JP2020044483A - 撹拌機 - Google Patents

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Abstract

【課題】 駆動部自体を小さくすることができ、軽量とすることができ、長時間の使用でも誤動作することが少ない撹拌機を得る。【解決手段】 回転磁界の変位に応じて回動する回転子と、この回転子を軸心回りに配した回転軸と、この回転軸の上端部に配された攪拌子とを備えた回転子保持部と、対峙する回転子の回転軸に回転中心を有する回転磁界を発生させる回転子駆動部とが間隙を開けて対向配置された電動機を備えた攪拌機であって、内部に被撹拌物を保持する攪拌桶部と、この攪拌桶部内部の底部の予め定められた位置に開口部が形成された保持カップ部とを備え、保持カップ部が回転子保持部の回転軸の下端部を嵌合支持する支持部と回転子保持部の回転子を内側に遊嵌する拡径部とを備え、保持カップ部の拡径部の外側壁に前記回転子駆動部が配され、回転子の回動で発生した発熱を拡散する放熱手段を更に備えたもの。【選択図】 図5

Description

本発明は、回転子とこの回転子を駆動する回転子駆動部とを間隙を開けて対向可能な電動装置を用いた撹拌機に関するものである。
建物の内装仕上げとして、各種素材からなるシート状壁装材、所謂壁紙が壁面に貼付される。通常、この壁紙の施工は、現場にて壁紙の裏面に糊を塗布し、順次壁面に貼付される。従来から、壁紙への糊の塗布には、壁紙糊付機が用いられている。この壁紙糊付機は、本体内に複数のロールと糊桶を備え、本体後部から引き入れた壁装材を内部の各種ロールで前方へ送り出しながら、途中の糊付ロールに壁装材裏面を接触させることによって糊桶の糊を塗布するものである。
従来の糊液調製装置としては、図9に示すように、撹拌子96を取り付けた回転軸95を糊材と水とを保持する容器94の底面に突設し、容器94の下部の基台91内部に配した電動機92でギア93やベルト等を介して回転軸95の撹拌子96を回転させて、糊の調整を行う撹拌装置90が既に市販されていた。
しかし、この従来の撹拌装置では、シールドを行っているO−リングやゴムパッキングのシールド効果が著しく低減され、容器を貫通する回転軸と容器とのシールド部分から被撹拌物の糊液が漏れ出てしまうことがあった。これは、使用後に充分に洗浄しない状態で容器内部が乾燥すると、回転軸と容器とのシールド部分に付着した糊液の乾燥に伴う収縮によって、O−リングやゴムパッキングも収縮して、回転軸と容器との間の収縮したシールド部分から糊液が漏れ出てしまうためである。
容器から基台内部への糊液の漏れは、ギアやベルトの噛合を阻害し、動作の不具合を招く、また、最悪の場合には、電動機等の電気駆動系のショートの事故を招きかねない。そこで、駆動源を容器の上方に配置したものも考慮できるが、装置自体の重心が高くなり、安定性に欠ける欠点が生じる。また、安定性を考慮して基台自体を重たくすると、上方の駆動源と相まって装置自体が重くなり、現場への配置に支障が生じることともなる。更に、ギアやベルトを介して電動機の回転を撹拌子に伝える機構では、駆動時の騒音が大きくなる。
そこで、本出願人は容器を貫通する回転軸をなくした撹拌機及び電動装置を提案した(特許文献1及び特許文献2を参照)。これらの撹拌機は、回転磁界の変位に応じて回動するターンテーブルと、このターンテーブルの回転軸とを備えた回転子保持部を桶材内の底面に配置し、桶材の底面下方にターンテーブルの回転軸に回転中心を有する回転磁界を発生させる回転子駆動部を配置させ、回転子駆動部の回転磁界で桶材内の回転し保持部の回転軸を回転させるものである。
特開2007−89249号公報 特開2018−1113号公報
しかしながら、特許文献1では、マグネットを多数個使用せざるを得ないため装置自体が重くなる課題があった。また、広い面でマグネットとコイル群とを配置せざるを得ないため装置が大きくなる課題があった。更に、回転子保持部のターンテーブル上に回転軸を備えるため、駆動時に回転軸のブレが生じる場合があり、故障の原因となったり、騒音の原因となる可能性もあった。また、特許文献1及び特許文献2では、コイル群でマグネットを駆動させる場合には、コイル群に流れる電流の切換を高速で行う必要があるため、その抵抗等で発熱する。長時間の使用に際しては、その発熱によって制御系に悪影響を与え、停止したり、誤動作を生じたりすることもあった。
本発明は、駆動時の騒音が少なく、撹拌桶部から被撹拌液体が漏れることが少なく、駆動部自体を小さくすることができ、軽量とすることができ、長時間の使用でも誤動作することが少ない撹拌機を得ることを目的とする。
請求項1に記載された発明に係る撹拌機は、回転磁界の変位に応じて回動する回転子と、
この回転子を軸心回りに配した回転軸と、
この回転軸の上端部に配された撹拌子とを備えた回転子保持部と、
対峙する前記回転子の回転軸に回転中心を有する回転磁界を発生させる回転子駆動部とが間隙を開けて対向配置された電動機を備えた撹拌機であって、
内部に被撹拌物を保持する撹拌桶部と、
この撹拌桶部内部の底部の予め定められた位置に開口部が形成された保持カップ部とを備え、
前記保持カップ部が、前記回転子保持部の回転軸の下端部を嵌合支持する支持部と、前記回転子保持部の回転子を内側に遊嵌する拡径部とを備え、
前記保持カップ部の拡径部の外側壁に前記回転子駆動部が配され、
前記回転子が、前記回転軸の軸心回りにN極とS極が交互に配されたマグネット部を備え、
前記回転子駆動部が、前記回転子に対向して同心円状に多数のコイル群を環状に配したコイル部と、前記多数のコイル群の各々の通電を制御して前記回転磁界を誘導制御する誘導磁界制御手段とを備え、
前記コイル群の各々のコイルが、前記回転子に対峙する誘導磁界を発生させる方向に配され、
前記回転子の回動によって発生した発熱を拡散する放熱手段を更に備えたことを特徴とするものである。
請求項2に記載された発明に係る撹拌機は、請求項1に記載の放熱手段が、前記回転子駆動部の外壁に配置された空冷用ヒートシンクと、前記空冷用ヒートシンクに送風する送風手段とを備えた駆動部放熱手段であることを特徴とするものである。
請求項3に記載された発明に係る撹拌機は、請求項1又は2に記載の放熱手段が、前記回転子の前記撹拌桶部側に配置された熱伝導性ブラケットと、前記熱伝導性ブラケットに撹拌流を供給する前記撹拌子とを備えた回転子放熱手段であることを特徴とするものである。
請求項4に記載された発明に係る撹拌機は、請求項3に記載の撹拌子が、前記回転軸に対して斜め上方に立ち上がった2枚の撹拌羽根片と、前記回転軸に対して斜め下方に向かって形成された2枚の撹拌小羽根片とを備えたことを特徴とするものである。
本発明は、駆動時の騒音が少なく、容器から被撹拌液体が漏れることがなく、駆動部自体を小さくすることができ、軽量とすることができ、長時間の使用でも誤動作することが少ない撹拌機を得ることができるという効果がある。
本発明の撹拌機の一実施例の構成を説明する正面図である。 図1の平面図である。 図1の底面図である。 図1の側方断面図である。 図1の要部の構成を示す説明図であり、a図は正面図、b図はa図の断面図である。 図5の回転子保持部の構成を示す説明図であり、a図は正面図、b図はa図の断面図である。 図5の回転子保持部のマグネット部の構成を説明する説明図である。 図5の撹拌子の構成を示す説明図であり、a図は平面図、b図は斜視図、c図は正面図である。 従来の糊液調整装置の構成を説明する説明図である。
本発明においては、回転磁界の変位に応じて回動する回転子と、この回転子を軸心回りに配した回転軸と、この回転軸の上端部に配された撹拌子とを備えた回転子保持部と、対峙する回転子の回転軸に回転中心を有する回転磁界を発生させる回転子駆動部とが間隙を開けて対向配置された電動機を備えた撹拌機であって、内部に被撹拌物を保持する撹拌桶部と、この撹拌桶部内部の底部の予め定められた位置に開口部が形成された保持カップ部とを備え、保持カップ部が回転子保持部の回転軸の下端部を嵌合支持する支持部と回転子保持部の回転子を内側に遊嵌する拡径部とを備え、保持カップ部の拡径部の外側壁に回転子駆動部が配され、回転子が回転軸の軸心回りにN極とS極が交互に配されたマグネット部を備え、回転子駆動部が回転子に対向して同心円状に多数のコイル群を環状に配したコイル部と多数のコイル群の各々の通電を制御して回転磁界を誘導制御する誘導磁界制御手段とを備え、コイル群の各々のコイルが回転子に対峙する誘導磁界を発生させる方向に配され、回転子の回動によって発生した発熱を拡散する放熱手段を更に備える。これにより、駆動時の騒音が少なく、容器から被撹拌液体が漏れることがなく、駆動部自体を小さくすることができ、軽量とすることができ、長時間の使用でも誤動作することが少ない撹拌機を得ることができる。
本発明の放熱手段としては、回転子駆動部で発生する熱を回転子駆動部から拡散するものと、回転子で発生する熱を回転子から拡散するものとの何れかであればよい。即ち、放熱手段が、回転子駆動部の外壁に配置された空冷用ヒートシンクと、空冷用ヒートシンクに送風する送風手段とを備えた駆動部放熱手段であるものと、回転子の前記撹拌桶部側に配置された熱伝導性ブラケットと、前記熱伝導性ブラケットに撹拌流を供給する前記撹拌子とを備えた回転子放熱手段であるものとが好ましい。
本発明の回転子は、回転子駆動部の回転磁界に対峙して、回転磁界の変位に応じて回動するものであればよい。従って、磁気吸引可能なものであれば回転磁界の変位に応じて回動する。より好ましい態様として、回転磁界の変位に応じたトルクのロスが少ないように、回転軸の軸心回りにN極とS極が交互に配されたマグネット部を備える。マグネットは強力な磁場を発生するものがトルク上、好ましく、例えば、ネオジウム、サマコバ系の希土類磁石、フェライト等が用いられる。
本発明の回転子保持部としては、回転磁界の変位に応じて回動する回転子とこの回転子を軸心回りに配した回転軸とこの回転軸の上端部に配された撹拌子とを備えればよく、電気的な接続はない。従って、当然ではあるが、回転子保持部自体は漏電の心配がない。また、回転する回転軸及び撹拌子が、被撹拌液中に保持されるため、駆動時の騒音が少ない利点を奏する。
また、回転子駆動部としては、対峙する回転子の回転軸に回転中心を有する回転磁界を発生させるものであればよく、例えば、磁界の向きを回転子に対峙させた多数の永久磁石を回転軸心方向に円筒体内に配し、この円筒体を電動機で回転させるようにしてもよいが、回転子駆動部には回転する駆動系が実質的に存在しなくなるため、回転子駆動部自体の騒音はなく、騒音の少ない電動装置を得ることを想定して、回転子駆動部が回転子に対向して同心円状に多数のコイル群を筒状又は平板状に環状として配したコイル部と、多数のコイル群の各々の通電を制御して回転磁界を誘導制御する誘導磁界制御手段とを備え、コイル群の各々のコイルが、回転子に対峙する誘導磁界を発生させる方向に配されている。
この誘導磁界制御手段としては、個々のコイル群に通電する電力をPWM制御すればよい。通常のPWM制御は、磁界の位置を検出し、各コイルに流す電流量を指定の回転数に応じて制御する。電流波形としては、矩形波駆動と正弦波駆動とがあるが、その何れの駆動を用いても良い。
本発明の撹拌機は、前述の回転子保持部と回転子駆動部とが間隙を開けて対向配置された電動機を用いた撹拌機である。より具体的には、内部に被撹拌物を保持する撹拌桶部と、この撹拌桶部内部の予め定められた位置に開口部が形成された保持カップ部とを備え、保持カップ部が回転子保持部の回転軸の下端部を嵌合支持する支持部と、回転子保持部の回転子を内側に遊嵌する拡径部とを備え、保持カップ部の拡径部の外側壁に前記回転子駆動部が配される。これにより、被撹拌物を保持した容器から被撹拌物が漏れ出るおそれがなく、ギアの駆動による動作不良や騒音の心配もない。
本発明の撹拌桶部としては、内部に被撹拌物を保持するものであればよく、内部の液体が外部に漏れ出ないものであればよい。本発明の保持カップ部としては、この撹拌桶部内部の予め定められた位置に開口部が形成されたものであればよい。これら撹拌桶部と保持カップ部とは同一の容器で構成してもよく、各々の部材を結合させたものでもよい。各々の部材を結合させる際には、O−リングやゴムパッキング等のシールド部材を介することにより、十分に止水することが可能となる。尚、保持カップ部の開口部はより好ましくは撹拌桶部内部の底部のほぼ中央部に形成させることにより、撹拌子の回動による撹拌を効率よく行うことができる。
保持カップ部は、回転子保持部の回転軸の下端部を嵌合支持する支持部と、回転子保持部の回転子を内側に遊嵌する拡径部とを備え、保持カップ部の拡径部の外側壁に回転子駆動部が配される。これにより、上端部に撹拌子を取付けた回転軸を備えた回転保持部が撹拌桶部及び保持カップ部の内部、即ち被撹拌液中に浸る状態となるため、被撹拌液中に保持されるため、駆動時の騒音が少ない。
また、回転保持部を駆動する回転子駆動部は保持カップ部の拡径部の外側壁に配され、保持カップ部の拡径部の内部の回転子を駆動するため、回転子と回転子駆動部とを小さくすることができ、軽量とすることができる。より好ましくは、回転子として、回転軸の軸心回りにN極とS極が交互に配されたマグネット部を備え、回転子駆動部が回転子に対向して同心円状に多数のコイル群を筒状に配したコイル部と、多数のコイル群の各々の通電を制御して回転磁界を誘導制御する誘導磁界制御手段とを備えた場合には、実質的に保持カップ部を覆う程度の大きさで駆動部が形成される。従って、駆動部自体を小さく、軽量とすることが可能となる。
また、保持カップ部の拡径部の外側壁に配された回転子駆動部のコイル群と、回転子保持部の回転子との距離については、回転子のマグネット部を強力なマグネットとし、マグネットの数(極数)を多くすることにより、10mm程度の間隙とすることも可能となる。しかしながら、間隙を可能な限り小さくすることでトルクのロスが小さくなる。このため、回転子のマグネット部を強力なマグネットとし、マグネット部と回転子駆動部のコイル部との間隙をより小さくするほど、駆動系自体がより小型化が達成でき、軽量化及び静音化が更に進む。従って、マグネット部とコイル部との間隙が好ましくは、5mm以下、より好ましくは、3mm以下、更に好ましくは2mm以下とする。尚、後述する実施例では、回転子を一体化するためマグネット部を0.5mm厚のステンレス板で覆った上で、1mm以下の間隙を隔てて0.5mm厚の保持カップ部の拡径部の壁面で回転子駆動部のコイル群と隔たっており、回転子駆動部のコイル部との間隙が2mm以下となっている。
尚、保持カップ部の拡径部の壁は回転磁界に曝されるため、熱を帯びやすい.そのため、保持カップ部は好ましくは、耐熱性の素材で構成される。加えて、マグネット部と回転子駆動部との間隙の関係から、カップ容器の回転子駆動部近傍の厚さは薄いものが好ましい。この点から、保持カップ部は、耐熱性の樹脂製又は磁界を通し易い金属製とすることが好ましい。具体的には、ポリエーテルサルフォン(PES)やポリフェニレンサルファイド(PPS)等のスーパーエンジニアリング・プラスチック、ポリアミド(PA)やポリカーボネート(PC)等のエンジニアリング・プラスチック、ガラス繊維強化プラスチック等の耐熱性樹脂、ステンレス、アルミニウム等の合金等が上げられる。
本発明の撹拌子は、撹拌桶部内に保持された被撹拌物を回転によって混合するものであればよい。回転軸の回りに複数の板状又は棒状の部材を均等に配したものを指す。尚、板状の部材は、回転方向に対して水平、垂直、斜め、又は、彎曲させて配したものを含み、先端部分を曲折したものを含む。棒状の部材は、回転軸に対して直交、傾斜して配したものを含み、先端部分を曲折したものを含む。特に、撹拌子が、回転軸に対して斜め上方に立ち上がった2枚の撹拌羽根片に加えて、熱伝導性ブラケットに撹拌流を供給するための回転軸に対して斜め下方に向かって形成された2枚の撹拌小羽根片を備えることにより、良好に回転子で発生する熱を回転子から拡散することができる。
本発明の撹拌機での被撹拌物は、一般的に漏れ出るおそれがあまりない粉体や粒体のものから、通常は漏れを防止するための種々の工夫を要する液体のものまでの被撹拌物に対応することができる。特に、被撹拌物として乾燥すると固化して種々の弊害をもたらす糊材と水との撹拌においても、糊の乾燥によって激しく収縮してシールド能を阻害されるO−リングやゴムパッキングを用いる必要がないため、撹拌桶部外に内部の液体が漏れ出るおそれがない。
この場合の糊材とは、澱粉糊は勿論のこと、澱粉糊のように水で溶解・調整可能な酢酸ビニル樹脂系又はアクリル樹脂系接着剤等の合成樹脂系接着剤を含む。また、単独でなく、2種以上を混ぜ合わせたものも含む。
本発明の誘導磁界制御手段としては、好ましくは、撹拌初期に回転子の回動速度を低速にする又は回転子を間欠的に駆動する制御を行う。これは、撹拌子の形状や、水に対する糊材の溶解量によって、撹拌初期に大きな回転数で撹拌すると、激しく撹拌され、糊材や水が撹拌桶部から飛び出すことがあるからである。即ち、撹拌初期では糊材は水に殆ど溶けていないため、粘性が低く、高速で回転させないため、回転子の回動速度を低速にしたり、回転子を間欠的に駆動することによって、糊材や水が撹拌桶部から飛び出すことを防止する。
本発明の電動機では、前述のように、回転子保持部自体は被撹拌液体中に保持されるため駆動時の騒音が少なく、回転軸自体が撹拌桶部を貫通していないため、撹拌桶部から被撹拌液体が漏れることが少ない。また、実質的に保持カップ部を覆う程度の大きさで駆動部が形成されるため、駆動部自体を小さくすることができ、軽量とすることができる。更に、電気系統自体は、被撹拌液体の外方に配置することができるため、漏電の心配がなく、高湿度・水中でも何の問題もなく使用できる。そのため、撹拌機の駆動系として好適である。
図1は本発明の撹拌機の一実施例の構成を説明する正面図である。図2は図1の平面図である。図3は図1の底面図である。図4は図1の側方断面図である。図5は図1の要部の構成を示す説明図であり、a図は正面図、b図はa図の断面図である。図6は図5の回転子保持部の構成を示す説明図であり、a図は正面図、b図はa図の断面図である。図7は図5の回転子保持部のマグネット部の構成を説明する説明図である。図8は図5の撹拌子の構成を示す説明図であり、a図は平面図、b図は斜視図、c図は正面図である。
図1〜図8に示す通り、本実施例の撹拌機10は、大きく分けて、内部に水と糊材とを保持するプラスチック製の撹拌桶部11と、撹拌桶部11の底面に当接してこれを支持する基台21とからなる。基台21は前後左右の4つのキャスター22で移動可能に支持されており、基台21の正面には駆動タイマー等を備えた操作パネル23が配置されている。
撹拌桶部11の底部の中央部に形成された貫通孔を塞ぐように保持カップ部31の開口部34が連通して装着されている。この保持カップ部31には回転子保持部41が着脱自在に挿入される。回転子保持部41は、開口部34を塞ぐように皿状の熱伝導性ブラケット44が装着される。この熱伝導性ブラケット44の下方には、回転磁界の変位に応じて回動する回転子42と、この回転子42を軸心回りに配した回転軸43と、この回転軸43の上端部に配された撹拌子49とを備える。
回転子42は図6に示す通り、回転軸43の軸心回りにN極とS極が交互に配されたマグネット部45からなり、これらマグネット部45の外周は個々のマグネット部45を一体化させるために0.5mm厚のステンレス板46で覆われている。また、回転軸43は軸心部に連通孔47が上端から下端にわたって形成されている。この連通孔47によって、被撹拌液体が下端部から上端部に抜けることにより、着脱が容易となる。
保持カップ部31は、回転子保持部41の回転軸43の下端部を回転可能に嵌合支持する支持部32と、回転保持部41の回転子42を内部に遊嵌する拡径部33と、撹拌桶部11への開口部34を形成する熱伝導性ブラケット44とを備える。熱伝導性ブラケット44の中央部には、回転軸43に嵌合する第1の軸受けとしてのフッ素系のスリーブベアリング44aが装着されている。更に、拡径部33と支持部32との境界には第2の軸受けとしてのフッ素系のスリーブベアリング48が回転軸43に嵌合されている。尚、回転軸43の下端部の長さについては、回転子の長さよりも長く形成している。これは開口部34から回転子保持部41を装着する際に、回転軸43の下端部が保持カップ部31の支持部32に到達した後に、マグネット部を備えた回転子が拡径部に挿入されるようになるため、装着が容易となる利点がある。
基台21の内部の保持カップ部31の拡径部33の外側壁には円筒状の回転子駆動部51が配されている。回転子駆動部51の上端には、保持カップ部31の熱伝導性ブラケット44とパッキング35を介して撹拌桶部11の開口部の周囲を挟み込む押圧片52が配され、この押圧片52の下方に、回転子に対向して同心円状に多数のコイル群を筒状に配したコイル部53が配されている。尚、このコイル部53の多数のコイル群の各々の通電を制御して回転磁界を誘導制御する誘導磁界制御手段は、基台21の制御盤24に配されている。この熱伝導性ブラケット44によって、回転子42で発生された熱が回転子42から撹拌桶部11へ良好に拡散される。
回転子駆動部51のコイル部53の外周壁には、放熱用の空冷用ヒートシンク54が配されている。この空冷用ヒートシンク54への給気は基台21の回転子駆動部51の後方に配されたファン55で行われ、このファン55で給気される空気がヒートシンク54で熱を持った空気と混ざらないように、基台21の後方に開口された給気カバー56を備えている。
制御盤24の誘導磁界制御手段は、回転子駆動部51のコイル部53の個々のコイル群に通電する電力をPWM制御して極性を順次切換えることにより、発生された磁界の極性を順次変位させる。順次変位された回転磁界は回転子42の個々のマグネット部45に対して磁気引力及び斥力が働くことにより、回転子42を回動する。回転子42の回動により回転軸43及び撹拌子49を回動して撹拌桶部11内部の糊材と水とを撹拌する。当初コイル群に通電する電流を1.7Aとして駆動していたが、回転子の回動出力を上げるために、2.5Aとした場合には、長時間の使用に際しては、その発熱によって制御系に悪影響を与え、停止したり、誤動作を生じたりすることがあった。ヒートシンク54とファン55とを備えることにより、長時間の使用でも誤動作することがなくなった。
本実施例の撹拌機10では、撹拌初期と撹拌後期とで撹拌速度を変更するように制御盤24の誘導磁界制御手段で制御される。即ち、撹拌当初の撹拌羽根の回転数を300rpmとして1分半撹拌後、1分半をかけて800rpmとする制御を行う。これは撹拌当初は糊材が水に溶け切れていないため、緩やかに撹拌することにより、水が撹拌子の回転によって撹拌桶部11から飛び出すことを防止し、撹拌後期では水に糊剤が溶けることにより、粘性を増すため、回転数を大きくして対応することができる。
回転子42のマグネット部45と、回転子駆動部51のコイル部との間隙は、2mm以下である。即ち、回転子42を一体化するためマグネット部45を0.5mm厚のステンレス板46で覆った上で、1mm以下の間隙を隔てて0.5mm厚の保持カップ部31の拡径部33の壁面で回転子駆動部51のコイル群と隔たっており、回転子駆動部51のコイル部との間隙が2mm以下となっている。
本実施例の撹拌子49は、回転軸43に対して直行する水平円板49aに対して、円板の円周に対して10°の角度を持たせて120°の角度で曲折された142mm長の羽根部とを備えた板厚2mmの2枚の撹拌羽根片49bが立ち上がって、同じく円板の円周に対して10°の角度を持たせて−143°の角度で曲折された51mmの中間羽根部と中間羽根部に対して90°に曲折された20mmの先端羽根部とからなる2枚の撹拌小羽根片49cが下方に向かって形成されている。この撹拌小羽根片49cによって、熱伝導性ブラケットに撹拌流を供給することができる。
この撹拌子49は、撹拌当初の撹拌羽根の回転数を300rpmとしても糊材と水との被撹拌液が口径約42cm、高さ約43cmの撹拌桶部11に対し、糊材が12.5kg〜18kgと、水10kg〜18kgを投入した場合に、被撹拌液が撹拌桶部11から飛び出すことがなく、1分半後の800rpmでも、空気の噛み込みがないことが確認されている。
基台21の内部には、ポンプ25が備わっており、ホース26によって、撹拌桶部11の底面に穿設された排出口12から撹拌された被撹拌液を抜出して、装置10外部に供給することができる。尚、排出口12には目皿13を配しており、目皿13によって大きな粒子等は濾過される。
以上の通り、回転子保持部41自体は被撹拌液体中に保持されるため駆動時の騒音が少なく、回転軸43自体が撹拌桶部11を貫通していないため、撹拌桶部11から被撹拌液体が漏れることが少ない。また、実質的に保持カップ部31を覆う程度の大きさで駆動部が形成されるため、駆動部自体を小さくすることができ、軽量とすることができる。更に、電気系統自体は、基台21内部にのみ配置することができるため、漏電の心配がなく、高湿度・水中でも何の問題もなく使用できる。そのため、撹拌機10の駆動系として好適である。
10…撹拌機、
11…撹拌桶部、
12…排出口、
13…目皿、
21…基台、
22…キャスター、
23…操作パネル、
24…制御盤、
25…ポンプ、
26…ホース、
31…保持カップ部、
32…支持部、
33…拡径部、
34…開口部、
35…パッキング、
41…回転子保持部、
42…回転子、
43…回転軸、
44…熱伝導性ブラケット、
44a…スリーブベアリング(第1の軸受け)、
45…マグネット部、
46…ステンレス板、
47…連通孔、
48…スリーブベアリング(第2の軸受け)、
49…撹拌子、
49a…水平円板、
49b…撹拌羽根片、
49c…撹拌小羽根片、
51…回転子駆動部、
52…押圧片、
53…コイル部、
54…空冷用ヒートシンク、
55…ファン、
56…給気カバー、

Claims (4)

  1. 回転磁界の変位に応じて回動する回転子と、
    この回転子を軸心回りに配した回転軸と、
    この回転軸の上端部に配された撹拌子とを備えた回転子保持部と、
    対峙する前記回転子の回転軸に回転中心を有する回転磁界を発生させる回転子駆動部とが間隙を開けて対向配置された電動機を備えた撹拌機であって、
    内部に被撹拌物を保持する撹拌桶部と、
    この撹拌桶部内部の底部の予め定められた位置に開口部が形成された保持カップ部とを備え、
    前記保持カップ部が、前記回転子保持部の回転軸の下端部を嵌合支持する支持部と、前記回転子保持部の回転子を内側に遊嵌する拡径部とを備え、
    前記保持カップ部の拡径部の外側壁に前記回転子駆動部が配され、
    前記回転子が、前記回転軸の軸心回りにN極とS極が交互に配されたマグネット部を備え、
    前記回転子駆動部が、前記回転子に対向して同心円状に多数のコイル群を環状に配したコイル部と、前記多数のコイル群の各々の通電を制御して前記回転磁界を誘導制御する誘導磁界制御手段とを備え、
    前記コイル群の各々のコイルが、前記回転子に対峙する誘導磁界を発生させる方向に配され、
    前記回転子の回動によって発生した発熱を拡散する放熱手段を更に備えたことを特徴とする撹拌機。
  2. 前記放熱手段が、前記回転子の前記撹拌桶部側に配置された熱伝導性ブラケットと、前記熱伝導性ブラケットに撹拌流を供給する前記撹拌子とを備えた回転子放熱手段であることを特徴とする請求項1に記載の撹拌機。
  3. 前記放熱手段が、前記回転子駆動部に配置された空冷用ヒートシンクと、前記空冷用ヒートシンクに送風する送風手段とを備えた駆動部放熱手段であることを特徴とする請求項1又は2に記載の撹拌機。
  4. 前記撹拌子が、前記回転軸に対して斜め上方に立ち上がった2枚の撹拌羽根片と、前記回転軸に対して斜め下方に向かって形成された2枚の撹拌小羽根片とを備えたことを特徴とする請求項3に記載の撹拌機。
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JP3005477U (ja) * 1994-06-21 1994-12-20 勇二 原 耐圧モーター式攪拌機
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