JP2020043794A - プライマーセット、及びそれを用いた標的ヌクレオチド配列の増幅方法 - Google Patents
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(1)25ヌクレオチドからなる標的配列において、グアニン及びシトシンの総数を少なくとも13ヌクレオチドとする。
(2)フォワードプライマー及びリバースプライマーのいずれか一方の鎖長を12ヌクレオチドとし、他方の鎖長を13ヌクレオチドとする。また、各プライマーは、グアニン及びシトシンを少なくとも計5ヌクレオチド含む。
<1> 標的ヌクレオチド配列を増幅するためのフォワードプライマー及びリバースプライマーを含むプライマーセットであって、
前記標的ヌクレオチド配列は、25のヌクレオチドからなり、グアニン及びシトシンを少なくとも計13ヌクレオチド含む、
下記(a)及び(b)からなる群から選択される1のプライマーセット
(a)前記フォワードプライマーは、前記標的ヌクレオチド配列の5’末端から12ヌクレオチドからなる部分と同一の配列からなり、グアニン及びシトシンを少なくとも計5ヌクレオチド含み、
前記リバースプライマーは、前記標的ヌクレオチド配列の3’末端から13ヌクレオチドからなる部分と相補的な配列からなり、グアニン及びシトシンを少なくとも計5ヌクレオチド含む、プライマーセット、
(b)前記フォワードプライマーは、前記標的ヌクレオチド配列の5’末端から13ヌクレオチドからなる部分と同一の配列からなり、グアニン及びシトシンを少なくとも計5ヌクレオチド含み、
前記リバースプライマーは、前記標的ヌクレオチド配列の3’末端から12ヌクレオチドからなる部分と相補的な配列からなり、グアニン及びシトシンを少なくとも計5ヌクレオチド含む、プライマーセット。
<2> 下記(1)〜(11)の群から選択される、<1>に記載のプライマーセット
(1)配列番号:1に記載のヌクレオチド配列からなる、アグロバクテリウムのT−DNAに由来するRB近傍配列を、前記標的ヌクレオチド配列とする、
配列番号:15に記載のヌクレオチド配列からなるフォワードプライマー及び
配列番号:16に記載のヌクレオチド配列からなるリバースプライマーを含む、プライマーセット、
(2)配列番号:34に記載のヌクレオチド配列からなる大豆レクチン遺伝子由来の配列を、前記標的ヌクレオチド配列とする、
配列番号:35に記載のヌクレオチド配列からなるフォワードプライマー及び
配列番号:36に記載のヌクレオチド配列からなるリバースプライマーを含む、プライマーセット、
(3)配列番号:42に記載のヌクレオチド配列からなる大豆レクチン遺伝子由来の配列を、前記標的ヌクレオチド配列とする、
配列番号:43に記載のヌクレオチド配列からなるフォワードプライマー及び
配列番号:44に記載のヌクレオチド配列からなるリバースプライマーを含む、プライマーセット、
(4)配列番号:45に記載のヌクレオチド配列からなる大豆レクチン遺伝子由来の配列を、前記標的ヌクレオチド配列とする、
配列番号:46に記載のヌクレオチド配列からなるフォワードプライマー及び
配列番号:47に記載のヌクレオチド配列からなるリバースプライマーを含む、プライマーセット、
(5)配列番号:45に記載のヌクレオチド配列からなる大豆レクチン遺伝子由来の配列を、前記標的ヌクレオチド配列とする、
配列番号:48に記載のヌクレオチド配列からなるフォワードプライマー及び
配列番号:49に記載のヌクレオチド配列からなるリバースプライマーを含む、プライマーセット、
(6)配列番号:53に記載のヌクレオチド配列からなる、大豆レクチン遺伝子由来の配列を、前記標的ヌクレオチド配列とする、
配列番号:54に記載のヌクレオチド配列からなるフォワードプライマー及び
配列番号:55に記載のヌクレオチド配列からなるリバースプライマーを含む、プライマーセット、
(7)配列番号:62に記載のヌクレオチド配列からなる、トウモロコシスターチシンターゼIIb遺伝子由来の配列を、前記標的ヌクレオチド配列とする、
配列番号:63に記載のヌクレオチド配列からなるフォワードプライマー及び
配列番号:64に記載のヌクレオチド配列からなるリバースプライマーを含む、プライマーセット、
(8)配列番号:71に記載のヌクレオチド配列からなる、トウモロコシスターチシンターゼIIb遺伝子由来の配列を、前記標的ヌクレオチド配列とする、
配列番号:72に記載のヌクレオチド配列からなるフォワードプライマー及び
配列番号:73に記載のヌクレオチド配列からなるリバースプライマーを含む、プライマーセット、
(9)配列番号:71に記載のヌクレオチド配列からなる、トウモロコシスターチシンターゼIIb遺伝子由来の配列を、前記標的ヌクレオチド配列とする、
配列番号:74に記載のヌクレオチド配列からなるフォワードプライマー及び
配列番号:75に記載のヌクレオチド配列からなるリバースプライマーを含む、プライマーセット、
(10)配列番号:79に記載のヌクレオチド配列からなる、トウモロコシHMG遺伝子由来の配列を、前記標的ヌクレオチド配列とする、
配列番号:80に記載のヌクレオチド配列からなるフォワードプライマー及び
配列番号:81に記載のヌクレオチド配列からなるリバースプライマーを含む、プライマーセット、
(11)配列番号:85に記載のヌクレオチド配列からなる、トウモロコシHMG遺伝子由来の配列を、前記標的ヌクレオチド配列とする、
配列番号:86に記載のヌクレオチド配列からなるフォワードプライマー及び
配列番号:87に記載のヌクレオチド配列からなるリバースプライマーを含む、プライマーセット。
<3> 試料中の標的ヌクレオチド配列を増幅するための方法であって、
試料中の標的ヌクレオチド配列を鋳型として、<1>又は<2>に記載のプライマーセットを用い、ポリメラーゼ連鎖反応により、当該配列を増幅する工程を含む、方法。
<4> 試料中の標的ヌクレオチド配列を検出するための方法であって、
<3>に記載の方法により、試料中の標的ヌクレオチド配列を増幅する工程と、
前記工程にて増幅した標的ヌクレオチド配列を検出する工程とを、含む方法。
<5> アグロバクテリウム法によって作製された遺伝子組換え植物を検出する方法であって、
被検植物のゲノムDNAを鋳型として、配列番号:15に記載のヌクレオチド配列からなるフォワードプライマー及び配列番号:16に記載のヌクレオチド配列からなるリバースプライマーのセットを用い、ポリメラーゼ連鎖反応を行なう工程、
前記ポリメラーゼ連鎖反応により増幅された、配列番号:1に記載のヌクレオチド配列からなる、アグロバクテリウムのT−DNAに由来するRB近傍配列を、検出する工程、
前記工程にて、前記RB近傍配列の増幅が検出された場合に、前記被検植物を、アグロバクテリウム法によって作製された遺伝子組換え植物であると判定する工程を、
含む方法。
後述の実施例に示すとおり、本発明者らは、25ヌクレオチドという極めて短い標的配列(標的ヌクレオチド配列)を、以下に示すプライマーセットであれば、ポリメラーゼ連鎖反応(Polymerase Chain Reaction:PCR)によって増幅できることを、見出した。
標的ヌクレオチド配列を増幅するためのフォワードプライマー及びリバースプライマーを含むプライマーセットであって、
前記標的ヌクレオチド配列は、25のヌクレオチドからなり、グアニン及びシトシンを少なくとも計13ヌクレオチド含む、
下記(a)及び(b)からなる群から選択される1のプライマーセット
(a)前記フォワードプライマーは、前記標的ヌクレオチド配列の5’末端から12ヌクレオチドからなる部分と同一の配列からなり、グアニン及びシトシンを少なくとも計5ヌクレオチド含み、
前記リバースプライマーは、前記標的ヌクレオチド配列の3’末端から13ヌクレオチドからなる部分と相補的な配列からなり、グアニン及びシトシンを少なくとも計5ヌクレオチド含む、プライマーセット、
(b)前記フォワードプライマーは、前記標的ヌクレオチド配列の5’末端から13ヌクレオチドからなる部分と同一の配列からなり、グアニン及びシトシンを少なくとも計5ヌクレオチド含み、
前記リバースプライマーは、前記標的ヌクレオチド配列の3’末端から12ヌクレオチドからなる部分と相補的な配列からなり、グアニン及びシトシンを少なくとも計5ヌクレオチド含む、プライマーセット
を提供する。
大豆レクチン遺伝子における配列番号:42に記載のヌクレオチド配列を標的ヌクレオチド配列とする場合には、配列番号:43に記載のヌクレオチド配列からなるフォワードプライマー及び配列番号:44に記載のヌクレオチド配列からなるリバースプライマーを含む、プライマーセット(2)が挙げられ、
大豆レクチン遺伝子における配列番号:45に記載のヌクレオチド配列を標的ヌクレオチド配列とする場合には、配列番号:46に記載のヌクレオチド配列からなるフォワードプライマー及び配列番号:47に記載のヌクレオチド配列からなるリバースプライマーを含む、プライマーセット(3)が挙げられ、
大豆レクチン遺伝子における配列番号:45に記載のヌクレオチド配列を標的ヌクレオチド配列とする場合には、配列番号:48に記載のヌクレオチド配列からなるフォワードプライマー及び配列番号:49に記載のヌクレオチド配列からなるリバースプライマーを含む、プライマーセット(4)が挙げられ、
大豆レクチン遺伝子における配列番号:53に記載のヌクレオチド配列を標的ヌクレオチド配列とする場合には、配列番号:54に記載のヌクレオチド配列からなるフォワードプライマー及び配列番号:55に記載のヌクレオチド配列からなるリバースプライマーを含む、プライマーセット(5)が挙げられ、
大豆レクチン遺伝子における配列番号:28に記載のヌクレオチド配列を標的ヌクレオチド配列とする場合には、配列番号:29に記載のヌクレオチド配列からなるフォワードプライマー及び配列番号:30に記載のヌクレオチド配列からなるリバースプライマーを含む、プライマーセット(6)が挙げられ、
大豆レクチン遺伝子における配列番号:39に記載のヌクレオチド配列を標的ヌクレオチド配列とする場合には、配列番号:40に記載のヌクレオチド配列からなるフォワードプライマー及び配列番号:41に記載のヌクレオチド配列からなるリバースプライマーを含む、プライマーセット(7)が挙げられ、
大豆レクチン遺伝子における配列番号:50に記載のヌクレオチド配列を標的ヌクレオチド配列とする場合には、配列番号:51に記載のヌクレオチド配列からなるフォワードプライマー及び配列番号:52に記載のヌクレオチド配列からなるリバースプライマーを含む、プライマーセット(8)が挙げられる。
トウモロコシスターチシンターゼIIb遺伝子における配列番号:71に記載のヌクレオチド配列を標的ヌクレオチド配列とする場合には、配列番号:72に記載のヌクレオチド配列からなるフォワードプライマー及び配列番号:73に記載のヌクレオチド配列からなるリバースプライマーを含む、プライマーセット(10)が挙げられ、
トウモロコシスターチシンターゼIIb遺伝子における配列番号:71に記載のヌクレオチド配列を標的ヌクレオチド配列とする場合には、配列番号:74に記載のヌクレオチド配列からなるフォワードプライマー及び配列番号:75に記載のヌクレオチド配列からなるリバースプライマーを含む、プライマーセット(11)が挙げられ、
トウモロコシスターチシンターゼIIb遺伝子における配列番号:65に記載のヌクレオチド配列を標的ヌクレオチド配列とする場合には、配列番号:66に記載のヌクレオチド配列からなるフォワードプライマー及び配列番号:67に記載のヌクレオチド配列からなるリバースプライマーを含む、プライマーセット(12)が挙げられ、
トウモロコシスターチシンターゼIIb遺伝子における配列番号:68に記載のヌクレオチド配列を標的ヌクレオチド配列とする場合には、配列番号:69に記載のヌクレオチド配列からなるフォワードプライマー及び配列番号:70に記載のヌクレオチド配列からなるリバースプライマーを含む、プライマーセット(13)が挙げられる。
トウモロコシHMG遺伝子における配列番号:85に記載のヌクレオチド配列を標的ヌクレオチド配列とする場合には、配列番号:86に記載のヌクレオチド配列からなるフォワードプライマー及び配列番号:87に記載のヌクレオチド配列からなるリバースプライマーを含む、プライマーセット(15)が挙げられ、
トウモロコシHMG遺伝子における配列番号:76に記載のヌクレオチド配列を標的ヌクレオチド配列とする場合には、配列番号:77に記載のヌクレオチド配列からなるフォワードプライマー及び配列番号:78に記載のヌクレオチド配列からなるリバースプライマーを含む、プライマーセット(16)が挙げられ、
トウモロコシHMG遺伝子における配列番号:82に記載のヌクレオチド配列を標的ヌクレオチド配列とする場合には、配列番号:83に記載のヌクレオチド配列からなるフォワードプライマー及び配列番号:84に記載のヌクレオチド配列からなるリバースプライマーを含む、プライマーセット(17)が挙げられる。
本発明は、試料中の標的ヌクレオチド配列を鋳型として、前述のプライマーセットを用い、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により、当該配列を増幅する工程を含む、方法(試料中の標的ヌクレオチド配列の増幅方法)を提供する。
本発明は、上述のプライマーセットを含む、標的ヌクレオチド配列を増幅又は検出するためのキットをも提供し得る。当該キットには、上述のDNAポリメラーゼ、及びその他のPCR反応液の組成(基質(dNTP)、前記イオン又はそれらを供するための塩、緩衝液、添加剤)及び当該キットの使用説明書が含まれる。また、本発明のプライマーに標識物質を結合している場合には、当該標識物質を検出するための基質も前記キットに含まれ得る。また、検出方法によっては、PCRによる増幅産物を展開するための担体(例えば、電気泳動方法におけるポリアクリルアミドゲル、核酸クロマト法におけるクロマト用試験紙)及び溶媒、蛍光物質(例えば、インターカレーション法におけるインターカレーター)、クエンチャー媒介蛍光検出法における蛍光物質及び消光物質が結合したプローブも、前記キットに適宜含まれる。さらに、増幅された標的ヌクレオチド配列を確認するための、DNA分子量マーカー及び陽性コントロールも、前記キットに含めてもよい。
後述の実施例において示すとおり、本発明者らによって、アグロバクテリウム法によって作製された遺伝子組換え植物のゲノムDNAにおいて、アグロバクテリウムのT−DNAに由来するRB近傍配列(配列番号:1に記載のヌクレオチド配列)が共通して挿入されていることが明らかになった。さらに、この25ヌクレオチドからなる極めて短いRB近傍配列を、配列番号:15に記載のヌクレオチド配列からなるフォワードプライマー及び配列番号:16に記載のヌクレオチド配列からなるリバースプライマーのセットを用いたPCRにより検出できることも、本発明者らは見出した。
アグロバクテリウム法によって作製された遺伝子組換え植物を検出する方法であって、
被検植物のゲノムDNAを鋳型として、配列番号:15に記載のヌクレオチド配列からなるフォワードプライマー及び配列番号:16に記載のヌクレオチド配列からなるリバースプライマーのセットを用い、ポリメラーゼ連鎖反応を行なう工程、
前記ポリメラーゼ連鎖反応により増幅された、配列番号:1に記載のヌクレオチド配列からなる、アグロバクテリウムのT−DNAに由来するRB近傍配列を、検出する工程、
前記工程にて、前記RB近傍配列の増幅が検出された場合に、前記被検植物を、アグロバクテリウム法によって作製された遺伝子組換え植物であると判定する工程を、
含む方法をも、提供する。
1.植物種子
日本において、安全性審査を経た旨の公表がなされているGM作物のうち、GM大豆8系統:RRS、A2704−12、MON89788、DP305423、MON87701、MON87705、MON87708、MON87769、及び、GMトウモロコシ15系統:NK603、Event176、T25、GA21、MON810、TC1507、Bt11、MIR604、MON88017、DAS59122、MON863、MIR162、3272、MON89034、MON87460を、以下の実験に供した。
大豆及びトウモロコシのゲノムDNAは、DNeasy Plant Maxi kit(キアゲン社製)を用いて抽出した。抽出法は、消費者庁マニュアルに従った(非特許文献2 「(別添)安全性審査済みの組換えDNA技術応用食品の検査方法」 参照)。また、抽出DNAの濃度は、NanoDrop 超微量分光光度計(ThermoFisher Scienticifc社製)を用いて260nmの吸光度を元に定量した。抽出DNAは50ng/μLに調製し、100ngをPCR分析の鋳型として用いた。
各GM大豆及びトウモロコシの擬似GM作物混入試料は、それぞれの抽出DNAを、同じ濃度の非遺伝子組換え(Non−GM)大豆及びトウモロコシの抽出DNAで希釈することにより調製した。具体的には、GM大豆及びGMトウモロコシの抽出DNAと、Non−GM大豆及びNon−GMトウモロコシの抽出DNAとを、同じ濃度になるよう調整し、各々抽出DNA溶液の体積比を変えて混合することによって各濃度の擬似混入試料を調製した。
下記表1〜4に示すPCRプライマー用配列を設計し、当該配列に基づき、株式会社ファスマックにて、プライマー用オリゴDNAを合成した。
PCR増幅産物を、核酸クロマト(STH(Single−stranded Tag Hybridization))によっても検出した。STH法においては、ビオチンにて標識したプライマーと、シングルタグDNAを付加したプライマーとにより、標的ヌクレオチド配列をPCRにより増幅する。その増幅液をアビジンコートラテックス(青色)と混合してメンブレンストリップに展開した場合、ライン状に固相化された相補タグDNAと前記シングルタグDNAとの強いハイブリダイゼーション反応により、PCR増幅産物はトラップされる。トラップされたラテックス標識PCR増幅産物にてラインが青色になることによって、検体中の標的ヌクレオチド配列の有無を目視判別することが可能となる。
既存のGM作物を効率的に検知するために、さらには増え続けるGM作物を漏れなく検知するために、GM作物に共通する配列を標的として検出するスクリーニング法が有効である。また現在、世界で最も広く用いられているGM植物作出技術は、アグロバクテリウム法であり、当該方法において、Tiプラスミド上のT−DNA領域が植物の核ゲノムに挿入される。したがって、アグロバクテリウムのT−DNAに由来する配列は、GM検知の際には極めて有効な標的配列になり得ると考えられる。
前述のとおり、標的配列において、フォワードプライマーとリバースプライマーとを重なりを生じさせず配置し、これらプライマーのヌクレオチドの合計数が当該標的配列と同じ(25ヌクレオチド)になるように設計したプライマーセットを用いた結果、前記標的配列を、25ヌクレオチドという短さにも関わらず特異的に増幅することができた。
上述のとおり、12ヌクレオチドからなるフォワードプライマー(RBF2)と、当該プライマーと重ならず、13ヌクレオチドからなるリバースプライマー(RBR2)とを用いることによって、T−DNAのRB近傍配列を有することが既に明らかとなっているGM大豆 MON89788及びGMトウモロコシ MIR162を検知することができた。
GM検査においては、微量混入したDNAを検出対象とする場合が少なくない。食品表示に関わる安全性審査済みのGM大豆及びGMトウモロコシにおいては、適切な分別生産流通管理がなされており、かつ5%までの混入であれば、組換えに関する表示が免除される。そこで、MON89788及びMIR162を0.5、1.0、5.0、10.0%及び100%含む試料を調製し、RB近傍配列検出法による検出の可否を検証した。
本発明のRB近傍配列検出法の簡易化のために、核酸クロマト(TBA社のSTH法(https://www.t−bioarray.com/contents/technology.html 参照))でも検出できることを確認した。
上述のとおり、25ヌクレオチドという極めて短いRB近傍配列をPCRにて検出するができた。しかしながら、そもそも、RB近傍配列に限らず、このような短い配列をPCRによって検出可能か否か検討された例はほとんど存在しない。
Harn,C.ら、Plant Molecular Biology、1998年、37,639〜649ページ 参照)が記載されている。また、トウモロコシの内在性配列としては、HMG(Krech,A.B.ら、Gene、1999年、234,45〜50ページ 参照)も海外の検査法においてよく利用されている。そこで、これらLe1、SSIIb及びHMG遺伝子のゲノムDNA配列を元に、様々なヌクレオチド配列からなる25ヌクレオチドの標的を選び出し、フォワードプライマー(12ヌクレオチド)及びリバースプライマー(13ヌクレオチド)、あるいはフォワードプライマー(13ヌクレオチド)及びリバースプライマー(12ヌクレオチド)のプライマーセットを設計して、特異的検出の可否を検討した。得られた結果を表5に示す。
Claims (5)
- 標的ヌクレオチド配列を増幅するためのフォワードプライマー及びリバースプライマーを含むプライマーセットであって、
前記標的ヌクレオチド配列は、25のヌクレオチドからなり、グアニン及びシトシンを少なくとも計13ヌクレオチド含む、
下記(a)及び(b)からなる群から選択される1のプライマーセット
(a)前記フォワードプライマーは、前記標的ヌクレオチド配列の5’末端から12ヌクレオチドからなる部分と同一の配列からなり、グアニン及びシトシンを少なくとも計5ヌクレオチド含み、
前記リバースプライマーは、前記標的ヌクレオチド配列の3’末端から13ヌクレオチドからなる部分と相補的な配列からなり、グアニン及びシトシンを少なくとも計5ヌクレオチド含む、プライマーセット、
(b)前記フォワードプライマーは、前記標的ヌクレオチド配列の5’末端から13ヌクレオチドからなる部分と同一の配列からなり、グアニン及びシトシンを少なくとも計5ヌクレオチド含み、
前記リバースプライマーは、前記標的ヌクレオチド配列の3’末端から12ヌクレオチドからなる部分と相補的な配列からなり、グアニン及びシトシンを少なくとも計5ヌクレオチド含む、プライマーセット。 - 配列番号:1に記載のヌクレオチド配列からなる、アグロバクテリウムのT−DNAに由来するRB近傍配列を、前記標的ヌクレオチド配列とする、
配列番号:15に記載のヌクレオチド配列からなるフォワードプライマー及び
配列番号:16に記載のヌクレオチド配列からなるリバースプライマーを含む、請求項1に記載のプライマーセット。 - 試料中の標的ヌクレオチド配列を増幅するための方法であって、
試料中の標的ヌクレオチド配列を鋳型として、請求項1又は2に記載のプライマーセットを用い、ポリメラーゼ連鎖反応により、当該配列を増幅する工程を含む、方法。 - 試料中の標的ヌクレオチド配列を検出するための方法であって、
請求項3に記載の方法により、試料中の標的ヌクレオチド配列を増幅する工程と、
前記工程にて増幅した標的ヌクレオチド配列を検出する工程とを、含む方法。 - アグロバクテリウム法によって作製された遺伝子組換え植物を検出する方法であって、
被検植物のゲノムDNAを鋳型として、配列番号:15に記載のヌクレオチド配列からなるフォワードプライマー及び配列番号:16に記載のヌクレオチド配列からなるリバースプライマーのセットを用い、ポリメラーゼ連鎖反応を行なう工程、
前記ポリメラーゼ連鎖反応により増幅された、配列番号:1に記載のヌクレオチド配列からなる、アグロバクテリウムのT−DNAに由来するRB近傍配列を、検出する工程、
前記工程にて、前記RB近傍配列の増幅が検出された場合に、前記被検植物を、アグロバクテリウム法によって作製された遺伝子組換え植物であると判定する工程を、
含む方法。
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2018
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Non-Patent Citations (1)
Title |
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Also Published As
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