JP2020045868A - 燃料噴射ノズル - Google Patents
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Abstract
【課題】各噴孔の開口間隔を効果的に確保することにより、燃料と空気の混合を促進させる。【解決手段】先端側が閉じられたノズル室2aを有するノズルボディ2と、ノズル室2a内に往復移動自在に収容されたニードル弁3と、ノズル室2aに連通すると共に、ノズルボディ2の先端部を中心側から径方向外方に向かって放射状に延びる複数の燃料流通孔6と、燃料流通孔6の下流端から径方向外方に向かって延びると共に、ノズルボディ2の外周面に開口する複数の噴孔8とを備え、燃料流通孔6の流路面積は噴孔8の流路面積よりも広く形成されている。【選択図】図2
Description
本開示は、燃料噴射ノズルに関し、特に、エンジンの燃焼室内に燃料を直噴するインジェクタの燃料噴射ノズルに関する。
一般的に、インジェクタの燃料噴射ノズルは、ノズルボディ及びニードル弁を備えており、ノズルボディの先端側内壁にニードル弁を離着座させることにより、燃料の噴射又は停止を切り替えるようになっている(例えば、特許文献1,2参照)。
一般的に、ノズルボディの先端部には、サック室から放射状に延びる複数の噴孔が設けられており、各噴孔は、ノズルボディの外周面に周方向に所定のピッチで開口する。これら各噴孔の開口間隔が狭いと、各噴孔から噴射される燃料噴霧も近くなり、各噴霧が燃焼室内の空気を取り合うことで、燃料と空気の混合が不完全になるといった課題がある。
一方、各噴孔の開口間隔を長く確保すべく、ノズルボディの外径を単純に拡径すると、必然的にサック室の容量も拡張されることになる。その結果、燃料の噴射後に、サック室内に残存する燃料の少なくとも一部が噴孔から漏出するいわゆる後だれを生じさせる可能性がある。
本開示の技術は、各噴孔の開口間隔を効果的に確保することにより、燃料と空気の混合を促進させることを目的とする。
本開示の技術は、先端側が閉じられたノズル室を有するノズルボディと、前記ノズル室内に往復移動自在に収容されたニードル弁と、前記ノズル室に連通すると共に、前記ノズルボディの先端部を中心側から径方向外方に向かって放射状に延びる複数の燃料流通孔と、前記先端部を前記燃料流通孔の下流端から径方向外方に向かって延びると共に、前記ノズルボディの外周面に開口する複数の噴孔とを備え、前記燃料流通孔の流路面積は、前記噴孔の流路面積よりも広く形成されていることを特徴とする。
また、前記先端部に環状に形成されると共に、前記燃料流通孔の下流端と前記噴孔の上流端とを連通させ、前記燃料流通孔から流れ込む燃料を前記噴孔に分配する環状サック室をさらに備えることが好ましい。
また、前記先端部の中心部に設けられると共に、前記燃料流通孔の上流端に連通し、前記ノズル室から流れ込む燃料を前記燃料流通孔に分配する中心サック室をさらに備えることが好ましい。
本開示の技術によれば、各噴孔の開口間隔を効果的に確保することにより、燃料と空気の混合を促進させることができる。
以下、添付図面に基づいて、本実施形態に係る燃料噴射ノズルを説明する。同一の部品には同一の符号を付してあり、それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
[燃料噴射システム]
図1は、本実施形態に係る燃料噴射システム10を示す模式的な全体構成図である。
図1は、本実施形態に係る燃料噴射システム10を示す模式的な全体構成図である。
同図に示すように、燃料噴射システム10は、燃料タンク11と、燃料吸入配管12と、燃料フィルタ13と、フィードポンプ14と、高圧ポンプ15と、燃料供給配管16と、コモンレール17と、ディーゼルエンジン(以下、単にエンジンという)Eの各燃焼室A内に燃料を噴射する複数のインジェクタ20と、圧力制御弁18と、リターン配管19と、電子制御ユニット100とを備えている。
燃料タンク11は、燃料(例えば、軽油)を貯留する。燃料吸入配管12は、一端側を燃料タンク11内の燃料に浸漬させると共に、他端側をフィードポンプ14の吸入口に接続されている。燃料フィルタ13は、燃料吸入配管12に介装されており、フィードポンプ14によって汲み上げられる燃料中の異物を除去する。
フィードポンプ14及び、高圧ポンプ15は、エンジンEの動力で駆動する。フィードポンプ14は、燃料タンク11から燃料吸入配管12を介して汲み上げた燃料を高圧ポンプ15に供給する。
高圧ポンプ15は、何れも図示しないシャフトの回転によって往復運動するプランジャを備えており、プランジャの往復運動によって燃料を加圧して吐出する。高圧ポンプ15で加圧された高圧燃料は、燃料供給配管16を介してコモンレール17に供給される。
コモンレール17は、高圧ポンプ15から供給される高圧燃料を蓄圧して各インジェクタ20に分配する。また、コモンレール17には、圧力制御弁18が設けられており、コモンレール17内の圧力が所定値に達すると、高圧燃料がリターン配管19を介して燃料タンク11に戻されるようになっている。
インジェクタ20は、燃料噴射ノズル1と、駆動部21とを備えている。燃料噴射ノズル1は、その先端側をエンジンEの燃焼室A内に臨ませて設けられており、燃焼室A内に燃料を直噴する。駆動部21は、電子制御ユニット100と電気的に接続されている。インジェクタ20の燃料噴射タイミング等は、電子制御ユニット100から駆動部21に入力される指示信号に応じて制御される。
以下、本実施形態に係るインジェクタ20の燃料噴射ノズル1の詳細を説明する。
[燃料噴射ノズル]
図2は、本実施形態に係る燃料噴射ノズル1を模式的に示す縦断面図である。同図に示すように、燃料噴射ノズル1は、ノズルボディ2と、ニードル弁3とを備えている。
図2は、本実施形態に係る燃料噴射ノズル1を模式的に示す縦断面図である。同図に示すように、燃料噴射ノズル1は、ノズルボディ2と、ニードル弁3とを備えている。
ノズルボディ2は、先端部が閉じられた略有底筒状に形成されており、ノズル室2aを有する。ノズル室2a内には、細長棒状のニードル弁3が軸方向に往復移動自在に収容されている。また、ノズル室2aには、コモンレール17(図1参照)で蓄圧された高圧燃料が充填される。
ノズルボディ2の先端部には、ニードル弁3が離着座するボディシート部5が設けられている。ボディシート部5は、先端側に向かって略円錐状に窪むテーパ状に形成されている。ニードル弁3の先端部には、先端側から順に、円錐部3Bと、円錐台部3Cとが設けられている。円錐部3Bの軸βに対する傾斜角度は、円錐台部3Cの軸βに対する傾斜角度よりも大きく形成されており、これら円錐部3Bと円錐台部3Cとの境界部3Eが、ボディシート部5のテーパ面に離着座するニードルシート部3aとして機能するようになっている。
具体的には、ニードル弁3は、不図示のリターンスプリングによってボディシート部5に向けて常時付勢されている。駆動部21(図1参照)に設けられた不図示の電磁コイルが電子制御ユニット100(図1参照)からの指令により励磁されると、ニードル弁3はリターンスプリングの付勢力に抗して基端側に移動され、ニードルシート部3aがボディシート部5から離座することで燃料の流路を開放する。一方、電磁コイルが電子制御ユニット100(図1参照)からの指令により消磁されると、リターンスプリングの付勢力によってニードル弁3は先端側に移動され、ニードルシート部3aがボディシート部5に着座することで燃料の流路を遮断するように構成されている。
ノズルボディ2の先端部の略中心部には、ボディシート部5から先端側に向けて略円錐状に窪む第1サック室7(中心サック室)が設けられている。なお、第1サック室7は先端側に向けて半球状に窪むように形成されてもよい。
また、ノズルボディ2の先端部には、第1サック室7から径方向外方に向けて放射状に延びる複数の燃料流通孔6が周方向に所定のピッチ(好ましくは、等ピッチ)で設けられている(図3参照)。各燃料流通孔6の上流端は、第1サック室7に連通しており、ノズル室2aから第1サック室7に流れ込んだ燃料が、第1サック室7にて各燃料流通孔6に均等に分配されるように構成されている。
各燃料流通孔6の下流端は、ノズルボディ2の先端部に第1サック室7と同心円上に略円環状に形成された第2サック室9(環状サック室)によって互いに連接されている。第2サック室9の流路断面積は、好ましくは、燃料流通孔6の流路断面積よりも大きく形成されており、各燃料流通孔6を流通した燃料が第2サック室9内に効果的に導入されるようになっている。
さらに、ノズルボディ2の先端部には、第2サック室9から径方向外方に向けて放射状に延びる複数の噴孔8が周方向に所定のピッチ(好ましくは、等ピッチ)で設けられている(図3参照)。各噴孔8の上流端は、第2サック室9に連通しており、各燃料流通孔6から第2サック室9に流れ込んだ燃料が、第2サック室9にて各噴孔8に均等に分配されるように構成されている。すなわち、第1サック室7にて各燃料流通孔6に均等に分配された燃料が、第2サック室9にて各噴孔8に均等に分配されることで、燃料が二段階で均等に分配されるようになっている。
各噴孔8は、ノズルボディ2の先端部を燃料流通孔6と同一軸心上に延びると共に、その下流端はノズルボディ2の先端側の外周面に開口する。すなわち、各噴孔8の開口8Aが、燃料を燃焼室Aに向けて噴射する噴口として機能するようになっている。噴孔8の流路断面積は、好ましくは、燃料流通孔6の流路断面積よりも小さく形成されており、各燃料流通孔6から第2サック室9を介して流れ込む燃料が各噴孔8にて絞られた後、開口8Aから燃焼室A内に噴射されるように構成されている。なお、燃料噴射ノズル1の成型は、鋳造後に中子から取り除いて製造する方法や、3Dプリンタによる製造方法を適用できる。
[作用効果]
次に、本実施形態に係る燃料噴射ノズル1の作用効果を、比較例を用いて説明する。
次に、本実施形態に係る燃料噴射ノズル1の作用効果を、比較例を用いて説明する。
図4は、比較例の燃料噴射ノズル31を模式的に示す断面図である。同図に示すように、比較例においては、ノズルボディ32の先端部の略中心に小容量のサック室37が1個のみ設けられると共に、複数の噴孔38がサック室37から直接的に延びており、ノズルボディ32の外径D2は全体的に小さく抑えられている。このため、各噴孔38の開口間隔W2が狭くなり、各噴孔38から噴射される燃料噴霧も近くなることで、燃料と空気の混合が不完全になる課題がある。
また、比較例において、各噴孔38の開口間隔W2を広く確保すべく、ノズルボディ32の外径D2を単純に拡径すると、必然的にサック室37の容量も拡張することになり、燃料の噴射後にサック室37に残存する燃料が噴孔38から漏出する後だれを生じさせる課題がある。
これに対して、本実施形態の燃料噴射ノズル1によれば、第1サック室7から開口8Aに向けて燃料を流通させる流通孔を、流路面積が大きい燃料流通孔6と、流路面積が小さい噴孔8とにより構成することで、ノズルボディ2の外径Dが比較例よりも全体的に拡径されている(D>D2)。また、ノズルボディ2の外径Dを拡径したことで、各噴孔8の開口間隔Wも比較例よりも広く確保されている(W>W2)。これにより、各噴孔8から噴射される燃料の噴霧間距離が大きく確保されて、各噴霧間の空気の取り合いが効果的に抑制されるようになり、燃料と空気の混合を確実に促進させることが可能になる。
また、本実施形態の燃料噴射ノズル1によれば、燃料流通孔6と噴孔8との間に円環状の第2サック室9を設けることで、サック室が第1サック室7と第2サック室9とに分割形成されている。すなわち、サック室を分割することにより、サック室7,9全体の容積が小さく抑えるように構成されている。これにより、燃料の噴射後に各サック室7,9に残存する燃料が燃料流通孔6や噴孔8を介して漏出する燃料の後だれを効果的に防止することが可能になる。
[その他]
なお、本開示は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変形して実施することが可能である。
なお、本開示は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変形して実施することが可能である。
例えば、図5に示すように、各燃料流通孔6の上流端をノズルボディ2の先端部の中心部まで延長し、第1サック室7を省略して構成してもよい。
また、図6に示すように、各燃料流通孔6の下流端を径方向外方に延長し、燃料流通孔6の下流端を噴孔8の上流端と直接的に連通することにより、第2サック室9を省略して構成してもよい。
また、図7に示すように、各燃料流通孔6の上流端をノズルボディ2の先端部の中心部まで延長すると共に、各燃料流通孔6の下流端を径方向外方に延長して噴孔8の上流端と直接的に連通させて、第1サック室7及び第2サック室9を省略して構成してもよい。
これら何れの場合も、上記実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
1 燃料噴射ノズル
2 ノズルボディ
2a ノズル室
3 ニードル弁
3a ニードルシート部
5 ボディシート部
6 燃料流通孔
7 第1サック室(中心サック室)
8 噴孔
9 第2サック室(環状サック室)
2 ノズルボディ
2a ノズル室
3 ニードル弁
3a ニードルシート部
5 ボディシート部
6 燃料流通孔
7 第1サック室(中心サック室)
8 噴孔
9 第2サック室(環状サック室)
Claims (3)
- 先端側が閉じられたノズル室を有するノズルボディと、
前記ノズル室内に往復移動自在に収容されたニードル弁と、
前記ノズル室に連通すると共に、前記ノズルボディの先端部を中心側から径方向外方に向かって放射状に延びる複数の燃料流通孔と、
前記先端部を前記燃料流通孔の下流端から径方向外方に向かって延びると共に、前記ノズルボディの外周面に開口する複数の噴孔と、を備え、
前記燃料流通孔の流路面積は、前記噴孔の流路面積よりも広く形成されている
ことを特徴とする燃料噴射ノズル。 - 前記先端部に環状に形成されると共に、前記燃料流通孔の下流端と前記噴孔の上流端とを連通させ、前記燃料流通孔から流れ込む燃料を前記噴孔に分配する環状サック室をさらに備える
請求項1に記載の燃料噴射ノズル。 - 前記先端部の中心部に設けられると共に、前記燃料流通孔の上流端に連通し、前記ノズル室から流れ込む燃料を前記燃料流通孔に分配する中心サック室をさらに備える
請求項1又は2に記載の燃料噴射ノズル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018176549A JP2020045868A (ja) | 2018-09-20 | 2018-09-20 | 燃料噴射ノズル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2018176549A JP2020045868A (ja) | 2018-09-20 | 2018-09-20 | 燃料噴射ノズル |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020045868A true JP2020045868A (ja) | 2020-03-26 |
Family
ID=69900994
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018176549A Pending JP2020045868A (ja) | 2018-09-20 | 2018-09-20 | 燃料噴射ノズル |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2020045868A (ja) |
-
2018
- 2018-09-20 JP JP2018176549A patent/JP2020045868A/ja active Pending
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
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