JP2020042217A - 組成物、金属又は半金属含有膜形成用組成物、金属又は半金属含有膜及びその製造方法並びにパターン形成方法 - Google Patents

組成物、金属又は半金属含有膜形成用組成物、金属又は半金属含有膜及びその製造方法並びにパターン形成方法 Download PDF

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裕介 大坪
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Tomoaki Seko
智昭 瀬古
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Abstract

【課題】保存安定性、塗工膜厚変化抑制性及びレジスト感度変化抑制性に優れる組成物、金属又は半金属含有膜形成用組成物、金属又は半金属含有膜及びその製造方法並びにパターン形成方法の提供を目的とする。【解決手段】本発明は、金属原子及び半金属原子から選ばれる少なくとも1つの原子を含む第1化合物と、ケトン性カルボニル基及びオキシ有機基を有する第2化合物とを含有し、上記金属原子が周期表第2族〜第17族に属する組成物である。上記第2化合物が下記式(1)で表されることが好ましい。下記式(1)中、R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜20の1価の有機基である。R5及びR6は、それぞれ独立して、炭素数1〜20の1価の有機基である。下記式(1)におけるR5及びR6が炭素数1〜6のアルキル基であることが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、組成物、金属又は半金属含有膜形成用組成物、金属又は半金属含有膜及びその製造方法並びにパターン形成方法に関する。
電池材料分野においては、金属原子を含む電解液の溶媒が用いられている(特開2000−123868号公報参照)。
半導体材料分野においては、金属原子を含む化合物を溶解させる材料が用いられている(特表2015−504604号公報参照)。
特開2000−123868号公報 特表2015−504604号公報
従来の金属原子を含む材料は、時間の経過によって変質することでその材料の特性が変化すると、電池材料や半導体材料として必要な特性を満たすことができない場合があると考えられる。そこで、時間の経過によって変質しにくい保存安定性に優れる金属原子を含む材料が必要であると考えられる。
具体的には、金属原子を含む材料が、塗工性についての保存安定性に優れること、塗工膜についての塗工膜厚変化抑制性及びレジスト感度変化抑制性に優れること等が求められる。
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、保存安定性、塗工膜厚変化抑制性及びレジスト感度変化抑制性に優れる組成物、金属又は半金属含有膜形成用組成物、金属又は半金属含有膜、金属又は半金属含有膜の製造方法並びにパターン形成方法を提供することにある。
上記課題を解決するためになされた発明は、金属原子及び半金属原子から選ばれる少なくとも1つの原子を含む第1化合物(以下、「[A]化合物」ともいう)と、ケトン性カルボニル基及びオキシ有機基を有する第2化合物(以下、「[B]化合物」ともいう)とを含有し、上記金属原子が周期表第2族〜第17族に属する組成物(以下、「組成物(I)」ともいう)である。
上記課題を解決するためになされた別の発明は、金属原子及び半金属原子から選ばれる少なくとも1つの原子を含む第1化合物(以下、「[A’]化合物」ともいう)と、ケトン性カルボニル基及びオキシ有機基を有する第2化合物([B]化合物)とを含有する金属又は半金属含有膜形成用組成物(以下、「組成物(II)」ともいう)である。
上記課題を解決するためになされたさらに別の発明は、当該金属又は半金属含有膜形成用組成物から形成される金属又は半金属含有膜である。
上記課題を解決するためになされたさらに別の発明は、基板の一方の面側に、当該金属又は半金属含有膜形成用組成物を塗工する工程を備える金属又は半金属含有膜の形成方法である。
上記課題を解決するためになされたさらに別の発明は、基板の一方の面側に、当該金属又は半金属含有膜形成用組成物を塗工する工程と、上記金属又は半金属含有膜形成用組成物塗工工程により形成された金属又は半金属含有レジスト下層膜の上記基板とは反対の面側に、有機レジスト膜形成用組成物を塗工する工程と、上記有機レジスト膜形成用組成物塗工工程により形成された有機レジスト膜を放射線により露光する工程と、上記露光された有機レジスト膜を現像する工程とを備えるパターン形成方法(以下、「パターン形成方法(I)」ともいう)である。
上記課題を解決するためになされたさらに別の発明は、基板の一方の面側に、当該金属又は半金属含有膜形成用組成物を塗工する工程と、上記金属又は半金属含有膜形成用組成物塗工工程により形成された金属又は半金属含有レジスト膜を極端紫外線又は電子線により露光する工程と、上記露光された金属又は半金属含有レジスト膜を現像する工程とを備えるパターン形成方法(以下、「パターン形成方法(II)」ともいう)である。
本発明の組成物及び金属又は半金属含有膜形成用組成物は、保存安定性、塗工膜厚変化抑制性及びレジスト感度変化抑制性に優れている。本発明の金属又は半金属含有膜は、当該金属又は半金属含有膜形成用組成物から形成されるので、塗工膜厚変化抑制性及びレジスト感度変化抑制性に優れている。当該金属又は半金属含有膜の形成方法によれば、塗工膜厚変化抑制性及びレジスト感度変化抑制性に優れる金属又は半金属含有膜を形成することができる。本発明のパターン形成方法によれば、金属又は半金属含有レジスト下層膜並びに金属又は半金属含有レジスト膜を形成することができ、この優れたレジスト下層膜又はレジスト膜を用いることにより、良好なパターンを形成することができる。従って、これらは、さらなる微細化が要求されている半導体デバイス、液晶デバイス等の各種電子デバイスの製造におけるリソグラフィー工程に好適に用いることができる。
<組成物(I)>
組成物(I)は、[A]化合物と、[B]化合物とを含有する。組成物(I)は、好適成分として、[B]化合物以外の有機溶媒(以下、「[C]有機溶媒」ともいう)を含有していてもよく、本発明の効果を損なわない範囲において、その他の任意成分を含有していてもよい。
組成物(I)は、[A]化合物と、[B]化合物とを含有することで、保存安定性、塗工膜厚変化抑制性及びレジスト感度変化抑制性に優れる。組成物(I)が上記構成を備えることで、上記効果を備える理由については必ずしも明確ではないが、例えば以下のように推察することができる。すなわち、[B]化合物のケトン性カルボニル基とオキシ有機基とが、[A]化合物の金属原子及び/又は半金属原子の周囲に存在することにより、[A]化合物の経時的な変質を抑制することができ、その結果、組成物(I)は、保存安定性、塗工膜厚変化抑制性及びレジスト感度変化抑制性が向上すると考えられる。
以下、各成分について説明する。
[[A]化合物]
[A]化合物は、周期表第2族〜第17族に属する金属原子(以下、「金属原子(a)」ともいう)及び半金属原子から選ばれる少なくとも1つの原子を含む化合物である。
第2族の金属原子(a)としては、例えばベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等が、
第3族の金属原子(a)としては、例えばスカンジウム、イットリウム、ランタン等のランタノイドに属する原子、アクチニウム等のアクチノイドに属する原子などが、
第4族の金属原子(a)としては、例えばチタン、ジルコニウム、ハフニウム等が、
第5族の金属原子(a)としては、例えばバナジウム、ニオブ、タンタル等が、
第6族の金属原子(a)としては、例えばクロム、モリブデン、タングステン等が、
第7族の金属原子(a)としては、マンガン、レニウム等が、
第8族の金属原子(a)としては、鉄、ルテニウム、オスミウム等が、
第9族の金属原子(a)としては、コバルト、ロジウム、イリジウム等が、
第10族の金属原子(a)としては、ニッケル、パラジウム、白金等が、
第11族の金属原子(a)としては、銅、銀、金等が、
第12族の金属原子(a)としては、亜鉛、カドミウム、水銀等が、
第13族の金属原子(a)としては、アルミニウム、ガリウム、インジウム、タリウム等が、
第14族の金属原子(a)としては、スズ、鉛等が、
第15族の金属原子(a)としては、ビスマス等が、
第16族の金属原子(a)としては、ポロニウム等が、
第17族の金属原子(a)としては、テネシン等が挙げられる。
半金属原子としては、例えばホウ素、ケイ素、ゲルマニウム、ヒ素、アンチモン、テルル、アスタチン等が挙げられる。
[A]化合物は金属原子(a)及び半金属原子を1種又は2種以上有していてもよい。[A]化合物は金属原子(a)及び半金属原子を1個又は2個以上有していてもよい。
[A]化合物は、金属原子(a)又は半金属原子に配位結合する配位子、2つの金属原子(a)又は半金属原子の間を架橋する酸素原子(−O−)、複数の金属原子(a)又は半金属原子に架橋する架橋配位子等を有することができる。
[A]化合物としては、例えば下記式(A1)で表される構造単位を有する化合物(以下、「[A1]化合物」ともいう)、下記式(A2)で表される化合物(以下、「[A2]化合物」ともいう)、金属原子(a)又は半金属原子の酸化物を主成分とする粒子(以下、「[A3]粒子」ともいう)等が挙げられる。「金属原子又は半金属原子の酸化物」とは、金属原子又は半金属原子と酸素原子とを含む化合物をいう。「主成分」とは、粒子を構成する物質のうち最も含有率が高いものをいい、好ましくは含有率が50質量%以上、より好ましくは60質量%以上であるものをいう。
Figure 2020042217
上記式(A1)中、Mは、金属原子(a)又は半金属原子である。Lは、配位子である。xは、0〜6の整数である。yは、1〜4の整数である。
Figure 2020042217
上記式(A2)中、Mは、金属原子(a)又は半金属原子である。Lは、配位子である。zは、1〜6の整数である。
[A1]化合物は、金属原子(a)又は半金属原子とこの原子を架橋する酸素原子とを含む構造単位を有する多核化合物である。[A2]化合物は、金属原子(a)又は半金属原子とこの原子に配位結合する配位子とを有する単核化合物である。
上記式(A1)及び上記式(A2)におけるMで表される金属原子(a)及び半金属原子としては、例えば上記[A]化合物の金属原子(a)及び半金属原子として例示した原子等が挙げられる。
上記式(A1)及び上記式(A2)におけるLで表される配位子としては、例えば単座配位子、多座配位子等が挙げられる。
上記単座配位子としては、例えばヒドロキソ配位子、カルボキシ配位子、アミド配位子、ハロゲン配位子、炭化水素配位子、アルコキシ配位子、アシロキシ配位子等が挙げられる。
上記アミド配位子としては、例えば無置換アミド配位子(NH)、メチルアミド配位子(NHMe)、ジメチルアミド配位子(NMe)、ジエチルアミド配位子(NEt)、ジプロピルアミド配位子(NPr)等が挙げられる。
上記ハロゲン配位子としては、例えばフッ素配位子、塩素配位子、臭素配位子、ヨウ素配位子等が挙げられる。
上記炭化水素配位子としては、メチル配位子、エチル配位子等のアルキル配位子、シクロヘキシル配位子等のシクロアルキル配位子、フェニル配位子、ナフチル配位子等のアリール配位子、ベンジル配位子等のアラルキル配位子などが挙げられる。
上記アルコキシ配位子としては、例えばメトキシ配位子、エトキシ配位子、プロポキシ配位子、ブトキシ配位子等が挙げられる。
上記アシロキシ配位子としては、例えばアセトキシ配位子、エチリルオキシ配位子、ブチリルオキシ配位子、t−ブチリルオキシ配位子、t−アミリルオキシ配位子、n−ヘキサンカルボニロキシ配位子、n−オクタンカルボニロキシ配位子等が挙げられる。
上記多座配位子としては、例えばヒドロキシ酸エステル由来の配位子、β−ジケトン由来の配位子、β−ケトエステル由来の配位子、β−ジカルボン酸エステル由来の配位子、π結合を有する炭化水素由来の配位子、ジホスフィン配位子、アンモニア配位子等が挙げられる。
上記ヒドロキシ酸エステルとしては例えばグリコール酸エステル、乳酸エステル、2−ヒドロキシシクロヘキサン−1−カルボン酸エステル、サリチル酸エステル等が挙げられる。
上記β−ジケトンとしては、例えば2,4−ペンタンジオン、3−メチル−2,4−ペンタンジオン、3−エチル−2,4−ペンタンジオン等が挙げられる。
上記β−ケトエステルとしては、例えばアセト酢酸エステル、α−アルキル置換アセト酢酸エステル、β−ケトペンタン酸エステル、ベンゾイル酢酸エステル、1,3−アセトンジカルボン酸エステル等が挙げられる。
上記α,α−ジカルボン酸エステルとしては、例えばマロン酸ジエステル、α−アルキル置換マロン酸ジエステル、α−シクロアルキル置換マロン酸ジエステル、α−アリール置換マロン酸ジエステル等が挙げられる。
上記π結合を有する炭化水素としては、例えば
エチレン、プロピレン等の鎖状オレフィン;
シクロペンテン、シクロヘキセン、ノルボルネン等の環状オレフィン;
ブタジエン、イソプレン等の鎖状ジエン;
シクロペンタジエン、メチルシクロペンタジエン、ペンタメチルシクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、ノルボルナジエン等の環状ジエン;
ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサメチルベンゼン、ナフタレン、インデン等の芳香族炭化水素などが挙げられる。
上記ジホスフィン配位子としては、例えば1,1−ビス(ジフェニルホスフィノ)メタン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン等が挙げられる。
上記式(A1)におけるxとしては、1〜4が好ましく、1〜3がより好ましく、1又は2がさらに好ましい。
上記式(A1)におけるyとしては、1〜3が好ましく、1又は2がより好ましく、1がさらに好ましく、1が特に好ましい。
上記式(A2)におけるzとしては、1〜4が好ましく、2又は3がより好ましい。
[A1]化合物における金属原子(a)としては、第4族、第5族、第13族又は第14族の金属原子が好ましく、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、ニオブ、タンタル、アルミニウム又スズがより好ましい。[A1]化合物における半金属原子としては、第14族の半金属原子が好ましく、ケイ素がより好ましい。
[A2]化合物における金属原子(a)としては、第8族又は第9族の金属原子が好ましく、ルテニウム又はコバルトがより好ましい。
[A3]粒子は、金属原子(a)又は半金属原子以外に、有機酸に由来する配位子を有することが好ましい。「有機酸」とは、酸性を示す有機化合物をいう。
上記有機酸としては、例えばギ酸、酢酸、(メタ)アクリル酸、シュウ酸等のカルボン酸、ベンゼンスルホン酸等のスルホン酸、ベンゼンスルフィン酸等のスルフィン酸、ジエチルホスフィン酸等の有機ホスフィン酸、メチルホスホン酸等の有機ホスホン酸、フェノール、クレゾール等のフェノール類、メルカプトエタノール等のチオール、マレイミド等の酸イミド、ベンズアルドキシム等のオキシム、メチルスルホンアミド等のスルホンアミドなどが挙げられる。これらの中で、カルボン酸が好ましく、(メタ)アクリル酸がより好ましい。
[A]化合物の含有量の下限としては、組成物(I)の固形分に対して、70質量%が好ましく、80質量%がより好ましく、90質量%がさらに好ましい。「組成物の固形分」とは、[B]化合物及び[C]有機溶媒以外の全成分をいう。
[[B]化合物]
[B]化合物は、ケトン性カルボニル基及びオキシ有機基を有する化合物である。「ケトン性カルボニル基」とは、カルボニル基(−C(=O)−)のうち、この基の炭素原子に2個の炭素原子が結合しているものをいう。「オキシ有機基」とは、有機基の結合手側の末端に酸素原子を含む基、すなわち、「−O−有機基」で表される基をいう。「有機基」とは、少なくとも1個の炭素原子を含む基をいう。
オキシ有機基における有機基の炭素数の上限としては、20が好ましく、15がより好ましく、10がさらに好ましく、6が特に好ましい。上記炭素数の下限としては、例えば1である。
炭素数1〜20の有機基としては、例えば炭素数1〜20の1価の炭化水素基、この炭化水素基の炭素−炭素間に2価のヘテロ原子含有基を含む基、上記炭化水素基及び2価のヘテロ原子含有基を含む基が有する水素原子の一部又は全部を1価のヘテロ原子含有基で置換した基等が挙げられる。
炭素数1〜20の1価の炭化水素基としては、例えば炭素数1〜20の1価の鎖状炭化水素基、炭素数3〜20の1価の脂環式炭化水素基、炭素数6〜20の1価の芳香族炭化水素基等が挙げられる。
「炭化水素基」には、鎖状炭化水素基、脂環式炭化水素基及び芳香族炭化水素基が含まれる。この「炭化水素基」は、飽和炭化水素基でも不飽和炭化水素基でもよい。「鎖状炭化水素基」とは、環状構造を含まず、鎖状構造のみで構成された炭化水素基をいい、直鎖状炭化水素基及び分岐状炭化水素基の両方を含む。「脂環式炭化水素基」とは、環構造としては脂環構造のみを含み、芳香環構造を含まない炭化水素基をいい、単環の脂環式炭化水素基及び多環の脂環式炭化水素基の両方を含む。但し、脂環構造のみで構成されている必要はなく、その一部に鎖状構造を含んでいてもよい。「芳香族炭化水素基」とは、環構造として芳香環構造を含む炭化水素基をいう。但し、芳香環構造のみで構成されている必要はなく、その一部に鎖状構造や脂環構造を含んでいてもよい。
炭素数1〜20の1価の鎖状炭化水素基としては、例えば
メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基等のアルキル基;
エテニル基、プロペニル基、ブテニル基等のアルケニル基;
エチニル基、プロピニル基、ブチニル基等のアルキニル基などが挙げられる。
炭素数3〜20の1価の脂環式炭化水素基としては、例えば
シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の単環の脂環式飽和炭化水素基;
シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等の単環の脂環式不飽和炭化水素基;
ノルボルニル基、アダマンチル基、トリシクロデシル基等の多環の脂環式飽和炭化水素基;
ノルボルネニル基、トリシクロデセニル基等の多環の脂環式不飽和炭化水素基などが挙げられる。
炭素数6〜20の1価の芳香族炭化水素基としては、例えば
フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、アントリル基等のアリール基;
ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、アントリルメチル基等のアラルキル基などが挙げられる。
1価及び2価のヘテロ原子含有基を構成するヘテロ原子としては、例えば酸素原子、窒素原子、硫黄原子、リン原子、ケイ素原子、ハロゲン原子等が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
2価のヘテロ原子含有基としては、例えば−O−、−CO−、−S−、−CS−、−NR’−、これらのうちの2つ以上を組み合わせた基等が挙げられる。R’は、水素原子又は1価の炭化水素基である。
炭素数1〜20の1価のオキシ有機基としては、炭素数1〜20のオキシ炭化水素基が好ましく、炭素数1〜20のアルコキシ基がより好ましく、炭素数1〜6のアルコキシ基がさらに好ましく、炭素数1〜3のアルコキシ基が特に好ましい。
[B]化合物は、ケトン性カルボニル基を1個又は2個以上有することができる。[B]化合物中のケトン性カルボニル基の個数としては、1〜5が好ましく、1〜3がより好ましく、1又は2がさらに好ましく、1が特に好ましい。また、[B]化合物は、オキシ有機基を1個又は2個以上有することができる。[B]化合物中のオキシ有機基の個数としては、1〜10が好ましく、1〜6がより好ましく、2〜4がさらに好ましく、2が特に好ましい。
[B]化合物において、ケトン性カルボニル基とオキシ有機基とは、例えば炭素数1〜20の炭素原子鎖を介して存在することができる。上記炭素原子鎖の炭素数としては、1〜10が好ましく、1〜3がより好ましく、1又は2がさらに好ましく、1が特に好ましい。
[B]化合物としては、例えば下記式(1)で表される化合物等が挙げられる。
Figure 2020042217
上記式(1)中、R、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜20の1価の有機基である。R及びRは、それぞれ独立して、炭素数1〜20の1価の有機基である。
〜Rで表される炭素数1〜20の1価の有機基としては、例えば上述の[B]化合物が有するオキシ有機基における有機基として例示した基等が挙げられる。
及びRとしては、水素原子又は炭素数1〜10の1価の炭化水素基が好ましく、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基がより好ましく、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基がさらに好ましく、水素原子が特に好ましい。
及びRとしては、水素原子又は炭素数1〜10の1価の炭化水素基が好ましく、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基がより好ましく、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基がさらに好ましく、水素原子が特に好ましい。
及びRとしては、炭素数1〜10の1価の炭化水素基が好ましく、炭素数1〜6のアルキル基がより好ましく、炭素数1〜3のアルキル基がさらに好ましい。
[B]化合物の含有量の下限としては、[A]化合物100質量部に対して、50質量部が好ましく、100質量部がより好ましく、200質量部がさらに好ましく、500質量部が特に好ましく、1,000質量部がさらに特に好ましく、2,000質量部が最も好ましい。上記含有量の上限としては、10,000質量部が好ましく、8,000質量部がより好ましく、6,000質量部がさらに好ましく、4,900質量部が特に好ましい。
[B]化合物の含有量の下限としては、組成物(I)に対して、1質量%が好ましく、2質量%がより好ましく、4質量%がさらに好ましく、10質量%が特に好ましく、20質量%がさらに特に好ましく、40質量%が最も好ましい。上記含有量の上限としては、99.9質量%が好ましく、99.5質量%がより好ましく、99質量%がさらに好ましく、98.5質量%が特に好ましく、98質量%がさらに特に好ましい。
[B]化合物の含有量を上記範囲とすることで、保存安定性、塗工膜厚変化抑制性及びレジスト感度変化抑制性をより向上させることができる。
[[C]有機溶媒]
[C]有機溶媒は、[B]化合物以外の有機溶媒である。
[C]有機溶媒としては、例えばアルコール系溶媒、ケトン系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、含窒素系溶媒等が挙げられる。[C]有機溶媒は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
アルコール系溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール等のモノアルコール系溶媒、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール等の多価アルコール系溶媒などが挙げられる。
ケトン系溶媒としては、例えばメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等の鎖状ケトン系溶媒、シクロヘキサノン等の環状ケトン系溶媒などが挙げられる。
エーテル系溶媒としては、例えばn−ブチルエーテル等の鎖状エーテル系溶媒、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等の環状エーテル系溶媒などの多価アルコールエーテル系溶媒、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコール部分エーテル系溶媒などが挙げられる。
エステル系溶媒としては、例えばジエチルカーボネート等のカーボネート系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル等の酢酸モノエステル系溶媒、γ−ブチロラクトン等のラクトン系溶媒、酢酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル等の多価アルコール部分エーテルカルボキシレート系溶媒、乳酸メチル、乳酸エチル等の乳酸エステル系溶媒などが挙げられる。
含窒素系溶媒としては、例えばN,N−ジメチルアセトアミド等の鎖状含窒素系溶媒、N−メチルピロリドン等の環状含窒素系溶媒などが挙げられる。
[C]有機溶媒としては、エーテル系溶媒及び/又はエステル系溶媒が好ましく、多価アルコール部分エーテル系溶媒及び/又は多価アルコール部分エーテルカルボキシレート系溶媒がより好ましく、プロピレングリコールモノエチルエーテル及び/又はプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートがさらに好ましい。
組成物(I)が[C]有機溶媒を含有する場合、[C]有機溶媒の含有量の下限としては、[A]化合物100質量部に対して、1,000質量部が好ましく、2,000質量部がより好ましく、3,000質量部がさらに好ましく、4,000質量部が特に好ましい。上記含有量の上限としては、20,000質量部が好ましく、10,000質量部がより好ましい。
組成物(I)が[C]有機溶媒を含有する場合、[C]有機溶媒の含有量の下限としては、[B]化合物100質量部に対して、10質量部が好ましく、50質量部がより好ましく、80質量部がさらに好ましい。上記含有量の上限としては、10,000質量部が好ましく、5,000質量部がより好ましく、3,000質量部がさらに好ましい。
組成物(I)が[C]有機溶媒を含有する場合、[C]有機溶媒の含有量の下限としては、組成物(I)に対して、10質量%が好ましく、30質量%がより好ましく、50質量%がさらに好ましく、70質量%が特に好ましい。上記含有量の上限としては、99質量%が好ましく、95質量%がより好ましい。
[C]有機溶媒の含有量を上記範囲とすることで、組成物(I)の調製を容易にすることができる。
[その他の任意成分]
組成物(I)は、その他の任意成分として、有機酸、酸発生剤、架橋剤、界面活性剤、密着助剤等を含有していてもよい。これらのその他の任意成分は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(有機酸)
有機酸としては、上述の[A3]粒子が含んでいてもよい成分として例示した有機酸等が挙げられる。これらの中で、カルボン酸が好ましく、(メタ)アクリル酸がより好ましい。
(酸発生剤)
酸発生剤は、熱や光の作用により酸を発生し、[A]化合物の架橋を促進する成分である。
酸発生剤としては、例えばオニウム塩化合物、N−スルホニルオキシイミド化合物等が挙げられる。
(架橋剤)
架橋剤は、熱や酸の作用により、組成物(I)中の[A]化合物等の成分同士の架橋結合を形成するか、又は自らが架橋構造を形成する成分である。
架橋剤としては、例えば多官能(メタ)アクリレート化合物、エポキシ化合物、ヒドロキシメチル基置換フェノール化合物、アルコキシアルキル基含有フェノール化合物、アルコキシアルキル化されたアミノ基を有する化合物等が挙げられる。
組成物(I)がその他の任意成分を含有する場合、これらの含有量の上限としては、[A]化合物100質量部に対して、30質量部が好ましく、20質量部がより好ましい。
<組成物(II)>
組成物(II)は、金属又は半金属含有膜形成用組成物である。組成物(II)は、[A’]化合物と、[B]化合物とを含有する。組成物(II)は、好適成分として、[B]化合物以外の有機溶媒([C]有機溶媒)を含有していてもよく、本発明の効果を損なわない範囲において、その他の任意成分を含有していてもよい。
以下、各成分について説明する。
[[A’]化合物]
[A’]化合物は、金属原子(以下、「金属原子(b)」ともいう)及び半金属原子から選ばれる少なくとも1つの原子を含む化合物である。
第1族の金属原子(b)としては、例えばリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム等が、
第2族〜第17族の金属原子(b)としては、例えば上述の[A]化合物が含む第2族〜第17族に属する金属原子(a)として例示した原子と同様の金属原子等が挙げられる。
金属原子(b)としては、第2族〜第17族に属する金属原子が好ましい。
半金属原子としては、例えば上述の[A]化合物が含む半金属原子として例示した原子と同様の半金属原子等が挙げられる。
[A’]化合物は、金属原子(b)及び半金属原子を1種又は2種以上有していてもよい。[A’]化合物は、金属原子(b)及び半金属原子を1個又は2個以上有していてもよい。
[A’]化合物は、金属原子(b)又は半金属原子に配位結合する配位子、2つの金属原子(b)又は半金属原子の間を架橋する酸素原子(−O−)、複数の金属原子(b)又は半金属原子に架橋するように配位する架橋配位子等を有することができる。
[A’]化合物としては、例えば下記式(A’1)で表される構造単位を有する化合物(以下、「[A’1]化合物」ともいう)、下記式(A’2)で表される化合物(以下、「[A’2]化合物」ともいう)、金属原子(b)又は半金属原子の酸化物を主成分とする粒子(以下、「「A’3]粒子」ともいう」等が挙げられる。
Figure 2020042217
上記式(A’1)中、M’は、金属原子(b)又は半金属原子である。Lは、配位子である。xは、0〜6の整数である。yは、1〜4の整数である。
Figure 2020042217
上記式(A2)中、Mは、金属原子(b)又は半金属原子である。Lは、配位子である。zは、1〜6の整数である。
[A’1]化合物は、金属原子(b)又は半金属原子とこの原子を架橋する酸素原子とを含む構造単位を有する多核化合物である。[A’2]化合物は、金属原子(b)又は半金属原子とこの原子に配位結合する配位子とを有する単核化合物である。
上記式(A’1)及び上記式(A’2)におけるMで表される金属原子(b)及び半金属原子としては、例えば上記[A’]化合物の金属原子(b)及び半金属原子として例示した原子等が挙げられる。
上記式(A’1)及び上記式(A’2)におけるLで表される配位子としては、例えば上記式(A1)及び上記式(A2)におけるLとして例示した配位子と同様の配位子等が挙げられる。上記式(A’1)及び上記式(A’2)における好ましいx、y及びzの値は、上記式(A1)及び上記式(A2)における好ましいx、y及びzの値と同様である。
[A’3]粒子は、上述の[A3]粒子と同様である。
[A’]化合物の含有量の好ましい範囲は、上述の組成物(I)の[A]化合物の好ましい範囲と同様である。
[[B]化合物]
[B]化合物は、ケトン性カルボニル基及びオキシ有機基を有する化合物である。[B]化合物は、上述の組成物(I)の[B]化合物と同じである。
[[C]有機溶媒]
[C]有機溶媒は、[B]化合物以外の有機溶媒である。[C]有機溶媒は、上述の組成物(I)の[C]有機溶媒と同じである。
[その他の任意成分]
組成物(II)は、その他の任意成分として、有機酸、酸発生剤、架橋剤、界面活性剤、密着助剤等を含有していてもよい。これらのその他の成分は、上述の組成物(I)のその他の任意成分と同じである。
組成物(II)は、レジスト下層膜形成用に好適に用いることができる(この組成物(II)を以下「組成物(II−1)」ともいう)。
また、組成物(II)は、レジスト膜形成用に好適に用いることができる(この組成物(II)を、以下「組成物(II−2)」ともいう)。組成物(II−2)は、[A’]化合物及び[B]化合物以外に、通常N−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド等の感放射線性酸発生剤(以下、「[D]酸発生剤」ともいう)を含有する。
[組成物の調製方法]
当該組成物(組成物(I)及び組成物(II))は、[A]化合物又は[A’]化合物、[B]化合物及び必要に応じて[C]有機溶媒等の任意成分を所定の割合で混合し、好ましくは得られた混合物を孔径0.2μm以下のフィルター等でろ過することにより調製することができる。当該組成物の固形分濃度の下限としては、0.1質量%が好ましく、0.5質量%がより好ましく、1質量%がさらに好ましく、1.5質量%が特に好ましい。上記固形分濃度の上限としては、50質量%が好ましく、30質量%がより好ましく、10質量%がさらに好ましく、5質量%が特に好ましい。上記固形分濃度は、当該組成物0.5gを30分間250℃で焼成することで、当該組成物中の固形分の質量を測定し、この固形分の質量を当該組成物の質量で除することにより算出される値(質量%)である。
<金属又は半金属含有膜>
当該金属又は半金属含有膜は、組成物(II)(金属又は半金属含有膜形成用組成物)から形成される。当該金属又は半金属含有膜は、上述の組成物(II)から形成されるので、塗工膜厚変化抑制性及びレジスト感度変化抑制性に優れている。
<金属又は半金属含有膜の形成方法>
当該金属又は半金属含有膜の形成方法は、基板の一方の面側に、当該金属又は半金属含有膜形成用組成物を塗工する工程(以下、「金属又は半金属含有膜形成用組成物塗工工程」ともいう)を備える。当該金属又は半金属含有膜の形成方法によれば、塗工膜厚変化抑制性及びレジスト感度変化抑制性に優れる金属又は半金属含有膜を形成することができる。
以下、金属又は半金属含膜有形成用組成物塗工工程について説明する。
[金属又は半金属含有膜形成用組成物塗工工程]
本工程では、基板の一方の面側に、上述の当該金属又は半金属含有膜形成用組成物を塗工する。
基板としては、例えばシリコンウェハ、アルミニウムで被覆したウェハ等が挙げられる。また、当該金属又は半金属含有膜形成用組成物の塗工方法は特に限定されず、例えば回転塗工、流延塗工、ロール塗工等の適宜の方法で実施することができ、これにより塗工膜を形成することができる。
上記塗工膜を加熱してもよい。上記塗工膜の加熱は、通常、大気下で行われるが、窒素雰囲気下で行ってもよい。加熱における温度の下限としては、200℃が好ましく、250℃がより好ましく、300℃がさらに好ましい。上記温度の上限としては、600℃が好ましく、500℃がより好ましく、400℃がさらに好ましい。加熱における時間の下限としては、15秒が好ましく、30秒がより好ましい。上記時間の上限としては、1,200秒が好ましく、600秒がより好ましい。
上記塗工膜の加熱の前に、60℃以上150℃以下の温度で予備加熱してもよい。予備加熱における時間の下限としては、10秒が好ましく、30秒がより好ましい。上記時間の上限としては、300秒が好ましく、180秒がより好ましい。
当該金属又は半金属含有膜の形成方法においては、露光と加熱とを組み合わせることもできる。この露光に用いられる放射線としては、酸発生剤の種類に応じて、可視光線、紫外線、遠紫外線、X線、γ線等の電磁波、電子線、分子線、イオンビーム等の粒子線から適宜選択される。
形成される金属又は半金属含有膜の平均厚みとの下限としては、1nmが好ましく、5nmがより好ましく、10nmがさらに好ましい。上記平均厚みの上限としては、1,000nmが好ましく、500nmがより好ましく、100nmがさらに好ましい。
<パターン形成方法(I)>
パターン形成方法(I)は、基板の一方の面側に、レジスト下層膜形成用の当該金属又は半金属含有膜形成用組成物(組成物(II−1))を塗工する工程(以下、「塗工工程(I−1)」ともいう)と、上記塗工工程(I−1)により形成された金属又は半金属含有レジスト下層膜の上記基板とは反対の面側に、有機レジスト膜形成用組成物を塗工する工程(以下、「塗工工程(I−2)」ともいう)と、上記塗工工程(I−2)により形成された有機レジスト膜を放射線により露光する工程(以下、「露光工程(I)」ともいう)と、上記露光された有機レジスト膜を現像する工程(以下、「現像工程(I)」ともいう)とを備える。
パターン形成方法(I)は、上記塗工工程(I−1)前に、上記基板の一方の面側に、有機下層膜を形成する工程(以下、「有機下層膜形成工程(I)」ともいう)をさらに備えることができる。また、パターン形成方法(I)は、上記現像工程(I)後に、上記現像工程(I)により形成されたレジストパターンをマスクとしたエッチングを行う工程(以下、「エッチング工程(I)」ともいう)をさらに備えることができる。
パターン形成方法(I)によれば、上述の保存安定性、塗工膜厚変化抑制性及びレジスト感度変化抑制性に優れる金属又は半金属含有レジスト下層膜形成用組成物を用いるので、良好なパターンを形成することができる。
パターン形成方法(I)は、必要に応じて、上記塗工工程(I−2)前に、上記塗工工程(I−1)により形成された金属又は半金属含有レジスト下層膜の上記基板とは反対の面側にケイ素含有膜を形成する工程(以下、「ケイ素含有膜形成工程」ともいう)を備えていてもよい。
以下、各工程について説明する。
[塗工工程(I−1)]
本工程では、基板の一方の面側に、組成物(II−1)を塗工する。これにより、金属又は半金属含有レジスト下層膜が形成される。本工程は、上述の当該金属又は半金属含有膜の形成方法における金属又は半金属含有膜形成用組成物塗工工程と同様である。
[ケイ素含有膜形成工程]
本工程では、上記塗工工程(I−1)により形成された金属又は半金属含有レジスト下層膜の上記基板とは反対の面側にケイ素含有膜を形成する。
ケイ素含有膜は、ケイ素含有膜形成用組成物を上記レジスト下層膜の上記基板とは反対の面側に塗工して形成された塗膜を、通常、露光及び/又は加熱することにより硬化等させることにより形成される。上記ケイ素含有膜形成用組成物の市販品としては、例えば、JSR(株)の「NFC SOG01」、「NFC SOG04」、「NFC SOG080」等を用いることができる。
上記露光に用いられる放射線としては、例えば可視光線、紫外線、遠紫外線、X線、γ線等の電磁波、電子線、分子線、イオンビーム等の粒子線などが挙げられる。
塗膜を加熱する際の温度の下限としては、90℃が好ましく、150℃がより好ましく、180℃がさらに好ましい。上記温度の上限としては、550℃が好ましく、450℃がより好ましく、300℃がさらに好ましい。形成されるケイ素含有膜の平均厚みの下限としては、1nmが好ましく、10nmがより好ましく、20nmがさらに好ましい。上記上限としては、20,000nmが好ましく、1,000nmがより好ましく、100nmがさらに好ましい。
[塗工工程(I−2)]
本工程では、上記塗工工程(I−1)により形成された金属又は半金属含有レジスト下層膜の上記基板とは反対の面側に、有機レジスト膜形成用組成物を塗工する。上記ケイ素含有膜形成工程を行った場合には、上記有機レジスト膜形成用組成物を上記ケイ素含有膜の上記基板とは反対の面側に塗工する。
本工程では、具体的には、得られる有機レジスト膜が所定の厚みとなるように、有機レジスト膜形成用組成物を塗工した後、加熱することによって塗膜中の溶媒を揮発させることにより、有機レジスト膜を形成する。
有機レジスト膜形成用組成物としては、例えば感放射線性酸発生剤を含有するポジ型又はネガ型の化学増幅型レジスト組成物、アルカリ可溶性樹脂とキノンジアジド系感光剤とを含有するポジ型レジスト組成物、アルカリ可溶性樹脂と架橋剤とを含有するネガ型レジスト組成物等が挙げられる。
有機レジスト膜形成用組成物の固形分濃度の下限としては、0.3質量%が好ましく、1質量%がより好ましい。上記固形分濃度の上限としては、50質量%が好ましく、30質量%がより好ましい。また、有機レジスト膜形成用組成物は、一般に、例えば孔径0.2μm以下のフィルターで濾過して、有機レジスト膜の形成に供される。なお、本工程では、市販の有機レジスト組成物をそのまま使用することもできる。
有機レジスト膜形成用組成物の塗工方法としては特に限定されず、例えば回転塗工法等が挙げられる。また、加熱の温度としては、使用される有機レジスト膜形成用組成物の種類等に応じて適宜調整されるが、上記温度の下限としては、30℃が好ましく、50℃がより好ましい。上記温度の上限としては、200℃が好ましく、150℃がより好ましい。加熱の時間の下限としては、10秒が好ましく、30秒がより好ましい。上記時間の上限としては、600秒が好ましく、300秒がより好ましい。
[露光工程(I)]
本工程では、上記塗工工程(I−2)により形成された有機レジスト膜を放射線により露光する。
露光に用いられる放射線としては、有機レジスト膜形成用組成物に使用される感放射線性酸発生剤の種類に応じて、可視光線、紫外線、遠紫外線、X線、γ線等の電磁波、電子線、分子線、イオンビーム等の粒子線から適切に選択される。これらの中で、遠紫外線が好ましく、KrFエキシマレーザー光(248nm)、ArFエキシマレーザー光(193nm)、Fエキシマレーザー光(波長157nm)、Krエキシマレーザー光(波長147nm)、ArKrエキシマレーザー光(波長134nm)又は極端紫外線(波長13.5nm等、EUV)がより好ましく、KrFエキシマレーザー光、ArFエキシマレーザー光又はEUVがさらに好ましい。
上記露光後、解像度、パターンプロファイル、現像性等を向上させるため加熱を行うことができる。この加熱の温度としては、使用される有機レジスト膜形成用組成物の種類等に応じて適宜調整されるが、上記温度の下限としては、50℃が好ましく、70℃がより好ましい。上記温度の上限としては、200℃が好ましく、150℃がより好ましい。上記加熱の時間の下限としては、10秒が好ましく、30秒がより好ましい。上記時間の上限としては、600秒が好ましく、300秒がより好ましい。
[現像工程(I)]
本工程では、上記露光された有機レジスト膜を現像する。この現像は、アルカリ現像であっても有機溶媒現像であってもよい。現像液としては、アルカリ現像の場合、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、珪酸ナトリウム、メタ珪酸ナトリウム、アンモニア、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、ピロール、ピペリジン、コリン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン等の塩基性水溶液が挙げられる。これらの塩基性水溶液には、例えばメタノール、エタノール等のアルコール類などの水溶性有機溶媒、界面活性剤等を適量添加することもできる。また、有機溶媒現像の場合、現像液としては、例えば上述の組成物(I)の[C]溶媒として例示した種々の有機溶媒等が挙げられる。
上記現像液での現像後、洗浄し、乾燥することによって、所定のレジストパターンが形成される。
[エッチング工程]
本工程では、上記現像工程(I)により形成されたレジストパターンをマスクとしたエッチングを行う。これにより、基板にパターンが形成される。エッチングの回数としては1回でも、複数回、すなわちエッチングにより得られるパターンをマスクとして順次エッチングを行ってもよいが、より良好な形状のパターンを得る観点からは、複数回が好ましい。複数回のエッチングを行う場合、ケイ素含有膜、レジスト下層膜、基板の順に順次エッチングを行う。エッチングの方法としては、ドライエッチング、ウエットエッチング等が挙げられる。これらの中で、基板のパターンの形状をより良好なものとする観点から、ドライエッチングが好ましい。このドライエッチングには、例えば酸素プラズマ等のガスプラズマ等が用いられる。上記エッチングの後、所定のパターンを有するパターニングされた基板が得られる。
<パターン形成方法(II)>
パターン形成方法(II)は、基板の一方の面側に、レジスト膜形成用の当該金属又は半金属含有膜形成用組成物(組成物(II−2))を塗工する工程(以下、「塗工工程(II)」ともいう)と、上記塗工工程(II)により形成された金属又は半金属含有レジスト膜を極端紫外線又は電子線により露光する工程(以下、「露光工程(II)」ともいう)と、上記露光された金属又は半金属含有レジスト膜を現像する工程(以下、「現像工程(II)」ともいう)とを備える。
パターン形成方法(II)は、上記塗工工程(II)前に、上記基板の一方の面側に、有機下層膜を形成する工程(以下、「有機下層膜形成工程(II)」ともいう)をさらに備えることができる。また、パターン形成方法(II)は、上記現像工程(II)後に、上記現像工程(II)により形成されたレジストパターンをマスクとしたエッチングを行う工程(以下、「エッチング工程(II)」ともいう)をさらに備えることができる。
パターン形成方法(II)によれば、上述の保存安定性、塗工膜厚変化抑制性及びレジスト感度変化抑制性に優れる金属又は半金属含有レジスト膜形成用組成物を用いるので、良好なパターンを形成することができる。
パターン形成方法(II)は、必要に応じて、上記塗工工程(II)前に、基板の一方の面側にケイ素含有膜を形成する工程(以下、「ケイ素含有膜形成工程」ともいう)を備えていてもよい。
以下、各工程について説明する。
[塗工工程(II)]
本工程では、基板の一方の面側に、組成物(II−2)を塗工する。これにより、金属又は半金属含有レジスト膜が形成される。本工程は、上述のパターン形成方法(1)における塗工工程(I−1)と同様である。
[露光工程(II)]
本工程では、上記塗工工程(II)により形成された金属又は半金属含有レジスト膜を極端紫外線又は電子線により露光する。
上記露光後、解像度、パターンプロファイル、現像性等を向上させるため、加熱を行うことができる。この加熱の温度としては、使用される金属又は半金属レジスト膜形成用組成物の種類等に応じて適宜調整されるが、上記温度の下限としては、50℃が好ましく、70℃がより好ましい。上記温度の上限としては、200℃が好ましく、150℃がより好ましい。上記加熱の時間の下限としては、10秒が好ましく、30秒がより好ましい。上記時間の上限としては、600秒が好ましく、300秒がより好ましい。
[現像工程(II)]
本工程では、上記露光された金属又は半金属含有レジスト膜を現像する。この現像は、アルカリ現像であっても有機溶媒現像であってもよい。現像液としては、上述のパターン形成方法(I)の現像工程(I)において例示した現像液と同様の現像液等が挙げられる。
上記現像液での現像後、洗浄し、乾燥することによって、所定のレジストパターンが形成される。
[エッチング工程(II)]
本工程では、上記現像工程(II)により形成されたレジストパターンをマスクとしたエッチングを行う。本工程は、上述のパターン形成方法(I)におけるエッチング工程(I)と同様である。
以下、実施例を説明する。なお、以下に示す実施例は、本発明の代表的な実施例の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。
本実施例における[A]化合物の溶液の固形分濃度、[A]化合物の重量平均分子量(Mw)及び膜の平均厚みは下記の方法により測定した。
[[A]化合物の溶液の固形分濃度]
[A]化合物の溶液0.5gを250℃で30分間焼成することで、上記溶液中の固形分の質量を測定し、上記固形分の質量を上記溶液の質量で除することにより、[A]化合物の溶液の固形分濃度(質量%)を算出した。
[重量平均分子量(Mw)]
GPCカラム(東ソー(株)の「AWM−H」2本、「AW−H」1本及び「AW2500」2本)を使用し、流量:0.3mL/分、溶出溶媒:N,N’−ジメチルアセトアミドにLiBr(30mM)及びクエン酸(30mM)を添加したもの、カラム温度:40℃の分析条件で、単分散ポリスチレンを標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(検出器:示差屈折計)により測定した。
[膜の平均厚み]
膜の平均厚みは、分光エリプソメータ(J.A.WOOLLAM社の「M2000D」)を用いて測定した。
<[A]化合物の合成>
[A]化合物としての化合物(A−1)〜(A−14)を、下記(M−1)〜(M−14)で示す金属又は半金属含有化合物(以下、「化合物(M−1)〜(M−14)」ともいう)を用いて合成した。なお、以下の合成例においては特に断りのない限り、「質量部」は使用した金属又は半金属含有化合物の合計質量を100質量部とした場合の値を意味する。
M−1:ジイソプロポキシビス(2,4−ペンタンジオナート)チタン(IV)(75質量%濃度の2−プロパノール溶液)
M−2:ジブトキシビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム(IV)(70質量%濃度のn−ブタノール溶液)
M−3:ジtert−ブトキシビス(2,4−ペンタンジオナート)ハフニウム(IV)(78質量%濃度のtert−ブタノール溶液)
M−4:テトラエトキシ−2,4−ペンタンジオナートニオブ(V)(89質量%濃度のエタノール溶液)
M−5:テトラエトキシ−2,4−ペンタンジオナートタンタル(V)(91質量%濃度のエタノール溶液)
M−6:三塩化ルテニウム(III)
M−7:酢酸コバルト(II)四水和物
M−8:ジイソプロポキシエチルアセトアセテートアルミニウム(III)(80質量%濃度の2−プロパノール溶液)
M−9:テトラエトキシシラン
M−10:メチルトリメトキシシラン
M−11:イソプロピルスズ三塩化物
M−12:ベンジルスズ三塩化物
M−13:テトラブトキシスズ(IV)
M−14:テトライソプロポキシジルコニウム(IV)
[合成例1−1](化合物(A−1−1)の合成)
反応容器内において、化合物(M−1)(100質量部。但し溶媒を除く。)をイソプロパノール468質量部に溶解させた。上記反応容器内において、室温(25℃〜30℃)で撹拌しながら、水53質量部を10分かけて滴下した。次いで、60℃で反応を2時間実施した。反応終了後、反応容器内を30℃以下に冷却した。冷却した反応溶液に、2,4−ジメトキシ−2,4−ジメチルペンタン−3−オン654質量部を加えた後、エバポレーターを用いて、水、イソプロパノール、反応により生成したアルコール及び余剰の2,4−ジメトキシ−2,4−ジメチルペンタン−3−オンを除去して、下記式(A−1)で表される化合物(A−1−1)の2,4−ジメトキシ−2,4−ジメチルペンタン−3−オン溶液を得た。化合物(A−1−1)のMwは4,200であった。この化合物(A−1−1)の2,4−ジメトキシ−2,4−ジメチルペンタン−3−オン溶液の固形分濃度は、10.4質量%であった。
[合成例1−2](化合物(A−1−2)の合成)
反応容器内において、化合物(M−1)(100質量部。但し溶媒を除く。)をイソプロパノール468質量部に溶解させた。上記反応容器内において、室温(25℃〜30℃)で撹拌しながら、水53質量部を10分かけて滴下した。次いで、60℃で反応を2時間実施した。反応終了後、反応容器内を30℃以下に冷却した。冷却した反応溶液に、プロピレングリコールモノエチルエーテル654質量部を加えた後、エバポレーターを用いて、水、イソプロパノール、反応により生成したアルコール及び余剰のプロピレングリコールモノエチルエーテルを除去して、下記式(A−1)で表される化合物(A−1−2)のプロピレングリコールモノエチルエーテル溶液を得た。化合物(A−1−2)のMwは4,200であった。この化合物(A−1−2)のプロピレングリコールモノエチルエーテル溶液の固形分濃度は、7.6質量%であった。
[合成例2](化合物(A−2)の合成)
反応容器内において、化合物(M−2)(100質量部。但し溶媒を除く。)をn−ブタノール1,325質量部に溶解させた。上記反応容器内において、室温(25℃〜30℃)で撹拌しながら水7質量部を10分かけて滴下した。次いで、60℃で反応を2時間実施した。反応終了後、反応容器内を30℃以下に冷却した。冷却した反応溶液に、プロピレングリコールモノエチルエーテル981質量部を加えた後、エバポレーターを用いて、水、n−ブタノール、反応により生成したアルコール及び余剰のプロピレングリコールモノエチルエーテルを除去して、下記式(A−2)で表される化合物のプロピレングリコールモノエチルエーテル溶液を得た。化合物(A−2)のMwは2,400であった。この化合物(A−2)のプロピレングリコールモノエチルエーテル溶液の固形分濃度は、7.2質量%であった。
[合成例3](化合物(A−3)の合成)
反応容器内において、化合物(M−3)(100質量部。但し溶媒を除く。)をイソプロパノール196質量部に溶解させた。上記反応容器内において、室温(25℃〜30℃)で撹拌しながら水41質量部を10分かけて滴下した。次いで、60℃で反応を2時間実施した。反応終了後、反応容器内を30℃以下に冷却した。冷却した反応溶液に、プロピレングリコールモノエチルエーテル366質量部を加えた後、エバポレーターを用いて、水、イソプロパノール、反応により生成したアルコール及び余剰のプロピレングリコールモノエチルエーテルを除去して、下記式(A−3)で表される化合物のプロピレングリコールモノエチルエーテル溶液を得た。化合物(A−3)のMwは3,100であった。この化合物(A−3)のプロピレングリコールモノエチルエーテル溶液の固形分濃度は、5.6質量%であった。
[合成例4](化合物(A−4)の合成)
反応容器内において、化合物(M−4)(100質量部。但し溶媒を除く。)をエタノール96質量部に溶解させた。上記反応容器内において、室温(25℃〜30℃)で撹拌しながら水116質量部を10分かけて滴下した。次いで、60℃で反応を2時間実施した。反応終了後、反応容器内を30℃以下に冷却した。冷却した反応溶液に、プロピレングリコールモノエチルエーテル325質量部を加えた後、エバポレーターを用いて、水、エタノール、反応により生成したアルコール及び余剰のプロピレングリコールモノエチルエーテルを除去して、下記式(A−4)で表される化合物のプロピレングリコールモノエチルエーテル溶液を得た。化合物(A−4)のMwは2,400であった。この化合物(A−4)のプロピレングリコールモノエチルエーテル溶液の固形分濃度は、6.2質量%であった。
[合成例5](化合物(A−5)の合成)
反応容器内において、化合物(M−5)(100質量部。但し溶媒を除く。)をエタノール232質量部に溶解させた。上記反応容器内において、室温(25℃〜30℃)で撹拌しながら水94質量部を10分かけて滴下した。次いで、60℃で反応を2時間実施した。反応終了後、反応容器内を30℃以下に冷却した。冷却した反応溶液に、プロピレングリコールモノエチルエーテル366質量部を加えた後、エバポレーターを用いて、水、エタノール、反応により生成したアルコール及び余剰のプロピレングリコールモノエチルエーテルを除去して、下記式(A−5)で表される化合物のプロピレングリコールモノエチルエーテル溶液を得た。化合物(A−5)のMwは4,200であった。この化合物(A−5)のプロピレングリコールモノエチルエーテル溶液の固形分濃度は、5.9質量%であった。
[合成例6](化合物(A−6)の合成)
ナトリウムエトキシドの28質量%エタノール溶液14.47gを110mLのエタノールで希釈し、アセト酢酸エチル9.76gをエタノール100mLに溶解した溶液中へ室温で約15分かけて滴下した。滴下終了後1時間攪拌した。攪拌と共に溶液は無色から黄色に着色した。次に、5.19gの化合物(M−6)をエタノール200mLに溶解した溶液を約30分かけて攪拌しながら滴下し、滴下後5時間加熱還流させた後、一昼夜室温で放置した。次いで、孔径0.45μmのメンブランフィルターで沈殿した塩を除去した後、エバポレーターでエタノールを除去した。残渣を100mLのエタノールに溶解させ、室温に1時間放置した後、析出した塩を再度0.45μmのメンブランフィルターで除去し、得られたろ液をエバポレーターで濃縮した後、50℃で減圧乾燥し、9.1gの下記式(A−6)で表される化合物を得た。
[合成例7](化合物(A−7))
化合物(A−7)として、化合物(M−7)を富士フイルム和光純薬(株)より入手して、そのまま用いた。
[合成例8](化合物(A−8)の合成)
反応容器内において、化合物(M−8)(100質量部。但し溶媒を除く。)をイソプロパノール54質量部に溶解させた。上記反応容器内において、室温(25℃〜30℃)で撹拌しながら水94質量部を10分かけて滴下した。次いで、60℃で反応を2時間実施した。反応終了後、反応容器内を30℃以下に冷却した。冷却した反応溶液に、プロピレングリコールモノエチルエーテル208質量部を加えた後、エバポレーターを用いて、水、イソプロパノール、反応により生成したアルコール及び余剰のプロピレングリコールモノエチルエーテルを除去して、下記式(A−8)で表される化合物のプロピレングリコールモノエチルエーテル溶液を得た。化合物(A−8)のMwは4,200であった。この化合物(A−8)のプロピレングリコールモノエチルエーテル溶液の固形分濃度は、5.9質量%であった。
[合成例9](化合物(A−9)の合成)
反応容器内において、化合物(M−1)及び化合物(M−9)をモル比率が65/35(モル%)、合計質量が100質量部(但し溶媒を除く。)となるようイソプロパノール587質量部に溶解させた。上記反応容器内において、室温(25℃〜30℃)で撹拌しながら1質量%シュウ酸水溶液14質量部を10分かけて滴下した。次いで、60℃で反応を2時間実施した。反応終了後、反応容器内を30℃以下に冷却した。冷却した反応溶液に、プロピレングリコールモノエチルエーテル208質量部を加えた後、エバポレーターを用いて、水、イソプロパノール、反応により生成したアルコール及び余剰のプロピレングリコールモノエチルエーテルを除去して、下記式(A−9)で表される化合物のプロピレングリコールモノエチルエーテル溶液を得た。化合物(A−9)のMwは4,200であった。この化合物(A−9)のプロピレングリコールモノエチルエーテル溶液の固形分濃度は、5.5質量%であった。
[合成例10](化合物(A−10)の合成)
反応容器において、化合物(M−9)及び化合物(M−10)をモル比率が70/30(モル%)となるようプロピレングリコールモノエチルエーテル62質量部に溶解し、単量体溶液を調製した。上記反応容器内を60℃とし、撹拌しながら、9.1質量%シュウ酸水溶液40質量部を20分間かけて滴下した。滴下開始を反応の開始時間とし、反応を4時間実施した。反応終了後、反応容器内を30℃以下に冷却した。冷却した反応溶液にプロピレングリコールモノエチルエーテルを52質量部加えた後、エバポレーターを用いて、水、反応により生成したアルコール類及び余剰のプロピレングリコールモノエチルエーテルを除去して、下記式(A−10)で表される化合物のプロピレングリコールモノエチルエーテル溶液を得た。化合物(A−10)のMwは1,950であった。この化合物(A−10)のプロピレングリコールモノエチルエーテル溶液の固形分濃度は、12.0質量%であった。
[合成例11](化合物(A−11)の合成)
反応容器内において、150mLの0.5N水酸化ナトリウム水溶液を攪拌しながら、化合物(M−11)6.5gを添加し、反応を2時間実施した。析出した沈殿物をろ取し、50gの水で2回洗浄した後、乾燥させ、化合物(A−11)を得た。化合物(A−11)は、化合物(M−11)の加水分解物の酸化水酸化物生成物(i−PrSnO(3/2−x/2)(OH)(0<x<3)を構造単位とする)である。
[合成例12](化合物(A−12)の合成)
反応容器内において、100mLの0.5M水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液を攪拌しながら、化合物(M−12)3.16gを添加し、反応を2時間実施した。析出した沈殿物をろ取し、50gの水で2回洗浄した後、乾燥させ、化合物(A−12)を得た。化合物(A−12)は、((PhCH)SnO3/2)で表される構造単位を有する化合物である。
[合成例13](化合物(A−13)の合成)
反応容器内において、化合物(M−13)20.0g、テトラヒドロフラン100g及びメタクリル酸100gを添加し、反応を65℃で20分間実施した。次に、水10.6gを10分間かけて滴下し、反応を65℃で18時間実施した。次いで、水10.6gを10分かけて滴下し、2時間撹拌した。冷却した反応液に水400gを添加し、析出物を得た。得られた析出物を遠心分離した後、アセトン50gに溶解し、水400gを添加し、析出物を得た。得られた析出物を遠心分離した後、乾燥させ、化合物(A−13)を得た。化合物(A−13)は、スズの金属酸化物を主成分とし、メタクリル酸を含む粒子である。
[合成例14](化合物(A−14)の合成)
反応容器内において、化合物(M−14)20.0g、テトラヒドロフラン100g及びメタクリル酸100gを添加し、反応を65℃で20分間実施した。次に、水10.6gを10分間かけて滴下し、反応を65℃で18時間実施した。次いで、水10.6gを10分かけて滴下し、2時間撹拌した。冷却した反応液に水400gを添加し、析出物を得た。得られた析出物を遠心分離した後、アセトン50gに溶解し、水400gを添加し、析出物を得た。得られた析出物を遠心分離した後、乾燥させ、化合物(A−14)を得た。化合物(A−14)は、ジルコニウムの金属酸化物を主成分とし、メタクリル酸を含む粒子である。
Figure 2020042217
上記式(A−9)及び(A−10)中の各構造単位を示す括弧に付した数字は、各構造単位の含有割合(モル%)を示す。
<組成物の調製>
組成物の調製に用いた[B]化合物、[C]有機溶媒、[D]酸発生剤及びその他の任意成分について以下に示す。
[[B]化合物]
各化合物の構造式を以下に示す。
B−1:2,4−ジメトキシ−2,4−ジメチルペンタン−3−オン
B−2:2,4−ジエトキシ−2,4−ジメチルペンタン−3−オン
B−3:2,4−ジメトキシペンタン−3−オン
B−4:2,4−ジメトキシプロパン−3−オン
Figure 2020042217
[[C]有機溶媒]
C−1:プロピレングリコールモノエチルエーテル
C−2:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
[[D]酸発生剤]
D−1:N−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド
[その他の任意成分]
E−1:メタクリル酸
<レジスト下層膜形成用組成物の調製>
[実施例1−1]
[A]化合物(固形分)としての(A−1−1)2質量部と、[B]化合物としての(B−1)98質量部(調製に用いた化合物(A−1−1)の溶液中に含有される化合物(B−1)の量を含む)とを混合し、得られた溶液を孔径0.2μmのフィルターでろ過して、組成物(J−1)を調製した。
[実施例1−2〜1−15並びに比較例1−1及び1−2]
各成分の種類及び含有量を下記表1に示す通りとした以外は、実施例1−1と同様に操作して、組成物(J−2)〜(J−15)並びに(j−1)及び(j−2)を調製した。下記表1中の[B]化合物及び[C]有機溶媒の含有量は、調製に用いた[A]化合物の溶液中に含有される[B]化合物及び[C]有機溶媒の量を含む値である。下記表1中の「−」は、該当する成分を使用しなかったことを示す。
Figure 2020042217
<有機レジスト組成物の調製>
有機レジスト感度変化抑制性の評価に用いた有機レジスト組成物(R−1)は、以下のようにして調製した。
[調製例1]
有機レジスト組成物(R−1)は、4−ヒドロキシスチレンに由来する構造単位(1)、スチレンに由来する構造単位(2)及び4−t−ブトキシスチレンに由来する構造単位(3)(各構造単位の含有割合は、(1)/(2)/(3)=65/5/30(モル%))を有する重合体100質量部と、感放射線性酸発生剤としてのトリフェニルスルホニウムサリチレート2.5質量部と、溶媒としての乳酸エチル1,500質量部及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート700質量部とを混合し、得られた溶液を孔径0.2μmのフィルターでろ過することで得た。
<評価>
上記調製したレジスト下層膜形成用組成物(J−1)〜(J−15)並びに(j−1)及び(j−2)について、保存安定性、塗工膜厚変化抑制性及び有機レジスト感度変化抑制性を下記方法により評価した。保存安定性は、塗工性により評価した。評価結果を下記表2に示す。表2中の「−」は、該当する評価を行わなかったことを示す。
[保存安定性]
上記調製した直後の組成物(T=0)をシリコンウェハ(基板)上に、スピンコーター(東京エレクトロン(株)の「CLEAN TRACK ACT8」)を用い、1,500rpm及び30秒間の条件で、回転塗工法により塗工した後、得られた塗工膜を90℃で60秒間加熱することにより金属又は半金属含有膜を形成した。保存安定性は、塗工性について、形成された金属又は半金属含有膜を光学顕微鏡で観察し、塗工ムラが見られない場合は「A」(良好)と、塗工ムラが見られる場合は「B」(不良)と評価した。また、上記塗工性を評価した組成物を20℃で60日間保存したもの(T=60)について、上記同様に塗工性評価を行い、上記同様に評価した。
[塗工膜厚変化抑制性]
8インチシリコンウェハ上に、上記調製した組成物を、上記スピンコーターを用い、1,500rpm及び30秒間の条件で、回転塗工法により塗工してから、所定の時間経過後に、250℃で60秒間加熱し、23℃で30秒間冷却することにより、金属又は半金属含有膜を形成した。上記金属又は半金属含有膜として、上記所定の時間を30秒とした場合の「金属又は半金属含有膜(a0)」と、上記所定の時間を300秒とした場合の「金属又は半金属含有膜(a1)」とをそれぞれ形成し、金属又は半金属含有膜(a0)の平均厚みをTと、金属又は半金属含有膜(a1)の平均厚みをTとしたとき、膜厚変化率(%)を下記式により求め、塗工膜厚変化抑制性の指標とした。
膜厚変化率(%)=|T−T|×100/T
塗工膜厚変化抑制性は、膜厚変化率が1.7%未満の場合は「A」(良好)と、1.7%以上の場合は「B」(不良)と評価した。
[有機レジスト感度変化抑制性](電子線露光による有機レジスト組成物の感度変化抑制性)
8インチシリコンウェハ上に、有機下層膜形成材料(JSR(株)の「HM8006」)を上記スピンコーターによる回転塗工法により塗工した後、250℃で60秒間加熱を行うことにより平均厚み100nmの有機下層膜を形成した。この有機下層膜上に、上記調製したレジスト下層膜形成用組成物を、上記スピンコーターによる回転塗工法により塗工してから、所定の時間経過後に、250℃で60秒間加熱してから、23℃で30秒間冷却することにより平均厚み30nmの金属又は半金属含有レジスト下層膜を形成した。上記金属又は半金属含有レジスト下層膜として、上記所定の時間を30秒とした場合の「金属又は半金属含有レジスト下層膜(b0)」と、所定の時間を300秒とした場合の「金属又は半金属含有レジスト下層膜(b1)」とをそれぞれ形成した。上記形成した金属又は半金属含有レジスト下層膜上に、有機レジスト組成物(R−1)を塗工し、130℃で60秒間加熱した後、23℃で30秒間冷却することにより平均厚み50nmの有機レジスト膜を形成した。
電子線描画装置((株)日立製作所の「HL800D」、出力:50KeV、電流密度:5.0アンペア/cm)を用いて有機レジスト膜に電子線を照射した。電子線の照射後、基板を110℃で60秒間加熱を行い、次いで23℃で60秒間冷却した後、2.38質量%の水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)水溶液(20〜25℃)を用い、パドル法により現像した後、水で洗浄し、乾燥することにより、レジストパターンが形成された評価用基板を得た。
上記評価用基板のレジストパターンの測長には走査型電子顕微鏡((株)日立ハイテクノロジーズの「S9380」)を用いた。上記評価用基板において、線幅100nmの1対1ラインアンドスペースが形成される露光量を最適露光量とし、金属又は半金属含有レジスト下層膜(b0)を有する評価用基板における最適露光量をDと、金属又は半金属含有レジスト下層膜(b1)を有する評価用基板における最適露光量をDとしたとき、最適露光量変化率(%)を下記式により求め、有機レジスト感度変化抑制性の指標とした。
最適露光量変化率(%)=|D−D|×100/D
有機レジスト感度変化抑制性は、最適露光量変化率が1%未満の場合は「A」(良好)と、1%以上の場合は「B」(不良)と評価した。
[有機レジスト感度変化抑制性](極端紫外線露光による有機レジスト組成物の感度変化抑制性)
12インチシリコンウェハ上に、有機下層膜形成材料(JSR(株)の「HM8006」)をスピンコーター(東京エレクトロン(株)の「CLEAN TRACK ACT12」)による回転塗工法により塗工した後、250℃で60秒間加熱を行うことにより平均厚み100nmの有機下層膜を形成した。この有機下層膜上に、上記調製したレジスト下層膜形成用組成物を、上記スピンコーターによる回転塗工法により塗工してから、所定の時間経過後に、250℃で60秒間加熱してから、23℃で30秒間冷却することにより平均厚み30nmの金属又は半金属含有レジスト下層膜を形成した。上記金属又は半金属含有レジスト下層膜として、上記所定の時間を30秒とした場合の「金属又は半金属含有レジスト下層膜(b0)」と、所定の時間を300秒とした場合の「金属又は半金属含有レジスト下層膜(b1)」とをそれぞれ形成した。上記形成した金属又は半金属含有レジスト下層膜上に、有機レジスト組成物(R−1)を塗工し、130℃で60秒間加熱した後、23℃で30秒間冷却することにより平均厚み50nmの有機レジスト膜を形成した。
EUVスキャナー(ASML社の「TWINSCAN NXE:3300B」(NA0.3、シグマ0.9、クアドルポール照明、ウェハ上寸法が線幅25nmの1対1ラインアンドスペースのマスク)を用いて有機レジスト膜に露光を行った。露光後、基板を110℃で60秒間加熱し、次いで23℃で60秒間冷却した。その後、2.38質量%のTMAH水溶液(20〜25℃)を用い、パドル法により現像した後、水で洗浄し、乾燥することにより、レジストパターンが形成された評価用基板を得た。
上記評価用基板のレジストパターンの測長及び観察には走査型電子顕微鏡((株)日立ハイテクノロジーズの「CG−4000」)を用いた。上記評価用基板において、線幅25nmの1対1ラインアンドスペースが形成される露光量を最適露光量とし、金属又は半金属含有レジスト下層膜(b0)を有する評価用基板における最適露光量をDと、金属又は半金属含有レジスト下層膜(b1)を有する評価用基板における最適露光量をDとしたとき、最適露光量変化率(%)を下記式により求め、有機レジスト感度変化抑制性の指標とした。
最適露光量変化率(%)=|D−D|×100/D
有機レジスト感度変化抑制性は、最適露光量変化率が1%未満の場合は「A」(良好)と、1%以上の場合は「B」(不良)と評価した。
Figure 2020042217
上記表2の結果から、実施例のレジスト下層膜形成用組成物は、塗工性についての保存安定性、塗工膜厚変化抑制性及び有機レジスト感度変化抑制性に優れていることが分かる。
<レジスト膜形成用組成物の調製>
[実施例2−1]
[A]化合物としての(A−11)2質量部と、[B]化合物としての(B−1)98質量部とを混合し、得られた混合物を活性化4Åモレキュラーシーブにより残留水を除去した後、孔径0.2μmのフィルターでろ過して、組成物(K−1)を調製した。
[実施例2−2]
[A]化合物としての(A−12)2質量部と、[B]化合物としての(B−1)98質量部とを混合し、得られた溶液を孔径0.2μmのフィルターでろ過して、組成物(K−2)を調製した。
[実施例2−3]
[A]化合物としての(A−13)2質量部と、[B]化合物としての(B−1)98質量部、[D]酸発生剤としての(D−1)0.2質量部とを混合し、得られた溶液を孔径0.2μmのフィルターでろ過して、組成物(K−3)を調製した。
[実施例2−4]
[A]化合物としての(A−14)2質量部と、[B]化合物としての(B−1)98質量部と、[D]酸発生剤としての(D−1)0.2質量部と、その他の任意成分としての(E−1)0.2質量部とを混合し、得られた溶液を孔径0.2μmのフィルターでろ過して、組成物(K−4)を調製した。
[比較例2−1]
[A]化合物としての(A−13)2質量部と、[C]有機溶媒としての(C−2)98質量部と、[D]酸発生剤としての(D−1)0.2質量部とを混合し、得られた溶液を孔径0.2μmのフィルターでろ過して、組成物(k−1)を調製した。
<評価>
上記調製したレジスト膜形成用組成物(K−1)〜(K−4)及び(k−1)について、保存安定性、塗工膜厚変化抑制性及び金属又は半金属含有レジスト感度変化抑制性を評価した。保存安定性及び塗工膜厚変化抑制性は、上述のレジスト下層膜形成用組成物の評価で記載した方法により評価した。金属又は半金属含有レジスト感度変化抑制性の評価方法を以下に示す。評価結果を表3に示す。表3中の「−」は、該当する評価を行わなかったことを示す。
[金属又は半金属含有レジスト感度変化抑制性](電子線露光による金属又は半金属含有レジスト膜形成用組成物の感度変化抑制性)
8インチシリコンウェハ上に、有機下層膜形成材料(JSR(株)の「HM8006」)をスピンコーター(東京エレクトロン(株)の「CLEAN TRACK ACT8」)による回転塗工法により塗工した後、250℃で60秒間加熱を行うことにより平均厚み100nmの有機下層膜を形成した。この有機下層膜上に、上記調製したレジスト膜形成用組成物を、上記スピンコーターによる回転塗工法により塗工してから、所定の時間経過後に、90℃で60秒間加熱してから、23℃で30秒間冷却することにより平均厚み35nmの金属又は半金属含有レジスト膜を形成した。上記金属又は半金属含有レジスト膜として、上記所定の時間を30秒とした場合の「金属又は半金属含有レジスト膜(b0)」と、所定の時間を300秒とした場合の「金属又は半金属含有レジスト膜(b1)」とをそれぞれ形成した。
電子線描画装置((株)日立製作所の「HL800D」、出力:50KeV、電流密度:5.0アンペア/cm)を用いて金属又は半金属含有レジスト膜に電子線を照射した。電子線の照射後、基板を110℃で60秒間加熱し、次いで23℃で60秒間冷却した後、2.38質量%のTMAH水溶液(20〜25℃)を用い、パドル法により現像した後、水で洗浄し、乾燥することにより、レジストパターンが形成された評価用基板を得た。
上記評価用基板のレジストパターンの測長には走査型電子顕微鏡((株)日立ハイテクノロジーズの「S9380」)を用いた。上記評価用基板において、線幅100nmの1対1ラインアンドスペースが形成される露光量を最適露光量とし、金属又は半金属含有レジスト膜(c0)を有する評価用基板における最適露光量をDと、金属又は半金属含有レジスト膜(c1)を有する評価用基板における最適露光量をDとしたとき、最適露光量変化率(%)を下記式により求め、金属又は半金属含有レジスト感度変化抑制性の指標とした。
最適露光量変化率(%)=|D−D|×100/D
金属又は半金属含有レジスト感度変化抑制性は、最適露光量変化率が1%未満の場合は「A」(良好)と、1%以上の場合は「B」(不良)と評価した。
[金属又は半金属レジスト感度変化抑制性](極端紫外線露光による金属又は半金属含有レジスト膜形成用組成物の感度変化抑制性)
12インチシリコンウェハ上に、有機下層膜形成材料(JSR(株)の「HM8006」)をスピンコーター(東京エレクトロン(株)の「CLEAN TRACK ACT12」)による回転塗工法により塗工した後、250℃で60秒間加熱を行うことにより平均厚み100nmの有機下層膜を形成した。この有機下層膜上に、上記調製したレジスト膜形成用組成物を、上記スピンコーターによる回転塗工法により塗工してから、所定の時間経過後に、90℃で60秒間加熱してから、23℃で30秒間冷却することにより平均厚み35nmの金属又は半金属含有レジスト膜を形成した。上記金属又は半金属含有レジスト膜として、上記所定の時間を30秒とした場合の「金属又は半金属含有レジスト膜(c0)」と、所定の時間を300秒とした場合の「金属又は半金属含有レジスト膜(c1)」とをそれぞれ形成した。
EUVスキャナー(ASML社の「TWINSCAN NXE:3300B」(NA0.3、シグマ0.9、クアドルポール照明、ウェハ上寸法が線幅25nmの1対1ラインアンドスペースのマスク)を用いて金属又は半金属含有レジスト膜に露光を行った。露光後、基板を110℃で60秒間加熱し、次いで23℃で60秒間冷却した。その後、2.38質量%のTMAH水溶液(20〜25℃)を用い、パドル法により現像した後、水で洗浄し、乾燥することにより、レジストパターンが形成された評価用基板を得た。
上記評価用基板のレジストパターンの測長及び観察には走査型電子顕微鏡((株)日立ハイテクノロジーズの「CG−4000」)を用いた。上記評価用基板において、線幅25nmの1対1ラインアンドスペースが形成される露光量を最適露光量とし、金属又は半金属含有レジスト膜(c0)を有する評価用基板における最適露光量をDと、金属又は半金属含有レジスト膜(c1)を有する評価用基板における最適露光量をDとしたとき、最適露光量変化率(%)を下記式により求め、金属又は半金属含有レジスト感度変化抑制性の指標とした。
最適露光量変化率(%)=|D−D|×100/D
金属又は半金属含有レジスト感度変化抑制性は、最適露光量変化率が1%未満の場合は「A」(良好)と、1%以上の場合は「B」(不良)と評価した。
Figure 2020042217
上記表3の結果から、実施例のレジスト膜形成用組成物は、塗工性についての保存安定性、塗工膜厚変化抑制性及び金属又は半金属含有レジスト感度変化抑制性に優れていることが分かる。
本発明の組成物及び金属又は半金属含有膜形成用組成物は、保存安定性、塗工膜厚変化抑制性及びレジスト感度変化抑制性に優れている。本発明の金属又は半金属含有膜は、当該金属又は半金属含有膜形成用組成物から形成されるので、塗工膜厚変化抑制性及びレジスト感度変化抑制性に優れている。当該金属又は半金属含有膜の形成方法によれば、塗工膜厚変化抑制性及びレジスト感度変化抑制性に優れる金属又は半金属含有膜を形成することができる。本発明のパターン形成方法によれば、金属又は半金属含有レジスト下層膜並びに金属又は半金属含有レジスト膜を形成することができ、この優れたレジスト下層膜又はレジスト膜を用いることにより、良好なパターンを形成することができる。従って、これらは、さらなる微細化が要求されている半導体デバイス、液晶デバイス等の各種電子デバイスの製造におけるリソグラフィー工程に好適に用いることができる。

Claims (19)

  1. 金属原子及び半金属原子から選ばれる少なくとも1つの原子を含む第1化合物と、
    ケトン性カルボニル基及びオキシ有機基を有する第2化合物と
    を含有し、
    上記金属原子が周期表第2族〜第17族に属する組成物。
  2. 上記第2化合物が下記式(1)で表される請求項1に記載の組成物。
    Figure 2020042217
    (式(1)中、R、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜20の1価の有機基である。R及びRは、それぞれ独立して、炭素数1〜20の1価の有機基である。)
  3. 上記式(1)におけるR及びRが炭素数1〜6のアルキル基である請求項2に記載の組成物。
  4. 上記式(1)におけるR及びRが水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基である請求項2又は請求項3に記載の組成物。
  5. 上記式(1)におけるR及びRが水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基である請求項2、請求項3又は請求項4に記載の組成物。
  6. 金属原子及び半金属原子から選ばれる少なくとも1つの原子を含む第1化合物と、
    ケトン性カルボニル基及びオキシ有機基を有する第2化合物と
    を含有する金属又は半金属含有膜形成用組成物。
  7. 上記金属原子が周期表第2族〜第17族に属する請求項6に記載の金属又は半金属含有膜形成用組成物。
  8. 上記第2化合物が下記式(1)で表される請求項6又は請求項7に記載の金属又は半金属含有膜形成用組成物。
    Figure 2020042217
    (式(1)中、R、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜20の1価の有機基である。R及びRは、それぞれ独立して、炭素数1〜20の1価の有機基である。)
  9. 上記式(1)におけるR及びRが炭素数1〜6のアルキル基である請求項8に記載の金属又は半金属含有膜形成用組成物。
  10. 上記式(1)におけるR及びRが水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基である請求項8又は請求項9に記載の金属又は半金属含有膜形成用組成物。
  11. 上記式(1)におけるR及びRが水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基である請求項8、請求項9又は請求項10に記載の金属又は半金属含有膜形成用組成物。
  12. レジスト下層膜形成用である請求項6から請求項11のいずれか1項に記載の金属又は半金属含有膜形成用組成物。
  13. レジスト膜形成用である請求項6から請求項11のいずれか1項に記載の金属又は半金属含有膜形成用組成物。
  14. 請求項6から請求項13のいずれか1項に記載の金属又は半金属含有膜形成用組成物から形成される金属又は半金属含有膜。
  15. 基板の一方の面側に、請求項6から請求項13のいずれか1項に記載の金属又は半金属含有膜形成用組成物を塗工する工程
    を備える金属又は半金属含有膜の形成方法。
  16. 基板の一方の面側に、請求項12に記載の金属又は半金属含有膜形成用組成物を塗工する工程と、
    上記金属又は半金属含有膜形成用組成物塗工工程により形成された金属又は半金属含有レジスト下層膜の上記基板とは反対の面側に、有機レジスト膜形成用組成物を塗工する工程と、
    上記有機レジスト膜形成用組成物塗工工程により形成された有機レジスト膜を放射線により露光する工程と、
    上記露光された有機レジスト膜を現像する工程と
    を備えるパターン形成方法。
  17. 上記金属又は半金属含有膜形成用組成物塗工工程前に、
    上記基板の一方の面側に、有機下層膜を形成する工程
    をさらに備える請求項16に記載のパターン形成方法。
  18. 基板の一方の面側に、請求項13に記載の金属又は半金属含有膜形成用組成物を塗工する工程と、
    上記金属又は半金属含有膜形成用組成物塗工工程により形成された金属又は半金属含有レジスト膜を極端紫外線又は電子線により露光する工程と、
    上記露光された金属又は半金属含有レジスト膜を現像する工程と
    を備えるパターン形成方法。
  19. 上記金属又は半金属含有膜形成用組成物塗工工程前に、
    上記基板の一方の面側に、有機下層膜を形成する工程
    をさらに備える請求項18に記載のパターン形成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023136260A1 (ja) * 2022-01-14 2023-07-20 Jsr株式会社 半導体基板の製造方法、レジスト下層膜の形成方法及び洗浄液

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