JP2020041500A - ポンプ - Google Patents
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Abstract
【課題】静音性を維持しながら、従来構成よりも高い流量と高い圧力を実現する。【解決手段】ポンプ10は、平板20、振動領域30を有する平板300、および、圧電素子40を備える。圧電素子40は、平板20に配置されている。平板300の振動領域30は、平板20に対向して配置されている。圧電素子40は、圧電体41を有する。圧電体41は、第1領域411と第2領域412とを有する。第1領域411は、分極方向P411を有する。第2領域412は、第1領域411の外周に配置され、分極方向P411と逆の分極方向P412を有する。【選択図】 図1
Description
この発明は、屈曲振動を用いて流体を搬送するポンプに関する。
従来、例えば、特許文献1に示す構造を有するポンプがある。特許文献1に示すポンプは、内部空間を有する筐体と、アクチュエータとを備える。
アクチュエータは、平板状であり、筐体の内部空間に、筐体の1つの壁に対向して配置されている。アクチュエータが対向する壁は、中央部の厚みが薄く、受動振動板として機能する。受動振動板の中央には、吸気口が設けられている。また、アクチュエータの外縁には開口があり、排気口となっている。
アクチュエータが振動すると、アクチュエータと受動振動板との間のポンプ室の圧力変化によって、受動振動板が振動する。吸気と排気は、これらアクチュエータの振動と受動振動板の振動との組合せによって実現される。
特許文献1に示すようなポンプでは、高い流量や高い圧力を得るためには、ポンプ室を大きくする必要がある。しかしながら、ポンプ室を大きくするためには、アクチュエータである能動振動板や受動振動板の面積を大きくする必要がある。
この場合、能動振動板および受動振動板の共振周波数は、低下する。そして、振動周波数が可聴域に入ってしまうと、ユーザに不快な騒音が発生してしまう。
したがって、本発明の目的は、静音性を維持しながら、従来構成よりも高い流量と高い圧力を実現可能なポンプを提供することにある。
この発明のポンプは、第1板、圧電素子、第2板、および、ポンプ室を備える。第1板は、第1主面と第2主面とを有し、外縁が振動可能に支持されている。圧電素子は、第1板の第1主面に配置され、第1板を振動させる。第2板は、第2主面に対向する第3主面と、第4主面と、第3主面と第4主面とを貫通し第2板の中央領域に形成された吸入口と、を有し、第3主面から第4主面方向に見て中央領域の外側の領域にて第4主面が固定されている。ポンプ室は、第1板、第2板、側壁部材によって囲まれる空間からなり、第1主面から第2主面方向に視て圧電素子よりも外側に形成された吐出口および吸入口を介して外部に連通する。圧電素子は、平板の圧電体と、圧電体の対向する両主面に形成された駆動用電極と、を有する。圧電体は、圧電体の厚み方向に沿った第1の分極方向を有する第1領域と、該第1領域の外周に配置され、第1の分極方向と逆の第2の分極方向を有する第2領域と、を有する。
この構成では、第1領域と第2領域とで、圧電体の変位方向が逆になる。これにより、第1板の中心から外縁との間に、振動の節を2個有する振動、すなわち、2次共振による振動が生じる。さらに、第1板の振動によって、第2板も同様に、2次共振による振動が生じる。そして、第1板の振動の腹と第2板の振動の節とが、平面視において一致または近くなることによって、ポンプ室内の流体は、吸入口から吐出口に向けて効率的に搬送される。この際、第1板および第2板の面積が大きくなっても、2次共振の周波数は、高くなるので、その周波数が可聴域に入ることが抑制される。
また、この発明のポンプは、第1板、圧電素子、第2板、ポンプ室、および、駆動部を備える。第1板は、第1主面と第2主面とを有し、外縁が振動可能に支持されている。圧電素子は、第1板の第1主面に配置され、第1板を振動させる。第2板は、外縁が固定して支持されている。ポンプ室は、第1板、第2板、側壁部材によって囲まれる空間からなり、第1板の外縁の領域に形成された吐出口および第2板の中央領域に形成された吸入口を介して外部に連通している。駆動部は、圧電素子に駆動信号を与える。圧電素子は、平板の圧電体と、圧電体の対向する両主面に形成された駆動用電極と、を有する。駆動用電極は、第1駆動用電極と第2駆動用電極とを備える。第1駆動用電極は、平面視において、圧電体の中央領域に配置されている。第2駆動用電極は、平面視において、第1駆動用電極よりも外側に配置されている。駆動部は、第1駆動用電極と第2駆動用電極とに逆相の駆動信号を印加する。
この構成では、圧電体における第1駆動用電極に挟まれる部分と、圧電体における第2駆動用電極に挟まれる部分とで、圧電体の変位方向が逆になる。これにより、第1板の中心から外縁との間に、振動の節を2個有する振動、すなわち、2次共振による振動が生じる。さらに、第1板の振動によって、第2板も同様に、2次共振による振動が生じる。そして、第1板の振動の腹と第2板の振動の節とが、平面視において一致または近くなることによって、ポンプ室内の流体は、吸入口から吐出口に向けて効率的に搬送される。この際、第1板および第2板の面積が大きくなっても、2次共振の周波数は、高くなるので、その周波数が可聴域に入ることが抑制される。
この発明によれば、静音性を維持しながら、従来構成よりも高い流量と高い圧力を実現可能なポンプを提供することにある。
本発明の第1の実施形態に係るポンプについて、図を参照して説明する。図1(A)は、本発明の第1の実施形態に係るポンプの構成を示す側面断面図であり、図1(B)は、圧電素子の詳細な構成および圧電素子と駆動部との接続状態を示す図である。図2は、本発明の第1の実施形態に係るポンプの構成を示す分解斜視図である。図3は、本発明の第1の実施形態に係るポンプの振動の概要を示す側面断面図である。
図1(A)、図1(B)、図2に示すように、ポンプ10は、平板20、平板300、圧電素子40、支持部材51、および、側壁部材52を備える。
平板20は、互いに対向する主面21(本発明の「第1主面」に対応する。)と主面22(本発明の「第2主面」に対応する。)とを有する。平板20は、所定の材料、厚み、および、径からなる円板である。平板20の材料、厚み、および、径は、平板20が圧電素子40によって振動する際の共振周波数に基づいて設定されている。平板20が、本発明の「第1板」に対応する。
なお、平板20は、主たる振動領域が円形であれば、外形形状は、円形に限らず、略円形、正多角形を含む略正多角形であってもよい。これにより、平板20における振動が中心POに対して軸対称に伝わるため、流体搬送のエネルギー損失を小さくできる。特に、平板20が円形の場合、最も効果的に流体搬送のエネルギー損失を小さくできる。
圧電素子40は、平板20の主面21に配置されている。圧電素子40は、円板である。この際、平面視において、圧電素子40の中心は、平板20の中心POに略一致している。なお、圧電素子40の中心と平板20の中心POとは、完全に一致していることが好ましいが、ポンプ10の動作として実質的な影響を与えない程度にズレていてもよい。なお、圧電素子40の具体的な構造は、後述する。
平板20の外縁OE20よりも外方には、固定用部材220が配置されている。固定用部材220は、環形である。固定用部材220の内周面と平板20の外縁OE20とは、弾性部材201によって接続されている。また、固定用部材220の内周面と平板20の外縁OE20と間には、孔210が形成されている。孔210は、本発明の「吐出口」に対応する。孔210は、平板20の外縁OE20の全周に亘って離散的に形成されている。例えば、平板20と固定用部材220とは、一枚の板からなり、平板20の外縁OE20と固定用部材220の内周面との間の領域を貫通する孔を複数設けることによって孔210が形成される。そして、平板20の外縁OE20と固定用部材220の内周面との間の領域における孔210が形成されずに残った部分は、弾性部材201となる。この構成によって、平板20は、外縁OE20が振動可能な状態で、固定用部材220に保持される。
平板300は、互いに対向する主面31と主面32とを有する。平板300は、所定の材料、厚み、および、径からなる円板である。平板300は、平面視した中央の領域に、振動領域30を有する。振動領域30の材料、厚み、および、径は、振動領域30の共振周波数と平板20の共振周波数とが一致するように設定されている。例えば、図1(A)に示すように、振動領域30の半径R30は、平板20の半径R20よりも小さい。一例として、半径R30は、半径R20の約65%±10%程度である。振動領域30の厚みは、平板20の厚みよりも薄い。平板300の振動領域30が、本発明の「第2板」に対応する。
振動領域30を有する平板300は、平板20に対して、所定距離で離間して配置されている。より具体的には、平板300の主面31と平板20の主面22とは、互いに対向しており、主面31と主面22とは平行であり、主面31と主面22との距離が、上記所定距離である。平板300および振動領域30の中心と平板20の中心POとは一致している。
平板300は、平面視の中心を含むように、主面31から主面32に貫通する孔310を有する。言い換えれば、振動領域30は、中心POを含むように、主面31から主面32に貫通する孔310を有する。孔310は、主面31および主面32の平面視において円形の円筒形である。孔310が、本発明の「吸入口」に対応する。
なお、平板300は、振動領域30が円形であれば、外形形状は、円形に限らず、略円形、正多角形を含む略正多角形であってもよい。これにより、平板300の振動領域30における振動が中心POを通り主面31および主面32に直交する軸に対して軸対称に伝わるため、流体搬送のエネルギー損失を小さくできる。特に、振動領域30が円形の場合、最も効果的に流体搬送のエネルギー損失を小さくできる。
側壁部材52は、円環形である。側壁部材52は、所定の剛性を有する。側壁部材52の底面は、平板300の外縁に沿って、平板300の主面31に接合している。この際、側壁部材52は、振動領域30には接合していない。側壁部材52の天面は、固定用部材220の底面(平板20の主面22側と同じ側の面)に接合している。
このような構成によって、ポンプ10のポンプ室100は、平板20、平板300、および、側壁部材52によって囲まれる空間によって実現される。但し、実際のポンプ動作として主として寄与するのは、ポンプ室100における平板20と振動領域30とによって挟まれた領域である。そして、ポンプ室100は、孔210によって、ポンプ10における平板20側の外部に連通している。また、ポンプ室100は、孔310によって、ポンプ10における平板300側(支持部材51側)の外部に連通している。
支持部材51は、円形である。支持部材51は、所定の剛性を有する。支持部材51は、平板300の主面32に接合している。支持部材51は、平面視の中心を含むように、主面間を貫通する開口510を有する。この開口510の半径は、平板300の振動領域30の半径R30と同じである。すなわち、平板300における支持部材51が接合していない中央の領域が、平板300の振動領域30となる。これにより、振動領域30は、外縁が固定された状態で、支持部材51に支持されている。
このような構成において、圧電素子40を次に示すような構成とし、圧電素子40を駆動することによって、ポンプ10は、孔310を介して、外部からポンプ室100内へ流体を吸入し、孔210を介して、ポンプ室100内から外部へ流体を吐出する。
(圧電素子40の構造)
図1(B)に示すように、圧電素子40は、圧電体41、駆動用電極42および駆動用電極43を備える。
図1(B)に示すように、圧電素子40は、圧電体41、駆動用電極42および駆動用電極43を備える。
圧電体41は、互いに対向する主面4101と主面4102を有する円板である。駆動用電極42は、圧電体41の主面4101に形成されている。駆動用電極43は、圧電体41の主面4102に形成されている。駆動用電極42は、配線電極TR42を介して、駆動部61の一方端子に接続されている。駆動用電極43は、配線電極TR43を介して、駆動部61の他方端子に接続されている。駆動部61は、交流電圧源であり、所定周波数の駆動信号を発生する。これにより、圧電素子40には、所定周波数の駆動信号が印加される。
圧電体41は、第1領域411、第2領域412、および、第3領域413を有する。第1領域411は、圧電体41の中心を含む半径R41の円形の領域である。第2領域412は、圧電体41における第1領域411よりも外縁側(外周側)の半径R42(>R41)の円環形の領域である。第3領域413は、第1領域411と第2領域412との間の円環形の領域である。第3領域413の幅(圧電体41の中心から外縁に向かう方向に沿った長さ)は、可能な限り短いことが好ましい。
第1領域411の分極方向P411と第2領域412の分極方向P412とは、逆である。例えば、図1(B)に示すように、第1領域411の分極方向P411が主面4101から主面4102を向くのであれば、第2領域412の分極方向P412は、主面4102から主面4101を向いている。
第3領域413(本発明の「中間領域」に対応する。)は、分極が殆ど生じない領域である。なお、ここで、分極が殆ど生じない領域とは、分極が生じないことに限らず、局所的に分極が生じていても、第3領域413として、それぞれの分極が相殺される励振への寄与の小さい曲げの変極点付近であり、正負の分極が交差して相殺される場合だけでなく敢えて未分極領域として残す場合も含む。
なお、図1(A)、図1(B)では、明確な境界線によって、第1領域411、第2領域412、および、第3領域413を区分しているが、各境界は、分極の度合いが徐々に変化するものであってもよい。
そして、一例として、第1領域411の半径R41は、平板20の半径R20に対して、約35%±10%であり、第2領域412の外縁の半径R42は、平板20の半径R20に対して、約75%±10%である。
(圧電素子40の挙動および平板20と平板300の振動領域30の振動状態)
第1領域411の分極方向P411と第2領域412の分極方向P412とが逆であるので、駆動用電極42および駆動用電極43に交流の駆動信号が印加されると、圧電体41の第1領域411と第2領域412とで、応力の発生する方向は逆になる。これにより、平板20における圧電体41の第1領域411が当接する中央領域と、平板20における圧電体41の第2領域412が当接する外縁側の領域とでは、振動の方向は、逆になる。
第1領域411の分極方向P411と第2領域412の分極方向P412とが逆であるので、駆動用電極42および駆動用電極43に交流の駆動信号が印加されると、圧電体41の第1領域411と第2領域412とで、応力の発生する方向は逆になる。これにより、平板20における圧電体41の第1領域411が当接する中央領域と、平板20における圧電体41の第2領域412が当接する外縁側の領域とでは、振動の方向は、逆になる。
この場合、図3に示すように、平板20は、中心POから外縁OE20との間に振動の節を2個有する振動が生じる。この振動は、図3に示すように、平板20の各位置が主面21、22に直交する方向に変位する振動(ベンディング振動)
である。この際、駆動信号の周波数を平板20の2次共振周波数に設定する。これにより、平板20の2次共振の振動は励振され、平板20は、振動の節を2個有する定在波状に、大きな振幅で安定的に振動する。特に、第1領域411の半径R41および第2領域412の半径R42を上述の寸法で設定することによって、平板20をより大きな振幅で振動させることが可能になる。
である。この際、駆動信号の周波数を平板20の2次共振周波数に設定する。これにより、平板20の2次共振の振動は励振され、平板20は、振動の節を2個有する定在波状に、大きな振幅で安定的に振動する。特に、第1領域411の半径R41および第2領域412の半径R42を上述の寸法で設定することによって、平板20をより大きな振幅で振動させることが可能になる。
平板20が振動すると、当該振動によるポンプ室100の圧力変動によって、平板300の振動領域30が受動的に振動を生じる。上述のように、平板20と振動領域30とは、共振周波数を一致させている。したがって、振動領域30は、中心POから外縁OE30との間に振動の節を2個有する振動を生じる。
さらに、平板20の振動に対して、ポンプ室100の圧力変動を介して、振動領域30が受動的に振動することによって、平板20の振動と振動領域30の振動との時間的な位相差を、約90°とすることができる。
具体的には、図3に示すように、平板20の振動の第1の節Nu21(中心PO側の節)の位置と、振動領域30の腹Au30の位置とが略一致する。また、平板20の振動の腹Au20(節Nu21と節Nu22との間の腹)と、振動領域30の外縁OE30の節とが一致した状態で、平板20と振動領域30とを振動させることができる。
このように、平板20の振動と平板300の振動領域30の振動とが、上述のように、空間的な位相差が略90°となり、時間的な位相差が略90°となることによって、ポンプ室100内には、中心POから外縁に向かう流体の蠕動運動(流体の進行波)が生じる。これにより、ポンプ10は、孔310を介して流体を外部からポンプ室100内に吸入し、ポンプ室100内を中心から外縁方向に流体を搬送し、孔210を介して流体を外部に吐出する。
図4は、本発明の第1の実施形態に係るポンプの振動の状態遷移および流体の搬送状態を示す図である。
具体的には、図4のST1では、平板20および振動領域30の中心PO付近での間隔が広くなり、孔310からポンプ室100内に流体が吸入される。この時、中心POと外縁との途中位置では、平板20と平板300の振動領域30とが近づく。これにより、外縁側からの逆流入を抑制できる。
その後、図4のST2、ST3、ST4では、平板20および振動領域30の振動によって、平板20と振動領域30との間隔が大きな位置は、中心POから外縁に向かって移動する。この動きによって、流体は、中心POから外縁に向けて搬送される。この際、例えば、図4のST3に示す状態であれば、振動領域30の外縁付近において、平板20と平板300の振動領域30とが近づき、外縁側からの逆流入を抑制できる。
その後、図4のST5、ST6、ST7、ST8では、ST4から引き続き、平板20および振動領域30の振動によって、平板20と振動領域30との間隔が大きな位置は、外縁に向かって移動する。この動きによって、流体は、外縁に向けてさらに搬送される。
そして、図4のST1、ST2に示すように、平板20の外縁OE20に付近に搬送された流体は、孔210から外部に吐出される。
このような構成および動作において、ポンプ10の振動の周波数は、平板20および振動領域30の2次共振の周波数となる。これにより、ポンプ10の振動の周波数を高く設定することができる。したがって、ポンプ室100の形状を大きくしても、振動の周波数を可聴域よりも高くできる。この結果、ポンプ10は、静音性を維持しながら、高い流量と高い圧力を実現できる。
また、ポンプ10では、圧電体41に第3領域413を備えることによって、平板20の振動の節Nu21の位置(中心POから外縁OE20に向かう方向における位置)を設計し易くなる。
なお、上述の第1領域411の分極方向P411と第2領域412の分極方向P412とを異ならせた構成は、例えば、次の方法によって形成が可能である。まず、圧電体41における第1領域411とする箇所に対応する主面4101および主面4102に、第1の分極形成用電極を形成する。同様に、圧電体41における第2領域412とする箇所に対応する主面4101および主面4102に、第2の分極形成用電極を形成する。
つぎに、第1の分極形成用電極と第2の分極形成用電極とに、逆の特性の電圧を印加する。これにより、第1領域411に分極方向P411を与え、第2領域412に分極方向P412を与え、分極方向P411と分極方向P412とを逆方向にできる。
この後、主面4101上の第1の分極形成用電極と第2の分極形成用電極とを接続する電極を追加することによって、駆動用電極42が形成される。同様に、主面4102上の第1の分極形成用電極と第2の分極形成用電極とを接続する電極を追加することによって、駆動用電極43が形成される。これにより、圧電素子40が形成される。
次に、本発明の第2の実施形態に係るポンプについて、図を参照して説明する。図5(A)は、本発明の第2の実施形態に係るポンプの構成を示す側面断面図であり、図5(B)は、圧電素子の詳細な構成および圧電素子と駆動部との接続状態を示す図である。
図5(A)、図5(B)に示すように、第2の実施形態に係るポンプ10Aは、第1の実施形態に係るポンプ10に対して、圧電素子40Aの構成において異なる。ポンプ10Aの他の構成は、ポンプ10と同様であり、同様の箇所の説明は省略する。
図5(A)、図5(B)に示すように、圧電素子40Aは、圧電体41Aを備える。圧電体41Aは、第1領域411と第2領域412とを有し、第3領域413を有さない。
このような構成であっても、平板20を二次共振の周波数で振動させることができる。さらに、圧電素子40Aにおける平板20の振動に寄与しない部分が無く、振動効率が向上する。
次に、本発明の第3の実施形態に係るポンプについて、図を参照して説明する。図6は、本発明の第3の実施形態に係るポンプの構成を示す側面の断面図である。
図6に示すように、第3の実施形態に係るポンプ10Bは、第1の実施形態に係るポンプ10に対して、平板20Bの構成において異なる。ポンプ10Bの他の構成は、ポンプ10と同様であり、同様の箇所の説明は省略する。
平板20Bは、平面視した中心POを含む領域に、突出部23を有する。突出部23は、平板20Bにおける主面22から外方へ突出する形状であり、円板形状である。突出部23は、平面視において、振動領域30に重なっている。この際、突出部23の外縁の側面は、振動領域30の外縁OE30に一致するか、外縁OE30よりも中心側に位置することが好ましい。
このような構成とすることによって、ポンプ室100の高さ(突出部23と振動領域30との距離)が狭くなり、圧力を高くすることができる。そして、ポンプ室100よりも外側では、平板20と平板300との距離が、突出部23と振動領域30との距離よりも長くなる。したがって、平板20の外縁OE20に近い領域においては、流路抵抗が低下し、流量の低下を抑制し、流量を高くできる。
また、突出部23を設けることによって、平板20Bの振動の周波数を調整することも可能である。これにより、平板20Bの振動の周波数を、所望の周波数に調整し易い。
次に、本発明の第4の実施形態に係るポンプについて、図を参照して説明する。図7は、本発明の第4の実施形態に係るポンプの構成を示す側面の断面図である。
図7に示すように、第4の実施形態に係るポンプ10Cは、第3の実施形態に係るポンプ10Cに対して、質量調整部材70を追加した点において異なる。ポンプ10Cの他の構成は、ポンプ10Bと同様であり、同様の箇所の説明は省略する。
質量調整部材70は、円環状の部材であり、平面視した中央に孔700を有する。孔700の形状は、例えば、平板300の孔310と同じである。質量調整部材70は、平板300の主面32に当接して配置されている。
質量調整部材70は、平板300の中心付近、すなわち、振動領域30の中心付近に配置されている。より具体的には、質量調整部材70は、平板300における孔310の周りに、孔700が孔310に重なるように、配置されている。
質量調整部材70の平面視した大きさは、図4に示す振動領域30の中心側の振動の節Nu31に達しない程度であることが好ましい。
このような構成では、質量調整部材70の重さ、大きさを調整することによって、振動領域30の振動の節Nu31および腹Au30の位置(中心から外縁OE30に向かう方向の位置)を調整することが可能になる。これにより、平板20の振動と振動領域30の振動の空間的な位相差を、より精度良く、90°にすることが可能になる。したがって、高い流量および高い圧力を、より確実に実現できる。
次に、本発明の第5の実施形態に係るポンプについて、図を参照して説明する。図8(A)は、本発明の第5の実施形態に係るポンプの構成を示す側面断面図であり、図8(B)は、圧電素子の詳細な構成および圧電素子と駆動部との接続状態を示す図である。
図8(A)、図8(B)に示すように、第5の実施形態に係るポンプ10Dは、第1の実施形態に係るポンプ10に対して、圧電素子40Dの構成および圧電素子40Dの駆動に関する構成において異なる。ポンプ10Dの他の構成は、ポンプ10と同様であり、同様の箇所の説明は省略する。
図8(A)、図8(B)に示すように、圧電素子40Dは、圧電体41D、駆動用電極42D、および、駆動用電極43Dを備える。圧電体41Dは、圧電体41のような複数の分極方向を有さない。
駆動用電極42Dは、圧電体41Dの主面4101に形成されている。駆動用電極42Dは、駆動用電極421と駆動用電極422とを有する。駆動用電極421は、平面視において、円形であり、圧電体41Dの中央領域に形成されている。駆動用電極422は、平面視において、円環形であり、圧電体41Dの外縁側の領域に形成されている。
駆動用電極43Dは、圧電体41Dの主面4102に形成されている。駆動用電極43Dは、駆動用電極431と駆動用電極432とを有する。駆動用電極431は、平面視において、円形であり、圧電体41Dの中央領域に形成されており、駆動用電極421に対向している。駆動用電極432は、平面視において、円環形であり、圧電体41Dの外縁側の領域に形成されており、駆動用電極422に対向している。
駆動用電極421は、位相反転回路62および配線電極TR421を介して駆動部61の一方端子に接続されている。駆動用電極431は、配線電極TR431を介して、駆動部61の他方端子に接続されている。
駆動用電極422は、配線電極TR422を介して駆動部61の一方端子に接続されている。駆動用電極432は、配線電極TR432を介して、駆動部61の他方端子に接続されている。
この構成では、圧電体41Dにおける駆動用電極421と駆動用電極431との挟まれる領域と、圧電体41Dにおける駆動用電極422と駆動用電極432との挟まれる領域とで、逆位相の駆動信号が印加される。これにより、圧電体41Dにおける駆動用電極421と駆動用電極431との挟まれる領域と圧電体41Dにおける駆動用電極422と駆動用電極432との挟まれる領域との関係は、第1の実施形態に示した圧電体41の第1領域411と第2領域412との関係と同じになる。
したがって、ポンプ10Dは、ポンプ10と同様の動作をする。この結果、ポンプ10Dは、ポンプ10と同様に、静音性を維持しながら、高い流量と高い圧力を実現できる。さらに、ポンプ10Dでは、圧電素子40Dの圧電体41Dのように、複数方向の分極処理を行わなくてもよい。したがって、ポンプ10Dは、ポンプ10よりも簡素な工程で形成できる。
なお、本実施形態の説明では、位相反転回路62を用いる態様を示した。しかしながら、駆動用電極421と駆動用電極431に駆動信号を印加する第1駆動部と、駆動用電極422と駆動用電極432に駆動信号を印加する第2駆動部とを、個別に用意してもよい。この場合、第1駆動部と第2駆動部とは、同期しており、互いに逆相の駆動信号を発生させる。この構成でも、ポンプ10Dと同等のポンプを実現できる。
次に、本発明の第6の実施形態に係るポンプについて、図を参照して説明する。図9は、本発明の第6の実施形態に係るポンプの構成を示す側面断面図である。
図9に示すように、第6の実施形態に係るポンプ10Eは、第1の実施形態に係るポンプ10に対して、吐出口となる孔210Eの形成位置において異なる。ポンプ10Eの他の構成は、ポンプ10と同様であり、同様の箇所の説明は省略する。
ポンプ10Eは、孔210E、および、弾性部材201Eを備える。孔210Eは、側壁部材52を内面から外面に貫通する形状である。これにより、ポンプ知る100とポンプ10Eの外部とは連通する。なお、孔210Eの個数および大きさは、ポンプ10Eの特性に基づいて適宜設定すればよい。これに伴い、弾性部材201Eには、孔が形成されていない。
このような構成であっても、ポンプ10Eは、ポンプ10と同様の作用効果を得ることができる。
また、上述の各実施形態に係るポンプの構成は、それぞれ部分的に、適宜組み合わせることが可能であり、それぞれの組合せに応じた作用効果を奏することができる。
また、上述の各実施形態に係るポンプは、例えば、血圧計、搾乳器、陰圧閉鎖療法装置等に利用可能である。そして、上述の各実施形態に係るポンプを用いることによって、血圧計、搾乳器、陰圧閉鎖療法装置等の装置性能は向上する。
10、10A、10B、10C、10D:ポンプ
20、20B、300:平板
21、22:主面
23:突出部
30:振動領域
31:主面
32:主面
40、40A、40D:圧電素子
41、41A、41D:圧電体
42、42D、43、43D:駆動用電極
51:支持部材
52:側壁部材
61:駆動部
62:位相反転回路
70:質量調整部材
100:ポンプ室
201、201E:弾性部材
210、210E:孔
220:固定用部材
300:平板
310:孔
411:第1領域
412:第2領域
413:第3領域
421、422、431、432:駆動用電極
510:開口
700:孔
4101、4102:主面
Au20、Au30:振動の腹
Nu21、Nu22、Nu31:振動の節
OE20、OE30:外縁
P411、P412:分極方向
PO:中心
R20、R30、R41、R42:半径
TR42、TR421、TR422、TR43、TR431、TR432:配線電極
20、20B、300:平板
21、22:主面
23:突出部
30:振動領域
31:主面
32:主面
40、40A、40D:圧電素子
41、41A、41D:圧電体
42、42D、43、43D:駆動用電極
51:支持部材
52:側壁部材
61:駆動部
62:位相反転回路
70:質量調整部材
100:ポンプ室
201、201E:弾性部材
210、210E:孔
220:固定用部材
300:平板
310:孔
411:第1領域
412:第2領域
413:第3領域
421、422、431、432:駆動用電極
510:開口
700:孔
4101、4102:主面
Au20、Au30:振動の腹
Nu21、Nu22、Nu31:振動の節
OE20、OE30:外縁
P411、P412:分極方向
PO:中心
R20、R30、R41、R42:半径
TR42、TR421、TR422、TR43、TR431、TR432:配線電極
Claims (9)
- 第1主面と第2主面とを有し、外縁が振動可能に支持された第1板と、
前記第1板の前記第1主面に配置され、前記第1板を振動させる圧電素子と、
前記第2主面に対向する第3主面と、第4主面と、前記第3主面と前記第4主面とを貫通し第2板の中央領域に形成された吸入口と、を有し、前記第3主面から前記第4主面方向に見て前記中央領域の外側の領域にて前記第4主面が固定された第2板と、
前記第1板、前記第2板、側壁部材によって囲まれる空間からなり、前記第1主面から前記第2主面方向に視て前記圧電素子よりも外側に形成された吐出口および前記吸入口を介して外部に連通するポンプ室と、
を備え、
前記圧電素子は、
平板の圧電体と、
前記圧電体の対向する両主面に形成された駆動用電極と、
を有し、
前記圧電体は、
該圧電体の厚み方向に沿った第1の分極方向を有する第1領域と、
該第1領域の外周に配置され、前記第1の分極方向と逆の第2の分極方向を有する第2領域と、を有する、
ポンプ。 - 前記圧電体は、
前記第1領域と前記第2領域との間に、分極が殆ど生じない中間領域を有する、
請求項1に記載のポンプ。 - 第1主面と第2主面とを有し、外縁が振動可能に支持された第1板と、
前記第1板の前記第1主面に配置され、前記第1板を振動させる圧電素子と、
外縁が固定して支持された第2板と、
前記第1板、前記第2板、側壁部材によって囲まれる空間からなり、前記第1板の前記外縁の領域に形成された吐出口および前記第2板の中央領域に形成された吸入口を介して外部に連通するポンプ室と、
前記圧電素子に駆動信号を与える駆動部と、
を備え、
前記圧電素子は、
平板の圧電体と、
前記圧電体の対向する両主面に形成された駆動用電極と、
を有し、
前記駆動用電極は、
平面視において、前記圧電体の中央領域に配置された第1駆動用電極と、
前記平面視において、前記第1駆動用電極よりも外側に配置された第2駆動用電極と、
を有し、
前記駆動部は、前記第1駆動用電極と前記第2駆動用電極とに逆相の駆動信号を印加する、
ポンプ。 - 平面視において、前記第2板における前記吸入口の周りに配置された質量調整部材を備える、
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のポンプ。 - 前記第1板は、前記第2主面から前記第2板の前記第3主面に向けて突出する突出部を備える、
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のポンプ。 - 前記第1板の外縁に接続する弾性部材と、
前記弾性部材に接続する固定用部材と、を備え、
前記第1板は、前記弾性部材を介して前記固定用部材で支持されることによって、前記外縁が振動可能に支持されている、
請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のポンプ。 - 前記圧電素子は、平面視において円形である、
請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のポンプ。 - 前記第1板は、平面視において円形である、
請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のポンプ。 - 前記第2板は、平面視において円形である、
請求項1乃至請求項8のいずれかに記載のポンプ。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2018170375A JP2020041500A (ja) | 2018-09-12 | 2018-09-12 | ポンプ |
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JP2018170375A JP2020041500A (ja) | 2018-09-12 | 2018-09-12 | ポンプ |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN115822933A (zh) * | 2022-12-23 | 2023-03-21 | 吉林大学 | 一种压电喷流泵 |
-
2018
- 2018-09-12 JP JP2018170375A patent/JP2020041500A/ja active Pending
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