JP2020041597A - 多列組合せ軸受装置 - Google Patents
多列組合せ軸受装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2020041597A JP2020041597A JP2018169088A JP2018169088A JP2020041597A JP 2020041597 A JP2020041597 A JP 2020041597A JP 2018169088 A JP2018169088 A JP 2018169088A JP 2018169088 A JP2018169088 A JP 2018169088A JP 2020041597 A JP2020041597 A JP 2020041597A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- resin
- bearing device
- rolling
- combination bearing
- polyamide
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Abstract
【課題】高速回転条件下で使用した場合であっても、焼き付きや破損が生じない多列組合せ軸受装置を提供する。【解決手段】多列組合せ軸受装置11は、内輪および外輪と、この内・外輪間に介在する複数の転動体と、この転動体を保持する保持器とを有する転がり軸受を軸方向に3以上配列してなり、dm・n値100×104以上の高速回転で使用され、複数のアンギュラ玉軸受1a〜1dのうち、少なくとも軸方向の内側のアンギュラ玉軸受1b、1cの保持器は、樹脂組成物を射出成形体であり、該樹脂組成物は、ジカルボン酸成分とジアミン成分とからなるポリアミド樹脂をベース樹脂とし、これに繊維状補強材を配合してなる組成物であり、ジカルボン酸成分がテレフタル酸を主成分とし、ジアミン成分が1,10−デカンジアミンを主成分とし、繊維状補強材として、樹脂組成物全体に対して、ガラス繊維を15〜50質量%、または、炭素繊維を15〜30質量%含む。【選択図】図3
Description
本発明は、自動車、モータ、工作機械などで用いられる多列組合せ軸受装置に関し、特に、所定の樹脂組成物を成形してなる樹脂製の転がり軸受用保持器を有する多列組合せ軸受装置に関する。
転がり軸受は、内輪および外輪と、内輪の軌道面と外輪の軌道面との間に円周方向に配置された複数の転動体と、転動体を転動自在に保持する保持器とを備えてなり、該保持器として、一般的にプレス成形された鉄製のものが使用されている。しかし、転がり軸受の回転速度が速くなった場合、鉄製の保持器では転動体と該保持器の滑り接触による摩擦が大きくなり、該軸受の昇温が大きくなり、その結果、焼き付きに至るおそれがあった。そこで、保持器の材料として、自己潤滑性、低摩擦特性、軽量などの点で鉄製よりも優れる合成樹脂を用いることが有効と考えられる。合成樹脂として、一般的には、ポリアミド6樹脂、ポリアミド66樹脂、ポリアミド46樹脂などが用いられ、必要に応じてこれらにガラス繊維を含有させ強化したものが用いられる(特許文献1参照)。また、寸法安定性、耐熱性、耐薬品性をより向上させる目的で耐熱ポリアミド樹脂を使用した保持器も提案されている(特許文献2、3、4参照)。
近年、工作機械の分野では加工効率の向上や重切削への対応が求められている。これに対応するため、軸受には、高速化、高剛性が要求される。この要求に対し主軸の剛性を高めるために、3列以上の組合せ転がり軸受が使用されることが多くなっている。このような多列組合せ軸受として、例えば4列組合せ軸受の場合、軸方向の内側(フロント側から2列目、3列目)の軸受は、軸方向の両端(フロント側から1列目、4列目)の軸受の発熱と昇温に阻まれているため、熱伝導性が悪くなり、軸受自身の転がり摩擦による発熱分を外部に逃すことが困難であり、蓄熱状態になる。その結果、転動体案内方式の保持器の場合には保持器が転動体を案内していることから、高速回転時における転動体と保持器との摩擦熱も加わり、保持器のポケット部が溶融するおそれがある。
また、最近では、工作機械として主軸にモータを搭載したビルトインモータタイプが増えてきている。このモータによる発生熱量が軸部分を伝わり軸受部分にも伝達されるので、軸受にとってさらに厳しい条件となる。このため、軸受としては低昇温化が必要になってくる中で、軸受構成部品の1つである樹脂保持器には耐熱性と、高速回転によって発生する遠心力により変形しないことが要求される。
しかしながら、合成樹脂はガラス転移温度を境にして、機械的特性が大きく変化し、高温では、強度や弾性率が低下する。特許文献1に記載される一般的な保持器材質であるポリアミド66樹脂やポリアミド46樹脂は、そのガラス転移温度がそれぞれ約50℃、約80℃であり、それをこえる温度では、上述のように、遠心力による変形の発生、保持器と転動体との滑り摩擦による発熱の増大、軸受温度の更なる上昇を経て、保持器と外輪が接触し、焼き付きや保持器破損に至る可能性がある。このため、例えば、dm・n値(転動体のピッチ円径dmと軌道輪回転数nとの積)が60×104以上(更には80×104以上)となる高速回転で使用した場合、焼き付きによる損傷や保持器破損を防ぐことが困難であった。また、ポリアミド66樹脂やポリアミド46樹脂は、吸水率が高く、それに伴って保持器寸法が変化するため、吸湿された状態で寸法管理して使用する必要がある。また、吸湿後の強度および弾性率は吸湿前に比較して大きく低下する。
一方、特許文献2、3に記載されるポリアミド9T樹脂は、そのガラス転移温度が125℃であり、上述のポリアミド66樹脂やポリアミド46樹脂のガラス転移温度と比較して高い。しかし、ポリアミド9T樹脂においても、高速回転条件下での温度上昇に対して、何らかの要因で潤滑状態が悪くなった場合、保持器温度がそのガラス転移温度以上となり、変形などの問題が発生するおそれがある。
また、ポリアミド9T樹脂は、芳香族ポリアミドであることから、ポリアミド66樹脂やポリアミド46樹脂のような脂肪族ポリアミドと比較して吸水性は低くなる。しかし、射出成形で製造される樹脂製の保持器には、成形時に樹脂組成物が合流する領域に形成されるウエルド部が必ず存在する。ポリアミド9T樹脂は、弾性率が高く、靱性が低いことから、使用時に該ウエルド部への応力集中が発生し、ウエルド部での割れが発生しやすくなり、保持器としての強度が低下するおそれがある。
これらの点に関して、特許文献2には、ポリアミド9T樹脂を使用した保持器の提案こそなされているが、その耐焼付き性能については示唆されていない。また、特許文献3では、温度上昇についてdm・n値が60×104以上の条件として90×104程度までの記載はあるが、それ以上の回転速度の性能は示唆されていない。
また、特許文献4に記載されるテレフタル酸と1,10−デカンジアミンを主成分としたポリアミド樹脂を用いた場合では、アンギュラ玉軸受をdm・n値80×104まで回転させる軸受温度試験が実施されているが、それ以上の回転速度の性能は示唆されていない。
本発明はこのような問題に対処するためになされたものであり、転がり軸受を3列以上配列した多列組合せ軸受装置を高速回転条件下で使用した場合(例えば、ビルトインモータ主軸の軸受装置に使用した場合)であっても、焼き付きや破損が生じない多列組合せ軸受装置を提供することを目的とする。
本発明の多列組合せ軸受装置は、内輪および外輪と、この内・外輪間に介在する複数の転動体と、この転動体を保持する保持器とを有する転がり軸受を軸方向に3以上配列してなり、dm・n値100×104以上の高速回転で使用される軸受装置であり、上記複数の転がり軸受のうち、少なくとも軸方向の内側の転がり軸受の保持器は、樹脂組成物の射出成形体であり、上記樹脂組成物は、ジカルボン酸成分とジアミン成分とからなるポリアミド樹脂をベース樹脂とし、これに繊維状補強材を配合してなる組成物であり、上記ジカルボン酸成分がテレフタル酸を主成分とし、上記ジアミン成分が1,10−デカンジアミンを主成分とし、上記繊維状補強材として、上記樹脂組成物全体に対して、ガラス繊維を15〜50質量%、または、炭素繊維を15〜30質量%含むことを特徴とする。なお、「軸方向の内側の転がり軸受」とは、軸方向に配列された3個以上の転がり軸受のうち、両端の転がり軸受以外の転がり軸受のことをさす。
上記ポリアミド樹脂は、融点が310℃以上であることを特徴とする。また、上記保持器が、内輪案内方式または外輪案内方式の保持器であることを特徴とする。
上記多列組合せ軸受装置において、軸方向の内側の上記転がり軸受の転動体がセラミックス製であることを特徴とする。
上記多列組合せ軸受装置が、ビルトインモータ主軸を有するスピンドル装置に使用されることを特徴とする。
上記複数の転がり軸受が、エアオイル潤滑またはオイルミスト潤滑で潤滑されることを特徴とする。
上記複数の転がり軸受が、グリース潤滑で潤滑されることを特徴とする。
本発明の多列組合せ軸受装置において、軸方向に配列した複数(3以上)の転がり軸受のうち、少なくとも軸方向の内側の転がり軸受の保持器は、ジカルボン酸成分がテレフタル酸を、ジアミン成分が1,10−デカンジアミンを、それぞれ主成分とする所定のポリアミド樹脂に、ガラス繊維を15〜50質量%、または、炭素繊維を15〜30質量%配合してなる樹脂組成物の射出成形体であるので、剛性(弾性率)が高く、高温高速回転となる条件下においても、蓄熱性の高い内側の転がり軸受の保持器の変形を小さくできる。以上より、dm・n値が100×104以上となる高速回転で使用しても、発熱量を小さくでき、焼付きや破損を防止できる。
また、ジカルボン酸成分がテレフタル酸をジアミン成分が1,10−デカンジアミンをそれぞれ主成分とするポリアミド樹脂をベース樹脂とするので、非常に結晶化速度が速く、成形時のサイクルタイムを短くすることができ、生産性を向上できる。
ベース樹脂とする上記ポリアミド樹脂は、融点が310℃以上であるので、保持器材料として最も多く用いられているポリアミド66樹脂(融点267℃)、ポリアミド46樹脂(融点295℃)と比較して、非常に高い耐熱性を備える。また、ポリアミド9T樹脂(融点300℃)と比較しても、同等以上の耐熱性を備える。このため、高温高速回転となる条件下でも変形を小さくできる。
また、耐油性、耐薬品性において、上記他のポリアミド樹脂よりも優れており、従来よりも厳しい使用条件、例えば高温、油中などでも使用可能となる。さらに、吸水率も、ポリアミド9T樹脂と同等程度であり、ポリアミド66樹脂やポリアミド46樹脂と比較して非常に少なく、吸水による寸法変化、物性低下を極力抑制できる。
保持器が、内輪案内方式または外輪案内方式の保持器であるので、転動体案内方式の場合に比べ、高速回転時における転動体と保持器との滑り摩擦を小さくでき、それに伴う発熱を抑えることができる。
多列組合せ軸受装置において、軸方向の内側の転がり軸受の転動体をセラミックス製にすることで、鋼製の転動体に比べて、転動体と保持器との滑り摩擦や転動体と軌道輪との摩擦を低減でき、蓄熱性の高い内側の転がり軸受の軸受温度の上昇を抑制できる。さらに、セラミックス製の転動体は、鋼製の転動体に比べて軽量であるので、転動体が保持器に衝突する際の衝撃を抑えることができ、保持器の損傷防止にも効果的である。
主軸にモータを搭載したスピンドル装置は、例えばdm・n値が100×104以上となるような高速回転条件下で使用される。本発明の転がり軸受は、dm・n値が100×104以上でも焼付きや破損することなく使用できるので、そのようなスピンドル装置への使用に適している。
本発明者らは、高速回転条件下でも安定して使用可能な複列組合せ軸受装置を得るべく鋭意検討したところ、少なくとも軸方向の内側の転がり軸受の保持器を所定の樹脂組成物からなる樹脂製保持器とすることで、100×104以上の高速回転条件下でも、焼き付くことなく使用できることを見出した。本発明は、このような知見に基づくものである。
本発明の複列組合せ軸受装置の転がり軸受に用いられる保持器は、樹脂組成物を射出成形してなる樹脂製の保持器である。樹脂材料とする樹脂組成物は、所定のポリアミド樹脂をベース樹脂とし、これに所定量の繊維状補強材(ガラス繊維または炭素繊維)を配合してなる。
本発明で用いるポリアミド樹脂は、ジカルボン酸成分とジアミン成分とからなり、各成分を構成するジカルボン酸とジアミンとを重縮合して得られる。上記ポリアミド樹脂を構成するジカルボン酸成分は、テレフタル酸を主成分とする。テレフタル酸を主成分とすることで、ポリアミド樹脂の高温剛性などに優れる。また、上記ポリアミド樹脂を構成するジアミン成分は、1,10−デカンジアミンを主成分とする。1,10−デカンジアミンは 直鎖状の脂肪族ジアミンである。テレフタル酸および1,10−デカンジアミンは、いずれも化学構造の対称性が高いため、これらを主成分とすることで、高い結晶性のポリアミド樹脂が得られる。
本発明では、上記ポリアミド樹脂を構成するジアミン成分について、上述のとおり、炭素数が10である直鎖状の1,10−デカンジアミンを主成分として用いている。主成分とするジアミン成分のモノマー単位の炭素数が10であり、偶数であるので、奇数である場合と比較して、より安定な結晶構造をとり、結晶性が向上する(偶奇効果)。また、主成分とするジアミン成分の炭素数が8以下の場合には、上記ポリアミド樹脂の融点が分解温度を上回るおそれがある。ジアミン成分の炭素数が12以上の場合には、上記ポリアミド樹脂の融点が低くなり、高温、高速条件下で使用する場合に保持器が変形する等のおそれがある。なお、炭素数9、11のジアミンでは、ポリアミド樹脂の上記偶奇効果により、結晶性が不足するおそれがある。
上記ポリアミド樹脂は、ジカルボン酸成分であるテレフタル酸およびジアミン成分である1,10−デカンジアミンの一部を、他の共重合成分で置き換えたものとしてもよい。ただし、他の共重合成分が多くなると、融点および結晶性が低下することから、主成分となるテレフタル酸および1,10−デカンジアミンの総量は、原料モノマーの総モル数(100モル%)に対して、95モル%以上とすることが好ましい。また、実質的にテレフタル酸および1,10−デカンジアミンのみから構成し、他の共重合成分を実質的に含まないことが特に好ましい。
他の共重合成分として用いる、テレフタル酸以外のジカルボン酸成分としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸などの脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸が挙げられる。また、他の共重合成分として用いる、1,10−デカンジアミン以外のジアミン成分としては、1,2−エタンジアミン、1,3−プロパンジアミン、1,4−ブタンジアミン、1,5−ペンタンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、1,7−ヘプタンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,9−ノナンジアミン、1,11−ウンデカンジアミン、1,12−ドデカンジアミンなどの脂肪族ジアミン、シクロヘキサンジアミンなどの脂環族ジアミン、キシリレンジアミンなどの芳香族ジアミンが挙げられる。また、上記ポリアミド樹脂には、カプロラクタムなどのラクタム類を共重合させてもよい。
上記ポリアミド樹脂の重量平均分子量は、好ましくは15000〜50000であり、より好ましくは26000〜50000である。上記ポリアミド樹脂の重量平均分子量が15000未満であると、該樹脂の剛性が低下し、高速回転時に保持器が変形するおそれがある。一方、上記ポリアミド樹脂の重量平均分子量が50000をこえると、結晶化が遅くなり射出成形時の流動性が低下する。また、上記ポリアミド樹脂の相対粘度は、特に限定されないが、保持器の成形を容易にするためには、96質量%硫酸を溶媒とし、濃度1g/dL、25℃で測定される相対粘度を2.0以上とすることが好ましい。
上記ポリアミド樹脂は、その融点が310℃以上であることが好ましい。また、上限は特に限定されないが、成形加工性などを考慮して320〜340℃程度とすることが好ましい。保持器材料として一般に使用される他のポリアミド樹脂(ポリアミド66樹脂(同267℃)、ポリアミド46樹脂(同295℃)、ポリアミド9T樹脂(同300℃))よりも融点が高く、耐熱性に優れるので、高温、高速回転で使用されても、保持器の変形、焼付き、破損などを防止できる。なお、融点は、示差走査熱量計(DSC)を用いて、不活性ガス雰囲気下で、上記ポリアミド樹脂を溶融状態から20℃/分の降温速度で25℃まで降温した後、20℃/分の昇温速度で昇温した場合に現れる吸熱ピークの温度(Tm)として測定できる。
上記ポリアミド樹脂は、そのガラス転移温度が130℃以上であることが好ましい。より好ましくは150℃以上である。保持器材料として一般に使用される他のポリアミド樹脂(ポリアミド66樹脂(同49℃)、ポリアミド46樹脂(同78℃)、ポリアミド9T樹脂(同125℃)よりもガラス転移温度が高いので、高温、高速回転で使用されても、保持器の変形を抑制でき、転動体と保持器の滑り摩擦による発熱を小さくできる。なお、ガラス転移温度は、示差走査熱量計(DSC)を用いて、不活性ガス雰囲気下で、上記ポリアミド樹脂を急冷した後、20℃/分の昇温速度で昇温した場合に現れる階段状の吸熱ピークの中点の温度(Tg)として測定できる(JIS K7121)。
ベース樹脂とする上記ポリアミド樹脂に配合する繊維状補強材としては、ガラス繊維または炭素繊維を用いる。ガラス繊維は、SiO2、B2O3、Al2O3、CaO、MgO、Na2O、K2O、Fe2O3などを主成分とする無機ガラスから紡糸して得られる。一般に、無アルカリガラス(Eガラス)、含アルカリガラス(Cガラス、Aガラス)などを使用できる。上記ポリアミド樹脂への影響を考慮すれば無アルカリガラスが好ましい。無アルカリガラスは、組成物中にアルカリ成分をほとんど含んでいないホウケイ酸ガラスである。アルカリ成分がほとんど入っていないので、ポリアミド樹脂への影響がほとんどなく樹脂組成物の特性が変化しない。ガラス繊維としては、例えば、旭ファイバーグラス社製:03JAFT692、MF03MB120、MF06MB120などが挙げられる。
炭素繊維は、ポリアクリロニトリル系(PAN系)、ピッチ系、レーヨン系、リグニン−ポバール系混合物など原料の種類によらないで使用できる。ピッチ系炭素繊維としては、例えば、クレハ社製:クレカ M−101S、同M−107S、同M−101F、同M−201S、同M−207S、同M−2007S、同C−103S、同C−106S、同C−203Sなどが挙げられる。また、PAN系炭素繊維としては、例えば、東邦テナックス社製:ベスファイトHTA−CMF0160−0H、同HTA−CMF0040−0H、同HTA−C6、同HTA−C6−S、または、東レ社製:トレカMLD−30、同MLD−300、同T008、同T010などが挙げられる。
繊維状補強材としてガラス繊維を用いる場合、その配合量は、樹脂組成物全体に対して15〜50質量%とする。繊維状補強材として炭素繊維を用いる場合、その配合量は、樹脂組成物全体に対して15〜30質量%とする。ガラス繊維または炭素繊維を上記範囲とすることで、保持器の剛性を高め、高温、高速回転となる条件下でも保持器の変形を小さくし、発熱量を小さくできる。さらに、転がり軸受保持器の形状を射出成形時に無理抜きする形状とする場合や、転がり軸受に組み付ける際のウエルド部の十分な強度(引張強度)を確保することを考慮すれば、ガラス繊維を用いる場合は樹脂組成物全体に対して20〜30質量%が好ましく、炭素繊維を用いる場合は樹脂組成物全体に対して20〜30質量%が好ましい。
本発明における樹脂組成物には、保持器機能や射出成形性を損なわない範囲であれば、必要に応じて、上記繊維状補強材以外の添加剤を配合してもよい。他の添加剤として、例えば、固体潤滑剤、無機充填材、酸化防止剤、帯電防止剤、離型材などを配合できる。
上記樹脂組成物を構成する各材料を、必要に応じて、ヘンシェルミキサー、ボールミキサー、リボンブレンダーなどにて混合した後、二軸混練押出し機などの溶融押出し機にて溶融混練し、成形用ペレットを得ることができる。なお、充填材の投入は、二軸押出し機などで溶融混練する際にサイドフィードを採用してもよい。この成形用ペレットを用いて射出成形により保持器を成形する。射出成形時は、樹脂温度を上述のポリアミド樹脂の融点以上とし、金型温度を該ポリアミド樹脂のガラス転移温度未満に保持して行なう。
本発明に用いる樹脂製保持器は、上述のとおり、所定のポリアミド樹脂に所定量の繊維状補強材(ガラス繊維または炭素繊維)を配合した樹脂組成物からなるので、融点およびガラス転移温度が高く、優れた耐熱性、耐油性、耐薬品性、寸法安定性、靱性を示すとともに高い機械的性質を有する。このため、上記保持器は、高速回転域などの過酷な環境条件(高温雰囲気、油や薬品と接触する条件、高速回転条件、高負荷条件、多湿環境など)で長時間の使用に耐え得る保持器となる。
また、上記樹脂組成物は、吸水性が小さいため、吸水・吸湿による膨潤、膨張に伴う寸法変化や物性低下を抑制できる。上記保持器は、寸法安定性に優れ、精度の要求される用途の保持器として安価に提供できる。
本発明で用いるポリアミド樹脂において、ジカルボン酸成分またはジアミン成分として、植物由来の原料を用いてもよい。例えば、ひまし油を出発原料とした1,10−デカンジアミンを使用できる。植物のようなバイオマス由来原料を採用することで、樹脂製保持器の焼却処分に伴う二酸化炭素の実質的な排出量を、バイオマス由来原料を用いない場合よりも低減できる。ここで、バイオマス由来原料を用いた植物性プラスチックであるかどうかは、樹脂を構成している炭素について、放射性同位元素である14Cの濃度を測定することで判別できる。14Cの半減期は5730年であることから、1千万年以上の歳月を経て生成されるとされる化石資源由来の炭素には14Cが全く含まれない。このことから樹脂中に14Cが含まれていれば、少なくともバイオマス由来の原料を用いていると判断できる。
本発明の多列組合せ軸受装置で使用する転がり軸受および該軸受に用いる保持器を図1および図2に基づいて説明する。図1は、本発明で使用する転がり軸受の一例であるアンギュラ玉軸受の軸方向一部断面図であり、図2は、図1の転がり軸受における保持器(もみ抜き型)の斜視図である。
図1に示すように、アンギュラ玉軸受1は、外周面に軌道面2aを有する内輪2と、内周面に軌道面3aを有する外輪3と、内輪2の軌道面2aと外輪3の軌道面3aとの間を転動する玉4と、玉4を転動自在に保持する保持器5とを備えている。内輪2および外輪3と、玉4とは径方向中心線に対して所定の角度θ(接触角)を有して接触しており、ラジアル荷重と一方向のアキシアル荷重を負荷できる。保持器5は、外輪案内方式であり、該保持器の外周面の一部(軸方向片側)に外輪3に案内される外輪案内部5aを有している。図1の構成では、外輪案内部5aが外輪3の内周面と接触することで、保持器5が外輪3に案内される。なお、保持器の案内形式は、外輪案内形式に限らず、内輪案内形式でもよい。
軌道輪案内方式は、転動体案内方式に比べて、保持器の軌道輪との接触による摩擦熱が発生するため、保持器が変形するおそれがある。保持器が変形すると、外輪と局部的な接触が起こり、この接触による摩擦熱によって樹脂が溶融して転がり軸受が焼き付く場合がある。本発明では、後述するように、保持器を上記樹脂組成物の射出成形体とすることで、保持器の剛性を高め、高温回転条件下でも保持器の変形を小さくし、樹脂の溶融や軸受の焼き付きを効果的に抑制できる。
アンギュラ玉軸受1において、内輪2および外輪3はいずれも鋼材からなっている。上記鋼材には、軸受材料として一般的に用いられる任意の材料を用いることができる。例えば、高炭素クロム軸受鋼(SUJ1、SUJ2、SUJ3、SUJ4、SUJ5など;JIS G 4805)、浸炭鋼(SCr420、SCM420など;JIS G 4053)、ステンレス鋼(SUS440Cなど;JIS G 4303)などを用いることができる。
また、アンギュラ玉軸受1において、玉4は鋼材だけでなく、軽量のセラミックス材料を用いることができる。セラミックス材料を用いることで、高速回転時の遠心力による予圧増大が抑制でき、さらに耐焼付性を向上させることができるため好ましい。セラミックス材料としては、窒化ケイ素、炭化ケイ素、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化ジルコニウム(ジルコニア)、サイアロン、ガラスなどが挙げられる。これらの中でも、耐熱性に優れる窒化ケイ素がより好ましい。
図2には、保持器の斜視図を示す。図2に示すように、保持器5には、円環状の保持器本体5bに転動体である玉を収納するポケット部6が周方向に一定間隔で複数設けられている。なお、ポケット部6は、上述の樹脂組成物を射出成形して得られた成形体に対して、切削加工する等して形成される。
図3は、本発明の多列組合せ軸受装置を用いた工作機械主軸用スピンドル装置の例である。スピンドル装置13は、軸受ハウジング14内において、主軸15をフロント側軸受およびリア側軸受で回転自在に保持しており、主軸15の中間部のビルトインモータ16により主軸15が回転駆動される。図3に示すように、多列組合せ軸受装置11は、スピンドル装置13の主軸15のフロント側軸受として使用される。また、主軸15のリア側軸受としては単列のアンギュラ玉軸受12が使用される。
多列組合せ軸受装置11は、軸方向に配列した4個のアンギュラ玉軸受1a、1b、1c、1dを有している。4個のアンギュラ玉軸受1a〜1dは、内輪側と外輪側とにそれぞれ介在する内輪間座と外輪間座によって位置決めされる。図3において、4個のアンギュラ玉軸受の組合せ方法は、前部(図中左側)2列のアンギュラ玉軸受1a、1bと、後部(図中右側)2列のアンギュラ玉軸受1c、1dとが互いに背面合せで配列されている。なお、前部のアンギュラ玉軸受1a、1bと後部のアンギュラ玉軸受1c、1dとを正面合せ(接触角が逆ハの字方向の組合せ)で配列してもよい。図3において、4個のアンギュラ玉軸受1a、1b、1c、1dの内径寸法および外径寸法は互いに同じである。また、これら軸受の内径寸法および外径寸法は、アンギュラ玉軸受12の内径寸法および外径寸法と異なっている。
ビルトインモータ16は、多列組合せ軸受装置11とアンギュラ玉軸受12の間の主軸に設けられる。ビルトインモータ16は、主軸15に固定されたロータ17と、このロータ17に対向して軸受ハウジング14の内周に設けられたステータ18とからなる。
図3に示すように、4列のアンギュラ玉軸受1a〜1dの4列の場合、軸方向の内側に配置されたアンギュラ玉軸受1b、1cは、軸方向の両端に配置されたアンギュラ玉軸受1a、1dに比べて、軸受内で発生した熱が放熱されにくく、高温になりやすい。そのため、本発明の多列組合せ軸受装置では、複数の転がり軸受のうち少なくとも内側の転がり軸受(図3の1b、1c)の保持器が上記樹脂組成物からなるので耐熱性に優れ、高速回転条件下においても該保持器の変形を抑制できる。また、上記樹脂組成物は、自己潤滑性および低摩擦特性にも優れる。
図3において、例えば、アンギュラ玉軸受1b、1cの保持器にのみ上記樹脂組成物を用い、アンギュラ玉軸受1a、1dの保持器には他のポリアミド樹脂(ポリアミド66樹脂、ポリアミド46樹脂、ポリアミド9T樹脂)をベース樹脂とする樹脂組成物を用いる形態としてもよい。また、アンギュラ玉軸受1b、1c、1dの保持器にのみ上記樹脂組成物を用い、アンギュラ玉軸受1aの保持器には他のポリアミド樹脂(ポリアミド66樹脂、ポリアミド46樹脂、ポリアミド9T樹脂)をベース樹脂とする樹脂組成物を用いる形態としてもよい。この形態では、モータ発熱の影響を受けやすいアンギュラ玉軸受1dの保持器の変形も抑制できる。他の形態として、全てのアンギュラ玉軸受1a〜1dの保持器に上記樹脂組成物を用いてもよい。
また、本発明の多列組合せ軸受装置は、セラミックス製の転動体と併用することで、転動体と保持器との摩擦による発熱を一層小さくでき、温度上昇を抑えることができる。この場合、全ての転がり軸受の転動体をセラミックス製としてもよい。また、内側の転がり軸受(図3の1b、1c)の転動体のみをセラミックス製とし、両端の転がり軸受(図3の1a、1d)の転動体を鋼製としてもよい。後者の場合、セラミックスへの変更に伴うコスト増を抑えつつ、耐熱性が要求される軸受の発熱を抑えることができる。以上より、本発明の多列組合せ軸受装置は、高速回転条件下でも焼き付きや破損がなく長時間運転することができる。
上記転がり軸受における潤滑方法としては、例えば、グリース潤滑、オイルミスト潤滑、エアオイル潤滑、ジェット潤滑などの方法があり、いずれも採用できる。これら潤滑方法のうち、例えばスピンドル装置の主軸構造の簡素化という観点では、付属部品や付帯設備の不要なグリース潤滑が好ましい。本発明に用いる転がり軸受は、潤滑方法にかかわらず高速回転可能な構成となっているため、グリース潤滑でもdm・n値100×104以上で十分使用可能である。好ましくはdm・n値120×104以上で使用され、より好ましくはdm・n値150×104以上で使用される。一方、さらに高速の回転条件下では、オイルミスト潤滑またはエアオイル潤滑が好ましい。オイルミスト潤滑またはエアオイル潤滑の場合、dm・n値200×104以上でも使用可能である。
なお、図3に示した多列組合せ軸受装置11の構成やスピンドル装置13の構成は、これに限らない。多列組合せ軸受装置11の転がり軸受としてアンギュラ玉軸受を例に説明したが、軸受形式はこれに限定されず、他の玉軸受、円すいころ軸受、自動調心ころ軸受、針状ころ軸受などにも適用できる。また、多列組合せ軸受装置11は、3列以上の転がり軸受が組合されていればよく、例えば、3列でも、5列でもよい。3列の構成の場合、内側の転がり軸受はフロント側から2列目の軸受である。なお、3列の構成の場合、軸受はDBT組合せで配列される。具体的には、フロント側2列の軸受とフロント側から3列目の軸受とが互いに背面合せで配列される。5列の構成の場合、内側の転がり軸受はフロント側から2列目、3列目、4列目の軸受である。また、スピンドル装置12は、例えば、マシニングセンタ、旋盤、フライス盤、研削盤などの各種工作機械に適用できる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに説明するが、本発明はこれにより何ら制限されるものではない。
実施例および比較例に用いる原材料を一括して以下に示す。
(1)樹脂材料
ポリアミド樹脂A:テレフタル酸と1,10−デカンジアミンを主原料に使用した樹脂(ユニチカ社製XecoT XN500)
ポリアミド66樹脂:東レ社製アミランCM3001
ポリアミド46樹脂:DSM社製スタニールTW300
ポリアミド9T樹脂:クラレ社製ジェネスタN1000
(2)繊維状補強材
ガラス繊維:旭ファイバーグラス社製03JAFT692(平均繊維径10μm、平均繊維長3mm)
炭素繊維:東邦テナックス社製HTA−C6(平均繊維径7μm、平均繊維長6mm)
(1)樹脂材料
ポリアミド樹脂A:テレフタル酸と1,10−デカンジアミンを主原料に使用した樹脂(ユニチカ社製XecoT XN500)
ポリアミド66樹脂:東レ社製アミランCM3001
ポリアミド46樹脂:DSM社製スタニールTW300
ポリアミド9T樹脂:クラレ社製ジェネスタN1000
(2)繊維状補強材
ガラス繊維:旭ファイバーグラス社製03JAFT692(平均繊維径10μm、平均繊維長3mm)
炭素繊維:東邦テナックス社製HTA−C6(平均繊維径7μm、平均繊維長6mm)
実施例1〜7、比較例1〜6において、各原材料を表1に示す割合で配合した樹脂組成物を用いて、実施例と比較例の保持器を作製し、各種の試験を実施した。樹脂組成物の製造には二軸押出機を用いた。ガラス繊維、炭素繊維は折損を防止するために定量サイドフィーダーを用いて供給し、押し出して造粒した。得られた成形用ペレットを用い、インラインスクリュー式射出成形機にて成形し、所望の保持器形状(外径93mm、内径88mm、幅13mm)とした。なお、保持器の形状は、図2に示すもみ抜き型保持器とした。成形後、80℃、95%相対湿度の雰囲気にて調湿処理を実施し、吸水させたものについて各試験を実施した。得られた保持器の調湿前後の質量から以下に示す算出式により吸水率を測定した。結果を表1に示す。
[吸水率の算出式]吸水率(質量%)=(調湿後の質量−調湿前の質量)× 100/調湿前の質量
[軸受温度試験]
軸受温度試験に用いた軸受は、上記保持器およびセラミックス球(材質:窒化ケイ素)を組み込んだアンギュラ玉軸受とした。保持器の案内方式は、外輪案内方式とした。図3に示すように、該アンギュラ玉軸受を4列配列したビルトインモータを内蔵するスピンドル装置とした。リア側の軸受は、単列の円筒ころ軸受を使用した。軸受の潤滑方式はエアオイル潤滑またはグリース潤滑とした。装置内のビルトインモータを駆動させることで主軸を回転させ、エアオイル潤滑ではdm・n値250×104まで回転速度を順次上げていき、グリース潤滑ではdm・n値170×104まで回転速度を順次上げていく試験を実施した。回転速度の上昇の過程において、少なくとも1以上の保持器が溶融した場合を「あり」とし、保持器が溶融しなかった場合を「なし」として、結果を表1に併記した。
軸受温度試験に用いた軸受は、上記保持器およびセラミックス球(材質:窒化ケイ素)を組み込んだアンギュラ玉軸受とした。保持器の案内方式は、外輪案内方式とした。図3に示すように、該アンギュラ玉軸受を4列配列したビルトインモータを内蔵するスピンドル装置とした。リア側の軸受は、単列の円筒ころ軸受を使用した。軸受の潤滑方式はエアオイル潤滑またはグリース潤滑とした。装置内のビルトインモータを駆動させることで主軸を回転させ、エアオイル潤滑ではdm・n値250×104まで回転速度を順次上げていき、グリース潤滑ではdm・n値170×104まで回転速度を順次上げていく試験を実施した。回転速度の上昇の過程において、少なくとも1以上の保持器が溶融した場合を「あり」とし、保持器が溶融しなかった場合を「なし」として、結果を表1に併記した。
表1に示すように、比較例1、4(ポリアミド66)、比較例2、5(ポリアミド46)、比較例3、6(ポリアミド9T)はエアオイル潤滑、グリース潤滑ともに回転速度を上げていく際に保持器が溶融した。特に、内側のアンギュラ玉軸受の保持器が溶融した。なお、比較例の中においては、ポリアミド9T、ポリアミド46、ポリアミド66の順で劣る結果となった。これに対し、実施例1〜7の保持器ではエアオイル潤滑、グリース潤滑ともに回転速度を上げても保持器が溶融することなく回転することが確認できた。
本発明の多列組合せ軸受装置は、高温、高速条件下においても焼付きや破損を生じないので、自動車、モータ、工作機械などで用いられる多列組合せ軸受装置として利用できる。特に、dm・n値が100×104以上となるような高速回転で使用される多列組合せ軸受装置として好適である。
1 アンギュラ玉軸受(転がり軸受)
2 内輪
3 外輪
4 玉
5 保持器
6 ポケット部
11 多列組合せ軸受装置
12 アンギュラ玉軸受
13 スピンドル装置
14 軸受ハウジング
15 主軸
16 ビルトインモータ
17 ロータ
18 ステータ
2 内輪
3 外輪
4 玉
5 保持器
6 ポケット部
11 多列組合せ軸受装置
12 アンギュラ玉軸受
13 スピンドル装置
14 軸受ハウジング
15 主軸
16 ビルトインモータ
17 ロータ
18 ステータ
Claims (7)
- 内輪および外輪と、この内・外輪間に介在する複数の転動体と、この転動体を保持する保持器とを有する転がり軸受を軸方向に3以上配列してなり、dm・n値100×104以上の高速回転で使用される軸受装置であり、
前記複数の転がり軸受のうち、少なくとも軸方向の内側の転がり軸受の保持器は、樹脂組成物の射出成形体であり、
前記樹脂組成物は、ジカルボン酸成分とジアミン成分とからなるポリアミド樹脂をベース樹脂とし、これに繊維状補強材を配合してなる組成物であり、前記ジカルボン酸成分がテレフタル酸を主成分とし、前記ジアミン成分が1,10−デカンジアミンを主成分とし、前記繊維状補強材として、前記樹脂組成物全体に対して、ガラス繊維を15〜50質量%、または、炭素繊維を15〜30質量%含むことを特徴とする多列組合せ軸受装置。 - 前記ポリアミド樹脂は、融点が310℃以上であることを特徴とする請求項1記載の多列組合せ軸受装置。
- 前記保持器が、内輪案内方式または外輪案内方式の保持器であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の多列組合せ軸受装置。
- 前記多列組合せ軸受装置において、軸方向の内側の前記転がり軸受の転動体がセラミックス製であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項記載の多列組合せ軸受装置。
- 前記多列組合せ軸受装置が、ビルトインモータ主軸を有するスピンドル装置に使用されることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項記載の多列組合せ軸受装置。
- 前記複数の転がり軸受が、エアオイル潤滑またはオイルミスト潤滑で潤滑されることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項記載の多列組合せ軸受装置。
- 前記複数の転がり軸受が、グリース潤滑で潤滑されることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項記載の多列組合せ軸受装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018169088A JP2020041597A (ja) | 2018-09-10 | 2018-09-10 | 多列組合せ軸受装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018169088A JP2020041597A (ja) | 2018-09-10 | 2018-09-10 | 多列組合せ軸受装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020041597A true JP2020041597A (ja) | 2020-03-19 |
Family
ID=69797831
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018169088A Pending JP2020041597A (ja) | 2018-09-10 | 2018-09-10 | 多列組合せ軸受装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2020041597A (ja) |
-
2018
- 2018-09-10 JP JP2018169088A patent/JP2020041597A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6577184B2 (ja) | 転がり軸受 | |
US7537392B2 (en) | Rolling bearing | |
JP5508618B2 (ja) | 転がり軸受 | |
JP2019074098A (ja) | 転がり軸受 | |
JP7240122B2 (ja) | 転がり軸受用保持器、および転がり軸受 | |
JP2009115128A (ja) | 転がり軸受用保持器及び転がり軸受 | |
JP2021152394A (ja) | 転がり軸受 | |
JP6697235B2 (ja) | 転がり軸受 | |
JP2020041597A (ja) | 多列組合せ軸受装置 | |
JP2019060448A (ja) | 転がり軸受および転がり軸受の潤滑構造 | |
JP4025975B2 (ja) | 玉軸受用保持器及び玉軸受 | |
US11898604B2 (en) | Ball bearing | |
JP2019052706A (ja) | 円すいころ軸受用保持器および円すいころ軸受 | |
JP2002130295A (ja) | 転がり軸受用プラスチック保持器の製造方法及び該保持器を備えた転がり軸受 | |
WO2023182252A1 (ja) | 転がり軸受用保持器および転がり軸受 | |
JP2019074097A (ja) | 円筒ころ軸受用保持器および円筒ころ軸受 | |
JP2004076747A (ja) | 転がり軸受用保持器及び転がり軸受 | |
JP2000227120A (ja) | 転がり軸受 | |
JP2009191157A (ja) | 転がり軸受用プラスチック保持器及び転がり軸受 | |
JP2018169021A (ja) | 樹脂プーリ付き軸受 | |
JP2020056419A (ja) | 樹脂製プーリ | |
JP2004076928A (ja) | 転がり軸受用合成樹脂製保持器及び転がり軸受 | |
JP2007024187A (ja) | 転がり軸受用プラスチック保持器 | |
JPH11336765A (ja) | 転がり軸受用プラスチック保持器 | |
JP2022128711A (ja) | 玉軸受 |