出部にステンレス鋼製の正極タブリードを溶接した。負極の所定箇所にニッケル製の負極タブリードを溶接した。正極と負極とを、これらの間にセパレータを介在させて、渦巻状に捲回し、柱状の電極群を構成した。セパレータには、ポリエチレン製の微多孔膜を用いた。
(5)電解質の調製
プロピレンカーボネート(PC)と、エチレンカーボネート(EC)と、1,2−ジメトキシエタン(DME)とを、体積比2:1:2で混合した非水溶媒に、リチウム塩としてトリフルオロメタンスルホン酸リチウムを0.5モル/リットルの濃度で溶解させ、電解質を調製した。
(6)円筒形電池の組み立て
電極群を、その底部にリング状の下部絶縁板を配置した状態で、有底円筒形(SUS316L製)の電池缶の内部に挿入した。負極タブリードを電池缶の内底面に溶接し、リング状の上部絶縁板を電極群の上部に配置した後、正極タブリードを封口板に固定された外部端子に溶接した。次に、電解質を電池缶の内部に注液し、その後、電池缶の開口近傍に封口板をレーザ溶接した。このようにして、図12に示す構造を有する密閉型の円筒形リチウム電池を10個作製した。別途、作動圧評価用として、電極群および電解質を収容しなかったこと以外は同様にして、密閉型の評価用電池を10個作製した。
[評価]
(I)作動圧
評価用電池の電池缶の側面に穴を開け、そこから水を供給し、水圧によって電池内部の圧力を高めて防爆機能を作動させた。
作動圧の平均値(n=10)、標準偏差(σ)、平均値+3σをそれぞれ算出した。結果を表1に示す。
平均値±3σは、対象物の99.7%以上が平均値±3σの範囲に収まる数値である。言い換えれば、作動圧が平均値+3σを超える場合は、確率的に0.3%未満である。
(II)内容物の飛散量
円筒形リチウム電池の電池缶側面をガスバーナーで加熱して、火中投入試験を模擬した試験によって、防爆機能を作動させた。
防爆機能が作動した後、収容されていた内容物(電極群および/または電解質)に対する、電池外に飛散した内容物の質量割合(飛散割合)を算出し、以下の指標に従って評価した。結果を表1に示す。
A:飛散割合が10質量%未満
B:飛散割合が10質量%以上、40%質量未満
C:飛散割合が40質量%以上、70質量%未満
D:飛散割合が70質量%以上
《実施例2》
封口体の作製(1)において、第1ベント角Xおよび第2ベント角Yをいずれも300°としたこと以外は、実施例1と同様に、図7に示す封口板を作製した。得られた封口板を用いて、実施例1と同様にして円筒形リチウム電池および評価用電池をそれぞれ10個作製し、評価した。結果を表1に示す。
《比較例1》
封口体の作製(1)において、第1ベント角Xおよび第2ベント角Yをいずれも150°としたこと以外は、実施例1と同様に、図7に示す封口板を作製した。得られた封口板を用いて、実施例1と同様にして円筒形リチウム電池および評価用電池をそれぞれ10個作製し、評価した。結果を表1に示す。
《比較例2》
封口体の作製(1)において、第1ベント角Xおよび第2ベント角Yをいずれも330°としたこと以外は、実施例1と同様に、図7に示す封口板を作製した。得られた封口板を用いて、実施例1と同様にして円筒形リチウム電池および評価用電池をそれぞれ10個作製し、評価した。結果を表1に示す。
Figure 2020047536
実施例1および2において、作動圧の平均値は2MPa以下であり、標準偏差は0.2以下であり、平均値+3σは2.5MPa以下である。標準偏差が0.2以下、好ましくは0.15以下であり、かつ、平均値+3σが2.5MPa以下である場合、作動圧が低く、そのバラツキが小さいといえる。さらに、実施例1および2では、内容物はほとんど飛散していない。
一方、比較例1では作動圧の平均値および平均値+3σがともに高い。比較例2では、作動圧は低いものの、ベント角が過度に大きいため、内容物の飛散が認められる。
《比較例3》
封口体の作製(1)において、第1主面300Xが電池缶の内側となるようにワッシャ320および外部端子330を配置したこと以外は、比較例1と同様にして円筒形リチウム電池および評価用電池をそれぞれ10個作製し、評価した。結果を表2に示す。
《比較例4》
封口体の作製(1)において、第1主面300Xが電池缶の内側となるようにワッシャ320および外部端子330を配置したこと以外は、実施例1と同様にして円筒形リチウム電池および評価用電池をそれぞれ10個作製し、評価した。結果を表2に示す。
《比較例5》
封口体の作製(1)において、第1主面300Xが電池缶の内側となるようにワッシャ320および外部端子330を配置したこと以外は、実施例2と同様にして円筒形リチウム電池および評価用電池をそれぞれ10個作製し、評価した。結果を表2に示す。
《比較例6》
封口体の作製(1)において、第1主面300Xが電池缶の内側となるようにワッシャ320および外部端子330を配置したこと以外は、比較例2と同様にして円筒形リチウム電池および評価用電池をそれぞれ10個作製し、評価した。結果を表2に示す。
Figure 2020047536
比較例3〜6において、封口板の外側を向く面に形成された溝の底部は、封口板の内側を向く面に形成された溝の底部よりも大きい。このような封口板を用いた比較例3〜6では、標準偏差はいずれも0.2以上であり、平均値+3σはいずれも2.5MPa以上である。さらに、比較例5および6では、作動圧に対してベント角が過度に大きいため、多くの内容物が飛散した。
《実施例3》
封口体の作製(1)において、図9に示す封口板を作製した。
すなわち、封口板300の第1主面300Xに、円弧状(曲率半径0.05mm)の第1底部3011と第1側面部3012および側面部3013とを有し、第1ベント角Xが180°の第1溝301を、プレス加工により形成した。第1溝301の中心C1は、封口板300の外周から6mmの位置にある。第1底部3011の長さL1は0.05mmであり、見かけの幅W1は0.2mmであり、深さD1は0.1mmである。角度θ12およびθ13は、ともに60°である。
これ以外は、実施例1と同様にして円筒形リチウム電池および評価用電池をそれぞれ10個作製し、評価した。結果を表3に示す。
《実施例4》
封口体の作製(1)において、第1ベント角Xおよび第2ベント角Yをいずれも300°としたこと以外は、実施例3と同様に、図9に示す封口板を作製した。得られた封口板を用いて、実施例1と同様にして円筒形リチウム電池および評価用電池をそれぞれ10個作製し、評価した。結果を表3に示す。
《実施例5》
封口体の作製(1)において、図10に示す封口板を作製した。
すなわち、封口板300の第1主面300Xに、第1側面部3012および3013を有し、これらの交点として第1底部3011を備え、第1ベント角Xが180°の第1溝301を、プレス加工により形成した。第1溝301の中心C1は、封口板300の外周から6mmの位置にある。第1底部3011の長さL1は0.01mmであり、見かけの幅W1は0.2mmであり、深さD1は0.1mmである。角度θ12およびθ13は、ともに45°である。
これ以外は、実施例1と同様にして円筒形リチウム電池および評価用電池をそれぞれ10個作製し、評価した。結果を表3に示す。
《実施例6》
封口体の作製(1)において、第1ベント角Xおよび第2ベント角Yをいずれも300°としたこと以外は、実施例5と同様に、図10に示す封口板を作製した。
得られた封口板を用いて、実施例1と同様にして円筒形リチウム電池および評価用電池をそれぞれ10個作製し、評価した。結果を表3に示す。
《実施例7》
封口体の作製(1)において、図11に示す封口板を作製した。
すなわち、第1底部3011の中心C1が、第2底部3021の中心C2より、封口板300の中心Cに0.2mm近くなるように、第1溝301をプレス加工により形成した。
これ以外は、実施例1と同様にして円筒形リチウム電池および評価用電池をそれぞれ10個作製し、評価した。結果を表3に示す。
《実施例8》
封口体の作製(1)において、第1ベント角Xおよび第2ベント角Yをいずれも300°にしたこと以外は、実施例7と同様に、図11に示す封口板を作製した。
得られた封口板を用いて、実施例1と同様にして円筒形リチウム電池および評価用電池をそれぞれ10個作製し、評価した。結果を表3に示す。
Figure 2020047536
実施例3〜8のいずれにおいても、作動圧の平均値は2MPa以下であり、標準偏差は0.2以下であり、平均値+3σは2.5MPa以下である。つまり、これらの電池は、作動圧が低く、そのバラツキが小さい。さらに、いずれの電池からも、内容物はほとんど飛散していない。
《比較例7》
封口体の作製(1)において、図13に示す封口板を作製した。
すなわち、封口板300の第1主面300Xおよび第2主面300Yの両面に、実施例1の第2溝302と同じ溝をプレス加工により形成した。ただし、ベント角は150°とした。第2主面300Yの溝にさらにプレス加工を行い、階段状にした。薄肉部の最も薄い部分の厚みは0.05mmであり、第2主面300Yの溝の底部L3の長さは、0.1mmである。
得られた封口板を用いて、実施例1と同様にして円筒形リチウム電池および評価用電池をそれぞれ10個作製し、評価した。結果を表4に示す。
《比較例8》
封口体の作製(1)において、第1ベント角Xおよび第2ベント角Yをいずれも180°としたこと以外は、比較例7と同様に、図13に示す封口板を作製した。
得られた封口板を用いて、実施例1と同様にして円筒形リチウム電池および評価用電池をそれぞれ10個作製し、評価した。結果を表4に示す。
《比較例9》
封口体の作製(1)において、第1ベント角Xおよび第2ベント角Yをいずれも300°としたこと以外は、比較例7と同様に、図13に示す封口板を作製した。
得られた封口板を用いて、実施例1と同様にして円筒形リチウム電池および評価用電池をそれぞれ10個作製し、評価した。結果を表4に示す。
《比較例10》
封口体の作製(1)において、第1ベント角Xおよび第2ベント角Yをいずれも330°としたこと以外は、比較例7と同様に、図13に示す封口板を作製した。
得られた封口板を用いて、実施例1と同様にして円筒形リチウム電池および評価用電池をそれぞれ10個作製し、評価した。結果を表4に示す。
Figure 2020047536
比較例7において、作動圧は2MPa以上、標準偏差は0.2以上、平均値+3σは2.5MPa以上である。つまり、バラツキが大きく、かつ、作動圧が高い。ただし、ベント角が小さいため、内容物の飛散は抑制されている。
比較例8、9および10において、作動圧の平均値は比較的低く抑えられているものの、標準偏差は0.2以上である。さらに、平均値+3σは2.5MPa以上である。これは、作動圧のバラツキが非常に大きいことを示している。さらに、比較例9および10では、作動圧に対してベント角が過度に大きいため、多くの内容物が飛散した。
本発明に係る密閉型電池は、安定した防爆機能を発揮するため、様々な電子機器の電源に適している。
10:電池
100:電池缶
200:電極体
201:正極
202:負極
203:セパレータ
210、220:内部リード線
230A:上部絶縁板
230B:下部絶縁板
300:封口板
300X:第1主面
300Y:第2主面
301:第1溝
3011:第1底部
3012、3013:第1側面部
301a、301b:交点
302:第2溝
3021:第2底部
3022、3023:第2側面部
302a、302b:交点
310:ガスケット
320:ワッシャ
330:外部端子

Claims (9)

  1. 開口を有する有底円筒形の電池缶と、
    前記電池缶に収容される電極体と、
    前記電池缶の前記開口を塞ぐ封口板と、を具備し、
    前記封口板は、前記電池缶の外側を向く第1主面と、前記第1主面とは反対側の第2主面と、を有し、
    前記第1主面には、円弧状の第1溝が形成されており、
    前記第2主面には、前記第1溝に対応するように配置される円弧状の第2溝が形成されており、
    前記第1溝および前記第2溝の中心角は、それぞれ180°以上、300°以下であり、
    前記封口板の径方向に沿って切断された断面において、
    前記第1溝の第1底部の長さL1は、前記第2溝の第2底部の長さL2より小さい、密閉型電池。
  2. 前記長さL1の前記長さL2に対する割合は、50%以下である、請求項1に記載の密閉型電池。
  3. 前記封口板の径方向に沿って切断された断面において、
    前記第1溝の断面積は、前記第2溝の断面積より小さい、請求項1または2に記載の密閉型電池。
  4. 前記封口板の径方向に沿って切断された断面において、
    前記第1溝は、平坦な前記第1底部と、前記第1底部と前記第1主面とを繋ぐ2つの相対する第1側面部と、を有している、請求項1〜3のいずれか一項に記載の密閉型電池。
  5. 前記封口板の径方向に沿って切断された断面において、
    前記第1溝は、円弧状の前記第1底部と、前記第1底部と前記第1主面とを繋ぐ2つの相対する第1側面部と、を有している、請求項1〜3のいずれか一項に記載の密閉型電池。
  6. 前記封口板の径方向に沿って切断された断面において、
    前記第1溝は、前記第1底部と、前記第1底部と前記第1主面とを繋ぐ2つの相対する第1側面部を備え、
    前記第1底部は、2つの前記第1側面部の交点である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の密閉型電池。
  7. 2つの前記第1側面部は、互いに異なる傾斜角で前記第1底部と前記第1主面とを繋ぐ、請求項4〜6のいずれか一項に記載の密閉型電池。
  8. 前記第1底部の中心と前記第2底部の中心とは、重複しない、請求項1〜7のいずれか一項に記載の密閉型電池。
  9. 前記封口板の径方向に沿って切断された断面において、
    前記第2溝は、平坦な前記第2底部と、前記第2底部と前記第2主面とを繋ぐ2つの相対する側面部と、を有している、請求項1〜8のいずれか一項に記載の密閉型電池。
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