JP2020044295A - 身体能力検査装置及びプログラム - Google Patents

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Takao Naito
孝雄 内藤
杤久保 修
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Abstract

【課題】被験者が立ち上がる時のバランスについて把握することができる身体能力検査装置及びプログラムを提供する。【解決手段】身体能力検査装置は、被験者の頭部位置を検出する頭部位置検出手段14と、前記頭部位置検知手段14により検出された頭部位置データから、被験者が座った段階から立ち上がる段階までの被験者の頭部の移動軌跡を抽出する頭部移動軌跡抽出手段40と、前記頭部移動軌跡抽出手段40によって抽出された頭部の移動軌跡から被験者の身体能力を評価する評価手段46と、を有する。【選択図】図4

Description

本発明は、身体能力検査装置及びプログラムに関する。
特許文献1は、ユーザーが立ち上がる動作をした立ち上がり動作期間に測定されたユーザーの荷重に関する荷重情報を取得し、荷重情報に基づいて、ユーザーの荷重の変化に関する荷重変化情報を算出し、荷重情報に基づいて、ユーザーの左右方向の変位に関する左右変位情報を算出し、荷重変化情報及び前記左右変位情報に基づいて、ユーザーのバランス能力に関するバランス能力評価値を算出するバランス能力測定装置を開示する。
特許文献2は、計測装置とその制御装置とを備え、前記計測装置は、椅座位の状態の患者の臀部を支持する臀部置き台と、足裏を支持する足置き台と、前記置き台に取り付けられその上面に加わる荷重及び圧力分布を検出するセンサとで構成され、前記制御装置は、前記センサの検出情報を取得して所定の処理を行い、その処理結果を保存する処理部と、前記処理結果を表示する表示部とで構成され、前記処理部は、少なくとも患者の身体全体の重心位置と支持基底面とを算出する処理を行い、それを前記表示部に表示させることを特徴とする立ち上り動作測定システムを開示する。
特許文献3は、被検者が検出器上に両足を載置した状態で着座した時点から、立ち上がって前記検出器上に立位した後、立位姿勢が安定する時点までの立ち上がり動作期間における荷重と、前記荷重の作用点の前記検出器上における座標である重心座標とを算出する第一の算出部と、前記立ち上がり動作期間における前記重心座標の変化に基づいて、前記被検者のバランス能力を表す第一の指標を算出し、前記立ち上がり動作期間における前記荷重の変化に基づいて、前記被検者の動作の俊敏性を表す第二の指標を算出する第二の算出部と、前記第一の指標と前記第二の指標とを用いて、前記被検者の運動器を評価するための第三の指標を算出する第三の算出部と、を備えることを特徴とする運動器評価システムを開示する。
特開2016−055132号公報 特許第6097905号公報 特開2016−202871号公報
被験者が二足歩行で上がることができる高さを測ることにより被験者の身体能力を測定するテストでは被験者が上がることができるか否かのみを測定しており、被験者のバランス状態については把握することができない。
本発明は、被験者が立ち上がる時のバランスについて把握することができる身体能力検査装置及びプログラムを提供することを目的としている。
請求項1に係る本発明は、被験者の頭部位置を検出する頭部位置検出手段と、前記頭部位置検知手段により検出された頭部位置データから、被験者が座った段階から立ち上がる段階までの被験者の頭部の移動軌跡を抽出する頭部移動軌跡抽出手段と、前記頭部移動軌跡抽出手段によって抽出された頭部の移動軌跡から被験者の身体能力を評価する評価手段と、を有する身体能力検査装置である。
請求項2に係る本発明は、前記頭部移動軌跡抽出手段は、被験者の頭部が移動する時間を抽出する請求項1記載の身体能力検査装置である。
請求項3に係る本発明は、前記頭部移動軌跡抽出手段は、被験者の頭部が移動する距離を抽出する請求項1又は2記載の身体能力検査装置である。
請求項4に係る本発明は、前記頭部移動軌跡抽出手段は、被験者が座った状態から立ち上がろうとする第1の領域における被験者の頭部の移動軌跡を抽出する請求項1から3いずれか記載の身体能力検査装置である。
請求項5に係る本発明は、前記頭部移動軌跡抽出手段は、被験者が立ち上がってから安定するまでの第2の領域での頭部の移動軌跡を抽出する請求項1から4いずれか記載の身体能力検査装置である。
請求項6に係る本発明は、被験者の足圧を検出する足圧検出手段と、前記足圧検出手段により検出された足圧データから足圧重心の軌跡を抽出する足圧重心移動軌跡抽出手段と、をさらに有し、前記評価手段は、前記頭部移動軌跡抽出手段によって抽出された頭部の移動軌跡及び前記足圧重心移動軌跡抽出手段から抽出された足圧重心の移動軌跡から被験者の身体能力を評価する請求項1記載の身体能力検査装置である。
請求項7に係る本発明は、前記足圧重心移動軌跡抽出手段は、足圧重心が移動する距離を抽出する請求項6記載の身体能力検査装置ある。
請求項8に係る本発明は、前記評価手段は、被験者の下肢筋力を評価する請求項6又は7記載の身体能力検査装置である。
請求項9に係る本発明は、前記評価手段は、被験者の立ち上がる高さを段階的に変えて評価する請求項1から8いずれか記載の身体能力検査装置である。
請求項10に係る本発明は、前記評価手段は、被験者が立ち上がるのを失敗した前の段階における被験者の状態により評価する請求項9記載の身体能力検査装置である。
請求項11に係る本発明は、前記評価手段は、立ち上がる高さを変えて被験者が実行する間の段階での被験者の状態を補間により推定して評価する請求項9記載の身体能力検査装置である。
請求項12に係る本発明は、前記評価手段は、被験者の状態に対して閾値を設けて評価する請求項1から11いずれか記載の身体能力評価装置である。
請求項13に係る本発明は、被験者の頭部位置を検出するステップと、検出された頭部位置データから、被験者が座った段階から立ち上がる段階までの被験者の頭部の移動軌跡を抽出するステップと、抽出された頭部の移動軌跡から被験者の身体能力を評価するステップと、を有するコンピュータに実行させるためのプログラムである。
請求項1又は14に係る本発明によれば、被験者が立ち上がる時のバランスについて把握することができる。
請求項2に係る本発明によれば、請求項1に係る本発明の効果に加えて、被験者の頭部が移動する時間で評価することができる。
請求項3に係る本発明によれば、請求項1又は2に係る本発明の効果に加えて、被験者の頭部が移動する距離で評価することができる。
請求項4に係る本発明によれば、請求項1から3いずれかに係る発明の効果に加えて、被験者が立ち上がろうとする状態を評価することができる。
請求項5に係る本発明によれば、請求項1から4いずれかに係る発明の効果に加えて、被験者が立ち上がってから安定するまでの状態を評価することができる。
請求項6に係る本発明によれば、請求項1に係る発明の効果に加えて、被験者の頭部の移動軌跡から身体能力を評価するものと比較して、より精度良く被験者の身体能力を評価することができる。
請求項7に係る本発明によれば、請求項6に係る発明の効果に加えて、足圧重心の動きから評価することができる。
請求項8に係る本発明によれば、請求項6又は7に係る発明の効果に加えて、被験者の下肢筋力を評価することができる。
請求項9に係る発明によれば、請求項1から8いずれに係る発明の効果に加えて、被験者の立ち上がる高さを変えて評価することができる。
請求項10に係る本発明によれば、請求項9に係る本発明の効果に加えて、被験者が立ち上がるのを失敗した場合にも評価することができる。
請求項11に係る発明によれば、請求項9に係る本発明の効果に加えて、補間しない場合に比べて、被験者の立ち上がる実行回数を減らすことができる。
請求項12に係る本発明によれば、被験者に対して数値によれずに検査結果を知らせることができる。
本発明の第1の実施形態に係る身体能力検査装置の一部を模式的に示す説明図である。 本発明の第1の実施形態に係る身体能力検査装置に用いた椅子を示す正面図である。 本発明の第1の実施形態に係る身体能力検査装置に用いた計測装置のハードウエアを示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態に係る身体能力検査装置の機能を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態に係る身体能力検査装置を用いて抽出した頭部移動軌跡と足圧重心移動軌跡の例を示す軌跡図である。 本発明の第1の実施形態に係る身体能力検査装置の全体動作フローを示すフローチャートである。 本発明の第1の実施形態に係る身体能力検査装置の立ち上がり検査フローを示すフローチャートである。 本発明の第1の実施形態に係る身体能力検査装置による評価を示す図表である。 本発明の第1の実施形態に係る身体能力検査装置により椅子の高さを含めての評価を示す説明図である。 本発明の第2の実施形態に係る身体能力検査装置の一部を模式的に示す説明図である。 本発明の第2の実施形態に係る身体能力検査装置を用いて抽出した頭部移動軌跡の局所の例を示す軌跡図である。 本発明の第2の実施形態に係る身体能力検査装置による評価を示す図表である。 本発明の第3の実施形態の検査例を示す説明図である。 本発明の第3の実施形態における補間方法を示す説明図である。
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る身体能力検査装置を示す。
身体能力検査装置には被験者が座る椅子10が用いられる。椅子10は、図2に示すように、例えば高さが4段となっている椅子部材12a,12b,12c,12dから構成されている。第1の椅子部材12aは高さが40cm、第2の椅子部材12bは30cm、第3の椅子部材12cは20cm、第4の椅子部材12dは10cmとなっている。
また、身体能力検査装置は、距離センサ14と足圧センサ16とを有する。距離センサ14は、被験者の頭部上方に配置できるように支柱18に取り付けられている。この距離センサは、例えば赤外線センサやレーザセンサであり、被験者の頭部から反射する赤外線やレーザ光により被験者の頭部位置を検知する。足圧センサ16は、被験者の足圧を検出するものであり、例えば16×16の圧力センサが方形状に並べられている。
被験者は、最初は椅子10に座った状態にあり、この座った状態から検査が開始され、被験者が直立するまでの足圧の重心位置の変化と頭部位置の変化が検出される。
なお、被験者の頭部位置の変化を検出するには上記の距離センサ14ばかりではなく、例えば被験者の頭部に加速度センサを設けるようにしてもよい。
距離センサ14及び足圧センサ16は、図3に示すように、例えばパーソナルコンピュータから構成された計測装置20に接続されている。
この計測装置20はCPU22、メモリ24、記憶装置26及び入出力インターフェイス28を有し、これらCPU22、メモリ24、記憶装置26及び入出力インターフェイス28がバス30を介して接続されている。
CPU20は、メモリ22に格納された制御プログラムに基づいて予め定められた処理を実行する。記憶装置24は、例えばハードディスクから構成され、必要とされるソフトウエアやデータが記憶されている。入出力インターフェイス26は、距離センサ14及び足圧センサ16からのデータが入力される。また、入出力インターフェイス26には、表示操作装置32が接続されている。この表示操作装置32は、例えばタッチパネルと液晶モニタが組み合わされ、タッチパネルから検査指示等を入力し、液晶モニタに指示用ボタンを表示したり、検査結果を表示したりする。
図3は、計測装置20の機能を示すブロック図である。
計測装置20は、第1の受信部34と第2の受信部36とを有する。第1の受信部34には、前述した距離センサ14から送られる被験者の頭部位置データが受け付けられる。第2の受信部36には、前述した足圧センサ16から送られる足圧データが受け付けられる。
身長データ抽出部38は、第1の受信部34で受信した頭部位置データから被験者の身長を抽出する。被験者の身長は、例えば被験者が完全に立ち上がった状態における被験者の頭部位置から割り出す。
頭部移動軌跡抽出部40は、第1の受信部34で受信した頭部位置データから被験者が前述した椅子10に座った段階から被験者が立ち上がる段階までの被験者の頭部の移動軌跡を抽出する。
足圧重心移動軌跡抽出部42は、第2の受信部36で受信した足圧データから足圧重心の移動軌跡を抽出する。足圧重心は、被験者の左足と右足の圧力分布を解析して求める。
計測部44は、頭部移動軌跡抽出部40で抽出した被験者の頭部の移動軌跡と、足圧重心移動抽出部42で抽出した被験者の足圧重心の移動軌跡とから被験者の身体能力を計測する。ここでは、被験者のバランスと下肢筋力とを計測することになる。
評価部46は、計測部44で計測したデータから被験者の身体能力を評価する。この評価部46で評価された結果は、前述した表示操作装置32に表示される。
図5は、計測部44で計測した計測結果を示す。
実線は、被験者の頭部移動軌跡を示す。
点線は、被験者の足圧重心移動軌跡を示す。
ここで、X軸は、被験者のX方向(被験者の左右方向)の位置を示し、300mm付近が被験者の中心位置である。また、Y軸は被験者のY方向(被験者の前後方向)の位置を示す。200mm付近が被験者の中心位置である。また、頭部移動軌跡及び足圧重心移動軌跡は、被験者が椅子10に座った状態から立ち上がった状態まで、予め定められた時間、例えば0.1秒ごとに位置をプロットして求めている。立ち上がった状態にあっては、安定するまでの時間として予め定められた時間、例えば30秒が与えられている。
図5(a)は、問題ない立ち上がりの例である。即ち、立ち上がり時間が短く、頭部移動距離及び足圧重心移動距離も短くなっている。図5(b)は、頭部のふらつきはないが、図5(a)と比較すると、足圧重心移動距離が長くなっており、少し立ち上がりに力が必要なことを示している。図5(c)は、頭部移動距離及び足圧重心移動距離とも長く、且つ立ち上がり時間が長くなっている。即ち、頭部及び足圧重心が左右、前後に揺さぶられ、被験者は体をねじりながら何とか立ち上がったことを示している。
図6は、計測装置20の動作フローを示すフローチャートである。
計測装置20においては、スタートしてからステップS10において、立ち上がりを計測して終了する。スタートは、例えば「これから計測を開始します。」等を表示操作装置32に表示し、あるいは音声により被験者に知らしめる。終了は、「これで計測を終了します。」等を表示操作装置30に表示し、あるいは音声により被験者に知らしめる。
ステップS10においては、被験者のバランス及び下肢筋力を計測する。また、この計測にあたっては、椅子10の高さを第1段階(Phase1)の40cmから開始し、第2段階(Phase2)の30cm、第3段階(Phase2)の20cm、さらに第4段階((Phase2)の10cmまで行う。また、開眼・両足立ち、開眼・片足立ち、閉眼・両足立ち等を選択するようにしてもよい。
図7は、計測装置20の動作フローの詳細を示すフローチャートである。
まずステップS12において、片足立ち、両足立ちのどちらを選択するのかを示す選択指令を受け付ける。
次のステップS14においては、Phase nをn=1(第1段階)に設定し、次のステップS16に進む。
ステップS16においては、Phase nが4より大きいか、即ち、第4段階が終了しているか否かを判定する。このステップS16において、n>4であると判定された場合はステップS18に進み、Phase n=4の計測データを採用する。次のステップS20においては、ステップS18で採用されたPhase n=4の計測データを分析・判定(評価)し、処理を終了する。
なお、ステップS20の処理については後に詳述する。
前述したステップS16において、Phase nが4より大きくない、即ち、まだ第4段階までの計測が終了していないと判定された場合は、ステップS22に進み、立ち上りの計測を実施する。
次のステップS24においては、被験者が立ち上がることができたか否かを判定する。この判定は、例えば予め定められた時間内に距離センサ14により計測したデータが被験者の身長まで到達するか否かにより行う。
ステップS24において、被験者が立ち上がることができたと判定された場合はステップS26に進み、n=n+1とし、ステップS16に戻る。即ち、被験者がそれぞれの段階で立ち上がりに成功した場合は、第1段階から第4段階まで進み、それぞれの段階で立ち上がり計測が実施される。
一方、ステップS24において、被験者が立ち上がりに失敗したと判定された場合はステップS28に進み、1つ前のPhaseのデータを採用し、次のステップS20に進み、計測データを分析・判定(評価)し、処理を終了する。被験者が立ち上がりに失敗した場合は、失敗したPhaseでのデータが取得できないので、その前のPhaseで取得したデータを採用することになる。
次に前述したステップS20の評価処理について詳述する。
評価変数としては次の3つを用いる。
(1)立ち上がり時間tstd:被験者が椅子10に座った状態から立ち上がるまでの時間(立ち上がってから安定するまでの予め定めた時間を含んでもよい)
(2)頭部移動距離dh:被験者が椅子10に座った状態から立ち上がるまでの被験者の頭部の移動距離
(3)足圧重点移動距離df:被験者が椅子10に座った状態から立ち上がるまでの足圧重心の移動距離
判定は、図8に示すように、立ち上がり時間の判定結果と、移動距離に関する判定結果とを組み合わせたレベルで行う。
立ち上がり時間tstdは、例えば2つの閾値TH1,TH2(TH1<TH2)と比較して3段階で評価する。
移動距離に関する判定は、k1×dh+K2×dfを例えば2つの閾値TH3,TH4(TH3<TH4)と比較して3段階で評価する。
評価は、例えば「1・・・良い」「2・・・少し良い」「3・・・普通」「4・・・少し悪い」「5・・・悪い」の5段階レベルとする。即ち、立ち上がり時間が早く、且つ頭部及び足圧重心の移動が少ない程、評価が高くなるように評価する。
図9に示すように、さらにPhaseを用いて評価する。
被験者が第4段階(Phase4)の立ち上がりに失敗した場合、第3段階(Phase3)での結果で評価する。ここでは、Phase3でのレベルが2であれば、評価結果としては、フェーズ3、レベル2となる。
被験者にはフェーズとレベルを表示操作装置30に表示して評価結果を知らしめる。
なお、上記の評価結果のみならず、図5に示した頭部移動軌跡及び足圧重点移動軌跡を表示し、被験者がどこに力がかかっているのかを可視化するようにしてもよい。
図10〜図12は、本発明に係る第2の実施形態を示す。
この第2の実施形態においては、前述第1の実施形態で用いた足圧センサ16を用いることなく、距離センサ14のみにより被験者のバランスと下肢筋力を評価するようにしている。この第2の実施形態は、立ち上がり開始時と立ち上がり終了時の局所的な挙動を抽出する。
即ち、この第2実施形態においては、被験者が座った状態から立ち上がろうとする第1の領域a1における被験者の頭部の移動軌跡、及び立ち上がってから安定するまでの第2の領域a2での頭部の移動軌跡を抽出する。
第1の領域a1においては、被験者は下肢筋力を使って立ち上がるので、立ち上がり力として下肢筋力を評価する。第2の領域a2においては、被験者はバランスを保とうとするので、立ち上がった状態での保持力としてバランスを評価する。
即ち、図12に示すように、領域a1での被験者の頭部の移動時間をthp1、移動距離をdh1とし、領域a2での被験者の頭部の移動時間をthp2、移動距離をdh2とすれば、下肢筋力E1は次の評価式により評価する。
Figure 2020044295
また、バランスE2は次の表記式により評価する。
Figure 2020044295
なお、K1〜K4は係数である。
このように、下肢筋力とバランスとから被験者の身体能力を前述した第1の実施形態と同様に、総合評価として相対評価するようにしてもよい。また、この第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様に、椅子10は、段階的に高さを変えるようにしてもよい。
図13及び図14は、本発明に係る第3の実施形態を示す。
この第3の実施形態は、テスト回数を減らすために補間を行うようにしたものである。
即ち、図13に示すように、例えば椅子の高さが40cmの第1段階と20cの第3段階は検査を実施し、30cmの第2段階と10cmの第4段階の検査は実施せずに、第1段階と第3段階の検査結果から補間により推定するようにしている。
例えば立ち上がり時間tstdについて説明すると、第1段階での立ち上がり時間tstd1と第3段階での立ち上がり時間tstd3とから、第2段階での立ち上がり時間tstd2と第4段階での立ち上がり時間tstd4とを推定する。
被験者が例えば片足立ちの第3段階で立ち上がるのを失敗した場合、第3段階での測定はできないので、第2段階での検査結果から被験者の身体能力を評価することになるが、この第2段階での検査結果としては補間により求めたデータにより評価する。
立ち上がり時間Yの補間には例えば次のような指数関数を用いる。
Figure 2020044295
ここで、Xは椅子の高さであり、k1,k2,m1は係数である。
この係数k1,k2,m1は、図14に示すように、計測値40cm、20cmを通る点を基準に決める。この係数k1,k2,m1により、図14に示すように、補間式がy、y1、y2のように変わる。例えば高さ20での立ち上がり時間が大きい場合は、立ち上がり度合いの大きい補間式となる。
頭部移動距離及び足圧重心移動距離も同様に決定する。
10 椅子
12a〜12d 椅子部材
14 距離センサ
16 足圧センサ
18 支柱
20 計測装置
22 CPU
24 メモリ
26 記憶装置
28 入出力インターフェイス
30 バス
32 表示操作装置
34 第1の受信部
36 第2の受信部
38 身長データ抽出部
40 頭部移動軌跡抽出部
42 足圧重心移動軌跡抽出部
44 計測部
46 評価部

Claims (13)

  1. 被験者の頭部位置を検出する頭部位置検出手段と、
    前記頭部位置検知手段により検出された頭部位置データから、被験者が座った段階から立ち上がる段階までの被験者の頭部の移動軌跡を抽出する頭部移動軌跡抽出手段と、
    前記頭部移動軌跡抽出手段によって抽出された頭部の移動軌跡から被験者の身体能力を評価する評価手段と、
    を有する身体能力検査装置。
  2. 前記頭部移動軌跡抽出手段は、被験者の頭部が移動する時間を抽出する請求項1記載の身体能力検査装置。
  3. 前記頭部移動軌跡抽出手段は、被験者の頭部が移動する距離を抽出する請求項1又は2記載の身体能力検査装置。
  4. 前記頭部移動軌跡抽出手段は、被験者が座った状態から立ち上がろうとする第1の領域における被験者の頭部の移動軌跡を抽出する請求項1から3いずれか記載の身体能力検査装置。
  5. 前記頭部移動軌跡抽出手段は、被験者が立ち上がってから安定するまでの第2の領域での頭部の移動軌跡を抽出する請求項1から4いずれか記載の身体能力検査装置。
  6. 被験者の足圧を検出する足圧検出手段と、
    前記足圧検出手段により検出された足圧データから足圧重心の軌跡を抽出する足圧重心移動軌跡抽出手段と、をさらに有し、
    前記評価手段は、前記頭部移動軌跡抽出手段によって抽出された頭部の移動軌跡及び前記足圧重心移動軌跡抽出手段から抽出された足圧重心の移動軌跡から被験者の身体能力を評価する請求項1記載の身体能力検査装置。
  7. 前記足圧重心移動軌跡抽出手段は、足圧重心が移動する距離を抽出する請求項6記載の身体能力検査装置。
  8. 前記評価手段は、被験者の下肢筋力を評価する請求項6又は7記載の身体能力検査装置。
  9. 前記評価手段は、被験者の立ち上がる高さを段階的に変えて評価する請求項1から8いずれか記載の身体能力検査装置。
  10. 前記評価手段は、被験者が立ち上がるのを失敗した前の段階における被験者の状態により評価する請求項9記載の身体能力検査装置。
  11. 前記評価手段は、立ち上がる高さを変えて被験者が実行する間の段階での被験者の状態を補間により推定して評価する請求項9記載の身体能力検査装置。
  12. 前記評価手段は、被験者の状態に対して閾値を設けて評価する請求項1から11いずれか記載の身体能力評価装置。
  13. 被験者の頭部位置を検出するステップと、
    検出された頭部位置データから、被験者が座った段階から立ち上がる段階までの被験者の頭部の移動軌跡を抽出するステップと、
    抽出された頭部の移動軌跡から被験者の身体能力を評価するステップと、
    を有するコンピュータに実行させるためのプログラム。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7134371B1 (ja) * 2022-01-31 2022-09-09 社会福祉法人兵庫県社会福祉事業団 運動機能評価システム、運動機能評価方法及び運動機能評価プログラム

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