JP2020041717A - 加熱冷却装置の性能評価方法 - Google Patents
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Description
テストピースを加熱冷却装置を用いて加熱又は冷却し、該テストピースの内部温度を計測する内部温度計測ステップと、
前記内部温度計測ステップで計測された前記内部温度から熱伝導方程式により予測熱伝達率を算出する予測熱伝達率算出ステップと、
前記テストピースの少なくとも一面の熱流束及び表面温度を計測する熱流束計測ステップと、
前記熱流束計測ステップで計測された熱流束及び表面温度から実測熱伝達率を算出する実測熱伝達率算出ステップと、
前記予測熱伝達率と前記実測熱伝達率とから前記テストピースの温度を把握し、前記加熱冷却装置の性能評価を行う評価ステップと、
を含む。
なお、テストピースとして実際に処理される被処理物又は物性値が該被処理物に似た模擬材を使用することができる。
前記評価ステップにおいて、
前記予測熱伝達率と前記実測熱伝達率との差分が閾値以内であるとき前記実測熱伝達率は正確な値であると判定し、前記実測熱伝達率に基づいて前記加熱冷却装置の性能評価を行う。
上記(2)の方法によれば、実測値から求めた予測熱伝達率に対する実測熱伝達率の差分から、該実測熱伝達率の正確さを客観的に評価できる。
前記熱流束計測ステップにおいて、前記テストピースの複数の面の熱流束を計測し、
前記実測熱伝達率算出ステップにおいて、前記複数の面の各々の前記実測熱伝達率を算出すると共に、算出した複数の前記実測熱伝達率から平均実測熱伝達率を算出し、
前記評価ステップにおいて、前記予測熱伝達率と前記平均実測熱伝達率とから前記加熱冷却装置の性能評価を行う。
上記(3)の方法によれば、上記平均実測熱伝達率を予測熱伝達率と比較することで、加熱冷却装置の現実の性能に近い性能評価を得ることができる。
前記実測熱伝達率算出ステップにおいて、
前記複数の面の各々で算出した前記実測熱伝達率を前記複数の面の面積で重み付けして前記平均実測熱伝達率を算出する。
上記(4)の方法によれば、平均実測熱伝達率として、テストピースの各面の実測熱伝達率を各面の面積で重み付けして算出された平均実測熱伝達率を用いることで、加熱冷却装置の現実の性能にさらに近い性能評価を得ることができる。
前記内部温度計測ステップでは、前記テストピースとして顕熱温度履歴のみの温度履歴を有するテストピースを用いる。
上記(5)の方法によれば、テストピースとして顕熱温度履歴の温度推移曲線を有するテストピースを用い、該テストピースの内部温度実測値及び周囲温度から、熱伝導方程式を用い、あるいはさらにテストピースの物性値を加えることで、予測熱伝達率を容易にかつ正確に求めることができる。
以下、顕熱温度履歴のみの温度履歴を有することを「顕熱特性を有する」とも言い、潜熱温度履歴を含む温度履歴を有することを「潜熱特性を有する」とも言う。
前記熱流束計測ステップでは、前記テストピースとして断熱性を有するテストピースを用いる。
上記(6)の方法によれば、テストピースとして断熱性を有するテストピースを用いることで、テストピースの各面において内部の熱拡散による他面側からの熱侵入を抑制できる。これによって、各面において他面側からの熱侵入による影響を受けずに、実測熱伝達率を算出できる。
テストピースを加熱冷却装置を用いて加熱又は冷却し、該テストピースの内部温度を計測する内部温度計測ステップと、
前記テストピースの少なくとも一面の熱流束及び表面温度を計測する熱流束計測ステップと、
前記熱流束計測ステップで計測した熱流束及び表面温度から実測熱伝達率を算出する実測熱伝達率算出ステップと、
前記実測熱伝達率算出ステップで算出した前記実測熱伝達率から熱伝導方程式を用いて前記テストピースの内部温度を算出する内部温度算出ステップと、
前記内部温度計測ステップで計測した内部温度と、前記内部温度算出ステップで算出された内部温度とから前記加熱冷却装置の性能評価を行う評価ステップと、
を含む。
なお、上記実測熱伝達率算出ステップで算出した実測熱伝達率を境界条件として、実際の運転で処理される被処理物(顕熱特性又は潜熱特性の温度推移を有する。)に当てはめ、該被処理物の内部温度を算出するようにしてもよい。これによって、実運転で加熱冷却装置の性能評価が可能になる。
前記評価ステップにおいて、
前記内部温度計測ステップで計測した内部温度と前記内部温度算出ステップで算出された内部温度との差分が閾値以内であるとき、前記内部温度算出ステップで算出された前記内部温度を導き出した前記実測熱伝達率は正確な値であると判定し、前記実測熱伝達率に基づいて前記加熱冷却装置の性能評価を行う。
上記(8)の方法によれば、上記内部温度計測ステップで実測された内部温度と、上記内部温度算出ステップで算出された内部温度との差分から、計算で求めた内部温度を導き出した実測熱伝達率の正確さを客観的に評価できる。
例えば、内部温度計測ステップで計測した内部温度と内部温度算出ステップで算出された内部温度との差分を平均二乗誤差平方根(RMSE)で評価した結果が閾値内であるとき、実測熱伝達率は正確な値であると判定する。
前記熱流束計測ステップにおいて、前記テストピースの複数の面の熱流束を計測し、
前記実測熱伝達率算出ステップにおいて、前記複数の面の各々の前記実測熱伝達率を算出すると共に、算出した複数の前記実測熱伝達率から平均実測熱伝達率を算出し、
前記内部温度算出ステップにおいて、前記平均実測熱伝達率から前記テストピースの内部温度を算出する。
上記(9)の方法によれば、上記平均実測熱伝達率を用いてテストピースの内部温度を算出することで、加熱冷却装置を正確に性能評価できる。また、実測熱伝達率算出ステップで得た実測熱伝達率を境界条件として実際の被処理物に当てはめることで、該被処理物を処理するときの現実の性能に近い性能評価を得ることができる。
前記実測熱伝達率算出ステップにおいて、
前記複数の面の各々で算出した前記実測熱伝達率を前記複数の面で重み付けして前記平均実測熱伝達率を算出する。
上記(10)の方法によれば、テストピースの各面の実測熱伝達率を各面の面積で重み付けして算出された平均実測熱伝達率を用いることで、加熱冷却装置のさらに現実の性能に近い性能評価を得ることができる。
前記テストピースは、潜熱温度履歴を含む温度履歴を有するテストピースで構成されている。
上記(11)の方法によれば、テストピースとして、潜熱温度履歴を含む温度履歴を有し、食品の物性に近いテストピースを用いることで、食品を被処理物として用いられる加熱冷却装置の性能評価をさらに正確に行うことができる。
前記加熱冷却装置が、被凍結物を凍結温度より高い温度から冷却して凍結温度以下まで冷却するための冷凍装置で構成され、
前記内部温度算出ステップにおいて、前記被凍結物が凍結温度以下の設定された温度に到達する到達時間を算出する。
上記(12)の方法によれば、被凍結物が凍結温度以下の設定された温度に到達する時間を予め算出できるので、この到達時間に合わせて冷凍装置の運転を制御することで、凍結処理後の未凍結物をなくし、かつ冷凍装置の過剰設計及び過剰動力を回避でき、省エネ運転が可能になる。
前記内部温度算出ステップにおいて、
前記到達時間tfを目的変数とし、前記一面の周囲温度Tamb及び前記実測熱伝達率を含む熱伝達率αのパラメータを説明変数とし、tf=f(α,Tamb)の式が導けるように簡略化して、回帰分析により次の式(1)を求める。
tf=b0+b1α+b2α2+b3(1/Tamb)+b4Tamb (1)
上記(13)の方法によれば、到達時間tfを簡易な方法で算出できる。
前記内部温度算出ステップにおいて、
前記到達時間tf、前記熱伝達率α及び前記周囲温度Tambを座標軸とする三次元座標に前記到達時間tf、前記熱伝達率α及び前記周囲温度Tambの算出値をプロットして前記到達時間tfの応答曲面を作成する。
上記(14)の方法によれば、三次元座標に上記応答曲面を作成することで、熱伝達率α及び周囲温度Tambに対応した到達時間tfをビジュアル化できるため、冷凍装置の運転が容易になる。
前記内部温度算出ステップにおいて、
前記被凍結物の複数の部位で前記内部温度の推移を算出し、複数の前記内部温度のうち凍結温度に達する時間が最も遅い部位を凍結中心と判定する。
上記(15)の方法によれば、凍結温度に達する時間が最も遅い部位(凍結中心)を予め知ることができるので、凍結中心の温度推移を監視することで、冷凍装置の運転を効率化できる。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一つの構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
Q=α(ts−t) (2)
次に、算出された予測熱伝達率αcに基づいて加熱冷却装置の性能を評価することで、定量的な性能評価が可能になる。
この実施形態によれば、テストピースとして断熱性を有するテストピースを用いることで、テストピースの各面において、内部の熱拡散による他面側からの熱侵入を抑制できる。これによって、各面において他面側からの熱侵入による影響を受けずに、実測熱伝達率αaを算出できる。これに対し、金属製など熱伝導率が高いテストピースは、内部で熱拡散が容易に進むため、内部温度勾配が小さくなり、正確な実測熱伝達率αaの計測には適さない。Siゴムの熱伝導率は0.2W/mK程度であり、これに対して、ステンレス鋼は16W/mK程度であり、Siゴムの表面で計測した実測熱伝達率は、ステンレス鋼のような熱拡散がないため、精度良い実測熱伝達率を求めることができる。
上記差分が基準値以内でないとき、再検討ステップS22において、計測方法などに誤りはないかなどを再計測することでチェックし、その原因を調べて対策を講じる。その後再度ステップS10〜S20を行う。
この実施形態によれば、平均実測熱伝達率αavを予測熱伝達率αcと比較することで、加熱冷却装置の現実の性能に近い性能評価を得ることができる。
例えば、テストピースが立方体や直方体のとき、6つの表面の実測熱伝達率αa1〜αa6を算出し、それらの平均実測熱伝達率αavを算出することで、加熱冷却装置の現実の性能に近い性能評価を得ることができる。
αav=αa1×(A1/ΣAi)+αa2×(A2/ΣAi)+・・・+αa6×(A6/ΣAi)
(4)
ここで、αa1〜αa6は各面の実測熱伝達率、Aiは各面の表面積、ΣAiはテストピースの全表面積を夫々示す。
この実施形態によれば、テストピースの各面の実測熱伝達率αaを各面の面積で重み付けして算出した平均実測熱伝達率αavを用いることで、加熱冷却装置の現実の性能にさらに近い性能評価を得ることができる。
この実施形態によれば、テストピースとして顕熱冷却履歴のみの単純な温度勾配ラインを有し、物性が温度に依存して大きな変化のない顕熱テストピースを用いることで、予測熱伝達率αcをフィッティングパラメータとしたときの冷却履歴の実測値と計算値とのフィッティングが容易になる。これによって、加熱冷却装置の性能評価の目安となる予測熱伝達率αcを容易にかつ正確に求めることができる。
さらに、以下で示す被処理物の内部温度計測から、潜熱域を含む熱処理過程の温度推移が算出され、近似式や応答局面を求めることができる。
内部温度算出ステップS36における内部温度Tcalcの算出方法は、例えば、実測熱伝達率算出ステップS34で算出したテストピースの各面の実測熱伝達率αaを境界条件として、テストピースの物性値を用い、熱伝導方程式を用いた数値計算から算出する。
この実施形態によれば、実測値の内部温度Texpに対する計算値の内部温度Tcalcの差分から、実測熱伝達率αaの正確さを客観的に評価できる。
内部温度計測ステップS30で計測した内部温度と内部温度算出ステップS36で算出された内部温度との差分を平均二乗誤差平方根(RMSE)で評価する場合、例えば、次の方法で行う。例えば、冷却装置の場合、冷却1秒の段階での内部温度同士の差分の2乗、冷却2秒の段階での内部温度同士の差分の2乗、・・・と計算していき、合計値をデータ点数で割り算してルートをとる。
この実施形態によれば、平均実測熱伝達率αavを用いて同じようにテストピースの内部温度Tcalcを算出することで、加熱冷却装置の現実の性能により近い性能評価を得ることができる。ここで、内部温度算出ステップS36で得た平均実測熱伝達率αavを境界条件として実際の被処理物に当てはめることで、該被処理物の内部温度を算出できる。これによって、被処理物を処理するときの現実の性能に近い性能評価を得ることができる。
この実施形態によれば、被凍結物が凍結温度以下の設定された温度に到達する時間を予め算出できるので、この到達時間に合わせて冷凍装置の運転を制御することで、凍結処理後の未凍結物をなくし、かつ冷凍装置の過剰設計及び過剰動力を回避でき、省エネ運転が可能になる。
[Phamの近似式]
H(T≧Tf)=H0+cuT (5a)
H(T<Tf)=A+cfT+B/T (5b)
cp(T≧Tf)=cu (6a)
cp(T<Tf)=cf−B/T2 (6b)
式(5a)、(5b)、(6a)及び(6b)において、H0は−40℃を基準温度とした時のエンタルピ(kJ/kg)、Tfは凍結点、cuは未凍結層の比熱、cfは凍結層の比熱、A及びBは定数である。
λl(T≧Tf)=0.467+0.00154(T−Tf) (7a)
λl(T<Tf)=0.467−0.00489(T−Tf)+0.582(1/T−1/Tf) (7b)
この実施形態によれば、前半工程でステンレス鋼などの顕熱テストピース及びSiゴムなどの断熱テストピースを用いて算出した実測熱伝達率αa又は平均実測熱伝達率αavの精度を確認し、後半工程でこれらの値に基づき、食品に近い物性をもつタイロースなどの潜熱テストピースを用いて疑似食品の温度推移を効率良く再現できる。
ステップS50〜S58においては、被凍結物が凍結温度以下の設定された温度に到達する到達時間tfを目的変数とし、テストピースの一面の周囲温度Tamb及び実測熱伝達率を含む熱伝達率αのパラメータを説明変数とするtf=f(α,Tamb)の式が導けるように簡略化して、回帰分析により次の近似式(1)を求める。
tf=b0+b1×α+b2×α2+b3×(1/Tamb)+b4Tamb (1)
この実施形態によれば、近似式(1)を用いることにより凍結時間tfを簡易な方法で算出できる。
この実施形態によれば、三次元座標に凍結時間の応答曲面を作成することで、熱伝達率α及び周囲温度Tambに対応した凍結時間tfをビジュアル化できるため、凍結時間に合わせて冷凍装置の運転制御を効率良く行うことができる。
一実施形態では、内部温度算出ステップS64において、被凍結物の複数の部位で内部温度Tcalcの推移を算出し、ステップS66で複数の内部温度Tcalcのうち凍結温度に達する時間が最も遅い部位を凍結中心と判定する。
この実施形態によれば、凍結温度に達する時間が最も遅い部位(凍結中心)を予め知ることができるので、凍結中心の温度推移を監視することで、冷凍装置の運転を効率化できる。
12 ハウジング
14 冷凍機
16 コンベア
18 冷却器
20 ファン
A、B 凍結推移曲線
F 被冷却物
Sc 冷却空間
Tcalc 内部温度(計算値)
Texp 内部温度(実測値)
Wc 冷風
a 搬送方向
α 熱伝達率
αc 予測熱伝達率
αa 実測熱伝達率
αav 平均実測熱伝達率
Claims (15)
- テストピースを加熱冷却装置を用いて加熱又は冷却し、該テストピースの内部温度を計測する内部温度計測ステップと、
前記内部温度計測ステップで計測された前記内部温度から熱伝導方程式により予測熱伝達率を算出する予測熱伝達率算出ステップと、
前記テストピースの少なくとも一面の熱流束及び表面温度を計測する熱流束計測ステップと、
前記熱流束計測ステップで計測された熱流束及び表面温度から実測熱伝達率を算出する実測熱伝達率算出ステップと、
前記予測熱伝達率と前記実測熱伝達率とから前記テストピースの温度を把握し、前記加熱冷却装置の性能評価を行う評価ステップと、
を含むことを特徴とする加熱冷却装置の性能評価方法。 - 前記評価ステップにおいて、
前記予測熱伝達率と前記実測熱伝達率との差分が閾値以内であるとき前記実測熱伝達率は正確な値であると判定し、前記実測熱伝達率に基づいて前記加熱冷却装置の性能評価を行うことを特徴とする請求項1に記載の加熱冷却装置の性能評価方法。 - 前記熱流束計測ステップにおいて、前記テストピースの複数の面の熱流束を計測し、
前記実測熱伝達率算出ステップにおいて、前記複数の面の各々の前記実測熱伝達率を算出すると共に、算出した複数の前記実測熱伝達率から平均実測熱伝達率を算出し、
前記評価ステップにおいて、前記予測熱伝達率と前記平均実測熱伝達率とから前記加熱冷却装置の性能評価を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の加熱冷却装置の性能評価方法。 - 前記実測熱伝達率算出ステップにおいて、
前記複数の面の各々で算出した前記実測熱伝達率を前記複数の面の面積で重み付けして前記平均実測熱伝達率を算出することを特徴とする請求項3に記載の加熱冷却装置の性能評価方法。 - 前記内部温度計測ステップでは、前記テストピースとして顕熱温度履歴のみの温度履歴を有するテストピースを用いることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の加熱冷却装置の性能評価方法。
- 前記熱流束計測ステップでは、前記テストピースとして断熱性を有するテストピースを用いることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の加熱冷却装置の性能評価方法。
- テストピースを加熱冷却装置を用いて加熱又は冷却し、該テストピースの内部温度を計測する内部温度計測ステップと、
前記テストピースの少なくとも一面の熱流束及び表面温度を計測する熱流束計測ステップと、
前記熱流束計測ステップで計測した熱流束及び表面温度から実測熱伝達率を算出する実測熱伝達率算出ステップと、
前記実測熱伝達率算出ステップで算出した前記実測熱伝達率から熱伝導方程式を用いて前記テストピースの内部温度を算出する内部温度算出ステップと、
前記内部温度計測ステップで計測した内部温度と前記内部温度算出ステップで算出された内部温度とから前記加熱冷却装置の性能評価を行う評価ステップと、
を含むことを特徴とする加熱冷却装置の性能評価方法。 - 前記評価ステップにおいて、
前記内部温度計測ステップで計測した内部温度と前記内部温度算出ステップで算出された内部温度との差分が閾値以内であるとき、前記内部温度算出ステップで算出された前記内部温度を導き出した前記実測熱伝達率は正確な値であると判定し、前記実測熱伝達率に基づいて前記加熱冷却装置の性能評価を行うことを特徴とする請求項7に記載の加熱冷却装置の性能評価方法。 - 前記熱流束計測ステップにおいて、前記テストピースの複数の面の熱流束を計測し、
前記実測熱伝達率算出ステップにおいて、前記複数の面の各々の前記実測熱伝達率を算出すると共に、算出した複数の前記実測熱伝達率から平均実測熱伝達率を算出し、
前記内部温度算出ステップにおいて、前記平均実測熱伝達率から前記テストピースの内部温度を算出することを特徴とする請求項7又は8に記載の加熱冷却装置の性能評価方法。 - 前記実測熱伝達率算出ステップにおいて、
前記複数の面の各々で算出した前記実測熱伝達率を前記複数の面で重み付けして前記平均実測熱伝達率を算出することを特徴とする請求項9に記載の加熱冷却装置の性能評価方法。 - 前記テストピースは、潜熱温度履歴を含む温度履歴を有するテストピースで構成されていることを特徴とする請求項7乃至10の何れか一項に記載の加熱冷却装置の性能評価方法。
- 前記加熱冷却装置が、被凍結物を凍結温度より高い温度から冷却して凍結温度以下まで冷却するための冷凍装置で構成され、
前記内部温度算出ステップにおいて、前記被凍結物が凍結温度以下の設定された温度に到達する到達時間を算出することを特徴とする請求項7乃至11の何れか一項に記載の加熱冷却装置の性能評価方法。 - 前記内部温度算出ステップにおいて、
前記到達時間tfを目的変数とし、前記一面の周囲温度Tamb及び前記実測熱伝達率を含む熱伝達率αのパラメータを説明変数とし、tf=f(α,Tamb)の式が導けるように簡略化して、回帰分析により次の式(1)を求めることを特徴とする請求項12に記載の加熱冷却装置の性能評価方法。
tf=b0+b1×α+b2×α2+b3×(1/Tamb)+b4Tamb (1) - 前記内部温度算出ステップにおいて、
前記到達時間tf、前記熱伝達率α及び前記周囲温度Tambを座標軸とする三次元座標に前記到達時間tf、前記熱伝達率α及び前記周囲温度Tambの算出値をプロットして前記到達時間tfの応答曲面を作成することを特徴とする請求項13に記載の加熱冷却装置の性能評価方法。 - 前記内部温度算出ステップにおいて、
前記被凍結物の複数の部位で前記内部温度の推移を算出し、複数の前記内部温度のうち凍結温度に達する時間が最も遅い部位を凍結中心と判定することを特徴とする請求項12に記載の加熱冷却装置の性能評価方法。
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