JP2020045323A - コハク酸ソリフェナシン含有製剤 - Google Patents

コハク酸ソリフェナシン含有製剤 Download PDF

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Abstract

【課題】コハク酸ソリフェナシンの非晶質体が維持され、かつ総類縁物質量の増加が抑制されたコハク酸ソリフェナシン含有製剤を提供すること。【解決手段】コハク酸ソリフェナシンと、基剤と、β−シクロデキストリン、乳酸、乳酸カルシウム五水和物、ラウロマクロゴール及びイソアスコルビン酸からなる群から選択される少なくとも1つの添加剤と、を含有することを特徴とするコハク酸ソリフェナシン含有製剤。前記コハク酸ソリフェナシンは、非晶質体でもよい。前記コハク酸ソリフェナシンは、基剤に分散された固体分散体の状態で存在してもよい。前記基剤は、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート及びヒドロキシプロピルメチルセルロースからなる群から選択される少なくとも1つを含有してもよい。【選択図】図7

Description

本発明は、コハク酸ソリフェナシン含有製剤に関する。特に、コハク酸ソリフェナシンの非晶質体が維持され、かつ総類縁物質量の増加が抑制されたコハク酸ソリフェナシン含有製剤に関する。
コハク酸ソリフェナシンは、ムスカリン受容体に対する親和性を有するため、膀胱の過緊張状態を抑制し、過活動膀胱における尿意切迫感、頻尿及び切迫性尿失禁を改善することが、非特許文献1に記載されている。
特許文献1には、非晶質体のコハク酸ソリフェナシンの存在が、コハク酸ソリフェナシンの経時的分解の主たる原因であり、コハク酸ソリフェナシンの結晶体と非晶質体とを合わせたもののうち非晶質体の占める割合がある一定量以下であるときは、経時的な分解が抑制された安定なコハク酸ソリフェナシン又はその塩の固形製剤を創製できることが記載されている。
コハク酸ソリフェナシンの非晶質体は結晶体に変化しやすく、また化学的に不安定であり、類縁物質が発生することが知られている。特に、コハク酸ソリフェナシンの非晶質体は酸化の影響を受けやすく、類縁物質としてNオキサイド体を生じることが、特許文献3に記載されている。
これらの課題を解決するために、特許文献2から6においては、非晶質体のソリフェナシン又はコハク酸ソリフェナシンを含有する製剤におけるソリフェナシン又はコハク酸ソリフェナシンの非晶質体の維持、又は類縁物質の増加の抑制を目的として、種々の結合剤、崩壊剤、ポリマー、抗酸化剤等を含有するソリフェナシン又はコハク酸ソリフェナシン含有製剤が開発されている。
特許第5168711号公報 特許第4816828号公報 特開2017−190325号公報 特開2017−210422号公報 国際公開第2008/128028号 特開2015−189677号公報
ベシケア錠2.5mg ベシケア錠5mg ベシケアOD錠2.5mg ベシケアOD錠5mg 医薬品インタビューフォーム(2016年7月改訂(第19版))
前述したように特許文献2から6では、上記の課題の解決を目的として種々の添加剤が検討されている。しかし、本発明者らがこれらの従来技術の添加剤を追試したところコハク酸ソリフェナシンの非晶質体の維持と総類縁物質量の増加の抑制を十分に両立するものとは言えず、改善の余地があった。
本発明は、コハク酸ソリフェナシンの非晶質体が維持され、かつ総類縁物質量の増加が抑制されたコハク酸ソリフェナシン含有製剤を提供することを目的の一つとする。
本発明の一実施形態によると、コハク酸ソリフェナシンと、基剤と、β−シクロデキストリン、乳酸、乳酸カルシウム五水和物、ラウロマクロゴール及びイソアスコルビン酸からなる群から選択される少なくとも1つの添加剤と、を含有することを特徴とするコハク酸ソリフェナシン含有製剤が提供される。
コハク酸ソリフェナシンは、非晶質体でもよい。
コハク酸ソリフェナシンは、基剤に分散された固体分散体の状態で存在してもよい。
基剤は、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート及びヒドロキシプロピルメチルセルロースからなる群から選択される少なくとも1つを含有してもよい。
β−シクロデキストリン、乳酸、乳酸カルシウム五水和物、ラウロマクロゴール及びイソアスコルビン酸からなる群から選択される1つの添加剤は、コハク酸ソリフェナシンを1とした重量比が0.04以上でもよい。
添加剤は、乳酸でもよい。
本発明によると、コハク酸ソリフェナシンの非晶質体が維持され、かつ総類縁物質量の増加が抑制されたコハク酸ソリフェナシン含有製剤が提供される。
本発明の実施例に関するコハク酸ソリフェナシン含有製剤の総類縁物質量の増加の抑制を示す図である。 本発明の実施例1に関する(A)コハク酸ソリフェナシン、(B)D−(−)−イソアスコルビン酸、(C)コハク酸ソリフェナシン:ヒプロメロース:D−(−)−イソアスコルビン酸の重量比が1:1:4であるコハク酸ソリフェナシン含有製剤のX線回折ピークの図である。 本発明の実施例2に関する(A)コハク酸ソリフェナシン、(B)β−シクロデキストリン、(C)コハク酸ソリフェナシン:ヒプロメロース:β−シクロデキストリンの重量比が1:1:4であるコハク酸ソリフェナシン含有製剤のX線回折ピークの図である。 本発明の実施例3に関する(A)コハク酸ソリフェナシン、(B)乳酸カルシウム五水和物、(C)コハク酸ソリフェナシン:ヒプロメロース:乳酸カルシウム五水和物の重量比が1:1:4であるコハク酸ソリフェナシン含有製剤のX線回折ピークの図である。 本発明の実施例4に関する(A)コハク酸ソリフェナシン、(B)コハク酸ソリフェナシン:ヒプロメロース:乳酸の重量比が1:1:4であるコハク酸ソリフェナシン含有製剤のX線回折ピークの図である。 本発明の実施例5に関する(A)コハク酸ソリフェナシン、(B)ラウロマクロゴール、(C)コハク酸ソリフェナシン:ヒプロメロース:ラウロマクロゴールの重量比が1:1:4であるコハク酸ソリフェナシン含有製剤のX線回折ピークの図である。 本発明の実施例に関するコハク酸ソリフェナシン含有製剤の総類縁物質量の増加の抑制とコハク酸ソリフェナシンの非晶質体の維持とを示す図である。
本発明に関するコハク酸ソリフェナシン含有製剤は、コハク酸ソリフェナシンが基剤に分散された固体分散体の状態で存在しており、さらにβ−シクロデキストリン、乳酸、乳酸カルシウム五水和物、ラウロマクロゴール及びイソアスコルビン酸からなる群から選択される少なくとも1つの添加剤を含有することを特徴とする。
β−シクロデキストリン、乳酸、乳酸カルシウム五水和物、ラウロマクロゴール及びイソアスコルビン酸からなる群から選択される少なくとも1つの添加剤は固体分散体中に含有されていてもよく、又は固体分散体とは別に含有されていてもよい。
以下、本発明に関するコハク酸ソリフェナシン含有製剤についてさらに詳細に説明する。ただし、本発明のコハク酸ソリフェナシン含有製剤は、以下に示す実施の形態及び実施例の記載内容に限定して解釈されるものではない。
本発明者らは、後述する実施例においても示すように、コハク酸ソリフェナシン含有製剤におけるコハク酸ソリフェナシンの非晶質体を維持し、かつ総類縁物質量の増加を抑制するために、一般的に化合物の酸化体増加を抑制するために用いられる抗酸化剤を始めとして、種々の添加剤について検討を行った。
その結果、β−シクロデキストリン、乳酸、乳酸カルシウム五水和物、ラウロマクロゴール及びイソアスコルビン酸の間には、添加剤として共通する一般的な作用、効果を見出すことはできないにもかかわらず、本発明者らは、コハク酸ソリフェナシンと、基剤と、β−シクロデキストリン、乳酸、乳酸カルシウム五水和物、ラウロマクロゴール及びイソアスコルビン酸からなる群から選択される少なくとも1つと、を含有することにより、コハク酸ソリフェナシンの非晶質体が維持され、かつ総類縁物質量の増加が抑制されたコハク酸ソリフェナシン含有製剤を提供することができることを新たに見出した。
また意外にも、前述したイソアスコルビン酸以外の抗酸化剤では、コハク酸ソリフェナシンの非晶質体の維持及び総類縁物質量の増加抑制を十分に両立できないことを見出した。
本発明に関するコハク酸ソリフェナシン含有製剤は、コハク酸ソリフェナシンと、基剤と、β−シクロデキストリン、乳酸、乳酸カルシウム五水和物、ラウロマクロゴール及びイソアスコルビン酸からなる群から選択される少なくとも1つの添加剤と、を含有する。
コハク酸ソリフェナシンは、非晶質体でもよい。また、コハク酸ソリフェナシンは、基剤に分散された固体分散体の状態で存在してもよい。なお、固体分散体とは、活性を持たない基剤中に薬物を分散させた製剤であり、薬物が非晶質体である製剤をいう。
ここで基剤とは、固体分散体中に含有される活性を持たない添加剤であり、活性薬物であるコハク酸ソリフェナシンを均質に分散させる添加剤をいう。
特許文献6に記載の発明では、β−シクロデキストリンが、コハク酸ソリフェナシンの非晶質体を安定化させる固体分散体を形成する基剤として添加されている。一方、本発明では、β−シクロデキストリンは、コハク酸ソリフェナシンの非晶質体を安定化させつつ、総類縁物質量の増加を抑制する添加剤として添加されている。そのため、特許文献6に記載の発明は、本発明とは技術的思想を異にするものである。
基剤としては、例えば、セルロース系高分子、ビニル系高分子、マクロゴール等から選択することができる。セルロース系高分子としては、例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロース等を例示することができる。ビニル系高分子としては、例えば、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール等を例示することができる。
本実施形態に添加する基剤としては、好ましくは、セルロース系高分子から選択することができ、より好ましくは、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート及びヒドロキシプロピルメチルセルロースから選択することができる。さらに好ましくは、ヒドロキスプロピルメチルセルロース、エチルセルロースから選択することができる。なお、ヒドロキシプロピルメチルセルロースは、種々の粘度のヒドロキシプロピルメチルセルロースから選択することができる。これらの基剤は、単独又は二種以上組み合わせて使用することができる。また、これらの基剤は、コハク酸ソリフェナシンを1とした重量比が0.1以上10以下でもよい。
ラウロマクロゴールとしては、ポリオキシエチレンラウリルエーテルであって、ポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(4.2)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(9)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(21)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(25)ラウリルエーテルを用いることができる。好ましくは、ポリオキシエチレン(25)ラウリルエーテルを用いることができる。
イソアスコルビン酸は、立体配置により、D体とL体、右旋光性(+)と左旋光性(−)とをとり得るが、好ましくは、D(−)−イソアスコルビン酸を用いることができる。
β−シクロデキストリン、乳酸、乳酸カルシウム五水和物、ラウロマクロゴール及びイソアスコルビン酸からなる群から選択される1つの添加剤は、コハク酸ソリフェナシンを1とした重量比が0.04以上でもよい。
本実施形態のコハク酸ソリフェナシン含有製剤は、添加剤をさらに含むことができる。添加剤としては、例えば、賦形剤、崩壊剤、界面活性剤、着色剤、矯味剤、可塑剤、滑沢剤、抗酸化剤等を添加することができる。
賦形剤は、例えば、糖誘導体、澱粉誘導体、セルロース誘導体、ケイ酸塩誘導体、リン酸塩、炭酸塩及び硫酸塩等から選択することができる。糖誘導体としては、例えば、乳糖、白糖、葡萄糖、マンニトール、エリスリトール、トレハロース、マルトース、キシリトール、ソルビトール及びマルチトール等を例示することができる。澱粉誘導体としては、例えば、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、α−澱粉、デキストリン等を例示することができる。セルロース誘導体としては、例えば、結晶セルロース等を例示することができる。ケイ酸塩誘導体としては、例えば、軽質無水ケイ酸、合成ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等を例示することができる。リン酸塩としては、例えば、リン酸水素カルシウム等を例示することができる。炭酸塩としては、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素ナトリウム等を例示することができる。硫酸塩としては、例えば、硫酸カルシウム等を例示することができる。これらの賦形剤は、単独又は二種以上組み合わせて使用することができる。
崩壊剤としては、例えば、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、カルメロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、各種デンプン類等から選択することができる。これらの崩壊剤は、単独又は二種以上組み合わせて使用することができる。
界面活性剤としては、例えば、非イオン界面活性剤を選択することができる。非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等を例示することができる。これらの乳化剤は、単独又は二種以上組み合わせて使用することができる。
着色剤は、例えば、黄色三二酸化鉄、赤色三二酸化鉄、黒色酸化鉄等から選択することができる。これらの着色剤は、単独又は二種以上組み合わせて使用することができる。
矯味剤は、例えば、甘味料、酸味料及び香料等から選択することができる。甘味料としては、例えば、サッカリンナトリウム、スクラロース、タウマチン、アセスルファムカリウム、ステビア抽出物、白糖、アスパルテーム、グリセリン等を例示することができる。酸味料としては、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸等を例示することができる。また、香料としては、例えば、メントール、レモンエキス、オレンジエキス等を例示することができる。これらの矯味剤は、単独又は二種以上組み合わせて使用することができる。
滑沢剤は、例えば、ステアリン酸、ステアリン酸金属塩(ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム等)、タルク、ショ糖脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール等から選択することができる。これらの滑沢剤は、単独又は二種以上組み合わせて使用することができる。
抗酸化剤は、例えば、トコフェロール酢酸エステル、ジブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル、亜硫酸水素ナトリウム、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、イソアスコルビン酸、イソアスコルビン酸ナトリウム、ブチルヒドロキシアニソール、ノルジヒドログアヤレチック酸、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、ロンガリット、エデト酸ナトリウム、クエン酸、大豆レシチン等から選択することができる。これらの抗酸化剤は、単独又は二種以上組み合わせて使用することができる。
本発明に関するコハク酸ソリフェナシン含有製剤は、以上のように、基剤と、β−シクロデキストリン、乳酸、乳酸カルシウム五水和物、ラウロマクロゴール及びイソアスコルビン酸からなる群から選択される1つと、を含有することにより、コハク酸ソリフェナシンの非晶質体を維持し、総類縁物質量の増加を抑制することができる。
(製造方法)
本発明に関するコハク酸ソリフェナシン含有製剤は、薬学分野において公知の製造方法にしたがって製造することができる。
例えば、コハク酸ソリフェナシンを溶解させる工程としては、コハク酸ソリフェナシンと基剤とを製薬学的に許容される溶媒に溶解させる。溶媒は、コハク酸ソリフェナシンが溶解する溶媒であれば特に制限されないが、例えば、水及び/又は有機溶媒、他の態様として水、メタノール、エタノール、アセトン、ジクロロメタン等が挙げられる。溶媒は単独又は二種以上組合わせ、混合液として使用することもできる。
溶媒を留去することによりコハク酸ソリフェナシンの非晶質体を製造する工程としては、上述した、コハク酸ソリフェナシンと基剤とを溶解させる工程により得られた液から溶媒を留去し、コハク酸ソリフェナシンの非晶質体を製造できる方法であれば特に制限されない。例えば、凍結乾燥法、噴霧乾燥法等が挙げられる。凍結乾燥では、溶液を冷凍庫等に静置し凍結させた後に真空引きして溶媒を除去する。また、噴霧乾燥法においては噴霧乾燥機を用いて溶液に含まれる溶媒を除去する工程である。
本発明の基剤中に分散されたコハク酸ソリフェナシンの非晶質体に、β−シクロデキストリン、乳酸、乳酸カルシウム五水和物、ラウロマクロゴール及びイソアスコルビン酸からなる群から選択される1つの添加剤と、必要に応じてさらに添加剤を配合し、さらに必要に応じて造粒工程を経て、コハク酸ソリフェナシンの非晶質体を含む打錠前粉末あるいは造粒物を得ることができる。このコハク酸ソリフェナシンを含む打錠前粉末あるいは造粒物を打錠することにより、本発明に関するコハク酸ソリフェナシンの素錠を製造することができる。なお、打錠は、市販の打錠機を使用して、常法により行うことができる。また、得られた素錠にフィルムコーティングを施して、フィルムコーティング錠を製造することができる。あるいは、添加剤として崩壊剤が配合された打錠前粉末あるいは造粒物を打錠することにより、口腔内崩壊錠を製造することもできる。
(総類縁物質)
本明細書において、安定性の評価として、液体クロマトグラフィーを用いてコハク酸ソリフェナシンの純度を評価する。全てのピーク面積からコハク酸ソリフェナシン由来の類縁物質比率を算出し、総類縁物質量(%)とする。
(非晶質体)
本明細書において、コハク酸ソリフェナシンの非晶質体の評価として、粉末X線回折法を用いてコハク酸ソリフェナシンの非晶質体の割合を評価する。コハク酸ソリフェナシンの結晶由来の回折ピークが検出されるか否かにより非晶質体の有無を確認する。
上述した本発明に関するコハク酸ソリフェナシン含有製剤の具体的な実施例及び試験結果を示して、より詳細に説明する。
(実施例1)
コハク酸ソリフェナシン39g、ヒプロメロース39g、(TC−5E、信越化学)を水781gに溶解した。次にスプレードライヤー(ミニスプレードライヤー B−290、BUCHI)で噴霧乾燥し、固体分散体粉末を調製した。重量比でコハク酸ソリフェナシン1に対して、4の配合割合のD(−)−イソアスコルビン酸を粉末添加し、実施例1のコハク酸ソリフェナシン含有製剤300mgを得た。
(実施例2)
実施例1においては、重量比でコハク酸ソリフェナシン1に対して、4の配合割合のD(−)−イソアスコルビン酸を粉末添加したが、実施例2においては、重量比でコハク酸ソリフェナシン1に対して、4の配合割合のβ−シクロデキストリンを粉末添加したこと以外は、実施例1と同様にコハク酸ソリフェナシン含有製剤300mgを得た。
(実施例3)
実施例1においては、重量比でコハク酸ソリフェナシン1に対して、4の配合割合のD(−)−イソアスコルビン酸を粉末添加したが、実施例3においては、重量比でコハク酸ソリフェナシン1に対して、4の配合割合の乳酸カルシウム五水和物を粉末添加したこと以外は、実施例1と同様にコハク酸ソリフェナシン含有製剤300mgを得た。
(実施例4)
実施例1においては、重量比でコハク酸ソリフェナシン1に対して、4の配合割合のD(−)−イソアスコルビン酸を粉末添加したが、実施例4においては、重量比でコハク酸ソリフェナシン1に対して、4の配合割合の乳酸を4の配合割合の軽質無水ケイ酸に吸着させ添加したこと以外は、実施例1と同様にコハク酸ソリフェナシン含有製剤500mgを得た。
(実施例5)
実施例1においては、重量比でコハク酸ソリフェナシン1に対して、4の配合割合のD(−)−イソアスコルビン酸を粉末添加したが、実施例5においては、重量比でコハク酸ソリフェナシン1に対して、4の配合割合のラウロマクロゴールを4の配合割合の軽質無水ケイ酸に吸着させ添加したこと以外は、実施例1と同様にコハク酸ソリフェナシン含有製剤500mgを得た。
(基準例1)
実施例1においては、重量比でコハク酸ソリフェナシン1に対して、4の配合割合のD(−)−イソアスコルビン酸を粉末添加したが、基準例1においては、添加剤を粉末添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にコハク酸ソリフェナシン含有製剤300mgを得た。
(比較例1)
実施例1においては、重量比でコハク酸ソリフェナシン1に対して、4の配合割合のD(−)−イソアスコルビン酸を粉末添加したが、比較例1においては、重量比でコハク酸ソリフェナシン1に対して、4の配合割合のブチルヒドロキシトルエン(BHT)を粉末添加したこと以外は、実施例1と同様にコハク酸ソリフェナシン含有製剤300mgを得た。
(比較例2)
実施例1においては、重量比でコハク酸ソリフェナシン1に対して、4の配合割合のD(−)−イソアスコルビン酸を粉末添加したが、比較例2においては、重量比でコハク酸ソリフェナシン1に対して、4の配合割合のL(+)−アスコルビン酸を粉末添加したこと以外は、実施例1と同様にコハク酸ソリフェナシン含有製剤300mgを得た。
(比較例3)
実施例1においては、重量比でコハク酸ソリフェナシン1に対して、4の配合割合のD(−)−イソアスコルビン酸を粉末添加したが、比較例3においては、重量比でコハク酸ソリフェナシン1に対して、4の配合割合の没食子酸プロピルを粉末添加したこと以外は、実施例1と同様にコハク酸ソリフェナシン含有製剤300mgを得た。
(基準例2)
実施例1においては、重量比でコハク酸ソリフェナシン1に対して、4の配合割合のD(−)−イソアスコルビン酸を粉末添加したが、基準例2においては、重量比でコハク酸ソリフェナシン1に対して、4の配合割合の軽質無水ケイ酸を添加したこと以外は、実施例1と同様にコハク酸ソリフェナシン含有製剤300mgを得た。
(比較例4)
実施例1においては、重量比でコハク酸ソリフェナシン1に対して、4の配合割合のD(−)−イソアスコルビン酸を粉末添加したが、比較例4においては、重量比でコハク酸ソリフェナシン1に対して、4の配合割合のトコフェロールを4の配合割合の軽質無水ケイ酸に吸着させ添加したこと以外は、実施例1と同様にコハク酸ソリフェナシン含有製剤500mgを得た。
(比較例5)
実施例1においては、重量比でコハク酸ソリフェナシン1に対して、4の配合割合のD(−)−イソアスコルビン酸を粉末添加したが、比較例5においては、重量比でコハク酸ソリフェナシン1に対して、4の配合割合のグリセリンを4の配合割合の軽質無水ケイ酸に吸着させ添加したこと以外は、実施例1と同様にコハク酸ソリフェナシン含有製剤500mgを得た。
(比較例6)
実施例1においては、重量比でコハク酸ソリフェナシン1に対して、4の配合割合のD(−)−イソアスコルビン酸を粉末添加したが、比較例6においては、重量比でコハク酸ソリフェナシン1に対して、4の配合割合の亜硫酸ナトリウムを粉末添加したこと以外は、実施例1と同様にコハク酸ソリフェナシン含有製剤300mgを得た。
(比較例7)
実施例1においては、重量比でコハク酸ソリフェナシン1に対して、4の配合割合のD(−)−イソアスコルビン酸を粉末添加したが、比較例7においては、重量比でコハク酸ソリフェナシン1に対して、4の配合割合のピロ亜硫酸ナトリウムを粉末添加したこと以外は、実施例1と同様にコハク酸ソリフェナシン含有製剤300mgを得た。
(比較例8)
実施例1においては、重量比でコハク酸ソリフェナシン1に対して、4の配合割合のD(−)−イソアスコルビン酸を粉末添加したが、比較例8においては、重量比でコハク酸ソリフェナシン1に対して、4の配合割合のエデト酸ナトリウム(EDTA)を粉末添加したこと以外は、実施例1と同様にコハク酸ソリフェナシン含有製剤300mgを得た。
(比較例9)
実施例1においては、重量比でコハク酸ソリフェナシン1に対して、4の配合割合のD(−)−イソアスコルビン酸を粉末添加したが、比較例9においては、重量比でコハク酸ソリフェナシン1に対して、4の配合割合のグリシンを粉末添加したこと以外は、実施例1と同様にコハク酸ソリフェナシン含有製剤300mgを得た。
(比較例10)
実施例1においては、重量比でコハク酸ソリフェナシン1に対して、4の配合割合のD(−)−イソアスコルビン酸を粉末添加したが、比較例10においては、重量比でコハク酸ソリフェナシン1に対して、4の配合割合のLアスパラギン酸を粉末添加したこと以外は、実施例1と同様にコハク酸ソリフェナシン含有製剤300mgを得た。
(比較例11)
実施例1においては、重量比でコハク酸ソリフェナシン1に対して、4の配合割合のD(−)−イソアスコルビン酸を粉末添加したが、比較例11においては、重量比でコハク酸ソリフェナシン1に対して、4の配合割合のL(+)−アルギニンを粉末添加したこと以外は、実施例1と同様にコハク酸ソリフェナシン含有製剤300mgを得た。
(比較例12)
実施例1においては、重量比でコハク酸ソリフェナシン1に対して、4の配合割合のD(−)−イソアスコルビン酸を粉末添加したが、比較例12においては、重量比でコハク酸ソリフェナシン1に対して、4の配合割合のクエン酸を粉末添加したこと以外は、実施例1と同様にコハク酸ソリフェナシン含有製剤300mgを得た。
(比較例13)
実施例1においては、重量比でコハク酸ソリフェナシン1に対して、4の配合割合のD(−)−イソアスコルビン酸を粉末添加したが、比較例13においては、重量比でコハク酸ソリフェナシン1に対して、4の配合割合のクエン酸ナトリウム水和物を粉末添加したこと以外は、実施例1と同様にコハク酸ソリフェナシン含有製剤300mgを得た。
(比較例14)
実施例1においては、重量比でコハク酸ソリフェナシン1に対して、4の配合割合のD(−)−イソアスコルビン酸を粉末添加したが、比較例14においては、重量比でコハク酸ソリフェナシン1に対して、4の配合割合のDLリンゴ酸を粉末添加したこと以外は、実施例1と同様にコハク酸ソリフェナシン含有製剤300mgを得た。
(比較例15)
実施例1においては、重量比でコハク酸ソリフェナシン1に対して、4の配合割合のD(−)−イソアスコルビン酸を粉末添加したが、比較例15においては、重量比でコハク酸ソリフェナシン1に対して、4の配合割合のコハク酸を粉末添加したこと以外は、実施例1と同様にコハク酸ソリフェナシン含有製剤300mgを得た。
(比較例16)
実施例1においては、重量比でコハク酸ソリフェナシン1に対して、4の配合割合のD(−)−イソアスコルビン酸を粉末添加したが、比較例16においては、重量比でコハク酸ソリフェナシン1に対して、4の配合割合の酒石酸を粉末添加したこと以外は、実施例1と同様にコハク酸ソリフェナシン含有製剤300mgを得た。
(比較例17)
実施例1においては、重量比でコハク酸ソリフェナシン1に対して、4の配合割合のD(−)−イソアスコルビン酸を粉末添加したが、比較例17においては、重量比でコハク酸ソリフェナシン1に対して、4の配合割合のフマル酸を粉末添加したこと以外は、実施例1と同様にコハク酸ソリフェナシン含有製剤300mgを得た。
(比較例18)
実施例1においては、重量比でコハク酸ソリフェナシン1に対して、4の配合割合のD(−)−イソアスコルビン酸を粉末添加したが、比較例18においては、重量比でコハク酸ソリフェナシン1に対して、4の配合割合のアジピン酸を粉末添加したこと以外は、実施例1と同様にコハク酸ソリフェナシン含有製剤300mgを得た。
(比較例19)
実施例1においては、重量比でコハク酸ソリフェナシン1に対して、4の配合割合のD(−)−イソアスコルビン酸を粉末添加したが、比較例19においては、重量比でコハク酸ソリフェナシン1に対して、4の配合割合のソルビン酸を粉末添加したこと以外は、実施例1と同様にコハク酸ソリフェナシン含有製剤300mgを得た。
(比較例20)
実施例1においては、重量比でコハク酸ソリフェナシン1に対して、4の配合割合のD(−)−イソアスコルビン酸を粉末添加したが、比較例20においては、重量比でコハク酸ソリフェナシン1に対して、4の配合割合の酢酸カルシウム水和物を粉末添加したこと以外は、実施例1と同様にコハク酸ソリフェナシン含有製剤300mgを得た。
(比較例21)
実施例1においては、重量比でコハク酸ソリフェナシン1に対して、4の配合割合のD(−)−イソアスコルビン酸を粉末添加したが、比較例21においては、重量比でコハク酸ソリフェナシン1に対して、4の配合割合のグルコン酸カルシウム水和物を粉末添加したこと以外は、実施例1と同様にコハク酸ソリフェナシン含有製剤300mgを得た。
(比較例22)
実施例1においては、重量比でコハク酸ソリフェナシン1に対して、4の配合割合のD(−)−イソアスコルビン酸を粉末添加したが、比較例22においては、重量比でコハク酸ソリフェナシン1に対して、4の配合割合のキシリトールを粉末添加したこと以外は、実施例1と同様にコハク酸ソリフェナシン含有製剤300mgを得た。
(比較例23)
実施例1においては、重量比でコハク酸ソリフェナシン1に対して、4の配合割合のD(−)−イソアスコルビン酸を粉末添加したが、比較例23においては、重量比でコハク酸ソリフェナシン1に対して、4の配合割合のソルビトールを粉末添加したこと以外は、実施例1と同様にコハク酸ソリフェナシン含有製剤300mgを得た。
(比較例24)
実施例1においては、重量比でコハク酸ソリフェナシン1に対して、4の配合割合のD(−)−イソアスコルビン酸を粉末添加したが、比較例24においては、重量比でコハク酸ソリフェナシン1に対して、4の配合割合のマルチトールを粉末添加したこと以外は、実施例1と同様にコハク酸ソリフェナシン含有製剤300mgを得た。
(比較例25)
実施例1においては、重量比でコハク酸ソリフェナシン1に対して、4の配合割合のD(−)−イソアスコルビン酸を粉末添加したが、比較例25においては、重量比でコハク酸ソリフェナシン1に対して、4の配合割合のショ糖脂肪酸エステルを粉末添加したこと以外は、実施例1と同様にコハク酸ソリフェナシン含有製剤300mgを得た。
(比較例26)
実施例1においては、重量比でコハク酸ソリフェナシン1に対して、4の配合割合のD(−)−イソアスコルビン酸を粉末添加したが、比較例26においては、重量比でコハク酸ソリフェナシン1に対して、4の配合割合のトコフェロール酢酸エステルを4の配合割合の軽質無水ケイ酸に吸着させ添加したこと以外は、実施例1と同様にコハク酸ソリフェナシン含有製剤500mgを得た。
(比較例27)
実施例1においては、重量比でコハク酸ソリフェナシン1に対して、4の配合割合のD(−)−イソアスコルビン酸を粉末添加したが、比較例27においては、重量比でコハク酸ソリフェナシン1に対して、4の配合割合の大豆レシチンを4の配合割合の軽質無水ケイ酸に吸着させ添加したこと以外は、実施例1と同様にコハク酸ソリフェナシン含有製剤500mgを得た。
(比較例28)
実施例1においては、重量比でコハク酸ソリフェナシン1に対して、4の配合割合のD(−)−イソアスコルビン酸を粉末添加したが、比較例28においては、重量比でコハク酸ソリフェナシン1に対して、4の配合割合のフィチン酸を4の配合割合の軽質無水ケイ酸に吸着させ添加したこと以外は、実施例1と同様にコハク酸ソリフェナシン含有製剤500mgを得た。
図1は、本発明の実施例に関するコハク酸ソリフェナシン含有製剤の総類縁物質量の増加の抑制を示す図である。コハク酸ソリフェナシン含有製剤において、コハク酸ソリフェナシン1に対して、4の配合割合の種々の添加剤を添加した。
製造時のコハク酸ソリフェナシン含有製剤に含まれるコハク酸ソリフェナシンの総類縁物質量(%)と、40℃、相対湿度(RH:Relative Humidity)75%、2週間、密栓保存したコハク酸ソリフェナシン含有製剤に含まれるコハク酸ソリフェナシンの総類縁物質量(%)と、をそれぞれ測定した。
総類縁物質量(%)については、以下に示す液体クロマトグラフィーを用いてコハク酸ソリフェナシンの純度を評価した。全てのピーク面積からコハク酸ソリフェナシン由来の類縁物質比率を算出し、総類縁物質量(%)とする。具体的には、カラムはオクタデシルシリル化シリカゲル(リン酸二水素カリウム緩衝液、アセトニトリル/水=9/1,v/vの混液)、検出器は紫外吸光光度計(測定波長:220nm)をそれぞれ用いた。
図1に示すように、製造時のコハク酸ソリフェナシン含有製剤に含まれるコハク酸ソリフェナシンの総類縁物質量(%)と、40℃、75%RH、2週間、密栓保存したコハク酸ソリフェナシン含有製剤に含まれるコハク酸ソリフェナシンの総類縁物質量(%)とを測定した。
図1に示された結果によると、ブチルヒドロキシトルエン、L(+)−アスコルビン酸、没食子酸プロピル、D(−)−イソアスコルビン酸、β−シクロデキストリン、トコフェロール、グリセリン、乳酸、乳酸カルシウム五水和物、又はラウロマクロゴールを添加剤として含有するコハク酸ソリフェナシン含有製剤では、コハク酸ソリフェナシンの総類縁物質量(%)の増加が顕著に抑制された。意外にも、D(−)−イソアスコルビン酸、没食子酸プロピル、トコフェロール以外の抗酸化剤(亜硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、エデト酸ナトリウム(EDTA)、クエン酸、トコフェロール酢酸エステル)では総類縁物質量(%)の増加抑制効果が見られなかった。
図7は、本発明の実施例に関するコハク酸ソリフェナシン含有製剤の総類縁物質量(%)の増加の抑制とコハク酸ソリフェナシンの非晶質体の維持とを示す図である。コハク酸ソリフェナシンの添加剤としては、図1に結果が示された実験で比較的に総類縁物質量(%)の増加が抑制された、ブチルヒドロキシトルエン、L(+)−アスコルビン酸、没食子酸プロピル、D(−)−イソアスコルビン酸、β−シクロデキストリン、トコフェロール、グリセリン、乳酸、乳酸カルシウム五水和物、又はラウロマクロゴールを用いた。
総類縁物質については、実施例1〜5、基準例1〜2、比較例1〜5のコハク酸ソリフェナシン含有製剤に対して、図1に結果が示された実験と同様に、製造時のコハク酸ソリフェナシン含有製剤に含まれるコハク酸ソリフェナシンの総類縁物質量(%)と、40℃、75%RH、2週間(2W)及び4週間(4W)、密栓保存したコハク酸ソリフェナシン含有製剤に含まれるコハク酸ソリフェナシンの総類縁物質量(%)と、をそれぞれ測定した。
図2から図6に示すように、40℃、75%RH、4週間(4W)、密栓保存後のコハク酸ソリフェナシン含有製剤に含まれるコハク酸ソリフェナシンの非晶質体については、CuKα線を用いた粉末X線回折法により評価した。コハク酸ソリフェナシン結晶由来のピークを認めない場合、コハク酸ソリフェナシンが非晶質体を維持していると評価した。評価結果は、図7の表の非晶質体の欄に示した。図7の表の非晶質体の欄において、〇は非晶質体を維持したことを、×は非晶質体を維持しなかったことを示す。
図2は、本発明の実施例1に関する(A)コハク酸ソリフェナシン結晶体、(B)D−(−)−イソアスコルビン酸、(C)コハク酸ソリフェナシン:ヒプロメロース:D−(−)−イソアスコルビン酸の重量比が1:1:4であるコハク酸ソリフェナシン含有製剤(40℃、75%RH、4週間(4W)、密栓保存後)のX線回折ピークの図である。
(C)実施例1の処方で示されるコハク酸ソリフェナシン含有製剤(40℃、75%RH、4週間(4W)、密栓保存後)のX線回折ピークには、(B)D−(−)−イソアスコルビン酸結晶由来のX線回折ピークは観察されたものの、(A)コハク酸ソリフェナシン結晶体由来のX線回折ピークは観察されなかった。そこで、図7の表の非晶質体の欄において、実施例1の処方で示されるコハク酸ソリフェナシン含有製剤におけるコハク酸ソリフェナシンの非晶質体を〇と示した。
図3〜6に示すように、実施例2〜5の処方で示される製剤(40℃、75%RH、4週間(4W)、密栓保存後)についても、実施例1と同様に実験を行ったところ、(A)コハク酸ソリフェナシン結晶体由来のX線回折ピークが観察されなかった。そこで、図7の表の非晶質体の欄において、実施例2〜5の処方で示されるコハク酸ソリフェナシン含有製剤(40℃、75%RH、4週間(4W)、密栓保存後)におけるコハク酸ソリフェナシンの非晶質体を〇と示した。なお、乳酸は液体であるため、粉末X線回折法を用いて評価することはできなかった。
さらに、基準例1〜2、比較例1〜2、4〜5についても実施例1と同様に実験を行ったところ、基準例1〜2、比較例1〜2、4〜5においては、コハク酸ソリフェナシン結晶体由来のX線回折ピークが観察された。そこで、図7の表の非晶質体の欄において、基準例1〜2、比較例1〜2、4〜5の処方で示されるコハク酸ソリフェナシン含有製剤におけるコハク酸ソリフェナシンの非晶質体を×と示した。なお、比較例3は上記保存条件で4週間保存後に融解したため、4週間保存後の総類縁物質量(%)及び粉末X線回折法を用いた非晶質体の評価は行っていない。
基準例1は、添加剤を含まないコハク酸ソリフェナシン含有製剤である。上記保存条件で4週間保存後においても、コハク酸ソリフェナシンの非晶質体は維持されていた。しかし、総類縁物質量(%)の増加は抑制されていなかった。
比較例1〜3は、添加剤として、ブチルヒドロキシトルエン、L(+)−アスコルビン酸又は没食子酸プロピルをそれぞれ含むコハク酸ソリフェナシン含有製剤である。比較例1及び2は上記保存条件で4週間保存後においても、総類縁物質量(%)の増加は抑制されていた。しかし、コハク酸ソリフェナシンの非晶質体は維持されていなかった。前述のとおり、比較例3は上記保存条件で4週間保存後に融解したため、4週間保存後の総類縁物質量(%)及び粉末X線回折法を用いた非晶質体の評価は行っていない。
一方、実施例1〜3は、添加剤として、D(−)−イソアスコルビン酸、β−シクロデキストリン、又は乳酸カルシウム五水和物をそれぞれ含むコハク酸ソリフェナシン含有製剤である。上記保存条件で4週間保存後においても、総類縁物質量(%)の増加が抑制され、かつコハク酸ソリフェナシンの非晶質体が維持されていた。
また、基準例2は、添加剤として軽質無水ケイ酸のみを含むコハク酸ソリフェナシン含有製剤である。上記保存条件で4週間保存後においても、コハク酸ソリフェナシンの非晶質体は維持されていた。しかし、総類縁物質量(%)の増加は抑制されなかった。
比較例4又は5は、添加剤として、トコフェロール又はグリセリンをそれぞれ含むコハク酸ソリフェナシン含有製剤である。上記保存条件で4週間保存後においても、総類縁物質量(%)の増加は抑制されていた。しかし、コハク酸ソリフェナシンの非晶質体は維持されていなかった。
一方、実施例4又は5は、添加剤として、乳酸又はラウロマクロゴールをそれぞれ含むコハク酸ソリフェナシン含有製剤である。上記保存条件で4週間保存後においても、総類縁物質量(%)の増加が抑制され、かつコハク酸ソリフェナシンの非晶質体が維持されていた。
さらに、表1に示すように、添加剤として乳酸を含む実施例4において、コハク酸ソリフェナシンに対する乳酸の重量比を4(実施例4)、0.1(実施例6)、0.04(実施例7)及び無添加(基準例2)にそれぞれ変えて、40℃、75%RH、4週間密栓保存後のコハク酸ソリフェナシンの総類縁物質量(%)に対する乳酸の添加量の影響を確認した。
また、表1に示すように、実施例4の基剤をヒプロメロースから同重量のメチルセルロースへと置換したコハク酸ソリフェナシン含有製剤において、コハク酸ソリフェナシンに対する乳酸の重量比を4(実施例8)、0.1(実施例9)及び0.04(実施例10)にそれぞれ変えて、40℃、75%RH、4週間密栓保存後のコハク酸ソリフェナシンの総類縁物質量(%)に対する乳酸の添加量の影響を確認した。
実施例4においては、コハク酸ソリフェナシンに対する乳酸の重量比を低下させ、重量比0.04まで低下させても、4週間保存後のコハク酸ソリフェナシンの総類縁物質(%)が1.5%であり、コハク酸ソリフェナシンの総類縁物質量(%)の増加が抑制された。
また、実施例4の基剤をヒプロメロースから同重量のメチルセルロースへと置換したコハク酸ソリフェナシン含有製剤においても、実施例4と同程度に、コハク酸ソリフェナシンの総類縁物質量(%)の増加が抑制された。
(参考例)
β−シクロデキストリン、乳酸、乳酸カルシウム五水和物、ラウロマクロゴール及びイソアスコルビン酸からなる群から選択される少なくとも1つの添加剤は固体分散体中に含有されていてもよく、又は固体分散体とは別に含有されていてもよい。
例えば、流動層造粒機にて、乳糖水和物とトウモロコシデンプンとを混合して得た混合物に、コハク酸ソリフェナシン、乳酸、及びヒプロメロース(TC−5E)を精製水に溶解した造粒液を噴霧しながら、流動層造粒を行った。流動層造粒工程で得られた造粒物を乾燥し、整粒した後、さらに軽質無水ケイ酸及びステアリン酸マグネシウムを加えて混合し、打錠前顆粒を得た。その打錠前顆粒を1錠150mgとなるように打錠し、コハク酸ソリフェナシン含有錠を得た。
得られたコハク酸ソリフェナシン含有錠の処方は表2に示したとおりである。このようにして、固体分散体中に添加剤である乳酸を含んだコハク酸ソリフェナシン含有錠を得ることができる。
ヒプロメロース及びマクロゴール6000を精製水に溶解した後、タルク、酸化チタン、及び黄色三二酸化鉄を分散し、コーティング液を調製した。コーティング機を用いて、表2で得られた素錠部にコーティング液を噴霧、乾燥し、コハク酸ソリフェナシン含有コーティング錠を得た。
得られたコハク酸ソリフェナシン含有コーティング錠の処方は表3に示したとおりである。
表4に示すように、製造時のコハク酸ソリフェナシン含有コーティング錠に含まれるコハク酸ソリフェナシンの総類縁物質量(%)と、40℃、75%RH、2週間、密栓保存したコハク酸ソリフェナシン含有コーティング錠に含まれるコハク酸ソリフェナシンの総類縁物質量(%)とを測定したところ、総類縁物質量(%)の増加が抑制されていた。
以上より、β−シクロデキストリン、乳酸、乳酸カルシウム五水和物、ラウロマクロゴール及びイソアスコルビン酸の間には、添加剤として共通する一般的な作用、効果を見出すことはできないにもかかわらず、これらの添加剤のうち少なくとも1つを含有することにより、基剤に分散された固体分散体の状態で存在するコハク酸ソリフェナシンの非晶質体が維持され、かつ総類縁物質量(%)の増加が抑制されたコハク酸ソリフェナシン含有製剤を提供することができることを本発明者らは新たに見出した。
このように、コハク酸ソリフェナシンと、基剤と、β−シクロデキストリン、乳酸、乳酸カルシウム五水和物、ラウロマクロゴール及びイソアスコルビン酸からなる群から選択される少なくとも1つの添加剤と、を含有することにより、コハク酸ソリフェナシンの総類縁物質量の増加を抑制し、かつコハク酸ソリフェナシンの非晶質体を維持することができる。そのため、本発明により、コハク酸ソリフェナシンの非晶質体が維持され、かつ総類縁物質量の増加が抑制されたコハク酸ソリフェナシン含有製剤を提供することができる。
特に、乳酸は、総類縁物質量の増加を強力に抑制する。
以上説明したように、本発明に関するコハク酸ソリフェナシン製剤は、基剤と、β−シクロデキストリン、乳酸、乳酸カルシウム五水和物、ラウロマクロゴール及びイソアスコルビン酸からなる群から選択される1つの添加剤と、を含有することにより、コハク酸ソリフェナシンの非晶質体が維持され、かつ総類縁物質量の増加を抑制することができる。

Claims (6)

  1. コハク酸ソリフェナシンと、前記基剤と、β−シクロデキストリン、乳酸、乳酸カルシウム五水和物、ラウロマクロゴール及びイソアスコルビン酸からなる群から選択される少なくとも1つの添加剤と、を含有することを特徴とするコハク酸ソリフェナシン含有製剤。
  2. 前記コハク酸ソリフェナシンは、非晶質体であることを特徴とする請求項1に記載のコハク酸ソリフェナシン含有製剤。
  3. 前記コハク酸ソリフェナシンは、前記基剤に分散された固体分散体の状態で存在することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のコハク酸ソリフェナシン含有製剤。
  4. 前記基剤は、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート及びヒドロキシプロピルメチルセルロースからなる群から選択される少なくとも1つを含有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のコハク酸ソリフェナシン含有製剤。
  5. β−シクロデキストリン、乳酸、乳酸カルシウム五水和物、ラウロマクロゴール及びイソアスコルビン酸からなる群から選択される少なくとも1つの前記添加剤は、前記コハク酸ソリフェナシンを1とした重量比が0.04以上である、ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のコハク酸ソリフェナシン含有製剤。
  6. 前記添加剤は、乳酸であることを特徴とする、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のコハク酸ソリフェナシン含有製剤。
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